JPH06298984A - 粘着性発泡ポリスチレン粒子および発泡ポリスチレン成形体 - Google Patents

粘着性発泡ポリスチレン粒子および発泡ポリスチレン成形体

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JPH06298984A
JPH06298984A JP5084481A JP8448193A JPH06298984A JP H06298984 A JPH06298984 A JP H06298984A JP 5084481 A JP5084481 A JP 5084481A JP 8448193 A JP8448193 A JP 8448193A JP H06298984 A JPH06298984 A JP H06298984A
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particle
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陽 大栗
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 発泡ポリスチレン粒子100容量部と、エマ
ルジョン接着剤1種または2種以上の混合接着剤0.5
〜20容量部と、少なくとも、微細連通気孔を有する粉
体状の無機物質、または、連通気孔を有する短繊維状も
しくは粒状の有機物質0.1〜50容量部とが混合され
た粘着性発泡ポリスチレン粒子。 【効果】 この粘着性発泡ポリスチレン粒子は、適度に
粘着性を有しているので、常温で、しかも僅かな押圧力
によって簡単に所定形状の成形体を成形することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、栽培床、地面の覆い、
造花・切花の固定部材、インテリア・ディスプレイ用基
材、タタミ床、床材、壁材等の建築用の資材に用いられ
る粘着性発泡ポリスチレン粒子および発泡ポリスチレン
成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、魚箱、包装容器、インテリア
・ディスプレイ用基材、タタミ床、床材、壁材等には、
発泡ポリスチレンからなる発泡体成形品が広く使用され
ている。
【0003】上記発泡体成形品は、押出発泡体、また
は、ビーズ状の発泡ポリスチレンをそのまま、あるいは
予備発泡したものを所望の形状を有する金型に入れて、
熱加圧成形を行うことによって得られる。
【0004】また、上記発泡体成形品は、使用後その廃
棄物としての生成量も大量になっており、そこで、上記
発泡ポリスチレンからなる発泡体成形品の廃棄物の処理
方法の一つとして、廃棄物を粉砕して粒状あるいはチッ
プ状にしたもの(以下、発泡ポリスチレン粒子と称す
る)を所定形状に成形して再利用することが考えられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の発泡ポ
リスチレン粒子から発泡体成形品を成形するには、上記
発泡ポリスチレン粒子に溶剤型接着剤を混合して成形す
る方法、発泡ポリスチレン粒子にエマルジョン接着剤の
みを混合して成形する方法等が考えられる。
【0006】しかしながら、発泡ポリスチレン粒子に溶
剤型接着剤を混合して成形する方法では、溶剤型接着剤
の接着力によって即座に発泡ポリスチレン粒子同士が接
着して固化し、さらに、発泡ポリスチレン粒子が溶解し
て収縮するので、その成形体は、所定の形状を維持する
ことができないという問題が生じる。
【0007】また、発泡ポリスチレン粒子にエマルジョ
ン接着剤のみを混合して成形する方法では、エマルジョ
ン接着剤に含まれる多量の水分のために、発泡ポリスチ
レン粒子同士を接着させることができず、成形型内で加
圧成形しただけでは所定の形状を維持させることができ
