JPH07169500A - 燃料電池ヘッダーとその成形体の製造方法 - Google Patents
燃料電池ヘッダーとその成形体の製造方法Info
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- JPH07169500A JPH07169500A JP6241269A JP24126994A JPH07169500A JP H07169500 A JPH07169500 A JP H07169500A JP 6241269 A JP6241269 A JP 6241269A JP 24126994 A JP24126994 A JP 24126994A JP H07169500 A JPH07169500 A JP H07169500A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 200℃程度の高温状態で、かつリン酸が存
在するという条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気絶
縁性と耐差圧強度とシール性を同時に兼ね備えた燃料電
池ヘッダーに使用するための無充填グレードのポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂成形体の製造方法を提
供する。 【構成】 板厚3〜15mmの無充填グレードのPPS
樹脂成形体2と、該成形体2を燃料電池積層体1に押し
付ける押え機構3から構成されている燃料電池ヘッダー
4を、無充填グレードのPPS樹脂粉末を金型に投入す
る第1の工程と、一軸または多軸回転成形機6に取り付
けられた金型5全体を回転させながら、所定温度まで昇
温し樹脂を加熱溶融させる第2工程と、金型5全体をゆ
っくりと回転させながら徐々に冷却させる第3工程と、
成形体2を金型5から取り出す第4工程からなる方法に
より製造する。
在するという条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気絶
縁性と耐差圧強度とシール性を同時に兼ね備えた燃料電
池ヘッダーに使用するための無充填グレードのポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂成形体の製造方法を提
供する。 【構成】 板厚3〜15mmの無充填グレードのPPS
樹脂成形体2と、該成形体2を燃料電池積層体1に押し
付ける押え機構3から構成されている燃料電池ヘッダー
4を、無充填グレードのPPS樹脂粉末を金型に投入す
る第1の工程と、一軸または多軸回転成形機6に取り付
けられた金型5全体を回転させながら、所定温度まで昇
温し樹脂を加熱溶融させる第2工程と、金型5全体をゆ
っくりと回転させながら徐々に冷却させる第3工程と、
成形体2を金型5から取り出す第4工程からなる方法に
より製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸型燃料電池に関
するもので、更に詳しくは燃料電池ヘッダー及びそれに
使用するための無充填グレードのポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂成形体の製造方法に関するものである。
するもので、更に詳しくは燃料電池ヘッダー及びそれに
使用するための無充填グレードのポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料電池ヘッダーの代表的な例と
しては、特開昭60−124363号公報に記載された図21に
示すようなものや、「オン−サイト・フューエル・セル
・パワー・プラント・テクノロジー・エンド・ディベロ
プメント・プログラム(ON-SITEFUEL CELL POWER PLANT
TECHNOLOGY AND DEVELOPMENT PROGRAM)、ファイナル・
リポート」に記載された図22に示すようなものがあ
る。
しては、特開昭60−124363号公報に記載された図21に
示すようなものや、「オン−サイト・フューエル・セル
・パワー・プラント・テクノロジー・エンド・ディベロ
プメント・プログラム(ON-SITEFUEL CELL POWER PLANT
TECHNOLOGY AND DEVELOPMENT PROGRAM)、ファイナル・
リポート」に記載された図22に示すようなものがあ
る。
【0003】図21に記載されている燃料電池ヘッダー
は、ステンレス等の金属材料(10)でヘッダー本体を作製
した後、そのヘッダー本体の内面を耐熱リン酸性樹脂
(例えば、フッ素樹脂等)のコーティングやシート・ラ
イニング(11)により被覆するものである。なお、図21
の(b)は、図21(a)に示す燃料電池ヘッダーの○印で
囲った部分の拡大図である。図22に示されたヘッダー
は、耐熱リン酸性樹脂(例えば、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、以下PPS樹脂と言う)に補強用のガラス
繊維やカーボン繊維を混合した薄いシート(12)をラミネ
ート成形したものであり、図22(b)は、図22(a)に
示す燃料電池ヘッダーの○印で囲った部分の拡大図であ
る。
は、ステンレス等の金属材料(10)でヘッダー本体を作製
した後、そのヘッダー本体の内面を耐熱リン酸性樹脂
(例えば、フッ素樹脂等)のコーティングやシート・ラ
イニング(11)により被覆するものである。なお、図21
の(b)は、図21(a)に示す燃料電池ヘッダーの○印で
囲った部分の拡大図である。図22に示されたヘッダー
は、耐熱リン酸性樹脂(例えば、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、以下PPS樹脂と言う)に補強用のガラス
繊維やカーボン繊維を混合した薄いシート(12)をラミネ
ート成形したものであり、図22(b)は、図22(a)に
示す燃料電池ヘッダーの○印で囲った部分の拡大図であ
る。
【0004】次に、動作について説明する。図21及び
図22に示したヘッダーの基本的動作については同じで
あるので、まとめて説明する。ヘッダーの役目は、燃料
極、空気極及び電解質マトリックスからなる単位セル
と、燃料ガスと酸化剤ガスを分離して単位セルに供給す
るセパレータとを交互に積層してなる燃料電池積層体
に、外部から燃料ガス及び酸化剤ガスを供給し、また、
燃料電池積層体で生成または未消費の燃料排ガス及び酸
化剤ガスを外部に排出することである。リン酸型燃料電
池は通常200℃前後の温度で運転されるので、ヘッダ
ーも200℃程度の高温状態での連続使用が可能である
ことが必要である。
図22に示したヘッダーの基本的動作については同じで
あるので、まとめて説明する。ヘッダーの役目は、燃料
極、空気極及び電解質マトリックスからなる単位セル
と、燃料ガスと酸化剤ガスを分離して単位セルに供給す
るセパレータとを交互に積層してなる燃料電池積層体
に、外部から燃料ガス及び酸化剤ガスを供給し、また、
燃料電池積層体で生成または未消費の燃料排ガス及び酸
化剤ガスを外部に排出することである。リン酸型燃料電
池は通常200℃前後の温度で運転されるので、ヘッダ
ーも200℃程度の高温状態での連続使用が可能である
ことが必要である。
【0005】また、燃料電池積層体には、電解質である
リン酸が含浸されており、このリン酸が燃料電池積層体
から漏れたり、排ガスと一緒に排出される。そのため、
ヘッダーには、熱リン酸に対する耐食性機能も要求され
る。更に、燃料電池積層体は複数の単位セルが積層され
ているため積層方向では電位が異なっており、これらを
電気的に短絡しないようにヘッダーと燃料電池積層体は
電気的に絶縁されていなければならない。なお、当然の
ことであるが、燃料ガスと酸化剤ガスを燃料電池積層体
に供給・排気するにあたり、それらのガスと周囲雰囲気
の差圧(数百mmAq程度)に耐える構造強度を有してい
ることと、それらのガスが周囲に洩れないことが必要な
ことは言うまでもない。
リン酸が含浸されており、このリン酸が燃料電池積層体
から漏れたり、排ガスと一緒に排出される。そのため、
ヘッダーには、熱リン酸に対する耐食性機能も要求され
る。更に、燃料電池積層体は複数の単位セルが積層され
ているため積層方向では電位が異なっており、これらを
電気的に短絡しないようにヘッダーと燃料電池積層体は
電気的に絶縁されていなければならない。なお、当然の
ことであるが、燃料ガスと酸化剤ガスを燃料電池積層体
に供給・排気するにあたり、それらのガスと周囲雰囲気
の差圧(数百mmAq程度)に耐える構造強度を有してい
ることと、それらのガスが周囲に洩れないことが必要な
ことは言うまでもない。
【0006】図21の方式では、ヘッダー本体をステン
レス等の金属材料(10)の薄板で構成しており、耐差圧強
度を持たせるためには、必要に応じて薄板外側から薄板
の所々に金属の補強梁を溶接している。ヘッダー本体の
シール性については、薄板の溶接技術さえ十分であれば
金属材料なので問題はない。燃料電池積層体とヘッダー
間のシール性については、ヘッダーシール面の問題は殆
どないが、燃料電池積層体のシール面に凹凸があるの
で、燃料電池積層体とヘッダーのシール面間に柔らかい
耐熱リン酸性のあるフッ素樹脂系統のシール材(例え
ば、特公昭4−50712号公報記載のシール材)を充填した
り、フッ素系ゴムのガスケット等を介在させたりして、
3〜10kg/cm2の締付圧力を加える方法を採用し
ている。
レス等の金属材料(10)の薄板で構成しており、耐差圧強
度を持たせるためには、必要に応じて薄板外側から薄板
の所々に金属の補強梁を溶接している。ヘッダー本体の
シール性については、薄板の溶接技術さえ十分であれば
金属材料なので問題はない。燃料電池積層体とヘッダー
間のシール性については、ヘッダーシール面の問題は殆
どないが、燃料電池積層体のシール面に凹凸があるの
で、燃料電池積層体とヘッダーのシール面間に柔らかい
耐熱リン酸性のあるフッ素樹脂系統のシール材(例え
ば、特公昭4−50712号公報記載のシール材)を充填した
り、フッ素系ゴムのガスケット等を介在させたりして、
3〜10kg/cm2の締付圧力を加える方法を採用し
ている。
【0007】なお、この締付圧力を得る方法については
色々な方法が提案されているが、一般にヘッダー本体を
周囲からバネやバンドのような押え機構により燃料電池
積層体に押しつける方法が取られている。耐食性(耐熱
リン酸性)については、ほとんどの汎用的な金属材料が
熱リン酸には短期間のうちに腐食されるので、金属薄板
本体の内面を耐熱リン酸性樹脂にて防食被覆している。
耐熱リン酸性樹脂としては、例えばパーフルオロアルコ
キシ(PFA)樹脂や、六フッ化プロピレン(FEP)樹脂
や、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)樹脂等のフ
ッ素系樹脂や、PPS樹脂や、ポリエーテルスルフォン
(PES)樹脂や、これらの樹脂の混合樹脂や、これらの
樹脂に補強用のガラス繊維やカーボン繊維を混合したも
の等が用いられている。被覆の方法は様々であるが、典
型的な例としては静電塗装により金属表面に樹脂を塗装
した後に焼付けてコーティング被膜を形成する方法と、
シート状(あるいはフィルム状)の樹脂成形体を金属表面
に熱的接着あるいは接着剤による接着または機械的接合
によるシートライニング法がある。
色々な方法が提案されているが、一般にヘッダー本体を
周囲からバネやバンドのような押え機構により燃料電池
積層体に押しつける方法が取られている。耐食性(耐熱
リン酸性)については、ほとんどの汎用的な金属材料が
熱リン酸には短期間のうちに腐食されるので、金属薄板
本体の内面を耐熱リン酸性樹脂にて防食被覆している。
耐熱リン酸性樹脂としては、例えばパーフルオロアルコ
キシ(PFA)樹脂や、六フッ化プロピレン(FEP)樹脂
や、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)樹脂等のフ
ッ素系樹脂や、PPS樹脂や、ポリエーテルスルフォン
(PES)樹脂や、これらの樹脂の混合樹脂や、これらの
樹脂に補強用のガラス繊維やカーボン繊維を混合したも
の等が用いられている。被覆の方法は様々であるが、典
型的な例としては静電塗装により金属表面に樹脂を塗装
した後に焼付けてコーティング被膜を形成する方法と、
シート状(あるいはフィルム状)の樹脂成形体を金属表面
に熱的接着あるいは接着剤による接着または機械的接合
によるシートライニング法がある。
【0008】電気的絶縁性に関しては、前述のシール材
や、ガスケットや、耐熱リン酸性のコーティング膜や、
シート自身に絶縁機能を付与させているものもあるが、
絶縁の信頼性向上のために例えば特開平3−163759号公
報に記載されているように耐熱リン酸性樹脂からなる絶
縁枠をヘッダーとシール材またはガスケットの間に介在
させる方法もある。
や、ガスケットや、耐熱リン酸性のコーティング膜や、
シート自身に絶縁機能を付与させているものもあるが、
