JPH07173467A - 土壌代替物およびその製造方法 - Google Patents

土壌代替物およびその製造方法

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JPH07173467A
JPH07173467A JP32203393A JP32203393A JPH07173467A JP H07173467 A JPH07173467 A JP H07173467A JP 32203393 A JP32203393 A JP 32203393A JP 32203393 A JP32203393 A JP 32203393A JP H07173467 A JPH07173467 A JP H07173467A
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Japan
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soil
synthetic resin
resin foam
adhesive
foam particles
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JP32203393A
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English (en)
Inventor
Yukitaka Kadowaki
幸孝 門脇
Kohei Ueda
耕平 上田
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 合成樹脂発泡体粒子1と、土壌類および土壌
改良材類からなる群から選択された少なくとも一つの土
壌成分2とを混合し、接着剤3によってマット状に圧力
をかけて成形した土壌代替物およびその製造方法。 【効果】 圧力により弾性変形した合成樹脂発泡体粒子
1…間や、それらと土壌成分2との間に接着剤3が行き
渡るので、接着性を向上でき、かつ、成形後に復元した
各合成樹脂発泡体粒子1間に空隙を形成できる。上記空
隙によって、土壌代替物の保水性、透水性、通気性およ
び支承性を向上できる。また、接着性の向上により合成
樹脂発泡体粒子1等の飛散を防止できて、飛散による周
囲への迷惑を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物を栽培するための
土壌の代替物として使用される土壌代替物およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルの屋上やマンションのベラン
ダ、テラス等の建物の一部に庭園等の緑化が施されるこ
とが多く、そのような緑化のための人工地盤上には、当
然のことながら培土が搬入され、その培土上で植物が栽
培される。
【0003】そのような培土には、通常、排水性、保水
性、透水性、通気性、保肥性や支承性に優れた良質な土
壌が要求されるが、堆肥等の不足により天然の良質な土
壌の入手が困難なものとなっている。また、天然の土壌
の嵩密度は1(g/cm3)を越えることが多く、そのような
土壌からなる培土の総重量が大となって建物に悪影響を
与えることがある。
【0004】そこで、上記の悪影響を回避するために、
例えば特開平4-219833号公報に開示されている土壌代替
物が知られている。上記土壌代替物は、合成樹脂の発泡
体粒子の表面に、親水性無機質、親水性無機質発泡体粒
子、および動植物系有機質土壌改良材からなる改質材群
から選択された少なくとも一つを水反応性ウレタンポリ
マーと水とにより接着したものであり、天然の土壌より
軽量なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
土壌代替物は、発泡体粒子に各種改質材を付着させたも
のであるため、個々の発泡体粒子がバラバラであり、か
つ、非常に軽量であることから、風等によって飛散し易
く、その飛散によって周囲への迷惑という問題を生じ、
その上、培土の全体量が減って栽培する植物の支承性が
劣化するという問題を生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
土壌代替物は、以上の課題を解決するために、合成樹脂
発泡体粒子と、土壌類および土壌改良材類からなる群か
ら選択された少なくとも一つの土壌成分とが混合され、