ない。このため、発泡ポリスチレン粒子同士を接着させ
るには、上記の成形型内に加熱手段を設け、加圧成形時
に加熱して水分を蒸発させる必要がある。これによっ
て、発泡体成形品の成形工程が煩雑なものとなるので、
種々の形状の発泡体成形品を容易に成形することができ
ないという問題が生じる。
【0008】そこで、本発明は、鋭意研究を重ねた結
果、エマルジョン接着剤に、更に、微細連通気孔の無機
物体を混合することによって、上記問題点を解明でき得
ることを知見したものであり、その目的は、発泡ポリス
チレン粒子を容易に接着させることによって、種々の形
状の成形体を容易に成形することができる粘着性発泡ポ
リスチレン粒子およびこれによって得られた発泡ポリス
チレン成形体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の粘
着性発泡ポリスチレン粒子は、発泡ポリスチレン粒子
と、エマルジョン接着剤1種または2種以上の混合接着
剤と、少なくとも、微細連通気孔を有する粉体状の無機
物質、または、連通気孔を有する短繊維状もしくは粒状
の有機物質とを混合してなることを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項2記載の発明の発泡ポリスチレン成
形体は、請求項1記載の粘着性発泡ポリスチレン粒子を
加圧成形してなることを特徴とするものである。
【0011】ここで、上記発泡ポリスチレン粒子には、
発泡ポリスチレンに、プロパン、ブタン、ペンタン等の
発泡剤を配合してビーズ状にしたもの、もしくは発泡ポ
リスチレンの成形品等の使用後の廃棄物を粉砕して得ら
れる粒状あるいはチップ状にしたもの等(以下、発泡ポ
リスチレン粒子と称する)が使用されるが、廃棄物の処
理および有効利用という観点から、この使用後の廃棄物
から得られる発泡ポリスチレン粒子が好適に使用され
る。また、発泡ポリスチレン粒子の発泡倍率は特に限定
しないが、30〜50倍のものが使用される。
【0012】尚、上記発泡ポリスチレン粒子は、軽量
化、弾力性を付与するとともに、独立気泡からなるた
め、成形体に保温・断熱性、防音性を付与するようにな
っている。
【0013】また、上記エマルジョン接着剤には、大き
く分けてゴムラテックスと合成樹脂エマルジョンとがあ
る。このうち、上記ゴムラテックスの成分としては、天
然ゴム、合成ゴム等があり、一方、合成樹脂エマルジョ
ンの成分としては、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、酢
酸ビニル・アクリル共重合体、ポリアクリル酸エステ
ル、スチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリ
ル共重合体等が挙げられる。
【0014】そこで、発泡ポリスチレン粒子に1種類の
エマルジョン接着剤を配合する場合には、ゴムラッテク
ス接着剤を使用し、2種類以上のエマルジョン接着剤を
混合して配合する場合には、ゴムラテックス接着剤と合
成樹脂エマルジョン接着剤とを混合したものを使用する
のが好ましい。
【0015】上記ゴムラテックスは、発泡ポリスチレン
粒子の接着剤として作用するものであり、その成分濃度
は、5〜50重量%程度が好ましく、5重量%を超えて
濃度が低くなりすぎると、接着が不十分となり、所望の
粘着性発泡ポリスチレン粒子を得ることができず、これ
による成形体をも得ることが困難となる。逆に、50重
量%を超えて濃度が高くなりすぎると、粘度が大きくな
って発泡ポリスチレン粒子との混合が不均一となり、こ
の場合においても、所望の粘着性発泡ポリスチレン粒子
を得ることができず、これによる成形体を安定して得る
ことが困難となる。
【0016】また、上記合成樹脂エマルジョンは、上記
ゴムラテックス接着剤と共に使用することが好ましく、
