JPH0717132Y2 - 障害波防止型変圧器 - Google Patents

障害波防止型変圧器

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JPH0717132Y2
JPH0717132Y2 JP1988019079U JP1907988U JPH0717132Y2 JP H0717132 Y2 JPH0717132 Y2 JP H0717132Y2 JP 1988019079 U JP1988019079 U JP 1988019079U JP 1907988 U JP1907988 U JP 1907988U JP H0717132 Y2 JPH0717132 Y2 JP H0717132Y2
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conductor
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transformer
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肥 宮田
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相原電機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、導体を介して鉄心の各珪素鋼板同士を電気
的に接続し、各珪素鋼板の電位が等しくなるようにし
て、変圧器の使用時、鉄心に浮動電位が生じるのを防ぐ
ようにした障害波防止型変圧器に関する。
[従来の技術] 商用電源線路を伝わって来るノイズが情報機器、医療機
器、音響機器、制御機器などに侵入すると、機器内の回
路が破壊されたり、機器が誤動作したりする原因となる
ので、そのような機器では、電源回路に障害波防止形変
圧器を使用して、電源線路よりノイズが機器内に侵入す
るのを防止している。
従来、上記変圧器として、高周波実効透磁率の低い珪素
鋼板を積層して形成した鉄心に、非磁性体の良導体にて
シールドを施した1次巻線および2次巻線を巻装すると
ともに、この1次巻線と2次巻線の間に非磁性体の導電
性遮蔽板を配設してなるものが知られており(特開昭57
-7912号等)、使用の際は遮蔽板を鉄心と共に接地する
ようにしていた。
このような変圧器を上記した機器の電源回路に使用する
時は、商用周波数成分ないしはそれに近い周波数成分の
みが忠実に変成され、それ以外の周波数成分(ノイズ)
はほとんど変成されないので、機器に悪影響を与えるノ
イズの侵入が防止されることになる。
ところで変圧器の鉄心の構成素材である各珪素鋼板は、
その表裏両面が絶縁層で被覆されているので、積層方向
の珪素鋼板間は電気的に絶縁された状態にある。そのた
め鉄心を接地する際は各珪素鋼板が何れも接地されるよ
うにする必要があった。
そこで上記変圧器の場合、珪素鋼板の端面である鉄心の
外周面に、非磁性体でしかも良導体である銅板を巻回
(その場合鉄心の外周面において閉ループを構成しない
ように巻回して銅板に渦電流が流れないようにする)し
て各珪素鋼板の非絶縁部である端面に銅板を接触させ、
この銅板を介して各珪素鋼板同士を電気的に接続し、上
記銅板を接地すれば積層された各珪素鋼板が接地される
ようにしていた。
[考案が解決しょうとする問題点] しかしながら鉄心の外周面に巻回した銅板を各珪素鋼板
の端面に接触させて各珪素鋼板同士を電気的に接続する
ようにした場合、巻回した銅板が各珪素鋼板の端面に対
し同等に接触しないので、銅板を接地した時、各珪素鋼
板の接地電位に差異が生じることになり、鉄心に浮動電
位が発生する原因となっていた。そのため変圧器の使用
時、鉄心と地面との間に存する共通インピーダンスを介
してノイズが機器内に侵入する結果となり、障害波防止
機能を十分に果すことができない欠点があった。
なお各珪素鋼板を電気的に接続する手段としては、上記
のほか、珪素鋼板の端面を積層方向に沿ってアーク溶接
して、各珪素鋼板を一体的に結合する方法が知られてい
るが、この方法は溶接の際、鉄心が加熱されるのみなら
ず、溶接時に溶融金属やスラグが飛散して鉄心や巻線に
付着したりするので、変圧器の絶縁不良や特性低下を招
きやすく、そのため好ましいものではなかった。
また他の手段として、巻鉄心を分割してなるカットコア
を用いて鉄心を形成するとともに、このカットコアの衝
合面にて1次巻線と2次巻線間に配設された遮蔽板の端
部を挟着することによって、各珪素鋼板を電気的に接続
するようにした変圧器も知られている(特公昭59-6046
号等)。このように構成する時は、各珪素鋼板を確実に
電気的接続できる点で優れるが、コアの衝合面に存する
