JPH0717671B2 - 新規な5−フルオロ−2′−デオキシウリジン誘導体およびその塩 - Google Patents

新規な5−フルオロ−2′−デオキシウリジン誘導体およびその塩

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JPH0717671B2
JPH0717671B2 JP1103086A JP1103086A JPH0717671B2 JP H0717671 B2 JPH0717671 B2 JP H0717671B2 JP 1103086 A JP1103086 A JP 1103086A JP 1103086 A JP1103086 A JP 1103086A JP H0717671 B2 JPH0717671 B2 JP H0717671B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式 で表わされる5−フルオロ−2′−デオキシウリジン誘
導体およびその塩に関する。
〔従来の技術〕
従来、5−フルオロ−2′−デオキシ−β−ウリジン
(通称FudR)は、試験管内(in vitro)においては5−
フルオロウラシル(通称5−Fu)より殺細胞性が強いこ
とが知られている〔シー・ハイドルバーガーなど(C.He
idelberger et al.);キャンサー・リサーチ(Cancer
Res.),28,2529〜2538(1968)〕。
しかし、臨床的には、FedRは5−Fuと同程度の有効性し
か得られず、その上毒性も強く、現在米国において動脈
注射剤としてのみ使用されているにすぎない〔フィジシ
ャンズ・デスク・レファランス32版(PHYSICIANS′DESK
REFERENCE 32edition),1387(1978)〕。
〔発明が解決しようとする問題点〕
FudRは生体内(in vivo)において、排泄が速く持続性
がないうえに、ヌクレオシドホスホリラーゼによって容
易に分解され、5−Fuを経てα−フルオロ−β−アラニ
ンとして代謝されてしまい〔シー・ハイドルバーガー
(C.Heidelberger);キャンサー・リサーチ(Cancer R
es.),30,1549〜1569(1970)〕、チミジル酸合成酵素
阻害作用を有する時間依存性の代謝拮抗剤としての性質
が発揮されなくなるという欠点がある。また、5−フル
オロ−2′−デオキシウリジン−5′−モノホスフェー
ト(通称FduMP)はFudRの活性体であるが、それ自体で
は細胞内にとりこまれず、いったん細胞外でFudRとなっ
た後、細胞内に入り再び活性体FduMPに変わり抗腫瘍活
性を示す〔アール・エヌ・ハンストンなど(R.N.Hunsto
n et al.);ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミス
トリー(J.Med.Chem.),27,440〜444(1984)〕ことか
ら、FduMPについてもFudRと同様の欠点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
このような状況下において、本発明者らは生体内で分解
がおさえられ抗腫瘍活性が強く、しかも低毒性であるFu
dR誘導体を見出すべく鋭意研究した結果、FudRの3′−
位または5′−位に式 (式中、R3、R4、R5およびAは前記した意味を有す
る。)の基を導入した一般式〔I〕で表わされるFudR誘
導体およびその塩が目的とする性質を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明化合物について詳説する。
R1およびR2におけるC1〜30脂肪族カルボン酸残基とし
ては、C1〜30飽和またはC3〜30不飽和脂肪族カルボ
ン酸残基が挙げられる。C1〜30飽和脂肪族カルボン酸
残基としては、たとえば、ホルミルまたはアセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、オク
タノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パ
ルミトイル、ステアロイル、エイコサノイルもしくはド
コサノイルなどのC2〜30アルカノイル基が挙げられ、
3〜30不飽和脂肪族カルボン酸残基としては、たとえ
ば、アクリロイル、クロトノイル、9−ヘキサデセノイ
ル、オレオイル、エライドイル、シス−9,シス−12−オ
クタデカジエノイル、トランス−9,シス−12−オクタデ
カジエノイルまたは9,12,15−オクタデカトリエノイル
などのC3〜30アルケノイル基が挙げられる。
R3およびR4はオキシドまたはヒドロキシ基を示すが、R3
およびR4がオキシドである場合、該オキシド基と通常後
述のR5におけるアルキルアンモニオ基とが分子内塩を形
成している。
R5におけるトリアルキルアンモニオ基としては、具体的
には、たとえば、トリメチルアンモニオ、トリエチルア
ンモニオ、ジメチルエチルアンモニオ、ジエチルメチル
アンモニオ、トリプロピルアンモニオ、トリブチルアン
モニオなどのトリ−C1〜4アルキルアンモニオ基が挙
げられる。
Aにおける低級アルキレン基としては、たとえば、メチ
レン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレンなどの直鎖または分枝鎖状のC
1〜5アルキレン基が挙げられる。
また、一般式〔I〕で表わされる化合物の塩としては、
薬理学的に許容されるものであればよく、具体的には、
たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機
酸との塩;酢酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機
酸との塩;ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属と