成形体の硬さ、および形状安定性を向上させるものであ
る。それゆえ、発泡ポリスチレン粒子に接着剤としてゴ
ムラッテクス接着剤のみを配合したものよりもゴムラテ
ックス接着剤に合成樹脂エマルジョンを配合した混合接
着剤を配合するのが好ましい。しかしながら、合成樹脂
エマルジョンの濃度が高くなれば、ゴムラテックス接着
剤による接着性を低下させることになるため、出来る限
り配合量を抑える必要がある。
【0017】尚、ゴムラテックス接着剤としては、発泡
ポリスチレン粒子の接着性および粘着性等から考慮し
て、天然ゴムを使用した天然ゴムラッテクスが好まし
い。一方、合成樹脂エマルジョン接着剤としては、ゴム
ラテックスの接着性の低下に影響が比較的少ない、ポリ
酢酸ビニルが好ましい。
【0018】また、上記発泡ポリスチレン粒子100容
量部に対する上記エマルジョン接着剤1種または2種以
上の混合接着剤の配合量は、使用目的、発泡ポリスチレ
ン粒子の粒径等によって異なるが、概ね0.5〜20容
量部の範囲内である。
【0019】但し、上記エマルジョン接着剤の配合量が
0.5容量部未満の場合には、接着強度が不十分にな
る。一方、20容量部を上回る場合には、余剰の接着剤
が発泡ポリスチレン粒子間に入り込み、粘着性発泡ポリ
スチレン粒子同士が結合するので、後に所定形状の成形
体を得ることが困難となる。
【0020】また、上記微細連通気孔を有する粉体状の
無機物質としては、上記エマルジョン接着剤を吸収し、
粘着性発泡ポリスチレン粒子同士の結合を防止するもの
であり、例えば、ゼオライト、セビオライト、パーライ
ト、活性白土、硅藻土、石炭灰、活性炭、セメント、酸
化鉄、各種集塵灰からなる粉体が挙げられるが、脱臭
能、吸着能、吸水能、成分安定性等の点から、上記ゼオ
ライトのうち天然ゼオライトが好適に使用される。この
天然ゼオライトは、その大きな塩基置換容量により、土
壌中での肥効調整、PH調整等の機能をも有しているの
で、この天然ゼオライトを配合した発泡ポリスチレン粒
子は、そのまま土壌シート等として好適に使用すること
ができる。
【0021】尚、上記無機物質の粒径は、0.01μm
〜1.5mm程度が好ましく、また、その比表面積は、
エマルジョン接着剤を吸収するために、また、適正な脱
臭能、吸着能、吸水能等を発揮させるために、3000
〜100000cm2 /g程度であることが好ましい
が、粒径、比表面積共にこれに限定するものではない。
【0022】但し、上記無機質の粉体の粒径が0.01
μm以下、且つ、比表面積が100000cm2 /gを
上回る場合は、発泡ポリスチレン粒子やエマルジョン接
着剤との混合が不均一となり、発泡ポリスチレン粒子間
の接着が不十分となる傾向にある。一方、粒径が1.5
mmを上回り、且つ、比表面積が3000cm2 /g未
満の場合は、上記無機物質の使用量が多くなるにつれ
て、無機物質が発泡ポリスチレン粒子の接着面に余剰に
入り込み、接着を困難なものとしている。これを無理に
接着させようとすれば、多量のエマルジョン接着剤が必
要となり、粘着性発泡ポリスチレン粒子の製造に係る費
用が増加するという問題が生じる。
【0023】また、上記発泡ポリスチレン粒子100容
量部に対する上記無機物質、または、有機物質の配合量
は、使用目的、発泡ポリスチレン粒子の粒径等によりそ
の都度異なるが、概ね0.1〜50容量部が好ましく、
特に、無機物質では、0.1〜15容量部が好ましい。
【0024】但し、上記無機質の配合量が0.1容量部
を下回る場合には、接着剤の助長作用が低減し、15容
量部を上回る場合には、発泡ポリスチレン粒子間に無機
物質が余剰に入り込むので、何れの場合においても、発
泡ポリスチレン粒子の粘着性が不十分となる。従って、
これを用いて成形体を成形する場合、発泡ポリスチレン
粒子同士の接着が不十分となるので、成形体の形状安定
性が低下し、外圧等により容易に崩壊する恐れがある。
