JPH07179372A - アルキル化芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

アルキル化芳香族化合物の製造方法

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JPH07179372A
JPH07179372A JP32434293A JP32434293A JPH07179372A JP H07179372 A JPH07179372 A JP H07179372A JP 32434293 A JP32434293 A JP 32434293A JP 32434293 A JP32434293 A JP 32434293A JP H07179372 A JPH07179372 A JP H07179372A
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JP
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aromatic compound
reaction
catalyst
alkylated aromatic
distillation
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JP32434293A
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Inventor
Toshiaki Sawa
敏昭 沢
Jiro Kinoshita
二郎 木下
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms
    • C07C2/54Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition of unsaturated hydrocarbons to saturated hydrocarbons or to hydrocarbons containing a six-membered aromatic ring with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C2/64Addition to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C2/66Catalytic processes

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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルキル化芳香族化合物の製造方法におい
て、固体微粒子状触媒を用いて反応を行い、大がかりな
設備を使わずに反応生成物であるアルキル化芳香族化合
物を触媒から分離して製造する。 【構成】 以下の各工程からなるアルキル化芳香族化合
物の製造方法、 (1)芳香族化合物とオレフィンを、固体粒子状触媒の
存在下で反応させて、アルキル化芳香族化合物を含む反
応液を得る工程 (2)蒸留によって、該反応液をアルキル化芳香族化合
物を含む反応液と固体粒子状触媒を含む反応液とに分離
する工程 (3)(2)で得られたアルキル化芳香族化合物を含む
反応液からアルキル化芳香族化合物を分離する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体粒子状触媒を用い
て、オレフィンと芳香族化合物を反応させてアルキル化
芳香族化合物を得て、固体粒子状触媒を含む反応液から
生成物を分離する方法からなるアルキル化芳香族化合物
の製造方法に関し、更に詳しくは、反応によって生成し
たアルキル化芳香族化合物と反応に用いられる固体粒子
状触媒との分離を容易に行うことを可能としたアルキル
化芳香族化合物の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】アルキル化芳香族化合物であるエチルベ
ンゼンやキュメンは、それぞれのオレフィンすなわちエ
チレンやプロピレンをベンゼンと酸触媒存在下で反応さ
せることで製造される。かかる触媒には、古くから塩化
アルミニウム錯体が用いられてきたが、腐食性が高いと
いう問題点があったため、近年はゼオライト触媒が用い
られるようになった。特に、触媒を粒子状で用いる場
合、反応を続けながら一部の触媒を抜き出し再生が行え
る為に、高い触媒活性を維持し、小さな反応器によって
芳香族化合物のアルキル化方法が可能であると提案され
ている。
【0003】例えば、特開平2−289524号公報に
は、固体粒子状触媒を芳香族化合物の流れの中でスラリ
ー状とし、オレフィンと接触させてそのオレフィンとそ
の芳香族化合物とを反応させ、アルキル化芳香族化合物
の生成を行い、ついで、アルキル化された芳香族化合物
の大半を、未反応芳香族化合物と共に、固体粒子状酸性
触媒をスラリー状で含む反応液として反応器底部より抜
