JPH07171536A - 廃アスベスト材の溶融処理装置 - Google Patents

廃アスベスト材の溶融処理装置

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JPH07171536A
JPH07171536A JP5320093A JP32009393A JPH07171536A JP H07171536 A JPH07171536 A JP H07171536A JP 5320093 A JP5320093 A JP 5320093A JP 32009393 A JP32009393 A JP 32009393A JP H07171536 A JPH07171536 A JP H07171536A
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furnace
bag
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waste asbestos
melting
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松壽 宇崎
Kenzou Mutsumachi
謙三 六町
Hachiro Fujishiro
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、アスベストを、何等の添加物を加え
ず、かつ装置外に洩れることなく、飛散ならびに流出の
生じず、かつ減容に優れた無害の物質に処理する廃アス
ベストの溶融処理装置を提供することにある。 【構成】密閉にした電気溶融炉1を設け、炉蓋7を貫通
して投入シュ−ト11を設け、投入シュ−トの端部に、
廃アスベスト材Aを入れたプラスチック製袋Bを投入シ
ュ−トへ導く投入部17を設け、投入された袋を投入シ
ュ−トへ押込む装置23,26を設け、投入シュ−ト内
に押込まれた袋を保持させながら下方へ導くシュ−ト路
15を設け、投入シュ−トの端部に排出口16を設け
た。これにより、廃アスベスト材が入った袋を、押込み
によりシュ−ト路内で圧縮充填させ、多段に重なる状態
の下端から順次塊状の廃アスベスト材を排出口から溶湯
スラグに投入して、飛散ならびに流出の生じない無害な
物質に溶融処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃建築材などアスベス
トを含む廃アスベスト材を溶融処理する廃アスベスト材
の溶融処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アスベストは、極めて微細な繊維状物質
からなり、高い抗張力を有し、かつ耐酸性はやや劣るも
のの耐アルカリ性に優れている。このため、アスベスト
はその高い安定性が評価されて建築材料、ディスクブレ
−キ、ガスケットなどの工業製品に広く使用されてい
る。
【0003】ところで、アスベストは、廃棄する場合そ
の蓄積性が問題とされている。そこで、従来、こうした
アスベストの処理、例えば廃建築材などアスベストを含
む廃アスベスト材の処理は、アスベストが外部に飛散・
流出しない処理を施して、そのまま埋立地に埋め立てた
り、コンクリ−トと混合固化して埋立地に埋め立ててい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
処理は、安定かつ蓄積性のある鉱物繊維というアスベス
トの特性については何等の改変も加えず、単に飛散・流
出防止という観点の一時的な対策であるので、埋立地の
状況が変化すればアスベストが外部に飛散するおそれを
もっている。
【0005】すなわち、前者のアスベストの特性と形状
を保ったまま単に飛散・流出防止の処理を施して埋立地
に廃棄する処理は、将来、飛散・流出防止の処置が破損
して、再度、廃アスベスト材が露出することが考えら
れ、このような場合、露出する廃アスベスト材からアス
ベストが飛散したり流出したりすることがある。
【0006】また後者のコンクリ−トで固化して埋立地
に廃棄する処理は、固化したコンクリ−トが破壊された
り風化などで破損することも考えられ、このような場
合、廃アスベスト材からアスベストが分離し、飛散した
り流出したりすることがある。
【0007】そこで、このような問題点を解決するため
に、近時は、特開平5−138147号公報に開示され
ているように廃アスベスト材に酸化アルミニウムを添加
して成分を調整し、これを1220℃以上の温度で焼成
して、窯業製品とする方法が提案されている。
【0008】そこで、同方法を用いて生成される、廃ア
スベスト材の生成物を埋立処理物とすることが考えられ
る。ところが同方法は、添加する酸化アルミニウムの調
達が必要になる上、同添加材料を入れるといった作業が
必要である。
【0009】しかも、生成物は、添加した酸化アルムニ
ウムの量に相当する分が増加するので、埋立処理物の量
をそれだけ増やす結果となり良いものではない。本発明
は、このような事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、アスベストを、何等の添加物を加え
ず、かつ装置外に洩れることなく、飛散ならびに流出の
生じない、かつ減容に優れた無害の物質に処理すること
ができる廃アスベスト材の溶融処理装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した廃アスベスト材の溶融処理装置
は、炉体と炉蓋とを組み合わせてなり、炉内を密閉にし
てなる電気溶融炉を設け、上記炉蓋に炉内外方向に沿っ
て貫通して投入シュ−トを設け、この投入シュ−トの炉
外に臨む端部に、廃アスベスト材を密閉収容したプラス
チック製の収容袋を上記投入シュ−トへ導くための投入