微小な間隙のため、うなりが発生したり発熱したりし、
また無負荷電流や突入電流が増大する原因ともなるの
で、電源回路に使用する変圧器としては具合が悪いもの
であった。
この考案は、このような欠点を解決するためになしたも
ので、導体を珪素鋼板の積層方向に配設し、この導体を
介して各珪素鋼板同士を電気的に接続するようにし、か
つ変圧器の特性低下をほとんど招くことなく実施できる
ようにした障害波防止型変圧器を提供することを目的と
する。
[問題点を解決する手段] すなわちこの考案は上記目的を達成するため、中央脚部
とその両側脚部、およびこれら脚部の両端部間を連絡す
る継鉄部とからなる鉄心の前記脚部に1次巻線および2
次巻線を巻装するとともに、この1次巻線と2次巻線の
間に非磁性体の導電性遮蔽板を配設した変圧器におい
て、前記鉄心は、外周縁に切欠部を設けた珪素鋼板を積
層して形成することにより、中央脚部と継鉄部との連結
部である継鉄部の外周面に、各珪素鋼板の切欠部がその
積層方向に連続してなる凹溝が存するようにしてなり、
そしてこの凹溝にその全長にわたって非磁性体よりなる
導体を嵌入して、その導体表面と各珪素鋼板の切欠部内
周面とを密着させることにより、またはその導体表面と
各珪素鋼板の切欠部内周面との間の間隙に導電性物質を
充填することにより、該導体、または該導体と導電性物
質とを介して各珪素鋼板同士が電気的に接続されるよう
にしたものである。
[作用] 上記のように構成したので、凹溝内に嵌入された導体
は、珪素鋼板の切欠部を通じて各珪素鋼板と接触し、こ
の導体を介して各珪素鋼板同士が電気的に接続されるこ
とになる。そのため導体を接地する時は、鉄心の各珪素
鋼板が等しい接地電位となり、鉄心に浮動電位が生じる
のを解消できる。
しかも導体が嵌入される凹溝が形成されている位置は、
鉄心中でも通過する磁力線の数が極めて少ない箇所であ
るので、鉄心に凹溝が形成されていても、変圧器の特性
低下をほとんど招くことなく実施できることになる。
[実施例] 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
1図〜第2図において10は鉄心で、中央脚部10aとその
両側脚部10b,10c、およびこれら脚部10a,10b,10cの両端
部間を連絡する継鉄部10d,10eとからなる。この鉄心10
は、外周縁に切欠部2を設けた高周波実効透磁率の低い
珪素鋼板1を積層することによって、中央脚部10aと継
鉄部10d,10eとの連結部イである継鉄部10d,10eの外周面
に、各珪素鋼板1の切欠部2がその積層方向に連続して
なる凹溝11が存するように形成されている。21は鉄心10
の中央脚部に巻装した1次巻線、22は1次巻線21の外周
に巻装した2次巻線である。なお各巻線21、22の表面は
非磁性体の良導体23にてシールドしている。30は1次巻
線21と2次巻線22の間に配設したアルミニウム等の非磁
性体よりなる導電性遮蔽板である。
第3図〜第4図は上記鉄心10を形成するのに使用される
珪素鋼板1の形状の一例を示したもので、第3図はE・
I形形状、第4図はF形形状のものである。この各珪素
鋼板1の外周縁に設ける切欠部2は珪素鋼板1を素材よ
り打抜く際、同時に形成する。切欠部2を設ける位置
は、珪素鋼板1を積層した時、各珪素鋼板1の切欠部2
が同一位置に来るように選定する。例えば第3図に示し
たE・I形珪素鋼板1の場合、E形珪素鋼板1aとI形珪
素鋼板1bは交互に積層されるので、E形、I形共その中
央位置に切欠部2を設ける。
40は銅、アルミニュウム等の非磁性体よりなる棒状導体
で、幅は凹溝11の幅よりも若干大に形成されており、こ
の導体40を凹溝11の全長にわたって強制嵌入して、導体
40表面と各珪素鋼板1の切欠部2内周面とを密着させる
ことにより各珪素鋼板1同士が電気的に接続されるよう
にしている。導体40は上記のようにして凹溝11に嵌入す
るほか、導体40の幅を凹溝11の幅より若干余裕のある寸
法に形成して、その導体40を凹溝11に嵌入した後、導体
40表面と切欠部2内周面との間の間隙に導電性粉末など
の物質を充填して各珪素鋼板1同士を電気的に接続する
ようにしてもよい。50は遮蔽板30と導体40とを接続する
導線である。
上記のように構成したので、凹溝11内に嵌入された導体
40は、珪素鋼板1の切欠部2を通じて各珪素鋼板1と接
触し(導体40表面と珪素鋼板1の切欠部2内周面との間
の間隙に導電性物質を充填している場合には、この導電
性物質を介して珪素鋼板1と接触することになる)、こ
の導体40を介して各珪素鋼板1同士が電気的に接続され
ることになる。そのため導体40を接地する時は、鉄心10
の各珪素鋼板1が等しい接地電位となり、鉄心に浮動電
