JPH0717728U - 輸送用パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パレットの天板と地板との間に支柱として介
設させる部材に、断面円形の管状体を用いることで、強
度を損ねることなく資材の節約をはかり、しかも軽量、
安価ならしめる。 【構成】 天板１２と地板１３との間に介在させる柱状
の部材として、断面が円形をなす管状体１５の複数本を
前後左右へ夫々等間隔として列状に配設して両端面を前
記天、地板の対接面に接着１４する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、種々の製品を工場内外等で運搬や保管するために用いるパレットに かかり、さらに詳しくは、産業廃棄物を柱状の部材として使用させ、しかもフォ ークリフトにおけるフォークの差込を好適ならしめた輸送用パレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

パレットの形体として、通常、荷物を載せる面を片側に設けたスキッドと呼ば れている一段積みのもの（片面パレット）と、荷物を載せる上面と反対側の下面 とに板が取りつけられている数段の積み上げができる両面パレットが知られてい るのであり、さらにフォークの挿入方向からの区分として、フォーク挿入が前後 ２方向のもの（２方パレット）、および前記のように前後の他、左右方向からも 挿入できる形式のもの（４方パレット）があり、これらには何れも片面と両面の ものが用いられているのである。

【０００３】 図３に示すパレット１は、ごく一般的な両面式の２方パレットである。このパ レットは適宜間隔として並設した複数の角材２を挟むようにして、上下の両面へ 直角方向として数枚の板材３を適宜の隙間を設けて並置し、釘４を打ちつけるこ とにより形成したもので、その他上記両面、または片面の板材３を図のように分 割させることなく、一枚ものの合板としたものがあり、さらにこれを四方パレッ ト形体とするには、上記角材２を長手方向へ数個に分断することで構成しうるの である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記両面パレットにおける天板と地板との間に介在させている角材 は中身の詰まったムク材を用いているためにパレット自体の重量が大となるので あり、しかもこの角材と両面の板材を結合するに当り多くは釘を用いているので 廃棄時での焼却に際してこの釘が障害となるのである。また上記角材は、その寸 法（特に上下間の厚み）を正確に出さねばならないことにより加工に手間がかか って高価につくばかりか、不揃いな廃材とされる木材を使用するには多くの不都 合が生じるのである。

【０００５】 本考案は、上記したような実情にかんがみ、天、地両板間に介設させる柱状部 材として（使用後に廃棄されることの多い）円筒形の管状体を用いることにより 、従来品に比して強度的に遜色がなく、かつリサイクルが容易で軽量、安価なパ レットの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のパレットは、適宜の厚みと輪郭形状を有する天板と地板との間へ、同 一軸長に切断された断面が円形をなす複数個の管状体を前後左右へ夫々等間隔と して列状に配列し、これら各管状体の両端面を上記天板と地板の対接面へ接着す ることにより介設せしめたことを特徴とするのである。

【０００７】 なお上記管状体には、印刷用その他各種の用紙を巻きとるため芯部材に使用さ れたのち、不要として廃棄される紙管を切断して用いることができるのである。

【０００８】

【作用】

本考案のパレットは、天板上に物品を載置した状態で工場、倉庫等に保管させ 、あるいは天板と地板との間における管状体の間にフォークリフトのフォークを 挿しこんだ状態で持ち上げて移動、搬送の用途に供するのは従来のパレットと同 じであるが、上記フォークの挿し入れ方向が前後左右の４方に限定されることな く、４隅の斜方向からでも可能となるのであり、さらに本考案のパレットは天、 地板の対接面間への柱状の介設物が管状体であるのでパレットの全体を軽量なら しめ、しかもこの管状体が断面円形をなしているので、従来の角材製のものに比 較して耐荷重強度を劣化させず、さらに角形のものに対し周囲長さを可及的に小 ならしめ得ることで、上記フォークを挿しこませる空間巾を大ならしめ、かつフ ォークの挿しこみ時に生じることのある管状体との接触を円滑に誘導退避させ得 て運搬作業を良好ならしめうるのである。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図の実施例に基づいて説明する。

【００１０】 図１，２に示すように、本考案の実施例にかかる輸送用パレット１１は、天板 １２と地板１３およびこれら天、地板１２，１３の間に前後左右へ夫々等間隔イ ，ロを設けしめて列状に介設し、かつ両端面を上記天板１２と地板１３の対接面 に各接着１４せしめた複数個の管状体１５によって構成されている。

【００１１】 上記天板１２と地板１３は、木材、合成樹脂材その他合板材等により、何れも 内外面を平滑とした適宜厚みを有する長方形状その他円形として形成されている のであり、さらに管状体１５は内部が中空で断面が円形をなしているのである。

【００１２】 然してこのような管状体１５は、竹あるいは合成樹脂製のものを用いてもよい のであるが、例えば図示していないが、印刷用紙などをロール状に巻きとる際に 芯体として用いられ、かつ通常は当該用紙が使用されたのち焼却などにより廃棄 されている円筒状の紙管を所定軸長に切断して用いることができるのである。こ のような紙管を切断してパレットの天、地板間への支柱材として用いることは紙 管の再活用を効果的に果たしうるばかりか、この管状体１５は強度上、従来の角 材に比し遜色がなく、しかもパレット自体を軽量ならしめるのに役立たせうるの である。

【００１３】 上記構成のパレット１１は、管状体１５が天板１２と地板１３との間に、前後 左右へ夫々所定の間隔として列状に配設されているので、フォークリフトにおけ るフォーク（図示なし）を当該パレット１１の前後左右の４方はもとより、図２ の矢印で示すように各隅部から斜方向に挿しこませうることにより８方挿しが可 能となる。さらに管状体１５は断面が円形をなしているので、角形のものに比し 外周長さを最小ならしめて各管状体間の間隔を比較的大きく形成しうるばかりか 、挿しこみ時のフォークが管状体に突き当たるような事態が生じても該フォーク を円滑に回避させうるのである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によるときは、パレット自体をその強度を低下させることなく軽量なら しめ、しかもフォークの挿しこみが８方向という多角度からはかりうることによ りパレットの運搬、配置を能率的に行なえ、さらに釘を用いないので安価に生産 でき、かつリサイクルが容易となるのである。また管状体として、廃棄されるこ とになる紙管を利用することができるので資源の再利用が可能となり、さらには 本考案のパレットは管状体に紙管を用いると着色が容易となりカラー別に仕分け して使用させるのに便ならしめうるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案パレットの一部切欠正面図。

【図２】 仝一部破断の平面図。

【図３】 一般に使用のパレットの斜面図。

【符号の説明】

１２ 天板 １３ 地板 １５ 管状体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の厚みと輪郭形状を有する天板と地
   板の間へ、同一軸長に切断された断面が円形をなす複数
   個の管状体を前後左右へ夫々等間隔として列状に配列
   し、これら各管状体の両端面を上記天板と地板の対接面
   へ接着することにより介設せしめたことを特徴とする輸
   送用パレット。
2. 【請求項２】 管状体は、各種用紙の巻きとり用として
   中心部に使用していた円筒状の紙管を所要寸法に切断し
   たものであることを特徴とする請求項１に記載の輸送用
   パレット。