の塩;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアル
カリ土類金属との塩などが挙げられる。
また、本発明は、一般式〔I〕で表わされる化合物およ
びその塩の光学異性体および幾何異性体を包含するもの
であり、さらにすべての水和物および結晶形をも包含す
るものである。
つぎに、本発明の一般式〔I〕で表わされる化合物また
はその塩の製造法について説明する。
本発明の一般式〔I〕で表わされる化合物またはその塩
は、たとえば、つぎの方法によって製造することができ
る。
R6のC1〜30脂肪族カルボン酸残基としては、R1および
R2で説明したC1〜30脂肪族カルボン酸残基が挙げられ
る。
一般式〔VII〕で表わされる化合物としては、R5で説明
したようなトリアルキルアンモニオ基に変化し得る第三
級アルキルアミンが挙げられる。
一般式〔II〕、〔III〕、〔V〕または〔VI〕で表わさ
れる化合物の塩としては、たとえば、ナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシ
ウム、バリウムなどのアルカリ土類金属との塩などが挙
げられる。また、一般式〔VII〕で表わされる化合物の
塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸などの
無機酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩などが
挙げられる。
Xにおける脱離基としては、具体的には、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;ベンゼンスルホ
ニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシなどのアレ
ーンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
一般式〔IV〕で表わされる化合物の反応性誘導体として
は、具体的には、ホスホロハライド、ホスホリルイミダ
ゾール、ホスホリルトリアゾール型などの反応性誘導体
が挙げられる。
一般式〔II〕または〔III〕で表わされる化合物は、自
体公知の方法またはそれに準じた方法、たとえば、参考
例に示す方法によって得ることができる。
一般式〔VIII〕で表わされる化合物は、自体公知の方法
またはそれに準じた方法、たとえば、ブレチン・オブ・
ザ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bulletin
of The Chemical Society of Japan),48,1077〜1078
(1975)などに記載の方法によって得ることができる。
つぎに、各製造法をさらに詳細に説明する。
(A法)製造法1 一般式〔IV〕で表わされる化合物またはその反応性誘導
体と一般式〔II〕または〔III〕で表わされる化合物も
しくはそれらの塩との反応は、通常反応に不活性な溶媒
の存在下で実施される。この反応に使用される溶媒とし
ては、たとえば、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;1,1−ジ
クロロエタン、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭
化水素類;ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド類などが挙げられ、これらの溶媒を2種以
上混合して用いることもできる。
また、この反応は塩基の存在下に行うことができる。こ
こで用いられる塩基としては、たとえば、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メ
チルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチ
ルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、キナルジンな
どの有機塩基または炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸
化銀などの無機塩基などが挙げられる。塩基の使用量
は、一般式〔II〕または〔III〕で表わされる化合物に
対して等モル以上、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであ
る。
また、一般式〔IV〕で表わされる化合物を遊離酸で使用
する場合は、適当な縮合剤を用いることができる。結合
剤としては、N.N′−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、N−シクロヘキシル−N′−モルホリノエチルカル
ボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−(4−ジエチ
ルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、N−エチル
−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ドなどのN,N′−ジ置換カルボジイミド;トリフェニル
ホスフィン−2,2′−ジピリジルジスルフィド;ベンゼ
ンスルホニルクロリド;2,4,6−トリイソプロピルベンゼ
ンスルホニルクロリドなどが挙げられる。縮合剤の使用
量は、一般式〔II〕または〔III〕で表わされる化合物
に対して等モル以上である。
そして、一般式〔IV〕で表わされる化合物またはその反
応性誘導体は、一般式〔II〕または〔III〕で表わされ
る化合物に対して等モル以上、好ましくは、1.0〜2.0倍
モル使用される。
反応温度および反応時間は特に限定されないが、反応は
−50〜100℃、好ましくは、氷冷下〜室温で行われ、こ
の場合反応は、通常10分〜48時間で完結する。
製造法2 一般式〔V〕または〔VI〕で表わされる化合物もしくは
それらの塩と一般式〔VII〕で表わされる化合物または
その塩との反応は、通常反応に不活性な溶媒中で行われ
る。この反応に使用される溶媒としては、たとえば、ア
セトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン
などの芳香族炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、塩化メ
チレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類が挙
げられ、これらを2種以上混合して使用してもよい。ま
た、一般式〔VII〕で表わされる化合物が液体である場
合は、過剰に用いてそれ自体を溶媒として兼用してもよ
い。
そして、一般式〔VII〕で表わされる化合物またはその
塩は、一般式〔V〕または〔VI〕で表わされる化合物も
しくはそれらの塩に対して等モル以上使用される。
また、反応温度および反応時間は特に限定されないが、
通常、反応は0〜80℃で行われ、5分〜170時間で完結
する。
(B法) 一般式〔II〕または〔III〕で表わされる化合物もしく
はそれらの塩と一般式〔VIII〕で表わされる化合物との
反応は、ブレチン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・
オブ・ジャパン(Bulletin of The Chemical Society o
f Japan),48,1077〜1078(1975)に記載の方法に準じ
て行う。
A法またはB法によって得られる一般式〔I〕で表わさ
れる化合物のうち、R3またはR4がオキシドまたはヒドロ
キシル基以外の基である場合は、さらに公知の方法によ
り加水分解またはヒドロキシル保護基の除去を行い、一
般式〔I〕で表わされる化合物またはその塩を得ること
ができる。
以上のようにして得られた一般式〔I〕で表わされる化
合物は、脱離したXとの塩として得られることもある
が、反応後必要に応じて、イオン交換樹脂または銀イオ
ンなどによる処理を行い、対応する分子内塩とすること
もでき、また公知方法により他の塩に導くこともでき
る。このような操作の後に、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー、イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィー
または再結晶などの通常の精製法を適宜組み合わせて用
いることにより、一般式〔I〕で表わされる化合物また
はその塩を単離精製することができる。
また、立体異性体が存在する場合は、必要により通常の
光学分割方法に従って異性体を単離することができる。
上記の製造法における諸反応条件は、これに限定される
ものではなく、反応試剤などの種類によって適宜選択し
得る。
〔発明の効果〕
つぎに、本発明の代表的化合物の薬理作用について述べ
る。
被検化合物 A:P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オ
レオイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−ト
リメチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和物 B:P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ス
テアロイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−
トリメチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和
物 1)抗腫瘍効果 一群8匹のddY系マウス(雄、5週令、体重約25g)を用
い、エールリッヒ・カルシノーマ(Ehrlich Carcinom
a)細胞5×106個を鼠蹊部皮下に移植した。生理食塩水
に溶麹または懸濁させた被検化合物を移植後1日目から
1日1回6日間腹腔内に連続投与した。対照化合物とし
てFudRを用い、対照群には生理食塩水のみを投与した。
移植後12日目に腫瘍の重量を測定し、生理食塩水のみを
投与した対照群の腫瘍重量に対する比率(T/C:%)で抗
腫瘍活性を示した。
その結果を表−1に示す。
2)マウス急性毒性試験 一群5匹のddY系マウス(雄、5週令)に、生理食塩水
に溶解または懸濁させた被検化合物をそれぞれ腹腔内に
1回投与した。投与後14日目にマウスの生死を判定し、
LD50値を算出した。
その結果を表−2に示す。
表−1および表−2から明らかなように、本発明の一般
式〔I〕で表わされる化合物およびその塩は優れた抗腫
瘍活性を有し、かつ低毒性であるため抗腫瘍剤として有
用な化合物である。
本発明の一般式〔I〕で表わされる化合物およびその塩
を医薬として用いる場合、それ自体でまたは医薬上許容
される賦形剤、担体、希釈剤などの添加剤を適宜混合
し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤または坐
剤などの形態で経口的または非経口的に投与できる。投
与量は、通常成人1日あたり1〜250mg程度であり、こ
れを1回または数回に分けて投与するが、投与量が、年
令、体重および症状に応じて適宜選択される。
〔実施例〕
つぎに、参考例および実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレオイル
−β−ウリジン−5′−ホスフェート 1) 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレ
オイル−β−ウリジン オレイン酸2.6gおよびN,N−ジメチルアミノピリジン2.9
