JPH07173119A - ジメチルアセトアミドの精製方法 - Google Patents

ジメチルアセトアミドの精製方法

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JPH07173119A
JPH07173119A JP32021293A JP32021293A JPH07173119A JP H07173119 A JPH07173119 A JP H07173119A JP 32021293 A JP32021293 A JP 32021293A JP 32021293 A JP32021293 A JP 32021293A JP H07173119 A JPH07173119 A JP H07173119A
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JP
Japan
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dmac
dimethylacetamide
distillation
ppm
acid content
Prior art date
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Pending
Application number
JP32021293A
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English (en)
Inventor
Masami Okago
雅己 尾籠
Naotaka Kobayashi
直孝 小林
Yoshinori Ono
義徳 大野
Koichi Shirai
幸一 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】脱色装置を用いずに、蒸留操作のみで高純度で
着色の少ないDMACを製造する。 【構成】ジメチルアセトアミドを蒸留精製するに際し、
予めジメチルアセトアミド中の酸分を1000ppm以
下に調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジメチルアセトアミド
(以下、DMACと称する)の精製法に関し、詳しくは
蒸留操作により着色の少ないDMACを製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】DMACは強い溶解力をもった極性非プ
ロトン溶媒であり、沸点が高いこと、引火点が高いこ
と、熱的にも化学的にも安定であること等の特性があ
り、各種の溶媒に用いられている。例えば、その大きな
溶解力から合成樹脂あるいは合成繊維の製造あるいは加
工の工程において溶剤として使用され、医薬製造の分野
では各種抗生物質等の製造時に難溶化合物の反応溶剤、
抽出溶媒として使用されている。またDMACは、不活
性溶媒あるいは極性溶媒として種々の反応を促進するこ
とから反応溶媒としても用いられ、工業上有用な物質で
ある。
【0003】粗DMACは工業的に次のジメチルアミン
と酢酸の反応により製造される。
【化1】 (CH3 2 NH + CH3 COOH → (CH3 2 NCOCH + H2 O (1)
【0004】上記反応により得られた粗DMACには、
未反応のDMAC、酢酸および生成水と、微量の副反応
成分が含まれており、通常、複数の蒸留塔による精製が
行われる。DMACの製造法としては、特開昭53-82716
号にジメチルアミンと酢酸の反応により得られたジメチ
ルアセテートをMoO3 触媒の存在下、加熱分解する方
法が記載されており、特公昭62-10221号、特公平4-5663
号などに溶媒として使用したDMACの回収法が記載さ
れている。
【0005】近年環境に対する配慮であるとか資源の有
効利用が叫ばれており、前述の如き各用途において溶剤
の回収及び再利用が進められている。使用済のDMAC
溶媒を再利用する場合には種々の成分が含まれており、
上記の如き回収法が提案されているが、いずれの場合に
もDMACの精製が必要であり、一般に抽出や蒸留操作
による精製が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】DMACの精製蒸留は
DMACの強い親和力のために沸点差がある物質との分
離でも困難である。またDMACは微量含有する金属物
質や、低沸点又は高沸点の不純物質、紫外線などによる
変質により着色し易い。従ってDMACの蒸留の諸条件
は非常に厳しいものとなり、蒸留時の着色を避けること
が困難である。近年業界においては着色の少ないAPH
Aで10以下の高純度な製品が要求されているが、蒸留
操作によって得られるDMACは濃度を高くすればする
ほど逆に着色の度合いが増すのでこの要求を満足するこ
とができず、蒸留操作の後に更に活性炭などの各種脱色
材による脱色操作が行われている。
【0007】しかしながらこのような脱色材による脱色
操作はその装置と多くの労力が必要であり、DMACの
精製コストが大きくなる。本発明の目的は、このような
脱色装置を用いずに、蒸留操作のみによりDMAC濃度
99.9%以上の高純度で着色の少ないDMACを製造
する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を有するDMACの精製法について鋭意検討し結
果、DMACは蒸留原料に着色不純物が無くとも着色
し、水または酸分の存在下でのDMACの分解による生
成物質が反応により発色性の塩基を生成して着色すると
いう知見を得、蒸留塔に供給するDMAC中の酸分を特
定濃度以下とすることにより、この着色を防ぎつつDM
