JPH07178160A - 医療用材料の製造方法 - Google Patents

医療用材料の製造方法

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JPH07178160A
JPH07178160A JP5328940A JP32894093A JPH07178160A JP H07178160 A JPH07178160 A JP H07178160A JP 5328940 A JP5328940 A JP 5328940A JP 32894093 A JP32894093 A JP 32894093A JP H07178160 A JPH07178160 A JP H07178160A
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JP
Japan
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reaction
coupling agent
heparin
amino group
reducing agent
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JP5328940A
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English (en)
Inventor
Kenji Yokoyama
研司 横山
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低濃度のカップリング剤濃度でしかも、反応
効率の高い医療用材料の製造方法を提供する。 【構成】 基材上に導入したアミノ基と生理活性物質中
のアミノ基を2種以上のアルデヒド基を有する化合物か
らなるカップリング剤を用いて基材に共有結合する際
に、カップリング剤単独で反応を開始させた後、還元剤
が混合されたカップリング剤で、さらに反応を続けるも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用材料の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工肺、カテーテル、人工心
肺等の医療用器具に利用するための医療用材料のうち、
特に血液と接触する部分の材料に関しては、抗血栓性材
料であことが望まれていた。そのためこうした抗血栓性
を有する材料の開発が多くの企業をはじめとする研究機
関で進められており、こうした研究開発の中から、生理
活性物質に着目し、該物質の持つ抗血栓性を利用するこ
とで材料に抗血栓性を付与する技術が考案されている。
例えば、抗血栓性を持ち、工業生産され入手が容易であ
るヘパリンを材料の表面に固定する方法などもその1つ
である。
【0003】その方法には、ヘパリンを材料である基材
にイオン的に結合する方法、ヘパリンを基材に共有結合
させる方法等がある。
【0004】しかしながら、イオン的な結合だけでは、
血液に接触したときに、ヘパリンが外れたり、あるいは
ヘパリンの活性発現に重要である硫酸基と強固に結合し
すぎるため、基材表面の活性が十分でないとする問題点
がある。
【0005】またヘパリンを基材に直接的に共有結合す
る場合では、AT−III との結合部を基材との結合点に
しており、ヘパリンの生理活性が十分に得られない問題
があった。
【0006】また、カチオン性表面にヘパリンをイオン
結合させた後、ヘパリンをグルタルアルデヒドで架橋さ
せる試みも行われているが、アルデヒド基は主に第1級
アミノ基等としか反応しないため、ヘパリン中の第1級
アミノ基がほとんどないこと、基材に第1級アミノ基が
無ければ基材と共有化できないことから、効果の持続性
が不十分であるとする課題を有していた。
【0007】こうした課題を解決する方法として、本出
願人が開示したものとして、特開平2−119867
号、特開平2−46856号に、ポリプロピレン製など
の基材にポリエチレンイミン等のカップリング剤を予め
結合させてアミノ基を導入した後、生活活性物質である
ヘパリンをアルデヒド基を有する化合物からなるカップ
リング剤としてグルタルアルデヒドを用いて基材に共有
結合する方法が開示されている。
【0008】これらの方法においては、予め基材に所定
の官能基(第1級アミノ基あるいはエポキシ基)を導入
し、これらの基材およびヘパリンの官能基同士を直接あ
るいはカップリング剤を介して結合することにより、ヘ
パリン、好ましくは部分的にN−硫酸部位を脱流酸化し
て第1級アミノ化し、これを基材に固定しているため
に、得られる基材の抗血栓性、安定性が著しく改良さ
