JPH07178920A - インクジェットプリンタ用インクカートリッジ又はインクタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リフィルを容易に行なわせる形状にしたイン
クカートリッジ又はインクタンクを提供するものであ
る。 【構成】 本発明は、インクカートリッジ又はインクタ
ンクにおいて、リフィル用開口部若しくは連結部のいず
れか又は両部を有したことを特徴とするインクカートリ
ッジ又はインクタンクであり、前記リフィル用開口部に
はシール部材を配する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ
のインクカートリッジ又はインクタンクに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来インクジェットプリンタのインクタ
ンク又はカートリッジはその内容物であるインクの物性
（粘度、表面張力、ｐＨ等）、それはインクジェットヘ
ッドの吐出特性を劣化させず、最適な吐出状態を発揮さ
せ、かつ印写後の定着性や品位を保つため調整されたも
のであるが、それを長期間にわたって安定的に保持しう
る様に設計されるとともに誤ってユーザーが分解してし
まわない様堅牢に作られており内容物のインクが消費さ
れてしまった後はそのまま全体を廃棄してしまってい
た。さらに、カラー表現が美しく可能であるとか低騒
音、高速、高品位である等のインクジェットプリンタの
特徴を十分に認めたユーザーの使用が多かったため、そ
れらの付加価値に対してコストを支払う事は当然である
と考えていた。それはイニシャルコストでありランニン
グコストであった。

【０００３】さらにインクタンクとヘッド吐出部が一体
となったインクカートリッジの出現により、使い勝手が
一段と向上し、小型計量化とあいまって爆発的に市場へ
の普及が進んだのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
エコロジー問題を考えると、現在のカートリッジは１回
しか使用しないために作ってあるカートリッジであって
も、内部物性の保存等を考えて作ってあるため、実質的
にインクさえ交換（再充填）可能であれば、カートリッ
ジの性能としてはまたまだ何回も使用が可能な状態であ
る。しかし、使用したインクに比べて廃棄する物の方が
多い点や廃棄後の処理についてもユーザーに誤って分解
されない様な構造のため、分解分別処理を行い回収リサ
イクルへの手段もとり得ず、すべて焼却しエネルギーと
して回収するか埋めてしまうしか手段が無い状況であ
る。焼却の際のエネルギーロスと排ガスの浄化等を考え
ると、１回毎に使い捨てるというのはムダが多く、社会
通念として受けいれがたいものとなってきた。

【０００５】さらに、１回毎にインクカートリッジを捨
ててしまう事になると、そのたびにユーザーはその分ま
でのコストを支払い続けねばならず、ランニングコスト
が高いものになってしまっていた。

【０００６】又、ヘッド部はマージン等を考えて作って
あるので、当然寿命を十分残しておりユーザーは使える
ものをとりかえてすてていかねばならなかった。

【０００７】従来、カラーが高精彩、高精密に出力でき
る点や、高速、高品位、超低騒音等の他のプリント方式
では到底実現不能であった特徴も近年の技術革新で他の
方式でも全てとはいわずともかなりのものが競合する様
になったうえユーザーにとってコストを抑える為にも不
要な物、再使用可能なものは寿命があるまで使える様に
し、トータルで安価にしてゆかねばならなくなってき
た。

【０００８】さらに市場ではこれら特徴のため多くのイ
ンクジェットプリンタが世に出てきた事によりサードパ
ーティーによる“ツメ換え用インク”なるものが売りだ
されている。これは前述のカートリッジの特性を活かし
インクだけを詰め換える様にしてユーザーのランニング
コストを低減し、それなりのリペママーケットを形成す
るまでに至っている。しかし、カートリッジ側は形状で
は何らそれらに対応をとっていない為インクタンクの内
圧を調整する弁機構部を外部から破壊し、そこより強制
的につめ換えインクを注入する方式が多く、種々の問題
を生じていた。まず弁機構が破壊してしまう為、内圧の
調整がうまくいかず吐出特性に悪影響を及ぼす事もあ
り、さらには弁機構部からのインク漏れを生じてしまっ
たり、インク注入時カートリッジの内圧バランスがとれ
ずに注入中や注入後にインクの噴き出しや流れ出しを生
じてしまい周囲を汚す、適量の注入が出来ない為、イン
クカートリッジ内にインクの均一な分布が得られない等
せっかくのリフィールインクを活かしきれない事が多か
った。またオリジナルメーカーのリフィールインクやリ
フィールキットではない為、最適なインク組成が得られ
ているわけでもないうえ、カートリッジの構造や機能に
ついても理解されているとは言えずそのために生じるト
ラブルも多かった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明はインクジェット
プリンタにおけるインクカートリッジ又はインクタンク
において、リフィール用開口部若しくは連結部のいずれ
か又は両部を有せしめたことによりリフィルを容易に行
わせる形にしたインクカートリッジ又はインクタンクを
提供し前述の問題を解決したものである。

