JPH07179758A - 芳香族ポリスルホン樹脂成形材料 - Google Patents

芳香族ポリスルホン樹脂成形材料

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JPH07179758A
JPH07179758A JP32374693A JP32374693A JPH07179758A JP H07179758 A JPH07179758 A JP H07179758A JP 32374693 A JP32374693 A JP 32374693A JP 32374693 A JP32374693 A JP 32374693A JP H07179758 A JPH07179758 A JP H07179758A
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fatty acid
aromatic polysulfone
polysulfone resin
molded
molding material
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JP32374693A
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English (en)
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Atsushi Morita
淳 森田
Tomohito Koba
友人 木場
Toshihiko Tsutsumi
敏彦 堤
Toshiaki Takahashi
敏明 高橋
Hiroyasu Ochi
広泰 大地
Tomoaki Sato
友章 佐藤
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】芳香族ポリスルホン樹脂に、酸価が4.0以下
である脂肪酸アミド及び/または脂肪酸ビスアミドを
0.02〜5重量部を溶融混練してなる芳香族ポリスル
ホン樹脂成形材料及び本芳香族ポリスルホン樹脂成形材
料にリン系安定剤を含有する芳香族ポリスルホン樹脂成
形材料。 【効果】本発明の芳香族ポリスルホン樹脂成形材料は成
形加工性・機械的・熱的性質・金型表面の汚染等を生じ
ることなく、特に成形品外観、離型性、耐腐食性を有す
る成形品を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型からの離型性の優
れ、金型の腐食の生じない、熱安定性に優れた芳香族ポ
リスルホン樹脂成形材料である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリスルホン樹脂は機械的性質、
熱的性質、電気的性質などに、優れた性能を有している
ため、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、回転成形
法等により成形され、機械部品、航空部品、電気・電子
部品等に幅広く利用されている。これらの成形品は一般
に小形で、形状の複雑なものが多い為、厳密な寸法精度
が求められており、寸法精度を維持するために種々の問
題が生じていた。例えば、成形品の寸法精度の維持のた
めに、抜き勾配を十分にとることができない、または成
形品の形状によっては突き出しピンの位置や大きさに制
限を受けることにより、成形品を型から容易に取り出す
ことが難しい等である。さらに、最近の成形加工業にお
いては、金型から成形品を自動的に取り出す装置が開発
され使用されている。この自動取り出し装置を有効に作
動させるには、成形品を金型から取り出す際の離型抵抗
を小さくする必要がある、このように離型性は成形材料
としての樹脂にとり重要な特性である。
【0003】本発明者らは、芳香族ポリスルホン樹脂の
離型性を改良するべく、鋭意検討した結果、芳香族ポリ
スルホン樹脂パウダー・ペレットに脂肪酸アミド及び/
または脂肪酸ビスアミドをまぶすことが、有効であるこ
とを見いだした(特開昭60−149629)。しか
し、この場合、離型性の改良効果は満足すべきものでは
なかった。一方、芳香族ポリスルホン樹脂は、高温溶融
時に微量のSOx 等の分解ガスの発生がしばしば認めら
れ、そのガスにより、射出成形時に金型の曇りが生じ、
腐食現象が確認されている。したがって、芳香族ポリス
ルホン樹脂に添加材等を添加する際には、その選定時
に、使用添加材の高温時での熱安定性に十分注意する必
要がある。即ち、芳香族ポリスルホン樹脂の成形温度は