部を設け、この投入部から投入された上記収容袋を上記
投入シュ−トへ押込む押込装置を設け、上記投入シュ−
ト内に上記押込装置で押込まれた収容袋を保持させなが
ら下方へ導くシュ−ト路を設け、上記投入シュ−トの炉
内に臨む端に、上記シュ−ト路の下端から上記収容袋を
炉内に排出させる排出口を設けたことにある。
【0011】請求項2に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、上記目的に加え、簡単な構造で、投入シュ
−ト内を、廃アスベスト材が密閉収容された収容袋が所
期に下降するように、請求項1に記載のシュ−ト路を、
圧縮により収容袋の動きを止める通路径に定めた通路か
ら構成したことにある。
【0012】請求項3に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、上記目的に加え、収容袋に収容された廃ア
スベスト材を円滑に溶解させるために、シュ−ト路の端
部を、炉内で溶融している溶湯スラグの湯面の近くまで
延ばし、この溶湯スラグに近い端部分に同部分を冷却す
るための冷却部を設けたことにある。
【0013】請求項4に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、上記目的に加え、電気溶融炉内に発生して
いる極めて微細なばいじんも装置外に洩れることなく処
理するために、請求項1に記載した構成に加え、電気溶
融炉にガスダクトを介して接続され、炉内の雰囲気中に
含まれるばいじんを捕集する集塵装置と、この集塵装置
で捕集したばいじんをプラスチック製の収容袋に密閉収
容する収容装置とを設けたことにある。
【0014】請求項5に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、上記目的に加え、溶融処理した際に発生す
る可燃性ガスを処理するために、請求項4に記載したガ
スダクト内に燃焼装置を設けたことにある。
【0015】請求項6に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、上記目的に加え、操業停止時、炉内に残存
する廃アスベスト材が装置外へ洩れないようにするため
に、請求項1あるいは請求項4に記載の溶融処理装置に
おいて、電気溶融炉の運転停止時、押込装置を操作して
シュ−ト路内の全収容袋を炉内に排出させる手段と、投
入部に、電気溶融炉の運転停止時、当該投入部の投入口
の閉塞する蓋とを設けたことにある。
【0016】請求項7に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置は、同じく請求項1あるいは請求項4に記載の
廃アスベスト材の溶融処理装置において、電気溶融炉の
運転停止時、押込装置を操作してシュ−ト路内の全収容
袋を炉内に排出させる手段と、電気溶融炉の運転停止
時、耐熱性繊維を収容したダミ−の収容袋をシュ−ト路
の下部に充填させる手段とを設けたことにある。
【0017】
【作用】請求項1に記載した廃アスベスト材の溶融処理
装置によると、廃アスベスト材を密閉収容してあるプラ
スチック製の収容袋を順次、投入部から投入する。な
お、廃アスベスト材は収容袋で密閉されているので、投
入までの作業の際において、外部に飛散することはな
い。
【0018】投入された収容袋は、押込装置により、投
入シュ−トへ順次押込まれる。ここで、投入シュ−トの
シュ−ト路は、収容袋を保持する通路から構成されてい
るから、収容袋は、自然落下でなく、押込みにしたがっ
てシュ−ト路内で保持されながら下降する。
【0019】これにより、収容袋はシュ−ト路内では多
段に重なる状態となる。一方、排出口に近い収容袋は、
袋自身が電気溶融炉の熱により消失し、廃アスベスト材
のみの塊状となる。
【0020】この塊状の廃アスベスト材が、投入シュ−
トの排出口から溶湯スラグに投入される。すると、廃ア
スベスト材は、電気溶融炉でその融点温度以上に加熱さ
れている溶湯スラグに溶解される。
【0021】これにより、廃アスベスト材は、飛散なら
びに流出の生じない物質に溶融処理される。こうして処
理された物質は、何等の添加物も加えていないから減容
にも優れているものとなる。
【0022】また溶融処理中、投入シュ−ト内は、多段
に重なる収容袋自体が蓋体となるから、炉内に存する微
細なばいじんが装置外へ洩れることはない。この結果、
有害となるアスベストは、全く装置外へ洩らさず、かつ
飛散・流出のおそれなく、さらには減容に優れた物質に
処理される。
【0023】請求項2に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置によると、廃アスベスト材が密閉収容された収
容袋は、押込装置の押込みにしたがい、全体が圧縮され
て、シュ−ト路に順次、押込まれる。
【0024】これにより、シュ−ト路内では収容袋は、
廃アスベスト材の弾性で壁面に当接して、摩擦により通
路内に保持されながら、すなわち動きがとどまるように
保持される。
【0025】このことは、通路径を所定に定めたシュ−
ト路を用いるだけの構成により、廃アスベスト材を密閉
収容した収容袋は、投入シュ−ト内を上記押込みにした
がい重なりながら下降させられることとなる。
【0026】請求項3に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置によると、溶湯スラグの近いシュ−ト路の端部
分に設けた冷却部により、溶湯スラグによる温度上昇を
抑えて、収容された廃アスベスト材が排出口の近くに至
るまでは溶融消失しないようにしている。
【0027】これにより、シュ−ト路内の廃アスベスト
材は、溶湯スラグ面に近い位置から、溶湯スラグへ潜没