【００１０】さらには上記インクカートリッジに設けた
リフィール用インク注入口の面積をインクカートリッジ
内の圧力調整用部材の有する開口部面積と同等又はそれ
より大とすることにより、またリフィール用インク注入
口が吐出口のあるノズル部と内圧調整用部材とから略々
等距離又はノズル部に遠い方におくことをにより、ま
た、リフィール用該入口が吐出孔であるノズル部よりも
鉛直方向上方におくことにより、また、リフィール用結
合部又は開口部が多孔質体によって構成されているイン
クカートリッジ、さらにはそのシール部材の上表面をイ
ンクカートリッジ外装面より鉛直下方になるように設け
ることにより、前述の問題を解決したものである。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。

【００１２】図１は本発明インクカートリッジの実施例
を示す斜視図、図２ａ，図２ｂはリフィール用開口部シ
ール部材の動作状態の例を示す説明図である。図９はリ
フィール対応を行っていない従来のインクカートリッジ
の斜視図である。

【００１３】１はインクカートリッジ本体、２はノズル
部、３は内圧調整機構部である。インクカートリッジは
図９に示す様にインクタンクと吐出用ヘッドが一体にな
ったものでもよいし、タンク部だけが存在しているもの
でもよい。タンクに封入されたインクは外部からの印字
命令に従ってノズル部２より飛翔して被印写物上に画像
を形成する様になされており、インクの消費に伴って生
じる内部圧力のアンバランスを解消するための内圧調整
機構部３を備えている。

【００１４】図１において、１はインクカートリッジ本
体、２はノズル部、３は内圧調整機構部、４は本発明の
リフィール用開口部に設けるシール部材である。インク
カートリッジ内のインクが無くなったら、不図示の検知
機構によりインク無を探知してもいいし、ユーザーが不
吐出を生じた事から判断しても良いが、ヘッドのリフィ
ール用開口部へインク補充用のリフィール用インクタン
ク６（キャリア）を結合させてインクのみを補充するの
である。高機能なヘッド部は再度使用するのである。本
実施例においては、図２（ａ）に示すようにリフィール
用開口部は通常弾性体部材５により付勢されシール部材
４によりふさがれている。この為通常使用中や保管時に
インク漏れやインクの不要な蒸発は生じない。図２
（ｂ）に示す用にキャリア６をインクカートリッジに結
合するとシール部材４は押し下げられ外部との連通が計
られ、一定ストローク押し下げられるとシール部材４に
あるストッパー部材８により停止し、その事でキャリア
６にあるふた部材７（インクタンク結合部）を逆に押し
上げる様になってふた部材７を破壊してキャリア内部と
の導通をとる。これによりインクは水頭による圧力差に
よりキャリア内部からインクカートリッジ１内へ流入し
タンクを満たすのである。インクの流入が停止したらキ
ャリアをはずすと弾性体部材５の力でシール部材４は自
動的に図２（ａ）の状態に復帰する。インクの注入にお
いては加圧にてインクの流入を促進させてもいい。

【００１５】（他の実施例）前記図２に示す構成ではキ
ャリアの一部にてシール部材を押し下げていたが、加圧
注入の場合には加圧されたインクの圧力とのバランスで
シール部が開放されインクの導通を計る様になしてもい
い。又、注入口が注入時にインクで汚れ、それが移らな
い様、シール部材４の一部又は全部を図３の様に多孔質
体１２で形成し内部へ毛細管により吸い込む様になして
もいい。又さらに図４に示す様に、シール状態において
カートリッジ本体の外装面に対してシール部材４の上表
面を下げた凹の状態となして直接触れない様になしても
良い。あるいは図５の様にインクカートリッジ本体１側
に凸部１３をリフィール用開口部の周囲に設けて同様な
機能を持たせてもいい。さらに図６に示す様に、リフィ
ール用の開口部はノズルアレイのノズル部より上方に存
在する様になし均一なインク分布が得られる様、又イン
ク注入時に生じる空気の混入泡がノズルにひっかから
ず、開口部を通じて抜けやすくなしてもよい。

【００１６】さらにインク流入口とノズル２、内部圧力
調整部３との位置関係を、インク流入口をノズル２と調
整部３との略々等距離か又はノズル側の方に遠くなる様
な位置に設置する様になしてもいい。

【００１７】インクカートリッジ内は略々空の状態であ
る為、内部はほとんど空気である。補充用インクタンク
よりインクの流入が開始するとタンク内に均等に拡がっ
てゆくがノズル部に先に到達してしまうとそこからイン
クが流れ出してしまう径路が出来てしまい拡散する（イ
ンクタンク内に均一に拡がってたまる）よりもノズルか
ら出てしまうものが多くなって充填効率が悪くなってし
まう。調整部３”にインクが到達すると空気から粘性が
高い液体に変わり抵抗が増える為、そこにはインクが流
れ込まなくなり次にノズル側に充填が行なわれる。

