JPH0717991A - アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法、異性化或いはその促進剤 - Google Patents

アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法、異性化或いはその促進剤

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JPH0717991A
JPH0717991A JP5188877A JP18887793A JPH0717991A JP H0717991 A JPH0717991 A JP H0717991A JP 5188877 A JP5188877 A JP 5188877A JP 18887793 A JP18887793 A JP 18887793A JP H0717991 A JPH0717991 A JP H0717991A
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Norihiro Kakimoto
紀博 柿本
Keiji Umeda
圭司 梅田
Takafumi Harumi
隆文 春見
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Asai Germanium Research Institute Co Ltd
National Food Research Institute
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Asai Germanium Research Institute Co Ltd
National Food Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の難点を解消し、アルドース構造を
有する化合物を高い異性化率で、特別の設備や煩雑な操
作を必要とせず、ケトース構造を有する化合物に異性化
することのできる方法、及び、この方法を実施する際に
用いて有用な異性化或いはその促進剤を提供することを
目的としてなされた。 【構成】 本発明のアルドース構造を有する化合物をケ
トース構造を有する化合物へ異性化する方法の構成は、
式(I) 【化1】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物に
より或いはその存在下に、アルドース構造を有する化合
物をケトース構造を有する化合物へ異性化することを特
徴とするものであり、又、上記目的を達成するために本
発明が採用したアルドース構造を有する化合物のケトー
ス構造を有する化合物への異性化或いはその促進剤の構
成は、式(I) 【化2】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物を
主剤とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルドース構造を有す
る化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方
法及びこの異性化に際し使用される異性化或いは異性化
の促進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エネルギー源等として生物にとって非常
に重要であり、且つ、地球上に最も多く存在する有機化
合物である炭水化物については、単糖類を主な構成要素
としていることが知られており、これら単糖類は、代表
的には炭素数3乃至8の炭素原子が環状に連なった構造
を有していて、構造的に2種類に大別される。
【0003】即ち、アルデヒドの糖類であるアルドース
と、ケトンの糖類であるケトースとに分類することがで
きるのであり、アルドース及びケトースのそれぞれが、
前記炭素原子の数によってトリオース、テトロース、ペ
ントース及びヘキソースのように分類されている。
【0004】そして、上記単糖類の反応については種々
のものが知られているが、工業的に実施されている反応
としては、ケトヘキソースであるグルコース(ブドウ
糖)を対応するアルドヘキソースであるフルクトース
(果糖)へ異性化し、異性化糖を製造する反応を挙げる
ことができる。
【0005】上記異性化糖とは、グルコースの一部を異
性化して得られるグルコースと、原料であるフルクトー
スとの混合物であり、甘味の少ないグルコースを甘味の
強いフルクトースへ一部変換し、砂糖(ショ糖)に近い
甘味を持たせたものである。
【0006】上記異性化糖は、その成分であるフルクト
ースが低温であるほど甘味が強いため、その消費量全体
の約70%が清涼飲料等の飲料に添加され、それ以外は
食品全般に利用されており、その生産量は年間約114
万トンである(平成2年4月〜平成3年3月統計、食糧
庁加工食品課)。
【0007】上記グルコースとフルクトースは、共に構
造が近似したヘキソースであり、古くからさまざまな方
法による異性化が提案されてきたが、現在では、異性化
酵素(グルコースイソメラーゼ)を用いてグルコースの
一部をフルクトースに異性化することにより異性化糖を
製造することが工業的に行われている。
【0008】即ち、トウモロコシデンプン等のデンプン
を液化し、グルコアミラーゼで糖化した糖液を、例えば
ストレプトマイセス属等の菌種に属する菌が生産する異
性化酵素を各種の方法で固定化した固定化酵素中を連続
的に通過させ、グルコースをフルクトースに異性化して
いるのである。
【0009】そして、上記異性化は、平衡点が1付近に
存在する平衡反応であり、平衡到達時において、約60
℃の反応温度でグルコースの約50%をフルクトースへ