れ、血液洗濯時にもヘパリンの流出のおそれが少なく、
長時間の使用に耐えられるとするものである。
【0009】しかしながら、予め基材上にアミノ基を導
入する方法では、カップリング剤を介して反応させる際
に、アミノ基とアルデヒド基の反応で形成されるシッフ
塩基が、なお不安定であるため、これを安定に結合さ
せ、上述の効果を得るためには、高濃度のカップリング
剤を必要とするため、洗浄後でも残存する高濃度のカッ
プリング剤により、安全性、特に細胞毒性などに問題が
生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明は、上
記問題点に鑑みてなされたものであって、低濃度のカッ
プリング剤濃度でしかも、反応効率の高い医療用材料の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成すべく、医療用材料および医療用器具の新規な
製造方法について鋭意検討した結果、アミノ基とアルデ
ヒド基の反応で形成されるシッフ塩基が不安定であるた
め、形成したシッフ塩基を還元し、安定させることが有
用である点に着目し、さらにその際、(a)還元剤をカ
ップリング剤と同時に反応系に投入すると、カップリン
グ剤の官能基であるアルデヒド基がつぶれ、効果がなく
なること、(b)カップリング剤の処理後に還元処理を
行うことも可能であるが、高濃度のカップリング剤を必
要とするため、洗浄後でも残存する高濃度のカップリン
グ剤により、安全性(細胞毒性など)に問題があり、ま
た、反応効率も悪くなるとすることを知り、上記(a)
(b)の知見を踏まえ、予めカップリング剤のみで反応
することにより不安定なシッフ塩基をあえて形成し、そ
の後にカップリング剤の存在下において還元剤と反応さ
せることによってのみ効率的にシッフ塩基を還元でき安
定性が著しく改良されることを見出だし、この知見に基
づき本発明を完成するに至ったものである。
【0012】すなわち、本発明の目的は、(1) 基材
上のアミノ基と、生理活性物質中のアミノ基とが、複数
のアルデヒド基を有するカップリング剤を介して共有結
合した医療用材料に、前記カップリング剤と、前記基材
および前記生理活性物質のアミノ基と前記カップリング
剤のアルデヒド基とが共有結合してできたシッフ塩基を
還元するための還元剤と、の混合物を添加し、さらに反
応させることを特徴とする医療用材料の製造方法により
達成される。
【0013】また本発明は、(2) カップリング剤を
投入し、反応を開始させた後、反応系に還元剤を添加す
ることを特徴とする上記(1)に示す医療用材料の製造
方法によっても達成される。
【0014】さらに本発明は、(3) カップリング剤
を投入し、反応を開始させた後、交換直前に還元剤を混
合したカップリング剤に交換することを特徴とする上記
(1)に示す医療用材料の製造方法によっても達成され
る。
【0015】さらにまた本発明は、(4) 生理活性物
質が、N−硫酸基の一部が脱硫酸化して第1級アミノ化
されたヘパリンである上記(1)に示す医療用材料の製
造方法によっても達成される。
【0016】また、本発明は、(5) 2種以上のアル
デヒド基を有する化合物が、グルタルアルデヒドである
上記(1)に示す医療用材料の製造方法によっても達成
される。
【0017】さらに本発明は、(6) 還元剤がNaB
3 CNである上記(1)に示す医療用材料の製造方法
によっても達成される。
【0018】
【作用】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説
明する。
【0019】まず、本発明に用いられる基材としては、
医療用材料およびそれを用いた医療用器具の用途に適し
た材料であって、末端にアミノ基と結合可能な反応性基
を有するものであればよく、例えば、カルボキシメチル
セルロース、グリシジルメタクリレート−メチルメタク
リレート共重合体等がある、また、ポリ塩化ビニルをは
じめ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、ポリ塩化ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−メタクリ
ル酸メチル共重合体および上記ポリマーと可塑剤とから
なる軟質ポリ塩化ビニル変性体、ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリ
ロニトリル−スチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル、
ポリプロピレン、ポリウレタン、およびポリカーボネー
トなどについては、これらをオゾン酸化や部分加水分解
