JPH0717389Y2

JPH0717389Y2 - 異物分離装置

Info

Publication number: JPH0717389Y2
Application number: JP1988109854U
Authority: JP
Inventors: 大塚　　潔; 三喜男松元
Original assignee: KYB Corp
Current assignee: KYB Corp
Priority date: 1988-08-22
Filing date: 1988-08-22
Publication date: 1995-04-26
Anticipated expiration: 2003-08-22
Also published as: JPH0232948U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、金属の加工工場などに備える切粉切断機への
異物の侵入防止手段に関する。

（従来の技術）工作機械を用いて金属加工を行う工場などでは、作業中
に工作機械が発する切粉を例えばチップコンベアで搬送
してチップボックスに集積している。また、カール状や
螺旋状の長寸の切粉はかさ張り、チップボックスを短時
間で一杯にしてしまうので、このような切粉はチップコ
ンベアで回収した後に切断機にかけ、小さく切断した上
でチップボックスに集積することもある。

（考案の課題）この場合に、回収された切粉に金属の端材や工具などの
異物が混入していると、切断機のブレードを損傷する恐
れがあるため、例えば切断機を駆動するモータの負荷変
動から切断機への異物の侵入を検出してモータを反転さ
せるブレードの保護機構を備えた切断機も知られてい
る。

しかしながら、このような保護機構を備えた切断機にお
いても切断機に侵入した異物の除去は人力で行わなけれ
ばならず、除去作業の間は切粉の処理を中断せざるを得
ないという問題があった。

本考案は、長寸切粉の切断に関わるこのような問題点を
解決すべく、チップコンベアから切断機に至る間に異物
を自動的に排除する異物分離装置を提供することを目的
とする。

（課題を達成するための手段）本考案は、金属の切粉を搬送するチップコンベアの末端
から落下する切粉を衝突さえて切粉を切断機の方向へ誘
導する衝突板と、この衝突板に加わる異常衝撃を検出す
る手段と、衝突板よりも下方に位置して衝突板からの落
下物を切断機の内側または外側へと選択的に誘導する誘
導板と、前記異常衝撃検出時にタイマーにより設定した
一定時間にわたって衝突板からの落下物を切断機の外側
に誘導する位置に誘導板を駆動する手段とを備えてい
る。

（作用）チップコンベアで搬送された金属の切粉はチップコンベ
アの末端から落下し、衝突板に衝突したのちにその下方
の誘導板を経て切断機に誘導される。この過程で、異物
との衝突により衝突板に設けた検出手段が異常衝撃を検
出すると、下方の誘導板が一定時間のあいだ移動して衝
突板からの異物を切断機の外側へと誘導する。これによ
り切断機への異物の侵入が阻止される。異物は衝突板へ
の落下衝撃により精度よく検出されると共にその落下速
度が減速され、なおかつ誘導板よりも上方に衝突板及び
検出手段が位置することから、検出後の誘導板の作動応
答遅れを補償して確実に異物を排除することができる。

（実施例）第１図〜第３図に本考案の実施例を示す。

第１図において、１は切粉を搬送するチップコンベア、
２は切粉を切断する切断機、３は切断された切粉を集積
すべく切断機２の下側に配置されたチップボックスであ
る。

切断機２はチップコンベア１の落下口1Aの下方に配設さ
れ、これらの間には異物分離装置４が設けられる。異物
分離装置４は落下口1Aの下方を遮る衝突板５と６並びに
異物を切断機２の外側の異物受25に誘導する誘導手段と
しての誘導板７を、上端と下端とを開口したケース８の
内側に配置したもので、衝突板５と６はケース８の内側
に向かって互いに逆向きに傾斜した状態でそれぞれケー
ス８に固設される。また、誘導板７は衝突板５の下方の
ケース８に設けた支点９に基端をヒンジ結合し、常時に
おいては図の実線に示すように衝突板６と逆向きに傾斜
した状態でエアシリンダ10に支持され、エアシリンダ10
の収縮に伴って破線に示す垂直位置へと回動する。切断
機２には傾斜位置の誘導板７の先端側に近接して切粉を
内部へと導くホッパ状の開口部2Aが形成される。

エアシリンダ10への圧縮空気の供給はソレノイドバルブ
11を介して行なわれる。ソレノイドバルブ11はON状態で
は空気室10Aに圧縮空気を供給する一方で空気室10Bを大
気に解放し、OFF状態では空気室10Bへ圧縮空気を供給す
る一方で空気室10Aを大気に解放する。

また、衝突板５に加わる異常な衝撃を検出する手段とし
て、一定以上の衝撃に対して信号を出力する衝撃センサ
12が衝突板５に取り付けられるそして、異物分離装置４
にはこの衝撃センサ12の信号出力に基づいてソレノイド
バルブ11を一定時間ON状態にするための制御回路13が設
けられる。

制御回路13は第２図に示すように電源ユニット14、コン
トローラ15、リレー16と17及びタイマー24からなる。リ
レー16は回路18により電源ユニット14に接続され、コン
トローラ15が衝撃センサ12からの出力信号に応じてこの
回路18を導通する。リレー17は並列する回路19と22及び
回路21を介して電源ユニット14に接続され、タイマー24
は回路19と22及び回路20を介して電源ユニット14に接続
される。また、ソレノイドバルブ11は回路23を介して電
源ユニット14に接続される。

リレー16は通電により作動し、回路19を導通する一方、
回路20を遮断し、通電の途絶とともに回路19を遮断し、
回路20を導通する。リレー17は通電により作動して回路
22と23を導通し、通電の途絶によりこれらを遮断する。
また、タイマー24は通電により起動し、一定の秒数が経
過した後に、回路21を一瞬の間だけ遮断する。

次に作用を説明する。

チップコンベア１により搬送された切粉は、落下口1Aか
ら衝突板５に落下した後、衝突板６と誘導板７の上に順
次落下し、誘導板７の先端に近接する開口部2Aを介して
切断機２の内部に導かれ、切断機２で小さく切断されて
チップボックス３に集積される。切粉は軽量のため、落
下口1Aから衝突板５上に落下する切粉が衝突板５に及ぼ
す衝撃は小さく、したがって衝撃センサ12は制御回路13
への信号出力を行なわず、誘導板７は伸張状態のエアシ
リンダ10により傾斜位置に支持される。

しかし、チップコンベア１の搬送する切粉にまぎれ込ん
だ金属の端材や工具などの異物が落下口1Aから衝突板５
の上に落下すると、切粉より重たいこれらの異物との衝
突によって衝突板５に異常な衝撃が加わり、衝撃センサ
12がこの衝撃を検出して制御回路13に信号を出力する。

これに伴い、制御回路13においては、コントローラ15が
回路18を導通してリレー16に通電し、リレー16の作動に
より回路19が導通し、回路20が遮断される。また、導通
した回路19を介してリレー17が作動し、回路22と23を導
通する。これにより、ソレノイドバルブ11がONに切り換
わり、エアシリンダ10が収縮して誘導板７を垂直位置へ
と回動する。このため、衝突板５の上に落下した異物は
第１図の矢印に示すように衝突板６に衝突した後、切断
機２へ誘導されることなく異物受25の中へ落下する。な
お、コントローラ15による回路18の導通は衝撃センサ12
の信号出力に同期した瞬間的なものであり、したがって
リレー16の作動による回路19の導通と、回路20の遮断も
一瞬の間に限られる。しかし、いったんリレー17が作動
すると回路22が導通するため、リレー17は以後回路22と
21とを介した給電によりON状態を保つ。また、リレー16
の作動により瞬間的に遮断された回路20が再び導通する
と、タイマー24が回路22を介した通電により起動し、あ
らかじめ設定された秒数を経過すると回路21を遮断す
る。これによりリレー17が回路22と23を遮断し、ソレノ
イドバルブ11がOFF状態に切り換わるので、エアシリン
ダ10が伸張して誘導板７を傾斜位置へと回動し、落下口
1Aから落下する切粉は再び切断機２の開口部2Aへと誘導
される。

このようにして、衝撃板５に異物がぶつかると一定の秒
数の間だけ誘導板７が垂直位置に回動し、衝撃板６を経
由して落下し来る異物を切断機２の外側の異物受25に落
下させるので、切断機２には異物が侵入せず、切断機２
の運転はそのまま続行される。なお、垂直位置に回動し
た誘導板７は数秒の後には通常の傾斜位置に復帰するの
で、異物受25に異物とともに落下する切粉は少量であ
る。

ところで、衝撃センサ12は落下衝撃により異物を検出す
る構成であるので切粉と異物とを精度よく判別できる。
一方、この場合異物は衝突板５との衝突により落下速度
が減じられたうえで下方に位置する誘導板７により異物
受25へと誘導されるので、衝撃センサ12により異常衝撃
を検出してからバルブ11及びエアシリンダ10が作動する
までの応答遅れを補償して確実に異物を異物受25に誘導
することができる。

なお、第３図に示すように衝突板６を設けずに、衝撃セ
ンサ12を備えた衝突板５の延長上に誘導板７を配置した
構成とすることもできる。

（考案の効果）以上のように、本考案の異物分離装置はチップコンベア
から落下する切粉を落下衝突させて切断機へと誘導する
衝突板に異常衝撃を検出する手段を設けるとともに、衝
突板よりも下方に位置して衝突板からの落下物を切断機
の内側または外側へと選択的に誘導する誘導板と、前記
異常衝撃検出時にタイマーにより設定した一定時間にわ
たって衝突板からの落下物を切断機の外側に誘導する位
置に誘導板を駆動する手段とを備えたので、チップコン
ベアから落下する金属の端材や工具などの異物を精度よ
く検出してこれらが切断機に侵入するのを確実に防止す
ることができる。このため、これらの異物による切断機
の損傷を防止できるととともに、異物の排除のために切
断機を停止させる必要もないので、切断機の保護と切粉
処理の作業効率の向上に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す異物分離装置の概略断面
図、第２図は同じく誘導板の制御回路図であり、第３図
は別の実施例を示す異物分離装置の断面図である。１……チップコンベア、２……切断機、３……チップボ
ックス、４……異物分離装置、５……衝突板、７……誘
導板、10……エアシリンダ、11……ソレノイドバルブ、
12……衝撃センサ、13……制御回路、25……異物受。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】金属の切粉を搬送するチップコンベアの末
端から落下する切粉を衝突させて切粉を切断機の方向へ
誘導する衝突板と、この衝突板に加わる異常衝撃を検出
する手段と、衝突板よりも下方に位置して衝突板からの
落下物を切断機の内側または外側へと選択的に誘導する
誘導板と、前記異常衝撃検出時にタイマーにより設定し
た一定時間にわたって衝突板からの落下物を切断機の外
側に誘導する位置に誘導板を駆動する手段とを備えた異
物分離装置。