JPH07177958A - 防ダニ性カーペット - Google Patents

防ダニ性カーペット

Info

Publication number
JPH07177958A
JPH07177958A JP32384493A JP32384493A JPH07177958A JP H07177958 A JPH07177958 A JP H07177958A JP 32384493 A JP32384493 A JP 32384493A JP 32384493 A JP32384493 A JP 32384493A JP H07177958 A JPH07177958 A JP H07177958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carpet
dialkyl ester
compound
acid dialkyl
benzenedicarboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32384493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3537851B2 (ja
Inventor
Koji Watanabe
弘司 渡辺
Kazuyuki Nomura
和之 野村
Takashi Sato
堯 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Kasei Co Ltd
Toli Corp
Original Assignee
Osaka Kasei Co Ltd
Toli Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Kasei Co Ltd, Toli Corp filed Critical Osaka Kasei Co Ltd
Priority to JP32384493A priority Critical patent/JP3537851B2/ja
Publication of JPH07177958A publication Critical patent/JPH07177958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3537851B2 publication Critical patent/JP3537851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンド又
はウレタン樹脂コンパウンドで裏打ちされ、表面パイル
部を有するタイル状またはシート状カーペットの分野
で、臭いがなく安全で長期間の防ダニ効力を持続できる
防ダニ加工カーペットを提供する。 【構成】 防ダニ性カーペットは、双方のアルキル基の
炭素数が1〜7であるジアルキルフタレート、例えばジ
メチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタ
レート、ジヘプチルフタレートを少なくとも1種含んで
成るポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンド又はポリ
ウレタン樹脂コンパウンドにより、表面パイル部の裏面
が裏打ちされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防ダニ性タイル状又はシ
ート状カーペットに関する。さらに詳しくは、例えばポ
リ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドで裏打ちされた
タイル状又はシート状カーペットの防ダニ加工製品に関
する。
【0002】
【従来の技術】カーペットで屋内塵性ダニなどが繁殖す
ることを防止するために、種々の方法でカーペットに防
ダニ加工を施すことが行われている。
【0003】従来から知られている防ダニ加工カーペッ
トとしては、例えば 1.カーペットの表面パイル部の基布の裏面に、防ダニ
剤を樹脂エマルジョンやゴムラテックスに混入したコン
パウンドを塗布して乾燥したいわゆるホワイトバッキン
グカーペット; 2.カーペットの表面パイル部の裏面の一次基布と、ジ
ュート、化繊織布、不織布などの二次基布(裏打ち布)
とを防ダニ剤入り樹脂のエマルジョンやゴムラテックス
コンパウンドで接着裏打ちしたカーペット; 3.カーペット表面パイル部の繊維として、防ダニ剤を
練り込んだ合成樹脂繊維を用いたり、或いは、防ダニ剤
を単独またはバインダーと併用して担持処理した繊維を
用いたカーペット;ならびに 4.カーペットの一次基布または二次基布に防ダニ剤を
練込処理したものを用いたカーペット などを挙げることができる。
【0004】このようなカーペットに使用される防ダニ
剤としては、有機りん剤、カーバメート剤、ピレスロイ
ド剤などの殺虫剤を始めとして、チオシアノ酢酸誘導
体、デハイドロ酢酸、酸アミド、イミド化合物、有機酸
エステルなどが用いられている。また、このような防ダ
ニ剤のマイクロカプセル化、樹脂エマルジョン又はゴム
ラテックスからなるコンパウンドへの混入などにより、
低臭、低刺激、安全性への配慮または改善されたものも
使用されてはいるが、カーペットの防ダニ効力や効果の
持続性に不満が残され、用途も一般家庭向けのロール状
カーペットが主体であった。
【0005】例えば、実公平第1−8224号公報にも
害虫忌避性カーペットが開示されているが、表面パイル
