JPH07175027A - 光制御デバイスの製造方法 - Google Patents
光制御デバイスの製造方法Info
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- JPH07175027A JPH07175027A JP32250693A JP32250693A JPH07175027A JP H07175027 A JPH07175027 A JP H07175027A JP 32250693 A JP32250693 A JP 32250693A JP 32250693 A JP32250693 A JP 32250693A JP H07175027 A JPH07175027 A JP H07175027A
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- Japan
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- optical
- buffer layer
- substrate
- film
- control device
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Abstract
(57)【要約】
【目的】基板上の金属膜により、デバイス作成時の基板
から拡散する不純物イオンの混入を防止し、高抵抗絶縁
体膜中での不純物イオンの移動によって引き起こされる
反電界を抑え、長期に渡って常に安定な動作が可能な光
制御デバイスが得られるようにする。 【構成】光導波路2a、2bが形成されたLiNbO3
またはLiTaO3 基板1上に、バッファ層、制御電極
を形成する光制御デバイスの製造方法に於いて、バッフ
ァ層の代わりにイオン伝導率が低く熱酸化等によって高
抵抗絶縁体膜に変化する半導体・金属膜3を用いる。こ
の半導体・金属膜表面を適切にエッチングした後、酸化
プロセス等を行い、高抵抗絶縁体膜を形成する。この製
造方法により、基板からの不純物拡散を抑え、かつ導波
路間に電圧が印加されるように半導体、金属膜を分割す
ることを特徴とする。
から拡散する不純物イオンの混入を防止し、高抵抗絶縁
体膜中での不純物イオンの移動によって引き起こされる
反電界を抑え、長期に渡って常に安定な動作が可能な光
制御デバイスが得られるようにする。 【構成】光導波路2a、2bが形成されたLiNbO3
またはLiTaO3 基板1上に、バッファ層、制御電極
を形成する光制御デバイスの製造方法に於いて、バッフ
ァ層の代わりにイオン伝導率が低く熱酸化等によって高
抵抗絶縁体膜に変化する半導体・金属膜3を用いる。こ
の半導体・金属膜表面を適切にエッチングした後、酸化
プロセス等を行い、高抵抗絶縁体膜を形成する。この製
造方法により、基板からの不純物拡散を抑え、かつ導波
路間に電圧が印加されるように半導体、金属膜を分割す
ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光波の変調、光路切替え
を行う光制御デバイスの製造方法に関し、特に電気光学
効果を有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板中
に形成された光導波路を用いて制御を行う導波型光スイ
ッチの製造方法に関する。
を行う光制御デバイスの製造方法に関し、特に電気光学
効果を有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板中
に形成された光導波路を用いて制御を行う導波型光スイ
ッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの実用化に伴い、更に大
容量で多機能の高度なシステムが求められており、より
高速の光信号の発生や光伝送路の切り替え、交換等の新
たな機能の付加が必要とされている。現在の実用光通信
システムでは、光信号は直接半導体レーザや発光ダイオ
ードの注入電流を変調することによって得られている
が、直接変調では緩和振動の効果、波長チャーピングの
発生等のため数GHz以上の高速変調が難しいこと、波
長変動が発生するためコヒーレント光伝送方式には適用
が難しい等の欠点がある。これを解決する手段として
は、外部変調器を使用する方法があり、特に電気光学結
晶基板中に形成された光導波路により構成される導波型
の光変調器は小型、高効率、高速という特長がある。
容量で多機能の高度なシステムが求められており、より
高速の光信号の発生や光伝送路の切り替え、交換等の新
たな機能の付加が必要とされている。現在の実用光通信
システムでは、光信号は直接半導体レーザや発光ダイオ
ードの注入電流を変調することによって得られている
が、直接変調では緩和振動の効果、波長チャーピングの
発生等のため数GHz以上の高速変調が難しいこと、波
長変動が発生するためコヒーレント光伝送方式には適用
が難しい等の欠点がある。これを解決する手段として
は、外部変調器を使用する方法があり、特に電気光学結
晶基板中に形成された光導波路により構成される導波型
の光変調器は小型、高効率、高速という特長がある。
【0003】一方、光伝送路の切り替えやネットワーク
の交換機能を得る手段としては、光スイッチが使用され
ている。現在実用化されている光スイッチはプリズム、
ミラー、ファイバ等を機械的に移動させた光路を切り替
えるものであり、低速であること、形状が大きくマトリ
クス化に不適等の欠点がある。これを解決する手段とし
ても光導波路を用いた導波型の光スイッチの開発が進め
られており、高速、多素子の集積化が可能、高信頼等の
特長がある。特にニオブ酸リチウム(LiNbO3 )結
晶等の強誘電体材料を用いたものは、光吸収が小さく低
損失であること、大きな電気光学効果を有しているため
高効率である等の特長があり、方向性結合器型光変調器
あるいは光スイッチ、全反射型光スイッチ、マッハツェ
ンダ型光変調器等の種々の方式の光制御デバイスが報告
されている。
の交換機能を得る手段としては、光スイッチが使用され
ている。現在実用化されている光スイッチはプリズム、
ミラー、ファイバ等を機械的に移動させた光路を切り替
えるものであり、低速であること、形状が大きくマトリ
クス化に不適等の欠点がある。これを解決する手段とし
ても光導波路を用いた導波型の光スイッチの開発が進め
られており、高速、多素子の集積化が可能、高信頼等の
特長がある。特にニオブ酸リチウム(LiNbO3 )結
晶等の強誘電体材料を用いたものは、光吸収が小さく低
損失であること、大きな電気光学効果を有しているため
高効率である等の特長があり、方向性結合器型光変調器
あるいは光スイッチ、全反射型光スイッチ、マッハツェ
ンダ型光変調器等の種々の方式の光制御デバイスが報告
されている。
【0004】近年、この導波路型光スイッチの高密度集
積化の研究開発が盛んに行われており、西本らは電子情
報通信学会 OQE88−147において、LiNbO
3 基板を用いて方向性結合器型光スイッチを64素子集
積した8×8マトリクス光スイッチを報告している。。
一方、外部光変調器のような単一の光スイッチ素子かな
るデバイスの研究開発も盛んに進められている。このよ
うな光スイッチデバイスの特性項目には、スイッチング
電圧(電力)、クロストーク、消光比、損失、切り替え
速度、温湿度などの環境に対する動作の安定性、また電
圧の連続印加時における動作の安定性などがある。
積化の研究開発が盛んに行われており、西本らは電子情
報通信学会 OQE88−147において、LiNbO
3 基板を用いて方向性結合器型光スイッチを64素子集
積した8×8マトリクス光スイッチを報告している。。
一方、外部光変調器のような単一の光スイッチ素子かな
るデバイスの研究開発も盛んに進められている。このよ
うな光スイッチデバイスの特性項目には、スイッチング
電圧(電力)、クロストーク、消光比、損失、切り替え
速度、温湿度などの環境に対する動作の安定性、また電
圧の連続印加時における動作の安定性などがある。
【0005】上述した特性項目の中でも安定動作は実用
において最も重要な点である。ここで従来の技術を図面
を用いて説明する。図2は光導波路2a、2bによる方
向性結合器を用いた従来の光スイッチの最終形態を示す
断面図である。
において最も重要な点である。ここで従来の技術を図面
を用いて説明する。図2は光導波路2a、2bによる方
向性結合器を用いた従来の光スイッチの最終形態を示す
断面図である。
【0006】図2において、電気光学効果を有するLi
NbO3 あるいはLiTaO3 基板1(今後、基板1と
呼ぶ)に形成された2本の光導波路2a、2bからなる
方向性結合器を含む基板1上にバッファ層4が装荷さ
れ、バッファ層4を介して主として金属材料からなる電
極6a,6bが光導波路2a、2bの上に形成される。
そして更に導電性膜7が装荷される。この導電性膜7は
サワキらの、クレオ(CLEO)‘86 MF−2、4
6ページの論文によれば、温度変動が発生した場合に強
誘電体が有する焦電効果により基板中に生ずる電荷の移
動による特性不安定化を防ぐ作用がある。すなわち、温
度の変動に対してのスイッチ動作の安定化の効果がある
と考えられており、Si膜が用いられている。
NbO3 あるいはLiTaO3 基板1(今後、基板1と
呼ぶ)に形成された2本の光導波路2a、2bからなる
方向性結合器を含む基板1上にバッファ層4が装荷さ
れ、バッファ層4を介して主として金属材料からなる電
極6a,6bが光導波路2a、2bの上に形成される。
そして更に導電性膜7が装荷される。この導電性膜7は
サワキらの、クレオ(CLEO)‘86 MF−2、4
6ページの論文によれば、温度変動が発生した場合に強
誘電体が有する焦電効果により基板中に生ずる電荷の移
動による特性不安定化を防ぐ作用がある。すなわち、温
度の変動に対してのスイッチ動作の安定化の効果がある
と考えられており、Si膜が用いられている。
【0007】また、バッファ層4は光導波路2a、2b
を伝搬する光が電極6a、6b及び導電性膜7に吸収さ
れるのを防ぐために用いられ、通常光に対して極めて吸
収の少ない絶縁体、特にSiO2 やAl2 O3 が一般に
用いられる。なぜなら、これらの屈折率は電気光学効果
を有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板1の屈
折率の約2.2より小さく、かつ、光の吸収がほとんど
無いためである。屈折率が小さい場合、電極6a、6b
及び導電性膜7での光の吸収を防ぐために必要なバッフ
ァ層4の厚さを屈折率が大きい場合より薄膜化できる。
スイッチング電圧を考えると、電極6a、6bに電圧を
印加した場合、通常バッファ層4の誘電率は基板1に比
べて小さいため電界がバッファ層4に集中、バッファ層
4の厚さが厚いほどスイッチング電圧は増大する。従っ
て、バッファ層4としては屈折率が小さく、かつ、光の
吸収が極めて小さいSiO2 が用いられる。
を伝搬する光が電極6a、6b及び導電性膜7に吸収さ
れるのを防ぐために用いられ、通常光に対して極めて吸
収の少ない絶縁体、特にSiO2 やAl2 O3 が一般に
用いられる。なぜなら、これらの屈折率は電気光学効果
を有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板1の屈
折率の約2.2より小さく、かつ、光の吸収がほとんど
無いためである。屈折率が小さい場合、電極6a、6b
及び導電性膜7での光の吸収を防ぐために必要なバッフ
ァ層4の厚さを屈折率が大きい場合より薄膜化できる。
スイッチング電圧を考えると、電極6a、6bに電圧を
印加した場合、通常バッファ層4の誘電率は基板1に比
べて小さいため電界がバッファ層4に集中、バッファ層
4の厚さが厚いほどスイッチング電圧は増大する。従っ
て、バッファ層4としては屈折率が小さく、かつ、光の
吸収が極めて小さいSiO2 が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の光ス
イッチングにおいて、バッファ層4としてSiO2 を用
い、電極6aをアースとして電極6bに直流電圧を連続
印加すると、バッファ層4中のイオンが電界により移動
し各電極6a、6bの下には外部から印加した電圧の符
号とは逆のイオンが集まる。従って、電極6a、6bの
間は外部からの印加電圧で発生する基板中の電界に対し
て反電界が発生する。この反電界の大きさは時間と共に
イオンの総移動量が増加するため大きくなっていく。こ
の現象は一般にDCドリフトと呼ばれる。外部からの印
加電圧を一定としている場合、反電界が発生すると光導
波路に印加される電界が減少することになり特性劣化が
起こる。すなわち、時間と共に大きくなる反電界が発生
した場合、反電界が発生する前の特性に戻すためには反
電界をキャンセルさせる電圧を外部から印加しなければ
ならない。これはスイッチ動作の動作電圧点のシフトを
意味し、実用化するための大きな障害となる。また、こ
のイオンはバッファ層4の作製プロセスにおいて不純物
としてバッファ層4中に混入する。不純物イオンの中で
Na、Li、K等のアルカリ金属類はイオン化しやすく
可動イオンとしてバッファ層4中を容易に動くことが知
られこれらのイオンの侵入を防ぐ必要がある。しかし、
LiNbO3 あるいはLiTaO3 においては熱処理を
施したときに結晶表面からLi2Oが外部へ放出される
外拡散現象が生じるため、特に基板1の表面にバッファ
層4を形成する際熱処理を施すと、この外拡散によりバ
ッファ層4中にLi2 Oが混入しさらにLiイオンとな
ることによってデバイス作製後電界を印加した際にバッ
ファ層4中を動き反電界を形成し、DCドリフトの原因
となる。
イッチングにおいて、バッファ層4としてSiO2 を用
い、電極6aをアースとして電極6bに直流電圧を連続
印加すると、バッファ層4中のイオンが電界により移動
し各電極6a、6bの下には外部から印加した電圧の符
号とは逆のイオンが集まる。従って、電極6a、6bの
間は外部からの印加電圧で発生する基板中の電界に対し
て反電界が発生する。この反電界の大きさは時間と共に
イオンの総移動量が増加するため大きくなっていく。こ
の現象は一般にDCドリフトと呼ばれる。外部からの印
加電圧を一定としている場合、反電界が発生すると光導
波路に印加される電界が減少することになり特性劣化が
起こる。すなわち、時間と共に大きくなる反電界が発生
した場合、反電界が発生する前の特性に戻すためには反
電界をキャンセルさせる電圧を外部から印加しなければ
ならない。これはスイッチ動作の動作電圧点のシフトを
意味し、実用化するための大きな障害となる。また、こ
のイオンはバッファ層4の作製プロセスにおいて不純物
としてバッファ層4中に混入する。不純物イオンの中で
Na、Li、K等のアルカリ金属類はイオン化しやすく
可動イオンとしてバッファ層4中を容易に動くことが知
られこれらのイオンの侵入を防ぐ必要がある。しかし、
LiNbO3 あるいはLiTaO3 においては熱処理を
施したときに結晶表面からLi2Oが外部へ放出される
外拡散現象が生じるため、特に基板1の表面にバッファ
層4を形成する際熱処理を施すと、この外拡散によりバ
ッファ層4中にLi2 Oが混入しさらにLiイオンとな
ることによってデバイス作製後電界を印加した際にバッ
ファ層4中を動き反電界を形成し、DCドリフトの原因
となる。
【0009】また、バッファ層をとりさってしまった構
造においては、光変調器などの高周波特性を必要とされ
るデバイスにおいて回路のインピーダンス整合設計が困
難となる問題があり、直接電極を基板に付加することは
デバイスの適用範囲を挟めることになる。
造においては、光変調器などの高周波特性を必要とされ
るデバイスにおいて回路のインピーダンス整合設計が困
難となる問題があり、直接電極を基板に付加することは
デバイスの適用範囲を挟めることになる。
【0010】本発明の目的は従来の光制御デバイスに比
べ長期に渡って安定な動作が得られる光制御デバイスを
与えることにある。
べ長期に渡って安定な動作が得られる光制御デバイスを
与えることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は電気光学効果を
有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板上に形成
された光導波路、前記光導波路上に形成されるバッファ
層、前記光導波路近傍の前記バッファ層上に形成される
複数本からなる電極及び前記電極上または前記電極と前
記バッファ層の間に形成される導電性膜からなる導波路
型の光制御デバイスの製造方法において、新たに前記バ
ッファ層の代用として不純物イオン外拡散防止用のため
に、イオン伝導率の低い金属もしくは半導体膜を堆積
し、その後の酸化等のプロセスによって絶縁体に変化さ
せ基板からの不純物イオンの拡散を抑制することを特徴
とする。
有するLiNbO3 あるいはLiTaO3 基板上に形成
された光導波路、前記光導波路上に形成されるバッファ
層、前記光導波路近傍の前記バッファ層上に形成される
複数本からなる電極及び前記電極上または前記電極と前
記バッファ層の間に形成される導電性膜からなる導波路
型の光制御デバイスの製造方法において、新たに前記バ
ッファ層の代用として不純物イオン外拡散防止用のため
に、イオン伝導率の低い金属もしくは半導体膜を堆積
し、その後の酸化等のプロセスによって絶縁体に変化さ
せ基板からの不純物イオンの拡散を抑制することを特徴
とする。
【0012】
【作用】本発明の光制御デバイスの製造方法に於いて
は、まず、図1(a)のようにバッファ層の代用とし
て、導波路を含む基板1上に金属膜もしくは、半導体膜
3を堆積する。この、金属もしくは半導体膜は熱酸化等
のプロセスにおいて、基板からの不純物イオンの拡散を
防止する。またバッファ層の代用があるので、このバッ
ファ層を制御することで、基板の誘電率を変化させ、高
帯域光デバイス等のインピーダンス整合や低電圧化を図
ることができる。
は、まず、図1(a)のようにバッファ層の代用とし
て、導波路を含む基板1上に金属膜もしくは、半導体膜
3を堆積する。この、金属もしくは半導体膜は熱酸化等
のプロセスにおいて、基板からの不純物イオンの拡散を
防止する。またバッファ層の代用があるので、このバッ
ファ層を制御することで、基板の誘電率を変化させ、高
帯域光デバイス等のインピーダンス整合や低電圧化を図
ることができる。
【0013】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1(a)〜(d)は本発明の一実施例に係わる光
制御デバイスの製造方法の工程を示す断面図であり、図
2と同等部分は同一符号により示されている。
る。図1(a)〜(d)は本発明の一実施例に係わる光
制御デバイスの製造方法の工程を示す断面図であり、図
2と同等部分は同一符号により示されている。
【0014】図1(a)は、電気光学効果を有するLi
NbO3 あるいはLiTaO3 基板1に形成された2本
の光導波路2a、2bからなる方向性結合器型光スイッ
チの製造方法において、2本の光導波路2a、2bを含
む基板1上に半導体または金属膜3を装荷した状態の断
面図である。この半導体または金属膜3として使用する
材料としてはイオン伝導率が低く、かつ酸化等のプロセ
スにより、高抵抗絶縁体膜へ変化が可能なSi、Ti、
Ni、Cu、V、Co、Zn等熱酸化等によって絶縁体
に変化し、膜の誘電率が制御できる材料が有効である。
本発明による製造方法では、先ず図1(b)に示すよう
に、導波路上以外の半導体または金属膜3を予めエッチ
ングしておき、その後酸素雰囲気中での熱処理によっ
て、半導体または金属膜3を深さ方向に高抵抗絶縁体膜
5に変化させる。この時の変化量は、エッチングにより
現れた金属膜3の表面から基板1の表面までの金属膜部
分が全て高抵抗絶縁体膜に変化した時の変化量と等しく
なり、金属膜3が図1(c)に示されているように高抵
抗絶縁体膜5により金属膜3a、3bと分割されること
が望ましい。最後に、図1(d)のように電極6a、6
bを設けた後、帯電防止膜である導電性膜7を形成す
る。
NbO3 あるいはLiTaO3 基板1に形成された2本
の光導波路2a、2bからなる方向性結合器型光スイッ
チの製造方法において、2本の光導波路2a、2bを含
む基板1上に半導体または金属膜3を装荷した状態の断
面図である。この半導体または金属膜3として使用する
材料としてはイオン伝導率が低く、かつ酸化等のプロセ
スにより、高抵抗絶縁体膜へ変化が可能なSi、Ti、
Ni、Cu、V、Co、Zn等熱酸化等によって絶縁体
に変化し、膜の誘電率が制御できる材料が有効である。
本発明による製造方法では、先ず図1(b)に示すよう
に、導波路上以外の半導体または金属膜3を予めエッチ
ングしておき、その後酸素雰囲気中での熱処理によっ
て、半導体または金属膜3を深さ方向に高抵抗絶縁体膜
5に変化させる。この時の変化量は、エッチングにより
現れた金属膜3の表面から基板1の表面までの金属膜部
分が全て高抵抗絶縁体膜に変化した時の変化量と等しく
なり、金属膜3が図1(c)に示されているように高抵
抗絶縁体膜5により金属膜3a、3bと分割されること
が望ましい。最後に、図1(d)のように電極6a、6
bを設けた後、帯電防止膜である導電性膜7を形成す
る。
【0015】以上のような製造方法による光制御デバイ
スは、図1(d)に示すように、光導波路2a、2b上
に金属膜3a、3bと高抵抗誘電体膜5を介して装荷さ
れた電極6a、6bにより電圧を印加した場合でも金属
膜3a、3bにより基板1からバッファ層へのLiイオ
ンの外拡散を防いでいたため、高抵抗誘電体膜5中への
Liイオンの侵入を防ぎ、イオンの移動による反電界は
発生しない。従ってDCドリフトの発生しない長期に渡
って安定な動作が可能な光制御デバイスを得ることがで
きる。
スは、図1(d)に示すように、光導波路2a、2b上
に金属膜3a、3bと高抵抗誘電体膜5を介して装荷さ
れた電極6a、6bにより電圧を印加した場合でも金属
膜3a、3bにより基板1からバッファ層へのLiイオ
ンの外拡散を防いでいたため、高抵抗誘電体膜5中への
Liイオンの侵入を防ぎ、イオンの移動による反電界は
発生しない。従ってDCドリフトの発生しない長期に渡
って安定な動作が可能な光制御デバイスを得ることがで
きる。
【0016】また、他の実施例を図3に示した。図1
(d)と異なる点は、高抵抗誘電体膜5を分離している
ことである。図1(d)では、基板1から電極に向かう
不純物イオンの拡散を防止しているが、高抵抗誘電体膜
5のなかで引き起こされるイオン移動に関してはなにも
対策がない。図3の実施例は、高抵抗誘電体膜を5a、
5bのようにエッチングプロセスで分離する。これによ
り、高抵抗誘電体膜中でイオン移動が抑圧でき、デバイ
スの信頼性を一層向上させることができる。
(d)と異なる点は、高抵抗誘電体膜5を分離している
ことである。図1(d)では、基板1から電極に向かう
不純物イオンの拡散を防止しているが、高抵抗誘電体膜
5のなかで引き起こされるイオン移動に関してはなにも
対策がない。図3の実施例は、高抵抗誘電体膜を5a、
5bのようにエッチングプロセスで分離する。これによ
り、高抵抗誘電体膜中でイオン移動が抑圧でき、デバイ
スの信頼性を一層向上させることができる。
【0017】さらに、不純物イオンの拡散よりも、伝搬
光の損失が問題となる場合においては図4の実施例のよ
うに半導体または金属膜を酸化等のプロセスによって、
全て高抵抗絶縁体膜に変えることで適用可能である。
光の損失が問題となる場合においては図4の実施例のよ
うに半導体または金属膜を酸化等のプロセスによって、
全て高抵抗絶縁体膜に変えることで適用可能である。
【0018】以上のプロセスは、熱拡散の導波路デバイ
スにおいては、方向性結合器型、マッハツェンダ型、交
差導波路を用いた全反射型等の全ての光制御デバイスに
有効である。
スにおいては、方向性結合器型、マッハツェンダ型、交
差導波路を用いた全反射型等の全ての光制御デバイスに
有効である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光制御デバ
イスの製造方法によると、高抵抗誘電体膜と基板との間
に金属膜を挿入することで、基板からバッファ層への不
純物イオンの混入防止が可能なため、高抵抗誘電体膜中
で不純物イオンの移動、分極によって引き起こされるD
Cドリフトが発生せず、常に安定な動作の光制御デバイ
スが得られるという効果がある。さらに、このバッファ
層によって、インピーダンス整合等のデバイス整合等の
デバイス設計が容易となり、デバイスの低電圧化を図る
ことができる。
イスの製造方法によると、高抵抗誘電体膜と基板との間
に金属膜を挿入することで、基板からバッファ層への不
純物イオンの混入防止が可能なため、高抵抗誘電体膜中
で不純物イオンの移動、分極によって引き起こされるD
Cドリフトが発生せず、常に安定な動作の光制御デバイ
スが得られるという効果がある。さらに、このバッファ
層によって、インピーダンス整合等のデバイス整合等の
デバイス設計が容易となり、デバイスの低電圧化を図る
ことができる。
【図1】(a)〜(d)は、本発明に係わる一実施例の
光制御デバイスの製造工程を示す断面図である。
