JPH07179630A - 高分子成型体へのグラフト鎖導入法 - Google Patents

高分子成型体へのグラフト鎖導入法

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JPH07179630A
JPH07179630A JP5324650A JP32465093A JPH07179630A JP H07179630 A JPH07179630 A JP H07179630A JP 5324650 A JP5324650 A JP 5324650A JP 32465093 A JP32465093 A JP 32465093A JP H07179630 A JPH07179630 A JP H07179630A
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irradiation
pet
graft chain
radiation
polymer
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JP5324650A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masahiro Seko
政弘 世古
Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masakazu Tanaka
昌和 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グラフト鎖を高い効率で基材表面に導入する
ことが可能な高分子成型体へのグラフト鎖導入法を提供
する。 【構成】 基材である高分子成型体の表面にあらかじ
め、放射線照射により活性化されやすい構造の化合物を
導入しておき、これに放射線を照射し、その後ビニルモ
ノマーのえきに浸漬して、該モノマーを重合させて、基
材表面に該モノマーの重合体を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線照射による高分子
成型体へのグラフト鎖導入法に関するものである。より
詳細には、高分子成型体にあらかじめ放射線照射によっ
て活性化されやすい構造の化合物を導入しておき、これ
に放射線を照射した後ビニルモノマー溶液に浸漬して、
該モノマーの重合と高分子成型体へのグラフト化を同時
に行うことを特徴とする放射線照射による高分子成型体
へのグラフト鎖導入法に関するものである。
【0002】本発明において、改質されるべき高分子成
型体を基材と呼び、放射線グラフト重合により基材に導
入されてグラフト鎖となる物質を導入化合物と呼ぶ。ま
た、ビニルモノマー、ビニル化合物とは付加重合を起こ
すことが可能な炭素炭素不飽和結合を分子内に有する化
合物を示し、ビニル基、アリル基、ビニレン基、ビニリ
デン基などを含有する化合物をも包含する。また、ビニ
ルモノマー溶液という表現は、ビニルモノマーが液体で
ある場合には無溶媒の液体ビニルモノマーをも包含す
る。
【0003】
【従来の技術】高分子材料の改質方法として最も確実
で、改質された性質が保持されやすいのは化学反応によ
るものである。ポリスチレンを基材としてイオン性置換
基を導入したイオン交換樹脂、染料との親和性を向上す
る目的で官能基を導入した繊維などに始まり、化学改質
による高分子材料の高付加価値化には枚挙に暇がない。
【0004】この方法は、あらかじめ基材となる高分子
材料を化学的に処理して改質しておき、この改質材料を
成型して所望の材料を得る方法と、先に成型を行ってか
ら改質反応に供する方法とがある。前者の場合、改質反
応が溶液やドープの状態で行えるため、反応効率を上げ
ることができ、比較的均質な材料が得られるという長所
がある。しかし、成型体が例えば多孔質ビーズの場合な
どでは、高分子材料の改質技術ばかりでなく、成型体の
製造技術も関与し、改質と立体成型の一貫した技術を確
立する必要がある。
【0005】一方後者の場合、成型体の形状を破壊しな
いような反応条件、反応溶媒等を適当に選択する必要が
あるので、実際に応用できる化学反応はおのずから限ら
れてしまう。しかし、あらかじめ成型された基材を使用
して改質を行うため、立体成型技術と改質技術を切り離
して考えることができ、場合によっては市販の高分子成
型体を基材として利用することができるという長所があ
る。また、この方法では成型体の表面のみを改質するこ
とができる。利用方法にもよるが、この点は強度と機能
の両立など、ふたつの相反する特性を両立するのに有利
に働くことも考えれる。このような長所を考えると、技
術的に可能である限り成型後に官能基を導入する方法の
ほうが、より適用範囲が広いと言える。
【0006】さて、化学反応による改質の大きな長所は
安定であるということであるが、他方、改質操作に手間
がかかる、装置が大がかりになる、条件の設定が難しい
など、取扱いが煩雑であるという短所が存在する。ま