接着剤によってマット状に成形されていることを特徴と
している。
【0007】本発明の請求項2記載の土壌代替物の製造
方法は、合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土壌改良
材類からなる群から選択された少なくとも一つの土壌成
分と、接着剤とを混合して混合物を得た後、上記混合物
を押出機から押し出して、マット状に成形することを特
徴としている。
【0008】本発明の請求項3記載の土壌代替物の製造
方法は、合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土壌改良
材類からなる群から選択された少なくとも一つの土壌成
分と、接着剤とを混合して混合物を得た後、上記混合物
をプレス成形して、マット状に成形することを特徴とし
ている。
【0009】上記合成樹脂発泡体粒子として使用される
合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
ウレタン、合成ゴム等が使用され、特にポリスチレン発
泡体の粒子、または粉砕粒子が好適で、発泡倍率2〜60
倍、好ましくは、発泡倍率40〜50倍、粒径 0.1〜40mm、
好ましくは、粒径1〜5mmのものが使用される。
【0010】上記合成樹脂発泡体粒子には、合成樹脂発
泡体および一旦使用された発泡成形品を粉砕機にて粉砕
したものや、熱や溶媒により減容した処理品も含む。な
お、上記合成樹脂発泡体を製造するには、公知のいかな
る方法が採用されてもよく、その製造方法についてなん
ら制約を受けるものではない。
【0011】上記接着剤としては、水反応性ウレタンプ
レポリマーと水との混合物等の反応型接着剤や、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、ポバール、ア
クリル系樹脂、再生ゴム、ブチルゴム等の蒸発型接着剤
を挙げることができる。なお、上記蒸発型接着剤では、
水等の分散媒により希釈して用い、接着後は上記分散媒
を飛散させるために乾燥工程を必要としている。したが
って、反応型接着剤が、接着後の乾燥工程を省くことが
できるので、より好ましい。
【0012】上記水反応性ウレタンプレポリマーとして
は、遊離のイソシアネート基を有する物、例えば、親水
性ポリエーテルポリオールとそれに対し過剰量のイソシ
アネート化合物とを、遊離のイソシアネート基を生成す
るように反応させることにより得られる種々のプレポリ
マーが使用される。
【0013】上記親水性ポリエーテルポリオールとして
は、例えば、ポリエチレングリコール単独やプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビ
トール、ポリエステルポリオール、ビスフェノールA等
の多価アルコールが挙げられ、また、アルキレンオキサ
イド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド等の単独重合体や共重合体も挙げられる。
【0014】また、上記イソシアネート化合物として
は、トリレンジイソシアネート、3,3'−ビトリレン-4,
4'-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、3,3'−ジメ
チル−ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5-イソホ
ロンジイソシアネート等、イソシアネート基を複数有す
る化合物が挙げられる。
【0015】なお、上記水反応性ウレタンプレポリマー
では、酸性亜硫酸ナトリウム等のマスク剤を添加し、水
反応性ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が上記
マスク剤でマスクされて安定化されていてもよい。ま
た、上記水反応性ウレタンプレポリマーには、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアジピン酸エステルや、
上記例示のイソシアネート化合物等の架橋助剤などの添
加剤を配合することができる。
【0016】上記水反応性ウレタンプレポリマーと水と
の混合割合は、水反応性ウレタンプレポリマー 100重量
部に対し、水 500〜5000重量部、好ましくは1000〜4000
重量部となるように選定される。
【0017】前記の土壌成分である土壌類としては、保