される。この結果、ブリッジが形成されることなく、廃
アスベスト材を溶湯スラグで溶解させることが可能とな
る。
【0028】請求項4に記載した廃アスベスト材の溶融
処理装置によると、上記請求項1に記載した廃アスベス
ト材の溶融処理中、電気溶融炉内において発生している
極めて微細なばいじんは、ガスダクトを通じ、集塵装置
に導かれて捕集される。
【0029】この捕集されたばいじんは、収容装置に
て、プラスチック製の収容袋に密閉収容される。このば
いじんを収容した収容袋を、再び投入部へ投入すること
により、同ばいじんの処理も行える。
【0030】これにより、一切、有害となるアスベスト
を含む物質は装置外に洩れずに、廃アスベスト材の溶融
処理を行うことが可能となる。請求項5に記載した廃ア
スベスト材の溶融処理装置によると、プラスチック製の
収容袋のガス化で発生する可燃性炭化水素、その他可燃
性ガスは、集塵装置に至る前段で、燃焼装置により燃焼
されて、無害な炭酸ガスと水蒸気になる。
【0031】これにより、アスベスト、ばいじんだけで
なく、溶融処理した際に発生する可燃性ガスも処理され
る。請求項6に記載した廃アスベスト材の溶融処理装置
によると、操業停止時には、投入部の投入口を閉塞し、
押込装置の操作によりシュ−ト路内の全収容袋を炉内へ
排出させる。
【0032】これにより、操業を停止しても、炉内に残
存する廃アスベスト材、ばいじん、ガスなどが装置外へ
洩れることはない。請求項7に記載した廃アスベスト材
の溶融処理装置によると、操業停止時には、押込装置の
操作によりシュ−ト路内の全収容袋を炉内へ排出させ
る。
【0033】ついで、今までの廃アスベスト材を収容し
た収容袋に代えて、耐熱性繊維を収容したダミ−の収容
袋をシュ−ト路の下部内に充填させる。これにより、シ
ュ−ト路は、ダミ−の収容袋の充填によってシ−ルされ
るから、請求項6のときと同様、操業を停止しても、炉
内に残存する廃アスベスト材、ばいじん、ガスなどが装
置外へ洩れることはない。しかも、シュ−ト路は、ダミ
−袋による熱遮蔽によって、溶湯スラグからの熱、高温
の雰囲気から遮られるから、熱害から保護される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図4に示す第1の
実施例にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用し
た廃アスベスト材の溶融処理装置の全体を示し、図中1
は電気溶融炉、例えば電気抵抗式溶融炉(以下、単に溶
融炉と称す)で、2は炉体である。
【0035】炉体2は、図2にも示されるように例えば
鋼製の炉殻3の内側に黒鉛系耐火物で壁を構成して、炉
壁4および炉底5を構成してなる。また炉殻3の外周面
には、周方向に沿って冷却ジャケット6が設けられてい
て、廃アスベスト材Aの融点温度以上、例えば1500
℃の高温に耐えるようにしてある。
【0036】また炉体2の上部開口には、同開口を閉塞
するように炉蓋7が設けられ、炉内を密閉にしている。
炉蓋7は、内面にアルミナ系の不定形耐火物8を設けら
れてなる。また炉蓋7の外面には冷却ジャケット7aが
設けられ、炉体2のときと同様、1500℃の高温に耐
えるようにしてある。
【0037】炉蓋7には、同炉蓋7を貫通して、炭素製
の電極、すなわち黒鉛電極9が設けられている。この黒
鉛電極9は、電極把持装置を有する電極昇降装置(いず
れも図示しない)で昇降自在に把持してある。
【0038】さらに炉蓋7には、廃アスベスト材投入装
置10(以下、単に投入装置10と称す)が設けられて
いる。この投入装置10から投入される対象となる物
は、廃建築材などアスベストを含む廃アスベスト材Aを
所定の大きさのプラスチック製の二重の収容袋Bに密閉
収容した所要の大きさの物であったり、処理中に発生す
るばいじんCを所要の大きさの二重のプラスチック製の
収容袋Bに密閉収容した所要の大きさの物であったりす
る。
【0039】この投入装置10について説明すれば、1
1は炉蓋7を貫通するように設けた投入シュ−トであ
る。投入シュ−ト11は、一端部が耐火物12を介して
炉蓋7に支持され、他端が上方に延びる、上端を閉塞端
とし、下端側を開口端とした筒形の金属製の上部側シュ
−ト11aと、この上部側シュ−ト体11aの下端に連
通接続されて同下端から下方(炉内)に延びる、周壁部
全体に冷却ジャケット13(冷却部に相当)が形成され
た筒状の下部側シュ−ト11bとを有してなる。
【0040】シュ−ト路15は、これら直列に並ぶ下部
側シュ−ト11aおよび下部側シュ−ト11bの内腔部
分で形成される通路15aを利用して形成してある。シ
ュ−ト路15の下端部は、下部側シュ−ト11bの延長
により、溶湯スラグ面の近くまで延びている。そしてこ
のシュ−ト路15の下端は、溶湯スラグ面に臨んで開口
している下部側シュ−ト11bの下端の排出口16に連
通している。
【0041】また上部側シュ−ト11aの炉外に臨む端
部には投入部17が設けられている。投入部17は、図
2に示されるように上部側シュ−ト11aの周壁に連通
接続された投入用ダクト18を有している。投入用ダク
ト18は、水平方向に沿って突き出ていて、端部は閉塞
してある。
【0042】また投入用ダクト18の長手方向中央の上
部壁部分には、上記廃アスベスト材Aを収容した収容袋
B、上記ばいじんCを収容した収容袋Dより大きな開口
を有する投入口19が設けられている。これにより、投
入口19から、投入用ダクト18内へ、廃アスベスト材
Aを収容した収容袋B、ばいじんCを収容した収容袋D
を投入できるようにしてある。
【0043】投入口19には、同投入口19を開閉する
回動式の蓋20が設けられている。この蓋20は、操業
中は常時、開き、操業停止といった休止時には閉じるよ
うに使用するようにしていて、休止時には投入口19を
