JPH07173482A - キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物 - Google Patents

キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物

Info

Publication number
JPH07173482A
JPH07173482A JP28601094A JP28601094A JPH07173482A JP H07173482 A JPH07173482 A JP H07173482A JP 28601094 A JP28601094 A JP 28601094A JP 28601094 A JP28601094 A JP 28601094A JP H07173482 A JPH07173482 A JP H07173482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
xanthate
sulfide
molybdenum
tungsten
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28601094A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihide Tokashiki
通秀 渡嘉敷
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP28601094A priority Critical patent/JPH07173482A/ja
Publication of JPH07173482A publication Critical patent/JPH07173482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 (R1、R2、R3及びR4はC1〜30の炭化水素基、Mは
モリブデン又はタングステン、X1及びX2は酸素又は硫
黄、Yは酸素又は硫黄)で表される化合物から成るキサ
ントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤、及び潤滑油基油に、
該潤滑油添加剤の中から選ばれた少なくとも1種を含有
させてなるキサントゲン酸金属塩系潤滑油組成物であ
る。 【効果】本発明の潤滑油添加剤は、幅広い摩擦条件に対
応できる摩擦低減剤として有用であり、このものを含有
する潤滑油組成物は、耐摩耗性や摩擦特性などに優れ、
燃費が節減されたエンジン油として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なキサントゲン酸金
属塩系潤滑油添加剤、及び該潤滑油添加剤を含有する潤
滑油組成物に関するものである。さらに詳しくいえば、
本発明は、幅広い摩擦条件に対応できる摩擦低減剤とし
て有用なキサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤、及びこ
のものを含有する耐摩耗性、摩擦特性、熱安定性、耐コ
ーキング性などに優れた潤滑油組成物、特に燃料消費が
節減された自動車内燃機関用潤滑油として好適な潤滑油
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関においては、潤滑油が関
与する摩擦部分でのエネルギー損失が大きいために、摩
擦損失低減や燃費低減対策として、摩擦低減剤(FM:
フリクションモディファイヤ)を初め、各種の添加剤を
組み合わせた潤滑油が使用されている。内燃機関用潤滑
油以下、必要に応じて(エンジン油と略記する。)の摩
擦低減剤としては、これまでモリブデン系のもの〔例え
ば下記一般式[2]で示される硫化オキシモリブデンジ
チオカルバメート(MoDTC)や一般式[3]で示さ
れるジチオりん酸モリブデン(MoDTP)など、特に
前者〕と、有機極性化合物とが用いられており、前者の
モリブデン系のものの方が摩擦低減効果が大きいとされ
ている。
【化2】 (式中のR5及びR6はそれぞれ同一又は異なる炭素数1
〜30の炭化水素基、x及びyはそれぞれそれらの和が
4となるような整数である)
【化3】 (式中のR7及びR8はそれぞれ同一又は異なる炭素数1
〜30の炭化水素基、x及びyはそれぞれそれらの和が
4となるような整数である) 該モリブデン系摩擦低減剤は、金属表面に吸着したもの
が摩擦により分解して、固体潤滑作用を有する二硫化モ
リブデンが生成することにより、摩擦低減作用をもつこ
とが知られており、特に摩擦条件がシビヤーな潤滑部位
(線接触:動弁系など)で有効である。また、このモリ
ブデン系摩擦低減剤は、このような摩擦低減作用の他
に、耐摩耗性及び酸化安定性を付与する効果も有してい
る。一方、有機極性化合物としては、炭素数12〜22
のアルコール、アミン、カルボン酸などがあり、これら
の化合物の長鎖アルキル基が摩擦低減作用をもつとされ
ている。この有機極性化合物は、特に摩擦条件がマイル
ドな潤滑部位(面接触:ピストン/シリンダー、ベアリ
ングなど)で有効である。内燃機関の潤滑においては、
潤滑部位(動弁系、ピストン/シリンダー、ベアリング
など)や運転条件(温度、荷重、速度など)によって摩
擦条件が大幅に変化し、したがって、幅広い摩擦条件の
いずれでも摩擦低減効果を有する潤滑油が要求され、そ
のためモリブデン系摩擦低減剤と有機極性化合物とを組
み合わせて用いることが多い。しかしながら、該モリブ
デン系摩擦低減剤と有機極性化合物とを併用すると両者
の金属表面への競争吸着により、たがいの吸着を防害し
合うので、必ずしも併用効果が発揮されるとはかぎらな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、広範な摩擦条件でも対応できる摩擦低減
剤として有用な潤滑油添加剤、及びこのものを含有する
耐摩耗性、摩擦特性、熱安定性、耐コーキング性などに
優れた潤滑油組成物、特に燃料消費が節減された自動車
内燃機関用潤滑油として好適な潤滑油組成物を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有す
るキサントゲン酸金属塩が幅広い摩擦条件に対応できる
摩擦低減剤として有用であること、そして、このものを
含有する潤滑油組成物が前記の好ましい性質を有するこ
とを見い出した。本発明はかかる知見に基づいて完成し
たものである。 すなわち、本発明は、一般式[1]
【化4】 (式中のR1、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜3
0の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、それらはたが
いに同一でも異なっていてもよく、Mはモリブデン又は
タングステンであり、X1及びX2は酸素又は硫黄であ
り、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、Y
は酸素又は硫黄である。)で表される化合物からなるキ
サントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤、及び潤滑油基油
に、前記潤滑油添加剤の中から選ばれた少なくとも1種
を含有させてなる潤滑油組成物を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
潤滑油添加剤として用いられるキサントゲン酸金属塩
は、一般式[1]
【化5】 で表される構造を有している。前記一般式[1]におい
て、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜30の
飽和又は不飽和の炭化水素基、例えば炭素数1〜30の
アルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6
〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール
基、炭素数7〜30のアルキルアリール基、炭素数7〜
30のアリールアルキル基などである。R1、R2、R3
及びR4の好ましいものとしては、それぞれ炭素数8〜
22のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。更に
好ましいアルキル基及びアルケニル基は炭素数が10を
超えるものであり特に、R1、R2、R3及びR4の平均炭
素数が12以上の長鎖アルキル基及びアルケニル基を有
するものは、潤滑油基油に対する溶解性に優れ、耐摩耗
性が高く好適である。該R1、R2、R3及びR4はたがい
に同一であってもよいし、異なっていてもよい。該
1、R2、R3及びR4はメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基の
ほか好ましい具体例としては、2−エチルヘキシル基、
ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリ
デシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル
基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エ
イコシル基、ベヘニル基、オレイル基、リノレイル基、
リノレニル基、p−t−ブチルフェニル基、オクチルフ
ェニル基、ノニルフェニル基、シクロヘキシル基、シク
ロオクチル基、シクロドデシル基などであり、これらの
群から任意に選択したものである。Mはモリブデン又は
タングステンである。X1及びX2は酸素又は硫黄であ
り、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。Y
は酸素又は硫黄である。
【0006】前記一般式[1]で表される化合物の好適
な事例として、例えば、R1〜R4の炭素数が同一のもの
としては2−エチルヘキシルキサントゲン酸モリブデン
オキサイド、2−エチルヘキシルキサントゲン酸タング
ステンオキサイド、ノニルキサントゲン酸モリブデンオ
キサイド、ノニルキサントゲン酸タングステンオキサイ
ド、デシルキサントゲン酸モリブデンオキサイド、デシ
ルキサントゲン酸タングステンオキサイド、ラウリルチ
オキサントゲン酸モリブデンオキサイド、ラウリルキサ
ントゲン酸タングステンオキサイド、トリデシルオキサ
ントゲン酸モリブデンオキサイド、トリデシルキサント
ゲン酸タングステンオキサイド、ミリスチルキサントゲ
ン酸モリブデンオキサイド、ミリスチルキサントゲン酸
タングステンオキサイド、ペンタデシルキサントゲン酸
モリブデンオキサイド、ペンタデシルキサントゲン酸タ
ングステンオキサイド、パルミチルキサントゲン酸モリ
ブデンオキサイド、パルミチルキサントゲン酸タングス
テンオキサイド、ヘプタデシルキサントゲン酸モリブデ
ンオキサイド、ヘプタデシルキサントゲン酸タングステ
ンオキサイド、ステアリルキサントゲン酸モリブデンオ
キサイド、ステアリルキサントゲン酸タングステンオキ
サイド、ノナデシルキサントゲン酸モリブデンオキサイ
ド、ノナデシルキサントゲン酸タングステンオキサイ
ド、オレイルキサントゲン酸モリブデンオキサイド、オ
レイルキサントゲン酸タングステンオキサイド、オレイ
ルキサントゲン酸リノレニルキサントゲン酸モリブデン
オキサイド、オレイルキサントゲン酸リノレニルキサン
トゲン酸タングステンオキサイド、p−t−ブチルフェ
ニルキサントゲン酸モリブデンオキサイド、p−t−ブ
チルフェニルキサントゲン酸タングステンオキサイド、
シクロヘキシルキサントゲン酸モリブデンオキサイド、
シクロヘキシルキサントゲン酸タングステンオキサイ
ド、2−エチルヘキシルキサントゲン酸モリブデンサル
ファイド、2−エチルヘキシルキサントゲン酸タングス
テンサルファイド、ノニルキサントゲン酸モリブデンサ
ルファイド、ノニルキサントゲン酸タングステンサルフ
ァイド、デシルキサントゲン酸モリブデンサルファイ
ド、デシルキサントゲン酸タングステンサルファイド、
ラウリルチオキサントゲン酸モリブデンサルファイド、
ラウリルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ト
リデシルオキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ト
リデシルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ミ
リスチルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ミリ
スチルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ペン
タデシルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ペン
タデシルキサントゲン酸タングステンサルファイド、パ
ルミチルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、パル
ミチルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ヘプ
タデシルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ヘプ
タデシルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ス
テアリルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ステ
アリルキサントゲン酸タングステンサルファイド、ノナ
デシルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、ノナデ
シルキサントゲン酸タングステンサルファイド、オレイ
ルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、オレイルキ
サントゲン酸タングステンサルファイド、オレイルキサ
ントゲン酸リノレニルキサントゲン酸モリブデンサルフ
ァイド、オレイルキサントゲン酸リノレニルキサントゲ
ン酸タングステンサルファイド、p−t−ブチルフェニ
ルキサントゲン酸モリブデンサルファイド、p−t−ブ
チルフェニルキサントゲン酸タングステンサルファイ
ド、シクロヘキシルキサントゲン酸モリブデンサルファ
イド、シクロヘキシルキサントゲン酸タングステンサル
ファイド、2−エチルヘキシルキサントゲン酸モリブデ
ンオキサイドサルファイド、2−エチルヘキシルキサン
トゲン酸タングステンオキサイドサルファイド、ノニル
キサントゲン酸モリブデンオキサイドサルファイド、ノ
ニルキサントゲン酸タングステンオキサイドサルファイ
ド、デシルキサントゲン酸モリブデンオキサイドサルフ
ァイド、デシルキサントゲン酸タングステンオキサイド
サルファイド、ラウリルチオキサントゲン酸モリブデン
オキサイドサルファイド、ラウリルキサントゲン酸タン
グステンオキサイドサルファイド、トリデシルオキサン
トゲン酸モリブデンオキサイドサルファイド、トリデシ
ルキサントゲン酸タングステンオキサイドサルファイ
ド、ミリスチルキサントゲン酸モリブデンオキサイドサ
ルファイド、ミリスチルキサントゲン酸タングステンオ
キサイドサルファイド、ペンタデシルキサントゲン酸モ
リブデンオキサイドサルファイド、ペンタデシルキサン
トゲン酸タングステンオキサイドサルファイド、パルミ
チルキサントゲン酸モリブデンオキサイドサルファイ
ド、パルミチルキサントゲン酸タングステンオキサイド
サルファイド、ヘプタデシルキサントゲン酸モリブデン
オキサイドサルファイド、ヘプタデシルキサントゲン酸
タングステンオキサイドサルファイド、ステアリルキサ
ントゲン酸モリブデンオキサイドサルファイド、ステア
リルキサントゲン酸タングステンオキサイドサルファイ
ド、ノナデシルキサントゲン酸モリブデンオキサイドサ
