JPH07174922A - 光ファイバコードの引留方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 引留部分の双方の引張りに対しても強く、接
着剤を用いないので取外しが容易でやり直しができ、複
数の光ファイバコードを纏めて引留めることができる光
ファイバコード引留方法を提供する。 【構成】 引留装置における光ファイバコード４のプラ
スチック外被３を剥ぎ取って光ファイバ心線１と繊維状
の抗張力体２とを露出させて分離し、引留押さえ板２１
の一方の面上には光ファイバ心線１が配列され、他方の
面上には繊維状の抗張力体２が配列されるよう、引留押
さえ板２１を光ファイバ心線１と繊維状の抗張力体２と
の間に挿入し、繊維状の抗張力体２を強固に挟持するよ
うに引留押さえ板２１を、直接または光ファイバコード
把持ブロック２４を介して筺体に取付けられた引留基板
に固定するという光ファイバコードの引留方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、主として光伝送路に
用いられる光ファイバコードの筺体に引留方法に関する
ものであり、特に引留箇所の両側とも光ファイバコード
の外被が施されたままの状態にする必要がある場合に適
用される。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバコードを筺体内に引留め、し
かもこの引留箇所の両側とも光ファイバコードの外被は
被ったままの状態にする必要があるとき、その場合の光
ファイバコードの従来の引留方法の例を図５および図６
に示す。

【０００３】用いる光ファイバコードの横断面を図４に
示す。同図において、光ファイバ心線１の周りに芳香族
ポリアミド系繊維（デュポン社商品名ケブラー）などの
繊維状抗張力体２を縦添えし、その周りに塩化ビニル樹
脂などからなるプラスチック外被３を被覆して光ファイ
バコード４が構成されている。

【０００４】図５は、筺体の平板面に光ファイバコード
を添わせて引留めする方法を示す概略図である。同図に
おいて、５は金属またはプラスチックからなる筺体の平
板面である。光ファイバコード４の引留部分のプラスチ
ックシース３を必要長剥ぎ取って光ファイバ心線１と繊
維状の抗張力体２とを露出させて分離し、繊維状の抗張
力体は中央部で切断し、それぞれ束ねてねじ６の周りに
巻付けて平ワッシャー７で押さえてねじ６で締め付ける
ことによって、光ファイバコードを筺体の平板面５に引
留めしている。

【０００５】図６は、筺体の金属またはプラスチックか
らなる平板面に垂直に貫通して光ファイバコードを引出
すような場合の光ファイバコードを引留める方法を示す
概略図である。図６（ａ）は引留部の断面概略図であ
り、同図において、便宜上８を雌リング、９を雄リング
と呼ぶことにし、それぞれ斜視図を図６（ｂ）、図６
（ｃ）に示す。図６（ａ）により光ファイバコードの引
留方法を説明すると、引留を行なう部分の光ファイバコ
ード４のプラスッチク外被を剥ぎとって、光ファイバ心
線１と繊維状の抗張力体２とを露出させて分離し、繊維
状の抗張力体２は切断して外側に押し拡げ、雄リング９
を縦溝９１を利用して光ファイバ心線１上に装着する。
次いで光ファイバコード４上に雌リング８を装着して、
筺体の平板１０の貫通孔１１に挿通して、図６ａに示す
如く、繊維状の抗張力体２を雌リング８と雄リング９に
て挟持させ、縦割溝８１と９１とは相対的に位置をずら
せ、両リングの間には縦割溝８１を利用して接着材１２
を注入して固着し、雌リング８をねじ１３により平板１
０に固定することによって光ファイバコードの引留めを
行なうものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述の図５で示した光
ファイバコードの引留方法の例では、接着剤は使用して
いないが、繰返し引張力が加わると、徐徐にねじ部分が
緩んで繊維状の抗張力体の固定があまくなる。また、図
６で示した光ファイバコードの引留方法の例では、筺体
の外側方向の繊維状の抗張力体は引留められているが、
筺体の内側方向の繊維状の抗張力体は引留められないの
で、筺体の外側からの引張りには強いが、筺体内部の作
業上の不手際による引張りには弱いという欠点がある。
また図６の例では、接着剤を使用しており、一度筺体に
取付けると取外しが困難であり接着剤が多過ぎると光フ
ァイバ心線と繊維状の抗張力体がくっついたりして相互
間の滑りが阻害され光ファイバ心線の特性上の悪影響を
及ぼすおそれがある。さらにまた、図５および図６のい
ずれの場合においても複数の光ファイバコードを引留め
る場合は各コード毎に引留めを行なわなければならず作
業性が悪い。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するためになされたものであり、光ファイバ心線の
周りに繊維状の抗張力体を縦添えし、その上にプラスチ
ック外被を被覆してなる光ファイバコードの単体もしく
は複数本を筺体に引留め取付けるにあたり、引留位置に
おける光ファイバコードのプラスチック外被を除去し
て、前記光ファイバ心線と繊維状の抗張力体とを露出さ
せて分離し、引留押さえ板の一方の面上には光ファイバ
心線が配列され、他方の面上には繊維状の抗張力体が配
列されるよう、該引留押さえ板を光ファイバ心線と繊維
状の抗張力体の間に挿入し、該繊維状の抗張力体を強固
に挟持するように前記引留押さえ板を、直接または光フ
ァイバコード把持ブロックを介して前記筺体に取付けら
れた引留基板に固定するという光ファイバコードの引留
方法とする。なお、前記引留基板および引留押さえ板の
一方または双方の抗張力体に接する面には滑り留め加工
することも好ましい。