の抜け落ち防止を目的とした裏打ち層が薄いロール状カ
ーペットを対象としたもので、後述する本発明の裏打ち
層の構成とは異なるものである。このような構成では、
本発明の例えばポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウン
ドで裏打ちされたタイル状またはシート状カーペットに
おいては十分な防ダニ効果を期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、我国では、オフ
ィス、店舗、学校、養護施設、病院、ホテルなどの業務
用として、デザイン、施行、メンテナンス性などの面で
利点の大きいタイル状またはシート状カーペットの採用
割合が非常に多くなってきている。このカーペット分野
においても防ダニ性のあるものの出現が待たれているに
も拘わらず、臭いがなく、人体や環境に対する安全性が
高くて、また、防ダニ効力およびその持続性の優れた製
品は市販されていない。この主な理由は、そのようなカ
ーペットの裏打ち材の材質や構造の違い、例えばホット
メルト樹脂裏打ち材は200℃近くで加熱状態で防ダニ
剤を添加する等、また、裏打ち材の加工工程での過酷な
熱処理条件などによるものと考えられる。本発明はタイ
ル状またはシート状カーペットの分野で、上記特性を満
足する製品を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者らは
かかる状況に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討した
結果、ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルであっ
て、それぞれのアルキル基の炭素数が1〜7であるもの
をカーペットの裏打ち材料のコンパウンドに配合した場
合に十分な防ダニ効力が得られることを見いだし、本発
明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、双方のアルキル基の炭素
数が1〜7であるフタル酸(オルトフタル酸、イソフタ
ル酸またはテレフタル酸)のジアルキルエステルを少な
くとも1種含んで成る裏打ち材(例えばゲル化したポリ
塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドまたは硬化したポ
リウレタン樹脂コンパウンド)により表面パイル部の裏
面が裏打ちされていることを特徴とする防ダニ性カーペ
ットを提供する。
【0009】本発明に使用できるベンゼンジカルボン酸
ジアルキルエステルは、ジアルキルオルトフタレート
(フタル酸ジアルキルエステル)、ジアルキルイソフタ
レート(イソフタル酸ジアルキルエステル)、ジアルキ
ルテレフタレート(テレフタル酸ジアルキルエステル)
のいずれでもよく、アルキル基としては炭素数1〜7の
もの、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基が挙げら
れる。プロピル基以上のものは直鎖アルキル基であって
も分岐アルキル基であってもよい。また2つのアルキル
基は相互に同一であっても、異なるものであっても、あ
るいは(存在する場合は)異性体の関係にあってもよ
い。ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルは単独で
も、あるいは混合物の形態でも使用できる。
【0010】本発明に使用できるベンゼンジカルボン酸
ジアルキルエステルは、具体的には、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジペンチルフタレート、ジヘキシルフ
タレート、ジヘプチルフタレート、1−メチル−2−エ
チルフタレートならびにこれらに対応するイソフタレー
トおよびテレフタレートなどを例示できる。
【0011】従来、タイル状カーペットの裏打ち材に防
ダニ剤を配合しても阻害作用があって十分な効果が発現
されないと言われていたが、このようなジアルキルフタ
レートは、カーペットの裏打ち材料のコンパウンド、例
えばポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドに配合し
た場合でも、その防ダニ効力は阻害されることが少な
く、実用に十分な防ダニ効力を発揮することが見出され
た。
【0012】本発明において、カーペットとは表面パイ
ル部の裏面に、裏打ち材料、例えば樹脂、無機充填材な
どからなるコンパウンドを、例えば1〜5mm厚位に裏打
ちしたものであって、シート状の形態であっても、ある
いはタイル状の形態であってもよい。タイル状カーペッ
トは、一般的には30〜50cm角の寸法に切断された形
状のものがしばしば製造される。また、シート状カーペ
ットとは、構造的にはタイル状カーペットと同じではあ
るが、一定寸法にはカットされていない長尺ものを意味
する。
【0013】このようなカーペットの裏打ち材料の材質
としては、例えば、ビチューメン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、非結晶性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂系などの従来からカーペッ
ト用の裏打ち材料として使用できるコンパウンドが用い
られるが、特にポリ塩化ビニル樹脂またはポリウレタン
樹脂が好ましい。これらの裏打ち材料は、常套の方法で