た、基材となる高分子の構造に応じて適当な反応を選択
し、それぞれに適した条件を探索する必要があるので、
素材を超えた応用が難しい。さらに、ポリエチレンなど
化学的に安定な化合物をこの方法で改質することは極め
て困難である。
【0007】このような短所を克服でき、取扱いの上で
も非常に簡便であるのがポリマーブレンドによる方法で
ある。この方法は基本的に混合を行うだけであるから、
化学反応の際に考慮しなければならない、溶媒や反応温
度等の条件設定、溶媒の精製、生成物の洗浄等の操作は
行う必要がない。従って改質材料の調製という点では極
めて有利な方法であると言える。
【0008】しかし、可塑剤、安定剤その他の添加剤に
よって改質を行うこの方法は、用途によってはこれらの
添加剤が溶出して材料の性質が経時的に変化してしまっ
たり、あるいはこの溶出物の影響によって種々の不都合
が生じてくる場合も考えられる。また、添加剤を混合す
るわけであるから、必然的に成型前に改質を行うことが
必要であり、結果としてこの方法では高分子材料全体が
改質されてしまい、フィルムや繊維、ビーズなどの成型
体について、表面のみの改質を行うことは困難である。
【0009】また、高分子材料の後処理としては、コー
ティングという方法もある。この方法も化学的な改質で
はないので、反応溶媒や反応条件などについて検討を行
い、適当に設定する必要はなく、比較的簡便に実施する
ことが可能である。しかもブレンドの場合とは異なり、
成型後の材料表面に機能を付与できるという長所があ
る。しかしながら、この方法は材料とコーティング剤と
の物理的な親和性に頼っているため、使用中に表面の改
質層が剥離してくる可能性がある。
【0010】高分子材料の改質を行う別の有効な方法と
しては、放射線グラフト法が挙げられる。この方法は高
エネルギーの放射線を照射して基材表面にラジカルやイ
オンを発生させ、グラフト鎖を導入する方法であり、化
学的に安定で不活性なポリエチレンのようなポリマーに
も適用できる。
【0011】この方法では化学反応改質のように反応条
件の綿密な検討、設定はある程度省略することが可能で
あり、また、成型高分子材料の表面に機能を付与するこ
とができる。さらにコーティングの場合と違って基材表
面に生成するラジカルやイオンを利用して改質を行うた
め、剥離の可能性が非常に小さくなることが期待され
る。
【0012】放射線グラフト法で導入できる化合物は、
様々であるが、最も効率が良いのは、分子内に炭素炭素
不飽和結合を持つ構造の化合物である。放射線照射によ
って基材表面に発生したラジカルやイオンが開始剤とな
って基材表面からこの導入化合物のグラフト鎖が伸び
る。
【0013】また、エネルギーを得ることによってラジ
カルを発生しやすいポリオールなどの化合物も比較的導
入されやすい。また、ポリアクリロニトリルやポリアク
リル酸メチルなどの、電子吸引性置換基の付いたポリビ
ニル化合物も、α位の水素がラジカル的に脱離しやすく
なっているため、導入が可能である。
【0014】すなわち、電子分布に片寄りが存在するよ
うな化合物ならば、いずれも放射線グラフト重合によっ
て基材となる高分子成型体に導入できる可能性がある。
しかしながら、実際には容易に導入できる化合物とそう
でない化合物とは厳然として存在している。
【0015】我々の興味は専ら、基材への導入の容易さ
ではなく、導入によって発揮される機能である。つま
り、機能の付与が第1の目的であって、その導入が必ず
しも容易に実施できるとは限らない。ある特定の化合物
を基材にグラフト鎖として効率よく導入するには、なん
らかの工夫が必要である。ところが、放射線照射によっ
て高分子成型体にグラフト鎖を導入する手法において、
導入効率を向上させるような有効な手法はあまり知られ
ていない。
【0016】放射線グラフト法で改質を行う場合の手法
としては、導入化合物を基材表面に塗布し、これに放射
線を照射するのが一般的である。この方法で基材への導
入化合物の固定化効率を向上させる手段として比較的一
般に利用されているのは、アンカー剤を用いる手法であ
る。この方法は基材と馴染みが良く、また高エネルギー
下でラジカルやイオンを発生しやすい化合物をアンカー
剤として基材に塗布しておき、この前処理を行った基材
に導入化合物を塗布し、グラフト化する方法である。し
かし、このアンカー剤は基材と導入化合物の橋渡しをし
はするが、必ずしも基材−アンカー剤−導入化合物の化
学的な結合を生成するわけではない。従って、医用材料
などのように審査基準が厳しい素材の場合には、溶出物
が多すぎて事実上利用することができないような事態も
考えられる。
【0017】また、この「導入化合物塗布→放射線照
射」の手法を採用した場合、図1に示したように基材表
面近傍に導入化合物が固定される可能性が大きい。改質
成型体の用途にもよるが、例えば医用材料として親水性
化合物と導入した成型体を得る場合、血液適合性の観点
からは親水性化合物(導入化合物)が基材表面から立ち
上がった形で固定化され、血液との接触した際この親水