き出し触媒分離器に導いて、触媒と分離した後に、アル
キル化芳香族化合物を分離するというアルキル化芳香族
化合物の製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに考えられた固体粒子状触媒を用いたアルキル化芳香
族化合物の製造方法では、生成したアルキル化芳香族化
合物や固体粒子状触媒を含む全ての反応液を触媒分離器
に供給し、そこで、アルキル化芳香族化合物と固体粒子
状触媒を分離していた為、大がかりな触媒分離設備が必
要になるという欠点を有していた。
【0005】本発明は、この様な事情のもとで、固体粒
子状触媒の分離を必要とする反応液の量を大幅に削減
し、大がかりな触媒分離設備を必要とせずに、固体粒子
状触媒を用いたアルキル化芳香族化合物の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ゼオライ
トのような固体酸性触媒は、粒子径に関わらず、アルキ
ル化芳香族化合物の蒸留を行う様な条件すなわち温度が
300゜C以下、圧力が0.01気圧以上の範囲では、
ほとんど蒸発することはないため、固体粒子状触媒をス
ラリー状に含む反応液の蒸留を行った場合、ほとんどの
触媒粒子は塔頂から留出することなく、塔底液中に留ま
ることが明らかになった。
【0007】オレフィンと芳香族化合物を固体粒子状触
媒存在下で反応させた反応液は、未反応芳香族化合物、
生成したアルキル化芳香族化合物、更にアルキル化した
ポリアルキル化芳香族化合物等から成っている。該反応
液は、固体粒子状触媒をスラリー状に含む状態にあるの
で、蒸留によって、生成したアルキル化芳香族化合物の
大半と未反応芳香族化合物を触媒を含まない状態で、塔
頂より留出させ、更に、塔頂からの留出液からアルキル
化芳香族化合物を分離し、残りの未反応芳香族化合物を
反応器に戻すことができる。また、塔底に固体粒子状触
媒をスラリー状で含むポリアルキル化芳香族化合物主成
分の液を残すことができる。
【0008】塔底に残る固体粒子状触媒をスラリー状で
含むポリアルキル化芳香族化合物主成分の液は、更に反
応器内でトランスアルキル化反応によりアルキル化芳香
族化合物として回収される。アルキル化反応やトランス
アルキル化反応では、回収不能な高沸物が微量生成する
が、これが系内に蓄積すると、触媒が活性低下を引き起
こして反応が遅くなる。この現象を防止するために、固
体粒子状触媒をスラリー状に含む反応液を一部抜き出し
て、触媒は分離して再生処理を行い、反応液は高沸物を
分離した後に再度投入して連続的な長期運転を可能にし
ている。この際触媒分離を必要とする反応液は、固体粒
子状触媒をスラリー状に含む反応液の一部であるから、
その液量は、従来のように、生成したアルキル化芳香族
の大半を含む生成液を処理する場合に比べて1/10か
ら1/1000となる。よって、従来知られている触媒
分離の方法のうち、例えばフィルターを用いた場合、そ
の必要面積が1/10から1/1000となり、沈降層
を用いた場合は、その容積が1/10から1/1000
となる。
【0009】すなわち、本発明は、(1)オレフィンと
芳香族化合物を、固体粒子状触媒の存在下で反応させ
て、アルキル化芳香族化合物を含む反応液を得る工程、
(2)蒸留によって、該反応液をアルキル化芳香族化合
物を含む反応液と固体粒子状触媒を含む反応液とに分離
する工程、(3)(2)で得られたアルキル化芳香族化
合物を含む反応液からアルキル化芳香族化合物を分離す
る工程からなるアルキル化芳香族化合物の製造方法であ
る。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に用いるオレフィンは、C2からC4までのオレフィンで
あり、例えばエチレン、プロピレン、イソブテン、ノル
マルブテンなどが挙げられる。また、酸触媒の存在下で
芳香族化合物やオレフィンと反応しない水素、メタン、
エタン、窒素、一酸化炭素といったガスを多く含む場合
も用いることができる。
【0011】本発明で用いる芳香族化合物は、C6から
20の炭化水素化合物であり、これにハロゲン基(C
l、Br、F、I)、OH基及びC1からC20までのア
ルキル基など反応に影響を及ぼさない置換基を含んでい
ても良い。適当な芳香族化合物には、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、フェノールなどが挙げられる。本発明で
用いる固体粒子状触媒は、固体酸性触媒の微粒子であ
り、例えば、シリカ・アルミナ、アルミナ・ボリア、シ
リカ・マグネシア、陽イオン交換樹脂、酸性白土、クラ
リット、ベントナイト、カリオン、モンモリロナイト、
X型ゼオライト、Y型ゼオライト、Ω型ゼオライト、β
型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、アルミノホス
フェートモリキュラーシーブ、シリコアルミノホスフェ
ートモリキュラーシーブ、メラノクロジャイト、クロー
バ石、アルミナ、酸化クロム、アルパルガイト、ヘテロ
ポリ酸等が挙げられる。触媒粒子径は対数平均値が0.
