JPH07172935A - セラミックバインダーおよびその使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 高帯電金属ヒドロキシカチオンと、水性ゾル
を形成できる１種類またはそれ以上の低帯電金属ヒドロ
キシカチオンとの混合物のゾル−ゲルからなるセラミッ
クウエアを形成し加工するたのセラミックバインダー。 【効果】 焼成前の原料セラミックの乾燥時間が、本発
明のセラミックバインダーを使用した際に減少する。原
料セラミックの損傷が鋳込用スリップまたは原料セラミ
ックの亀裂または分解を単にバインダーを充填すること
によって修復することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セラミックウエアに関
するものであり、詳しくは複雑な形状を有する大きな、
損傷のないセラミックウエアの形成および加工を可能と
するセラミックバインダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】セラミックウエアの製造に最も一般に使
用されている形成法は、コールド形成法であり、これは
周囲温度での押出またはドライ加工並びに鋳込成形を包
含する。

【０００３】押出およびドライ加工法は単純な形状を有
するセラミック製品を形成する際に一般に使用されてい
る。より複雑な形状を有するセラミック製品は、鋳込成
形により形成される。

【０００４】鋳込成形において、通常水中のセラミック
材料の固形粒子の懸濁液を、パリプラスターの多孔性の
鋳型へ注入し、形成が粒子の半剛性状態への再水和によ
る水の部分的な除去による粒子の固化によって達成され
る。

【０００５】鋳込製品の乾燥は、製品の仕上げのにおけ
る臨界的操作を表す。水を脱水の際の収縮により引き起
こされる原料セラミックへの欠損を導入することなしに
注意深く除去しなければならない。原料セラミックの亀
裂および損傷を減少するために、通常の乾燥時間は、厚
さ１ｃｍの原料セラミック成分について５〜７日のオー
ダーである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、進歩し
たセラミック成分の製造の際の乾燥時間が高帯電粒子と
低い特定の帯電を有する粒子とからなるセラミックバイ
ンダーを使用すると著しく減少することができるという
ことを見出した。

【０００７】

【課題を解決するための手段】従って、本発明の広い態
様は、高帯電金属ヒドロキシカチオンと、水性ゾルを形
成できる１種類またはそれ以上の低帯電金属ヒドロキシ
カチオンとの混合物のゾル−ゲルからなるセラミックウ
エアを形成し加工するたのセラミックバインダーに関す
る。

【０００８】セラミックバインダーに使用される低帯電
ヒドロキシカチオンがアルミニウム、珪素、ジルコニウ
ム、チタン、鉄およびニッケルの水酸化物からなる群か
ら選択されるのが好ましい。

【０００９】本発明による特に好ましいセラミックバイ
ンダーは、ベーマイト構造を有する水酸化アルミニウム
と一般式： 〔ＡｌＯ₄ Ａｌ₁₂（ＯＨ）₂₄・２０Ｈ₂ Ｏ〕⁷⁺，７Ｘ^- （式中ＸはＣｌ^- および／またはＮＯ₃ ^- である）を有
する高帯電アルミニウムトリデカマーと混合したゾル−
ゲルから構成される。

【００１０】本発明によるセラミックバインダーは、塩
酸または硝酸で１．５ないし４のｐＨ値、好ましくは２
ないし３のｐＨ値に酸性化された水中の低帯電金属ヒド
ロキシカチオンのゾルを製造し；７０℃ないし１２０℃
の温度で１．５ないし４のｐＨ値で、好ましくは２ない
し３のｐＨ値で３％ないし１２重量％を有するゾル−ゲ
ルが得られるまで該ゾルを加熱し；そして場合により該
ゾル−ゲルを濾過し；次いで該ゾル−ゲルに該ゾル−ゲ
ル中の低帯電金属ヒドロキシカチオンの塩１０ｇ当たり
０．０５〜７ｇ、好ましくは０．１〜３ｇ、最も好まし
くは０．５〜２ｇの塩を含有する高帯電金属ヒドロキシ
カチオンの塩の水溶液を添加することによって得られ
る。