また、上記有機物質の配合量が0.1容量部を下回る場
合、または、50容量部を上回る場合には、上記の無機
物質の場合と同じ理由から、発泡ポリスチレン粒子の粘
着性が不十分となる。
【0025】また、上記連通気孔を有する短繊維状もし
くは粒状の有機物質としては、ピートモス等の天然有機
物質、バーク堆肥、油粕、籾殻、シイタケのホダ木、オ
ガクズ、およびコーヒー、サトウキビ、ビール等の絞り
粕の醗酵堆肥等が挙げられる。
【0026】尚、上記連通気孔を有する短繊維状もしく
は粒状の有機物質は、エマルジョン接着剤を吸収するた
めに、短繊維の場合、長さが0.1〜5mm程度、粒状
の場合、粒径が0.01〜1mm程度が好ましいが、こ
れらの数値範囲に限定するものではない。
【0027】但し、短繊維状の有機物質の長さが0.1
mmよりも短い場合、もしくは粒状の有機物質の粒径が
0.01mmよりも小さい場合には、発泡ポリスチレン
粒子または接着剤との混合が不均一となり、発泡ポリス
チレン粒子同士の接着が不十分となる傾向にある。一
方、短繊維状の有機物質の長さが5mmよりも長い場
合、もしくは粒状の有機物質の粒径が1mmよりも大き
い場合には、上記有機物質の使用量が多くなるととも
に、有機物質が接着面に余剰に入り込み、接着を困難な
ものとしている。したがって、これを無理に接着させよ
うとすれば、多量のエマルジョン接着剤が必要となり、
粘着性発泡ポリスチレン粒子の製造に係る費用が増加す
るとう問題が生じる。
【0028】また、上記有機物質として1種のみではな
く、例えば、有機顔料を添加することによって、所望す
る色調にすることができ、また、ポリビニルアルコール
を添加することによって、調湿機能を持たせることがで
きる等、各種機能を有する発泡ポリスチレン成形体にす
ることが可能となる。
【0029】また、発泡ポリスチレン粒子には、上述の
ように、微細連通気孔を有する無機物質粉体あるいは、
連通気孔を有する短繊維状もしくは粒状の有機物質の何
れか一方のみを配合しているが、これに限定することな
く、上記無機物質と有機物質とを混合したものを配合し
ても良い。
【0030】また、本発明の粘着性発泡ポリスチレン粒
子および発泡ポリスチレン成形体は、以下のように製造
される。
【0031】まず、発泡ポリスチレン粒子に、エマルジ
ョン接着剤であるゴムラテックス接着剤または、ゴムラ
テックス接着剤と合成樹脂エマルジョン接着剤の混合接
着剤を加え、発泡ポリスチレン粒子表面に上記接着剤が
十分に塗布されるまで撹拌混合する。
【0032】次いで、この混合物を撹拌しつつ、所定量
の微細連通気孔を有する粉体状の無機物質あるいは連通
気孔を有する短繊維状もしくは粒状の有機物質を添加
し、さらに、均一に撹拌混合して個々の粒子に分割され
た粘着性発泡ポリスチレン粒子を生成する。
【0033】次に、この粘着性発泡ポリスチレン粒子を
指圧によって成形するか、もしくは所望する形状を有す
る成型容器にいれて指圧程度(0.3kg/cm2 )以
上で加圧成形し、加圧状態を直ぐに開放して、所望の発
泡ポリスチレン成形体を得る。
【0034】尚、上記無機物質および有機物質は、何れ
か一方を添加しているが、上述したように、無機物質と
有機物質とを混合したものを添加してもよい。
【0035】
【作用】請求項1記載の構成により、発泡ポリスチレン
粒子に混合された微細連通気孔を有する粉体状の無機物
質、または、連通気孔を有する短繊維状もしくは粒状の
有機物質によって、エマルジョン接着剤に含まれる水分
が吸収されるので、発泡ポリスチレン粒子は個々に分割
された状態で、その表面が、接着剤の初期乾燥状態と同
様な状態、つまり粘着状態となる。このことから、常温
でしかも僅かな圧力、例えば指圧(0.5kg/c
2 )程度の押圧力によっても発泡ポリスチレン粒子同
士を接着させることが可能となり、所望する形状にする
ために、高温高圧にする必要がなく、また、特別な金