などの処理を行うことにより、容易にアミノ基と反応す
る官能基に変換させることで用いることができる。
【0020】したがって、上記基材上にアミノ基を導入
する方法としては、種々の方法があるが、特開平2−1
19867号、特開平2−46856号などに開示され
ているような従来公知の導入法の中から、用途に応じて
血液および生体適合性、安全性などを考慮して任意に適
用することができる。その一例としては、特開平2−1
19867号にあるように、成形された基材の場合、ア
ミノ基を有する化合物を該基材に塗布するか、逆にアミ
ノ基を有する化合物の溶液に基材を浸漬することによっ
て、また液状基材の場合、該基材にアミノ基を有する化
合物を混合することによって、基材に該化合物を結合さ
せることによりアミノ基を導入する方法である。
【0021】例えば、水、低級アルコール、クロロホル
ム、アセトンなどの反応液中で基材と2つ以上の第1級
アミノ基を有する化合物とを接触させることにより行わ
れ、その際の条件は、水系溶媒の場合、pH4〜12、
反応温度0〜80℃、反応時間は10分〜24時間とす
ることが好ましい。
【0022】すなわち、pHが4未満であるとカップリ
ング剤の基材表面への結合性が低下し、また材質によっ
ては基材の劣化のおそれがあり、pHが12を越える場
合には、基材の材質によって、劣化のおそれがあるので
好ましくない。
【0023】また反応温度が0℃未満であると、反応性
が低下してしまい、80℃を越える場合には、第1級ア
ミノ基が変性するおそれがあるので好ましくない。
【0024】さらに反応時間が10分未満の場合には、
反応が十分に進行せず、24時間を越える場合には、p
Hが極端に低かったり高かったりする場合や、温度が極
端に高かったり場合に、基材などに悪影響を及ぼした
り、アミノ基の変性のおそれがあるので好ましくない。
【0025】なお、上記アミノ基を有する化合物として
は、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミ
ンなどのポリアルキレンイミン、ポリエチレングリコー
ルジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ンなどのポリアミン等が挙げられる。
【0026】さらに他の一例としては、特開平2−46
856号にあるように、ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート(以下、単にHEMAともいう)およびメチルメタ
アクリレート(以下、単にMMAともいう)を含むポリ
マーを介して基材上にヘパリンを結合し得る官能基とし
て第1級アミノ基を導入する方法がある。該HEMAお
よびMMAを含むポリマーとしたのは、該ポリマー自体
の持つ血液および生体適合性、安全性が高くポリマーの
合成も比較的容易で、コーティングも簡便に行えること
による。
【0027】具体的には、HEMAおよびMMAを含む
ポリマーは、ブロックコポリマーの形をなすのが好まし
く、それぞれがセグメント(HEMAおよびMMAを主
として有する断片(部分)をそれぞれAおよびBセグメ
ントともいう)を構成して結合したものである。
【0028】上記ポリマーにおいて、各セグメントは分
離して存在する構造を有するのが好ましい。それぞれの
セグメントを構成して結合することにより、耐水性のよ
いンMMAを含むセグメントを基材に密着させることが
できるためである。
【0029】また、上記官能基たる第1級アミノ基は、
HEMAを成分とするセグメントA中に存在する構造を
有するものを用いるのがよい。このように上記官能基を
持たせるために、HEMAのセグメント中にはHEMA
以外に、グリシジルメチルメタアクリレート(以下、単
にGMAという)などの官能基を有する化合物を持たせ
てもよい。この場合、GMA中のエポキシ基と2つ以上
の第1級アミノ基を持つ化合物とを反応させ、基材表面
に第1級アミノ基を導入するのが好ましい。
【0030】同様にMMAを成分とするセグメントBに
おいても、MMA以外の化合物を含ませてもよい。
【0031】さらに、HEMAおよびMMAを含むポリ
マーは、HEMAを30%以上含有するものを用いるの
が好ましい。HEMAを30%未満の場合には、HEM
Aが少なくなり、基材表面が疎水性になり、導入した官
能基が水溶液中での反応時に表面に表れにくくなるため
好ましくない。
【0032】次に、本発明に用いられるアミノ基を持つ
生理活性物質としては、NHSO3NaというN−硫酸
部位を有し、抗血栓性を示す物質として広く知られてい
るヘパリンなどが挙げられる。より好ましくはヘパリン
のN−硫酸部位の一部を脱硫酸化を行って第1級アミノ