gを無水塩化メチレン40mlに溶解させ、これを−40℃に
冷却する。これに、−40℃を保持し、メタンスルホン酸
クロリド1.15gを無水塩化メチレン10mlに溶解させた溶
液を5分を要して滴下する。滴下終了後、同温度で30分
反応させた後、5−フルオロ−2′−デオキシ−5′−
O−トリフェニルメチル−β−ウリジン4.1gを加え、同
温度で2時間反応させる。ついで、1時間を要して室温
まで昇温し、反応を完結させる。反応液を1N−塩酸20ml
で2回洗浄した後、メタノール20mlおよび濃塩酸0.5ml
を加え、1時間還流する。室温まで冷却した後、水50ml
を加え、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し
た後、有機層を分取する。無水硫酸マグネシウムで乾燥
させた後、減圧下に溶媒を留去する。得られた油状物に
トルエン30mlを加え、減圧下に共沸留去する。この共沸
留去操作をさらに3回行えば、ワックス状の粗5−フル
オロ−2′−デオキシ−3′−O−オレオイル−β−ウ
リジン7.0gを得る。この粗生成物をカラムクロマトグラ
フィー(メルク社製シリカゲル:60、アート.7734,溶出
溶媒:クロロホルム:メタノール=100:1(容量比))
にて精製すれば、白色ワックス状の5−フルオロ−2′
−デオキシ−3′−O−オレオイル−β−ウリジンを得
る。
融点;100〜102℃(再結溶媒:ジイソプロピルエーテ
ル) IR(KBr)cm-1;3550,2920,2850,1720,1660 NMR(CDCl3)δ値; 0.90(t,3H,J=5Hz),1.10〜1.80(m,22H),1.80〜2.65
(m,8H),3.75〜4.25(m,3H),5.18〜5.58(m,3H),6.3
0(bt,1H,J=6Hz),8.10(d,1H,J=7Hz) 2) 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレ
オイル−β−ウリジン−5′−ホスフェート 1)で得られた粗5−フルオロ−2′−デオキシ−3′
−O−オレオイル−β−ウリジン7.0gおよび2,6−ルチ
ジン10.2gを無水テトラヒドロフラン40mlに溶解させ、
これに氷冷下、オキシ塩化リン2.5gを無水テトラヒドロ
フラン5mlに溶解させた溶液を5分を要して滴下する。
滴下終了後、氷冷下で、30分間反応させて反応完結させ
る。ついで、この反応液に氷10gおよびピリジン7.7mlを
加え、1時間を要して室温まで昇温する。ついで、酢酸
エチル50mlを加え、6N−塩酸でpH1.0に調整した後、有
機層を分取する。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた
後、減圧下に溶媒を留去する。得られた油状物をカラム
クロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル:60、アー
ト.7734,溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=20:1〜
10:1(容量比))で精製すれば、白色ワックス状の5−
フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレオイル−β
−ウリジン−5′−ホスフェート3.4g(収率,5−フルオ
ロ−2′−デオキシ−5′−O−トリフエニルメチル−
β−ウリジンから69%)を得る。
IR(KBr)cm-1;2920,2850,1720,1660,1260,1180,1120,1
060,1000 得られた化合物を常法によりジアゾメタンにてメチル化
し、得られた化合物のNMRから5−フルオロ−3−N−
メチル−2′−デオキシ−3′−O−オレオイル−β−
ウリジン−5′−ジメチルホスフェートであることを確
認した。
NMR(CDCl3)δ値; 0.90(t,3H,J=5Hz),1.10〜1.80(m,22H),1.80〜2.65
(m,8H),3.40(s,3H),3.84(d,6H,J=11Hz),4.04〜
4.52(m,3H),5.18〜5.50(m,3H),6.37(bt,1H,J=6H
z),7.80(d,1H,J=6Hz) 参考例2 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステアロイ
ル−β−ウリジン−5′−ホスフェート 1) 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステ
アロイル−β−ウリジン ステアリン酸3.13gおよびN,N−ジメチルアミノピリジン
3.42gを無水塩化メチレン90mlに溶解させ、これを−20
℃に冷却する。これに、−20℃を保持し、メタンスルホ
ン酸クロリド1.37gを無水塩化メチレン10mlに溶解させ
た溶液を5分を要して滴下する。滴下終了後、同温度で
30分間反応させた後、5−フルオロ−2′−デオキシ−
5′−O−トリフェニルメチル−β−ウリジン4.89gを
加え、同温度で2時間反応させる。ついで、1時間を要
して室温まで昇温し、反応を完結させる。反応液を1N−
塩酸25mlで2回洗浄した後、メタノール30mlおよび濃塩
酸1.0mlを加え、1時間還流する。還流終了後、氷冷す
れば、白色結晶が析出する。析出した結晶を取し、無
水塩化メチレン10mlで洗浄した後乾燥すれば、白色結晶
の5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステアロ
イル−β−ウリジン4.2g(収率82%)を得る。
融点;139〜141℃ IR(KBr)cm-1;3550,2920,2850,1720,1660 NMR(CDCl3−CD3OD)δ値; 0.89(t,3H,J=5Hz),1.05〜1.85(m,30H),2.08〜2.55
(m,4H),3.84(d,2H,J=3Hz),3.96〜4.17(m,1H),5.