行うことができる。例えば、裏打ち材料をカーペットの
表面パイル部の裏面に塗布し、その後、適当な温度で所
定時間加熱してポリ塩化ビニル樹脂の場合ではゲル化
し、ポリウレタン樹脂の場合では硬化成型する。
【0014】本発明のカーペットにおいて、防ダニ効力
を発現するのは、ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエス
テルであって、それぞれのアルキル基の炭素数が1〜7
のものである。ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステ
ルの2つのアルキル基は、同一であっても、あるいは相
互に異なってもよいが、入手の容易性や価格の面から一
般的には2つのアルキルが同一であるベンゼンジカルボ
ン酸ジアルキルエステルを使用するのが好ましい。具体
的には、先に説明したように、ジメチルフタレート、ジ
エチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフ
タレート、ジヘプチルフタレートなどを混合物で、ある
いは単独で使用するのが好ましい。
【0015】その中でも、ジヘプチル(オルト、イソお
よび/またはテレ)フタレートを上記ベンゼンジカルボ
ン酸ジアルキルエステルの主成分として(例えば全ベン
ゼンジカルボン酸ジアルキルエステルの約30〜80重
量%)として使用するのが特に好ましい。例えば主成分
としてのジヘプチルフタレートを約30〜60重量%、
ジエチルフタレートを約10〜40重量%およびジブチ
ルフタレートを約10〜40重量%含むものを使用する
ことができる。
【0016】沸点が最も高いジヘプチルフタレートを主
成分とする上記混合物を使用した場合、ダニの忌避性を
維持しながらも、カーペットを製造する際の苛酷な加熱
加工工程において、フタレートの蒸気発生、即ち、揮散
ロスが少ないので作業環境への影響が最小限になり、ま
た、防ダニ効力の持続性にも優れる。本発明のカーペッ
トにおいて、ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステル
の使用量は、カーペットの裏打ち材の材質、重量、厚
さ、構造などによって適当に変えることができるが、通
常10〜600g/m2、より好ましくは30〜400g/
m2になるように裏打ち材料のコンパウンドに配合して使
用する。使用量が少なすぎると、防ダニ効果が十分発揮
されず、また、逆に多すぎると、パイル部および裏打ち
材料の裏面への泣き出しなどで問題となる点に留意する
必要がある。
【0017】本発明のカーペットの特に好ましい態様で
は、上述のように裏打ち材料としてポリ塩化ビニル樹脂
ペーストコンパウンドをゲル化させて、またはポリウレ
タン樹脂コンパウンドを硬化させて使用する。ポリ塩化
ビニル樹脂の可塑剤としては、従来からジオクチルフタ
レートが多用されている。しかしながら、この場合のよ
うにフタル酸エステルのアルキル基の分子量が大きくな
ると、防ダニ効力が小さい。
【0018】一般的に、ベンゼンジカルボン酸ジアルキ
ルエステルのアルキル基の分子量がある程度以上になる
と、防ダニ効力が急激に低下し、また、ポリ塩化ビニル
樹脂との相溶性はアルキル基の分子量が大きい程、優れ
ているので、樹脂内部に留まり、ベンゼンジカルボン酸
ジアルキルエステルが外部へ移行しにくく、防ダニ効力
の発現が抑制される傾向がある。従って、アルキル基の
分子量が過度に大きいベンゼンジカルボン酸ジアルキル
エステルをポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドに
配合しても防ダニ剤としての効力は少なく、実用上は、
ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルのアルキル基
の炭素数が8以上になるとほとんど効果がないことが見
いだされた。
【0019】本発明のカーペットにおいて使用するのが
好ましいポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドまた
はポリウレタン樹脂コンパウンドなどは、特定のベンゼ
ンジカルボン酸ジアルキルエステルを含む以外は、従来
から通常用いられている処方のものを使用できる。ま
た、必要に応じて、常套の添加剤、例えば発泡剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、着色剤、殺菌剤、防カビ剤などを
添加することができる。
【0020】上述のポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパ
ウンドなどに含まれる各成分は、例えば二軸ミキサー、
バタフライミキサーなどで混合され、常法によって離型
布上または下層のポリ塩化ビニル樹脂シート上に所定の
厚さに塗布した後、表面パイル部裏面を接触させ、ポリ
塩化ビニル樹脂コンパウンドを加熱ゲル化させる。この
裏打ち加工の際、タイルカーペットの寸法安定性、反り
防止などの目的で、ガラスマット、ガラスネットなどを
ポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンドと併用するこ
ともできる。
【0021】上述のゲル化の際、約150〜220℃ま
で加熱するが、分子量の小さいベンゼンジカルボン酸ジ
アルキルエステルのみを使用した場合、ベンゼンジカル
ボン酸ジアルキルエステルの蒸気が発生して作業環境が