異性化することができるのであるが、この程度まで異性
化を進めるには相当長時間を要し、この長時間の加熱の
ために反応液が着色してしまい、市販するための精製、
濃縮工程でのコストを上昇させてしまうため、フルクト
ースの含有量が約42%程度にまで異性化が進行した段
階で反応を終了させている。
【0010】既に述べたように、異性化糖は、大量・安
価に生産が可能なグルコースに砂糖に近い甘味を持たせ
ることを目的として生産されているのであるが、砂糖の
甘味を100とした場合、上記説明したフルクトースを
約42%含有する異性化糖(以下、42%異性化糖のよ
うにも表す)の甘味は95〜100であって若干不足し
ているため、上記異性化反応のみでは、砂糖の甘味を有
する異性化糖を直接に得ることは不可能である。
【0011】そこで現在では、42%異性化糖中のフル
クトースの含有量を55%まで高め、甘味を100〜1
10とした55%異性化糖が工業的に生産されている。
【発明が解決しようとする問題点】
【0012】しかしながら、上記42%異性化糖を55
%異性化糖とするには、陽イオン交換樹脂を充填した反
応塔のような大掛かりな設備を必要とするばかりか、前
記反応塔を利用した連続的糖分離をすることによってま
ずフルクトース含量約95%のフルクトース液を得、次
いでこのフルクトース液と前記42%異性化糖を混合す
るというように、操作も煩雑であるという難点がある。
【0013】一方、アルドース構造を有する他の化合物
をケトース構造を有する化合物への異性化としては、例
えば、二糖類に属するラクトースのラクツロースへの異
性化を挙げることができるが、上記グルコースの場合と
異なり、ラクトースをラクツロースへ異性化する酵素が
現在まで発見されていないので、ラクトースに対して所
定濃度以下となるように水酸化ナトリウムを加え、この
混合液を70℃以上の温度に加熱する方法(特公昭52
−2984号公報参照)によりラクツロースへの異性化
が行われている。ところが、この方法では、異性化率、
つまりラクツロースの生成率が20%以下と上記フルク
トースの生成率より低く、高濃度でラクツロースを含有
するシロップとするためには、やはり得られるラクツロ
ース液を濃縮しなければならないという難点がある。
【0014】本発明は、上述した従来技術の難点を解消
し、アルドース構造を有する化合物を、高い異性化率で
ケトース構造を有する化合物に異性化することのできる
方法を提供することを目的としてなされた。
【0015】本発明は、又、アルドース構造を有する化
合物を、特別の設備や煩雑な操作を必要とせずにケトー
ス構造を有する化合物に異性化することのできる方法を
提供することを目的としてなされた。
【0016】本発明は、又、アルドース構造を有する化
合物を、異性化酵素を使用せず、ケトース構造を有する
化合物に異性化することのできる方法を提供することを
目的としてなされた。
【0017】本発明は、又、ケトース構造へ異性化する
ことのできる異性化酵素が存在しないアルドース構造を
有する化合物であっても、異性化率の面で不利なアルカ
リ条件下の加熱という条件によることなく、ケトース構
造を有する化合物に異性化することのできる方法を提供
することを目的としてなされた。
【0018】本発明は、更に、上記方法を実施する際に
用いて有用な異性化或いはその促進剤を提供することを
目的としてなされた。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したアルドース構造を有する化合物をケ
トース構造を有する化合物へ異性化する方法の構成は、
式(I)
【化8】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物に
より或いはその存在下に、アルドース構造を有する化合
物をケトース構造を有する化合物へ異性化することを特
徴とするものであり、又、上記目的を達成するために本
発明が採用したグルコースの異性化剤の構成は、式
(I)
【化9】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物を
主剤とすることを特徴とするものである。
【0020】以下に本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明においては、上述のようにアルドー
ス構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物へ
の異性化は、前記式(I)で表される部分構造を有し、
残る構造として鎖式又は環式炭化水素、それらの置換体
又は誘導体その他の有機的な基を有する有機ゲルマニウ
ム化合物により或いはその存在下に行うものであるの
で、まずこのような部分構造を有する有機ゲルマニウム
化合物について説明する。
【0022】即ち、上記有機ゲルマニウム化合物として
は、前記式(II)で表わされるような、置換基R1
2及びR3と酸素官能基OX1とを有するカルボン酸誘
導体とゲルマニウム原子とが結合したゲルミルカルボン
酸誘導体を基本骨格とし、当該基本骨格におけるゲルマ
ニウム原子と酸素原子とが2:3の割合で結合したもの
を例示することができるのである。
【0023】前記置換基R1、R2及びR3は、同一或い
は異なっており、それぞれ水素原子や、メチル基,エチ
ル基,プロピル基,ブチル基等のいわゆる低級アルキル
基、置換され若しくは置換されていないフェニル基又は
アセチル基等の保護基により保護され若しくは保護され
ないアミノ基を、置換基X1は水酸基,O−低級アルキ
ル基,アミノ基又はOY1で表わされるカルボンの塩を
それぞれ示している。尚、Y1はナトリウム,カリウム
等の金属(但し、一価のものに限られない)又はリゾチ
ーム或いはリジン等の塩基性アミノ酸に代表される塩基