漏洩がないよう閉塞するものである。
【0044】投入用ダクト18で形成される通路18a
は、上記廃アスベスト材Aを収容した収容袋B、ばいじ
んCを収容した収容袋Dの外形より大きな内径を有する
内腔から構成してある。
【0045】また通路18の端部には、通路18aに沿
って進退可能な投入プッシャ−21が収容されている。
この投入プッシャ−21は、例えばダクト端を貫通する
進退軸22を介して、駆動源としての油圧シリンダ装置
23に連結されている。
【0046】油圧シリンダ装置23は、図2中の二点鎖
線で示す上部側シュ−ト11aの入口位置X1 と、実線
で示す通路端の待機位置X2 との間をストロ−クする機
能を有している。
【0047】この油圧シリンダ装置23のストロ−ク動
によって、投入口19から投入された収容袋Bあるいは
収容袋Dは、投入用ダクト18を通じて、シュ−ト路1
5の入口部に押込めるようにしてある。
【0048】上部側ダクト11aの上端部には、入口位
置X1 側に向って進退可能な押込プッシャ−24が収容
されている。この押込プッシャ−24は、例えばダクト
端を貫通する進退軸25を介して、駆動源としての油圧
シリンダ装置26(油圧シリンダ装置26と共に押込装
置を構成するもの)に連結されている。
【0049】油圧シリンダ装置26は、図2中の二点鎖
線で示す例えば通路18aの下面位置と同一で設定され
た押込位置Y1 と、実線で示すダクト端の待機位置Y2
との間のストロ−クする機能を有している。
【0050】この油圧シリンダ装置26のストロ−ク動
によって、上部側シュ−ト11aの入口に押込まれた収
容袋Bあるいは収容袋Dは、シュ−ト路15に押込める
ようにしてある。
【0051】ここで、シュ−ト路15は、廃アスベスト
材Aを収容した収容袋B、ばいじんCを収容した収容袋
Dの外形より、かなり小さな内径を有する通路15aで
形成されている。具体的には、通路15aは、収容袋
B、収容袋Dが、そのままシュ−ト路15を自然落下せ
ず、押込プッシャ−24の押込みにより圧縮されてシュ
−ト路15に進み、その押込まれた位置にとどまるよう
な内径を有している。
【0052】上記各油圧シリンダ装置23,26は、シ
リンダ駆動装置27を介して、例えばマイクロコンピュ
−タで構成された制御部28に接続されている。また制
御部28には、例えば投入スイッチ、休止スイッチ(い
ずれも図示しない)を有する操作部28aが接続されて
いる。
【0053】制御部28には、投入スイッチが操作され
ると、待機していた投入プッシャ−21、押込プッシャ
−24を順に、入口位置X1 、押込位置Y1 に移動させ
る設定がなされている。
【0054】この設定によって、投入口19から投入さ
れた収容袋B,収容袋Dは、上記シュ−ト路15内を順
に重なりながら、かつ押込プッシャ−24のストロ−ク
の都度、間欠的に下降する。
【0055】上記投入シュ−ト11の冷却ジャケット1
3は、溶融炉1の各冷却ジャケット6,7aと共に、循
環路29a,29bを介して、冷却装置30に接続され
ている。なお、31a,31bはそれぞれ循環路29
a,29bに介装された循環ポンプを示す。
【0056】これにより、溶融炉1は、冷却装置30で
冷却された冷却流体の各冷却ジャケット6,7aへの供
給により、上記1500℃の高温に耐える。また冷却装
置30で冷却された冷却流体の冷却ジャケット13への
供給により、投入された廃アスベスト材A、ばいじんC
は、排出口16のなるべく近くの位置に送られるまで、
溶融消失しないようにしてある。
【0057】また上記制御部28には、上記休止スイッ
チが操作されると、待機していた押込プッシャ−21
を、図4に示されるようにシュ−ト路15の端側に設定
してある休止用の押込位置Y3 に移動させる設定がなさ
れていて、操業を停止するような休止時の際、シュ−ト
路15に残存する全ての収容袋B,収容袋Dを炉内へ投
入できるようにしてある。
【0058】一方、炉蓋7にはガスダクト32が連通接
続されている。このガスダクト32の端部は、図1に示
されるように炉外に延びていて、炉外へ炉内の排ガス
(雰囲気)を導くようにしている。このガスダクト32
の端部には、炉外に設置した集塵装置33に接続されて
いる。
【0059】集塵装置33は、粗粒子用集塵機33aと
微粒子用集塵機33bとを直列に接続して構成してあ
る。微粒子用集塵機33bの出口部は、吸引ファン34
の吸込部が接続されており、吸引ファン34の吸引によ
り、炉内の排ガスを各粗粒子用集塵機33a、微粒子用
集塵機33bに導くようにしている。
【0060】つまり、各粗粒子用集塵機33a、微粒子
用集塵機33bにおいて、排ガスに含まれるばいじんC
を除去するようにしてある。またガスダクト32内に
は、同ガスダクト32内を流れる可燃性ガスを燃焼する
装置として、二次燃焼ト−チ32aが設けられている。
【0061】なお、35は吸引ファン34の吐出部に接
続された煙突を示している。また各集塵機33a,33
bには、捕集されたばいじんCを上記収容袋Dに袋詰め
するための収容装置36a,36bが設けられている。
【0062】各収容装置36a,36bは、例えば集塵
機33a,33bの下部に形成された出口部に、ばいじ
んCを集めるホッパ−37a,37bを有している。ま
た各ホッパ−37a,37bの出口部は、ばいじんCを
外部に搬出する搬出装置として、例えばスクリュ−フィ
−ダ38a,38bを有している。なお、粗粒子用集塵
機33aに設けたホッパ−37a,スクリュ−フィ−ダ
38aは粗粒子用で、微粒子用集塵機33bに設けたホ
ッパ−37b,スクリュ−フィ−ダ38bは微粒子用で
ある。
【0063】また各粗粒子用、微粒子用のスクリュ−フ
ィ−ダ38a,38bを駆動する駆動部としてのモ−タ