比較的高温であり、添加剤の分解が起きると、芳香族ポ
リスルホン樹脂の分解をも引き起こし、金型の腐食が生
じる。またこれらの性質は、電気・電子部品に芳香族ポ
リスルホン樹脂を使用する場合は致命傷になる。即ち、
芳香族ポリスルホン樹脂より発生したガスが部品の金属
部を腐食するからである。(特開昭60−14962
9)における発明においても、本現象はしばしば生じそ
の解決が困難であった。さらに、そのガスの発生は、芳
香族ポリスルホン樹脂成形品の外観をも損なうことにな
り、ガス発生を抑えることが必要とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金型
からの離型性の優れ、金型の腐食の生じない、熱安定性
に優れた芳香族ポリスルホン樹脂成形材料を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定の脂肪酸アミ
ド及び/または脂肪酸ビスアミドと特定のリン系安定剤
を特定量配合することが重要であることを解明し、本発
明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、芳香族ポリスルホン樹脂
90〜99.96重量部と、酸価が4.0以下である脂
肪酸アミド及び/または脂肪酸ビスアミド0.02〜5
重量部と、リン系安定剤0.02〜5重量部を含有する
芳香族ポリスルホン樹脂成形材料である。本発明で用い
られる芳香族ポリスルホン樹脂とは、アルカリフェノレ
ート基と、電子吸引性スルホン基で活性化された芳香族
ハロゲン基と非プロトン性極性溶媒中で縮合反応させる
ことにより得られる形式の重合体であり、アリーレン結
合(芳香族結合)、エーテル結合およびスルホン結合の
三者を必須の結合単位とする線状重合体である。例え
ば、極めて代表的な例として次のような構造(化1)の
ものが挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】これらの芳香族ポリスルホン樹脂は、例え
ば特公昭40−10067号、特公昭42−7799号
及び特公昭47−617などに記載の方法によって容易
に製造できる。市販されているこれらの芳香族ポリスル
ホン樹脂の代表的なものとしては、VICTREX P
ES4100P,3600P,4800P,4100
G,3600G,4800G(ICI社製)、ウルトラ
ゾーンS,ウルトラゾーンE(BASF社製)、RAD
ELA100,A200,A300(アモコ社製)等が
挙げられる。特に、ウルトラゾーンEとしては、E10
10,E2010,E3010等が挙げられる。
【0009】本発明に用いられる脂肪酸アミド及び/ま
たは脂肪酸ビスアミドは、酸価が4.0以下である脂肪
酸アミド及び/または脂肪酸ビスアミドであり、芳香族
ポリスルホン樹脂に用いたとき、特に外観・離型性の面
で効果が大きいものである。具体的には、カプリン酸ア
ミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミ
ド、ベヘニン酸アミド、パルミトレイン酸アミド、オレ
イン酸アミド、エイコセン酸アミド、エルシン酸アミ
ド、エライジン酸アミド、トランス11エコイセン酸ア
ミド、トランス13ドコセン酸アミド、ノナデカン酸ア
ミド、モンタン酸アミド、ニルカ酸アミド、ステアロー
ル酸アミド等のモノアミド及びモノアミドのメチレン及
びエチレン2量体があげられ、これらは1種または2種
以上の混合、そのときの酸価が4.0以下であるものが
用いられる。本発明における脂肪酸アミド及び/または
脂肪酸ビスアミド系離型剤の量は、芳香族ポリスルホン
樹脂90〜99.6重量部に対し、0.02〜5重量部
であるが、好ましくは0.1〜3重量部である。この量
より少ない場合は離型性の良い成形材料が得られず、5
重量部を超えて使用する場合は離型性及び成形加工性は
十分ではあるが、成形品とした場合の機械的・熱的性能
が低下するため、好ましくない。
【0010】本発明に用いられる脂肪酸アミド及び/ま
たは脂肪酸ビスアミドの酸価は4.0以下であり、この
ましくは4.0〜0.5である。酸価が4.0を超えた
脂肪酸アミド及び/または脂肪酸ビスアミドを用いる
と、成形品の色相が悪くなり、離型性も悪くなり、腐食
も生じる。とくに、成形サイクルの長い成形、射出容量
の大きい射出成形機を用いた成形の場合では得られた成
形品の外観が良好でなく、離型性も悪く、通常の成形の
場合でも、外観不良品及び離型不良品が多い。さらに、
本発明に用いられる脂肪酸アミド及び/または脂肪酸ビ