水性、保肥性、支承性という土壌としての機能を有する
植物栽培用の土壌であれば特に限定されないが、例え
ば、黒ボク土、褐色森林土、黄色土、褐色低地土等が使
用される。
【0018】また、前記の土壌成分である土壌改良材類
としては、特に限定されないが、例えば、泥炭、腐植質
資材、木炭、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナ
イト、珪藻土、バーミキュライト、パーライト、ピート
モス、ヤシガラ、バーク堆肥、樹皮層片、珪藻土焼成物
などが使用される。
【0019】その他、添加材として化学肥料、動植物系
有機質肥料、あるいは、高分子系土壌改良材、例えば、
吸水性ポリマー、イオン交換樹脂などをさらに付加して
もよい。ただし、上記添加材は、合成樹脂発泡体と、土
壌類および土壌改良材類からなる群から選択された少な
くとも一つの土壌成分との接着性を阻害しない範囲で用
いる。
【0020】前記の押し出し成形では、押し出し圧力を
得るための動力としては、スクリューによるものであっ
ても、プランジャーによるものでもよく、その押し出し
圧力は、 0.5kg/cm2から30kg/cm2までが好ましく、さら
に好ましくは1kg/cm2から10kg/cm2までの範囲内であ
る。このような圧力の範囲により、合成樹脂発泡体粒子
は、成形するときに弾性変形するが、塑性変形が回避さ
れる。
【0021】前記のプレス成形では、そのプレス圧力
は、 0.5kg/cm2から30kg/cm2までが好ましく、さらに好
ましくは1kg/cm2から10kg/cm2までの範囲内である。こ
のようなプレス成形するときの圧力範囲により、合成樹
脂発泡体粒子は、成形するときに弾性変形するが、塑性
変形が回避される。
【0022】
【作用】上記の請求項1記載の構成によれば、合成樹脂
発泡体粒子に対し、土壌成分が接着剤によって接着さ
れ、また、各合成樹脂発泡体粒子の相互間の接触部位や
隣接する各土壌成分間も接着剤によって接着されて、上
記構成をマット状に一体化した形状に成形でき、灌水や
雨によって冠水しても、上記構成の接着状態を維持でき
る。
【0023】このような上記構成では、弾性を有する粒
子状の合成樹脂発泡体粒子を用いているから、相互に接
着された各合成樹脂発泡体粒子間に、水の通る空隙を形
成することができる。
【0024】このことから、上記構成は、上記空隙と土
壌成分とによって保水性を有することができ、また、上
記空隙によって過量の水を排水できる透水性の向上を図
ることが可能となり、さらに、上記空隙によって通気性
も確保したものにできる。
【0025】また、上記構成は、合成樹脂発泡体粒子や
土壌成分が相互に部分的に接着されることによりマット
状に一体化されているため、例えば培土として用いた場
合、植物の根が上記空隙に容易に進入でき、かつ、前記
の接着状態を維持できるから、上記植物を支える支承性
を有することが可能である。
【0026】上記の請求項2記載の方法によれば、押し
出し圧力によって合成樹脂発泡体粒子が弾性変形し、合
成樹脂発泡体粒子と土壌成分との接触面積や、隣接する
各合成樹脂発泡体粒子間の接触面積を増大化できる。
【0027】これにより、上記方法では、合成樹脂発泡
体粒子に対し土壌成分が接着剤によってより強固に接着
され、また、各合成樹脂発泡体粒子の相互間の接触部位
や隣接する各土壌成分間も接着剤によってより強固に接
着された、マット状に一体化した土壌代替物を得ること
ができる。このような土壌代替物は、灌水や雨によって
冠水しても、上記の接着状態を維持できる。
【0028】このような上記土壌代替物では、弾性を有
する合成樹脂発泡体粒子を基材として用いているから、
隣接するものが相互に接着され、元にほぼ復元した各合
成樹脂発泡体粒子間に、水の通る空隙を形成することが
できる。このことから、上記土壌代替物は、上記空隙と
土壌成分とによって保水性を有することができ、また、
空隙によって過量の水を排水できる透水性の向上を図る
ことが可能となり、さらに、空隙によって通気性も確保
できる。
【0029】また、上記土壌代替物は、合成樹脂発泡体
粒子や土壌成分が相互に部分的に接着できることにより
マット状に一体化されているため、培土として用いた場
合、植物の根が上記空隙に容易に進入でき、前記の接着
状態を維持できるから、上記植物を支える支承性を有し
たものとすることができる。
【0030】これにより、上記方法は、保水性、透水