型、加熱装置等を用いなくてもよく、粘着性発泡ポリス
チレン粒子の成形体を容易に成形することができる。
【0036】請求項2記載の構成により、請求項1記載
の粘着性発泡ポリスチレン粒子を加圧成形するだけで所
定の形状の成形体を得ることができる。また、粘着性発
泡ポリスチレン粒子に含まれる無機物質、または、有機
物質が、既にエマルジョン接着剤の水分を吸収した状態
となっているので、時間が経過すれば、さらに、エマル
ジョン接着剤の水分が乾燥して粘着性が増し発泡ポリス
チレン粒子同士の接着力がより強固なものとなる。これ
によって、外圧により容易に崩壊することなく、成形体
の形状を安定して維持することができる。
【0037】
【実施例】本発明の各実施例を以下に示す。
【0038】〔実施例1〕発泡ポリスチレン粒子100
容量部に、エマルジョン接着剤として、濃度17.4重
量%の天然ゴムラテックス(商品名:ポリゾールPA−
8、昭和高分子株式会社製)3.6容量部を加え、充分
に撹拌混合した。
【0039】次に、生成した混合物を撹拌しつつ、微細
連通気孔を有する粉体状の無機物質として、粒径1μm
〜0.3mmの天然ゼオライト(商品名:ZO#70:
日東粉化工業株式会社製)1.6容量部を加えた後、さ
らに、充分撹拌混合して粘着性発泡ポリスチレン粒子を
得た。
【0040】この粘着性発泡ポリスチレン粒子150g
を成型機の型枠(幅7.5cm×長さ19.5cm×高
さ8.0cm=容積1170cm3 )に充填し、0.5
kg/cm2 の押圧力で2分間加圧し、その後、型枠か
ら取り外し、成形体を得た。この成形体の体積は、約1
587cm3 であった。また、加圧時の体積が1170
cm3 で加圧後の体積が約1587cm3 であるので、
この成形体の膨張倍率は、約1.356であった。
【0041】さらに、上記成形体を60℃に設定した乾
燥器内で一時間乾燥させた後、発泡ポリスチレン成形体
を得た。このとき、発泡ポリスチレン成形体の体積収縮
はなく、嵩密度は約0.05g/cm3 であった。
【0042】〔実施例2〕発泡ポリスチレン粒子100
容量部に、エマルジョン接着剤として、濃度29.0重
量%の天然ゴムラテックス(商品名:ポリゾールPA−
8、昭和高分子株式会社製)と濃度24.0重量%のポ
リ酢酸ビニルエマルジョン(商品名:ポリゾール131
0、昭和高分子株式会社製)を1:1の割合で混合した
混合接着剤3.6容量部を加え、充分に撹拌混合した。
【0043】次に、生成した混合物を撹拌しつつ、微細
連通気孔を有する粉体状の無機物質として、粒径1μm
〜0.3mmの天然ゼオライト(商品名:ZO#70:
日東粉化工業株式会社製)1.9容量部と黒色粉末顔料
0.3容量部を加えた後、さらに、充分撹拌混合して粘
着性発泡ポリスチレン粒子を得た。
【0044】この粘着性発泡ポリスチレン粒子170g
を前記実施例1で使用した成型機の型枠(容積:117
0cm3 )に充填し、0.5kg/cm2 の押圧力で2
分間加圧し、その後、型枠から取り外し、成形体を得
た。この成形体の体積は、約1631cm3 であった。
また、加圧時の体積が1170cm3 で加圧後の体積が
約1631cm3 であるので、この成形体の膨張倍率
は、約1.394であった。
【0045】さらに、上記成形体を60℃に設定した乾
燥器内で一時間乾燥させた後、発泡ポリスチレン成形体
を得た。このとき、発泡ポリスチレン成形体の体積収縮
はなく、嵩密度は約0.06g/cm3 であった。
【0046】〔実施例3〕発泡ポリスチレン粒子100
容量部に、エマルジョン接着剤として、濃度11.5重
量%の天然ゴムラテックス(商品名:ポリゾールPA−
8、昭和高分子株式会社製)7.5容量部を加え、充分
に撹拌混合した。
【0047】次に、生成した混合物を撹拌しつつ、連通
気孔を有する短繊維状の有機物質として、繊維長さ0.