ルファイド、ノナデシルキサントゲン酸タングステンオ
キサイドサルファイド、オレイルキサントゲン酸モリブ
デンオキサイドサルファイド、オレイルキサントゲン酸
タングステンオキサイドサルファイド、オレイルキサン
トゲン酸リノレニルキサントゲン酸モリブデンオキサイ
ドサルファイド、オレイルキサントゲン酸リノレニルキ
サントゲン酸タングステンオキサイドサルファイド、p
−t−ブチルフェニルキサントゲン酸モリブデンオキサ
イドサルファイド、p−t−ブチルフェニルキサントゲ
ン酸タングステンオキサイドサルファイド、シクロヘキ
シルキサントゲン酸モリブデンオキサイドサルファイ
ド、シクロヘキシルキサントゲン酸タングステンオキサ
イドサルファイドなどが挙げられる。
【0007】前記一般式[1]で表されるキサントゲン
酸金属塩の製造方法については特に制限はなく、従来公
知の方法を用いることができるが、別途、特許出願によ
り提案した改良製造法によることが好適である。例え
ば、該キサントゲン酸金属塩として一般式[(ROCS2)
2MO]2O(Rは炭素数1〜30の炭化水素基、Mはモ
リブデン又はタングステンである)で示される化合物を
製造する場合、反応式 ROH+CS2+NaOH → ROCS2Na ROCS2Na+Na2MO4 → [(ROCS2)2MO]2O で示す方法に従って製造することができる。すなわち、
水性媒体中において、水酸基含有化合物(ROH)と二
硫化炭素と水酸化ナトリウムとを反応させてキサントゲ
ン酸ナトリウム(ROCS2Na)を得、次いで酸の存
在下に、該キサントゲン酸ナトリウムとモリブデン酸ナ
トリウム又はタングステン酸ナトリウム(Na2MO4
とを反応させることにより、目的のキサントゲン酸金属
塩酸化物〔[(ROCS2)2MO]2O〕が得られる。さら
に、キサントゲン酸金属塩酸化物[(ROCS2)2MO]2
Oの金属と結合している酸素を、硫黄により置換するこ
とができる。硫黄による置換方法には特に制限はなく、
公知の置換反応を使用することができる。金属と結合し
ている酸素がすべて硫黄により置換された化合物はキサ
ントゲン酸金属塩硫化物[(ROCS2)2MS]2Sである
が、反応条件を選ぶことにより、キサントゲン酸金属塩
酸化物[(ROCS2)2MO]2Oからキサントゲン酸金属
塩硫化物[(ROCS2)2MS]2Sまでの種々の置換度の
キサントゲン酸金属塩酸化物硫化物を得ることができ、
これらの化合物はすべて本発明に使用することができ
る。前記一般式[1]で表される化合物からなる本発明
のキサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤は摩擦低減剤と
して有用であり、中でもR1、R2、R3及びR4がそれぞ
れ炭素数1〜30、好ましくは8〜22のアルキル基及
びアルケニル基、特に平均炭素数が12以上のアルキル
基及びアルケニル基の群から選択されるものは、潤滑油
基油に対する溶解性が良好であるとともに、幅広い摩擦
条件において優れた摩擦低減効果を発揮する。
【0008】すなわち、本発明は、一般式[1]におい
て、R1、R2、R3及びR4がそれぞれ炭素数8〜22の
アルキル基又はアルケニル基であるキサントゲン酸金属
塩系潤滑油添加剤であり、さらにアルキル基又はアルケ
ニル基の平均炭素数が12以上であるキサントゲン酸金
属塩系潤滑油添加剤が好ましい実施態様となる。キサン
トゲン酸モリブデンはMoS2が金属表面に形成され、
これが有効成分として作用することが知られている。従
って、モリブデン原子に硫黄原子が結合している化合物
の作用効果が優れているので、通常、合成後、硫化処理
して得られる化合物が用いられる。本発明の潤滑油組成
物は、潤滑油基油に、前記一般式[1]で表されるキサ
ントゲン酸金属塩1種又は2種以上を含有させたもので
あって、該キサントゲン酸金属塩の有効含有量は、組成
物全重量に基づき、金属として通常50〜4000pp
m、好ましくは200〜2000ppm、より好ましくは4
00〜1000ppmの範囲である。この含有量が金属と
して50ppm未満では摩擦低減効果が十分に発揮されな
いし、4000ppmを超えるとその量の割には摩擦低減
効果の向上がみられない上、スラッジなどの原因となり
やすく、好ましくない。本発明組成物において用いられ
る潤滑油基油については特に制限はなく、従来潤滑油の
基油として慣用されているもの、例えば鉱油や合成油が
使用される。鉱油としては、溶剤精製又は水素化処理を
経て製造されたもの例えば軽質ニュートラル油、中質ニ
ュートラル油、重質ニュートラル油、ブライトストック
などが挙げられる。一方、合成油としては、例えばポリ
α−オレフィンオリゴマー、ポリブデン、アルキルベン
ゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、
二塩基酸エステル、りん酸エステル、シリコーン油など
が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また鉱
油と合成油とを混合使用してもよい。この基油は、温度
100℃における動粘度が2〜20mm2/s、好ましく
は3.5〜12mm2/sの範囲にあるものが好適である。
【0009】本発明の潤滑油組成物には、必要に応じ、
耐摩耗剤、他の摩擦低減剤、無灰清浄分散剤、金属清浄
剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点向上剤、防錆
剤、消泡剤などを適宜添加することができる。耐摩耗剤
としては、例えば、ジチオりん酸金属塩(Zn、Pb、
Sb、Moなど)、ジチオカルバミン酸金属塩(Znな
ど)、硫黄化合物、りん酸エステル、亜りん酸エステ
ル、りん酸エステルのアミン塩、亜りん酸エステルのア
ミン塩などを挙げることができ、これらは、通常、0.
05〜5.0重量%の割合で使用され、また他の摩擦低
減剤としては、例えばアミン系、りん酸エステル系など
があり、これらは、通常0.05〜5.0重量%の割合で
使用される。無灰清浄分散剤としては、例えば、こはく
酸イミド系、こはく酸アミド系、ベンジルアミン系、エ
ステル系のものなどがあり、これらは、通常、0.5〜
7.0重量%の割合で使用され、また、金属清浄剤とし
ては、例えば、Ca−スルホネート、Mg−スルホネー
ト、Ba−スルホネート、Ca−フェネート、Ba−フ
ェネートなどを挙げることができ、過塩基性塩及び中性
塩があり、これらは、通常、0.1〜5.0重量%の割合
で使用される。酸化防止剤としては、例えば、アルキル
化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、
アルキル化−α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防
止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4'−メ
チレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)な
どのフェノール系酸化防止剤などを挙げることができ、
これらは、通常、0.05〜2.0重量%の割合で使用さ
れる。粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリ
レート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン
共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体系など
が挙げられ、これらは、通常、5〜35重量%の割合で
使用される。防錆剤としては、例えば、アルケニルこは
く酸又はその部分エステルなどが挙げられ、消泡剤とし
ては、例えばジメチルポリシロキサン、ポリアクリレー
トなどが挙げられる。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1〜3、比較例1〜4 潤滑油基油としての100ニュートラル溶剤精製油、第
1表に示す種類と量の摩擦低減剤、ポリメタクリレート
系粘度指数向上剤4wt%、こはく酸イミド系無灰清浄分
散剤3wt%及びチオりん酸亜鉛系耐摩耗剤0.75wt%
を含有する潤滑油組成物を調製した。本発明の潤滑油添
加剤の効果を対比して示すため従来、既に提案されてい
る摩擦調整剤の効果を比較例として第1表に併記した。
この組成物について、シェル四球式試験及びLFW−1
摩擦試験を行い、摩擦特性を求めるとともに、添加成分
の溶解性を求めた。その結果を第1表に示す。なお、シ
ェル四球式試験及びLFW−1摩擦試験は、次の条件を
採用して行った。又、上球表面粗さは触指法により測定
した。 (1)シェル四球式試験 回転数1800rpm、油温90℃、荷重20kgf、時間3
0分、直径1/2インチの高クロム炭素鋼球(SUJ−
2)の条件でシェル四球式試験を行い、摩耗痕径、摩擦
係数及び上球表面平均粗さを求めた。 (2)LFW−1摩擦試験 2種の摩擦条件、すなわち接触状態:線接触、油温:
130℃、回転数:200rpm、荷重:100ポンド、
時間:15分、及び接触状態:面接触、油温:60
℃、回転数:400rpm、荷重250ポンド、時間:5
分の条件でLFW−1摩擦試験を行い、摩擦係数を求め
た。
【0011】
【表1】
【0012】[注] 1)MoDTC:アルキル基の炭素数が8〜13の硫化
オキシモリブデンジチオカルバメート(市販品、Mo
4.5wt%) 2)エステル系FM:グリセロールオレエート(市販
品) 3)MoDTX−1:試作ラウリルキサントゲン酸モリ
ブデンオキサイド(Mo含有量13.2wt%) 4)MoDTX−3:試作オレイルキサントゲン酸モリ
ブデンオキサイド(Mo含有量10.5wt%) 5)MoDTX−5:試作オレイルキサントゲン酸モリ
ブデンサルファイド(Mo含有量10.1wt%)
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明のキサントゲン酸金属塩系潤滑油
添加剤は幅広い摩擦条件でも対応できる摩擦低減剤とし
て有用であり、このものを含有する潤滑油組成物は、耐
摩耗性、摩擦特性、熱安定性、耐コーキング性などに優
れ、特に燃料消費が節減されたエンジン油として好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 (式中のR1、R2、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜3
    0の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、それらはたが