化を行ったものなどが望ましい。
【0033】ヘパリンの第1級アミノ化の程度は、ヘパ
リン中の全アミノ基の内、第1級アミノ基の量を好まし
くは5〜25%、より好ましくは10〜20%、さらに
好ましくは10〜15%にするのが良い。ここで、ヘパ
リン中の第1級アミノ基の量とは、N−硫酸部位の一部
を脱硫酸化して第1級アミノ化したものおよびヘパリン
自身が持っていたものの両方を含む。ヘパリン中の第1
級アミノ基の量が、5%未満では、基材に固定され難く
なり、25%を越えると、ヘパリンの生理活性が低下し
てくるので好ましくないものである。
【0034】次に、ヘパリンのN−硫酸部位の脱硫酸化
としては、例えば、市販のヘパリンを蒸留水に溶かし、
10%ヘパリン溶液を作製する。このヘパリン溶液10
mlに5.5NのH2 SO4 を0.4ml加え、95℃
にて反応させることにより行うことができる。なお、該
N−硫酸部位の脱硫酸化により増加した第1級アミノ基
の量を上記範囲に入るように調整する方法としては、予
め、上記脱硫酸化反応を実施し、この反応の中で、経時
的にサンプリングし、そのアミノ基の量の増加をニンヒ
ドリン法(検体0.75mlに、ニンヒドリン2g、ト
ヒドリンダンチン0.3gをメチルセロソルブ75ml
に溶かし、4N酢酸ナトリウム(pH5.5)を25m
l加えてなるニンヒドリン試薬0.5mlを加え、沸騰
水中で15分間加熱し、急冷した後、25%エタノール
5mlを加え、570nmで吸光度を測定し、アミノ基
の定量をロイシンの発光度として数値化して表す方法を
いう)で測定し、ヘパリンの生理活性を合成基質法で測
定する。また、文献上、ヘパリン中の全スルホンアミノ
基を脱硫酸化するとされる条件、2%ヘパリンに0.0
2NのHClを加え、95℃にて反応を行い、経時的な
アミノ基の量の増加を同様に測定する。得られた結果を
もとに、インキュベーション時間に対する抗FIIa活
性、抗FXa活性、アミノ基の量および1%ヘパリンの
ロイシン当量などの関係を求める。これらの関係から、
インキュベーション時間に対しヘパリン中の第1級アミ
ノ基が増加する割合およびヘパリン活性は減少する割合
を明確に捕らえ、ヘパリン活性が不適当に低下しないよ
うな領域で、かつ上記第1級アミノ基量範囲に入るよう
インキュベーション時間を選択する方法などがある。
【0035】具体的には、ヘパリンのロイシン当量が、
好ましくは0.05〜0.18μmol/10mg、よ
り好ましくは0.05〜0.13μmol/10mgで
ある。該ロイシン当量が0.05μmol/10mg未
満の場合には、第1級アミノ基が上記範囲に達せず十分
でなく、基材表面へのヘパリンの固定量が低下してしま
い、0.18μmol/10mgを越える場合には、ヘ
パリン活性が低下してしまうので好ましくない。
【0036】次に本発明において、上記基材上に導入し
たアミノ基と生理活性物質中のアミノ基を基材に共有結
合する際に用いられる2種以上のアルデヒド基を有する
化合物からなるカップリング剤としては、例えば、グル
タルアルデヒドなどを用いることができる。
【0037】次に、上述したように、予め基材上に導入
したアミノ基と生理活性物質中のアミノ基を2種以上の
アルデヒド基を有する化合物からなるカップリング剤を
用いて基材に共有結合する方法としては、カップリング
剤単独で反応を開始させた後、還元剤が混合されたカッ
プリング剤で、さらに反応を続ける方法を用いることが
できる。
【0038】すなわち、この方法では、カップリング剤
単独で反応を開始し、一定時間反応を行ってシッフ塩基
を形成させた後、カップリング剤に還元剤を混合して還
元反応を続け、反応時に形成したシッフ塩基を効率的に
還元するものであり、該還元剤の混合方法としては、反
応系に還元剤を添加する方法以外に、医療器の形状によ
っては、添加できないものもあるため、カップリング剤
と還元剤の混合液に交換する方法などを用いることもで
きる。
【0039】なお、上記シッフ塩基を形成する反応前
に、はじめに基材のアミノ基とヘパリンの官能基を反応
させて、これらをイオン結合させておくことも可能であ
る。
【0040】この場合の反応条件としては、pH2.0
〜6.0、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは
3.5〜4.5とし、反応温度0〜80℃、好ましくは
45〜65℃、より好ましくは37〜60℃として、反
応時間10分〜24時間、好ましくは1〜4時間とする
ものである。
【0041】反応液のpHが2.0未満の場合には、ヘ
パリンの安定性が低下し、pHが6.0を越える場合に
は、基材表面の陽電荷が低下し、結合ヘパリン量が低下
