JPH07178460A - 形状凍結性に優れた高強度亜鉛めっき鋼板の曲げ加工方法 - Google Patents

形状凍結性に優れた高強度亜鉛めっき鋼板の曲げ加工方法

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JPH07178460A
JPH07178460A JP32502393A JP32502393A JPH07178460A JP H07178460 A JPH07178460 A JP H07178460A JP 32502393 A JP32502393 A JP 32502393A JP 32502393 A JP32502393 A JP 32502393A JP H07178460 A JPH07178460 A JP H07178460A
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JP
Japan
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steel sheet
galvanized steel
solid lubricant
thickness
clearance
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JP32502393A
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English (en)
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Takamasa Suzuki
隆昌 鈴木
Yoshio Ishii
良男 石井
Shunji Hiwatari
俊二 樋渡
Koji Hashimoto
浩二 橋本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車用の内板および強度部材に
用いられる、引張り強さが440MPa以上の高強度亜
鉛めっき鋼板の曲げをともなう加工において、プレス工
程を増やすことなく、材料の機械的性質に影響されずに
板反りを小さい範囲に制御する方法を提供する。 【構成】 断面がU字型の曲げ加工工具を用いて金属板
をハット型断面形状に成形する方法において、固体潤滑
剤を被加工鋼板の片面または両面に塗布し、クリアラン
スを適切な寸法に設定することにより、高強度亜鉛めっ
き鋼板の板反りを軽減することができる成形方法にあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄鋼板の曲げ加工方法に
関し、特に高強度亜鉛めっき鋼板を用いる場合に生じる
そりなどの形状凍結不良防止を目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年の米国のCAFE規制や環境保護の
問題から低燃費化のため、鋼板を高強度化し板厚を減少
させるハイテン化による軽量化への取り組みがなされて
きた。そのため、自動車用の内板および強度部材に44
0MPaを越える高強度鋼板が多用されつつあるが、ス
プリングバックによる形状凍結不良が問題になってい
る。特にメンバー類のような、ハット型断面形状の部品
を図1のようなU字型曲げ工具を用いて成形する際に図
2に示すような板反りと呼ばれる形状凍結不良が発生す
る。そのため実部品への適用には、手直しをする工程が
必要となり、コストや生産効率の点で大きな欠点とな
る。
【0003】スプリングバックは、曲げ加工時に生じる
残留応力の板厚方向への分布が原因であり、板反りの場
合はダイス肩での曲げ・曲げ戻し変形に起因する残留応
力によるスプリングバックに加え、パンチとダイスのク
リアランス内での被加工材の蛇行が影響する複雑な現象
である。この問題を解決するために特開昭56−117
831号公報では板反りの発生機構の詳細な研究からダ
イス肩での曲げ半径とパンチとダイスのクリアランスを
ある特定の範囲に設定し、ダイス肩部での曲げ・曲げ戻
し時の逆曲げを制御して残留モーメントを打ち消すこと
で板反りを防止する方法を提唱している。
【0004】しかし、この場合、最適な逆曲げの大きさ
は材料の板厚や機械的性質にも強く依存することは容易
に想像できる。実際、引張強さが440MPa以上の高
強度鋼板ではこの発明の範囲内であっても十分な効果が
得られないことがあり、効果的な範囲が限定されるため
問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引張強さが
440MPa以上の高強度亜鉛めっき鋼板のハット曲げ
加工において、プレス工程を増やすことなく、材料の機
械的性質に影響されずに板反りを小さい範囲に制御する
方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解消するもので、その発明の要旨とするところは、断面