性、通気性および支承性を有し、かつ、隣接する各合成
樹脂発泡体粒子間や、合成樹脂発泡体粒子と土壌成分と
の間をより強固に接着できることにより、合成樹脂発泡
体粒子や土壌成分が飛散し難い土壌代替物を得ることが
できる。
【0031】上記の請求項3記載の方法によれば、プレ
ス圧力によって合成樹脂発泡体粒子が弾性変形し、合成
樹脂発泡体粒子と土壌成分との接触面積や、隣接する各
合成樹脂発泡体粒子間の接触面積を増大化できる。
【0032】これにより、上記方法では、合成樹脂発泡
体粒子に対し土壌成分が接着剤によってより強固に接着
され、また、各合成樹脂発泡体粒子の相互間の接触部位
や隣接する各土壌成分間も接着剤によってより強固に接
着されて、マット状に一体化した土壌代替物を得ること
ができる。このような土壌代替物は、灌水や雨によって
冠水しても、上記の接着状態を維持できる。
【0033】また、上記方法では、上記請求項2に記載
の作用と同様に、保水性、透水性、通気性および支承性
を有し、かつ、隣接する各合成樹脂発泡体粒子間や、合
成樹脂発泡体粒子と土壌成分との間をより強固に接着で
きることにより、合成樹脂発泡体粒子や土壌成分が飛散
し難い土壌代替物を得ることができる。
【0034】
【実施例】本発明の各実施例について図1ないし図3に
基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、土壌代
替物の製造方法において用いた押出機について説明する
と、図2に示すように、上記押出機では、投入された原
料を混合し、上記原料を外部に押し出す押し出し圧力を
得るための動力としてスクリュー10が設けられ、その
スクリュー10の前端部に上記充填物をマット状に押し
出して成形する金型11が取り付けられ、上記スクリュ
ー10の後端部上方に原料を投入するためのホッパー1
2が設けられている。
【0035】次に、上記押出機を用いた押し出し成形に
より土壌代替物を製造する方法について説明する。 〔実施例1〕土壌代替物の製造方法では、予め、合成樹
脂発泡体粒子である発泡ポリスチレン(粒径4mmφ、発
泡倍率40倍)30リットル、土壌成分としての黒ボク土36
00g、接着剤としての水反応性ウレタンポリマー(液温
20℃、東邦化学社製、商品名:Hycel-OH-1) 400gおよ
び水3000gをミキサーにて攪拌混合した原料を前記押出
機のホッパー12に投入し、スクリュー10によって原
料を混合しながら、上記スクリュー10を用いて3kgf/
cm2 の押し出し圧力によって、金型11から原料を押し
出しマット状に成形して、従来の土壌より大きく軽量化
した土壌代替物(見掛け密度0.40g/cm3)を得た。
【0036】このように原料が金型11から押し出され
るとき、図3に示すように、上記原料における合成樹脂
発泡体粒子1が、弾性変形によって隣接する各合成樹脂
発泡体粒子1…間の接触部位や、合成樹脂発泡体粒子1
と土壌成分2との間の接触部位の面積が増大化する。こ
のことから、隣接する各合成樹脂発泡体粒子1…間や、
合成樹脂発泡体粒子1と土壌成分2との間に介在する接
着剤3がより広く行き渡ることになる。
【0037】また、上記の接着剤3は、反応型の接着剤
であって水と混合したときに硬化し始めるから、上記原
料が金型11から押し出されたときに硬化がほぼ完了し
ている。これにより、上記原料が金型11から押し出さ
れると、その金型11の形状によって設定されるマット
形状を維持することが可能となる。なお、上記接着剤3
は、一旦硬化すると、灌水や雨によって冠水しても接着
状態を維持できるものである。
【0038】このように押し出された原料は、マット形
状を維持しながら、弾性変形していた合成樹脂発泡体粒
子1が、ほぼ元に復元して、図1に示すように、隣接す
る各合成樹脂発泡体粒子1…間や、隣接する合成樹脂発
泡体粒子1と土壌成分2との間、隣接する土壌成分2間
が接着剤3によって接着された土壌代替物となる。
【0039】このような上記土壌代替物では、弾性変形
する粒子状の合成樹脂発泡体粒子1を基材として用いた
から、隣接したものが相互に接着され、ほぼ元に復元し
た各合成樹脂発泡体粒子1…間に、水の通る空隙を形成
することができる。
【0040】このことから、上記土壌代替物は、上記空
隙と土壌成分2とによって保水性を有することができ、
また、空隙によって過量の水を排水できる透水性の向上
を図ることが可能となり、さらに、空隙によって通気性