性化合物鎖が血液中でゆらいだほうがより好ましい。
(図2参照)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解決し、グラフト鎖を高い効率で基材表面に導
入することが可能な高分子成型体へのグラフト鎖導入法
を提供しようとしたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線照射によ
る高分子成型体へのグラフト鎖導入法は、基材表面にあ
らかじめ放射線照射によって活性化されやすい構造の化
合物を導入しておき、これに放射線を照射した後ビニル
モノマー溶液に浸漬し、このビニルモノマーを重合させ
ると同時に基材表面に固定化することを特徴とする。
【0020】本発明の放射線照射による高分子成型体へ
のグラフト鎖導入法は、基材に照射する放射線は特に制
限されないが、なかでも電子線(以下EBと略記)であ
ることが好ましい。
【0021】本発明の放射線照射による高分子成型体へ
のグラフト鎖導入法は、グラフト鎖となるべき物質が、
カルボキシル基、カルボン酸無水物、カルボン酸ハライ
ド、カルボン酸エステル、アミノ基、イミノ基、スルホ
ン酸基、リン酸基のうち少なくとも1種の官能基を、分
子内に少なくとも1個以上有し、付加重合可能な炭素炭
素不飽和結合を分子内に有することを特徴とする。
【0022】上記の放射線によって活性化されやすい化
合物としては具体的には、ポリオールやアミノ基、イミ
ノ基を含有する化合物、アリル基を含有する化合物、第
3級炭素原子を含有する化合物などが例示される。これ
らの化合物は放射線照射によってラジカル、イオン、パ
ーオキサイド、N−オキサイドなどの活性種を生成し、
この活性種が開始剤として働くことによってビニル化合
物の重合・固定化が可能となる。
【0023】これらの化合物の基材への導入方法につい
ては本発明によって特に制限を受けるものではないが、
コーティングによる導入を採用すると、実施は容易であ
るがさきに述べたアンカー剤と同様の問題が生じてくる
ため好ましくない。共有結合によって安定に固定化され
ていることが推奨される。
【0024】例えば本発明の方法によってポリエチレン
テレフタレート(以下PETと略記)製不織布にポリア
クリル酸(以下PAAと略記)を導入する場合、具体的
には以下のような手法が採用され得る。 (1)不織布にポリエチレンイミン(以下PEIと略
記)を塗布する。 (2)EBを照射してPEIの固定化を行う。 (3)不織布を洗浄後、再びEBを照射してアミノ基、
イミノ基を活性化する。 (4)アクリル酸(モノマー;以下AAと略記)水溶液
に浸漬し、熱を加えてグラフト化を行う。
【0025】上記の例では放射線照射によって活性化さ
れやすい構造の化合物(PEI)の導入をEB照射で行
った後、再びEBを照射して活性化を行い、AAを作用
させてPAAをグラフト化している。このような方法で
導入化合物の固定化を実施する場合には、簡略化のため
に(3)の操作を省略してもかまわない。PEIの導入
を目的に行ったEB照射は、同時にPEIのアミノ基、
イミノ基の活性化をも行っていると考えられるからであ
る。ただし、この簡略操作では不織布と安定な結合を生
成していないPEIもPAAグラフト化に関与してくる
ので、結果的に得られた改質不織布は溶出物が多くなっ
てしまう可能性が大きい。
【0026】本発明における導入化合物は既述の通りで
あるが、具体的にはAA、メタクリル酸(以下MAと略
記)などのカルボキシル基含有化合物;無水マレイン酸
などのカルボン酸無水物含有化合物;メタクリロイルク
ロリドなどのカルボン酸ハライド含有化合物;アリルア
ミン(以下aaと略記)、下記化1に示される化合物な
どのアミノ基含有化合物;スチレンスルホン酸などのス
ルホン酸基含有化合物;ビニルアルコールリン酸エステ
ルなどのリン酸基含有化合物などが挙げられる。
【0027】
【化1】 化1において、R1 は水素原子または炭素数1〜4のア
ルキル基 R2 は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜14
のアリーレン基、または炭素数7〜16のアラルキレン
基 R3 、R4 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜14のアリール基、または炭素数7〜16の
アラルキル基で、それぞれ同じもしくは異なってもよ
い。 XはOもしくはNH
【0028】これらの化合物を導入した場合、基材表面
には電荷が付与される。このような技術はイオン交換材
の合成手法、イオン結合による酵素固定化材の合成手
法、各種高分子成型体の帯電防止法、合成繊維等の染色
性向上技術などとして利用できる。また、これらの化合
物の導入によって親水化された表面をもつ成型体は、血
液適合性のすぐれた材料として医用材料として利用でき
る可能性がある。カルボキシル基、アミノ基は酵素固定
の際によく用いられる活性官能基であるが、この官能基