悪化する恐れが大きく、また、ベンゼンジカルボン酸ジ
アルキルエステルのロスが大きくなる可能性がある。従
って、分子量の大きいベンゼンジカルボン酸ジアルキル
エステル、例えばジヘプチル(オルト、イソおよび/ま
たはテレ)フタレートおよび/またはジヘキシル(オル
ト、イソおよび/またはテレ)フタレートを主成分とし
て使用し、ジメチル(オルト、イソおよび/またはテ
レ)フタレート、ジエチル(オルト、イソおよび/また
はテレ)フタレートおよび/またはジブチル(オルト、
イソおよび/またはテレ)フタレートを副成分として複
数のベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルを併用す
る場合、そのような問題点は最小限に抑制できるという
利点がある。これらの主成分と副成分との組み合わせお
よびその割合は、所望の防ダニ効力、作業環境に対する
要請などの観点に応じて適当に選択できる。
【0022】本発明の特に好ましい態様において、本発
明のカーペットは上述の特徴に加えて、裏打ち層は積層
された少なくとも2つの層から構成され、その内の最上
層(即ち、パイル部裏面と接触する層)にのみベンゼン
ジカルボン酸ジアルキルエステルから成る防ダニ剤が添
加されている。このような態様とすることにより、全体
として同じ量の防ダニ剤を使用したとしても、上部層の
防ダニ剤の密度が高くなり、結果として、上部層のダニ
忌避性の密度が高くなり、また、高価な防ダニ剤を効率
的に使用でき使用量が少量となる。
【0023】本発明は、更に、先に説明した本発明の防
ダニ性カーペットの裏打ち材料を形成するための組成物
を提供し、この組成物は、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂のコンパウンドであって、双方のアルキル基
の炭素数が1〜7であるベンゼンジカルボン酸ジアルキ
ルエステルを少なくとも1種含んで成る。
【0024】特に好ましい態様において、本発明の組成
物は、ジヘプチル(オルト、イソおよび/またはテレ)
フタレートを主成分とするジアルキルフタレートの混合
物を含んで成るポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウン
ドまたはポリウレタン樹脂コンパウンドであり、これを
カーペットの表面パイル部の裏面に適用して加熱してゲ
ル化または硬化する。本発明の組成物については、先に
説明した本発明のカーペットの特徴が当て嵌まる。
【0025】図1に、本発明のカーペット10の断面を
模式的に示す。図中、引用番号1は基布、2はパイル、
3は生機であり、裏打ち材料7は、上部層4および下部
層5から構成され、裏打ち材料は、例えば不織布または
織布の繊維補強層6を有してよい。上部層には、アルキ
ル基がC1〜C7のジアルキルフタレートのダニ忌避剤
が、好ましくはヘプチルフタレートを主成分として配合
されている。また、下部層には、ガラス繊維、ポリエス
テル繊維等の有機繊維の織布または不織布が少なくとも
一層形成されていてよく、カーペットの寸法安定性、反
り防止等の機能が付加される。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。 試料の作成:表面パイル部はナイロンBCFをパイル糸
として使用し、ポリエステル不織布にタフトしたループ
パイル生機(タフト規格:1/10ゲージ×12.4ス
テッチ×4.0mmパイル長さ×650g/m2目付)からな
り、その生機裏面には裏打ち材の全厚が2.8mmになる
ようにポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンド又はウ
レタン樹脂コンパウンドを塗布した。尚、裏打ち材料の
中央部分にガラス繊維不織布を挿入介在させた。ポリ塩
化ビニル樹脂ペーストコンパウンドの場合は、160℃
で10分間加熱ゲル化し、ウレタン樹脂コンパウンドの
場合は、150℃で7分間硬化させてバッキングしたタ
イルカーペットを作成し、ダニ忌避試験に供した。
【0027】防ダニ効力試験:ダニ忌避試験 粘着シート上に直径40mm、深さ10mmのプラスチック
シャーレ6個を同じ径の中央シャーレに接するようにそ
の周囲に固定し、1個おきに各3枚ずつ処理検体または
未処理検体を周囲のシャーレ内に敷く。中央のシャーレ
にはヤケヒョウヒダニを飼育培地とともに約5000匹
放ち、また周囲の各検体の中央部には清潔な培地250
mgを誘引物質として置く。この状態で25℃、75%相
対湿度条件下に移し、24時間後に周囲の検体上へ侵入
したダニ数をカウントし、処理検体と未処理検体との差
から忌避率を次式に基づいて算出する: 忌避率(%)=(1−処理検体中のダニ数/未処理検体
中のダニ数)×100 従って、忌避率が高い程、防ダニ効力が高いものとみな
される。
【0028】(実施例1〜10および比較例1〜4) ポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウンド処方 各配合NO.のコンパウンドを離型布上に、全厚が2.8
mmになるように塗布し、生機をその上に載せ、コンパウ
ンド部を加熱ゲル化してタイルカーペットを作成してダ
ニ忌避試験に供した。いずれのカーペットにおいても裏
打ち層は単一層であった。配合は重量部で示す。
【0029】表1中、「塩ビ」はポリ塩化ビニル樹脂、
「DMP」はジメチルオルトフタレート、「DM'P」