スアミドの粒径は、好ましくは100以上メッシュパス
の細かい粒度の方が効果が大きい。脂肪酸アミド及び/
または脂肪酸ビスアミドの酸価の値だけでなく、粒度の
大きさも考慮することにより、さらに良い効果がある。
あまり粒径が大きすぎると、押出、成形の際、シリンダ
ー内にて脂肪酸アミド及び/または脂肪酸ビスアミドが
高せん断応力を受け、分解を促進されやすい。
【0011】本発明に用いられるリン系安定剤は1種ま
たは2種以上の混合物であり、酸価が4.0以下のもの
である。具体的には、トリフェニルホスファイト、ジフ
ェニルデシルホスファイト、ジデシルフェニルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファ
イト、トリドデシルホスファイト、トリオクタデシルホ
スファイト、トリノニルフェニルホスファイト、トリド
デシルトリチオホスファイト、トリ−β−ナフチルホス
ファイト、トリオクチルフェニルホスファイト、トリ2
−エチルヘキシルホスファイト、トリオレイルホスファ
イト、トリアリルホスファイト、トリシクロヘキシルホ
スファイト、トリテトラヒドロフルフリルホスファイ
ト、トリベンジルホスファイト、ジフェニルイソオクチ
ルホスファイト、ノニルフェニルジ−n−プロピルホス
ファイト、トリス−ノニルフェニルホスファイト、ジフ
ェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトール
ジホスファイト等が挙げられる。
【0012】本発明に用いられる、リン系安定剤の配合
量は、芳香族ポリスルホン樹脂90〜99.96重量部
に対し、リン系安定剤0.02〜5重量部である。リン
系安定剤の配合量が0.02より小さいと、芳香族ポリ
スルホン樹脂成形材料の熱安定性が悪くなり、発生ガス
が多くなったり、熱滞留特性が劣り、好ましくない。リ
ン系安定剤の配合量が5重量部を越えると、リン系安定
剤自身の分解が系内の熱安定性を損ない好ましくない。
また本発明は、芳香族ポリスルホン樹脂に脂肪酸アミド
及び/または脂肪酸ビスアミドとリン系安定剤の両者を
用いることにより、各成分のみを芳香族ポリスルホン樹
脂に添加した系では得られない特性が付与されている。
例えば、離型抵抗の場合では、両者を添加したことによ
る相乗効果が生まれている。
【0013】本発明による芳香族ポリスルホン樹脂組成
物は通常次のようにして製造する。 1)芳香族ポリスルホン樹脂のパウダーと添加剤粉末と
とをヘンシェルミキサー等の混合機で混合し、さらに熱
ロール、押出機等により混練して成形材料にする。この
成形材料はペレットとして使用するのが好ましい。次い
で、該ペレット等は射出成形機等の成形機により成形す
る。 2)芳香族ポリスルホン樹脂粉末と添加剤粉末とをヘン
シェルミキサーあるいはリボンブレンダー等の混合機中
で混合し、樹脂粉末表面に離型剤を付着せしめた後、射
出成形機等により成形する。等がある。しかし、基本的
にはどの製造段階で各添加剤粉末を添加してもよい。本
発明では芳香族ポリスルホン樹脂組成物に必要に応じ、
タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ等の充
填剤、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ繊維、アラ
ミド繊維、セラミック質繊維等の繊維状強化材、安定
剤、紫外線吸収剤、着色剤を樹脂組成物の品質を損なわ
ない範囲で混和してもよい。また、本発明では芳香族ポ
リスルホン樹脂組成物に必要に応じ、他の熱可塑性樹
脂、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケ
トンエーテルケトンケトン、その他のポリエーテルケト
ン類、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、液晶ポリマー、ナイロン、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリエーテルニトリル、全芳香族ポリエステル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール等を樹
脂組成物の品質を損なわない範囲で混和してもよい。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。
【0015】実施例1〜7 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価2.0または
3.0の脂肪酸ビスアミドとリン系安定剤とを表1に示
す量を配合し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドし
た。この混合物を30φ押出機を用いてシリンダー温度
300〜350℃で押出し、均一なペレット状の成形材
料を得た。次に、このペレットを射出成形機を用いて外
寸40mm×40mmの升状容器をシリンダー温度33
0〜370℃で成形した。その際、成形した容器の金型
からの離型抵抗をエジェクターピンにストレインゲージ
を設置して検出した。また、上記ペレットより引張試験
片を射出成形し、ASTMD−638に準じて引張強度
を測定した。また、上記ペレットより外径15mmの小
形円筒容器を射出成形し、容器の外観を観察した。さら
に、腐食性については、370℃にて射出成形品を浴中
浸漬溶融させ、その上部にAl製の板をつるし、板の変
色の度合いを観察する。結果を表1に示す。
【0016】実施例8、9 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価2.0または
3.0の脂肪酸ビスアミドとリン系安定剤とを表1に示
す量を配合し、ヘンシェルミキサーでドライブレンドし
た。この混合物とガラス繊維を用いて、50φ2軸押出
機を用いてシリンダー温度300〜350℃で押出し、
均一なペレット状の成形材料を得た。次に、このペレッ
トを射出成形機を用いて外寸40mm×40mmの升状
容器をシリンダー温度330〜370℃で成形した。そ
の際、成形した容器の金型からの離型抵抗をエジェクタ
ーピンにストレインゲージを設置して検出した。また、
上記ペレットより引張試験片を射出成形し、ASTM
D−638に準じて引張強度を測定した。また、上記ペ
レットより外径15mmの小形円筒容器を射出成形し、
容器の外観を観察した。さらに、腐食性については、3
70℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融させ、その上部に
Al製の板をつるし、板の変色の度合いを観察する。結
果を表1に示す。
【0017】比較例1 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010ペレットを射出成形機を用い
て外寸40mm×40mmの升状容器をシリンダー温度
330〜370℃で成形した。その際、成形した容器の
金型からの離型抵抗をエジェクターピンにストレインゲ
ージを設置して検出した。また、上記ペレットより引張
試験片を射出成形し、ASTM D−638に準じて引
張強度を測定した。また、上記ペレットより外径15m
mの小形円筒容器を射出成形し、容器の外観を観察し
た。さらに、腐食性については、370℃にて射出成形
品を浴中浸漬溶融させ、その上部にAl製の板をつる
し、板の変色の度合いを観察する。結果を表2に示す。
【0018】比較例2 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価2.0の脂肪
酸ビスアミドとを表1に示す量を配合し、ヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした。この混合物を30φ押出
機を用いてシリンダー温度300〜350℃で押出し、
均一なペレット状の成形材料を得た。次に、このペレッ
トを射出成形機を用いて外寸40mm×40mmの升状
容器をシリンダー温度330〜370℃で成形した。そ
の際、成形した容器の金型からの離型抵抗をエジェクタ
ーピンにストレインゲージを設置して検出した。また、
上記ペレットより引張試験片を射出成形し、ASTM
D−638に準じて引張強度を測定した。また、上記ペ
レットより外径15mmの小形円筒容器を射出成形し、
容器の外観を観察した。さらに、腐食性については、3
70℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融させ、その上部に
Al製の板をつるし、板の変色の度合いを観察する。結
果を表2に示す。
【0019】比較例3 酸価が3.0のメチレンビスアラキジン酸アミドを用い
る以外は比較例2の方法と同様に行った。
【0020】比較例4、6 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価2.0の脂肪
酸ビスアミドとリン系安定剤を表2に示す量を配合し、
ヘンシェルミキサーでドライブレンドした。この混合物