の反応性を利用して酵素、抗体、抗原、細胞、その他の
機能を有する蛋白質などの生理活性物質を共有結合によ
って高分子成型体表面に固定化できる可能性がある。
【0029】本発明の手法は不織布、中空糸、多孔質ビ
ーズなどの表面改質方法として特にすぐれており、これ
らの素材を基材とした医用材としての用途に最も適して
いる。ここで言う医用材とは、具体的には親水性基を導
入した血液適合性に優れる人工透析膜や血球分離材、病
因物質と特異的親和性を持つ官能基を導入した血液浄化
材、特定の官能基を導入した後生理活性物質を固定化し
た免疫吸着材などが例示される。
【0030】本発明の要旨は、あらかじめ放射線照射で
活性化されやすい構造を有する化合物を導入した基材に
放射線を照射し、続いてビニルモノマー溶液にこれを浸
漬することにある。「放射線照射→基材活性化→ビニル
モノマーとの反応」というふうにステップワイズに基材
の改質を行うのが、従来の放射線グラフト法と大きく異
なる点である。
【0031】このように、基材を活性化しビニルモノマ
ーを作用させることで基材の表面を改質する方法は、例
えばセリウム(IV)イオンによってセルロースにラジカ
ルを発生させ、これを開始点として2−メタクリロイル
オキシエチルフォスフォリルコリン(MPC)をグラフ
ト化させる手法(Kazuhiko Ishihar
a, et al.,Biomaterials, Vol.
13, No. 3, 145−149(1992))などが
報告されている。しかしながら、この方法は重金属であ
るセリウムが残存する可能性があるため、医用材料とし
て実用化するにはかなり精密な洗浄が不可欠となる。ま
た、条件にもよるが、導入化合物が洗浄によって除去困
難なホモポリマーを生成する可能性が大きい。
【0032】それに対して本発明の方法は基材の活性化
を放射線によって行っているため、有害な成分の残存が
少ない。また、「放射線照射による基材の活性化→ビニ
ルモノマーとの接触」というふうにステップワイズに改
質を行う方法を採っているため、ビニルモノマーを作用
させる際の条件を適当に選択することで(熱重合を回避
できるような反応温度の設定など)、ホモポリマーの生
成を抑えるのが比較的容易である。
【0033】本発明の方法によって導入化合物を基材に
グラフト化する場合、基材表面から導入化合物が立ち上
がった形で固定化される可能性が大きい。改質高分子成
型体を医用材料として使用する場合、このようにグラフ
ト鎖が長く伸びて固定化されるのは特に好ましい。
【0034】本発明で使用するビニル化合物は電荷を有
しているため、親水性に富んでおり、基材表面から立ち
上がった形で導入されることによって親水性スペーサー
として機能することが期待される。親水性スペーサーは
血液などの体液と接触する際、周辺に多くの水分子を吸
着する。このため基材表面は水の層に覆われることにな
り、この水の層が血球成分の付着を防いでくれる(排除
体積効果)。
【0035】また、水の層を形成するスペーサーが運動
することによってさらに血球成分の付着は困難になり、
付着した血球成分は脱離しやすくなる。また、凝固因子
や補体の活性化が抑制されるという効果も期待できる。
すなわち、親水性スペーサーが基材表面に導入されるこ
とによって血液適合性の向上が実現される。
【0036】本発明に用いられる基材は粒子状、繊維
状、膜状等を含め、あらゆる形態のものが使用され得
る。また本発明によって得られた表面改質高分子成型体
の用途についても本発明によって制限を受けるものでは
ないが、医用材料としての使用に最も適している。
【0037】以下実施例を用いて本発明を説明する。 〈実施例1〉繊維径3.5μm、目付け45g/m2
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記)製の
不織布を15cm×12cmに切断した(重量約810
mg)。このPET製不織布は改質に先立ち、アセトン
で充分に洗浄しておいた。PEI1.50g、トリエチ
レングリコールジアクリレート(以下EG3 −Aと略
記)1.50gをメタノール1lに溶解し、この溶液に
PET不織布を浸漬してPEIおよび添加剤の塗布を行
った。これを充分乾燥させた後(30℃、6時間)、片
面につき5Mradの線量でEBを照射し、PET不織
布表面へのPEIのグラフト化を行った。
【0038】上記の操作で得たPEI導入PET不織布
をイオン交換水の流水で充分に洗浄した。続いて沸騰イ
オン交換水中に浸漬して20分間煮沸洗浄を行った。こ
の煮沸洗浄を3回繰り返した後、不織布をメタノールで
置換し、減圧乾燥器で充分乾燥させた(60℃、18時
間)。こうしてPEI導入PET不織布PET−PEI
−1を得た。
【0039】適当な容器にAA21.6gを取り、イオ
ン交換水200mlで希釈した後約1時間連続して窒素
を吹送し、溶存酸素をパージした。この操作と並行して
上記PET−PEI−1にEBを照射し(片面につき5
Mrad)、活性化を行った。(EB照射を終えたPE
T−PEI−1を以下活性化PET−PEI−1と略記
する)活性化PET−PEI−1は液体窒素中に保存
し、速やかに次の反応に使用した。活性化PET−PE
I−1を12枚取って上記AA溶液に浸漬し、窒素吹送
を続けながら40℃で2時間加熱して反応を行った。こ
の操作によってPET−PEI−1表面を反応開始点と
してAAを重合させ、不織布表面へのPAAのグラフト
化を行った。
【0040】上記の操作で得た表面改質PET不織布を
イオン交換水の流水で充分に洗浄した。続いて沸騰イオ
ン交換水中に浸漬して20分間煮沸洗浄を行った。この
煮沸洗浄を3回繰り返した後、不織布をメタノールに浸
漬し、容器を超音波洗浄器内に浸して15分間超音波洗
浄を行う操作を3回繰り返し、減圧乾燥器で充分乾燥さ
せた(60℃、18時間)。こうしてPAA導入PET
不織布PET−PAA−1を得た。
【0041】PET−PEI−1に導入されたアミノ基
含量の定量、PET−PAA−1に導入されたカルボキ
シル基含量の定量、および溶出物試験を実施した。結果
は表1に示した。なお、それぞれの試験方法は下記に示
すとおりであり、アミノ基の定量はカルボキシル基の定
量に使用した0.1規定水酸化ナトリウムを0.1規定
塩酸に、0.1規定塩酸を0.1規定水酸化ナトリウム
にそれぞれ替えることによって同様に行った。
【0042】(1)カルボキシル基の定量 細かく刻んだPET−PAA−1約0.2gを正確に秤
量し(この量をW1 gとする)、0.1規定水酸化ナト
リウム10ml(力価をF1 とする)を加え、この懸濁
液をジオキサン/水(1/1容量比)で希釈して全量で
約60mlとした。これを約30分撹拌した後、自動滴
定装置(平沼産業製COMTITE101)を用いて
0.1塩酸水溶液(力価をF1 ’とする)により滴定し
た。中和までに要した0.1規定塩酸水溶液の量をV1
mlとした場合、PET−PAA−1のカルボキシル基
含量(X1 meq/g)は次式によって得た。 W1 ×X1 +0.1×F1 ’×V1 =0.1×F1 ×10
【0043】(2)溶出物試験 PET−PAA−1を1.0g正確に秤取し、約2cm
×2cmの大きさに切断して容器に入れ、蒸留水100
mlを加えた。70℃で1時間加熱して冷却後、PET
−PAA−1を取り除き、残った液を試験液として使用
した。また、PET−PAA−1を加えず同様に加熱操
作を行った蒸留水をブランクとして用いた。溶出物試験
は次の5項目について調べた。 外観 目視により、ほとんど無色で異物を認めない場合につい
て基準通過とした。 pH 塩化カリウム1.0gを蒸留水に溶解して1lとした
(以下KCl溶液と略記)。 試験液20mlを取り、KCl溶液1.0mlを加えて
pHメーター(堀場製作所製F−12)によってpHを
測定した。ブランクについても同様にpHを測定し、試
験液との差を記録した。この値は1.5以下の場合に基
準通過とした。 UV吸収スペクトル ブランクを対照として、試験液の200nm〜400n
mの吸光度を分光光度計(日立製作所製U−3210)
によって測定し、220nm〜350nmの最大吸光度
を記録した。この値が0.1以下である場合に基準通過
とした。 過マンガン酸カリウム還元性物質 試験液10.0mlを共栓三角フラスコに取り、0.0
1規定過マンガン酸カリウム水溶液20.0mlおよび
希硫酸1.0mlを加えて3分間煮沸した。冷却後これ
にヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜ
て10分間放置した後0.01規定チオ硫酸ナトリウム
水溶液により滴定した(指示薬:デンプン溶液)。ブラ
ンクについても同様の操作で滴定を行い、滴定に要した
チオ硫酸ナトリウム溶液の差を記録した。滴定に要する
チオ硫酸ナトリウムの量は残存する過マンガン酸カリウ
ムの量に相当するので、過マンガン酸カリウム還元性物
質が試験液に大量に含まれている場合には、滴定に必要
なチオ硫酸ナトリウムの量は少なくなる。従って、ブラ
ンクよりもaml少ないチオ硫酸ナトリウムの量で滴定
が終了した場合には、過マンガン酸カリウム消費量の差
は+amlとして記録した。過マンガン酸カリウム消費
量の差が1.0ml以下である場合に基準通過とした。 蒸発残留物 試験液20mlをガラス製容器に取り、加熱によって蒸
発乾固させ、その残留物を105℃で乾燥させた。この
残留物の重量を記録した。この値が1.0mg以下であ
る場合に基準通過とした。
【0044】
【表1】 表1において、−COOH:カルボキシル基 −NH2 etc.:第1級、第2級、第3級アミノ基および
イミノ基 pH:pH(ブランクとの差) UV:UV吸収スペクトル KMnO4 :過マンガン酸カリウム消費量(ブランクと
の差) 残留物:蒸発残留物 IN:評価基準内 OUT:評価基準範囲を超える をそれぞれ表す。
【0045】(3)血球成分の粘着挙動 上記PET−PAA−1を使用して評価用モジュールを
作製し、不織布への血球粘着挙動を評価した。図3に示
したのが評価用モジュールの形態であるが、体液導入口
5を有する漏斗型成型体3と、体液導出口6を有する漏
斗型成型体3’との間、4の部分に不織布を挟み込み、
互いにネジで嵌合できるキャップ1と円筒2で締め付け
る構造になっている。クエン酸加牛血を5ml/min
の流速で、10分間連続的してこのモジュールを通過さ
せた。モジュールを通過した血液は1分毎に試験管に取
って血球成分(白血球、血小板)の濃度を東亜医用電子
製血球自動計数装置SysmexF−800によって測
定した。この血球濃度から不織布接触後の血球成分の残
存率を算出した。結果は図4に示した。不織布と接触し
た血液中の血球は、残存率が大きいほど不織布に粘着し
にくいことを意味する。
【0046】〈実施例2〉適当な容器にN,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド(以下DMAPAA)
46.9gを取り、イオン交換水200mlで希釈した
後約1時間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージし
た。活性化PET−PEI−1を12枚取って上記DM
APAA溶液に浸漬し、窒素吹送を続けながら40℃で
2時間加熱して反応を行った。この操作によってPET
−PEI−1表面を反応開始点としてDMAPAAを重
合させ、不織布表面へのポリ(N,N−ジメチルアミノ
プロピルアクリルアミド)(以下PDMAPAAと略
記)のグラフト化を行った。
【0047】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PD
MAPAA導入PET不織布PET−PDMAPAA−
2を得た。PET−PDMAPAA−2に導入されたア
ミノ基の含量の定量、および溶出物試験を実施例1と同
様の方法によって実施した。なお、アミノ基含量は実施
例1で記載した方法で、0.1規定水酸化ナトリウムを
0.1規定塩酸に、0.1規定塩酸を0.1規定水酸化
ナトリウムにそれぞれ替えることによって測定を行い、
その結果から算出した。結果は表1に示した。
【0048】〈実施例3〉三菱化成製架橋ポリスチレン
多孔質ビーズ(ダイヤイオンHP20;以下HP20と
略記)をガラスフィルター上に取り、アセトンで充分に
洗浄した。PEI1.50g、EG3−A1.5gをメ
タノール1lに溶解し、この溶液にHP20を浸漬して
PEIおよび添加剤の塗布を行った。ガラスフィルター
でHP20を回収し、充分に乾燥させた(30℃、6時
間)。乾燥後トレイ上にこれを一様に敷き詰め、10M
radの線量でEBを照射し、架橋ポリスチレン多孔質
ビーズ表面へのPEIのグラフト化を行った。
【0049】実施例1と同様の操作で洗浄後EB照射に
よって活性化を行い(EB照射については片面5Mra
dから、トレイ上での10Mradに変えた)、EB活
性化PEI導入ポリスチレンビーズ活性化PS−PEI
−3を得た。活性化PS−PEI−3は分散しないよう
ガーゼに包んで液体窒素中に保存し、速やかに次の反応
に使用した。
【0050】適当な容器にAA21.6gを取り、イオ
ン交換水200mlで希釈した後約1時間連続して窒素
を吹送し、溶存酸素をパージした。活性化PS−PEI
−3を10g取って上記AA溶液に浸漬し、窒素吹送を
続けながら40℃で2時間加熱して反応を行った。この
操作によってPS−PEI−3表面を反応開始点として
AAを重合させ、ビーズ表面へのPAAのグラフト化を
行った。
【0051】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PS
−PAA−3を得た。PS−PAA−3に導入されたカ
ルボキシル基含量の定量、および溶出物試験を実施例1
と同様の方法によって実施した。結果は表1に示した。
【0052】〈実施例4〉適当な容器にDMAPAA4
6.9gを取り、イオン交換水200mlで希釈した後
約1時間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージし
た。活性化PS−PEI−3を10g取って上記DMA
PAA溶液に浸漬し、窒素吹送を続けながら40℃で2
時間加熱して反応を行った。この操作によってPS−P
EI−3表面を反応開始点としてDMAPAAを重合さ
せ、不織布表面へのPDMAPAAのグラフト化を行っ
た。
【0053】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PS
−PDMAPAA−4を得た。PS−PDMAPAA−
4に導入されたアミノ基の含量の定量、および溶出物試
験を実施例1と同様の方法によって実施した。なお、ア
ミノ基含量は実施例1で記載した方法で、0.1規定水
酸化ナトリウムを0.1規定塩酸に、0.1規定塩酸を
0.1規定水酸化ナトリウムにそれぞれ替えることによ
って測定を行い、その結果から算出した。結果は表1に
示した。
【0054】〈比較例1〉実施例1に用いたのと同一の
PET不織布を用意した。PEIの導入を行わず、その
まま片面につき5MradのEBを照射してPET不織
布の活性化を試みた。(このEB照射PET不織布を以
下EB・PETと略記する)EB・PETは液体窒素中
に保存し、速やかに次の反応に使用した。
【0055】適当な容器にAA21.6gを取り、イオ
ン交換水200mlで希釈した後約1時間連続して窒素
を吹送し、溶存酸素をパージした。EB・PETを12
枚取って上記AA溶液に浸漬し、窒素吹送を続けながら
40℃で2時間加熱して反応を行った。
【0056】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PE
T−PAA’−5を得た。PET−PAA’−5に導入
されたカルボキシル基含量の定量、および溶出物試験を
実施例1と同様の方法によって実施した。結果は表1に
示した。
【0057】PET−PAA’−5を用いて実施例1と
同様のモジュールを作製し、血球成分の粘着挙動を評価
した。結果は図4に示した。
【0058】〈比較例2〉適当な容器にDMAPAA4
6.9gを取り、イオン交換水200mlで希釈した後
約1時間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージし
た。EB・PETを12枚取って上記DMAPAA溶液
に浸漬し、窒素吹送を続けながら40℃で2時間加熱し
て反応を行った。
【0059】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PE
T−PDMAPAA’−6を得た。PET−PDMAP
AA’−6に導入されたアミノ基含量の定量、および溶
出物試験を実施例1と同様の方法によって実施した。な
お、アミノ基含量は実施例1で記載した方法で、0.1
規定水酸化ナトリウムを0.1規定塩酸に、0.1規定
塩酸を0.1規定水酸化ナトリウムにそれぞれ替えるこ
とによって測定を行い、その結果から算出した。結果は
表1に示した。結果は表1に示した。
【0060】〈比較例3〉適当な容器にAA21.6g
を取り、イオン交換水200mlで希釈した後約1時間
連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージした。実施例
1で得たPET−PEI−1をEB照射によって活性化
せずにそのまま12枚取って上記AA溶液に浸漬し、窒
素吹送を続けながら40℃で2時間加熱して反応を行っ
た。
【0061】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PE
T−PAA”−7を得た。PET−PAA”−7に導入
されたカルボキシル基含量の定量、および溶出物試験を
実施例1と同様の方法によって実施した。結果は表1に
示した。
【0062】PET−PAA”−7を用いて実施例1と
同様のモジュールを作製し、血球成分の粘着挙動を評価
した。結果は図4に示した。
【0063】〈比較例4〉適当な容器にDMAPAA
46.9gをとり、イオン交換水200mlで希釈した
後約1時間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージし
た。実施例1で得たPET−PEI−1をEB照射によ
って活性化せずにそのまま12枚取って上記AA溶液に
浸漬し、窒素吹送を続けながら40°Cで2時間加熱し
て反応を行った。
【0064】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PE
T−PDMAPAA”−8を得た。PET−PDMAP
AA”−8に導入されたアミノ基含量の定量、および溶
出物試験を実施例1と同様の方法によって実施した。な
お、アミノ基含量は実施例1で記載した方法で、0.1
規定水酸化ナトリュウムを0.1規定塩酸に、0.1規
定塩酸を0.1規定水酸化ナトリュウムにそれぞれ変え
ることにより測定を行い、その結果から算出した。結果
は表1にしめした。
【0065】<比較例5>適当な容器にAA21.6g
をとり、イオン交換水200mlで希釈したあと約1時
間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージした。実施
例3で得たPS−PEI−3をEB照射によって活性化
せずにそのまま10g取って上記AA溶液に浸漬し、窒
素吹送を続けながら40°Cで2時間加熱して反応を行
った。
【0066】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PS
−PAA’−9を得た。PS−PAA’−9に導入され
たカルボキシル基含量の定量、および溶出物試験を実施
例1と同様の方法によって実施した。結果は表1に示し
た。
【0067】<比較例6>適当な容器にDMAPAA
46.9gをとり、イオン交換水200mlで希釈した
後約1時間連続して窒素を吹送し、溶存酸素をパージし
た。実施例3で得たPET−PEI−3をEB照射によ
って活性化せずにそのまま10g取って上記DMAPA
A溶液に浸漬し、窒素吹送を続けながら40°Cで2時
間加熱して反応を行った。
【0068】実施例1と同様の操作で洗浄を行い、PS
−PDMAPAA’−10を得た。PS−PDMAPA
A’−10に導入されたアミノ基含量の定量、および溶
出物試験を実施例1と同様の方法によって実施した。な
お、アミノ基含量は実施例1で記載した方法で、0.1
規定水酸化ナトリュウムを0.1規定塩酸に、0.1規
定塩酸を0.1規定水酸化ナトリュウムにそれぞれ変え
ることにより測定を行い、その結果から算出した。結果
は表1にしめした。
【0069】<比較例7>実施例1で用いたのと同一の
PET不織布を用意し、未改質のまま実施例1と同様の
モジュールを作製し、血球成分の粘着挙動を評価した。
結果は図4に示した。
【0070】表1から明らかな様に、本発明の放射線照
射による高分子成形体へのグラフト鎖導入法で得た改質
高分子成形体には多量の官能基が導入され、しかも安定
に結合しているために溶出物が低く抑えられることが判
った。また、,PET製不織布、ポリスチレンビーズい
ずれにも好効率で官能基の導入が可能であり、導入効率
に若干の違いはあるものの成型体の形状、素材を越えて
応用が可能な技術であることが示唆された。また図4か
らわかるように、本発明の放射線照射による高分子成形
体へのグラフト鎖導入法で得た改質高分子成形体(カル
ボキシル基導入PET不織布)は血球の粘着を抑制する
効果が発揮ささている。この結果から、本発明による表
面改質高分子成型体は全血液中から特定の成分を選択的
に除去する血液処理材として特に有効であることが示唆
される。
【0071】本発明の放射線照射による高分子成形体へ
のグラフト鎖導入法は、あらゆる形態の成型体により多
くの官能基を効率的に、しかも安定に導入することが可
能である。このため、イオン交換材の合成手法、イオン
結合による酵素固定化材の合成手法、各種高分子成型体
の帯電防止法、合成繊維等の染色性向上技術、医用材料
の血液適合化技術などの広範な分野に応用できる。なか
でも、官能基を安定な結合で導入出来るため、溶出物を
低く抑える必要のある医用材料として特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の技術に見られる、基材に対する
グラフト鎖の結合状態を示す。
【図2】図2は、本発明に見られる、基材に対するグラ
フト鎖の結合状態を示す。
【図3】図3は、血球成分粘着挙動評価用モジュールの
概略を示す。
【図4】図4は、各実施例の、血球成分の残存率を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線照射によって活性化されやすい構
    造の化合物をあらかじめ導入した高分子成型体に放射線
    を照射した後、ビニルモノマー溶液に浸漬することによ
    って該ビニルモノマーを重合せしめ、該高分子成型体表
    面にグラフト鎖として固定化することを特徴とする放射
    線照射による高分子成型体へのグラフト鎖導入法。
  2. 【請求項2】 放射線が電子線であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の放射線照射による高分子成
    型体へのグラフト鎖導入法。
  3. 【請求項3】 グラフト鎖となるべき物質が、カルボキ
    シル基、カルボン酸無水物、カルボン酸ハライド、カル
    ボン酸エステル、アミノ基、イミノ基、スルホン酸基、
    リン酸基のうち少なくとも1種の官能基を分子内に少な
    くとも1個以上有し、付加重合可能な炭素炭素不飽和結
    合を分子内に有することを特徴とする放射線照射による
    高分子成型体へのグラフト鎖導入法。
JP5324650A 1993-12-22 1993-12-22 高分子成型体へのグラフト鎖導入法 Pending JPH07179630A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009522404A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 官能化基材
JP2014524522A (ja) * 2011-08-17 2014-09-22 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー モノマーグラフト化繊維及びその使用

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JP2009522404A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 官能化基材
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