【００１８】更に図７に示す様に、シール部材４が下方
へ押し下げられる毎にラッチ機構のついたラッチ回転板
１０を１つづつ回す事でカウントを行ない一定回転その
カウント用回転板１０が回るとラッチ部がストッパ９に
突き当ってシール部材４が下がらなくなる様にして規定
回数以上リフィールがなされなくなる様な機能を付与し
ても良い。

【００１９】さらに、図８に示すように、その結合部に
組み合せ部１１を設ける。組み合せ部１１は誤送入防止
用の機能を有し、異なった色のカートリッジやオリジナ
ル以外のカートリッジは結合できない様にして他の色と
の誤混色を避ける様に、又、特性の異なるインクの充填
を防ぐ様にしても良い。

【００２０】

【発明の効果】以上説明した様に、リフィール用の開口
を設ける事によってエコロジー問題や再生、廃棄の問題
を解決しランニングコストの低減が行えるとともに最適
な再充填効率が得られリフィール後のプリンタ特性の劣
化もなく手指等を汚すことなく容易にリフィールを行う
事が可能となった。そのうえヘッドの寿命を越えてリフ
ィールを行えない様になす事や誤って異なった色のイン
クをリフィールしなくてもいい様になせる等の効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明のシール部の動作例を示す説明図であ
る。

【図３】本発明のシール部材の他の実施例を示す断面図
である。

【図４】本発明のシール部材の他の実施例を示す断面図
である。

【図５】本発明のシール部材の他の実施例を示す断面図
である。

【図６】本発明の実施例を示す断面図である。

【図７】本発明の実施例を示す断面図である。

【図８】本発明のインクカートリッジにおける組み合せ
部を示す斜視図である。

【図９】従来のインクカートリッジの斜視図である。

【符号の説明】

１ インクカートリッジ本体 ２ ノズル ３ 内圧調整機能部 ４ シール部材 ５ 弾性体部材 ６ リフィール用インクタンク ７ ふた部材（又はインクタンク結合部） ８ ストッパー部材 ９ ストッパ １０ ラッチ回転板 １１ 組み合せ部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 仁志 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野島 隆司 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川上 英明 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山口 秀樹 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木田 朗 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河添 憲嗣 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石川 哲也 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットプリンタにおけるインク
   カートリッジ又はインクタンクにおいて、リフィール用
   の開口部若しくは連結部のいずれか又は両部を有した事
   を特徴とするインクカートリッジ又はインクタンク。
2. 【請求項２】 請求項１記載のインクカートリッジがヘ
   ッドと一体的に構成された事を特徴とする請求項１記載
   のインクカートリッジ。
3. 【請求項３】 請求項１記載のインクカートリッジがヘ
   ッドに着脱自在となされた事を特徴とする請求項１記載
   のインクカートリッジ。
4. 【請求項４】 請求項１記載のインクカートリッジに設
   けたリフィール用インク注入口の面積がインクカートリ
   ッジ内部の圧力調整用部材の有する開口部面積と同等又
   はそれより大なる事を特徴とする請求項１記載のインク
   カートリッジ。
5. 【請求項５】 請求項１記載のインクカートリッジに設
   けたリフィール用インク注入口が吐出口のあるノズル部
   と内圧調整用部材とから略々等距離又はノズル部に遠い
   方にあることを特徴とする請求項１記載のインクカート
   リッジ。
6. 【請求項６】 請求項１記載のインクカートリッジに設
   けたリフィール用インク注入口が吐出孔であるノズル部
   よりも鉛直方向上方にある事を特徴とする請求項１記載
   のインクカートリッジ。
7. 【請求項７】 請求項６記載のインクカートリッジがヘ
   ッドと一体的に構成された事を特徴とする請求項６記載
   のインクカートリッジ。
8. 【請求項８】 請求項６記載のインクカートリッジがヘ
   ッドに着脱自在となされた事を特徴とする請求項６記載
   のインクカートリッジ。
9. 【請求項９】 請求項１乃至請求項８記載のインクカー
   トリッジにおいて、規定回数を越えてリフィールを行お
   うとするとインク注入用の開口部又は連結部が機能を失
   うか又は動作しない様になす事を特徴とする請求項１乃
   至請求項８のいずれか１項記載のインクカートリッジ。
10. 【請求項１０】 リフィール用結合部又は開口部に設け
    るシール部材の一部又は全部が多孔質体によって構成さ
    れているインクカートリッジ。
11. 【請求項１１】 リフィール用結合部又は開口部に設け
    るシール部材の上表面をインクカートリッジ外装面より
    も下げた凹状態になっている事を特徴とする請求項１乃
    至請求項８のいずれか１項記載のインクカートリッジ。
12. 【請求項１２】 インクカートリッジ本体のリフィール
    用結合部又は開口部周囲に、シール部材の上表面よりも
    高い凸部を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項
    ８のいずれか１項記載のインクカートリッジ。