を30φ押出機を用いてシリンダー温度300〜350
℃で押出し、均一なペレット状の成形材料を得た。次
に、このペレットを射出成形機を用いて外寸40mm×
40mmの升状容器をシリンダー温度330〜370℃
で成形した。その際、成形した容器の金型からの離型抵
抗をエジェクターピンにストレインゲージを設置して検
出した。また、上記ペレットより引張試験片を射出成形
し、ASTM D−638に準じて引張強度を測定し
た。また、上記ペレットより外径15mmの小形円筒容
器を射出成形し、容器の外観を観察した。さらに、腐食
性については、370℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融
させ、その上部にAl製の板をつるし、板の変色の度合
いを観察する。結果を表2に示す。
【0021】比較例5 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーとリン系安定剤を表
2に示す量を配合し、ヘンシェルミキサーでドライブレ
ンドした。この混合物を30φ押出機を用いてシリンダ
ー温度300〜350℃で押出し、均一なペレット状の
成形材料を得た。次に、このペレットを射出成形機を用
いて外寸40mm×40mmの升状容器をシリンダー温
度330〜370℃で成形した。その際、成形した容器
の金型からの離型抵抗をエジェクターピンにストレイン
ゲージを設置して検出した。また、上記ペレットより引
張試験片を射出成形し、ASTM D−638に準じて
引張強度を測定した。また、上記ペレットより外径15
mmの小形円筒容器を射出成形し、容器の外観を観察し
た。さらに、腐食性については、370℃にて射出成形
品を浴中浸漬溶融させ、その上部にAl製の板をつる
し、板の変色の度合いを観察する。結果を表2に示す。
【0022】比較例7 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーとリン系安定剤とを
表1に示す量を配合し、ヘンシェルミキサーでドライブ
レンドした。この混合物とガラス繊維を用いて、50φ
2軸押出機を用いてシリンダー温度300〜350℃で
押出し、均一なペレット状の成形材料を得た。次に、こ
のペレットを射出成形機を用いて外寸40mm×40m
mの升状容器をシリンダー温度330〜370℃で成形
した。その際、成形した容器の金型からの離型抵抗をエ
ジェクターピンにストレインゲージを設置して検出し
た。また、上記ペレットより引張試験片を射出成形し、
ASTM D−638に準じて引張強度を測定した。ま
た、上記ペレットより外径15mmの小形円筒容器を射
出成形し、容器の外観を観察した。さらに、腐食性につ
いては、370℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融させ、
その上部にAl製の板をつるし、板の変色の度合いを観
察する。結果を表2に示す。
【0023】比較例8 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価6.8の脂肪
酸ビスアミドとを表1に示す量を配合し、ヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした。この混合物を30φ押出
機を用いてシリンダー温度300〜350℃で押出し、
均一なペレット状の成形材料を得た。次に、このペレッ
トを射出成形機を用いて外寸40mm×40mmの升状
容器をシリンダー温度330〜370℃で成形した。そ
の際、成形した容器の金型からの離型抵抗をエジェクタ
ーピンにストレインゲージを設置して検出した。また、
上記ペレットより引張試験片を射出成形し、ASTM
D−638に準じて引張強度を測定した。また、上記ペ
レットより外径15mmの小形円筒容器を射出成形し、
容器の外観を観察した。さらに、腐食性については、3
70℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融させ、その上部に
Al製の板をつるし、板の変色の度合いを観察する。結
果を表2に示す。
【0024】比較例9 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価6.8の脂肪
酸ビスアミドとリン系安定剤を表2に示す量を配合し、
ヘンシェルミキサーでドライブレンドした。この混合物
を30φ押出機を用いてシリンダー温度300〜350
℃で押出し、均一なペレット状の成形材料を得た。次