39a,39bには、それぞれモ−タ39a,39bを
オンオフする操作部40a,40bが設けられている。
【0064】各粗粒子用、微粒子用のスクリュ−フィ−
ダ38a,38bの出口部には、収容袋Dの口部が装着
可能な口体41a,41bが設けられている。さらに各
口体41a,41bには、上記操作部40a,40bで
開閉操作される開閉機、例えば口体41a,41bの閉
塞位置と開閉位置との間を板状の弁体がスライド動する
構造の封止弁42a,42bが設けられている。
【0065】これにより、収容装置36a,36bは、
いずれも口体41a,41bに収容袋Dの口部を装着し
て、操作部40a,40bをオン操作することにより、
スクリュ−フィ−ダ38a,38bが作動、封止弁42
a,42bが開動作して、各ホッパ−37a,37b内
のばいじんC(粗粒子、微粒子)を袋詰めにできるよう
にしている。また操作部40a,40bをオフ操作する
ことにより、スクリュ−フィ−ダ38a,38bが停
止、封止弁42a,42bが閉動作して、ばいじんCが
周囲に洩れないようにしてある。
【0066】このばいじんCを袋詰めした収容袋Cも、
上記投入口19へ投入させることにより、廃アスベスト
材Aと共にばいじんCも一緒に溶融処理するようにして
ある。
【0067】なお、溶融炉1の炉体2には、図示はしな
いが溶融物を外部に取り出すための出湯スラグ排出口が
設けてある。つぎに、このように構成された溶融処理装
置の作用について説明する。
【0068】まず、溶融炉1を稼働して、炉内に溶湯ス
ラグ43を生成しておく。これには、例えば溶融炉1へ
高温熱源となる炭素粉と、溶湯スラグ源となる原料とを
投入しておき、黒鉛電極9に通電することにより行われ
る。
【0069】これにより、溶湯スラグ源となる原料が溶
解して、炉内に所定の溶湯スラグ43が生成されてい
く。こうして稼働している間、投入部17の周辺には、
現場(廃アスベスト材が発生する場所)から、処理のた
めの二重のプラスチック製の収容袋Bに袋詰めしてある
廃アスベスト材Aを運搬しておく。
【0070】このとき廃アスベスト材Aは、収容袋Bに
密閉収容されているから、運搬の際、有害となされる廃
アスベスト材Aのアスベストは外気に飛散したり流出し
たりすることはない。
【0071】ついで、廃アスベスト材Aの処理作業に入
る。このときは、図3(a)に示されるように蓋20を
開けて、上記収容袋Bを一袋づつ投入し、投入作業毎に
操作部28の投入スイッチを操作する。
【0072】すると、まず、油圧シリンダ装置23が作
動し、図3(b)に示されるように待機位置X2 に在る
投入プッシャ−21が入口位置X1 にまでストロ−ク
し、投入された廃アスベスト材A入りの収容袋Bは、投
入用ダクト18を通じて、上部側シュ−ト11aの入口
部に押込められる。
【0073】ついで、油圧シリンダ装置26が作動し、
図3(c)に示されるように投入プッシャ−21が入口
位置X1 に在る状態から、待機位置Y2 に在る押込プッ
シャ−24が押込位置Y1 にまでストロ−クし、上記入
口部に押込まれた収容袋Bは圧縮されながら、シュ−ト
路15へ押込まれていく。
【0074】ここで、シュ−ト路15の通路15aは、
押込まれた廃アスベスト材A入りの収容袋Bがその位置
にとどまるような内径に設定してあるから、押込プッシ
ャ−24で押込まれた地点に止まる。
【0075】なお、この押込みが終えると、押込プッシ
ャ−24および投入プッシャ−21は元の待機位置X
2 ,Y2 に戻る。こうした投入工程が、収容袋Bを一袋
づつ投入するにしたがい、繰返し行われる。
【0076】すると、シュ−ト路15には、図2に示さ
れるように圧縮された廃アスベスト材A入りの収容袋B
が多段に積み重なるようにして充填される。これによ
り、シュ−ト路15内の収容袋Bは、押込プッシャ−2
4が作動する毎に間欠的に下降していき、最下位の収容
袋Bは次第に排出口16に近づいていく。
【0077】すると、下位に位置するプラスチック製の
収容袋Bは、投入シュ−ト11の高温となっている地点
に達し、プラスチック製の袋自身は、溶湯スラグ43の
熱を受けて、軟化して溶融した後、ガス化(分解)して
消失していく。
【0078】これにより、下位では塊状に詰まった廃ア
スベスト材Aだけとなる。ここで、冷却ジャケット13
には、冷却された冷却流体が流通され、投入シュ−ト1
1の排出口16側を冷却しているから、上記塊状の廃ア
スベスト材Aは、溶湯スラグ43による温度上昇の抑制
により、溶融消失せず、そのまま排出口16に近い地点
(下部側シュ−ト14の下端)にまで導かれる。
【0079】ついで、この塊状の廃アスベスト材Aは、
上記押込プッシャ−24の押込みによる下降にしたが
い、溶湯スラグ面と近い位置にある排出口16から、炉
内へ押出される。
【0080】こうした押込みにより、廃アスベスト材A
は、ブリッジが形成されることなく、円滑に溶湯スラグ
43に押込まれる。すると、塊の廃アスベスト材Aの大
部分は、廃アスベスト材Aの融点温度以上に加熱されて
いる溶湯スラグ43に潜没する。
【0081】ここで、潜没した廃アスベスト材Aは、溶
湯スラグ43との濡れ性が良いから、溶湯スラグ43と
の間で急速に熱交換が行われて速やかに溶解していく。
また廃アスベスト材Aの一部は、排出口16の周りの溶
湯スラグ面上に分散していく。この廃アスベスト材A
は、電極周辺から外側へ向う湯の流れにしたがって炉内
全面の溶湯スラグ面を覆いながら、溶湯スラグ43と接
する部分から溶解していく。
【0082】これにより、廃アスベスト材Aは、効率よ
く溶解される。と同時に拡散によって溶湯スラグ面を覆
う廃アスベスト材Aの層は、溶湯スラグ面からの輻射熱
を遮断して、炉体2および炉蓋7の耐火物を保護してい
く。また同廃アスベスト材Aの層は、溶湯スラグ面から