17〜5.44(m,1H),6.26(bt,1H,J=6Hz),8.25(d,1H,J
=7Hz) 2) 5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステ
アロイル−β−ウリジン−5′−ホスフェート 1)で得られた5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−
O−ステアロイル−β−ウリジン2.56gを無水テトラヒ
ドロフラン25mlに懸濁させ、これに2,6−ルチジン7.0ml
を加えた後、氷冷する。これに氷冷下、オキシ塩化リン
1.53gを無水テトラヒドロフラン5mlに溶解させた溶液を
5分を要して滴下する。滴下終了後、氷冷下で、1時間
反応させて反応完結させる。反応液に氷10gおよびピリ
ジン4.9mlを加え、撹拌下に1時間を要して室温まで昇
温する。ついで、6N−塩酸でpH1.0に調整し、有機層を
分取する。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧
下に溶媒を留去する。得られたワックス状固形物をカラ
ムクロマトグラフィー(メルク社製シリカゲル:60、ア
ート.7734、溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=20:
1〜10:1(容量比))で精製すれば、白色ワックス状の
5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステアロイ
ル−β−ウリジン−5′−ホスフェート2.1g(収率71
%)を得る。
IR(KBr)cm-1;2920,2850,1720,1660,1260,1160,1110,1
060,1000 得られた化合物を、常法によりジアゾメタンにてメチル
化し、得られた化合物のNMRから5−フルオロ−3−N
−メチル−2′−デオキシ−3′−O−ステアロイル−
β−ウリジン−5′−ジメチルホスフェートであること
を確認した。
NMR(CDCl3)δ値; 0.88(t,3H,J=5Hz),1.04〜1.84(m,30H),2.04〜2.55
(m,4H),3.37(s,3H),3.82(d,6H,J=11Hz),4.00〜
4.46(m,3H),5.15〜5.42(m,1H),6.34(bt,1H,J=6H
z),7.79(d,1H,J=6Hz) 実施例1 P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレ
オイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−トリ
メチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和物 1) P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O
−オレオイル−β−ウリジン−5′−イル−P2−(2−
ブロモエチル)ピロホスフェート 参考例1で得られた5−フルオロ−2′−デオキシ−
3′−O−オレオイル−β−ウリジン−5′−ホスフエ
ート3.0gおよび2.6−ルチジン2.4gを無水テトラヒドロ
フラン15mlに溶解させ、これに氷冷下、2−ブロモエチ
ルホスホロジクロリデート1.35gを無水テトラヒドロフ
ラン5mlに溶解させた溶液を2分を要して滴下する。滴
下終了後、氷冷下に30分間反応させて反応を完結させ
る。ついで、氷10gを加え、30分を要して室温まで昇温
する。さらに室温で1時間反応させた後、酢酸エチル50
mlを加え、6N−塩酸でpH1.0に調整した後、有機層を分
取する。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下
に溶媒を留去すれば、淡黄色ワックス状の粗P1−(5−
フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレオイル−β
−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−ブロモエチル)
ピロホスフェート3.6gを得る。
2) P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O
−オレオイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2
−トリメチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水
和物 1)で得られた粗P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ
−3′−O−オレオイル−β−ウリジン−5′−イル)
−P2−(2−ブロモエチル)ピロホスフェート3.6gを無
水クロロホルム30mlに溶解させ、これに無水トリメチル
アミン10mlを加え、室温で48時間反応させる。ついで、
減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物に、クロロホル
ム50ml、メタノール50mlおよび水10mlを加え、6N−塩酸
でpH1.0に調整する。有機層を分取し、水層をクロロホ