    いに同一でも異なっていてもよく、Mはモリブデン又は
    タングステンであり、X1及びX2は酸素又は硫黄であ
    り、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、Y
    は酸素又は硫黄である。)で表される化合物からなるキ
    サントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤。
  2. 【請求項2】潤滑油基油に、請求項1に記載の潤滑油添
    加剤を有効量含有させてなる潤滑油組成物。
JP28601094A 1993-10-26 1994-10-26 キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物 Pending JPH07173482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28601094A JPH07173482A (ja) 1993-10-26 1994-10-26 キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-289936 1993-10-26
JP28993693 1993-10-26
JP28601094A JPH07173482A (ja) 1993-10-26 1994-10-26 キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07173482A true JPH07173482A (ja) 1995-07-11

Family

ID=26556125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28601094A Pending JPH07173482A (ja) 1993-10-26 1994-10-26 キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07173482A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0825247A3 (en) * 1996-08-21 1998-04-22 The Lubrizol Corporation Compositions containing thiocarbonates and acylated-nitrogen containing compounds

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0825247A3 (en) * 1996-08-21 1998-04-22 The Lubrizol Corporation Compositions containing thiocarbonates and acylated-nitrogen containing compounds

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0700425B1 (en) Lubricating oil composition
US5672572A (en) Lubricating oil composition
CN101270314B (zh) 含钛的润滑油组合物
CN109415646A (zh) 润滑添加剂组合物、含有该润滑添加剂组合物的润滑性组合物及包含该润滑性组合物的机油组合物
EP0768366B1 (en) Lubricating oil composition
JPH06184578A (ja) エンジン油組成物
KR101083151B1 (ko) 윤활유 및 연료유용 첨가제, 윤활유 조성물 및 연료유조성물
JPH07196603A (ja) 塩基性ジチオカルバミン酸金属塩、及び該塩を含有する潤滑油組成物
JPH08253785A (ja) 潤滑油組成物
EP0855437A1 (en) Lubricating oil composition
JPH07150169A (ja) 潤滑油組成物
KR100237074B1 (ko) 내마모 첨가제 조합을 포함하는 윤활유 조성물
JP2000290677A (ja) ディーゼルエンジン用潤滑油組成物
WO1996037581A1 (en) Lubricating oil composition
JPH06200270A (ja) 終減速機用潤滑油組成物
JPH10130680A (ja) 潤滑油組成物
JPH07173482A (ja) キサントゲン酸金属塩系潤滑油添加剤及び該潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物
JPH07150170A (ja) 潤滑油組成物
JP3554087B2 (ja) 潤滑油組成物
JPH07150173A (ja) 潤滑油組成物
JPH07331269A (ja) 潤滑油組成物
JPH06220475A (ja) ギヤ油組成物
JPH06207191A (ja) 潤滑油組成物
JPH08208674A (ja) キサントゲン酸金属塩、及び該キサントゲン酸金属塩を含有する潤滑油組成物
WO2022201845A1 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物