絶縁の信頼性向上のために例えば特開平3−163759号公
報に記載されているように耐熱リン酸性樹脂からなる絶
縁枠をヘッダーとシール材またはガスケットの間に介在
させる方法もある。
【0009】図22の方式では、耐熱リン酸性樹脂(例
えばPPS樹脂)に、補強用のガラス繊維やカーボン繊
維を混合した薄いシート(12)をラミネートして肉厚1〜
2mmにし、金型で成形してヘッダー本体を構成したも
のである。即ち、耐食性(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性
と耐差圧強度とヘッダー自体のシール性を全てこのラミ
ネート成形体自体に持たせようとしたものである。燃料
電池積層体とヘッダー間のシール性については、先に述
べた図21の場合と同様の方式が必要になる。
えばPPS樹脂)に、補強用のガラス繊維やカーボン繊
維を混合した薄いシート(12)をラミネートして肉厚1〜
2mmにし、金型で成形してヘッダー本体を構成したも
のである。即ち、耐食性(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性
と耐差圧強度とヘッダー自体のシール性を全てこのラミ
ネート成形体自体に持たせようとしたものである。燃料
電池積層体とヘッダー間のシール性については、先に述
べた図21の場合と同様の方式が必要になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ヘッダ
ーの役目は、燃料ガスと酸化剤ガスを燃料電池積層体に
供給・排気することであるが、200℃程度の高温状態
で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性(耐
熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性を
同時に兼ね備えなければならない点に技術的難しさがあ
る。これを実現するために図21と図22の方式のヘッ
ダーではどのような方法を採用し、どこに問題点がある
かを以下に説明する。
ーの役目は、燃料ガスと酸化剤ガスを燃料電池積層体に
供給・排気することであるが、200℃程度の高温状態
で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性(耐
熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性を
同時に兼ね備えなければならない点に技術的難しさがあ
る。これを実現するために図21と図22の方式のヘッ
ダーではどのような方法を採用し、どこに問題点がある
かを以下に説明する。
【0011】図21の方式では、以上のような方法を取
っているので機能的には問題が少ないが以下に示すよう
な問題点がある。まず、ヘッダー本体を作製するために
は、薄板の曲げ加工または絞り加工、機械加工、溶接作
業等が必要である。また、薄板の溶接作業では、機密溶
接が必要となり、内面にコーティングやシート・ライニ
ング(11)を施す場合には溶接箇所や機械加工後のエッジ
部を滑らかに曲面仕上げしなければならない。このよう
に既存の加工技術を使うものではあるが、その作業には
多大の時間を要する。
っているので機能的には問題が少ないが以下に示すよう
な問題点がある。まず、ヘッダー本体を作製するために
は、薄板の曲げ加工または絞り加工、機械加工、溶接作
業等が必要である。また、薄板の溶接作業では、機密溶
接が必要となり、内面にコーティングやシート・ライニ
ング(11)を施す場合には溶接箇所や機械加工後のエッジ
部を滑らかに曲面仕上げしなければならない。このよう
に既存の加工技術を使うものではあるが、その作業には
多大の時間を要する。
【0012】内面の耐熱リン酸性樹脂による防食被覆
は、最近では多くの加工メーカーが出現し、珍しくなく
なったが、決して安価な加工ではない。例えば、静電塗
装コーティングは金属材料との接着強度も強く、防食技
術の信頼性は高いが、1回の塗装・焼付で得られる膜厚
は50〜100μm程度と非常に薄いため所望の膜厚を
得るためには何回もの塗装・焼付を繰り返さねばならな
い。それでも、この方法で得られた膜厚には限度があ
り、1mm以上の膜厚を得ることは現実には難しい。即
ち、静電塗装コーティングによる場合には、肉厚の絶縁
層が得られないため前述のように絶縁の信頼性向上のた
めに別途耐熱リン酸性樹脂からなる絶縁枠をヘッダーと
シール材またはガスケットの間に介在させる必要があ
る。
は、最近では多くの加工メーカーが出現し、珍しくなく
なったが、決して安価な加工ではない。例えば、静電塗
装コーティングは金属材料との接着強度も強く、防食技
術の信頼性は高いが、1回の塗装・焼付で得られる膜厚
は50〜100μm程度と非常に薄いため所望の膜厚を
得るためには何回もの塗装・焼付を繰り返さねばならな
い。それでも、この方法で得られた膜厚には限度があ
り、1mm以上の膜厚を得ることは現実には難しい。即
ち、静電塗装コーティングによる場合には、肉厚の絶縁
層が得られないため前述のように絶縁の信頼性向上のた
めに別途耐熱リン酸性樹脂からなる絶縁枠をヘッダーと
シール材またはガスケットの間に介在させる必要があ
る。
【0013】静電塗装コーティング法のもう一つの問題
点は、金属表面をブラスト処理や溶剤洗浄等により十分
に前処理をしておかなければ、コーティング膜と金属表
面の接着力が低下し、使用中に膜の剥離などの現象を引
き起こすことにある。シートライニング法は、静電塗装
コーティング法ほどには作業の手間は掛からず、膜厚も
予め肉厚のシートを準備できればかなりの肉厚のものが
製作可能である。しかしながら、金属表面との接着力と
いう点ではコーティングに較べると弱く、使用中に熱の
影響で金属表面からの浮き上がりや剥がれが起き易い。
点は、金属表面をブラスト処理や溶剤洗浄等により十分
に前処理をしておかなければ、コーティング膜と金属表
面の接着力が低下し、使用中に膜の剥離などの現象を引
き起こすことにある。シートライニング法は、静電塗装
コーティング法ほどには作業の手間は掛からず、膜厚も
予め肉厚のシートを準備できればかなりの肉厚のものが
製作可能である。しかしながら、金属表面との接着力と
いう点ではコーティングに較べると弱く、使用中に熱の
影響で金属表面からの浮き上がりや剥がれが起き易い。
【0014】また、膜のピンホール(穴)や亀裂等の欠陥
についても、シートの突合せ溶融処理などに頼っている
ためコーティングに較べて信頼性が薄い。なお、シート
ライニング法では、現実に使用されている耐熱リン酸性
樹脂としては、その作業方法の関係上現段階ではフレキ
シブル性があるフッ素系樹脂しかなく、肉厚材料になる
とこの材料コストも非常に高価になる。
についても、シートの突合せ溶融処理などに頼っている
ためコーティングに較べて信頼性が薄い。なお、シート
ライニング法では、現実に使用されている耐熱リン酸性
樹脂としては、その作業方法の関係上現段階ではフレキ
シブル性があるフッ素系樹脂しかなく、肉厚材料になる
とこの材料コストも非常に高価になる。
【0015】次に、図22の方式での問題点は、以下の
通りである。まず、薄い耐熱リン酸性樹脂のシート(12)
をラミネートして成形するために、耐差圧強度を保持す
るために補強用のガラス繊維やカーボン繊維を混合した
ものを使わざる得ないことである。ガラス繊維はそれ自
体耐熱リン酸性に乏しいので、樹脂に耐熱リン酸性があ
っても長期間使用している間には補強用のガラス繊維が
熱リン酸に侵食され、成形体の耐差圧強度が低下してし
まうと同時に、繊維に沿って成形体にピンホール等が発
生し、シール性の劣化を来してしまうという問題点があ
る。
通りである。まず、薄い耐熱リン酸性樹脂のシート(12)
をラミネートして成形するために、耐差圧強度を保持す
るために補強用のガラス繊維やカーボン繊維を混合した
ものを使わざる得ないことである。ガラス繊維はそれ自
体耐熱リン酸性に乏しいので、樹脂に耐熱リン酸性があ
っても長期間使用している間には補強用のガラス繊維が
熱リン酸に侵食され、成形体の耐差圧強度が低下してし
まうと同時に、繊維に沿って成形体にピンホール等が発
生し、シール性の劣化を来してしまうという問題点があ
る。
【0016】カーボン繊維については本来樹脂が絶縁性
のものであっても、成形体としては絶縁性が悪いものと
なってしまうという欠点がある。また、燃料電池のよう
にプラントの起動停止に伴い構成機器にヒートサイクル
による熱応力が加わる場合、ラミネート成形体では長期
間使用している間に、層間の剥離や膨れによる強度低下
等も問題になる。上記「オン−サイト・フューエル・セ
ル・パワー・プラント・テクノロジー・エンド・ディベ
ロプメント・プログラム、ファイナル・リポート」によ
ると、長期間の使用に耐え得るように、ガラス繊維で補
強されたPPS樹脂の肉厚成形品(厚み6.5mm)を製
作しようと試みている。
のものであっても、成形体としては絶縁性が悪いものと
なってしまうという欠点がある。また、燃料電池のよう
にプラントの起動停止に伴い構成機器にヒートサイクル
による熱応力が加わる場合、ラミネート成形体では長期
間使用している間に、層間の剥離や膨れによる強度低下
等も問題になる。上記「オン−サイト・フューエル・セ
ル・パワー・プラント・テクノロジー・エンド・ディベ
ロプメント・プログラム、ファイナル・リポート」によ
ると、長期間の使用に耐え得るように、ガラス繊維で補
強されたPPS樹脂の肉厚成形品(厚み6.5mm)を製
作しようと試みている。
【0017】しかしながら、ガラス繊維補強PPS樹脂
の肉厚品の成形方法としては加圧成形法か、インジェク
ション成形法が必要であり、これらの成形法の場合は金
型費用や製造費用が膨大になり、図21に例示した金属
製ヘッダー等と較べてコスト・メリットがないという結
論に至っている。また、肉厚品成形法として上記以外の
成形方法も試しているが、成形時の樹脂の流動調整がど
うしても上手く行かず、満足な成形品を得るに至ってい
ない。
の肉厚品の成形方法としては加圧成形法か、インジェク
ション成形法が必要であり、これらの成形法の場合は金
型費用や製造費用が膨大になり、図21に例示した金属
製ヘッダー等と較べてコスト・メリットがないという結
論に至っている。また、肉厚品成形法として上記以外の
成形方法も試しているが、成形時の樹脂の流動調整がど
うしても上手く行かず、満足な成形品を得るに至ってい
ない。
【0018】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、2
00℃程度の高温状態で、かつリン酸が存在するという
条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差
圧強度とシール性を同時に兼ね備え、また、製造方法が
簡単で生産性が良く、材料費及び加工費ともに安価でコ
スト・メリットのある燃料電池ヘッダー及びそれに使用
するための無充填グレードのPPS樹脂成形体の製造方
法を提供することにある。
めになされたものであり、その目的とするところは、2
00℃程度の高温状態で、かつリン酸が存在するという
条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差
圧強度とシール性を同時に兼ね備え、また、製造方法が
簡単で生産性が良く、材料費及び加工費ともに安価でコ
スト・メリットのある燃料電池ヘッダー及びそれに使用
するための無充填グレードのPPS樹脂成形体の製造方
法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明の燃料電池ヘ
ッダーは燃料極、空気極及び電解質マトリックスからな
る単位セルと、燃料ガスと酸化剤ガスを分離して単位セ
ルに供給するセパレータとを交互に積層してなる燃料電
池積層体並びにこの燃料電池積層体に燃料ガス及び酸化
剤ガスを供給・排気する燃料電池ヘッダーであって、前
記ヘッダーが無充填グレードのPPS樹脂からなる板厚
3〜15mmの成形体と、該成形体を燃料電池積層体に
押し付ける押え機構から構成されているものである。
ッダーは燃料極、空気極及び電解質マトリックスからな
る単位セルと、燃料ガスと酸化剤ガスを分離して単位セ
ルに供給するセパレータとを交互に積層してなる燃料電
池積層体並びにこの燃料電池積層体に燃料ガス及び酸化
剤ガスを供給・排気する燃料電池ヘッダーであって、前
記ヘッダーが無充填グレードのPPS樹脂からなる板厚
3〜15mmの成形体と、該成形体を燃料電池積層体に
押し付ける押え機構から構成されているものである。
【0020】第2の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、樹脂成形体のシール面を押さ
える押さえ枠と、この押さえ枠を押しつけるためのワイ
アーロープ、コイルバネを含むものである。
1の発明の手段に加えて、樹脂成形体のシール面を押さ
える押さえ枠と、この押さえ枠を押しつけるためのワイ
アーロープ、コイルバネを含むものである。