揮散する重金属酸化物などの大半を捕集して溶湯スラグ
に戻す働きをする。
【0083】かくして、廃アスベスト材Aは、飛散なら
びに流出の生じない無害な物質に溶融処理されることに
なる。またこのように溶融処理された物質は、何等の添
加物も加えていないから減容にも優れたものである。
【0084】さらにこうした溶融処理中、投入シュ−ト
11内は、多段に重なる廃アスベスト材A入りの収容袋
Bが蓋体となってシ−ルするから、炉内に存する微細な
ばいじんが炉外へ洩れることはない。
【0085】つまり、こうした溶融炉1での溶融処理に
より、有害となるアスベストは、何等の添加物を加え
ず、ならびに外気外へ洩らさず、かつ飛散・流出のおそ
れのない、減容に優れた無害な物質に処理される。
【0086】そして、同物質を炉内から取出し、最終的
に埋立処理物として埋立処理するか、再利用すればよ
い。一方、炉内では、こうした廃アスベストAの溶融処
理に伴いガス(プラスチック製の袋の消失に伴い発生す
る可燃性炭化水素、その他の可燃性ガス)、極めて微細
なばいじんCが発生している。
【0087】ここで、ばいじんCといえども若干のアス
ベストを含むので、処理を考えなければならない。そこ
で、集塵系、収容系を利用して、このばいじんCを処理
している。
【0088】すなわち、吸引ファン34は、溶融炉1の
操業にしたがって作動している。これにより、炉内で発
生しているガス、ばいじんCは、ガスダクト32から吸
込まれる。そして、このガスダクト32を通過中、作動
している二次燃焼ト−チ32aにより、可燃性炭化水素
といった袋のガス化に伴い発生する可燃性ガスは燃焼さ
れる。
【0089】この処理により、可燃性ガスは、集塵装置
33a,33bの前段で、無害な炭酸ガスと水蒸気とに
なって取除かれる。残るばいじんCは、ガスダクト32
を通じて、粗粒子用集塵機33aに導かれる。
【0090】そして、同集塵機33aが通過する際、粗
粒子用集塵機33aによって粗粒子のばいじんCが捕集
される。また粗粒子用集塵機33aを通過した微粒子の
ばいじんCは、後段の微粒子用集塵機33aに導かれ、
同集塵機33bを通過の際、微粒子用集塵機33aによ
って微粒子のばいじんCが捕集される。
【0091】各集塵機33a,33bで捕集されたばい
じんCは、各集塵機33a,33bの下部に設けたホッ
パ−37a,37bにそれぞれ溜まっていく。ついで、
これら各ホッパ−37a,37b内のばいじんCを、作
業者によって密閉に袋詰めしていく。
【0092】すなわち、粗粒子用側では、二重のプラス
チック製の収容袋Dの口部を、スクリュ−フィ−ダ38
aの口体41aに装着して、操作部40aをオン操作す
る。すると、封止弁42aは開動作し、口体41aを開
く。またスクリュ−フィ−ダ38aは搬送動作を開始す
る。
【0093】これにより、ホッパ−37a内に溜ってい
た粗粒子のばいじんCは、収容袋D内に収容されてい
く。そして、所定の量、ばいじんCを収容したならば、
操作部40bをオフ操作する。
【0094】すると、封止弁42bは閉動作し、口体4
1bを閉じて密閉し、スクリュ−フィ−ダ38bは搬送
動作が停止して、集塵系、収容系を外気に対して遮断し
ていく。
【0095】これによって、ばいじんCが環境中に飛散
するのが防止される。粗粒子のばいじんCを収容袋Dに
収容した後は、同収容袋Dの口部を密閉的に閉じて、ば
いじんCを密閉状態に収容させておく。
【0096】また微粒子用側でも、同様な作業で、二重
のプラスチック製の収容袋D内に微粒子のばいじんCを
密閉状態に収容させておく。こうした袋詰めされた粗粒
子、微粒子の各ばいじんCを、上記投入口19から、袋
詰めした廃アスベスト材Aと共に投入して、廃アスベス
ト材Aのときと同様、溶融処理し、無害化する。
【0097】このばいじんCの投入量は、溶融炉1の溶
融処理量から求まる割合にしたがって定めており、良好
な操業を維持させている。すなわち、ばいじんCの発生
量は、実験などから、粗粒子、微粒子を合わせて、上記
溶融処理する廃アスベスト材Aに対して、どの位の%で
あるかがわかる。またばいじんCのかさ比重は廃アスベ
スト材Aとほぼ同じある。
【0098】これから、ばいじんCの処理量は分かる。
つまり、上記溶融処理する廃アスベスト材A入りの袋の
数に対して、ばいじんC入りの袋をどれだけの量を投入
すればよいかがわかる(廃アスベスト材Aの投入量と捕
集ばいじん量との比率にほぼ見合う割合)。
【0099】例えば廃アスベスト材A入りの袋の数量、
200袋に対して粗粒子と微粒子のばいじんCが入った
袋を各1袋の割合で、投入口19から投入すればよい。
すると、ばいじんCは、シュ−ト路15を下降中に軟
化、融解、気化するとともに、廃アスベスト材中にサン
ドイッチ状に挟まれ、一部は廃アスベスト材Aに吸着あ
るいは閉じこめられた状態で溶湯スラグ中に押込まれ、
発塵することなく溶解する。また廃アスベスト材Aに吸
着あるいは閉じ込められずに微粉状のまま出ようとする
ばいじんCも、溶湯スラグ表面を覆う廃アスベスト材A
の層に閉じ込められた状態で次第に溶解する。
【0100】これにより、一切、有害となるアスベスト
を含む物質を処理装置外に洩らすことなく、廃アスベス
トAの溶融処理が行える。むろん、廃アスベスト材Aの
撤去を行う場所で使用している飛散防止用のプラスチッ
クシ−ト(現場の周囲にはりめぐらしてアスベストの飛
散を防ぐもので、これにもアスベストが付着している)
を収容袋Bに収容して溶融処理してもよい。この場合、
プラスチックシ−トは、適当に折畳むなど、寸法を整え
て、廃アスベスト材Aと共に袋に投入しておけばよい。
【0101】他方、溶融炉1の定期点検や補修などで操
業を停止するときは、未溶解の廃アスベスト材Aが炉内
に残ることは好ましくない。そこで、このときには収容