も確保できるものとなっている。
【0041】また、上記土壌代替物は、合成樹脂発泡体
粒子1や土壌成分2が相互に部分的に接着されることに
よりマット状に一体化されているため、植物を栽培する
培土として用いた場合、植物の根が上記空隙に容易に進
入でき、かつ、接着剤3による接着状態を維持できるか
ら、上記植物の根を支える支承性を有するものとなって
いる。
【0042】〔実施例2〕土壌代替物の製造方法では、
予め、合成樹脂発泡体粒子である発泡ポリスチレン(粒
径4mmφ、発泡倍率40倍)30リットル、土壌成分として
の黒ボク土3600g、接着剤としての酢酸ビニルエマルジ
ョン(液温20℃、小西化学社製)25%水溶液3000gをミ
キサーにて攪拌混合した原料を、図2に示す前記押出機
のホッパー12に投入し、スクリュー10によって原料
を混合しながら、上記スクリュー10を用いて5kgf/cm
2 の押し出し圧力によって、金型11から原料を押し出
しマット状に成形し、乾燥して土壌代替物(見掛け密度
0.43g/cm3)を得た。
【0043】このような土壌代替物においても、図1に
示すように、前記実施例1と同様に弾性変形する粒子状
の合成樹脂発泡体粒子1を基材として用いたから、隣接
したものが相互に接着され、ほぼ元に復元した各合成樹
脂発泡体粒子1…間に、水の通る空隙を形成することが
できる。
【0044】このことから、上記土壌代替物は、上記空
隙と土壌成分2とによって保水性を有することができ、
また、空隙によって過量の水を排水できる透水性の向上
を図ることが可能となり、さらに、空隙によって通気性
も確保できるものとなっている。また、上記土壌代替物
は、前記実施例1と同様に、植物の根を支える支承性を
有することができる。
【0045】ただし、上記土壌代替物では、接着剤3が
蒸発型の接着剤であって乾燥するときに接着性を発揮す
るから、原料が金型11から押し出されてマット状に成
形された後の乾燥により、隣接する各合成樹脂発泡体粒
子1…間や、合成樹脂発泡体粒子1と土壌成分2との間
が接着剤3によって接着される。
【0046】このことから、押し出し圧力により弾性変
形した各合成樹脂発泡体粒子1…の表面に広く行き渡っ
た接着剤3は、各合成樹脂発泡体粒子1…がほぼ元に復
元すると、各合成樹脂発泡体粒子1…や土壌成分2の表
面を、上記接着剤3の粘性により薄い層状となって覆う
ことになる。
【0047】また、上記接着剤3が、各合成樹脂発泡体
粒子1…の復元を阻害しないから、押し出し成形により
得られたマット状の成形体の厚みを厚くできる。これら
により、前記の空隙を大きくできて、通水性や通気性を
向上できる。
【0048】また、上記実施例1および実施例2の製造
方法においては、押し出し圧力を、合成樹脂発泡体粒子
1が弾性変形する範囲内で調整することにより、弾性変
形する各合成樹脂発泡体粒子1間や、合成樹脂発泡体粒
子1と土壌成分2との接触部位の面積を増大化できて、
隣接する上記両者間をより強固に接着し、かつ、ほぼ元
に復元した各合成樹脂発泡体粒子1間に空隙を形成した
土壌代替物を安定に得ることができる。
【0049】このことから、上記空隙によって保水性、
透水性、通気性および支承性に優れ、かつ、隣接する各
合成樹脂発泡体粒子1…間や、合成樹脂発泡体粒子1と
土壌成分2との間をより強固に接着できることにより、
合成樹脂発泡体粒子1や土壌成分2が飛散し難い土壌代
替物を安定に得ることができる。
【0050】次に、プレス成形により土壌代替物を製造
する方法について説明する。 〔実施例3〕土壌代替物の製造方法では、予め、合成樹
脂発泡体粒子である発泡ポリスチレン(粒径4mmφ、発
泡倍率40倍)30リットル、土壌成分としての黒ボク土36
00g、接着剤としての水反応性ウレタンポリマー(液温
20℃、東邦化学社製、商品名:Hycel-OH-1) 400gおよ
び水3000gをミキサーにて攪拌混合した原料を、型枠に
入れた後、プレス成形機により3kgf/cm2 のプレス圧力
によって、マット状に成形した土壌代替物(見掛け密度
0.40g/cm3)を得た。
【0051】〔実施例4〕土壌代替物の製造方法では、
予め、合成樹脂発泡体粒子である発泡ポリスチレン(粒
径4mmφ、発泡倍率40倍)30リットル、土壌成分として
の黒ボク土3600g、接着剤としての酢酸ビニルエマルジ
ョン(液温20℃、小西化学社製)25%水溶液3000gをミ
キサーにて攪拌混合した原料を、型枠に入れた後、プレ