【0021】第3の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体を無充填グレードの架橋形構造のもので成形
したものである。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体を無充填グレードの架橋形構造のもので成形
したものである。
【0022】第4の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体を無充填グレードの架橋形構造のもので、か
つ、その溶液粘度が、その溶液粘度と後述の(1)式の
関係にあるものを用いたものである。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体を無充填グレードの架橋形構造のもので、か
つ、その溶液粘度が、その溶液粘度と後述の(1)式の
関係にあるものを用いたものである。
【0023】第5の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の背面を波板形状に形成したものである。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の背面を波板形状に形成したものである。
【0024】第6の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の背面に凹部を形成したものである。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の背面に凹部を形成したものである。
【0025】第7の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の内面にテフロンポリフェニレンサルファイ
ド製の突っ張りを設けたものである。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の内面にテフロンポリフェニレンサルファイ
ド製の突っ張りを設けたものである。
【0026】第8の発明に於ける燃料電池ヘッダーは第
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の内面に表面を耐熱燐酸性材料で被覆し、両
端にネジ加工したステンレス製の突っ張りを設けたもの
である。
1の発明の手段に加えて、ポリフェニレンサルファイド
樹脂成形体の内面に表面を耐熱燐酸性材料で被覆し、両
端にネジ加工したステンレス製の突っ張りを設けたもの
である。
【0027】第9の発明の燃料電池ヘッダーに使用する
ための無充填グレードのPPS樹脂成形体の製造方法
は、無充填グレードのPPS樹脂粉末を金型に投入する
第1の工程と、一軸または多軸回転成形機に取り付けら
れた金型全体を回転数20rpm以下で回転させなが
ら、280〜400℃の加熱成形温度まで昇温速度15
〜50℃/分で昇温し、無充填グレードのPPS樹脂を
加熱溶融させる第2の工程と、金型全体を回転数20r
pm以下で回転させながら、降温速度15〜50℃/分
で冷却させる第3の工程と、無充填グレードのPPS樹
脂成形体を金型から取り出す第4の工程を含むことを特
徴とする。
ための無充填グレードのPPS樹脂成形体の製造方法
は、無充填グレードのPPS樹脂粉末を金型に投入する
第1の工程と、一軸または多軸回転成形機に取り付けら
れた金型全体を回転数20rpm以下で回転させなが
ら、280〜400℃の加熱成形温度まで昇温速度15
〜50℃/分で昇温し、無充填グレードのPPS樹脂を
加熱溶融させる第2の工程と、金型全体を回転数20r
pm以下で回転させながら、降温速度15〜50℃/分
で冷却させる第3の工程と、無充填グレードのPPS樹
脂成形体を金型から取り出す第4の工程を含むことを特
徴とする。
【0028】第10の発明は第9の発明の手段に加えて
金型を回転させながらプレスするプレス工程を挿入した
ものである。
金型を回転させながらプレスするプレス工程を挿入した
ものである。
【0029】第11の発明は第10の発明の手段に加え
てプレスの際にシール溝を同時に成形するものである。
てプレスの際にシール溝を同時に成形するものである。
【0030】第12の発明は第10の発明の手段に加え
てプレスの際にシール溝を同時に成形するものである。
てプレスの際にシール溝を同時に成形するものである。
【0031】第13の発明は第10の発明の手段におけ
る金型を複数個同時に回転させながらプレスするプレス
工程を挿入したものである。
る金型を複数個同時に回転させながらプレスするプレス
工程を挿入したものである。
【0032】
【作用】第1ないし第8の発明による燃料電池ヘッダー
を構成するポレフェニレンサルファイド樹脂は耐食性と
絶縁性と耐圧性を兼ね備えた作用を示す。
を構成するポレフェニレンサルファイド樹脂は耐食性と
絶縁性と耐圧性を兼ね備えた作用を示す。
【0033】第2の発明によるヘッダーは良好なシール
性を備える。
性を備える。
【0034】第3ないし第4の発明によるヘッダーは耐
食性に特に優れている。第5ないし第8のヘッダーは耐
圧性に特に優れている。
食性に特に優れている。第5ないし第8のヘッダーは耐
圧性に特に優れている。
【0035】第9の発明による樹脂成形体の製造方法は
無充填のポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて成形
を行う方法を容易にする。
無充填のポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて成形
を行う方法を容易にする。
【0036】第10ないし第13の発明による樹脂成形
体の製造方法は無充填のポリフェニレンサルファイド樹
脂を用いて成形を行う際の作業効率を向上する。
体の製造方法は無充填のポリフェニレンサルファイド樹
脂を用いて成形を行う際の作業効率を向上する。
【0037】
実施例1.図1は、本発明の燃料電池ヘッダーを備えて
なるリン酸型燃料電池の一実施例を示す図である。(1)
は燃料電池積層体、(2)はPPS樹脂成形体、(3)はPP
S樹脂成形体(2)を燃料電池積層体(1)に押し付ける押え
機構、(4)はPPS樹脂成形体(2)及び押え機構(3)から
構成されるヘッダーである。燃料ガス及び酸化剤ガスは
外部からヘッダー(4)を通って燃料電池積層体(1)に供給
され、また、燃料電池積層体(1)で生成または消費され
なかった燃料排ガス及び酸化剤排ガスはヘッダー(4)を
介して外部に排出される。
なるリン酸型燃料電池の一実施例を示す図である。(1)
は燃料電池積層体、(2)はPPS樹脂成形体、(3)はPP
S樹脂成形体(2)を燃料電池積層体(1)に押し付ける押え
機構、(4)はPPS樹脂成形体(2)及び押え機構(3)から
構成されるヘッダーである。燃料ガス及び酸化剤ガスは
外部からヘッダー(4)を通って燃料電池積層体(1)に供給
され、また、燃料電池積層体(1)で生成または消費され
なかった燃料排ガス及び酸化剤排ガスはヘッダー(4)を
介して外部に排出される。
【0038】本発明における燃料電池ヘッダーでは、ま
ず、耐熱リン酸性を有する材料については、材料費の低
減という観点から材料単価が高いフッ素系樹脂は採用は
せずに、材料単価の安いPPS樹脂を選定した。ここ
で、PPS樹脂は、一般式
ず、耐熱リン酸性を有する材料については、材料費の低
減という観点から材料単価が高いフッ素系樹脂は採用は
せずに、材料単価の安いPPS樹脂を選定した。ここ
で、PPS樹脂は、一般式
【0039】
【化1】
【0040】を繰り返し単位とした重合体であり、例え
ば特公昭45−3368号公報や特公昭63−33775号公報に開
示されている方法で得ることができる。本発明に使用す
るPPS樹脂は、温度316℃、剪断速度10sec-1
で、100〜100,000ポイズの溶融粘度を有する
ものが適当であるが、特に、1,000〜50,000ポ
イズの溶融粘度を有する重量平均分子量47,000〜
150,000の範囲のPPS樹脂が強度面で好まし
い。
ば特公昭45−3368号公報や特公昭63−33775号公報に開
示されている方法で得ることができる。本発明に使用す
るPPS樹脂は、温度316℃、剪断速度10sec-1
で、100〜100,000ポイズの溶融粘度を有する
ものが適当であるが、特に、1,000〜50,000ポ
イズの溶融粘度を有する重量平均分子量47,000〜
150,000の範囲のPPS樹脂が強度面で好まし
い。
【0041】PPS樹脂は、実質的に線状の重合体(以
下、リニア型構造PPS樹脂と記載する)であっても、
架橋された重合体(以下、架橋型構造PPS樹脂と記載
する)であっても、更には、これらの混合物であっても
よい。
下、リニア型構造PPS樹脂と記載する)であっても、
架橋された重合体(以下、架橋型構造PPS樹脂と記載
する)であっても、更には、これらの混合物であっても
よい。
【0042】また、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、本発明に使用するPPS樹脂は、以下の表1に記
載する結合を含むことができる。なお、これらの共重合
単位の割合は30モル%までの範囲内であれば特に問題
はない。
いて、本発明に使用するPPS樹脂は、以下の表1に記
載する結合を含むことができる。なお、これらの共重合
単位の割合は30モル%までの範囲内であれば特に問題
はない。
【0043】
【表1】
【0044】更に、以下の表2には、無充填グレードの
リニア型構造PPS樹脂(重量平均分子量64,000、
溶融粘度3,000ポイズ)と、無充填グレードの架橋型
構造PPS樹脂(重量平均分子量64,000、溶融粘度
3,000ポイズ)の寸法150mm×70mm×3mm
の供試体の物性を記載する。
リニア型構造PPS樹脂(重量平均分子量64,000、
溶融粘度3,000ポイズ)と、無充填グレードの架橋型
構造PPS樹脂(重量平均分子量64,000、溶融粘度
3,000ポイズ)の寸法150mm×70mm×3mm
の供試体の物性を記載する。
【0045】
【表2】
【0046】表2から分かるように、曲げ強度、引っ張
り強度、引っ張り伸び、衝撃強さ等において、リニア型
構造PPS樹脂の方が優れており、靭性に富んでいると
言える。しかしながら、成形性(成形時のバリ発生等)や
耐熱性(耐熱強度保持率等)、耐クリープ性は架橋型構造
PPS樹脂の方が優れており、これらの物性を考慮して
リニア型構造PPS樹脂と架橋型構造PPS樹脂を適宜
選択することができる。
り強度、引っ張り伸び、衝撃強さ等において、リニア型
構造PPS樹脂の方が優れており、靭性に富んでいると
言える。しかしながら、成形性(成形時のバリ発生等)や
耐熱性(耐熱強度保持率等)、耐クリープ性は架橋型構造
PPS樹脂の方が優れており、これらの物性を考慮して
リニア型構造PPS樹脂と架橋型構造PPS樹脂を適宜
選択することができる。
【0047】本発明に於いて大型の成形品が求められる
場合は機械的性質の優れたPPS単体樹脂が好ましい。
従って、リニア型構造のPPS樹脂か架橋型構造のPP
S樹脂であっても引っ張り伸びが大きく靭性に富むもの
を選択することが好ましい。本発明者が鋭意検討した結
果では、架橋型構造のPPS樹脂のうちその溶液粘度
(固有粘度)がその溶融粘度(フローレート)と次式の
関係にあればリニア型構造のPPS樹脂並みの引っ張り
伸びを有し靭性が大きいことが分かった。
場合は機械的性質の優れたPPS単体樹脂が好ましい。
従って、リニア型構造のPPS樹脂か架橋型構造のPP
S樹脂であっても引っ張り伸びが大きく靭性に富むもの
を選択することが好ましい。本発明者が鋭意検討した結
果では、架橋型構造のPPS樹脂のうちその溶液粘度
(固有粘度)がその溶融粘度(フローレート)と次式の
関係にあればリニア型構造のPPS樹脂並みの引っ張り
伸びを有し靭性が大きいことが分かった。
【0048】
【化2】
【0049】ここで[η]は固有粘度であり0.4g/
100mlのポリマー濃度のα−クロロナフタレン溶液
を用いて206℃で測定した相対粘度の対数をポリマー
濃度で除した値である。MFRは熱処理により架橋した
PPS樹脂のメルトフローレートであり、MFROは該
PPS樹脂の熱処理前のメルトフローレートであり、い
ずれもASTM D−1238−86に従い荷重5k
g,315.6℃で測定した10分当りのg数である。
100mlのポリマー濃度のα−クロロナフタレン溶液
を用いて206℃で測定した相対粘度の対数をポリマー
濃度で除した値である。MFRは熱処理により架橋した
PPS樹脂のメルトフローレートであり、MFROは該
PPS樹脂の熱処理前のメルトフローレートであり、い
ずれもASTM D−1238−86に従い荷重5k
g,315.6℃で測定した10分当りのg数である。
【0050】(1)式を満足する架橋型構造のPPS樹
脂は架橋工程に入る前のPPS樹脂の分子量、未端基な
どの性状と架橋工程に於ける温度,時間,雰囲気などの
条件を適切化することで得ることが出来る。