袋B,Dの投入を止めて、投入用ダクト18内を空にし
た後、図2中の二点鎖線、および図4の実線に示される
ように投入口19を蓋20で閉じて、操作部28の休止
スイッチを操作する。
【0102】すると、油圧シリンダ装置26の作動によ
り、図4に示されるように押込プッシャ−24は押込位
置Y3 の位置にまでストロ−クし、シュ−ト路15に充
填されていた全ての廃アスベスト材Aは溶湯スラグ43
に投入される。
【0103】これにより、残る全ての廃アスベスト材A
は溶融処理される。このとき、蓋20によって炉内は気
密に保たれているから、炉内に残存する廃アスベスト材
A、ばいじんC、ガスは外部へ洩れることはない。
【0104】これにより、廃アスベスト材A、ばいじん
C、ガスが外部の環境へ飛散したり流出したりすること
なく、操業の停止は行われる。図5は、本発明の第2の
実施例を示す。
【0105】本実施例は、上記した操業停止時の漏洩防
止と共に、溶湯スラグ面が露出(溶湯スラグ43の表面
に浮いている廃アスベスト材Aが次第に溶解することに
より生ずる)することによる投入シュ−ト11の熱害を
抑制する手段を講じたものである。
【0106】すなわち、本実施例は、シュ−ト路15に
充填されている廃アスベスト材Aに代えて、ダミ−の袋
を充填させるようにしたものである。具体的には、予め
耐熱性繊維、例えばセラミック繊維製の収容袋E内に、
同じく耐熱性繊維Fが充填された、第1の実施例の廃ア
スベスト材A入りの収容袋Bあるいは収容袋Dに代わる
ダミ−袋を用意しておく。
【0107】また操作部28aには第2の投入スイッチ
(図示しない)を設定しておく。制御部28には、この
第2の投入スイッチが操作されると、投入プッシャ−2
1の動作に続いて、待機位置Y1 からシュ−ト路15の
下部に設定したダミ−セット位置Y4 に押込プッシャ−
24を移動させる機能が設定してある。
【0108】これにより、操業停止時には、第1の実施
例のときと同様、押込プッシャ−24を押込位置Y3
ストロ−クさせて(図4に図示)、シュ−ト路15内に
残存している廃アスベスト材A、ばいじんC入りの全て
の収容袋C,Dを溶湯スラグ内に投入する。
【0109】その後、図5に示されるように直ちに上記
耐熱性繊維F入りの収容袋E(ダミ−袋)を投入口19
に投入し、第2の投入スイッチを操作する。すると、投
入された収容袋E(ダミ−袋)は、上記した投入プッシ
ャ−21の動き、押込プッシャ−24のダミ−セット位
置Y4 へのストロ−ク動により、図5に示されるように
シュ−ト路15の下部にまで押込まれる。
【0110】すると、耐熱性繊維入りの収容袋Eは、投
入シュ−ト11の下部に充填される。これにより、投入
シュ−ト11の下部は、耐熱性繊維入りの収容袋Eによ
って、シ−ルされると同時に熱遮蔽される。
【0111】このようにすると、残存廃アスベスト材A
の溶解中における投入シュ−ト11の損傷も防げる。再
び操業を開始するときは、充填物が耐熱性繊維なので、
収容袋Eを後から投入される廃アスベストA入りの収容
袋Bと共に、そのまま溶融処理すれば、廃アスベスト材
Aの溶融処理がそのまま行われるもので、溶融処理に影
響を与えることはない。
【0112】むろん、一袋でなく複数のダミ−袋をシュ
−ト路15の下部に充填させるようにしてもよい。この
ようにすれば、一層、効果が増す。但し、第2の実施例
において、第1の実施例と同じ部分の図ならびに同部分
の説明については図2を流用、ならびに同一符号を付し
て、その説明を省略した。
【0113】なお、第2の実施例で説明した熱遮蔽の構
造と、第1の実施例で述べた蓋20で気密にする構造と
を組合わせてもよい。この場合、ダミ−袋でシュ−ト路
15を熱遮蔽させた後、投入口19を蓋20で閉塞する
ことになる。
【0114】また本発明を複数の電極を有する溶融炉に
用いたり、他の形式の電気溶融炉を用いてもよい。さら
に溶融炉に一組の投入シュ−ト構造でなく、複数の投入
シュ−ト構造を設けて、多量の廃アスベスト材Aを効率
良く溶融処理するようにしてもよい。例えば3本の電極
を有する溶融炉では、各電極間に一組ずつ計3本の投入
シュ−ト構造を設けることが考えられる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、アスベストを、何等の添加物を加えず、か
つ装置外に洩れることなく、飛散ならびに流出の生じな
いかつ減容に優れた無害の物質に処理することができ
る。
【0116】請求項2に記載の発明によれば、上記請求
項1の効果に加え、簡単な構造で、投入シュ−ト内を、
廃アスベスト材が密閉収容された収容袋を所期に下降さ
せることができる。
【0117】請求項3に記載の発明によれば、上記請求
項2の効果に加え、ブリッジが形成されることなく、廃
アスベスト材を溶湯スラグに溶解させることができ、廃
アスベスト材を円滑に溶解させることができる。
【0118】請求項4に記載の発明によれば、上記請求
項1の効果に加え、電気溶融炉内に発生している極めて
微細なばいじんも装置外に洩れることなく処理すること
ができ、一切、有害となるアスベストを含む物質を装置
外に洩らさずに、廃アスベスト材の溶融処理を行うこと
ができる。
【0119】請求項5に記載の発明によれば、上記請求
項4の効果に加え、溶融処理した際に発生する可燃ガス
を無害の炭酸ガスと水蒸気とに処理することができる。
請求項6に記載の発明によれば、上記請求項1あるいは
請求項4の効果に加え、操業停止時、炉内に残存する廃
アスベスト材が装置外へ洩れないようにすることができ
る。
【0120】請求項7に記載の発明によれば、上記請求
項1あるいは請求項4の効果に加え、操業停止時、炉内
に残存する廃アスベスト材が装置外へ洩れないようにす
ることができるとともに、ダミ−袋による熱遮蔽によっ