するため好ましくない。また反応温度が0℃未満の場合
には、イオン結合速度が著しく低下し、80℃を越える
場合には、ヘパリンの安定性が低下するため好ましくな
い。さらに反応時間が10分未満の場合には、イオン結
合が不十分であり、24時間を越える場合には、イオン
結合量が完全に飽和し、これ以上反応を行っても新たに
結合することはないため無駄である。
【0042】次に、上記反応方法において、カップリン
グ剤単独で反応を開始して、シッフ塩基を形成させる段
階での反応としては、pH2〜7、好ましくは3〜5、
より好ましくはpH4に調整したカップリング剤を濃度
0.05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.3%とし
て、反応温度25〜70℃、好ましくは45〜60℃、
より好ましくは37〜60℃として、反応時間5分〜4
時間、好ましくは1〜3時間行うものであり、これによ
りシッフ塩基を形成させるものである。
【0043】上記カップリング剤のpHが3未満の場合
には、ヘパリンの活性が低下するため好ましくなく、ま
たpHが7を越える場合には、酸性下でなければアミノ
基を持った基材表面が陽性(+)にチャージしないた
め、ヘパリンが表面から速やかに脱離するため好ましく
ない。なお、該pHの調整においては、適当な緩衝剤、
例えば、コハク酸緩衝液などを用いて調整することが望
ましい。また、カップリング剤濃度が0.05%未満の
場合には、シッフ反応が十分行われず、また0.5%を
越える場合には、洗浄後でも残存する高濃度のカップリ
ング剤により、安全性、特に細胞毒性を有することとな
るため好ましくない。さらに反応温度が25℃未満の場
合には、反応が十分に進まないため、シッフ塩基の形成
が十分でなく、また70℃を越える場合には、ヘパリン
の安定性が低下するため好ましくない。さらに反応時間
が5分未満では、シッフ塩基の形成が十分でなく、4時
間を越える場合には、ヘパリンの分解等によりヘパリン
の生理活性が低下するため好ましくない。また、溶媒に
は、例えば、水などを用いることができる。
【0044】次に、上記反応方法において、シッフ塩基
を形成させた後、カップリング剤に還元剤を混合して還
元反応を続け、反応時に形成したシッフ塩基を効率的に
還元させる段階での反応としては、まず、還元剤の混合
方法として(1)反応系に還元剤を添加する方法、
(2)カップリング剤と還元剤の混合液に交換する方法
がある。
【0045】まず上記(1)の反応系に還元剤を添加す
る方法においては、カップリング剤単独での反応系に、
還元剤を終濃度0.05〜0.5%、好ましくは0.1
〜0.3%として添加し、反応温度25〜70℃、好ま
しくは45〜60℃として、反応時間5分〜4時間、好
ましくは1〜3時間続けることにより、カップリング剤
単独反応時に形成したシッフ塩基を効率的に還元させる
ものである。
【0046】上記還元剤としては、例えば、NaBH3
CNを用いることができる。また該還元剤の濃度が0.
05%未満の場合には、十分な還元効果が得られず、
0.5%を越える場合には、安全性等により好ましくな
い。また反応温度が25℃未満の場合には、還元反応が
十分でなく、70℃を越える場合には、ヘパリンの安定
性が低下するため好ましくない。さらに反応時間が5分
未満では、還元反応が十分でなく、4時間を越える場合
には、ヘパリンの分解等によりヘパリンの生理活性が低
下するため好ましくない。
【0047】次に上記(2)のカップリング剤と還元剤
の混合液に交換する方法においては、例えば、径の小さ
いチューブなどの場合のように、上記添加方法ではただ
ちに均一に混合しにくい場合に有用である。この場合、
シッフ塩基を形成させた後、反応液を、pHを3〜7、
より好ましくは4に調整し、濃度を0.05〜0.5
%、好ましくは0.1〜0.3%に調整したカップリン
グ剤に、交換直前に還元剤を終濃度0.05〜0.5
%、好ましくは0.1〜0.3%として添加してなる混
合液に交換し、反応温度25〜70℃、好ましくは46
〜60℃として、反応時間5分〜4時間、好ましくは1
〜3時間還元反応を続けることにより、カップリング剤
単独反応時に形成したシッフ塩基を効率的に還元させる
ものである。また、溶媒には、例えば、水などを用いる
ことができる。ここで、カップリング剤に、交換直前に
還元剤を添加するのは、還元剤がシッフ塩基に作用する
前に、カップリング剤の官能基に作用し官能基がつぶれ
てしまう弊害を最小限に抑えるためである。
【0048】上記(2)の場合にも、上記(1)と同様
に、還元剤としては、例えば、NaBH3 CNを用いる
ことができ、また還元反応の条件に関しても上述と同じ