1〜5mmのピートモス(カナダ産、見掛比重0.0
7)20容量部を加えた後、さらに、充分撹拌混合して
粘着性発泡ポリスチレン粒子を得た。
【0048】さらに、根腐れ防止用に天然ゼオライト細
粒(粒径0.3〜1mm程度)を加えて、押圧してシー
トに成形して、人工土壌シートとして有用であり、特に
軽量化が臨まれる屋上スペース等の緑化用に効果を発揮
する。
【0049】〔実施例4〕発泡ポリスチレン粒子100
容量部に、エマルジョン接着剤1種として、濃度13.
5重量%の天然ゴムラテックス(商品名:ポリゾールP
A−8、昭和高分子株式会社製)60容量部を加え、充
分に撹拌混合した。
【0050】次に、生成した混合物を撹拌しつつ、微細
連通気孔を有する粉体状の無機物粉体として、粒径1μ
m〜0.3mmの天然ゼオライト(商品名:ZO#7
0:日東粉化工業株式会社製)15容量部と、連通気孔
を有する短繊維状の有機物質として、繊維長さ0.1〜
5mmのピートモス(カナダ産、見掛比重0.07)1
0容量部を加えた後、さらに、十分撹拌混合して粘着性
発泡ポリスチレン粒子を得た。
【0051】この粘着性発泡ポリスチレン粒子は、既に
細粒の天然ゼオライトが混合されているので、シート状
に加圧成形して人工土壌シートとして使用することが可
能であり、特に軽量化が臨まれる屋上スペース等の緑化
用に効果を発揮する。
【0052】以上の各実施例によれば、発泡ポリスチレ
ン粒子の粒度、接着剤の濃度および配合比、無機物質、
有機物質の種類、粒度、配合比等を広範囲に変化させる
こが可能である。
【0053】また、上記のような粘着性発泡ポリスチレ
ン粒子は、常温で、しかも僅かな圧力で簡単に所定形状
の成形体を成形することができるので、例えば、利用者
は、粘土や石膏のように簡単に成形体を成形することが
できる。
【0054】また、造成地法面緑化に使用する場合に
は、芝等の種子を混合し、通気性・耐水性を有する樹脂
を表面にコーテイングしたシート状にして使用すれば、
風雨によって流出することがなく、短期間で法面の緑化
を行うことができる。
【0055】また、建築内装資材として使用する場合に
は、発泡ポリスチレン自体の特性と粒子間空隙により、
優れた保温断熱性、防音性、弾力性を発揮する。また、
上記の特性に加えて通気性を有するタタミ床としても有
用である。
【0056】また、インテリア・ディスプレイ用基材と
して使用する場合には、軽量で成形が簡単なため、優れ
たデザインを容易に具象化することができ、また、搬入
・搬出、製作・撤去を容易に行うことができるので、こ
れらに係る費用を低減することができる。
【0057】また、軽量で、且つ、保温性、通気性、保
水性に優れているので、育苗用、ハウス栽培用、貸し鉢
用等の土壌シートとしても有用である。
【0058】尚、上記粘着性発泡ポリスチレン粒子は、
上記の利用分野に限定されることなく、これら以外に
も、その成形体の使用目的等に応じて、例えば小石、木
片等の発泡ポリスチレン粒子以外の部材を含有して成形
体を成形することも可能である。例えば、成形体に適度
な重量が必要な場合には、粘着性発泡ポリスチレン粒子
に、例えば小石を含有させて成形したものが使用され
る。
【0059】〔比較例〕前記実施例1において、無機物
質の混合を除いて、他を同条件として発泡ポリスチレン
粒子からなる混合物およびその成形体を得ることを試み
た。すなわち、発泡ポリスチレン粒子100容量部に、
エマルジョン接着剤として、濃度17.4重量%の天然
ゴムラテックス(商品名:ポリゾールPA−8、昭和高
分子株式会社製)3.6容量部を加え、充分に撹拌混合
して混合物を得た。
【0060】この得られた混合物150gを実施例1と
同様の成型機(1170cm3 )に充填し、0.5kg
/cm2 の押圧力で2分間加圧し、その後、型枠から取