がU字型の曲げ加工用工具を用いて鋼板をハット型断面
形状に成形する方法において、被加工亜鉛めっき鋼板の
パンチ側片面または両面に固体潤滑剤を3μm以下の厚
みに塗布し、パンチとダイスのクリアランスを被加工亜
鉛めっき鋼板の厚みの85〜100%の大きさに設定す
ることを特徴とする曲げ加工方法にある。
【0007】
【作用】以下にこの発明を詳細に説明する。パンチとダ
イスのクリアランスは、被加工亜鉛めっき鋼板の厚さよ
り小さいため、被加工亜鉛めっき鋼板はクリアランス内
でのしごきにより板厚方向に圧縮変形を受ける。板厚方
向への圧縮は、ダイス肩部での曲げ・曲げ戻しにより生
じた板厚方向の残留応力を軽減し、板反りを小さくする
ことができる。その際の圧縮変形は、大きいほど効果的
ではあるが製品としての厚みや、プレス加工設備の能力
負荷の問題から、クリアランスを被加工亜鉛めっき鋼板
の85〜100%の範囲に定めた。
【0008】ここでの亜鉛めっき層は、亜鉛を70%
(質量割合)以上含有する亜鉛系めっき層とする。亜鉛
系めっき層とは、純Znめっきや、Ni、Fe、Co、
Cr、Al、Mn、Cu、Sn、Pb、Cd、Mg、な
どの金属;SiO2 、TiO2、Al2 3 、SiC、
SiN、BaCrO4 などの微粒子を1種もしくは2種
以上含有する亜鉛系合金めっきもしくは亜鉛系複合めっ
きを指す。亜鉛以外の成分を含有する場合、亜鉛の含有
率が低すぎるとめっき層の犠牲防食作用が低下して耐食
性が損なわれたり、めっき層の硬化により成形性が低下
するため、亜鉛70%(質量割合)以上が必要である。
【0009】亜鉛系めっき層の付着量については特に限
定されるものではないが、耐食性と成形性の観点から1
0〜100g/m2 が好ましい。また、目的によっては
2種類以上の成分系の異なるめっき層を重ねた複層めっ
きの態様としてもよい。これら亜鉛系めっき層の形成方
法については、特に限定されるものではなく、電気めっ
き法、溶融めっき法、化学めっき法、蒸着に代表される
気相めっき法などいずれの方法が用いられても差し支え
ないが、電気めっき法と溶融めっき法は、冷延鋼板に連
続的に高速かつ安定してめっきを施せる点でより好まし
い方法である。
【0010】被加工亜鉛めっき鋼板に固体潤滑剤を塗布
しないで成形を行う場合、被加工亜鉛めっき鋼板表面と
工具の間で摩擦力が働く。このために、被加工亜鉛めっ
き鋼板はパンチ側に接触している面が拘束され、圧縮変
形し、ダイス側の面が引張変形を受け新たな残留応力分
布を生じさせてしまう。そこで、被加工亜鉛めっき鋼板
には摩擦力を十分に緩和するために極めて潤滑特性に優
れた、固体潤滑剤を塗布する必要がある。固体潤滑剤
は、パンチ側の面のみに塗布しても良いが、両面に塗布
した方が板厚方向の応力分布を均一化させるのに効果的
である。
【0011】以下に固体潤滑剤の成分について述べる。
固体潤滑剤は、シリカを水性樹脂100重量部に対して
固形分で10〜70重量部、粒径が3μm以下で軟化点
が120℃以下と軟化点が120℃超のポリオレフィン
ワックスを固形重量比で9/1〜1/9に混合したエチ
レン系不飽和カルボン酸もしくはその無水物またはカル
ボキシル基含有誘導体を結合成分として含む極性基を有
する分子量が1000〜4000、酸価1〜20の球形
ポリオレフィンワックスを水または水溶液に分散させた
ディスパーションをトータルワックス固形分として水性
樹脂100重量部に対して2〜30重量部の割合で含有
する固体潤滑剤、または、水性樹脂として揮発性溶剤を
含まないオレフィンアクリル樹脂、アクリル樹脂、酢酸
ビニール樹脂を用いる前記の固体潤滑剤、または、シリ
カとして直径5〜50nmの球形シリカゾル、線形シリ
カゾルを用いる前記の固体潤滑剤。
【0012】または、(I)オキシラン環を1個有する
化合物1モルとカルボキシル基を1個有するα、β−エ
チレン性不飽和カルボン酸0.8〜1.1モルを反応さ
せ次いで多塩基酸および/またはその無水化物0.5〜
1モルを反応させて得られるα、β−エチレン性不飽和
基を1個有する化合物を主体とする生成物(イ)100
重量部、および必要に応じて100重量部までのα、β
−エチレン性不飽和基を1個有するアクリル酸エステル
および/またはメタクリル酸エステル(ロ)を含む混合
物、該混合物(I)の100重量部に対して、(II) フ
ッソ樹脂粉末潤滑剤1〜30重量部および必要に応じて
(III)増感剤0.5〜10重量部を配合した。この固体
潤滑剤を被加工材に塗布することにより潤滑性に極めて
優れた鋼板が得られる。
【0013】また、固体潤滑剤はその主成分が樹脂であ
るため、塗布厚みが過大であると成形後の該鋼板を用い
た部品の組立時に溶接不良を生じる。固体潤滑剤塗布厚
みと溶接時の通電不能発生率の関係を図3に示した。図
3から明らかなように、塗布厚みが3μm以下であれば
通電不能の問題は発生しない。以上のような条件のもと
であれば、板厚や材料特性のばらつきによらず安定し