ルム20mlで2回抽出する。有機層を合し、減圧下に溶媒
を留去し、カラムクロマトグラフィー(メルク社製シリ
カゲル:60、アート.7734,溶出溶媒;クロロホルム:メ
タノール:水=65:25:4〜10:10:3(容量比)で精製すれ
ば、白色無定形状のP1−(5−フルオロ−2′−デオキ
シ−3′−O−オレオイル−β−ウリジン−5′−イ
ル)−P2−(2−トリメチルアンモニオエチル)ピロホ
スフェート・水和物1.14g(収率、5−フルオロ−2′
−デオキシ−3′−O−オレオイル−β−ウリジン−
5′−ホスフェートより29%)を得る。
融点:223℃(分解)(再結溶媒:エタノール−ジエチル
エーテル) IR(KBr)cm-1;3400,2920,2850,1710,1660,1250,1110,1
060,950 NMR(CDCl3−CD3OD)δ値; 0.89(b,3H),1.28(b,22H),2.00(b,4H),2.30(b,4
H),3.25(b,9H),3.7(b,2H),4.25(b,5H),5.30(b,
3H),6.25(b,1H),8.04(b,1H) 実施例2 P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−ステ
アロイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−ト
リメチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和物 参考例2で得られた5−フルオロ−2′−デオキシ−
3′−O−ステアロイル−β−ウリジン−5′−ホスフ
ェート1.80gを用いて、実施例1と同様に処理すれば、
白色無定形状のP1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−
3′−O−ステアロイル−β−ウリジン−5′−イル)
−P2−(2−トリメチルアンモニオエチル)ピロホスフ
ェート・水和物490mg(収率21%)を得る。
融点:224℃(分解)(再結溶媒:エタノール) IR(KBr)cm-1;3400,2920,2850,1710,1660,1250,1100,1
060,950 NMR(CDCl3−CD3OD)δ値; 0.89(b,3H),1.28(b,30H),2.36(b,4H),3.35(b,9
H),3.7(b,2H),4.20(b,5H),5.39(b,1H),6.28(b,
1H),8.10(b,1H) 実施例3 P1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレ
オイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−トリ
メチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和物 2−ブロモエチル−2′−(クロロメチル)−4′−ニ
トロフェニルホスフェート960mgをN,N−ジメチルホルム
アミド20mlに溶解させ、これに触媒量のヨウ化ナトリウ
ムおよび無水トリメチルアミン20mlを加え、封管中、室
温で3時間反応させ、さらに55℃で1時間反応させる。
ついで、減圧下に溶媒を留去すれば、赤色の固形物を得
る。一方、参考例1で得られた5−フルオロ−2′−デ
オキシ−3′−O−オレオイル−β−ウリジン−5′−
ホスフェート300mgをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに
溶解させ、これに室温でN,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド110mgを加え、室温で3時間反応させる。つ
いで、この反応液を先に得られた赤色固形物に加え、90
℃で10時間反応させる。ついで、減圧下に溶媒を留去
し、得られた残留物にクロロホルム25ml、メタノール25
mlおよび水10mlを加え、6N−塩酸でpH1.0に調整する。
有機層を分取し、水層をクロロホルム10mlで2回抽出す
る。有機層を合し、減圧下に溶媒を留去し、カラムクロ
マトグラフィー(メルク社製シリカゲル:60、アート.77
34,溶出溶媒;クロロホルム:メタノール:水=65:25:4
〜10:10:3(容量比))で精製すれば、白色無定形状のP
1−(5−フルオロ−2′−デオキシ−3′−O−オレ
オイル−β−ウリジン−5′−イル)−P2−(2−トリ
メチルアンモニオエチル)ピロホスフェート・水和物16
0mg(収率41%)を得る。
なお、この化合物の物性は実施例1で得られた化合物の
物性と一致した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 「式中、R1およびR2は、それぞれ異なり、一方はC130
    脂肪族カルボン酸残基を;他方は式 (式中、R3およびR4は、同一または異なって、オキシド
    またはヒドロキシ基を;Aは、低級アルキレン基を;R
    5は、トリアルキルアンモニオ基を示す。)で表わされ
    る基を示す。」 で表わされる5−フルオロ−2′−デオキシウリジン誘
    導体およびその塩。
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