JPH07173127A - ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤 - Google Patents

ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤

Info

Publication number
JPH07173127A
JPH07173127A JP34516893A JP34516893A JPH07173127A JP H07173127 A JPH07173127 A JP H07173127A JP 34516893 A JP34516893 A JP 34516893A JP 34516893 A JP34516893 A JP 34516893A JP H07173127 A JPH07173127 A JP H07173127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
acid
formula
hydroxamic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34516893A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kawai
勉 河合
Michiya Shimamura
三智也 嶋村
Kyoko Obata
京子 小畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP34516893A priority Critical patent/JPH07173127A/ja
Publication of JPH07173127A publication Critical patent/JPH07173127A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】式(I)のヒドロキサム酸誘導体およびその薬
理学的に許容される塩。 【効果】 (式中、RおよびRはそれぞれ炭素原子数3〜10
のアルキル基を表し、Rは水素原子、カルボキシル
基、アルキルオキシカルボニル基またはベンジルオキシ
カルボニル基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜
5の低級アルキル基またはベンジル基を表す。)これら
は、優れたヒト白血球エラスターゼ阻害作用を有してい
る。従って、該化合物を有効成分として含有する医薬組
成物はヒト白血球エラスターゼ阻害剤として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキサム酸誘導体
またはその薬理学的に許容される塩、およびそれらを有
効成分として含有するヒト白血球エラスターゼ阻害剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】白血球のエラスターゼは、貧食した細菌
などを分解する消化酵素として重要な働きを持つが、い
ったん細胞外へ漏出すると結合組織中にある弾性繊維の
主成分を形成しているエラスチンを分解して、組織の損
傷、種々の炎症または変性状態を惹起する。このような
エラスターゼによるエラスチンの過度の分解は肺気腫、
成人呼吸急迫症候群、肺線維症、気管支炎、肺炎、リウ
マチ関節炎、動脈硬化、敗血症、ショック、膵炎、腎炎
などの疾患の原因と考えられている。従ってエラスター
ゼ阻害剤はこれら疾患の治療剤および/または予防剤と
して有用と考えられている。
【0003】このような状況において、種々のエラスタ
ーゼ阻害剤、例えば、安息香酸フェニルエステル誘導体
(特開平5−78298号公報参照)、4H−3,1−
ベンゾオキサジン−4−オン誘導体(国際公開第91/
12245号公報参照)、サッカリン誘導体(特表平4
−507095号公報参照)などの化合物が、エラスタ
ーゼに起因する疾患の治療剤として提案されてきている
が、その治療効果については、満足できるものではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の1つ
の目的はエラスターゼ阻害作用を有し、かつ安全性の高
い新規な化合物を提供することにある。本発明の他の目
的は、該化合物を有効成分とする新規なヒト白血球エラ
スターゼ阻害剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ炭素原
子数3〜10のアルキル基を表し、R3 は水素原子、カ
ルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基またはベン
ジルオキシカルボニル基を表し、R4 は水素原子、炭素
原子数1〜5の低級アルキル基またはベンジル基を表
す。)で示されるヒドロキサム酸誘導体(以下、これを
ヒドロキサム酸誘導体(I)と略記することがある。)
またはその薬理学的に許容される塩(以下、単に塩と略
記する。)、およびそれらを有効成分として含有するヒ
ト白血球エラスターゼ阻害剤を提供することによって達
成される。
【0008】一般式(I)においてR1 およびR2 がそ
れぞれ表す炭素原子数3〜10のアルキル基は、直鎖状
であっても分岐鎖状であってもよく、かかるアルキル基
としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル
基、イソブチル基、2−メチルブチル基、2−エチルヘ
キシル基、イソペンチル基、イソヘキシル基などの基が
挙げられる。好ましくは炭素原子数5〜8のものであ
る。
【0009】一般式(I)においてR3 が表すアルキル
オキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブト
キシカルボニル基などが挙げられる。
【0010】一般式(I)においてR4 が表す炭素原子
数1〜5の低級アルキルとしては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げら
れ、好ましくはメチル基、エチル基などである。
【0011】本発明のヒドロキサム酸誘導体(I)の具