て、シュ−ト路を溶湯スラグからの熱、高温の雰囲気か
ら保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の廃アスベスト材の溶融
処理装置を示す図。
【図2】同溶融処理装置を構成する電気溶融炉を示す断
面図。
【図3】廃アスベスト材がシュ−ト路に圧縮充填されて
炉内に投入される工程を説明するための断面図。
【図4】操業停止時におけるシュ−ト路内に充填されて
いる全ての廃アスベスト材が炉内に投入される工程を説
明するための断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の要部を示す断面図。
【符号の説明】
1…電気溶融炉 2…炉体
7…炉蓋 9…電極 11…投入シュ−ト 13…冷却ジャケット(冷却部)
15…シュ−ト路 16…排出口 17…投入部
19…投入口 21…投入プッシャ− 23,26…油圧シリンダ装
置 24…押込プッシャ− 32…ガスダクト 3
2a…燃焼ト−チ 33a…粗粒子用集塵機 33b…微粒子用集塵
機 34…吸引ファン 36a,36b…収容装置 37a,37b…ホッパ− 38a,38b…スク
リュ−フィ−ダ 41a,41b…口体 42a,42b…封止
弁 A…廃アスベスト C…ばいじん
E…耐熱性繊維袋 B,D…プラスチック製の袋 F…耐熱性繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/00 ZAB E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体と炉蓋とを組み合わせてなり、炉内
    を密閉にしてなる電気溶融炉と、 前記炉蓋に炉内外方向に沿って貫通して設けられた投入
    シュ−トと、 この投入シュ−トの炉外に臨む端部に設けられ、廃アス
    ベスト材を密閉収容したプラスチック製の収容袋を前記
    投入シュ−トへ導くための投入部と、 前記投入部から投入された前記収容袋を前記投入シュ−
    トへ押込む押込装置と、 前記投入シュ−ト内に形成された、前記投入シュ−ト内
    において前記収容袋を保持させる通路からなり、前記押
    込装置で押込まれた収容袋を保持させながら下方へ導く
    シュ−ト路と、 前記投入シュ−トの炉内に臨む端に設けられ、前記シュ
    −ト路の下端から前記収容袋を炉内に排出させる排出口
    とを具備してなることを特徴とする廃アスベスト材の溶
    融処理装置。
  2. 【請求項2】 前記シュ−ト路は、前記収容袋を圧縮に
    よりその動きを止める通路径に定めてなる通路から構成
    したことを特徴とする請求項1に記載の廃アスベスト材
    の溶融処理装置。
  3. 【請求項3】 前記シュ−ト路は、炉内で溶融している
    溶湯スラグの湯面の近くまで延び、溶湯スラグに近い端
    部分には同部分を冷却するための冷却部が設けられてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の廃アスベスト材の
    溶融処理装置。
  4. 【請求項4】 炉体と炉蓋とを組み合わせてなり、炉内
    を密閉にしてなる電気溶融炉と、 前記炉蓋に炉内外方向に沿って貫通して設けられた投入
    シュ−トと、 この投入シュ−トの炉外に臨む端部に設けられ、廃アス
    ベスト材を密閉収容したプラスチック製の収容袋を前記
    投入シュ−トへ導くための投入部と、 前記投入部から投入された前記収容袋を前記投入シュ−
    トへ押込む押込装置と、 前記投入シュ−ト内に形成された、前記投入シュ−ト内
    において前記収容袋を保持させる通路からなり、前記押
    込装置で押込まれた収容袋を保持させながら下方へ導く
    シュ−ト路と、 前記投入シュ−トの炉内に臨む端に設けられ、前記シュ
    −ト路の下端から前記収容袋を炉内に排出させる排出口
    と、 前記電気溶融炉にガスダクトを介して接続され、炉内の
    雰囲気中に含まれるばいじんを捕集する集塵装置と、 この集塵装置に設けられ、捕集したばいじんをプラスチ
    ック製の収容袋に密閉収容する収容装置とを具備したこ
    とを特徴とする廃アスベスト材の溶融処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ガスダクト内には、可燃性ガスを燃
    焼させるための燃焼装置が設けられていることを特徴と
    する請求項4に記載の廃アスベスト材の溶融処理装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1あるいは請求項4に記載の
    廃アスベスト材の溶融処理装置において、 前記電気溶融炉の運転停止時、前記押込装置を操作して
    前記シュ−ト路内の全収容袋を炉内に排出させる手段
    と、前記投入部に設けられ、電気溶融炉の運転停止時、
    当該投入部の投入口の閉塞する蓋とを具備したことを特
    徴とする廃アスベスト材の溶融処理装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1あるいは請求項4に記載の
    廃アスベスト材の溶融処理装置において、 前記電気溶融炉の運転停止時、前記押込装置を操作して
    前記シュ−ト路内の全収容袋を炉内に排出させる手段
    と、 前記電気溶融炉の運転停止時、耐熱性繊維を収容したダ
    ミ−の収容袋を前記シュ−ト路の下部に充填させる手段
    とを具備したことを特徴とする廃アスベスト材の溶融処
    理装置。
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