01μmから500μmで、好ましくは0.1μmから
50μmであり、より好ましくは0.2μmから10μ
mである。
【0012】本発明の(1)の工程は、固体粒子状触媒
をスラリー状で含む反応液に、オレフィンを完全に溶解
した状態、もしくは、オレフィンガスを含む気泡が分散
した状態で行う。反応器容積を有効に使用するために、
固体粒子状触媒を反応液中に均一に分散させることが望
ましく、原料であるオレフィンを含むガスの上昇流によ
って撹拌を行うこともできるが、場合によっては強制的
に撹拌翼などによる撹拌を行ってもよい。
【0013】反応器内での触媒濃度は、1〜60重量
%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは15〜
30重量%であることが望ましい。触媒濃度が高すぎる
と、反応液の流動性が悪くなり蒸留による触媒の分離を
困難にし、また、低すぎる場合には、反応容積あたりの
生産性が低下して、好ましくない。本発明の(1)の工
程での主反応は、酸触媒によって、芳香族化合物がオレ
フィンとアルキル化反応を起こしてアルキル化芳香族化
合物を生成する反応、生成したアルキル化芳香族化合物
がオレフィンと更にアルキル化反応を起こしてポリアル
キル化芳香族化合物、すなわち、アルキル基で2個以上
置換された芳香族化合物を生成する反応、生成したポリ
アルキル化芳香族化合物が、ベンゼンとトランスアルキ
ル化反応を起こして、アルキル基を1個減らすと同時に
アルキル化芳香族化合物を生成する反応である。このよ
うなトランスアルキル化反応は逆反応も同時に起こるの
で、反応が進むにつれて未反応芳香族化合物、アルキル
化芳香族化合物、ポリアルキル化芳香族化合物の濃度は
平衡状態に近づく。更に、この反応と同時に起こる副生
反応として、ジフェニルエタンに代表されるような高沸
物の生成やオレフィンの二量化などよるコークの生成が
起きる。
【0014】本発明の(1)の工程での反応温度は、1
00゜Cから350゜C、好ましくは、120゜Cから
280゜Cの範囲で行うのがよい。反応温度が低くすぎ
ると、反応速度が遅くなり、容積あたりの生産性が低下
する。また、反応温度が高すぎると、副生成物の生成速
度の増加が大きく選択率を低下することになる。また、
反応熱は、間接熱交換器で除去するか、芳香族化合物や
アルキル化芳香族化合物などを蒸発させることで除熱し
反応温度を一定に保つようにする。
【0015】反応圧力は、反応温度において反応液が保
たれる圧力、すなわち反応圧力における反応液の沸点が
反応温度以上となるようにしなければならない。反応圧
力の範囲は1気圧から100気圧、好ましくは1気圧か
ら30気圧、より好ましくは1気圧から10気圧で行う
のがよい。オレフィンの分圧は、反応圧力から反応液の
蒸気圧を差し引いた値となるが、オレフィンの分圧が低
すぎると、反応液中の溶解オレフィン濃度が低くて反応
が遅くなり、容積あたりの生産性を下げてしまう。ま
た、オレフィンの分圧が高すぎると、触媒劣化速度が高
くなり、触媒活性を下げてしまい生産性を低下させるこ
とになる。オレフィンの分圧は、反応器内の最大値が
0.1〜30気圧の範囲で、好ましくは0.1〜10気
圧、より好ましくは0.5〜3気圧の範囲である。
【0016】反応器にフィードするオレフィンを含むガ
ス量は、反応器内空塔速度が0.01〜0.5m/秒と
なるようし、好ましくは0.1〜0.2m/秒である。
またオレフィンを含むガスは、ディストリビューターに
よって、水平面で均一となるようにフィードする。反応
器内液ゾーンの高さは、2mから30mで好ましくは5
mから15mである。反応器出口ガス中に、未反応オレ
フィンがある場合、再度反応器にフィードし反応に用い
るが、完全に反応するだけの滞留時間をとることが望ま
しい。
【0017】本発明において、反応ゾーンに供給する芳
香族化合物対オレフィンのモル比率は1〜100:1
で、好ましくは、1.2〜2:1である。芳香族化合物
を大過剰にするほど、一置換生成物すなわちアルキル化
芳香族化合物の選択性は向上するが、反応液中に多くの