位が生じるのを解消できる。そしてこの場合、遮蔽板30
も導体40を介して接地されるので、1次巻線21と2次巻
線22の間が静電容量結合されるのを防止できる。また上
記の場合、導体40は非磁性体よりなるので、この導体40
の部分が渦電流の流路になることはない。そのため渦電
流損などにより、変圧器の特性が低下する虞はない。
ところで、導体40が嵌入される凹溝11が形成されている
位置、すなわち中央脚部10aと継鉄部10d,10eとの連結部
イである継鉄部10d,10eの外周面は、鉄心10中でも通過
する磁力線の数が極めて少ない箇所であるので、鉄心10
に凹溝11が形成されていても、これによって変圧器の特
性が低下することはほとんどない。
なお上記変圧器は通常、鉄心10を接地して使用するが、
接地しないで使用してもよい。接地しない場合でも、鉄
心10の各珪素鋼板1と遮蔽板30とは同一電位になるの
で、ノイズの伝導を大幅に低減できることになる。
[考案の効果] 以上の説明から明らかなようにこの考案は、外周縁に切
欠部2を設けた珪素鋼板1を積層して鉄心10を形成する
ことにより、その鉄心10の外周面に各珪素鋼板1の切欠
部2がその積層方向に連続してなる凹溝11が存するよう
にし、この凹溝11にその全長にわたって導体40を嵌入し
て、その導体40表面と各珪素鋼板1の切欠部2内周面と
を密着させることにより、またはその導体40表面と各珪
素鋼板1の切欠部2内周面との間の間隙に導電性物質を
充填することにより、該導体40、または該導体40と導電
性物質とを介して各珪素鋼板1同士が電気的に接続され
るようにしたので、鉄心の外周面において、その珪素鋼
板の積層方向に導体を配して、その導体を各珪素鋼板の
端面に密着させる場合に比べて、各珪素鋼板に対する導
体の密着箇所を増加できることになり、そのため導体40
と各珪素鋼板1との接触を簡単にかつ確実に行なえるこ
とになり、使用時、鉄心に浮動電位が生じるのを解消し
得て、ノイズ防止効果のすぐれた変圧器を安価に提供で
きる。
しかも導体40が嵌入される凹溝11が形成されている位置
は、鉄心10の両側脚部10b,10cの箇所とは異なり、鉄心1
0の中央脚部10aと継鉄部10d,10eとの連結部イである継
鉄部10d,10eの外周面であり、鉄心中でも通過する磁力
線の数が極めて少ない箇所であるので、鉄心に凹溝が形
成されていても、これによって磁気回路である鉄心の性
能に著しい影響が生じることはない。そのため変圧器の
特性低下をほとんど招くことなく実施できることにな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の変圧器の実施例を示した斜視図、第
2図は第1図II-II線の断面図、第3図〜第4図は同上
変圧器の鉄心を形成するのに使用される珪素鋼板の形状
の一例を示した平面図である。 10……鉄心、10a……中央脚部、10b,10c……両側脚部、
10d,10e……継鉄部、11……凹溝、21……1次巻線、22
……2次巻線、30……導電性遮蔽板、40……導体、1…
…珪素鋼板、2……切欠部、イ……鉄心の中央脚部と継
鉄部との連結部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央脚部10aとその両側脚部10b,10c、およ
    びこれら脚部10a,10b,10cの両端部間を連絡する継鉄部1
    0d,10eとからなる鉄心10の前記脚部に1次巻線21および
    2次巻線22を巻装するとともに、この1次巻線21と2次
    巻線22の間に非磁性体の導電性遮蔽板30を配設した変圧
    器において、前記鉄心10は、外周縁に切欠部2を設けた
    珪素鋼板1を積層して形成することにより、中央脚部10
    aと継鉄部10d,10eとの連結部イである継鉄部10d,10eの
    外周面に、各珪素鋼板1の切欠部2がその積層方向に連
    続してなる凹溝11が存するようにしてなり、そしてこの
    凹溝11にその全長にわたって非磁性体よりなる導体40を
    嵌入して、その導体40表面と各珪素鋼板1の切欠部2内
    周面とを密着させることにより、またはその導体40表面
    と各珪素鋼板1の切欠部2内周面との間の間隙に導電性
    物質を充填することにより、該導体40、または該導体40
    と導電性物質とを介して各珪素鋼板1同士が電気的に接
    続されるようにした障害波防止型変圧器。
JP1988019079U 1988-02-16 1988-02-16 障害波防止型変圧器 Expired - Lifetime JPH0717132Y2 (ja)

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