て、良好な形状精度を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明する。図1に示
すような工具を用い、400mm角の正方形の鋼板をハ
ット型にプレス成形した。このとき用いた材料の特性値
とクリアランス、潤滑条件を表1に示す。また、用いた
固体潤滑剤を表2に示す。亜鉛系めっきとしては、Zn
以外の成分に、質量分率で12%のNiを含有したもの
を電気めっき法にて、表裏に30g/m2 めっきしたも
のを用いた。板押え圧は、軟鋼板に対しては200k
N、高強度亜鉛めっき鋼板に対しては600kNで成形
を行った。符号1はパンチ、2はブランクホルダー、3
はダイス、4は被加工鋼板、5はクリアランス、6は潤
滑油または固体潤滑剤である。板反りは、図2に示す縦
壁部の板反り量で評価した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】図4に各試験条件での板反り量を示す。試
験条件AおよびBは、従来の方法で成形した例である
が、軟鋼板を用いている試験条件Aでは板反り量は小さ
く、そのまま製品として使用できるが高強度亜鉛めっき
鋼板を用いた試験条件Bでは、板反りが大きい。このよ
うな形状凍結不良は、材料の強度が大きいほど大きくな
る。しかし、本発明によれば、試験条件E、Fに見られ
るように現状用いられている軟鋼板と同じレベルまで板
反りを小さくすることができる。
【0018】実験条件Cは、高強度亜鉛めっき鋼板を用
いて、クリアランスを鋼板厚みより小さくした場合だ
が、しごきによる塑性変形が加わるために残留応力が軽
減され、板反り量は小さくなるが、摩擦力が残るため、
パンチ側壁からの圧縮力とダイスの壁部からの引張力の
ために依然として大きな板反り量を示している。実験条
件Dは、高強度亜鉛めっき鋼板に固体潤滑剤を塗布した
場合であるが、その効果は、わずかである。以上の例か
らも本発明により高強度亜鉛めっき鋼板の板反りが軟鋼
板と同等レベルまで低減されることがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、固体潤滑剤を被加工材
に塗布し、クリアランスを適切な寸法に設定することに
より、プレス工程を増やすことなく、高強度亜鉛めっき
鋼板の板反りを軽減することができる。これにより、自
動車部品の内板およびメンバー類に高強度亜鉛めっき鋼
板の適用が可能となり軽量化が実現できる。また、曲げ
成形部品に高強度亜鉛めっき鋼板を適用することを容易
にし、これらの用途拡大に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハット型成形の模式図、
【図2】ハット型成形モデルと板反り現象を示す図、
【図3】固体潤滑剤厚みと通電不能発生率との関係を示
す図、
【図4】各試験条件による板反り量を示す図である。
【符号の説明】
1 パンチ 2 ブランクホルダー 3 ダイス 4 被加工鋼板 5 クリアランス 6 潤滑油または固体潤滑剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 浩二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面がU字型の曲げ加工用工具を用いて
    鋼板をハット型断面形状に成形する方法において、被加
    工亜鉛めっき鋼板のパンチ側片面または両面に固体潤滑
    剤を3μm以下の厚みに塗布し、パンチとダイスのクリ
    アランスを被加工亜鉛めっき鋼板の厚みの85〜100
    %の大きさに設定することを特徴とする曲げ加工方法。
JP32502393A 1993-12-22 1993-12-22 形状凍結性に優れた高強度亜鉛めっき鋼板の曲げ加工方法 Withdrawn JPH07178460A (ja)

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JP32502393A JPH07178460A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 形状凍結性に優れた高強度亜鉛めっき鋼板の曲げ加工方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1584382A1 (en) * 2004-04-09 2005-10-12 Corus Staal BV Method for manufacturing a metal tubular blank, a tubular blank, and a product produced from said tubular blank

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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