ス成形機により20kgf/cm2 のプレス圧力によって、マッ
ト状に成形し、乾燥して土壌代替物(見掛け密度0.47g
/cm3)を得た。
【0052】〔比較例〕上記実施例3および実施例4の
配合にて、プレス圧力をそれぞれ50kgf/cm2 と100kgf/c
m2にてプレス成形したところ、基材として用いた合成樹
脂発泡体粒子が潰れ、復元することがなく空隙を有する
良好なマット状の土壌代替物が得られなかった。
【0053】このような上記実施例3および実施例4の
土壌代替物においても、プレス圧力を調整することによ
って、図3に示すように、合成樹脂発泡体粒子1が弾性
変形して、隣接する各合成樹脂発泡体粒子1…間の接触
部位や、合成樹脂発泡体粒子1と土壌成分2との間の接
触部位の面積が増大化し、また、隣接する各合成樹脂発
泡体粒子1…間や、合成樹脂発泡体粒子1と土壌成分2
との間に介在する接着剤3がより広く行き渡ることにな
る。
【0054】したがって、上記構成においても、前記実
施例1および実施例2と同様に、図1に示すように、ほ
ぼ元に復元した各合成樹脂発泡体粒子1…間に空隙を形
成することができて、保水性、透水性、通気性および支
承性を向上できるものとなっている。
【0055】また、上記実施例3および実施例4の製造
方法においては、プレス圧力を、合成樹脂発泡体粒子1
が弾性変形する範囲内で調整することにより、前記実施
例1および実施例2の製造方法と同様に、保水性、透水
性、通気性および支承性に優れ土壌代替物を安定に得る
ことができる。
【0056】このような上記各実施例の構成は、合成樹
脂発泡体粒子1および土壌成分2を基材として接着剤3
によってマット状に一体化したものであるから、風等に
よる飛散を防止できて飛散による周囲への迷惑を回避で
き、かつ、培土の減少による支承性の劣化も防止できる
ものである。
【0057】これにより、上記構成は、飛散による迷惑
を回避し、かつ、軽量性を維持しながら、支承性、通気
性、透水性を確保したものとすることができるので、ビ
ルの屋上やマンションのベランダ等のコンクリートスラ
ブ上等の人工地盤上に設けられた庭園等の培土として好
適に用いることができる。
【0058】また、上記構成は、マット状に一体化した
ものであるから、芝用培土としても極めて有用なもので
ある。すなわち、上記構成では、従来の土壌を用いた場
合のように、芝のはり替え時に運搬するときに土壌がポ
ロポロとこぼれ落ちることがない。このことと、軽量で
あることにより、上記構成は、育成した芝をその培土ご
と運搬するのに極めて便利であり、また、その支承性、
通気性および透水性等により、上記芝の育成にも好適で
ある。よって、上記構成は芝用培土としても極めて有用
なものとなる。
【0059】なお、上記実施例の構成では、合成樹脂発
泡体粒子1として略球状のものを用いた例を挙げたが、
発泡成形品(発泡倍率40倍程度)の粉砕品、つまりリサ
イクル品を用いることもできる。これにより、廃棄物を
利用できるから製造コストを軽減でき、また、廃棄物処
理も同時にできて上記廃棄物による環境汚染を防止でき
る。
【0060】このようなリサイクル品は、その形状が不
定型となるが、上記各実施例と同様に弾性を有し、押し
出し成形等のときに弾性変形した後復元して、得られた
土壌代替物に対し、前記と同様な空隙を形成できる。こ
のことから、上記土壌代替物は、通気性等に優れ、飛散
性も回避でき、かつ、支承性の劣化も防止できるものと
なる。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の土壌代替物は、
以上のように、合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土
壌改良材類からなる群から選択された少なくとも一つの
土壌成分とが混合され、接着剤によってマット状に成形
されている構成である。
【0062】それゆえ、上記構成は、土壌成分と合成樹
脂発泡体粒子とを接着剤によってマット状に成形したも
のであるから、軽量であると共に、風等による飛散を防
止できて飛散による周囲への迷惑を回避でき、かつ、土
壌成分や合成樹脂発泡体粒子の減少による支承性の劣化
も防止できるものである。
【0063】また、上記構成は、接着された合成樹脂発
泡体粒子間に空隙を有することができるので、上記空隙
によって支承性、通気性、透水性を確保できるものとな
っている。
【0064】これにより、上記構成は、従来の飛散性を