性を有する化合物を示している。
【0024】又、置換基R1及びR2は、ゲルマニウム原
子のα位に位置し(C)nで表される炭素鎖(但し、n
は1以上の整数である)のそれぞれに、n=1、2・・
・nとnが増加するに従いR11、R12・・・R1n及びR
21、R22・・・R2nのように結合し、置換基R3は前記
炭素鎖及び酸素官能基とにはさまれたメチン基に結合し
ている。
【0025】従って、本発明で使用する有機ゲルマニウ
ム化合物としては、以下の表1乃至表5に示すようなも
のを例示することができる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0026】上記化合物中では、上記表1乃至表4に例
示されるような、式(III)
【化10】 (式中、R4乃至R6は前記R1乃至R3と同様、水素原子
又は同一或いは異なる低級アルキル基、置換若しくは無
置換のフェニル基又は適宜の保護基により保護された若
しくは保護されないアミノ基を、X2は前記X1と同様、
水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基又はOY2で表
される塩[Y2は金属又は塩基性基を有する化合物を示
す]をそれぞれ示す)で表されるものが入手が容易であ
るという点からは好ましい。
【0027】而して、上記構造の有機ゲルマニウム化合
物は様々な方法により製造することができるので、前記
式(II)においてn=1の化合物である式(III)
で表される化合物について説明する。
【0028】即ち、前記式(III)においてX2=O
Hのものは、例えば下記反応式に示すように、予め置換
基R4乃至R6を導入しておいたトリクロルゲルミルプロ
ピオン酸等のトリハロゲルミルプロピオン酸を加水分解
すれば良い。
【化11】
【0029】又、式(III)においてX2=O−低級
アルキル基のようなものは、例えば、上記トリクロルゲ
ルミルプロピオン酸にチオニルクロライド等を作用させ
て対応する酸ハロゲン化物に変換し、この酸ハロゲン化
物に対し上記低級アルキル基に対応するアルコールを反
応させた後に、加水分解すれば良く、又、式(III)
においてX2=NH2のものは、例えば前記酸ハロゲン化
物にアンモニアを作用させた後に加水分解すれば良い。
【0030】更に、式(III)においてX2がOY2
表わされる塩であり、Y2が金属であるものは、当該化
合物に対し対応する金属水酸化物を作用させれば良く、
又、Y2が塩基性基を有する化合物であるものも、公知
の酸−塩基反応に従うことにより合成することができ
る。
【0031】一方、前記式(III)において、nが1
以上のものについても、原則として上記説明をした方法
により製造することができる。
【0032】上記のようにして得られた有機ゲルマニウ
ム化合物に代表される本発明で使用する有機ゲルマニウ
ム化合物について行った核磁気共鳴吸収(NMR)スペ
クトルや赤外線吸収(IR)スペクトル等の機器分析の
結果は、これらの化合物が前記一般式で示されるもので
あることを良く支持している。
【0033】尚、上記有機ゲルマニウム化合物を表わす
式(II)は、結晶として単離した状態に相当するもの
で、水溶液中では、式、
【化12】 なる構造をとることがわかっている。
【0034】又、上記化合物は、他の構造式によっても
表すことができ、上記の化合物は例えば下記構造式によ
って表される化合物と同一である。
【化13】
【0035】尚、本発明で使用する有機ゲルマニウム化
合物の毒性は極めて低く、例えば前記化合物(II)
中、n=1、R1=R2=R3=H、X=OHのもの(化
合物番号:1、以下、有機ゲルマニウム化合物(1)の
ようにも表す)では、経口投与によるマウスのLD50
6g/Kg以上、ラットでは10g/Kg以上である。
【0036】而して、本発明は、すでに説明したように
前記式(I)で表される部分構造を有する有機ゲルマニ
ウム化合物により或いはその存在下に、アルドース構造
を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化
するものであるが、異性化の対象となる化合物は、Fi
scher投影法で示すアルドース構造
【化14】 を当該化合物中に有し、反応式
【化15】 で示すように、シス−エンジオール構造を中間的に経由
し、Fischer投影法で示すケトース構造
【化16】 を有する化合物へと異性化されるものであればよい。
【0037】まず、上記アルドース構造を有する化合物
としては、単糖類を挙げることができ、以下の左に記載
する化合物が右に記載した化合物へと異性化される。 グリセルアルデヒド→ジヒドロキシアセトン エリトロース、トレオース→エリトルロース リボース、アラビノース→リブロース キシロース、リキソース→キシルロース アロース、アルトロース→プシコース グルコース、マンノース→フルクトース グロース、イドース→ソルボース ガラクトース、タロース→タガトース
【0038】又、上記アルドース構造を有する化合物と
して還元性二糖類を挙げることができ、上記と同様に、
以下の左に記載する化合物が右に記載した化合物へと異
性化される。 マルトース→マルツロース ラクトース→ラクツロース
【0039】更に、上記アルドース構造を有する三糖類
以上のオリゴ糖乃至多糖類を異性化することもできる
が、その場合は末端にアルドース構造を有しているもの
が対象となる。尚、上記化合物中、例えばマルトースや
ラクトースについては、対応するケトース構造を有する
化合物へ異性化する酵素が現在まで発見されていない。
【0040】上記ケトース構造を有する化合物中、ラク
ツロースについては、高アンモニア血症に伴う精神神経
障害や手指の振戦等の改善に臨床投与されている。