ACを精製できることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、ジメチルアセトアミド
を蒸留精製するに際し、予めジメチルアセトアミド中の
酸分を1000ppm以下に調製することを特徴とする
ジメチルアセトアミドの精製方法である。
【0010】本発明において精製に用いられるDMAC
は特に制限されず、前述のジメチルアミンと酢酸の反応
により得られる粗DMACにも、また各種溶媒等に使用
した後の回収DMACにも適用される。蒸留操作の方式
としては、回分式でも連続式でも良く、蒸留塔には理論
段数5〜20段程度の充填塔や棚段塔が用いられる。
【0011】本発明において蒸留に供給するDMACの
酸分を予め1000ppm以下、好ましくは600pp
m以下に調製する。この酸分調製方法としては、例えば
イオン交換樹脂を用いる方法、アルカリによる酸分の固
定(アルカリ性物質の添加)、或いは蒸留操作などの方
法が用いられる。供給するDMACの酸分は、中和滴定
により測定されるが、水素イオン濃度PHより推測する
こともできる。
【0012】こうして酸分が1000ppm以下に調製
されたDMAC液を蒸留することにより、蒸留塔の上部
よりH2 O分や微量の低沸点成が分離され、塔底より精
製DMACが分離される。DMACの蒸留は、通常、絶
対圧90〜150mmHg程度の減圧下で行われ、塔底
温度は100〜120℃である。精製DMAC中の酸分
は100ppm以下、好ましくは60ppm以下とする
ことにより着色度がAPHAで10以下のDMACが得
られる。なお供給するDMAC中に高沸点成分が含まれ
る場合には、蒸留操作等により予め高沸点成分を分離す
ることが必要である。
【0013】発明者等は蒸留操作時におけるDMACの
着色はシッフ塩基によるものであることを確認してお
り、これはDMACと酸分が存在する時に加水分解が起
こり、次のような反応によりシッフ塩基が生成するもの
と見られる。なおこの反応において酸素の介在が必要と
なるが、これは蒸留操作が減圧で蒸留を行われるので、
この際の極微量の空気の洩れ込みがその供給源となる。
【0014】
【化2】 (CH3 2 NCOCH3 + H2 O → (CH3 2 NH + CH3 COOH (2) (CH3 2 NH + 1/2O2 → (CH3 2 NOH (3) (CH3 2 NOH → CH3 NH2 + HCHO (4) CH3 NH2 + HCHO → CH3 NHCH2 OH (5) CH3 NHCH2 OH → CH3 N=CH2 (シッフ塩基) + H2 O (6)
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例により本発明を更に具体
的に説明する。但し本発明は次の実施例により制限され
るものではない。なお各実施例および比較例において酸
分の測定はDMAC試料5mlを純水100mlで希釈
してNaOHによる滴定を行い、APHAの測定はAS
TM(D/209−79)の方法によって行った。
【0016】実施例1 ジメチルアミンと酢酸の反応により得られた粗DMAC
(未反応アミン、低沸点成分および高沸点成分を分離し
たもので酸分400ppm、水分150ppm)の蒸留
を行った。蒸留は塔径300mm、理論段数10段の充
填塔を用いて供給液量150kg/hr、塔頂圧力98
mmHg、塔底温度106℃、還流比5の条件で行い、
塔底より139kg/hrの精製DMACを得た。精製
DMACの純度は99.9重量%、酸分49ppm、水
分54ppmであり、APHA測定の結果は5であっ
た。
【0017】実施例2 実施例1と同様の方法で粗DMAC(酸分800pp
m、水分200ppm)の蒸留を行った。蒸留条件は供
給液量175kg/hr、塔頂圧力100mmHg、塔
底温度105℃、還流比3の条件で行い、塔底より14
8kg/hrの精製DMACを得た。精製DMACの純
度は99.9重量%、酸分72ppm、水分63ppm
であり、APHA測定の結果は5であった。
【0018】比較例1 実施例2と同様の方法で粗DMAC(酸分1500pp
m、水分320ppm)の蒸留を行った。得られた精製
DMACの純度は99.9重量%、酸分137ppm、
水分124ppmであり、APHA測定の結果は15で
あった。
【0019】比較例2 実施例2と同様の方法で粗DMAC(酸分2500pp
m、水分540ppm)の蒸留を行った。得られた精製
DMACの純度は99.9重量%、酸分221ppm、
水分191ppmであり、APHA測定の結果は20で
あった。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法により、活性炭などの各種
脱色材による脱色操作を行わずに、着色度の低い高純度
のジメチルアセトアミドが工業的に有利に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 幸一 新潟県新潟市松浜町3500番地 三菱瓦斯化 学株式会社新潟工業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジメチルアセトアミドを蒸留精製するに際
    し、予めジメチルアセトアミド中の酸分を1000pp
    m以下に調製することを特徴とするジメチルアセトアミ
    ドの精製方法
JP32021293A 1993-12-20 1993-12-20 ジメチルアセトアミドの精製方法 Pending JPH07173119A (ja)

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