体例としては、特に限定されるものではないが、例えば
2−イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサム
酸、2−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカル
ボニルヘキサノヒドロキサム酸、2−イソペンチル−5
−メチルヘキサノヒドロキサム酸ベンジルエステル、2
−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカルボニル
ヘキサノヒドロキサム酸ベンジルエステル、2−n−オ
クチルデカノヒドロキサム酸、2−n−オクチルデカノ
ヒドロキサム酸ベンジルエステル、2−n−ヘキシルオ
クタノヒドロキサム酸、2−n−ヘキシルオクタノヒド
ロキサム酸ベンジルエステル、2−イソヘキシル−6−
メチルヘプタノヒドロキサム酸、2−イソヘキシル−6
−メチルヘプタノヒドロキサム酸ベンジルエステル等が
好適なものとして例示される。
【0012】ヒドロキサム酸誘導体(I)の塩として
は、薬理学的に許容される塩であれば特に限定されるも
のではなく、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、カルシ
ウム塩、マグネシウム塩などの無機塩;アンモニウム
塩;例えばトリメチルアンモニウム塩、トリエチルアン
モニウム塩などの有機アンモニウム塩等が挙げられる。
【0013】本発明のヒドロキサム酸誘導体(I)は、
例えば、次の方法により製造することができる。
【0014】
【化4】
【0015】(上記反応式中、R1 、R2 、R3 および
4 は前記定義のとおりである。)
【0016】即ち、一般式(II)で示される化合物と一
般式R4 ONH2 で示される化合物またはその塩酸塩
を、N−メチルモルホリン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミンまたはN,N−ジメチ
ルアニリン等の3級有機アミンならびに1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよ
びその塩酸塩、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド等の縮
合剤の存在下に縮合反応させることにより、本発明のヒ
ドロキサム酸誘導体(I)が得られる。ヒドロキサム酸
はヒドロキサム酸エステルの保護基を通常の脱保護の条
件下で処理しても得られる。
【0017】一般式(II)で示される化合物は、常法に
より、例えば、ジアルキルマロン酸エステルを加水分解
し、モノエステル体またはジカルボン酸とした後、さら
に脱炭酸、加水分解することにより製造することができ
る。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りであり、R5 は炭素原子数1〜4の低級アルキル基を
表す。)
【0020】3級有機アミンの使用量は、通常1〜4モ
ル、好ましくは、1〜2.2モルである。また縮合剤の
使用量は、通常1〜4モルであり、好ましくは、1〜
2.2モルである。
【0021】縮合反応の温度は通常−10℃から100
℃であり、好ましくは0℃から室温である。縮合反応に
用いることのできる溶媒は、反応に不活性なものであれ
ばよく特に限定されないが、塩化メチレン、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素が特に好ましい。反応時間
は溶媒、反応温度により適宜選択されるが、通常1時間
から20時間程度である。ヒドロキサム酸の保護基とし
てはベンジル基、t−ブチル基が好ましい。脱保護は通
常ベンジル基の場合はパラジウムカーボン、ラネーニッ
ケル等を用いる接触還元により、t−ブチル基の場合は
トリフルオロ酢酸、HBr−酢酸などの酸処理により行
われる。
【0022】また、ヒドロキサム酸誘導体(I)の塩
は、通常の塩形成反応により製造することができる。
【0023】このようにして得られるヒドロキサム酸誘
導体(I)またはその塩を反応混合物から単離・精製す
るには、一般に有機化合物を反応混合物から単離・精製
するに際して用いられる方法が同様に用いられる。例え
ば、反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテル、酢酸エ
チルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を冷希塩酸、重曹
水、食塩水などで順次洗浄し、乾燥した後、濃縮して粗
生成物を得、該粗生成物を必要に応じて再結晶、クロマ
トグラフィーなどにより精製し、ヒドロキサム酸誘導体
(I)またはその塩を得る。
【0024】ヒドロキサム酸誘導体(I)またはその塩
は後述の試験例から明らかなとおり、ヒト白血球エラス
ターゼに対する阻害作用を有している。従って、ヒドロ
キサム酸誘導体(I)またはその塩を有効成分として含
有する医薬組成物は、肺気腫、成人呼吸急迫症候群、肺
線維症、気管支炎、肺炎、リウマチ関節炎、動脈硬化、
敗血症、ショック、膵炎、腎炎などのヒト白血球エラス
ターゼに起因する疾患の治療において、ヒト白血球エラ
スターゼ阻害剤として有用である。また、本発明のヒド
ロキサム酸誘導体(I)またはその塩は、毒性が低いた
めヒトに対して安全に投与することができる。
【0025】ヒドロキサム酸誘導体(I)またはその塩
は、それらを単独でまたは賦形剤と共に、錠剤あるいは
液剤として医療用に使用することができる。錠剤の場合
は、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドンな
ど;賦形剤、例えば乳糖、とうもろこし澱粉、りん酸カ
ルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤滑剤、例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリ
コール、シリカなど;崩壊剤、例えばラウリル硫酸ナト
リウム、などのような慣用の賦形剤を含有していてもよ
い。
【0026】液剤の場合は、水性または油性の懸濁剤、