未反応芳香族化合物を含むことになるので反応後に触媒
から蒸留によって未反応の芳香族化合物とアルキル化反
応生成物を分離することが必要になる。特に、蒸留によ
る分離の熱源に反応熱のみを用いた場合、熱源量が制約
されるので未反応芳香族化合物量もより少ないほうが好
ましく、この点から芳香族化合物に対するオレフィンの
モル比率を高くする必要がある。
【0018】本発明の(2)の工程における蒸留圧力
は、好ましくは(1)の工程の反応圧力以下であり、更
に好ましくは反応圧力そのものである。また、蒸留温度
は、蒸留圧力の設定によって、必然的に決定される。本
発明の(3)の工程におけるアルキル芳香族化合物の分
離は、一般的によく知られている蒸留法、再結晶法、晶
析法、抽出法等によって行うことができるが、中でも、
蒸留法が好ましい。
【0019】本発明の反応系プロセスとして反応器と蒸
留塔を別設備とする方法と、1個の装置内で反応ゾーン
と蒸留ゾーンを設ける方法とがある。反応器と蒸留塔を
別設置する方法では、反応器から流出する固体粒子状触
媒を含む液を蒸留塔にフィードし、塔頂より大半のアル
キル芳香族化合物と未反応芳香族化合物を留出させて、
塔底からスラリー状の触媒を含むポリアルキル芳香族化
合物主成分の液を缶出させる。塔頂より留出させた液
は、別の蒸留塔に導き未反応芳香族化合物とアルキル化
芳香族化合物を分離し、未反応芳香族化合物は反応器に
戻し、アルキル化芳香族化合物を製品として得る。ま
た、塔底より缶出した液は、再度反応器にフィードして
反応に用いる。蒸留塔の内部構造は、スラリーによる詰
まりが生じないで、蒸留性能を持つ物であれば棚段塔で
も充填塔でもよい。
【0020】一個の装置内で反応ゾーンと蒸留ゾーンを
設ける方法では、装置を上下に分割して、上部を蒸留ゾ
ーンとして蒸留性能を持つ構造とし、下部を反応ゾーン
とする。反応ゾーンには、芳香族化合物と固体粒子状触
媒をスラリー状に含む反応液が滞留する構造として、そ
こにオレフィンをフィードして反応を行う。更に、反応
と同時に、アルキル芳香族化合物や未反応芳香族化合物
を蒸発させて、蒸気を蒸留ゾーンに導く。熱源として
は、反応熱が用いられるが、必要に応じて外部熱交換器
を設けて加熱してもよい。蒸留ゾーンは、蒸留性能を持
つ、棚段塔もしくは充填塔からなり、蒸留ゾーンの塔頂
蒸気は、凝縮器で全凝縮した後に、一部を環流として蒸
留ゾーンにもどされ、残りは留出液として別の蒸留塔へ
フィードされ、未反応芳香族化合物とアルキル化芳香族
化合物を分離される。蒸留ゾーンを環流して下部より流
出してきた液はそのまま反応ゾーンにフィードする。こ
のように、触媒を含む反応液の大半を反応器の中で滞留
させたまま反応を続ける方式では、ポンプ移送等によっ
て触媒を痛めることが無いので、活性低下防止や形状維
持の効果がある。
【0021】本発明の触媒再生方法は、触媒を反応液と
同時に連続もしくは断続的に抜き出し、反応液と触媒を
分離して、150゜Cから250゜Cに加熱されたドラ
イ窒素など不活性ガスを通して揮発性の有機化合物を除
去する。更に、徐々に空気を混入させて、触媒表面のコ
ークを燃焼除去する。空気混入による酸素濃度は0.5
%、2%、と段階的に行い、触媒温度は約400゜Cで
行う。
【0022】反応に伴って副生する高沸物は、反応内液
中に蓄積されるので、反応器内液を一部抜き出し、触媒
をフィルターなどで分離した後に、蒸留によってポリア
ルキル化芳香族化合物とそれより沸点の低い成分を回収
して、その他の高沸物をブローダウンする。場合によっ
ては、触媒生成と同時に高沸物を燃焼させることによっ
て除去する。
【0023】本発明の方法の主要な特徴は、固体粒子状
触媒によってアルキル化反応を行い、生じた触媒スラリ
ーを含む反応生成液からアルキル化芳香族を含む液を蒸
留塔で留出させて分離することで、大量の反応液を大が
かりな触媒分離器で触媒分離を行わずに、触媒を反応系
内に留めたまま、アルキル化芳香族化合物を製品として
得ることができる。