り外した。しかし、直ぐに膨張崩壊し、成形体を形成す
るこができなかった。また、成型機の型枠内面には、多
量の接着剤及び発泡ポリスチレン粒子が付着残留した状
態となっていた。
【0061】尚、前記実施例1では、成形後の型枠内に
は接着剤および発泡ポリスチレン粒子の付着残留はみら
れなった。このことにより、微細連通気孔を有する粉体
状の無機物質を適正量(発泡ポリスチレン粒子100容
量部に対して0.1〜15容量部)添加することで、上
記無機物質が接着剤を余剰なく吸着することができ、吸
着された接着剤は、発泡ポリスチレン粒子同士の接着の
みに使用されることができるので、型枠内に接着剤の付
着残留を無くすことができる。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明の粘着性発泡ポリス
チレン粒子は、以上のように、発泡ポリスチレン粒子
と、エマルジョン接着剤1種または2種以上の混合接着
剤と、少なくとも、微細連通気孔を有する粉体状の無機
物質、または、連通気孔を有する短繊維状もしくは粒状
の有機物質とを混合してなることを特徴とする構成であ
る。
【0063】それゆえ、微細連通気孔を有する粉体状の
無機物質または連通気孔を有する短繊維状もしくは粒状
の有機物質が、エマルジョン接着剤の水分を吸収するの
で、上記構成の発泡ポリスチレン粒子は、適度に粘着性
を有し、常温でしかも僅かな押圧力によって簡単に種々
の形状に成形体を成形することかできるという効果を奏
する。
【0064】請求項2記載の発明の発泡ポリスチレン成
形体は、以上のように、請求項1記載の粘着性発泡ポリ
スチレン粒子を加圧成形してなることを特徴とする構成
である。
【0065】それゆえ、上記構成の発泡ポリスチレン成
形体は、粘着性発泡ポリスチレン粒子から容易に成形さ
れ、時間経過に伴ってエマルジョ接着剤に含有される水
分が蒸発するので、粘着性が増大し、発泡ポリスチレン
粒子同士の接着力が増大する。これによって、外圧によ
っても崩壊しにくくなり、形状を安定して維持すること
ができるという効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】〔実施例4〕発泡ポリスチレン粒子100
容量部に、エマルジョン接着剤1種として、濃度13.
5重量%の天然ゴムラテックス(商品名:ポリゾールP
A−8、昭和高分子株式会社製)6.0容量部を加え、
充分に撹拌混合した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】次に、生成した混合物を撹拌しつつ、微細
連通気孔を有する粉体状の無機物粉体として、粒径1μ
m〜0.3mmの天然ゼオライト(商品名:ZO#7
0:日東粉化工業株式会社製)1.5容量部と、連通気
孔を有する短繊維状の有機物質として、繊維長さ0.1
〜5mmのピートモス(カナダ産、見掛比重0.07)
10容量部を加えた後、さらに、十分撹拌混合して粘着
性発泡ポリスチレン粒子を得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡ポリスチレン粒子と、エマルジョン接
    着剤1種または2種以上の混合接着剤と、少なくとも、
    微細連通気孔を有する粉体状の無機物質、または、連通
    気孔を有する短繊維状もしくは粒状の有機物質とを混合
    してなることを特徴とする粘着性発泡ポリスチレン粒
    子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の粘着性発泡ポリスチレン粒
    子を加圧成形してなることを特徴とする発泡ポリスチレ
    ン成形体。
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