溶液、シロップ剤、エリキシル剤、その他であってもよ
く、このような液体製剤は普通に用いられる添加剤とし
て、懸濁化剤、例えばソルビットシロップ、メチルセル
ロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ス
テアリン酸アルミニウムゲル、水素化食用脂など;乳化
剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラ
ビアゴムなど;非水溶性ビヒクル、例えばアーモンド
油、分別ココナット油、油性エステル、プロピレングリ
コール、エタノールなど;防腐剤、例えばp−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
ソルビン酸、などを含有してもよい。
【0027】このようにして得られる本発明のヒト白血
球エラスターゼ阻害剤の投与量は、年齢、症状等によっ
て異なるが、例えば成人に対して通常1回量として約1
00mg〜1g程度、1日1〜4回程度投与される。
【0028】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明を具
体的に説明する。本発明はこれらの実施例等により限定
されるものではない。 1H−NMRはテトラメチルシラ
ンを内部標準として測定した。
【0029】実施例1 2−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカルボニ
ルヘキサノヒドロキサム酸ベンジルエステルの合成 ジイソペンチルマロン酸ジエチルエステル10g(3
3.3mmol)を、95%エタノール50mlおよび
86%水酸化カリウム6.52g(100mmol)の
混合溶液に加え、1.5時間、還流、攪拌した。反応液
を室温まで冷やし、水250mlを加え、希硫酸でpH
3に調整し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、7.75gのジイソ
ペンチルマロン酸モノエチルエステルを得た(収率85
%)。
【0030】得られたジイソペンチルマロン酸モノエチ
ルエステル2.2g(8mmol)および塩酸o−ベン
ジルヒドロキシルアミン2.55g(16mmol)の
ジクロロメタン溶液50mlを0℃に冷却、攪拌した。
この溶液にN−メチルモルホリン1.62g(16mm
ol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド1.86g(12mmol)の
ジクロロメタン溶液5mlを順次加えた後、室温に戻
し、一晩攪拌した。反応液を2回水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精
製し、2−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカ
ルボニルヘキサノヒドロキサム酸ベンジルエステルを
1.99g得た(収率65%)。
【0031】1H−NMR(CDCl3 ,270MH
z)δ(ppm):0.81−0.86(m,12
H),1.03−1.18(m,2H),1.27
(t,J=7Hz,3H),1.39−1.51(m,
2H),1.68−1.81(m,2H),1.95−
2.07(m,2H),4.15(q,J=8Hz,2
H),4.95(s,2H),7.34−7.46
(m,5H),10.47(s,1H)
【0032】実施例2 2−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカルボニ
ルヘキサノヒドロキサム酸の合成 実施例1で得られた2−イソペンチル−5−メチル−2
−エトキシカルボニルヘキサノヒドロキサム酸ベンジル
エステル220mg(0.58mmol)をエタノール
10mlに溶かし、10%Pd−C40mgを加え、室
温、水素下で3時間攪拌した。反応液を濾過、濃縮して
2−イソペンチル−5−メチル−2−エトキシカルボニ
ルヘキサノヒドロキサム酸を140mg得た(収率84
%)。
【0033】1H−NMR(CDCl3 ,270MH
z)δ(ppm):0.83(d,J=7Hz,12
H),1.05−1.19(m,2H),1.29
(t,J=7Hz,3H),1.39−1.52(m,
2H),1.74−1.86(m,2H),1.94−
2.07(m,2H),4.22(q,J=8Hz,2
H),8.28(broad s,1H),10.73
(s,1H)
【0034】実施例3 2−イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサム酸
ベンジルエステルの合成 実施例1で得られたジイソプロピルマロン酸モノエチル
エステル1g(3.7mmol)をキシレン7mlに溶
かし、30分間還流した。室温まで放冷後、濃縮し、残
渣に2N水酸化ナトリウム水溶液およびエタノールの混
合溶液10mlを加え、3時間還流、攪拌した。反応液
を冷却後、2N硫酸水溶液で酸性にし、酢酸エチルで抽
出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精製し、2
−イソペンチル−5−メチルヘキサン酸を478mg得
た(収率66%)。
【0035】得られた2−イソペンチル−5−メチルヘ
キサン酸210mg(1.05mmol)を実施例1と
同様の方法に従いベンジルヒドロキシアミノ化し、2−
イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサム酸ベン
ジルエステルを208mg得た(収率64%)。
【0036】1H−NMR(CDCl3 ,270MH
z)δ(ppm):0.83(d,J=7Hz,12
H),1.02−1.19(m,4H),1.33−
1.68(m,7H),4.93(s,2H),7.3
4−7.42(m,5H),7.86(s,1H)
【0037】実施例4 2−イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサム酸
の合成 実施例3で得られた2−イソペンチル−5−メチルヘキ
サノヒドロキサム酸ベンジルエステル208mg(0.