【0024】本発明を以下の例により説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。一例としては[図
1]に示すように、反応器101と充填塔の蒸留塔10
2から成り、反応器101の内部には、微粒子状触媒を
スラリー状に含む反応液を滞留させておき、ライン10
によってオレフィンを、ライン11によって芳香族化合
物をスパージャーを通して反応器にフィードして、アル
キル化された芳香族化合物を得る反応を行う。反応後の
液とガスはそのまま蒸留塔102にフィードして、蒸留
によって、大半の未反応芳香族化合物とアルキル化芳香
族化合物を塔頂より留出させ、スラリー状の微粒子触媒
を含むポリアルキル化芳香族化合物を主成分として液を
缶出する。塔頂蒸気はライン16で抜き出して、凝縮器
103で凝縮した後に、一部はライン17を通して環流
として蒸留塔に戻し、残りを留出液として、未反応芳香
族化合物とアルキル化芳香族化合物に分離する。また、
微粒子状触媒をスラリー状に含む塔底液を、ライン13
より抜き出しライン14を通してリボイラー105で加
熱・蒸発させて蒸留塔に戻すようにする。但し、必要な
ければリボイラーを設置しなくても良い。更に、ライン
19よりスラリーポンプ104を通して反応器に戻す。
一部を抜き出して、触媒を分離して、再生処理を行うと
同時に、蒸留塔によって高沸物を分離した後に反応器に
戻す。
【0025】また、もう一つの例として[図2]に示す
ように反応器101と充填塔の蒸留塔102から成り、
反応器101の内部には、微粒子状触媒をスラリー状に
含む反応液を滞留させておき、ライン10によってオレ
フィンを、ライン11によって芳香族化合物をスパージ
ャーを通して反応器にフィードして、アルキル化された
芳香族を得る反応を行う。反応器内で発生した蒸気をラ
イン15を通して蒸留塔102の底部にフィードする。
蒸留塔102の内部では、フィードされた蒸気が蒸留性
能部を通り未反応芳香族化合物とアルキル化芳香族化合
物の蒸気となり塔頂よりライン16より抜き出され、凝
縮器103で凝縮した後に、一部をライン17を通して
環流として蒸留塔に戻し、残りを留出液として得る。環
流によって蒸留塔を流下してきた液はそのまま反応器に
戻す。蒸留を行うに当たり、反応器内液の一部をライン
19より抜き出して、加熱器105で加熱蒸発させた後
にライン21より反応器頂部に戻す。但し、必要が無け
れば加熱器を設けなくても良い。更に、反応液の一部を
抜き出して、触媒を分離して、再生処理を行うと同時
に、蒸留塔によって高沸物を分離した後に反応器に戻
す。
【0026】更に、もう一つの例として[図3]に示す
ように一つの塔の中で、上部に蒸留性能を持つ充填塔の
蒸留ゾーン102、下部に微粒子状触媒をスラリー状に
含む反応液を滞留している反応ゾーン101を設けて、
反応ゾーン101には、ライン10によってオレフィン
を、ライン11によって芳香族化合物をスパージャーを
通して反応器にフィードして、アルキル化された芳香族
を得る反応を行う。この反応で生じた熱により蒸発した
蒸気は、蒸留ゾーンへ上がり、蒸留性能部を通って未反
応芳香族化合物とアルキル化芳香族化合物の蒸気となり
塔頂よりライン16より抜き出され、凝縮器103で凝
縮した後に、一部はライン17を通して環流として蒸留
塔に戻し、残りを留出液として得る。環流によって蒸留
ゾーンを流下してきた液はそのまま反応ゾーンに戻す。
また、蒸発量が足りない場合は、加熱器を設けて、外部
加熱により反応液を蒸発させても良い。更に、反応液の
一部を抜き出して、触媒を分離して、再生処理を行うと
同時に、蒸留塔によって高沸物を分離した後に反応器に
戻す。
【0027】
【実施例1〜5】使用した装置は[図4]に示すよう
に、反応器101と蒸留塔102から成り、固体粒子状
触媒として、β型ゼオライトの粒子径1μm程度のもの
を使用して、エチレンとベンゼンからエチルベンゼンを
得る反応を行った。反応器101は、内径74mm、高
さが10mの空塔であり、底部には、エチレンとベンゼ
ンのスパージャーを設置した。ライン10を通してエチ
レンが、ライン11を通してベンゼンがフィードされ