【００１１】鋳込成形によるセラミック成分の形成に使
用する際に、耐火性オキサイド、例えばアルミナ、シリ
カ、クロミア、ジリコニア、酸化ニッケル等の粉末およ
び／または繊維をバインダーおよびセラミックの全量に
基づいて計算して９０重量％までの量でセラミックバイ
ンダーに注入しる。これによって、２０℃ないし６０℃
で乾燥した際にスリップキャスティングは、型内で約３
０分後に離型し約３時間後に加工される。巨大サンプル
のために１日半まで更に乾燥することが好ましい。

【００１２】このようにして得られた乾燥原料セラミッ
クを最後に通常の焼成により緻密化する。先に記載した
通り、焼成前の原料セラミックの乾燥時間は、本発明の
セラミックバインダーを使用せずに製造した原料セラミ
ックに関する５〜７日からセラミックバインダーの使用
により約３〜３６時間に減少する。実際の乾燥時間長さ
は、鋳込用のスリップに使用されるセラミック材料およ
び原料セラミックの形状および寸法に依存する。

【００１３】本発明によるセラミックバインダーの別の
利点として、原料セラミックの損傷がキャスティングス
リップまたは原料セラミックの亀裂または分解を単にバ
インダーを充填することによって修復することができ
る。

【００１４】

【実施例】本発明の上記の態様および特徴が、本発明の
特定の態様を説明する以下の実施例によって明らかにな
ろう。 例１ ベーマイト構造を有する低帯電金属ヒドロキシカチオン
およびアルミニウムトリデカマーからなる本発明による
セラミックバインダーの製造 ベーマイトゾルを１０ｇの市販ベーマイト粉末（Ｘａｔ
ａｐａｌ Ｄ，Ｖｉｓｔａ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍ
ｐａｎｙ，米国社製）を硝酸でｐＨ値２に酸性化された
脱イオン水に添加することによって製造する。

【００１５】製造されたベーマイト構造を６〜１０重量
％のゾルが得られるまで３〜５時間８０〜９０℃まで加
熱することによって活性化する。活性化の際にゾルのｐ
Ｈ値を濃硝酸の滴下により連続的に２に調整する。

【００１６】次いで、このゾル−ゲルを濾過により精製
して抽出可能な粒子を除去する。最終バインダーをこの
ゾル−ゲルにアルミニウムトリデカマー（Ｌｏｃｒｏｎ
Ｓ，ドイツ，Ｈｏｅｃｈｓｔ社製）の５０重量％溶液２
ｇを添加し、そして１時間ｐＨ２〜３で攪拌し続けるす
ることによって製造する。 例２ 本発明のセラミックバインダーの使用によるセラミック
体の製造 アルミナ鋳込用チップを、アルミナ粉（Ａｌｏｃａ Ａ
１６ ＳＧ，米国Ａｌｏｃａ社製）を例１で製造した
ベーマイトバインダーに添加することによって製造す
る。アミルミナ粉を、８５重量％のアルミナ粉が得られ
るまでキャスティングチップに添加する。

【００１７】このようにして製造された鋳込用のチップ
を高さ２ｃｍの長方形内部を有するパリプラスターの型
に注ぐ。スリップを室温で３０分後に離型し、３時間後
に孔について機械処理し、次いで５０℃の温度で更に２
０時間乾燥する。グリーンボディを引き続いて１５５０
℃で２時間焼成する。

【００１８】焼成セラミック体の強度および靱性を従来
の４点曲げ試験および１３６°のチップ角度を有するダ
イアモンドピラミッドが付されたＶｉｃｋｅｒｓ硬度試
験で試験する。