86mmol)を実施例2と同様の方法に従って還元
し、2−イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサ
ム酸を140mg得た(収率96%)。
【0038】1H−NMR(CDCl3 ,270MH
z)δ(ppm):0.85(d,J=7Hz,12
H),1.07−1.20(m,4H),1.42−
1.65(m,6H),1.83−1.93(m,1
H)
【0039】実施例5 2−n−オクチルデカノヒドロキサム酸ベンジルエステ
ルの合成 ジn−オクチルマロン酸ジエチルエステル10g(26
mmol)から、実施例1と同様の方法に従いジn−オ
クチルマロン酸モノエチルエステル6.55g(収率7
1%)を得た。ジn−オクチルマロン酸モノエチルエス
テル2g(5.6mmol)から実施例3と同様の方法
に従い2−n−オクチルデカン酸を1.10g得た(収
率69%)。
【0040】2−n−オクチルデカン酸300mg
(1.05mmol)を実施例1と同様の方法に従いベ
ンジルヒドロキシルアミノ化し、2−n−オクチルデカ
ノヒドロキサム酸ベンジルエステルを320mg得た
(収率78%)。1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz)δ(pp
m):0.80−1.05(m,6H),1.10−
1.90(m,29H),4.95(s,2H),7.
31−7.45(m,5H),7.90(s,1H)
【0041】実施例6 2−n−オクチルデカノヒドロキサム酸の合成 実施例5で得られた2−n−オクチルデカノヒドロキサ
ム酸ベンジルエステル240mg(0.61mmol)
を実施例2と同様の方法に従って還元し、2−n−オク
チルデカノヒドロキサム酸を160mg得た(収率87
%)。
【0042】1H−NMR(CDCl3 ,270MH
z)δ(ppm):0.80−1.00(m,6H),
1.10−2.00(m,29H)
【0043】次に本発明のヒドロキサム酸誘導体(I)
のヒト白血球エラスターゼ阻害作用の試験方法及びその
結果を示す。
【0044】試験例1 エラスターゼ阻害試験 緩衝液は、試験を通じて1M NaCl含有0.2Mト
リス−塩酸緩衝液(pH8.5)を使用した。エラスタ
ーゼの基質である10mMメトキシスクシニル−Ala
−Ala−Pro−Val−4−メチル−クマリル−7
−アミドのジメチルスルホキシド溶液0.5μlとヒト
白血球由来エラスターゼ水溶液(エラスターゼ活性1.