光制御デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図2】従来の光制御デバイスの最終形態の断面図であ
る。
る。
【図3】本発明の他の実施例の光制御デバイスの最終形
態の断面図である。
態の断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例の光制御デバイスの
最終形態の断面図である。
最終形態の断面図である。
1 LiNbO3 あるいはLiTaO3 基板 2a、2b 光導波路 3、3a、3b 金属膜 4 バッファ層 5 高抵抗絶縁体膜 6a、6b 電極 7 導電性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 直樹 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 電気光学効果を有するLiNbO3 ある
いはLiTaO3 基板上に形成された光導波路、前記光
導波路上に形成されるバッファ層、前記光導波路近傍の
前記バッファ層上に形成される複数本からなる電極及び
前記電極上または前記電極と前記バッファ層の間に形成
される導電性膜からなる導波路型の光制御デバイスの製
造方法において、前記バッファ層の製作時に、バッファ
層の代替として半導体または金属膜を堆積させたのち、
熱処理等によって絶縁体等に変化させることを特徴とす
る光制御デバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5322506A JP2730465B2 (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 光制御デバイスとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5322506A JP2730465B2 (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 光制御デバイスとその製造方法 |
Publications (2)
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JPH07175027A true JPH07175027A (ja) | 1995-07-14 |
JP2730465B2 JP2730465B2 (ja) | 1998-03-25 |
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Family Applications (1)
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JP5322506A Expired - Fee Related JP2730465B2 (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 光制御デバイスとその製造方法 |
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JP (1) | JP2730465B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07199238A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-04 | Nec Corp | 光制御デバイスおよびその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05147178A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-06-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 複合フイルムおよびフラツトケーブル |
-
1993
- 1993-12-21 JP JP5322506A patent/JP2730465B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05147178A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-06-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 複合フイルムおよびフラツトケーブル |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07199238A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-04 | Nec Corp | 光制御デバイスおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2730465B2 (ja) | 1998-03-25 |
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