脂は架橋工程に入る前のPPS樹脂の分子量、未端基な
どの性状と架橋工程に於ける温度,時間,雰囲気などの
条件を適切化することで得ることが出来る。
【0051】表2で示された架橋型構造のPPS樹脂は
従来の一般的な架橋型PPS樹脂であって、(1)式を
満足しない溶液粘度と溶融粘度を有する。即ち、[η]
= 0.285,MFR=98,MFRO =610であ
る。表3には(1)式を満足する溶液粘度と溶融粘度を
有し、靭性が改良された架橋型構造のPPS樹脂の物性
を示す。該PPS樹脂は重量平均分子量64、000,
溶液粘度3、000ポイズであるが、[η]=0.34
9,MFR=98,MFRO =610である。
従来の一般的な架橋型PPS樹脂であって、(1)式を
満足しない溶液粘度と溶融粘度を有する。即ち、[η]
= 0.285,MFR=98,MFRO =610であ
る。表3には(1)式を満足する溶液粘度と溶融粘度を
有し、靭性が改良された架橋型構造のPPS樹脂の物性
を示す。該PPS樹脂は重量平均分子量64、000,
溶液粘度3、000ポイズであるが、[η]=0.34
9,MFR=98,MFRO =610である。
【0052】
【表3】
【0053】また、PPS樹脂は、通常、その構造強度
を高めるために従来の技術の欄でも記載したように、ガ
ラス繊維やカーボン繊維を混合したコンパウンドとして
使用されるが、下記の観点と事実から本発明者らはこれ
らの補強用繊維を含まない無充填グレードのPPS樹脂
(「ナチュラル」あるいは「ニート」なPPS樹脂と呼
ばれることもある)を使用することにした。
を高めるために従来の技術の欄でも記載したように、ガ
ラス繊維やカーボン繊維を混合したコンパウンドとして
使用されるが、下記の観点と事実から本発明者らはこれ
らの補強用繊維を含まない無充填グレードのPPS樹脂
(「ナチュラル」あるいは「ニート」なPPS樹脂と呼
ばれることもある)を使用することにした。
【0054】無充填グレードのPPS樹脂を使用する第
1の理由は、カーボン繊維補強型のPPS樹脂の場合に
は、カーボン繊維の電気伝導性が良いために少量のカー
ボン繊維を混合させるだけで成形体の絶縁性が極端に低
下するということである。例えば、表4に示すようにカ
ーボン繊維を30%含有するPPS樹脂は同量のガラス
繊維を含有するものに較べると、電気抵抗が極端に低減
していることが判る。
1の理由は、カーボン繊維補強型のPPS樹脂の場合に
は、カーボン繊維の電気伝導性が良いために少量のカー
ボン繊維を混合させるだけで成形体の絶縁性が極端に低
下するということである。例えば、表4に示すようにカ
ーボン繊維を30%含有するPPS樹脂は同量のガラス
繊維を含有するものに較べると、電気抵抗が極端に低減
していることが判る。
【0055】
【表4】
【0056】第2の理由は、ガラス繊維補強型のPPS
樹脂では、ガラス繊維に十分な耐熱リン酸性がないとい
うことである。本発明者らは、200℃の熱リン酸中に
5,000時間浸漬したガラス繊維補強型のPPS樹脂
成形体の小片サンプルを水洗後、その重量変化と曲げ強
度変化を実測した。その結果を表5に示す。
樹脂では、ガラス繊維に十分な耐熱リン酸性がないとい
うことである。本発明者らは、200℃の熱リン酸中に
5,000時間浸漬したガラス繊維補強型のPPS樹脂
成形体の小片サンプルを水洗後、その重量変化と曲げ強
度変化を実測した。その結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】表5には、ガラス繊維(30%)補強型のP
PS樹脂サンプルと、無充填グレードのPPS樹脂の試
験結果を併記している。この結果から明らかなように、
ガラス繊維補強型のPPS樹脂サンプルが重量変化率及
び曲げ強度低下率ともに大きく、耐熱リン酸性という観
点では問題が大きいことを示唆している。これに対し
て、無充填グレードのPPS樹脂サンプルは殆ど変化が
見られなかった。
PS樹脂サンプルと、無充填グレードのPPS樹脂の試
験結果を併記している。この結果から明らかなように、
ガラス繊維補強型のPPS樹脂サンプルが重量変化率及
び曲げ強度低下率ともに大きく、耐熱リン酸性という観
点では問題が大きいことを示唆している。これに対し
て、無充填グレードのPPS樹脂サンプルは殆ど変化が
見られなかった。
【0059】第3の理由は、製造上の問題である。後述
の製造法では、繊維補強型のPPS樹脂では製造時の樹
脂の流動調整が上手く行かず、成形体の板厚が不揃いに
なり局部的に薄くなったり、へこみや穴が発生し易くな
る。また、加圧成形法やインジェクション成形法で作製
した成形体では繊維の混合によりかなりの強度向上が見
られるが、後述の成形法ではその効果は殆ど見られなか
った。
の製造法では、繊維補強型のPPS樹脂では製造時の樹
脂の流動調整が上手く行かず、成形体の板厚が不揃いに
なり局部的に薄くなったり、へこみや穴が発生し易くな
る。また、加圧成形法やインジェクション成形法で作製
した成形体では繊維の混合によりかなりの強度向上が見
られるが、後述の成形法ではその効果は殆ど見られなか
った。
【0060】次に、成形体ヘッダーの板厚については、
樹脂使用量の低減並びに軽量化という観点からは薄い方
が望ましいが、補強繊維を含まない無充填グレードのP
PS樹脂成形体を使用するという点から耐差圧強度を持
たせるにはある程度の肉厚が必要である。また、シール
性を付与するためにヘッダーを周囲からバネやバンドの
ような押え機構で強力に燃料電池積層体に押し付けなけ
ればならず、強度上からもある程度の肉厚成形体とせざ
るを得ない。更には、前述の長期使用中にプラントの起
動停止等によるヒートサイクルの影響も考慮する必要が
ある。
樹脂使用量の低減並びに軽量化という観点からは薄い方
が望ましいが、補強繊維を含まない無充填グレードのP
PS樹脂成形体を使用するという点から耐差圧強度を持
たせるにはある程度の肉厚が必要である。また、シール
性を付与するためにヘッダーを周囲からバネやバンドの
ような押え機構で強力に燃料電池積層体に押し付けなけ
ればならず、強度上からもある程度の肉厚成形体とせざ
るを得ない。更には、前述の長期使用中にプラントの起
動停止等によるヒートサイクルの影響も考慮する必要が
ある。
【0061】そこで、本発明者らは、リン酸中に無充填
グレードのリニア型構造PPS樹脂成形体サンプルを浸
漬し、これに240℃と室温という実際の条件よりも過
酷なヒートサイクルを与える実験を実施した。
グレードのリニア型構造PPS樹脂成形体サンプルを浸
漬し、これに240℃と室温という実際の条件よりも過
酷なヒートサイクルを与える実験を実施した。
【0062】その結果、実プラントで予想される1,5
00回のヒートサイクルを与えた場合、(概略寸法:高
さ2,000〜3,000mm×幅500〜1,000m
m×奥行き100〜300mm)に要求される物理的な
強度などを総合的に検討した結果、燃料電池ヘッダーと
して、無充填グレードのPPS樹脂成形体の板厚は最低
3mm以上必要であり、好ましくは5mm以上というこ
とが分かった。
00回のヒートサイクルを与えた場合、(概略寸法:高
さ2,000〜3,000mm×幅500〜1,000m
m×奥行き100〜300mm)に要求される物理的な
強度などを総合的に検討した結果、燃料電池ヘッダーと
して、無充填グレードのPPS樹脂成形体の板厚は最低
3mm以上必要であり、好ましくは5mm以上というこ
とが分かった。
【0063】本実施例において、PPS樹脂成形体(2)
は、無充填グレードのリニア型構造のPPS樹脂(重量
平均分子量64,000、316℃、剪断速度10se
c-1で溶融粘度3,000ポイズのもの)を使用してい
る。成形体の板厚は薄い所で5mm、厚い所で15mm
で、全体としては10±5mm以内になっている。PP
S樹脂成形体(2)及び押え機構(3)の機能・動作に関して
は前述の通りである。また、図2は、PPS樹脂成形体
(2)の断面(図1のX−X断面)を示す図である。
は、無充填グレードのリニア型構造のPPS樹脂(重量
平均分子量64,000、316℃、剪断速度10se
c-1で溶融粘度3,000ポイズのもの)を使用してい
る。成形体の板厚は薄い所で5mm、厚い所で15mm
で、全体としては10±5mm以内になっている。PP
S樹脂成形体(2)及び押え機構(3)の機能・動作に関して
は前述の通りである。また、図2は、PPS樹脂成形体
(2)の断面(図1のX−X断面)を示す図である。
【0064】上記構成を有するヘッダー(4)をリン酸型
燃料電池実機試験に適用したところ、長期運転に際して
も問題のないことを確認した。
燃料電池実機試験に適用したところ、長期運転に際して
も問題のないことを確認した。
【0065】本実施例によれば、200℃程度の高温状
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池用ヘッダーを、低価格で提
供することができるという効果がある。
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池用ヘッダーを、低価格で提
供することができるという効果がある。
【0066】実施例2.図3は、本発明の燃料電池ヘッ
ダーの押さえ機構を示す図である。また、図4は図3の
Z−Z断面を示す図である。PPS樹脂成形体(2)は強
度的に弱く直接コーナー部を締め付けると壊れてしま
う。そこで図4に示すように直接PPS樹脂成形体(2)
のコーナー部分に力のかからないよう鉄製の押さえ枠(3
1)でPPS樹脂成形体(2)のシール部分のみを押さえ
る。押さえ枠(31)はワイヤーロープ(32),コイルバネ(3
3)及び固定金具(34)で燃料電池積層体に押しつけられ、
ターンバックル(35)によって押さえる力を調整する。
ダーの押さえ機構を示す図である。また、図4は図3の
Z−Z断面を示す図である。PPS樹脂成形体(2)は強
度的に弱く直接コーナー部を締め付けると壊れてしま
う。そこで図4に示すように直接PPS樹脂成形体(2)
のコーナー部分に力のかからないよう鉄製の押さえ枠(3
1)でPPS樹脂成形体(2)のシール部分のみを押さえ
る。押さえ枠(31)はワイヤーロープ(32),コイルバネ(3
3)及び固定金具(34)で燃料電池積層体に押しつけられ、
ターンバックル(35)によって押さえる力を調整する。
【0067】本実施例によれば強度的に弱いPPS樹脂
成形体コーナー部を直接締め付けることなく、押しつけ
る力を調整しながらシール性を確保することができると
いう効果がある。
成形体コーナー部を直接締め付けることなく、押しつけ
る力を調整しながらシール性を確保することができると
いう効果がある。
【0068】実施例3.本実施例においては、図1及び
図2に示したものと同一形状のPPS樹脂成形体(2)
を、無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂(重量平
均分子量67,000、316℃、剪断速度10sec-
1で溶融粘度3,500ポイズのもので、且つ、[η]=
0.290,MFR=84,MFRO =610であり
(1)式を満足しない溶液粘度と溶融粘度を有するも
の)を使用して作製した。得られたPPS樹脂成形体(2)
を使用して実施例1と同じリン酸型燃料電池の実機運転
で検証したが、この燃料電池ヘッダーも実運転上問題が
ないことを確認した。
図2に示したものと同一形状のPPS樹脂成形体(2)
を、無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂(重量平
均分子量67,000、316℃、剪断速度10sec-
1で溶融粘度3,500ポイズのもので、且つ、[η]=
0.290,MFR=84,MFRO =610であり
(1)式を満足しない溶液粘度と溶融粘度を有するも
の)を使用して作製した。得られたPPS樹脂成形体(2)
を使用して実施例1と同じリン酸型燃料電池の実機運転
で検証したが、この燃料電池ヘッダーも実運転上問題が
ないことを確認した。
【0069】架橋型構造のPPS樹脂を使用した本実施
例によれば、200℃程度の高温状態で、かつリン酸が
存在するという条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気
的絶縁性と耐差圧強度とシール性を同時に兼ね備えた燃
料電池ヘッダーを、低価格で提供することができるとい
う効果は勿論のことであるが、上記でも述べたように成
形性や耐熱寿命において、リニア型構造PPS樹脂より
優れたものを提供できるという効果がある。
例によれば、200℃程度の高温状態で、かつリン酸が
存在するという条件下で、耐食性(耐熱リン酸性)と電気
的絶縁性と耐差圧強度とシール性を同時に兼ね備えた燃
料電池ヘッダーを、低価格で提供することができるとい
う効果は勿論のことであるが、上記でも述べたように成
形性や耐熱寿命において、リニア型構造PPS樹脂より
優れたものを提供できるという効果がある。
【0070】実施例4.本実施例では、実施例3のPP
S樹脂を用いる代わりに次に示す6種類の樹脂により製
作した例を示す。 1)重量平均分子量79,000、316℃、剪断速度
10sec-1で溶融粘度6,020ポイズのもので、且
つ[η]=0.405,MFR=49,MFRO=61
0であり(1)式を満足する靭性が改良された無充填グ
レードの架橋型構造のPPS樹脂。
S樹脂を用いる代わりに次に示す6種類の樹脂により製
作した例を示す。 1)重量平均分子量79,000、316℃、剪断速度
10sec-1で溶融粘度6,020ポイズのもので、且
つ[η]=0.405,MFR=49,MFRO=61
0であり(1)式を満足する靭性が改良された無充填グ
レードの架橋型構造のPPS樹脂。
【0071】2)重量平均分子量47,000、316
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度1,020ポイズ
のもので、且つ[η]=0.262,MFR=290,
MFRO=610であり(1)式を満足する靭性が改良
された無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度1,020ポイズ
のもので、且つ[η]=0.262,MFR=290,
MFRO=610であり(1)式を満足する靭性が改良
された無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
【0072】3)重量平均分子量54,000、316
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度1,640ポイズ
のもので、且つ[η]=0.282,MFR=180,
MFRO=610であり(1)式を満足する靭性が改良
された無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度1,640ポイズ
のもので、且つ[η]=0.282,MFR=180,
MFRO=610であり(1)式を満足する靭性が改良
された無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
【0073】4)重量平均分子量75,000、316
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度5,200ポイズ
のもので、且つ[η]=0.318,MFR=57,M
FRO=150であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度5,200ポイズ
のもので、且つ[η]=0.318,MFR=57,M
FRO=150であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
【0074】5)重量平均分子量85,000、316
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度8,200ポイズ
のもので、且つ[η]=0.379,MFR=36,M
FRO=150であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度8,200ポイズ
のもので、且つ[η]=0.379,MFR=36,M
FRO=150であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。
【0075】6)重量平均分子量140,000、31
6℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度42、100ポ
イズのもので、且つ[η]=0.666,MFR=7,
MFRO =95であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。上記
1)から6)のどの場合でも、得られたPPS樹脂成形
体(2)を使用して実施例1と同じリン酸型燃料電池の実
機運転で検証したが、どの燃料電池ヘッダーも実運転上
問題がないことを確認した。
6℃、剪断速度10sec-1で溶融粘度42、100ポ
イズのもので、且つ[η]=0.666,MFR=7,
MFRO =95であり(1)式を満足する靭性が改良さ
れた無充填グレードの架橋型構造のPPS樹脂。上記
1)から6)のどの場合でも、得られたPPS樹脂成形
体(2)を使用して実施例1と同じリン酸型燃料電池の実
機運転で検証したが、どの燃料電池ヘッダーも実運転上
問題がないことを確認した。
【0076】架橋型構造のPPS樹脂を使用した実施例
4の1)から6)によれば、200℃程度の高温状態
で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性(耐
熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性を
同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供す
ることができ、成形性や耐熱寿命において、リニア型構
造PPS樹脂より優れたものを提供できるという効果は
勿論であるが、且つ、(1)式を満足し、リニア構造P
PS樹脂並みの引張り伸びを有し靭性の大きなものを提
供することができる。又、大型のPPS樹脂成形体程機
械的性質の優れたものが好ましく、分子量の高いもの程
機械的性質が優れている為、分子量の高いものは大型の
PPS樹脂成形体に使用する。
4の1)から6)によれば、200℃程度の高温状態
で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性(耐
熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性を
同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供す
ることができ、成形性や耐熱寿命において、リニア型構
造PPS樹脂より優れたものを提供できるという効果は
勿論であるが、且つ、(1)式を満足し、リニア構造P
PS樹脂並みの引張り伸びを有し靭性の大きなものを提
供することができる。又、大型のPPS樹脂成形体程機
械的性質の優れたものが好ましく、分子量の高いもの程
機械的性質が優れている為、分子量の高いものは大型の
PPS樹脂成形体に使用する。
【0077】実施例5.図5は、PPS樹脂成形体(2)
の縦断面(図1のY−Y断面に相当)を示す図である。本
実施例においては、PPS樹脂成形体(2)の強度向上の
ために、ヘッダー(4)の背面部分を波板状に成形してい
る。このような波板状の背面を形成することで、単なる
平面状の場合に比べて板の断面係数を上げることがで
き、平均的な板厚を薄肉化することが可能になる。
の縦断面(図1のY−Y断面に相当)を示す図である。本
実施例においては、PPS樹脂成形体(2)の強度向上の
ために、ヘッダー(4)の背面部分を波板状に成形してい
る。このような波板状の背面を形成することで、単なる
平面状の場合に比べて板の断面係数を上げることがで
き、平均的な板厚を薄肉化することが可能になる。
【0078】本実施例によれば、200℃程度の高温状
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供
することができるという効果は勿論のことであるが、板
厚を薄肉化し、軽量化でき、かつPPS樹脂の使用量を
低減できるという効果がある。
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供
することができるという効果は勿論のことであるが、板
厚を薄肉化し、軽量化でき、かつPPS樹脂の使用量を
低減できるという効果がある。
【0079】実施例6.図6は、図5同様PPS樹脂成
形体(2)の縦断面(図1のY−Y断面に相当)を示す図で
ある。本実施例においては、PPS樹脂成形体(2)の強
度向上のために、ヘッダー(4)の背面部分に凹部を成形
している。通常射出成形等では強度向上のためリブを成
形するが、前述の回転成形ではその製法上リブを設ける
ことが困難である。又、図5に示すような構造ではノズ
ル等をつけることが困難であり、金型が複雑となり金型
代も高くなる。その為背面部分に凹部を成形すること
で、強度を向上させることができ、平均的な板厚を薄肉
化できると共にヘッダー(4)の背面にノズル(20)等を容
易につけることができ、金型も簡素化でき金型代を安く
することができる。更に、横方向のみならず縦方向にも
凹部を成形することにより更に強度を向上させることが
できる。
形体(2)の縦断面(図1のY−Y断面に相当)を示す図で
ある。本実施例においては、PPS樹脂成形体(2)の強
度向上のために、ヘッダー(4)の背面部分に凹部を成形
している。通常射出成形等では強度向上のためリブを成
形するが、前述の回転成形ではその製法上リブを設ける
ことが困難である。又、図5に示すような構造ではノズ
ル等をつけることが困難であり、金型が複雑となり金型
代も高くなる。その為背面部分に凹部を成形すること
で、強度を向上させることができ、平均的な板厚を薄肉
化できると共にヘッダー(4)の背面にノズル(20)等を容
易につけることができ、金型も簡素化でき金型代を安く
することができる。更に、横方向のみならず縦方向にも
凹部を成形することにより更に強度を向上させることが
できる。
【0080】本実施例によれば、PPS樹脂成形体(2)
にかかる応力及び歪みを小さくすることができる。すな
わち、PPS樹脂成形体(2)の強度向上となり、板厚を
薄肉化し軽量化でき、かつPPS樹脂の使用量を低減で
きると共にヘッダー(4)の背面にノズル(20)等を容易に
つけることができ、金型も簡素化でき金型代を安価なも
のにすることができる。
にかかる応力及び歪みを小さくすることができる。すな
わち、PPS樹脂成形体(2)の強度向上となり、板厚を
薄肉化し軽量化でき、かつPPS樹脂の使用量を低減で
きると共にヘッダー(4)の背面にノズル(20)等を容易に
つけることができ、金型も簡素化でき金型代を安価なも
のにすることができる。
【0081】実施例7.図7は、PPS樹脂成形体(2)
の内側から見た図である。PPS樹脂成形体(2)におい
ては多かれ少なかれ反りが発生し、大きな成形体ではそ
の反りも大きい。反りが大きい場合にはヘッダー(4)の
シール部分を押さえ機構(3)で押さえることができず十
分なシール性を保つことが出来ない。本実施例において
は、反りを強制する為にPPS樹脂製の突っ張り(21)を
中央部分に設置している。このように突っ張り(21)を挿
入することにより反りを小さくすることができ、シール
部分を押さえ機構(3)で十分に押さえることが可能とな
りシール性を確保することができる。
の内側から見た図である。PPS樹脂成形体(2)におい
ては多かれ少なかれ反りが発生し、大きな成形体ではそ
の反りも大きい。反りが大きい場合にはヘッダー(4)の
シール部分を押さえ機構(3)で押さえることができず十
分なシール性を保つことが出来ない。本実施例において
は、反りを強制する為にPPS樹脂製の突っ張り(21)を
中央部分に設置している。このように突っ張り(21)を挿
入することにより反りを小さくすることができ、シール
部分を押さえ機構(3)で十分に押さえることが可能とな
りシール性を確保することができる。
【0082】突っ張り(21)は中央一ヶ所のみだけでなく
数カ所設置することも可能であり同様のシール性を確保
することができる。図8は上記突っ張り部分の詳細図で
ある。燃料電池積層体(1)に支え(22)を設け、その上に
突っ張り(21)を乗せることによってヘッダー(4)取り付
け組立時及び運転時においてヘッダー(4)を容易に支え
ることができ、組立作業を容易にすることができる。運
転中においても前述の燃料電池積層体(1)への押さえ機
構(3)がずれてもヘッダー(4)がずれ落ちるといったこと
もない。
数カ所設置することも可能であり同様のシール性を確保
することができる。図8は上記突っ張り部分の詳細図で
ある。燃料電池積層体(1)に支え(22)を設け、その上に
突っ張り(21)を乗せることによってヘッダー(4)取り付
け組立時及び運転時においてヘッダー(4)を容易に支え
ることができ、組立作業を容易にすることができる。運
転中においても前述の燃料電池積層体(1)への押さえ機
構(3)がずれてもヘッダー(4)がずれ落ちるといったこと
もない。
【0083】本実施例によれば、突っ張りを設けること
によって反りの大きな成形体であっても十分なシール性
を確保することができるという効果がある。又、組立作
業性を良くすることができ、ヘッダーがずれ落ちるとい
ったこともなく品質上も効果がある。
によって反りの大きな成形体であっても十分なシール性
を確保することができるという効果がある。又、組立作
業性を良くすることができ、ヘッダーがずれ落ちるとい
ったこともなく品質上も効果がある。
【0084】実施例8.図9は、図18同様PPS樹脂
成形体(2)の突っ張り部分21の詳細図である。本実施
例においては、表面をテフロン等の耐熱リン酸性材料で