【0041】尚、上記アルドース構造を有する化合物を
異性化する際の条件としては、従来より行われている異
性化酵素を使用したグルコースのフルクトースへの異性
化方法と同様、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カル
シウム等のアルカリを添加した状態で、常温乃至60乃
至90℃の温度で行えばよく、又、弱電解水製造装置で
水を分極させることにより得られる電解水のうちのアル
カリ側のものを使用することも好ましい。
【0042】又、異性化する際の濃度としては、異性化
のための時間及び目的とする異性化率等により決定され
るもので、特に限定されることはないが、例えば、アル
ドース構造を有する化合物の10重量%乃至飽和溶液
に、前記有機ゲルマニウム化合物を1重量%程度以上使
用すればよい。
【0043】本発明方法による異性化は、概ね反応時間
に応じて異性化率が上昇するので、反応の時間を調節す
ることにより異性化率を制御し、所望の異性化率に達成
するまで異性化を行うことができる。
【0044】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0045】
【実施例1】 (1)有機ゲルマニウム化合物の合成 アクリル酸(CH2CHCOOH)に対しトリクロルゲ
ルマン(Cl3GeH)を付加させてトリクロルゲルミ
ルプロピオン酸(Cl3GeCH2CH2COOHを得、
これを加水分解することにより、有機ゲルマニウム化合
物(1)を合成し更に同様の方法により他の有機ゲルマ
ニウム化合物(2)乃至(50)を合成した。
【0046】(2)弱電解水の調製 弱電解水製造装置(例えば、旭硝子社製「ミクロラスタ
ー」[商品名])に水を通して得られる電解水のうち、
アルカリ側のものを取り出し、弱電解水を調製した。 (3)グルコース液の調製 14g又は24gの無水グルコースを上記調製した弱電
解水約80mlに溶解した後、同じく弱電解水を加えて
100mlとした。調製直後のpHは、14%グルコー
ス液で9.01、28%グルコース液で8.61であっ
た。 (4)有機ゲルマニウム化合物液の調製 有機ゲルマニウム化合物(17)[式(II)で表され
る化合物中、n=1、R1=R2=H、R3=NH2、X1
=OHの化合物]の1.847gを採り、脱イオン水約
2mlに添加し、小量の水酸化ナトリウムで弱アルカリ
性(pH=8.00、8.53)に調整した後、更に脱
イオン水を加えて3mlとした。化合物(17)の最終
濃度は1.67Mであった。
【0047】(4)異性化 グルコース液200μlと有機ゲルマニウム化合物液2
00μl、及び、グルコース液200μlと上記弱電解
水200μlを小試験管に採ってよく混合した後、80
℃の恒温水槽内に保って反応させた。1乃至3時間後、
反応液50μlを50μlの0.5N−HClO4に加
えて反応を停止させた後、脱イオン水で100倍に希釈
し、生成フルクトース量及び残存グルコース量を高速液
体クロマトグラフィー(島津製7A)で定量した。
【0048】結果を以下の表6に示す。
【表6】 この表6から明らかなように、単に弱電解水に溶解した
場合のグルコースの異性化率は2乃至3%であったが、
有機ゲルマニウム液を混合した場合の異性化率は、48
乃至94.7%であった。又、水酸化ナトリウムを脱イ
オン水に溶解したグルコースに添加して異性化した場合
のグルコースの異性化率は32%であったが、有機ゲル
マニウム液を混合した場合の異性化率は、98.9%で
あった。尚、表6中の(Ge)は有機ゲルマニウム液を
混合した場合を、(Na)は水酸化ナトリウム及び脱イ
オン水を使用した場合をそれぞれ示し、特に注記のない
場合は、弱電解水のみで異性化を行ったことを示す。
【0049】
【実施例2】上記式(I)に包含される他の化合物につ
き、上記実施例2と同様の方法により異性化を行った。
3時間にわたって反応させた場合の結果を表7及び表8
に示す。尚、表7及び表8に示した化合物以外の化合物
も、ほぼ同様の異性化率を示した。
【表7】
【表8】
【0050】
【発明の効果】上記実施例からも明らかなように、本発
明は、従来技術の難点を解消し、アルドース構造を有す
る化合物をケトース構造を有する化合物に異性化するこ
とができ、しかも、特別の設備や煩雑な操作を必要とし
ない。
【0051】又、従来、例えばグルコースをフルクトー
ス等に異性化する際には異性化酵素の使用が必要であっ
たが、本発明によれば異性化酵素を使用しなくとも、使
用した場合と同等或いはそれ以上の異性化効果を得るこ
とができる。
【0052】更に、上記方法を実施する際に有用な本発
明の異性化或いはその促進剤は、極めて安全であり、且
つ、安定性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08B 37/00 Z 7433−4C // C07B 61/00 300

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物に
    より、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を
    有する化合物へ異性化することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化2】 で表される部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物の
    存在下、アルドース構造を有する化合物をケトース構造
    を有する化合物へ異性化することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 前記有機ゲルマニウム化合物が、式(I