た。触媒は予め指定濃度となるように仕込んでおいた。
また、反応器101の液相部からライン20より触媒を
スラリー状で含む反応液を抜き出し、スラリーポンプ1
04によって、熱交換器105へフィードしてスチーム
により反応液を加熱した後にライン21によって反応器
に戻した。また抜き出した反応液の一部は、ライン22
より触媒再生装置(図示せず)に導かれ、フィルターに
よって触媒と反応液に分離された。更に、触媒は、乾燥
・焼成によって再生されて反応器に戻された。また、反
応液は、蒸留によってポリエチルベンゼンより沸点の低
い物質は回収し、副生している高沸物をブローダウンし
た。
【0028】反応熱及びスチームによる加熱によって蒸
発したベンゼン、エチルベンゼン、ポリエチルベンゼン
蒸気は、蒸留塔102の底部にそのままフィードした。
蒸留塔102は内径100mm高さ10mで、12メッ
シュの鉄網製の12mmラシヒリングを不規則に8m充
填したものであった。塔頂蒸気はライン16を通って凝
縮器に入り、全凝縮して、一部は環流としてライン17
より反応器に戻され、残りは、ライン18より抜き出し
て、塔内径100mm、全段50段のオルダーショー型
蒸留分離装置(図示せず)にフィードして、塔頂よりベ
ンゼンを抜き出し、塔底より製品であるエチルベンゼン
を得た。
【0029】また、蒸留塔102の底部を流下してくる
環流液は、ポンプを介してライン15により反応器に戻
された。反応温度、触媒濃度、供給ベンゼン量を変更し
た操作条件と測定結果を表1及び表2に示す。
【0030】
【実施例6】実施例1と同様の装置と反応条件で、固体
粒子状触媒として、Y型ゼオライトの粒子径1μm程度
のものを使用して、エチレンとベンゼンからエチルベン
ゼンを得る反応を行った。その結果を表2に示す。
【0031】
【比較例1〜3】実施例1と同様の反応条件で、エチレ
ンとベンゼンを反応させ、全反応液からフィルターによ
って触媒を分離し、その後、蒸留によって、ベンゼン、
エチルベンゼン、ポリエチルベンゼン、その他の高沸物
に分離して、ベンゼンとポリエチルベンゼンは反応器に
戻す方式でエチルベンゼンを得た。
【0032】供給ベンゼン量を変更した操作条件と測定
結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明のアルキル化芳香族化合物の製造
方法では、アルキル化芳香族化合物と触媒を分離した
後、触媒を含む反応液の一部のみを触媒分離器に投入す
るため、大量の反応液を触媒分離器で触媒分離を行わず
に、触媒を反応系内に留めたまま、アルキル化芳香族化
合物を製品として得ることを可能にしたもので、触媒分
離のための設備を著しく小さくすることができ、その工
業的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す模式図。
【図2】本発明の実施態様の一例を示す模式図。
【図3】本発明の実施態様の一例を示す模式図。
【図4】本発明の実施例の実施態様を示す模式図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の各工程からなるアルキル化芳香族
    化合物の製造方法、 (1)オレフィンと芳香族化合物を、固体粒子状触媒の
    存在下で反応させて、アルキル化芳香族化合物を含む反
    応液を得る工程 (2)蒸留によって、該反応液をアルキル化芳香族化合
    物を含む反応液と固体粒子状触媒を含む反応液とに分離
    する工程 (3)(2)で得られたアルキル化芳香族化合物を含む
    反応液からアルキル化芳香族化合物を分離する工程
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100683509B1 (ko) * 2000-05-29 2007-02-16 유오피 엘엘씨 고형 알킬화 촉매를 사용한 알킬 방향족 화합물의 제조 방법

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