被覆したステンレス製の突っ張り(28)を設置している。
突っ張り(28)の両端にはねじが切ってありPPS樹脂成
形体(2)の反りに応じて表面をテフロン等の耐熱リン酸
性材料で被覆したナットで調整することができる。ま
た、貫通部分にはシールの為パッキン(28)を挿入する。
このように突っ張りの長さを調整することができること
により、反りの大きさに合わせて突っ張りを製作する必
要がなく、どうのような反りに対しても対応することが
できる。又、ステンレス製の突っ張りを使うことによっ
て、強度を向上させることができる。
成形体(2)の突っ張り部分21の詳細図である。本実施
例においては、表面をテフロン等の耐熱リン酸性材料で
被覆したステンレス製の突っ張り(28)を設置している。
突っ張り(28)の両端にはねじが切ってありPPS樹脂成
形体(2)の反りに応じて表面をテフロン等の耐熱リン酸
性材料で被覆したナットで調整することができる。ま
た、貫通部分にはシールの為パッキン(28)を挿入する。
このように突っ張りの長さを調整することができること
により、反りの大きさに合わせて突っ張りを製作する必
要がなく、どうのような反りに対しても対応することが
できる。又、ステンレス製の突っ張りを使うことによっ
て、強度を向上させることができる。
【0085】本実施例によれば、突っ張り28を設ける
ことによって反りの大きな成形体であっても十分なシー
ル性を確保することができ、組立作業性を良くすること
ができ、ヘッダーがずれ落ちるといったこともなく品質
上の効果は勿論のことであるが、PPS樹脂成形体の反
りに応じて突っ張りを製作する必要がなくどのような反
りに対しても対応することができる。また、ステンレス
製の突っ張りを使用することによって強度を向上させる
ことができる。
ことによって反りの大きな成形体であっても十分なシー
ル性を確保することができ、組立作業性を良くすること
ができ、ヘッダーがずれ落ちるといったこともなく品質
上の効果は勿論のことであるが、PPS樹脂成形体の反
りに応じて突っ張りを製作する必要がなくどのような反
りに対しても対応することができる。また、ステンレス
製の突っ張りを使用することによって強度を向上させる
ことができる。
【0086】実施例9.図10は、本発明のPPS樹脂
成形体(2)の製造方法の一実施例を示す図である。製造
方法については、製造費用が安価であることと、生産性
が良く量産体制でも対応可能なことを念頭に置いて選定
した。その結果、加圧成形法やインジェクション成形法
等は量産向きではあるが、金型などの製造治工具の設備
費用が高価であることからこれを除外し、簡易な金型を
準備するだけで成形可能な回転成形法を選定した。
成形体(2)の製造方法の一実施例を示す図である。製造
方法については、製造費用が安価であることと、生産性
が良く量産体制でも対応可能なことを念頭に置いて選定
した。その結果、加圧成形法やインジェクション成形法
等は量産向きではあるが、金型などの製造治工具の設備
費用が高価であることからこれを除外し、簡易な金型を
準備するだけで成形可能な回転成形法を選定した。
【0087】回転成形法の問題点としては、成形時に樹
脂に圧力を印加できないため、成形品の密度が低くな
り、空隙などが発生し易いということである。この問題
点を解決するために、表6に示す加熱成形温度、昇温速
度、降温速度、回転速度、樹脂量(成形体の板厚に関係
する)をパラメーターにして加熱溶融時の樹脂の流動状
態を調整しながら試作した。なお、使用したPPS樹脂
は、重量平均分子量64,000、溶融粘度3,000ポ
イズの無充填グレードのリニア型構造のものである。得
られた結果を表6に併記する。
脂に圧力を印加できないため、成形品の密度が低くな
り、空隙などが発生し易いということである。この問題
点を解決するために、表6に示す加熱成形温度、昇温速
度、降温速度、回転速度、樹脂量(成形体の板厚に関係
する)をパラメーターにして加熱溶融時の樹脂の流動状
態を調整しながら試作した。なお、使用したPPS樹脂
は、重量平均分子量64,000、溶融粘度3,000ポ
イズの無充填グレードのリニア型構造のものである。得
られた結果を表6に併記する。
【0088】
【表6】
【0089】その結果、加熱成形温度は280〜400
℃、昇温速度は15〜50℃/分、降温速度は15〜5
0℃/分、回転速度は20rpm以下が望ましいことが
確認された。製造条件が上記の範囲を外れると、例えば
次のような問題が発生した。加熱成形温度が280℃未
満では、金型の一部分のPPS樹脂だけしか溶融せず、
完全な成形体が得られなかった。逆に、400℃を越え
ると、得られる成形体の厚み方向の樹脂性状にムラが生
じ、極端な強度低下を来した。
℃、昇温速度は15〜50℃/分、降温速度は15〜5
0℃/分、回転速度は20rpm以下が望ましいことが
確認された。製造条件が上記の範囲を外れると、例えば
次のような問題が発生した。加熱成形温度が280℃未
満では、金型の一部分のPPS樹脂だけしか溶融せず、
完全な成形体が得られなかった。逆に、400℃を越え
ると、得られる成形体の厚み方向の樹脂性状にムラが生
じ、極端な強度低下を来した。
【0090】昇温速度については、約250℃までは2
5〜50℃/分程度の速度で昇温しても問題はないが、
その後は15〜35℃/分の速度に落として昇温するこ
とが重要である。昇温速度が15℃/分未満では、PP
S樹脂粉末同士が塊状になり成形体を得ることができな
かった。逆に、昇温速度が急激すぎると、成形体中に気
泡を取り込むようになった。降温時については、15℃
/分未満では成形体に歪みや反り、湾曲等が発生した。
また、50℃/分を越えると割れやひびが発生した。多
軸回転成形機例えば二軸回転成形機の場合、公転と自転
があるが、どちらの回転速度も20rpmを越えると遠
心力の影響が顕著になり、金型のコーナー部分に樹脂が
集中して溜まり易くなり、無充填グレードのPPS樹脂
成形体の板厚の均一性が損なわれた。
5〜50℃/分程度の速度で昇温しても問題はないが、
その後は15〜35℃/分の速度に落として昇温するこ
とが重要である。昇温速度が15℃/分未満では、PP
S樹脂粉末同士が塊状になり成形体を得ることができな
かった。逆に、昇温速度が急激すぎると、成形体中に気
泡を取り込むようになった。降温時については、15℃
/分未満では成形体に歪みや反り、湾曲等が発生した。
また、50℃/分を越えると割れやひびが発生した。多
軸回転成形機例えば二軸回転成形機の場合、公転と自転
があるが、どちらの回転速度も20rpmを越えると遠
心力の影響が顕著になり、金型のコーナー部分に樹脂が
集中して溜まり易くなり、無充填グレードのPPS樹脂
成形体の板厚の均一性が損なわれた。
【0091】樹脂量については、成形体の大きさと表面
積により多少異なるが、無充填グレードのPPS樹脂成
形体の最大板厚が15mm以下になるように樹脂量を調
整しなければ、樹脂の流動状態が不適になり、成形体の
板厚が不揃いになったり、局部的に薄くなったりへこみ
や空隙等が発生した。この結果から、樹脂量は板厚とし
て15mm以下に、好ましくは10mm以下になるよう
に調整する必要があることが分かった。即ち、前述の強
度上の理由と成形性の良さという観点から、燃料電池ヘ
ッダーとしてPPS樹脂成形体を採用する場合、板厚と
しては3〜15mmが適切であり、好ましくは5〜10
mmであると判断できる。
積により多少異なるが、無充填グレードのPPS樹脂成
形体の最大板厚が15mm以下になるように樹脂量を調
整しなければ、樹脂の流動状態が不適になり、成形体の
板厚が不揃いになったり、局部的に薄くなったりへこみ
や空隙等が発生した。この結果から、樹脂量は板厚とし
て15mm以下に、好ましくは10mm以下になるよう
に調整する必要があることが分かった。即ち、前述の強
度上の理由と成形性の良さという観点から、燃料電池ヘ
ッダーとしてPPS樹脂成形体を採用する場合、板厚と
しては3〜15mmが適切であり、好ましくは5〜10
mmであると判断できる。
【0092】なお、図12は上記成形法で得られた成形
体について、それぞれ板厚さの異なる部分について巾1
0mmの試験片を採取して行った曲げ試験の結果を示す
グラフである。
体について、それぞれ板厚さの異なる部分について巾1
0mmの試験片を採取して行った曲げ試験の結果を示す
グラフである。
【0093】この製造方法は、PPS樹脂粉末を金型に
投入する第1工程と、二軸回転成形機(6)に取り付けら
れた金型全体をゆっくりと回転させながら加熱成形温度
まで昇温し、PPS樹脂を加熱溶融させる第2工程と、
金型全体をゆっくりと回転させながら冷却させる第3工
程と、成形体を金型から取り出す第4工程から構成され
ている。
投入する第1工程と、二軸回転成形機(6)に取り付けら
れた金型全体をゆっくりと回転させながら加熱成形温度
まで昇温し、PPS樹脂を加熱溶融させる第2工程と、
金型全体をゆっくりと回転させながら冷却させる第3工
程と、成形体を金型から取り出す第4工程から構成され
ている。
【0094】第1工程では、予め二軸回転成形機(6)に
取り付けられた鋼材またはステンレス材等で製作された
簡易な金型(5)の中にPPS樹脂粉末を投入し、金型蓋
(図示せず)を設置する。ここで、図13は、金型(5)の
一実施態様を示す図であり、(5a)は金型本体であり、(5
b)は金型蓋である。PPS樹脂の金型への投入量は、成
形体の大きさと形状により異なるが、成形体の板厚が3
〜15mmになるようにするのが望ましく、更に好まし
くは板厚5〜10mmになるように調整するのが良い。
取り付けられた鋼材またはステンレス材等で製作された
簡易な金型(5)の中にPPS樹脂粉末を投入し、金型蓋
(図示せず)を設置する。ここで、図13は、金型(5)の
一実施態様を示す図であり、(5a)は金型本体であり、(5
b)は金型蓋である。PPS樹脂の金型への投入量は、成
形体の大きさと形状により異なるが、成形体の板厚が3
〜15mmになるようにするのが望ましく、更に好まし
くは板厚5〜10mmになるように調整するのが良い。
【0095】第2工程では、二軸回転成形機(6)を加熱
炉(7)内で回転させながら昇温させるのであるが、昇温
の前に成形中の樹脂の酸化を防止するために、金型(5)
内の空気を予め窒素などの不活性ガスで置換し、金型内
を不活性雰囲気にする。その後、金型(5)の大きさに応
じて金型内に1〜20リットル/分の不活性ガスを流
し、金型(5)を回転させながら、外側より加熱してPP
S樹脂を溶融し、該PPS樹脂を金型(5)の内壁に積層
することにより加熱成形を行う。この際のPPS樹脂の
昇温速度は15〜50℃/分、加熱成形温度は280〜
400℃、回転速度は20rpm以下が望ましい。特
に、昇温速度については、約250℃までは25〜50
℃/分程度の速度で昇温しても問題はないが、その後は
昇温速度を15〜35℃/分の速度に落とすことが重要
である。
炉(7)内で回転させながら昇温させるのであるが、昇温
の前に成形中の樹脂の酸化を防止するために、金型(5)
内の空気を予め窒素などの不活性ガスで置換し、金型内
を不活性雰囲気にする。その後、金型(5)の大きさに応
じて金型内に1〜20リットル/分の不活性ガスを流
し、金型(5)を回転させながら、外側より加熱してPP
S樹脂を溶融し、該PPS樹脂を金型(5)の内壁に積層
することにより加熱成形を行う。この際のPPS樹脂の
昇温速度は15〜50℃/分、加熱成形温度は280〜
400℃、回転速度は20rpm以下が望ましい。特
に、昇温速度については、約250℃までは25〜50
℃/分程度の速度で昇温しても問題はないが、その後は
昇温速度を15〜35℃/分の速度に落とすことが重要
である。
【0096】第3工程では、二軸回転成形機(6)を加熱
炉(7)から取り出し、回転させながら冷却を行うが、こ
の際の降温速度は15〜50℃/分、回転速度は20r
pm以下が望ましい。
炉(7)から取り出し、回転させながら冷却を行うが、こ
の際の降温速度は15〜50℃/分、回転速度は20r
pm以下が望ましい。
【0097】第4工程では冷却後に金型蓋を開き、無充
填グレードのPPS樹脂成形体を金型から取り出す。
填グレードのPPS樹脂成形体を金型から取り出す。
【0098】本実施例によれば、図13に示すような簡
易な金型を準備するだけで、樹脂の流動状態が適正化さ
れ、成形体の板厚が不揃いになったり、局部的に薄くな
ったりへこみや空隙が発生することなく、成形できるの
で、安価で生産性の良い量産に適した成形法が得られ
る。
易な金型を準備するだけで、樹脂の流動状態が適正化さ
れ、成形体の板厚が不揃いになったり、局部的に薄くな
ったりへこみや空隙が発生することなく、成形できるの
で、安価で生産性の良い量産に適した成形法が得られ
る。
【0099】実施例10.図14は、本発明のPPS樹
脂成形体(2)と燃料電池積層体(1)のシール部分を示す図
である。シール部分はシール性及びシール部分の強度を
確保する為に厚肉とする必要がある。しかし、回転成形
法ではコーナー部分に肉厚がつきにくく、又、シール部
分の肉厚を調整したり、シール溝を同時に成形すること
は不可能である。本発明では上記発明のポリフェニレン
サルファイド樹脂を金型内で加熱溶融させる第2の工程
と金型を回転させながら冷却させる第3の工程の間にシ
ール部分を成形するプレス工程を加えた。
脂成形体(2)と燃料電池積層体(1)のシール部分を示す図
である。シール部分はシール性及びシール部分の強度を
確保する為に厚肉とする必要がある。しかし、回転成形
法ではコーナー部分に肉厚がつきにくく、又、シール部
分の肉厚を調整したり、シール溝を同時に成形すること
は不可能である。本発明では上記発明のポリフェニレン
サルファイド樹脂を金型内で加熱溶融させる第2の工程
と金型を回転させながら冷却させる第3の工程の間にシ
ール部分を成形するプレス工程を加えた。
【0100】図15にシール部をプレス加工を行う金型
の図を示す。この金型は本体金型部(23)と移動金型部(2
4)からなり、移動金型部(24)は、本体金型部(23)の内部
を上下に移動するこができ、任意の位置で固定すること
ができる。図15の(a)は移動前を示す図であり、
(b)は移動後を示す図である。本実施例によれば第1
工程ではあらかじめプレス成形に必要な距離mに移動金
型部(24)を固定し、PPS樹脂粉末を投入する。
の図を示す。この金型は本体金型部(23)と移動金型部(2
4)からなり、移動金型部(24)は、本体金型部(23)の内部
を上下に移動するこができ、任意の位置で固定すること
ができる。図15の(a)は移動前を示す図であり、
(b)は移動後を示す図である。本実施例によれば第1
工程ではあらかじめプレス成形に必要な距離mに移動金
型部(24)を固定し、PPS樹脂粉末を投入する。
【0101】第2工程では、前記と同じく、N2雰囲気
中でPPS樹脂を加熱溶融させる。第3工程で2軸回転
成形機(6)を加熱炉(7)から取り出し、すぐにジャッキ(2
5)等でシール部分に必要な肉厚までプレスを行い、再度
固定しPPS樹脂温度が50〜200℃になるまで冷却
する。第4工程で本体金型部 を取り外し、PPS樹脂
成形体(2)を金型より取り出す。
中でPPS樹脂を加熱溶融させる。第3工程で2軸回転
成形機(6)を加熱炉(7)から取り出し、すぐにジャッキ(2
5)等でシール部分に必要な肉厚までプレスを行い、再度
固定しPPS樹脂温度が50〜200℃になるまで冷却
する。第4工程で本体金型部 を取り外し、PPS樹脂
成形体(2)を金型より取り出す。
【0102】本実施例によれば、シール部分及びコーナ
ー部分を厚肉化することができ、コーナー部分に十分な
強度を得ることができると共に十分なシール性を確保す
ることができる。
ー部分を厚肉化することができ、コーナー部分に十分な
強度を得ることができると共に十分なシール性を確保す
ることができる。
【0103】実施例11.図16は、図15の移動金型
部(24)にシール部のシール溝を成形できるよう凸となっ
たシール溝部(26)を設けた移動金型部を示す。本実施例
によれば上記第3工程でプレスを行う際に同時にシール
部分にシール溝を成形することができる。
部(24)にシール部のシール溝を成形できるよう凸となっ
たシール溝部(26)を設けた移動金型部を示す。本実施例
によれば上記第3工程でプレスを行う際に同時にシール
部分にシール溝を成形することができる。
【0104】本実施例によれば、プレス工程の際に同時
にPPS樹脂成形体(2)のシール溝を合わせて成形する
ことができ、シール材取り付け作業時にシール材を落ち
にくくすることができ組立作業を容易にする効果があ
る。
にPPS樹脂成形体(2)のシール溝を合わせて成形する
ことができ、シール材取り付け作業時にシール材を落ち
にくくすることができ組立作業を容易にする効果があ
る。
【0105】実施例12.図17は、図15の移動金型
部(24)に切断を同時に行うことができるよう切断刃(27)
を設けた移動金型部を示す。本実施例によれば上記第3
工程でプレスを行う際に同時に切断刃(27)によりPPS
樹脂成形体(2)の外周を切断することができる。
部(24)に切断を同時に行うことができるよう切断刃(27)
を設けた移動金型部を示す。本実施例によれば上記第3
工程でプレスを行う際に同時に切断刃(27)によりPPS
樹脂成形体(2)の外周を切断することができる。
【0106】本実施例によれば、プレス工程の際に同時
にPPS樹脂成形体(2)の外周切断を合わせて行うこと
ができ、成形後切断するといった工程を省略することが
できる。
にPPS樹脂成形体(2)の外周切断を合わせて行うこと
ができ、成形後切断するといった工程を省略することが
できる。
【0107】実施例13.図18は、1回の回転成形に
より複数台のPPS樹脂成形体を得るための金型の一例
を示すものである。図18は同一寸法の金型で一度に2
個の成形体を得るための2個取り用金型の一例を示すも
のであり、図7に示す金型(5a)を2個合わせた形状とな
っている。
より複数台のPPS樹脂成形体を得るための金型の一例
を示すものである。図18は同一寸法の金型で一度に2
個の成形体を得るための2個取り用金型の一例を示すも
のであり、図7に示す金型(5a)を2個合わせた形状とな
っている。
【0108】また、図19は一度に4個の成形体を得る
場合を示す図である。また、寸法が異なる成形体が必要
な場合は、成形炉寸法制約に応じて大きさが異なる金型
同士の組み合わせで、複数個のPPS樹脂成形体を得る
ことが可能である。ここで、(a)は同一寸法の成形体を
得る場合の製造時の平面図であり、同じく(b)は正面図
である。
場合を示す図である。また、寸法が異なる成形体が必要
な場合は、成形炉寸法制約に応じて大きさが異なる金型
同士の組み合わせで、複数個のPPS樹脂成形体を得る
ことが可能である。ここで、(a)は同一寸法の成形体を
得る場合の製造時の平面図であり、同じく(b)は正面図
である。
【0109】図20は、金型寸法が異なる場合の複数個
一括成形の場合を示す図である。(a)は平面図であり、
同じく(b)は正面図である。
一括成形の場合を示す図である。(a)は平面図であり、
同じく(b)は正面図である。
【0110】本実施例によれば、1回の回転成形により
複数台のPPS樹脂成形体が成形できるので、効率よく
生産ができるのは言うまでもなく、更に、使用するPP
S樹脂成形体の製造歩留まりも大幅に改善できるという
効果がある。
複数台のPPS樹脂成形体が成形できるので、効率よく
生産ができるのは言うまでもなく、更に、使用するPP
S樹脂成形体の製造歩留まりも大幅に改善できるという
効果がある。
【0111】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。
ので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0112】実施例1によれば、200℃程度の高温状
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供
することができるという効果がある。
態で、かつリン酸が存在するという条件下で、耐食性
(耐熱リン酸性)と電気的絶縁性と耐差圧強度とシール性
を同時に兼ね備えた燃料電池ヘッダーを、低価格で提供
することができるという効果がある。
【0113】実施例2によれば、強度的に弱いPPS樹
脂成形体コーナー部を直接締め付けることなく、押しつ
ける力を調整しながらシール性を確保することができる
という効果がある。
脂成形体コーナー部を直接締め付けることなく、押しつ
ける力を調整しながらシール性を確保することができる
という効果がある。
【0114】実施例3によれば、実施例1と同様な効果
は勿論のこと、成形性や耐熱寿命において、より優れた
ものを提供できるという効果がある。
は勿論のこと、成形性や耐熱寿命において、より優れた
ものを提供できるという効果がある。
【0115】実施例4によれば、実施例1と同様な効果
は勿論のこと、成形性や耐熱寿命において、より優れ且
つ強度実施例1並みの引張り伸びを有し靭性の大きなも
のを提供できるという効果がある。
は勿論のこと、成形性や耐熱寿命において、より優れ且
つ強度実施例1並みの引張り伸びを有し靭性の大きなも
のを提供できるという効果がある。
【0116】実施例5によれば、実施例1と同様な効果
があるのと合わせて、板厚を薄肉化し、軽量化でき、か
つPPS樹脂使用量を低減できるという効果がある。
があるのと合わせて、板厚を薄肉化し、軽量化でき、か
つPPS樹脂使用量を低減できるという効果がある。
【0117】実施例6によれば、実施例1と同様な効果
があるのと合わせて、板厚を薄肉化し、軽量化でき、か
つPPS樹脂の使用量を低減できると共にノズル等を容
易につけることができ、金型も簡素化でき金型代を安価
なものにすることができるという効果がある。
があるのと合わせて、板厚を薄肉化し、軽量化でき、か
つPPS樹脂の使用量を低減できると共にノズル等を容
易につけることができ、金型も簡素化でき金型代を安価
なものにすることができるという効果がある。
【0118】実施例7によれば、実施例1と同様な効果
があるのと合わせて、反りの大きな成形体であっても十
分なシール性を確保することができ、組立作業性を改善
すると共に品質上も問題がないという効果がある。
があるのと合わせて、反りの大きな成形体であっても十
分なシール性を確保することができ、組立作業性を改善
すると共に品質上も問題がないという効果がある。
【0119】実施例8によれば、反りの大きな成形体で
あっても十分なシール性を確保することができ、組立作
業性を良くすることができ、ヘッダーがずれ落ちるとい
ったこともなく品質上の効果は勿論のことであるが、反
りに応じて突っ張りを製作する必要がなくどのような反
りに対しても対応することができる。また、強度を向上
させることができる。
あっても十分なシール性を確保することができ、組立作
業性を良くすることができ、ヘッダーがずれ落ちるとい
ったこともなく品質上の効果は勿論のことであるが、反
りに応じて突っ張りを製作する必要がなくどのような反
りに対しても対応することができる。また、強度を向上
させることができる。
【0120】実施例9によれば、簡易な金型を準備する
だけで、樹脂の流動状態が適正化され、成形体の板厚が
不揃いになったり、局部的に薄くなったり、へこみや空
隙が発生することなく成形できるので、安価で生産性の
良い量産に適した成形法が得られる。
だけで、樹脂の流動状態が適正化され、成形体の板厚が
不揃いになったり、局部的に薄くなったり、へこみや空
隙が発生することなく成形できるので、安価で生産性の
良い量産に適した成形法が得られる。
【0121】実施例10によれば、プレス工程を追加す
ることでシール部分及びコーナー部分を厚肉に成形でき
るので、シール部分の強度を上げると共に十分なシール
性を得ることができるという効果がある。
ることでシール部分及びコーナー部分を厚肉に成形でき
るので、シール部分の強度を上げると共に十分なシール
性を得ることができるという効果がある。
【0122】実施例11によれば、金型に凸部を設ける
ことでプレス工程時に同時にシール溝を成形することが
できるので、組立作業性を容易にするという効果があ
る。
ことでプレス工程時に同時にシール溝を成形することが
できるので、組立作業性を容易にするという効果があ
る。
【0123】実施例12によれば、金型に切断刃を設け
ることでプレス工程時に同時に外周を切断することがで
きるので後工程を省略することができるという効果があ
る。
ることでプレス工程時に同時に外周を切断することがで
きるので後工程を省略することができるという効果があ
る。
【0124】実施例13によれば、1回の回転成形によ
り複数台のPPS樹脂成形体が成形できるので、効率よ
く生産ができるのは言うまでもなく、更に使用するPP
S樹脂の製造歩留まりも大幅に改善できるという効果が
ある。
り複数台のPPS樹脂成形体が成形できるので、効率よ
く生産ができるのは言うまでもなく、更に使用するPP
S樹脂の製造歩留まりも大幅に改善できるという効果が
ある。
【図1】 本発明の燃料電池ヘッダーを備えてなるリン
酸型燃料電池の一実施例を示す図である。
酸型燃料電池の一実施例を示す図である。
【図2】 図1のX−X断面を示す図である。
【図3】 本発明の燃料電池ヘッダーのヘッダー押さえ
機構を示す図である。
機構を示す図である。
【図4】 図3のZ−Z断面を示す図である。
【図5】 実施例5で得られたPPS樹脂成形体(2)の
図1のY−Y断面に相当する部分を示す図である。
図1のY−Y断面に相当する部分を示す図である。
【図6】 実施例6で得られたPPS樹脂成形体(2)の
図1のY−Y断面に相当する部分を示す図である。
図1のY−Y断面に相当する部分を示す図である。
【図7】 実施例7で得られたPPS樹脂成形体の内側
から見た図である。
から見た図である。
【図8】 実施例7で得られたPPS樹脂成形体の突っ
張り部の詳細図である。
張り部の詳細図である。