    I) 【化3】 (式中、R1乃至R3は水素原子又は同一或いは異なる低
    級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は適
    宜の保護基により保護された若しくは保護されないアミ
    ノ基を、X1は水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基
    又はOY1で表される塩[Y1は金属又は塩基性基を有す
    る化合物を示す]を、nは1以上の整数をそれぞれ示
    す)で表されるものである請求項1又は2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記有機ゲルマニウム化合物が、式(I
    II) 【化4】 (式中、R4乃至R6は水素原子又は同一或いは異なる低
    級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は適
    宜の保護基により保護された若しくは保護されないアミ
    ノ基を、X2は水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基
    又はOY2で表される塩[Y2は金属又は塩基性基を有す
    る化合物を示す]をそれぞれ示す)で表されるものであ
    る請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アルドース構造を有する化合物は、
    シス−エンジオール構造を中間的に経由してケトース構
    造を有する化合物に異性化するものである請求項1又は
    2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記アルドース構造を有する化合物が単
    糖類である請求項1又は2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記アルドース構造を有する化合物がグ
    ルコースであり、フルクトースへ異性化される請求項1
    又は2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記アルドース構造を有する化合物が二
    糖類である請求項1又は2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記アルドース構造を有する化合物がラ
    クトースであり、ラクツロースへ異性化される請求項1
    又は2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アルドース構造を有する化合物が
    オリゴ糖又は多糖類である請求項1又は2に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 アルドース構造を有する化合物のケト
    ース構造を有する化合物への異性化は、中性乃至アルカ
    リ性の条件下で行う請求項1又は2に記載の方法。
  12. 【請求項12】 アルドース構造を有する化合物のケト
    ース構造を有する化合物への異性化は、アルカリ性弱電
    解水中で行う請求項1又は2に記載の方法。
  13. 【請求項13】 アルドース構造を有する化合物のケト
    ース構造を有する化合物への異性化は、アルドース構造
    を有する化合物のケトース構造を有する化合物へ異性化
    する酵素を存在させることなく行う請求項1又は2に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 式(I) 【化5】 で表わされる部分構造を有する有機ゲルマニウム化合物
    を主剤とすることを特徴とするアルドース構造を有する
    化合物のケトース構造を有する化合物への異性化或いは
    その促進剤。
  15. 【請求項15】 式(II) 【化6】 (式中、R1乃至R3は水素原子又は同一或いは異なる低
    級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は適
    宜の保護基により保護された若しくは保護されないアミ
    ノ基を、X1は水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基
    又はOY1で表される塩[Y1は金属又は塩基性基を有す
    る化合物を示す]を、nは1以上の整数をそれぞれ示
    す)で表される有機ゲルマニウム化合物を主剤とするこ
    とを特徴とするアルドース構造を有する化合物のケトー
    ス構造を有する化合物への異性化或いはその促進剤。
  16. 【請求項16】 式(III) 【化7】 (式中、R4乃至R6は水素原子又は同一或いは異なる低
    級アルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は適
    宜の保護基により保護された若しくは保護されないアミ
    ノ基を、X2は水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基
    又はOY2で表される塩[Y2は金属又は塩基性基を有す
    る化合物を示す]をそれぞれ示す)で表される有機ゲル
    マニウム化合物を主剤とする請求項15に記載のアルド
    ース構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物
    への異性化或いはその促進剤。
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