【００１９】試験結果を以下に纏めて示す。 従来法で製造されたセラミックウエアの強度に対する対
応する値は、約２５０ＭＰａであり、破壊靱性は約３Ｍ
Ｐａ ｍ^1/2 である（Ｗ．Ｄ．Ｋｉｍｇｅｒｙ，Ｉｎｔ
ｒｏｄｕｃｔｉｏｎ ｔｏ Ｃｅｒａｍｉｃｓ，第７９
１頁、第２版、Ｊｏｈｎ Ｗｉｅｌｙ ａｎｄ Ｓｏｎ
ｓ）。

【００２０】

【効果】焼成前の原料セラミックの乾燥時間が、本発明
のセラミックバインダーを使用した際に減少する。原料
セラミックの損傷が鋳込用スリップまたは原料セラミッ
クの亀裂または分解を単にバインダーを充填することに
よって修復することができる。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高帯電金属ヒドロキシカチオンと、水性
   ゾルを形成できる１種類またはそれ以上の低帯電金属ヒ
   ドロキシカチオンとの混合物のゾル−ゲルからなるセラ
   ミックウエアを形成し加工するたのセラミックバインダ
   ー。
2. 【請求項２】 低帯電ヒドロキシカチオンがアルミニウ
   ム、珪素、ジルコニウム、チタン、鉄およびニッケルの
   水酸化物からなる群から選択される請求項１のセラミッ
   クバインダー。
3. 【請求項３】 低帯電ヒドロキシカチオンがベーマイト
   構造を有する水酸化アルミニウムである請求項２のセラ
   ミックバインダー。
4. 【請求項４】 高帯電金属ヒドロキシカチオンが一般
   式： 〔ＡｌＯ₄ Ａｌ₁₂（ＯＨ）₂₄・２０Ｈ₂ Ｏ〕⁷⁺，７Ｘ^- （式中ＸはＣｌ^- および／またはＮＯ₃ ^- である）を有
   するアルミニウムトリデカマーである請求項１または２
   のセラミックバインダー。
5. 【請求項５】 高帯電金属ヒドロキシカチオンが低帯電
   金属ヒドロキシカチオン１０ｇ当たり０．０５〜７ｇ、
   好ましくは０．１〜３ｇ、最も好ましくは０．５〜２ｇ
   を構成する請求項１のセラミックバインダー。
6. 【請求項６】 塩酸または硝酸で１．５ないし４のｐＨ
   値、好ましくは２ないし３のｐＨ値に酸性化された水中
   の低帯電金属ヒドロキシカチオンのゾルを製造する段
   階；７０℃ないし１２０℃の温度で１．５ないし４のｐ
   Ｈ値で、好ましくは２ないし３のｐＨ値で３％ないし１
   ２重量％を有するゾル−ゲルが得られるまで該ゾルを加
   熱する段階；および場合により該ゾル−ゲルを濾過する
   段階；最後に該ゾル−ゲルに該ゾル−ゲル中の低帯電金
   属ヒドロキシカチオンの塩１０ｇ当たり０．０５〜７
   ｇ、好ましくは０．１〜３ｇ、最も好ましくは０．５〜
   ２ｇの塩を含有する高帯電金属ヒドロキシカチオンの塩
   の水溶液を添加する段階からなる請求項１ないし５のい
   ずれか一つのセラミックバインダーを製造する方法。
7. 【請求項７】 耐火性オキサイドの粉末および／または
   繊維からなるセラミック材料の鋳込成形によりセラミッ
   クウエアを形成し加工するのに請求項１ないし５のいず
   れか一つのセラミックバインダーを使用する方法。
8. 【請求項８】 該粉末および／または繊維をバインダー
   粉末および／または繊維の全量に基づいて計算して９０
   重量％までの量でセラミックバインダー中に分散する請
   求項７の使用方法。
9. 【請求項９】 セラミックウエアの加工が原料セラミッ
   クウエアの修復および糊付けを包含する請求項７の使用
   方法。