【図9】 実施例8で得られたPPS樹脂成形体の突っ
張り部の詳細図である。
張り部の詳細図である。
【図10】 本発明の無充填グレードのPPS樹脂成形
体の製造方法の一実施例を示す図である。
体の製造方法の一実施例を示す図である。
【図11】 無充填グレードのPPS樹脂サンプルの室
温−240℃ヒートサイクルと曲げ強度保持率(%)の関
係を示すグラフである。
温−240℃ヒートサイクルと曲げ強度保持率(%)の関
係を示すグラフである。
【図12】 PPS樹脂成形体の曲げ試験の結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図13】 本発明の製造方法に使用する金型の成形機
への取り付けに関する一実施例を示す図である。
への取り付けに関する一実施例を示す図である。
【図14】 回転成形工程によるPPS樹脂成形体の一
般的なコーナー部を示す図である。
般的なコーナー部を示す図である。
【図15】 実施例10で得られたプレス工程を示す図
である。
である。
【図16】 実施例11で得られたシール部分を示す図
である。
である。
【図17】 実施例12で得られたシール部分を示す図
である。
である。
【図18】 本発明の製造方法に使用する金型の成形機
への取り付けに関する他の実施例を示す図である。
への取り付けに関する他の実施例を示す図である。
【図19】 本発明の製造方法に使用する金型の成形機
への取り付けに関する更に他の実施例を示す図である。
への取り付けに関する更に他の実施例を示す図である。
【図20】 本発明の製造方法に使用する金型の成形機
への取り付けに関する更に他の実施例を示す図である。
への取り付けに関する更に他の実施例を示す図である。
【図21】 従来の燃料電池ヘッダーの一例を示す図で
ある。
ある。
【図22】 従来の燃料電池ヘッダーの他の例を示す図
である。
である。
1 燃料電池積層体 2 PPS樹脂成形
体 3 押え機構 4 ヘッダー 5 金型 5a 金型 5b 金型蓋 6 二軸回転成形機 7 加熱炉 20 ノズル 21 反り強制機構 22 支え 23 本体金型部 24 移動金型部 25 ジャッキ 26 シール溝部 27 切断刃 28 ステンレス製
突っ張り 29 ガスケット 31 押さえ枠 32 ワイヤーロープ 33 コイルバネ 34 固定金具 35 ターンバック
ル
体 3 押え機構 4 ヘッダー 5 金型 5a 金型 5b 金型蓋 6 二軸回転成形機 7 加熱炉 20 ノズル 21 反り強制機構 22 支え 23 本体金型部 24 移動金型部 25 ジャッキ 26 シール溝部 27 切断刃 28 ステンレス製
突っ張り 29 ガスケット 31 押さえ枠 32 ワイヤーロープ 33 コイルバネ 34 固定金具 35 ターンバック
ル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 行宗 安友 埼玉県大宮市プラザ67−5 (72)発明者 牧 賢治 茨城県竜ヶ崎市向陽台4丁目4番 ダイラ イト株式会社内 (72)発明者 谷口 哲也 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内 (72)発明者 松本 正昭 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内 (72)発明者 小谷 邦男 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内
Claims (13)
- 【請求項1】 燃料極、空気極及び電解質マトリックス
からなる単位セルと、燃料ガスと酸化剤ガスを分離して
単位セルに供給するセバレータとを交互に積層してなる
燃料電池積層体、並びにこの燃料電池積層体に燃料ガス
及び酸化剤ガスを供給・排気する燃料電池ヘッダーを備
えてなる燃料電池の燃料電池ヘッダーにおいて、前記ヘ
ッダーが板厚3〜15mmの無充填グレードのポリフェ
ニレンサルファイド樹脂成形体で形成され前記燃料電池
積層体に気密を保って接する面を有するとともに、該成
形体を燃料電池積層体に押し付けるバネを含む押え機構
から構成されていることを特徴とする燃料電池ヘッダ
ー。 - 【請求項2】 押え機構が、前記ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂成形体のシール面を背面から押さえる押え枠
と、この押え枠を燃料電池積層体に押しつける為のワイ
ヤーロープとコイルバネ、このコイルバネを固定する金
具と、ターンバックルとから構成されていることを特徴
とする請求項1記載の燃料電池ヘッダー。 - 【請求項3】 ポリフェニレンサルファイド樹脂成形体
を、無充填グレードの架橋型構造のポリフェニレンサル
ファイド樹脂で成形することを特徴とする請求項1記載
の燃料電池ヘッダー。 - 【請求項4】 ポリフェニレンサルファイド樹脂が架橋
型構造で且つその溶液粘度(固有粘度)がその溶融粘度
(フローレート)と次式の関係にあることを特徴とする
請求項1記載の燃料電池ヘッダー。 [η]=Ax(MFRO)-Bx(MFR/MFRO)-C±0.005 (1) ここで A=0.9433±0.01 B=0.2170±0.05 C≧0.150 また、[η]は固有粘度であり0.4g/100mlの
ポリマー濃度のα−クロロナフタレン溶液を用いて20
6℃で測定した相対粘度の対数をポリマー濃度で除した
値である。MFRは熱処理により架橋したPPS樹脂の
メルトフローレート、MFROは該PPS樹脂の熱処理
前のメルトフローレートでありいずれもASTMD−1
238−86に従い荷重5kg, 315.6℃で測定
した10分当りのg数である。 - 【請求項5】 ポリフェニレンサルファイド樹脂成形体
の背面を、波板状に形成することを特徴とする請求項1
記載の燃料電池ヘッダー。 - 【請求項6】 ポリフェニレンサルファイド樹脂成形体
の背面に、凹部を形成することを特徴とする請求項1記
載の燃料電池ヘッダー。 - 【請求項7】 ポリフェニレンサルファイド樹脂成形体
の内面に、テフロンポリフェニレンサルファイド製の突
張りを設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池
ヘッダー。 - 【請求項8】 ポリフェニレンサルファイド樹脂成形体
の内面に、表面を耐熱りん酸性材料で被覆し両端にねじ
部を加工したステンレス製の突張りを設けたことを特徴
とする請求項1記載の燃料電池ヘッダー。 - 【請求項9】 無充填グレードのポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂粉末を金型に投入する第1の工程と、一軸ま
たは多軸回転成形機に取り付けられた金型全体を回転数
20rpm以下で回転させながら、280〜400℃の
加熱成形温度まで昇温速度15〜50℃/分で昇温し、
無充填グレードのポリフェニレンサルファイド樹脂を加
熱溶融させる第2の工程と、金型全体を回転数20rp
m以下で回転させながら、降温速度15〜50℃/分で
冷却させる第3の工程と、無充填グレードのポリフェニ
レンサルファイド樹脂成形体を金型から取り出す第4の
工程を備えてなることを特徴とする無充填グレードのポ
リフェニレンサルファイド樹脂を用いた燃料電池ヘッダ
ー成形体の製造方法。 - 【請求項10】 ポリフェニレンサルファイド樹脂を金
型内で加熱溶融させる第2の工程と金型を回転させなが
ら冷却させる第3の工程との間にプレス工程を追加する
ことを特徴とする請求項9記載のポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂を用いた燃料電池ヘッダー成形体の製造方
法。 - 【請求項11】 プレス工程時に同時にシール溝を成形
することを特徴とする請求項10記載のポリフェニレン
サルファイド樹脂を用いた燃料電池ヘッダー成形体の製
造方法。 - 【請求項12】 プレス工程時に同時に切断を行うこと
を特徴とする請求項10記載のポリフェニレンサルファ
イド樹脂を用いた燃料電池ヘッダー成形体の製造方法。 - 【請求項13】 ポリフェニレン樹脂成形体を1回の成
形で複数個成形することを特徴とする請求項10記載の
ポリフェニレンサルファイド樹脂を用いた燃料電池ヘッ
ダー成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24126994A JP3212227B2 (ja) | 1993-10-06 | 1994-10-05 | 燃料電池ヘッダーとその成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25033993 | 1993-10-06 | ||
JP5-250339 | 1993-10-06 | ||
JP24126994A JP3212227B2 (ja) | 1993-10-06 | 1994-10-05 | 燃料電池ヘッダーとその成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07169500A true JPH07169500A (ja) | 1995-07-04 |
JP3212227B2 JP3212227B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=26535170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24126994A Expired - Fee Related JP3212227B2 (ja) | 1993-10-06 | 1994-10-05 | 燃料電池ヘッダーとその成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212227B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998035399A1 (fr) * | 1997-02-07 | 1998-08-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Pile a combustible et procede permettant de monter un revetement interieur sur la rampe a gaz de la pile a combustible |
JP2005520312A (ja) * | 2001-08-02 | 2005-07-07 | ユーティーシー フューエル セルズ,エルエルシー | 燃料電池スタック用のマニホールド取付装置 |
JP2007280716A (ja) * | 2006-04-05 | 2007-10-25 | Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
JP2008218088A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp | 燃料電池およびその製造方法 |
JP2010503159A (ja) * | 2006-09-07 | 2010-01-28 | エネルディ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 少なくとも1つの燃料電池スタックを収容するためのハウジング |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP24126994A patent/JP3212227B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
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KR100334049B1 (ko) * | 1997-02-07 | 2002-04-26 | 니시무로 타이죠 | 연료 전지 및 연료 전지의 가스 매니폴드에의 라이닝 부착 방법 |
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JP4700339B2 (ja) * | 2001-08-02 | 2011-06-15 | ユーティーシー パワー コーポレイション | 燃料電池スタック用のマニホールド取付装置 |
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JP2008218088A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Toshiba Fuel Cell Power Systems Corp | 燃料電池およびその製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3212227B2 (ja) | 2001-09-25 |
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