回避し、軽量性を維持しながら、支承性、通気性、透水
性を確保したものとすることができるので、ビルの屋上
やマンションのベランダ等のコンクリートスラブ上等の
人工地盤上に設けられた庭園等の培土として好適に用い
ることができるという効果を奏する。
【0065】本発明の請求項2記載の土壌代替物の製造
方法は、以上のように、合成樹脂発泡体粒子と、土壌類
および土壌改良材類からなる群から選択された少なくと
も一つの土壌成分と、接着剤とを混合して混合物を得た
後、上記混合物を押出機から押し出してマット状に成形
する方法である。
【0066】それゆえ、上記方法は、相互に接着され、
復元した各合成樹脂発泡体粒子間に空隙を形成できるか
ら、上記空隙によって保水性、透水性、通気性および支
承性に優れた土壌代替物を得ることができる。
【0067】また、上記方法では、押し出し圧力を、合
成樹脂発泡体粒子が弾性変形する範囲内で調整すること
により、弾性変形する各合成樹脂発泡体粒子間や、合成
樹脂発泡体粒子と土壌成分との接触部位を増大化でき
て、隣接する上記両者間をより強固に接着できるので、
従来の飛散性を軽減して周囲に迷惑のかからない土壌代
替物を安定に得ることができるという効果を奏する。
【0068】本発明の請求項3記載の土壌代替物の製造
方法は、以上のように、合成樹脂発泡体粒子と、土壌類
および土壌改良材類からなる群から選択された少なくと
も一つの土壌成分と、接着剤とを混合して混合物を得た
後、上記混合物をプレス成形してマット状に成形する方
法である。
【0069】それゆえ、上記方法は、隣接する合成樹脂
発泡体粒子が接着剤によって相互に接着され、復元した
各合成樹脂発泡体粒子間に空隙を形成できるから、上記
空隙によって保水性、透水性、通気性および支承性に優
れた土壌代替物を得ることができる。
【0070】また、上記方法では、プレス圧力を、合成
樹脂発泡体粒子が弾性変形する範囲内で調整することに
より、弾性変形する各合成樹脂発泡体粒子間や、合成樹
脂発泡体粒子と土壌成分との接触部位を増大化できて、
隣接する上記両者間をより強固に接着できるから、従来
の飛散性を軽減して周囲に迷惑のかからない土壌代替物
を安定に得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌代替物の要部断面図である。
【図2】本発明の実施例1および実施例2の土壌代替物
を製造するための押出機の概略構成図である。
【図3】上記土壌代替物を製造する際における原料の圧
縮されたときの要部断面図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂発泡体粒子 2 土壌成分 3 接着剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土壌
    改良材類からなる群から選択された少なくとも一つの土
    壌成分とが混合され、接着剤によってマット状に成形さ
    れていることを特徴とする土壌代替物。
  2. 【請求項2】合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土壌
    改良材類からなる群から選択された少なくとも一つの土
    壌成分と、接着剤とを混合して混合物を得た後、上記混
    合物を押出機から押し出してマット状に成形することを
    特徴とする土壌代替物の製造方法。
  3. 【請求項3】合成樹脂発泡体粒子と、土壌類および土壌
    改良材類からなる群から選択された少なくとも一つの土
    壌成分と、接着剤とを混合して混合物を得た後、上記混
    合物をプレス成形してマット状に成形することを特徴と
    する土壌代替物の製造方法。
JP32203393A 1993-12-21 1993-12-21 土壌代替物およびその製造方法 Pending JPH07173467A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100339424C (zh) * 2006-01-20 2007-09-26 叶远鸿 一种轻型海绵体的快速制备方法
CN111560254A (zh) * 2020-05-14 2020-08-21 王梅 一种天然钠基膨润土复合保水材料及其制备方法

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