2単位/ml)100μlと緩衝液1mlを石英セル中
で混合してエラスターゼ用アッセイ液を調製した。評価
薬剤をジメチルスルホキシドに溶解し、このアッセイ液
中に50μl添加した。次いで、アッセイ液の35℃に
おける5分間のインキュベーションによる蛍光強度の変
化(励起波長370nm、蛍光測定波長460nm)を
分光蛍光光度計(日立製作所製、F4010型)にて測
定した。
【0045】薬物によるエラスターゼ活性の阻害率
(%)は、100×(1−薬剤存在時のr/薬剤不存在
時のr)により求めた。rは5分間インキュベーション
の間の蛍光強度の変化量である。この結果を基に、評価
薬物のエラスターゼ活性の50%阻害濃度(IC50)を
求めた。ヒト白血球由来エラスターゼはシグマ社(米
国)から、メトキシスクシニル−Ala−Ala−Pr
o−Val−4−メチル−クマリル−7−アミドはペプ
チド研究所から購入したものを用いた。
【0046】以下にヒト白血球由来エラスターゼに対す
る阻害活性値(IC50)を示す。 実施例1で得られた化合物 IC50=3μM 実施例2で得られた化合物 IC50=1μM 実施例4で得られた化合物 IC50=1μM
【0047】実施例7 2−イソペンチル−5−メチルヘキサノヒドロキサム酸
(実施例4で得られた化合物)10gと大豆油10gを
常法により混合し、これをゼラチン:グリセリン:水=
50:15:35の組成のゼラチン溶液からなるシート
で被包して、一錠中に100mgの有効成分を含有する
軟カプセル剤100錠を得た。
【0048】
【発明の効果】本発明により提供されるヒドロキサム酸
誘導体(I)またはその塩は、優れたヒト白血球エラス
ターゼ阻害作用を有している。従って、ヒドロキサム酸
誘導体(I)またはその塩を有効成分として含有する医
薬組成物はヒト白血球エラスターゼ阻害剤として有用で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ炭素原子数3〜10
    のアルキル基を表し、R3 は水素原子、カルボキシル
    基、アルキルオキシカルボニル基またはベンジルオキシ
    カルボニル基を表し、R4 は水素原子、炭素原子数1〜
    5の低級アルキル基またはベンジル基を表す。)で示さ
    れるヒドロキサム酸誘導体またはその薬理学的に許容さ
    れる塩。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I) 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ炭素原子数3〜10
    のアルキル基を表し、R3 は水素原子、カルボキシル
    基、アルキルオキシカルボニル基またはベンジルオキシ
    カルボニル基を表し、R4 は水素原子、炭素原子数1〜
    5の低級アルキル基またはベンジル基を表す。)で示さ
    れるヒドロキサム酸誘導体またはその薬理学的に許容さ
    れる塩を有効成分として含有するヒト白血球エラスター
    ゼ阻害剤。
JP34516893A 1993-12-20 1993-12-20 ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤 Pending JPH07173127A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34516893A JPH07173127A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34516893A JPH07173127A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07173127A true JPH07173127A (ja) 1995-07-11

Family

ID=18374752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34516893A Pending JPH07173127A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07173127A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0941218B1 (en) Antithrombotic organic nitrates
EP0576941B1 (en) N-benzoylamino acid derivatives, pharmaceutical compositions containing them and process for preparing same
EP0184550B1 (de) 5-Amino-4-hydroxyvalerylamid-Derivate
JPS6256458A (ja) 新規なアミノ酸誘導体
PT101027A (pt) Peptideos, processo para a sua preparacao e sua utilizacao como compostos farmaceuticos
DE19510566A1 (de) Benzazepin-, Benzoxazepin- und Benzothiazepin-N-essigsäurederivate sowie Verfahren zu ihrer Herstellung und diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel
JPH0657685B2 (ja) 5α―リダクターゼ阻害活性を有するベンゾイルアミノフェノキシブタン酸誘導体、それらの製造方法およびそれらを含有する薬剤
KR940003297B1 (ko) 1,3,2-디옥사티오렌옥시드 유도체
US6300337B1 (en) Acetamide derivative and use thereof
JPH0741459A (ja) 新規エラスターゼ阻害剤
JPH04217950A (ja) ヒドロキサム酸誘導体および酵素阻害剤ならびに抗潰瘍剤
JP2872748B2 (ja) フルオロアミド誘導体
JPH026452A (ja) シクロメチレン―1,2―ジカルボン酸類のアミド類
US5281717A (en) Epoxysuccinamic acid derivatives
JPH0259145B2 (ja)
EP1208089B1 (en) Diazocin-dione derivatives and their use as tryptase inhibitors
JPH03505583A (ja) 抗高血圧剤としてのアミノアルキルアミノカルボニルアミノジオールアミノ酸誘導体
JPH07173127A (ja) ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするエラスターゼ阻害剤
US4490388A (en) Amidine compound and anticomplement agent comprising same
JPH0848664A (ja) 新規なグアニジノ安息香酸エステル誘導体
JPH0581586B2 (ja)
JPH082791B2 (ja) 健忘症治療剤
JPH0776211B2 (ja) ピログルタミン酸誘導体
JPH09227495A (ja) フェノール誘導体及びその製法
US4698354A (en) 4-methoxy-isophthalic acid derivative having a pharmacological activity in thromboembolic disorders