【０００８】

【作用】上記したように、光ファイバコードの引留部分
における繊維状の抗張力体を切断することなく、引留押
さえ板と引留基板とでしっかりと挟持するので、いずれ
の方向の引張り力が加わっても十分な引留めがなされ
る。また、接着剤を用いないのでやり直しができるし、
光ファイバ心線と繊維状の抗張力体とが接着されるおそ
れもなく、さらに、複数の光ファイバコードを引留める
場合、同時に行ない得るので作業性が良い。また引留押
さえ板あるいは引留基板に滑り留め加工を施すと挟持力
は当然増大する。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明による光ファイバコードの引
留方法の一実施例を示す概略斜視図である。図２は図１
における引留部分を横から見た概要図である。これらの
図において、１は光ファイバ心線、２は芳香属ポリアミ
ド繊維（デュポン社商品名ケブラー）などの繊維状の抗
張力体、３は塩化ビニル樹脂などのプラスチック外被
で、４は光ファイバコード全体を指す。光ファイバコー
ドのプラスチック外被３を引留め部分にて剥取って光フ
ァイバ心線１と繊維状の抗張力体２とを露出させて上下
に分離し、光ファイバ心線１の群と繊維状の抗張力体２
の群との間に引留押さえ板２１を挿入し、繊維状の抗張
力体２の群を挟持するようにして引留め押さえ板２１を
引留基板２２の上に置き、ねじ２３によって引留押さえ
板２１を引留基板２２に強固に固定する。

【００１０】引留押さえ板２１および引留基板２２は例
えばアルミ板を用いる。図１において、２４は光ファイ
バコード把持ブロックで、ブロック２５とブロック２６
とからなり、それぞれスリット２７が形成されている。
前記の引留基板２２はねじ２８によってブロック２６に
固定される。ブロック２５とブロック２６とはスリット
２７に光ファイバコード４を把持するようにしてねじ２
９によって固定される。図３はこのようにして構成され
た引留部１５を、ブロック２６をねじ３０によって筺体
の底面１６に固着した状態を示す概念図である。上述の
ような引き留方法を行なうことによって筺体内部にも適
用可能であり、光ファイバコードの引回し等の作業を安
心して行なえる。

【００１１】

【発明の効果】本発明の光ファイバコードの引留方法に
よれば、引留押さえ板と引留基板とによって、光ファイ
バコードの繊維状の抗張力体を強固に挟持し、引留押さ
え板と引留基板の一方または双方の面に滑り止め加工を
施すと挟持力はさらに向上し、引留め基板を直接または
光ファイバコード把持ブロックを介して筺体に固定する
と光ファイバコードをしっかりと引留めることがでる。
このような引留め方法をとることにによって光ファイバ
把持ブロックでは、光ファイバコードを単に把持させる
だけでよく、強く把持して光ファイバ心線に横圧をかけ
る心配がない。

【００１２】また、何等接着剤を用いないので、引留め
のやり直しができるし、光ファイバ心線と繊維状の抗張
力体とが接着剤によりくっついて相互間の滑りがなくな
ることもない。さらにまた、光ファイバコードは引留部
分以外はプラスチック外被が被ったままでよく、引留部
分の両サイドに対して引留めがなされて、両方向ともに
引っ張りに強い。そして複数の光ファイバコードを纏め
て引留めることができ、繊維状の抗張力体とを引留部で
切断することもなく、作業性がよい。この方法は、筺体
内部にも適用可能で、光ファイバコードの引回し等の作
業を安心して行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバコードの引留方法の一実施
例の引留部の概略斜視図である。

【図２】本発明の光ファイバコードの引留方法の図１に
示す実施例の引留部分を横からみた概要図である。

【図３】本発明の光ファイバコードの引留方法による引
留部を筺体に取り付けた状態を示す概念図である。

【図４】光ファイバコードの横断面図である。

【図５】光ファイバコードの引留方法の一従来例の説明
図である。

【図６】光ファイバコードの引留方法の他の従来例の説
明図である。

【符号の説明】

１ 光ファイバ心線 ２ 抗張力体 ３ プラスチック外被 ４ 光ファイバコード ５ 平面板 ６ ねじ ７ 平ワッシャー ８ 雌リング ９ 雄リング １５ 引留部 １６ 底面 ２１ 引留押さえ板 ２２ 引留基板 ２３ 弾性ゴムの緩衝体 ２４ 光ファイバコード把持ブロック ２５ ブロック ２６ ブロック ２７ スリット ２８ ねじ ２９ ねじ ３０ ねじ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバ心線の周りに繊維状の抗張力
   体を縦添えし、その上にプラスチック外被を被覆してな
   る光ファイバコードの単体もしくは複数本を筺体に引留
   め取付けるにあたり、引留位置における光ファイバコー
   ドのプラスチック外被を除去して前記光ファイバ心線と
   繊維状の抗張力体とを露出させて分離し、引留押さえ板
   の一方の面上には光ファイバ心線が配列され、他方の面
   上には繊維状の抗張力体が配列されるよう、該引留押さ
   え板を光ファイバ心線と繊維状の抗張力体との間に挿入
   し、該繊維状の高張力体を強固に挟持するように前記引
   留押さえ板を、直接または光ファイバコード把持ブロッ
   クを介して前記筺体に取付けられた引留基板に固定する
   ことを特徴とする光ファイバコードの引留方法。
2. 【請求項２】 前記引留基板および引留押さえ板の一方
   または双方の繊維状の抗張力体に接する面には滑り止め
   加工が施されていることを特徴とする請求項１記載の光
   ファイバコードの引留方法。