に、このペレットを射出成形機を用いて外寸40mm×
40mmの升状容器をシリンダー温度330〜370℃
で成形した。その際、成形した容器の金型からの離型抵
抗をエジェクターピンにストレインゲージを設置して検
出した。また、上記ペレットより引張試験片を射出成形
し、ASTM D−638に準じて引張強度を測定し
た。また、上記ペレットより外径15mmの小形円筒容
器を射出成形し、容器の外観を観察した。さらに、腐食
性については、370℃にて射出成形品を浴中浸漬溶融
させ、その上部にAl製の板をつるし、板の変色の度合
いを観察する。結果を表2に示す。
【0025】実施例10 実施例1と同様の方法にて得られたペレットを用いて、
メルトフローインデックス(MI)の測定を360℃、
荷重2.16kgの条件にて6min及び30min経
過後の測定を行い、熱滞留時のMI保持率を求めた。結
果を表3に示す。
【0026】実施例11 実施例8と同様の方法にて得られたペレットを用いて、
メルトフローインデックス(MI)の測定を360℃、
2.16kgの条件にて、6min及び30min経過
後の測定を行い、熱滞留時のMI保持率を求めた。結果
を表3に示す。
【0027】比較例10 比較例2と同様の方法にて得られたペレットを用いて、
メルトフローインデックス(MI)の測定を360℃、
2.16kgの条件にて、6min及び30min経過
後の測定を行い、熱滞留時のMI保持率を求めた。結果
を表3に示す。
【0028】比較例11 芳香族ポリスルホン樹脂としてポリエーテルスルホン樹
脂BASF社製E2010パウダーと酸価3.4の脂肪
酸ビスアミドを表3に示す量を配合し、ヘンシェルミキ
サーでドライブレンドした。この混合物とガラス繊維を
用いて、50φ2軸押出機を用いてシリンダー温度30
0〜350℃で押出し、均一なペレット状の成形材料を
得た。次に、このペレットを用いて、メルトフローイン
デックス(MI)の測定を360℃、2.16kgの条
件にて、6min及び30min経過後の測定を行い、
熱滞留時のMI保持率を求めた。結果を表3に示す。
【0029】実施例1〜9と比較例1〜9を比較するこ
とにより、本発明物は機械特性、離型性、外観、耐腐食
性に優れていることがわかる。また、実施例10、11
と比較例10、11を比較する事により、本発明物は熱
滞留時の流動性も殆ど低下せず、安定な射出成形等の製
造過程で生産できる。さらに、実施例1、2と比較例
1、2、3、5より、特定の脂肪酸アミド/脂肪酸ビス
アミドと特定のリン系安定剤を特定量使用する事によ
り、脂肪酸アミド/脂肪酸ビスアミドのみを使用した場
合及びリン系安定剤のみを使用した場合から考えられる
離型性よりも、実施例1、2はさらに優れている。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】 本発明の芳香族ポリスルホン樹脂成形
材料は成形加工性・機械的・熱的性質・金型表面の汚染
等を生じることなく、特に耐腐食性、離型性を有する成
形品を提供できる。よって、本発明の芳香族ポリスルホ
ン樹脂成形材料は、機械的性質、熱的性質、成形品外
観、離型性を有するので、小形の部品、及び色相を重要
視する製品には最適である。例えば、コネクター,ボビ
ン,ICソケット等の電気・電子部品である。ICソケ
ットでは、特にクワッドフラットパッケージ、リードレ
スチップキャリア、デュアルインラインパッケージ、シ
ングルインラインパッケージ、チッピキャリアー、ピン
グリッドアレー等が最適である。その他高機能、高精度
が要求される多くの各種機構部品に使用できるので、こ
の発明の意義は極めて大きいといえる。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 敏明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 大地 広泰 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 友章 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリスルホン樹脂90〜99.9
    6重量部と、酸価が4.0以下である脂肪酸アミド及び
    /または脂肪酸ビスアミド0.02〜5重量部と、リン
    系安定剤0.02〜5重量部を含有する芳香族ポリスル
    ホン樹脂成形材料。
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