範囲で十分であり、その理由も上記に説明したと同様の
理由によるものである。
【0049】以上説明したように、本発明では、はじめ
にカップリング剤単独で反応を開始し、その後カップリ
ング剤に還元剤を混合して還元反応を続けることを特徴
とするものである。これは、はじめから還元剤をカップ
リング剤と同時に反応系に投入すると、カップリング剤
の官能基であるアルデヒド基がつぶれるため、基板上に
生理活性物質を効率的に共有結合させることができなく
なる。また、カップリング剤単独で処理した後に、還元
剤単独で還元処理を行うことも可能であるが、この場合
には高濃度のカップリング剤を必要とするため、洗浄後
でも残存する高濃度のカップリング剤により、安全性、
特に細胞毒性などの問題があると同時に反応効率も悪く
なる。さらに、カップリング剤のみの反応も可能だが、
基板上に生理活性物質を効率的かつ安定的にに共有結合
させるには、同様に高濃度のカップリング剤を必要と
し、同様に安全性の問題点を有しているため好ましくな
い。
【0050】また、上記反応方法としては、前記基材が
成形済みの場合には、該基材をヘパリン溶液をはじめ、
カップリング剤、還元剤などを含む溶液に浸漬させても
よいし、また基材にヘパリン溶液などを塗布させてもよ
い。また、基材が成形前の液体の場合には、ヘパリンは
じめ、カップリング剤、還元剤などを含む溶液と混合す
ることも可能である。
【0051】次に、上記還元反応が終了した後、該反応
生成物を基材の形態に応じた適当な洗浄方法を行って、
イオン結合性のヘパリンなどを基材表面から除去するこ
とにより、得られる医療用材料を使用する場合に、これ
らイオン結合性ヘパリンの大量脱離による出血傾向を防
止することができるものである。
【0052】以上に説明したように、基材上に導入した
アミノ基と生理活性物質中のアミノ基を2種以上のアル
デヒド基を有する化合物からなるカップリング剤を用い
て基材に共有結合する際に、カップリング剤単独で反応
を開始させた後、還元剤が混合されたカップリング剤
で、さらに反応を続けることを特徴とする製造方法によ
って得られた生成物たる医療用材料または医療用材料
は、生理活性物質、その一例としてヘパリンをとってみ
ると、その抗血栓性を利用してなる抗血栓性材料とし
て、例えば、中空糸、チューブなどにすることができ
る。さらにこれら抗血栓性材料は、種々の医療用器具、
例えば、人工肺、人工心肺回路、カテーテル、人工心臓
などの少なくとも血液と接触する部分に用いることがで
きる。特に人工心肺回路、体内留置カテーテルに用いれ
ば、抗血栓性に優れ、しかも本発明の方法では、基材の
材質を比較的広範囲なものから選択できるため、折れ、
曲げ、クランプにも安定な人工心肺回路、体内留置カテ
ーテルを得ることができる。また、ガス交換膜として多
数の微孔を有する多孔質膜、例えば中空糸を上記のごと
く生理活性物質にヘパリンを用いて、本発明の方法によ
り処理すれば、抗血栓性を有する中空糸が得られ、上記
多孔質膜(中空糸)を人工肺に用いれば、抗血栓性に優
れた人工肺を得ることができる。
【0053】また、基材として人工肺に組み込む多孔質
質膜を医療用材料として用いる場合には、特開昭62−
64374号公報に記載の方法などを用いて、多孔質質
膜の微孔中に、予め微孔より小径のシリカなどの微粒子
を充填しておくことが望ましい。ガス交換膜が多孔質で
疎水性でしかもオゾン処理により官能基が出現しない場
合、官能基が出現するようなポリマーを予めコーティン
グしなければならないが、その場合、ガス交換膜に均一
にポリマーをコーティングすることができず、このた
め、抗血栓性が十分に発揮できなかったり、またヘパリ
ンの固定により膜が親水化するため、長時間循環時に細
孔からの血漿の漏れが生じてくることがあるので、それ
を防ぐのに好適だからである。
【0054】なお、医療用材料と医療用器具との利用関
係は、通常医療用器具の構成部材が医療用材料であるこ
とから、医療用材料を基材として本発明の方法を適用
し、これを用いて医療用器具を組み立てるなどして医療
用器具を完成することができる。ただし、本発明の製造
方法においては、医療用器具を組み立てた後、本発明の
方法を適用することにより、医療用器具を完成すること
もできる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0056】実施例1 内径200μm、肉厚50μm、空効率38%、平均孔
径700オングストロームのポリプロピレン製中空糸膜
を用いて、膜面積0.8m2 の中空糸人工肺を組み立て
た。この中空糸膜人工肺のガス入口より水を充填させ、
オゾン発生機(日本オゾン株式会社製)を用いて、0.