はジメチルテレフタレート、「DEP」はジエチルオル
トフタレート、「DBP」はジ−n−ブチルオルトフタ
レート、「DB'P」はジイソブチルイソフタレート、
「DHP」はジ−n−ヘプチルオルトフタレート、「D
OP」はジオクチルオルトフタレート、「ダイアジノ
ン」は(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−
6)ジエチルチオフォスフェート、「パーメスリン」は
(3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1
RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、
「ディート」はN,N−ジエチル−m−トルアミド、
「炭カル」は重質炭酸カルシウムである。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜6では、DMP、DM'P、D
EP、DBP、DB'P、DHPは優れた防ダニ効力を
示したが、比較例1〜3では、従来から防ダニ剤として
有効性の認められていたダイアジノン、パーメスリンお
よびディートをポリ塩化ビニル樹脂ペーストコンパウン
ドに配合したが、いずれも効力が劣った。また、比較例
4ではDOPを増量してもほとんど効力がなかった。実
施例7〜10では、DMP、DEP、DBP、DHPの
併用したものであるが、実施例1〜6と同様優れた防ダ
ニ効力を示した。
【0032】(実施例11〜13) 実施例11 配合NO.0のコンパウンドを離型布上に1.4mm厚塗布
し、その上に配合NO.3のコンパウンドを1.4mm厚塗
布した後に、生機をその上に載せてコンパウンド部を加
熱ゲル化してタイルカーペットを作成した。 実施例12 配合NO.0のコンパウンドを離型布上に1.4mm厚塗布
し、その上に配合NO.8のコンパウンドを1.4mm厚塗
布した後に、生機をその上に載せてコンパウンド部を加
熱ゲル化してタイルカーペットを作成した。
【0033】実施例13 配合NO.0のコンパウンドを離型布上に1.4mm厚塗布
し、その上に配合NO.10のコンパウンドを1.4mm厚
塗布した後に、生機をその上に載せてコンパウンド部を
加熱ゲル化してタイルカーペットを作成した。
【0034】実施例11〜13の場合のダニ忌避率
(%)を実施例1の結果と併せて表2に示す。
【表2】
【0035】実施例11〜13では、上層のみが防ダニ
剤を含むので、実施例1〜10に比べ単位面積当たりの
DEP、DBP、DHP配合量は少ないが、パイル部に
近い部分に使用しており、経済的でありながら防ダニ効
力の持続性も充分持つことが示されている。
【0036】実施例14 下記の配合のウレタン樹脂コンパウンドをホバートミキ
サーで混合させて離型布上に厚さ2.8mmにコーティン
グし、生機をその上に載せて、150℃で7分間加熱し
て硬化させ、ポリウレタン樹脂バッキングタイルカーペ
ットを作成した。
【0037】 ポリイソシアネート 30重量部 ポリオール 70重量部 重質炭酸カルシウム 150重量部 触媒(ニッケルアセチル系) 1重量部 DEP 10重量部
【0038】比較例5 DEPを含まない以外は実施例14と同様にして、ポリ
ウレタン樹脂バッキングタイルカーペットを作成した。
【0039】実施例14および比較例5のポリウレタン
樹脂バッキングタイルカーペットの防ダニ性能(ダニ忌
避率)の比較を以下に示す: 実施例14 比較例5 初期 99.8% 5.2% 6カ月後 98.5% 8.4% 1年後 90.4% −−
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、従来から要望されてい
たタイル状またはシート状カーペットの分野でも臭いが
なく安全で長期間効果が持続する優れた防ダニ性を付与
することができ、産業上寄与するところは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のカーペットの断面を模式的
に示す。
【符号の説明】
1…基布、2…パイル、3…生機、4…上層部、5…下
層部、6…補強層、7…裏打ち材料、10…カーペッ
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 堯 兵庫県伊丹市東有岡5丁目125番地 東リ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双方のアルキル基の炭素数が1〜7であ
    るベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルを少なくと
    も1種含んで成る、ゲル化ポリ塩化ビニル樹脂コンパウ
    ンドまたは硬化ポリウレタン樹脂コンパウンドにより表
    面パイル部の裏面が裏打ちされたことを特徴とする防ダ
    ニ性カーペット。
  2. 【請求項2】 ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステ
    ルは、ジヘプチルオルトフタレート、ジヘプチルイソフ
    タレートまたはジヘプチルテレフタレートを主成分と
    し、少なくとも他の一種のベンゼンジカルボン酸ジアル
    キルエステルを副成分とする請求項1に記載のカーペッ
    ト。
  3. 【請求項3】 裏打ち層が少なくとも2層の積層物から