8リットル/分酸素量のオゾンを血液流入口より導入し
た。この際、反応温度を5℃に設定して、中空糸状ガス
交換膜のオゾンによる酸化分解反応を行った。オゾンに
よる処理をした後、pH10の調整した0.5w/v%
ポリエチレンイミン(Polymin SN,BASF社製)を充填し、
45℃にて一晩反応した。続いて、コハク酸緩衝液でp
H4の調整した0.2%一部脱硫酸化したヘパリンを充
填し、45℃にて2時間反応した。
【0057】続いて、コハク酸緩衝液でpH4に調整し
た0.1%グルタルアルデヒドを充填し、55℃にて2
時間反応した。
【0058】続いて、0.1%NaBH3 CNが混合さ
れたグルタルアルデヒドでさらに反応を55℃にて2時
間反応を続けた。
【0059】この際の還元剤の反応方法は、2%NaB
3 CNを調整し、グルタルアルデヒド反応液中にNa
BH3 CN濃度が0.1%になるよう添加し混合した。
その後、内部を水洗し乾燥後、ポリプロピレン製中空糸
膜を50%エタノールで親水化を行い、続いて水置換を
行った。続いて、pH7の20mMリン酸緩衝液を充填
し、70℃で1時間放置し乾燥した。さらに2回目の洗
浄を内部に70℃のお湯を充填し、1時間放置を行い、
乾燥してサンプルを作製した。
【0060】実施例2 還元剤の反応方法として、2%NaBH3 CNを調整
し、グルタルアルデヒド反応液中にNaBH3 CN濃度
が0.1%になるよう添加し混合する代わりに、交換直
前に0.1%NaBH3 CNが混合された0.1%グル
タルアルデヒド混合液を調整し、反応液の交換を行った
以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
【0061】比較例1 実施例1と同様にして、ポリプロピレン製中空糸膜を用
いて、膜面積0.8m2 の中空糸人工肺を組み立てた。
ヘパリン処理後、続いてコハク酸緩衝液でpH4に調整
した0.1%NaBH3 CNが混合された0.1%グル
タルアルデヒドを充填し、55℃にて4時間浸漬を行っ
た以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
【0062】比較例2 実施例1と同様にして、ポリプロピレン製中空糸膜を用
いて、膜面積0.8m2 の中空糸人工肺を組み立てた。
ヘパリン処理後、続いてコハク酸緩衝液でpH4に調整
したグルタルアルデヒドを充填し、55℃で浸漬した。
この際、処理濃度は、0.1%とした。続いて、0.1
%NaBH3 CNを充填し、55℃にて2時間反応を行
った以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し
た。
【0063】比較例3 処理濃度を0.1%とする代わりに1.0%とした以外
は、比較例2と同様にしてサンプルを作製した。
【0064】実施例3 実施例1〜2および比較例1〜3について、得られた中
空糸状ガス交換膜のサンプルをpH10の0.1M炭酸
緩衝液(4M NaCl含有)で60℃で24時間浸漬
を行い、不安定なヘパリンを取り除き、ESCA(X線
光電子分光)(日本電子株式会社製)を用いて、中空糸
状ガス交換膜の内側の表面元素組成O、N、CおよびS
中のヘパリン由来のSの比を比較した。得られた結果を
表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1に示す結果より、還元剤をカップリン
グ剤と同時に反応系に投入したサンプル(比較例1)
は、カップリング剤の官能基であるアルデヒド基がつぶ
れ、効果がなかった。
【0067】カップリング剤の反応以降に還元処理した
サンプル(比較例2および比較例3)は、高濃度のカッ
プリングでも効果は低く、さらに高い濃度が必要になる
と思われる。
【0068】グツタルアルデヒド単独で処理した後、還
元剤が混合されたグルタルアルデヒドで反応を続けたサ
ンプル(実施例1および実施例2)は、反応時に形成し
たシッフ塩基を効率的に還元できたため、低濃度のグル
タルアルデヒドで高い効果があった。
【0069】実施例4 次に、実施例1〜2および比較例1〜3について、得ら
れた中空糸膜人工肺のサンプルを用いて、溶出物試験、
溶血試験については、「厚生省の医療用具の規格基準」
(人工心肺用ディスポーザブルセット基準、116〜1
25頁)などをはじめ多くの出版物に開示されている方
法により試験および評価を行ない、また細胞毒性試験に
ついては、「米国USP基準の抽出方法」など多くの出
版物に開示されている方法に準じて(「準じて」とした
のは、人工心肺用ディスポーザブルセット基準の生物学
的試験で生理食塩水の代わりにMEM培地を満たし、7
0℃で12時間加熱した後、これを試験液としたことに
よる)試験を行ない、以下に示す評価を行ない、その安
全性を比較した。
【0070】細胞毒性試験の評価 上記「米国USP基準の抽出方法」に準じて細胞毒性
試験に供したサンプルの培地を捨て、4℃のPBS
(−)を各サンプルのWellに100μl分注する。
ブレードミキサーで撹拌し、PBS(−)を捨てる。こ
れを2度繰り返す。
【0071】約30分間、10%ホルマリン溶液につ
け、細胞を固定する。流水で充分にホルマリンを洗い落
とし、ドライヤーで乾燥させる。
【0072】2%エタノールを含んだ0.2%クリス
タルバイオレット溶液を各Wellに100μlずつ分
注し、15分間染色する。正確に30分間流水中に静置
させ、色素を洗い流す。水洗後、軽く水を切り、ドライ
ヤーで乾燥する。
【0073】1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
溶液を各Wellに200μlずつ分注し、ブレードミ
キサーで振とう撹拌し、色素を溶出させる。さらにブレ
ードミキサーで撹拌し、30分間後、各Wellに溶出
したクリスタルバイオレットの吸光度を波長540nm
でTitertek Multiskanを用いて測定
する。
【0074】得られた各々の吸光度の平均を求める。
平均吸光度Xが0.125以上の時には、0.8611
X+4.7343に代入し、Xが0.125未満の場合
には、10.098X+3.6600に代入し、生細胞
数を算出する。
【0075】各濃度ごとにブランクに対する百分率を
求める。
【0076】この値について、0%以下、もしくは0〜
60%の範囲であれば、細胞毒性試験に適合するものと
し、61〜100%の範囲であれば細胞毒性試験に不適
合であるとする判断基準に従って定量的評価を行なう。
【0077】得られた結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2の細胞毒性試験の評価の括弧内の定量
%の値は、上記判断基準ので求めた百分率の値を示
す。
【0080】表2に示す結果より、カップリング剤の反
応以降に還元剤を投入すると、高濃度のカップリング剤
を使用したサンプル(比較例3)は、洗浄後でも残存す
る高濃度のカップリング剤の影響により、安全性に問題
があった。
【0081】グルタルアルデヒドの使用濃度を低濃度に
することにより、残存するグルタルアルデヒドの影響が
なくなり、安全性が向上した。
【0082】実施例5 ヘパリン化チューブの抗血栓
性試験 内径1.4mmのポリプロピレン製チューブを用いて、
実施例1〜2および比較例1〜3と同様の処理方法によ
り、サンプルを作製した。これらのチューブについて、
4MのNaClで24時間洗浄し、各チューブの表面抗
トロンビン活性を測定した。方法は、ヘパリン固定チュ
ーブ56cmにて切断し、トロンビン0〜10U/cc
(4%アルブミン生食溶液)を0.5ml注入し、15
分間ロータリーミキサーで内面と接触させた。その後、
内液のトロンビン濃度を測定し、内面吸着トロンビン量
を算出した。トロンビン吸着チューブは生食で洗浄後、
1.0mMのS−2238の1.0mlを2ml/分で
チューブ内を流し、チューブから出てきた液を50%酢
酸0.2ml中に滴下し、内面吸着トロンビン量に対す
るS−2238の発色性の検量線を作製した。次に、ト
ロンビン10U/ccを0.5ml注入し、15分間ロ
ータリーミキサーで内面と接触させた。内面生食洗浄
後、トロンビンを吸着させたチューブにATIII 1U/
ccを入れ、インキュベーションした後、内面生食洗浄
後、同様にS−2238を内面残存トロンビンで発色さ
せ、その発色度と検量線より内面残存トロンビンを算出
した。表面吸着トロンビン量とATIII のインキュベー
ション時間を30秒にした時の表面残存トロンビン量を
表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】表3に示す結果より、表面残存トロンビン
量には、差はなかった。しかし、還元剤をカップリング
剤と同時に反応系に投入したサンプル(比較例1)は、
カップリング剤の官能基であるアルデヒド基がつぶれ、
トロンビンの吸着量が低かった。カップリング剤の反応
以降に還元処理したサンプル(比較例2および比較例
3)は、高濃度のカップリング剤でもトロンビンの吸着
量が低かった。
【0085】グルタルアルデヒド単独で処理した後、還
元剤が混合されたグルタルアルデヒドで反応を続けたサ
ンプル(実施例1および実施例2)は、反応時に形成し
たシッフ塩基を効率的に還元できたためトロンビンの吸
着量が高く、低濃度のグルタルアルデヒドで高い効果が
あった。
【0086】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、基材上に
導入したアミノ基と生理活性物質中のアミノ機を2つの
アルデヒド基を有する化合物からなるグルタルアルデヒ
ドを用いて基材に共有結合する際に、グルタルアルデヒ
ド単独で反応開始し、一定時間経過後、反応系に還元剤
を添加する、あるいは交換直前に還元剤を混合したグル
タルアルデヒドと交換し、さらに反応を続けることによ
り、反応時に形成したシッフ塩基を効率的に還元できる
ため、反応効率が高まる。カップリング剤のみでの反応
より還元剤との混合液により、低濃度のグルタルアルデ
ヒドで抗血栓性を付与することができる。また、洗浄
後、残存するカップリング剤の影響がなくなり安全性が
向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上のアミノ基と、生理活性物質中の
    アミノ基とが、複数のアルデヒド基を有するカップリン
    グ剤を介して共有結合した医療用材料に、前記カップリ
    ング剤と、前記基材および前記生理活性物質のアミノ基
    と前記カップリング剤のアルデヒド基とが共有結合して
    できたシッフ塩基を還元するための還元剤と、の混合物
    を添加し、さらに反応させることを特徴とする医療用材
    料の製造方法。
JP5328940A 1993-12-24 1993-12-24 医療用材料の製造方法 Pending JPH07178160A (ja)

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