    形成され、ベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルは
    最上層に含まれる請求項1または2に記載のカーペッ
    ト。
  4. 【請求項4】 双方のアルキル基の炭素数が1〜7であ
    るベンゼンジカルボン酸ジアルキルエステルを少なくと
    も1種含んで成ることを特徴とする、防ダニ性カーペッ
    トの裏打ち材料を形成するための組成物。
JP32384493A 1993-12-22 1993-12-22 防ダニ性カーペット Expired - Fee Related JP3537851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32384493A JP3537851B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 防ダニ性カーペット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32384493A JP3537851B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 防ダニ性カーペット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07177958A true JPH07177958A (ja) 1995-07-18
JP3537851B2 JP3537851B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=18159222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32384493A Expired - Fee Related JP3537851B2 (ja) 1993-12-22 1993-12-22 防ダニ性カーペット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3537851B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002028065A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Toli Corp 防虫カーペット類

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002028065A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Toli Corp 防虫カーペット類

Also Published As

Publication number Publication date
JP3537851B2 (ja) 2004-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0056405B1 (en) Coated fabric and mattress ticking
US6196156B1 (en) Bedding articles possessing microbe-inhibiting properties
US4008351A (en) Film or sheet material having antibacterial and antifungal activities
US3705938A (en) Activated polymer materials and process for making same
US4110504A (en) Self-sanitizing carpet construction composition
JPH0433463B2 (ja)
EP3415003A1 (en) Mite-capturing sheet
JP3105540B2 (ja) 殺だに効果を有する床敷物、及び/または壁おおい製品ならびにこれらの製作法
JPH02270803A (ja) 防虫ネット
JP3537851B2 (ja) 防ダニ性カーペット
JPS608202A (ja) ダニ類の忌避剤および忌避方法
JPH01100101A (ja) 第4級アンモニウム塩を有効成分とする無気門類ダニ用殺ダニ剤
JP2933834B2 (ja) 床暖房具
JPH0333276A (ja) カーペットバッキング用接着剤組成物
US20200208342A1 (en) Use of diatomaceous earth in textiles and textiles filament and fibers
JPH02401Y2 (ja)
JPH0754271A (ja) 防虫性立毛またはパイル繊維製品
JPH045446B2 (ja)
JPS604101A (ja) ダニ類の忌避剤および忌避法
JPH10316507A (ja) ダニ防除剤
JPS5838516A (ja) カ−ペツト
JPH0241472A (ja) マットレスカバー地
JPH0423665B2 (ja)
JPS61108543A (ja) タイルカーペット
JPH0724972A (ja) タイルカーペットの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040318

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees