JPH07169103A - 情報記録担体 - Google Patents

情報記録担体

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JPH07169103A
JPH07169103A JP5342983A JP34298393A JPH07169103A JP H07169103 A JPH07169103 A JP H07169103A JP 5342983 A JP5342983 A JP 5342983A JP 34298393 A JP34298393 A JP 34298393A JP H07169103 A JPH07169103 A JP H07169103A
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track
mark
record carrier
information record
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JP5342983A
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English (en)
Inventor
Seiji Morita
成二 森田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロストークを防止するために、任意のトラ
ックとそれに隣接したトラックとが段差を有するように
するとともにトラック上の情報はマークの始端とマーク
の終端との組み合わせにより情報を表現可能にし、これ
によって情報記録担体への高データ密度化を実現するこ
とを目的とする。 【構成】 トラックに沿ってマークを形成してなる情報
記録担体において、任意のトラックとそれに隣接したト
ラックとが段差を成し、かつ、各トラック上の情報はマ
ークの始端とマークの終端との組み合わせにより情報を
表現する。前記段差はλを再生レーザー光の波長としn
を情報記録担体基板の屈折率としたときλ/(6・n)
からλ/(3・n)の範囲の値となるようにした。ま
た、マークの始端とマークの終端との組み合わせは、マ
ークの始端のトラック中心に対する位置とマークの終端
のトラック中心に対する位置との組み合わせなどであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ディスク、光カー
ド、光テープ等の情報記録担体に関するものである。さ
らに詳しくは、この発明は、特に高データ密度化や、高
データ転送レート化を実現することのできる新しい情報
記録担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高密度データが蓄積でき高速に情報処理
可能な光ディスク、光カード、磁気ディスク、磁気カー
ド、磁気テープ等の情報記録担体はコンピュータメモリ
ー等として現在広く使用されている。特に直径5.25
インチの光ディスクにおいては1回のみ情報の書き込み
が可能であるライトワンスタイプや、情報の書換えが可
能である光磁気タイプが、また、直径3.5インチの光
ディスクにおいては光磁気タイプや再生専用であるRO
Mタイプ、及び光磁気とROMの混在しているパーシャ
ルROMタイプがISO規格により標準化されており、
今後さらに広く普及するものと予想される。
【0003】また、最近ではデジタルオーディオ分野に
おいても光ディスク、光カード、光テープ等の情報記録
担体が応用されている。例えば、24〜48トラックの
デジタルマルチトラックレコーディングにおけるマスタ
ーソースとしてライトワンスタイプの光ディスクや光磁
気ディスクを使ったプレーヤーが販売されている。この
ような専門家向け製品以外にも、一般消費者向け製品と
してもCD−R(ライトワンスタイプのコンパクトディ
スク)やMD(ミニディスク)が登場しており、今後の
動向が注目されてる。
【0004】これらの情報記録担体には何本ものトラッ
クが形成されており、情報はトラックに沿ってマークの
有無により記録される。ROMタイプ光ディスクを例に
とれば、図1に示したように、トラック(1)中心
(2)に沿ってマーク(3)の列が形成されている。こ
のマーク(3)はある位相深さの窪みでありピットと呼
ばれる。情報はピットの有無により再生される。最も簡
単な例としてはピットを1とし、ピットの無い部分を0
として、1、0の2値記録がなされる。
【0005】また、このような従来の情報記録担体をさ
らに高データ密度化するためにトラックピッチ(トラッ
ク中心から隣りのトラック中心までの間隔)を狭くする
ことが研究されている。しかしながら、例えば光ディス
クの場合、波長780〜830nmの半導体レーザー及
び開口数(N.A.)0.5〜0.55の対物レンズを
搭載した従来のピックアップでは、トラックピッチを
1.4μmより小さくすると隣接したトラックに書き込
まれた情報の影響(クロストークと呼んでいる。)が極
端に大きくなること、また、トラッキングに必要なトラ
ッキング誤差信号が極端に小さくなるために正確なトラ
ッキングが行いにくくなること等の問題が生じていた。
この問題解決のために波長670〜690nmの半導体
レーザーが開発されているが、未だレーザー光の形状や
出力等が不十分な状況にある。
【0006】また、従来の情報記録担体では原理的に2
値記録が限界であり3個以上のいわゆる多値記録による
高データ密度化が出来なかった。さらに2値情報を2
重、3重で記録するといういわゆる多重記録による高デ
ータ密度化も不可能であった。そこでこの発明の発明者
は、マークの始端とマークの終端との組み合わせにより
情報を表現し、多値記録あるいは多重記録による高デー
タ密度化を図ることのできる情報記録担体を構想し、こ
れを実現した。
【0007】この情報記録担体は、以下の特徴を有して
いる。すなわち、たとえば、マークの始端及び終端がN
種類の形状をとることが出来るとすると、このときマー
ク始端形状とマーク終端形状の組み合わせはN×N=N
2 通りあることになる。従って、この組み合わせ数を情
報に対応させればN2値の多値記録が可能になる。さら
にN2 ≧2n であればn重の2値多重記録が可能であ
る。マークの始端及び終端形状の例を示したものが図3
である。
【0008】マーク(3)の始端(4)とマークの終端
(5)との組み合わせは、マークの始端(4)及び終端
(5)の形状のみならず、マーク始端(4)部及び終端
(5)部における反射率、透過率、位相差等の光学的性
質であってもよいし、磁化の向きや保磁力等の磁気学的
性質、カー回転角やカー楕円率等の磁気光学的性質であ
ってもよい。マークの始端及び終端の位置であってもよ
い。
【0009】たとえば、マークの始端(4)及び終端
(5)のトラック中心(2)に対する位置により情報の
多値化、多重化を行う場合の例を説明すると、いまマー
クの始端及び終端のトラック中心に対する位置は合計M
個の位置をとるものとすれば、始端位置と終端位置の組
み合わせはM×M=M2 通りである。従って、M2 値記
録が可能となる。さらに、M2 ≧2L であれば2値L重
記録が可能となる。
【0010】さらにマークをピットとしピット深さをK
種類をすればM2 ×K=M2 K通りの組み合わせとなる
のでM2 K値記録が可能となる。またM2 K≧2L であ
れば2値L重記録が可能である。M=3、K=2の例を
示すと、たとえば、図2に示したように、マークの始端
(4)及び終端(5)のトラック中心(2)に対する位
置は、トラック中心(2)位置、トラック中心に対し右
側(6)位置、トラック中心に対し左側(7)位置の合
計3つの位置をとるものと考えることができる。この場
合、始端位置と終端位置の組み合わせは3×3=9通り
となる。従って、9値記録が可能となる。また、9≧2
3 なので2値3重記録が可能である。さらにマークをピ
ットとし、ピット深さを2種類とすれば9×2=18通
りの組み合わせとなるので18値記録が可能となる。ま
た18≧24 なので2値4重記録が可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記記録担体は、多値
記録や、高データ密度化を可能とするものであるが、一
方で、さらには検討すべき若干の課題が残されてもい
た。それは任意のトラックを再生しようとする際、隣接
したトラック上に書き込まれたマークの再生信号が漏れ
込んでくる現象、すなわちクロストークが若干大きくな
ることである。特にマークの始端及び終端のトラック中
心に対する位置の組み合わせにより情報を表現する場合
は、例えばトラック中心より左右いずれかに外れてマー
クが存在することになるため、隣接トラック上のマーク
からの影響が大きくなってしまう。従って、この場合も
ある程度しかトラックピッチを狭められないという制約
があった。また、従来の情報記録担体に比較しマーク形
状やマークのトラック中心に対する位置等が均一に形成
されないためにトラッキングがしにくいという問題もあ
った。
【0012】そこでこの発明は、上記の情報記録担体の
特徴を生かしつつ、クロストークを防止し、マークの始
端とマークの終端との組み合わせにより情報を記録・表
現可能とした新しい情報記録担体を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、ト
ラックに沿ってマークを形成してなる情報記録担体にお
いて、任意のトラックとそれに隣接したトラックとが段
差を成し、かつ、各トラック上の情報はマークの始端と
マークの終端との組み合わせにより記録されていること
を特徴とする情報記録担体を提供する。さらにこの発明
は、前記段差はλを再生レーザー光の波長としnを情報
記録担体基板の屈折率としたときλ/(6・n)からλ
/(3・n)の範囲の値となるようにすることや、マー
クの始端のトラック中心に対する位置とマークの終端の
トラック中心に対する位置との組み合わせにより情報を
記録すること、マークを位相構造、すなわちピットとし
たり、ピットが2種類の深さを有する位相構造とする等
をその一つの態様としてもいる。
【0014】
【作用】この発明における情報記録担体はマークの有無
により情報を記録するという従来の情報記録担体とはマ
ークの始端とマークの終端との組み合わせにより情報を
記録するという点で異なっている上に、隣接するトラッ
クをある段差分だけずらして配置するようにした点に特
徴がある。
【0015】具体的にはこの発明では、ある深さdの段
差をトラック間に設けるように構成する。情報の再生は
従来の情報記録担体と同様に情報記録担体基板側よりレ
ーザー光をトラック上に集光させて行う。この結果、任
意の1本のトラックより反射したレーザー光成分に対し
左右各1本のトラックから反射したレーザー光成分には
段差に相当する光路長だけの位相差が発生することにな
る。従って、この位相差を適当に選んでやれば隣接トラ
ック上のマークの影響を小さくすることができる。ま
た、この発明では各トラック上の情報をマークの始端と
マークの終端との組み合わせにより表現するためマーク
の形状あるいはマークのトラック中心に対する位置が必
ずしも均一ではなくなるが、隣接したトラック間には前
述したような段差があるためこの段差を利用して任意の
トラックに沿っての安定なトラッキングが可能となる。
情報記録担体より情報を再生するには、例えばレーザー
光をマークに集光した際の反射光強度を検出することで
可能となる。この結果、情報記録担体への高データ密度
化を実現できるとともにクロストークが小さくなり狭ト
ラックピッチ化をも実現できる。
【0016】以下図面を参照ながらこの発明に係わる原
理を説明する。すなわち、まず、この発明における情報
記録担体はマークの始端とマークの終端との組み合わせ
により情報を記録することにより多値記録あるいは多重
記録による高データ密度化を実現できる点で従来のマー
クの有無により情報を記録するという情報記録担体とは
異なっており、また、本発明は隣接するトラックをある
段差分だけずらして配置することによりクロストークを
小さくし、狭トラックピッチ化をも実現できるものであ
る。
【0017】つまり、この発明では、ある深さの段差を
トラック間に設けるように構成している。つまり情報記
録担体の任意の1本のトラックとこのトラックに隣合っ
た左右各1本のトラックとはこの段差だけずれて配置さ
れる。情報の再生は従来の情報記録担体と同様に情報記
録担体基板側よりレーザー光をトラック上に集光させて
行う。
【0018】従来の情報記録担体の場合は図4に示した
ように、任意の1本のトラックとこのトラックに隣合っ
た左右各1本のトラックとは同一平面上に配置されてい
たため、任意の1本のトラックを再生する際に、隣合っ
た左右各1本のトラックからの再生信号が直接漏れ込ん
でくる。しかしこの発明の場合には図5に示すように、
凹トラック(22)の場合もあれば凸トラック(23)
の場合もある任意の1本のトラックより反射したレーザ
ー光成分に対し左右各1本のトラック(先に選別したト
ラックが凹トラック(22)の場合には凸トラック(2
3)となり、凸トラック(23)の場合であれば凹トラ
ック(22)となる。)から反射したレーザー光成分に
は段差に相当する光路長だけの位相差が発生することに
なる。従って、この位相差を適当に選んでやれば隣接ト
ラック上のマークの影響を小さくすることができる。特
に好適な位相差となる段差dはλを再生レーザー光の波
長としnを情報記録担体基板の屈折率とすればd=λ/
(6・n)〜λ/(3・n)程度となる。
【0019】また、この発明では各トラック上の情報を
マークの始端とマークの終端との組み合わせにより表現
するため、マークの形状あるいはマークのトラック中心
に対する位置が図3に示したように必ずしも均一ではな
くなるが、隣接したトラック間には前述したような段差
があるため、この段差を利用して任意のトラックに沿っ
ての安定なトラッキングが可能となる。トラッキング手
法としては一般的な3ビーム法やプッシュプル法等で良
い。任意のトラックの幅と隣のトラックの幅の比率は
1:1と同比率にしても良いが1:0.9、1:0.8
というように異比率とするとトラッキング誤差信号変調
度を大きくできる場合がある。
【0020】この発明における情報記録担体より情報を
再生するには、例えばレーザー光をマークに集光した際
の反射光強度を検出することで可能となる。マークの始
端部と終端部の検出は光検出器の信号(光検出器が多分
割センサーの場合は各分割光検出部の信号の総和すなわ
ちトータル信号)が増加あるいは減少する点つまり微分
信号が正または負の極値となる点を検知することにより
可能となる。
【0021】マークの始端と終端の形状、位置、光学的
性質、磁気的性質、磁気光学的性質等の検出は例えば光
検出器の受光量の違いすなわち信号レベルの差により区
別できる。特にマークの始端と終端の形状の場合は光検
出器を例えばトラック前後に2分割した構成とし2つの
分割光検出部の差信号レベルにより区別することもでき
る。またマークの始端と終端の位置の場合は光検出器
を、例えばトラック左右に2分割した構成とし2つの分
割光検出部の差信号レベルにより区別することもでき
る。
【0022】マークを数種類の深さのピットとした場
合、その深さの違いを判別するにも光検出器の受光量の
違いすなわち信号レベルの差を利用できる。特にピット
深さを2種類とした場合は例えば入射レーザー光をトラ
ック方向と45°の角度を成す直線偏光とし反射光を2
分の1波長板及び偏光ビームスプリッターによりトラッ
クと平行方向の偏光成分とトラックと垂直方向の偏光成
分の2つに分割して各々光検出器で光量を検出すること
によって、あるいは2つの光検出器の差信号を検出する
ことによっても深さの判別は可能である。この場合はピ
ットの一方をトラックと平行方向の偏光に対し回折効率
の大きい深さ(再生光の波長をλ、情報記録担体基板の
屈折率をnをすればλ/3n〜λ/4n程度)に選択
し、ピットのもう一方をトラックと垂直方向の偏光に対
し回折効率の大きい深さ(λ/4n〜λ/5n程度)に
選択しておくと好適である。
【0023】以下にマークの始端及び終端のトラック中
心に対する位置の場合の検出方法を図3および図6を参
照して説明する。いまマークの始端及び終端のトラック
中心に対する位置は図3に示すように、トラック中心
(2)位置、トラック中心に対し右側(6)位置、トラ
ック中心に対し左側(7)位置の合計3つの位置をとる
ものとする。光検出器をトラック左右に2分割した構成
とし、2つの分割光検出部よりの光出力をそれぞれ
1 、I2 とする。このとき2つの分割光検出部の和信
号すなわち(I1 +I2 )が増加あるいは減少する点、
つまり(I1 +I2 )の微分信号が正または負の極値と
なる点よりマークの始端部と終端部を検知することがで
きる。さらにそのとき2つの分割光検出部の差信号すな
わち(I1 −I2 )が0または正の値または負の値とな
ることからマークの始端部及び終端部のトラック中心
(2)に対する位置がトラック中心(2)位置、トラッ
ク中心に対し右側(6)位置、トラック中心に対し左側
(7)位置のいずれであるかが判別できる。差信号(I
1 −I2 )ではなく差信号を和信号で除した信号すなわ
ち( I1 −I2 )/(I1 +I2 )が0または正の値
または負の値となることよりマークの始端部及び終端部
のトラック中心に対する位置を判別することも可能であ
る。また総合的に(I1 +I2 )の微分信号d(I1
2 )/dtと差信号(I1 −I2 )の積信号を利用し
ても良い。
【0024】図6は図3に示した各マークを再生した際
の和信号(I1 +I2 )及び和信号の微分信号d(I1
+I2 )/dt及び差信号(I1 −I2 )と9値記録の
際、対応させる値の例及び2値3重記録の際対応させる
値の例を示している。2種類のピット深さを判別するに
は例えば入射レーザー光をトラック方向と45°の角度
を成す直線偏光とし反射光を2分の1波長板及び偏光ビ
ームスピリッターによりトラック方向の偏光成分とトラ
ックと垂直方向の偏光成分の2つに分割して検出するこ
とにより可能である。
【0025】
【実施例】以下、光ディスクの例について具体的に説明
する。光ディスクに記録する情報は18値のデータとし
た。これらのデータは図2に示すような9種類の形状の
ピットを2種類のピット深さとしてすなわち2×9=1
8種類のピットとして記録した。
【0026】この実施例では以下に記載するような方法
で光ディスクを製造した。まず、外径220mm、内径
10mm、厚さ6mmの表面粗度1nm以下に研磨され
た合成石英原盤を濃硫酸と過酸化水素水を体積比4:1
の割合で混合した液中(液温は40℃)に5分間浸した
後、超純水、代替フロン(旭硝子製アサヒクリンAK225A
ES)で超音波洗浄した。
【0027】次いで合成石英原盤表面にプライマー(ト
ランシル社製アンカーコート)をスピンコートした後、
ポジ型レジスト(ヘキスト社製AZ1350)をスピン
コートした。その後、原盤を100℃のクリーンオープ
ン内で30分間プリベークした。ちなみにレジストの膜
厚は約220nmである。次に波長457.9nmのA
rイオンレーザーを搭載したカッティングマシンで原盤
の半径30mmから半径60mmまでの領域を露光し
た。なお、トラックピッチは0.8μmであり、現像後
に幅約0.8μmの幅のトラックが形成されるようなレ
ーザーパワーで連続的に露光した。露光時の合成石英原
盤の回転数は450rpm、レーザー光スポット直径は
約1.3μmである。
【0028】その後、無機アルカリ現像液(ヘキスト製
AZデベロッパー)と超純水とを体積比3:5の割合で
混合し希釈した現像液でスピン現像した。この時の現像
条件は前純水塗布時間54秒、現像液塗布時間98秒、
後純水シャワー時間90秒、スピン乾燥時間90秒であ
る。次いで120℃のクリーンオーブン内で30分間ポ
ストベークした。
【0029】その後、反応性イオンエッチング装置(日
電アネルバ製DEA506)チャンバー内に原盤を入れ
真空度1×10-4Paまで排気した後、CHF3ガスを
導入し反応性イオンエッチングを行った。この時のガス
流量は6sccmでありガス圧力は0.3Pa、RF電
力は400W、自己バイアス電圧は−600V、電極間
距離は100mmである。
【0030】次に濃硫酸と過酸化水素水を体積比4:1
の割合で混合した液中に原盤を浸し残留レジストを剥離
した。この時の液温は100℃であり処理時間は5分で
ある。その後、超純水、代替フロン(旭硝子製アサヒク
リンAK225AES)で超音波洗浄した。次にこの段差の形成
された原盤表面にプライマー(トランシル社製アンカー
コート)をスピンコートした後、ポジ型フォトレジスト
(ヘキスト製AZ1350)をスピンコートした。
【0031】次いでレーザーカッティングマシン(波長
457.9nm、NA0.93)でデータを原盤表面に
記録した。9種類の形状のピット形成は従来のカッティ
ングマシン光学系のEO変調器の後に新たにEO偏向器
を追加し、信号変調されたレーザー光をウォーブリング
させ、レーザー光の集光ポイントをトラック中心位置、
トラック中心に対し右側位置、トラック中心に対し左側
位置の3位置にすることで行った。2種類の深さのピッ
ト形成はEO変調器によりレーザーパワーを変調して行
った。トラッキングはHe−Neレーザー光学系により
段差からのプッシュプル信号を得ることで行った。カッ
ティングはArレーザー光を2ビームに分割してそれぞ
れ凹トラック部、凸トラック部を露光した。カッティン
グ時の線速度は1.4m/sであり、トラックピッチは
0.8μm、形成するピットの長さは3μm、ピットと
ピットの間隔は3μm、ピット始端及び終端のウォーブ
リング量はトラック中心に対し右側及び左側とも0.1
μmである。ウォーブリング量は0.03〜0.3μm
の範囲が良好である。また、クロストーク測定を行うた
めにあえてピットを形成しない凹トラック、凸トラック
も作った。
【0032】さらに現像処理を行い原盤表面にピットパ
ターンを形成した。その後、反応性イオンエッチング装
置(日電アネルバ製DEA506)チャンバー内に原盤
を入れ真空度1×10−4Paまで排気した後、CHF
3ガスを導入し反応性イオンエッチングを行った。次に
濃硫酸と過酸化水素水を体積比4:1の割合で混合した
液中に原盤を浸し残留レジストを剥離した。その後、超
純水、代替フロン(旭硝子製アサヒクリンAK225AES)で
超音波洗浄した。
【0033】このようにして作製した合成石英原盤パタ
ーン表面に膜厚500Åのニッケル導電層をスパッタリ
ングにより形成した後、スルファミン酸ニッケル浴中に
おいて電鋳を行い厚さ300μmのニッケルメッキ層を
形成した。さらにニッケルメッキ面の研磨を行った後、
外径180mm、内径20mm、板厚10mmのステン
レス製プレートをエポキシ接着剤でニッケルメッキ面に
接着した。接着剤硬化後、石英原盤とプレート接着済み
のニッケルメッキを剥離し、スタンパーを作製した。ス
タンパーのピット深さは70nmと110nmであり、
ピット幅は約0.3μmであった。
【0034】以上のようにしてスタンパーを6枚作製し
た。これらは段差が全て異なり、それぞれ30nm=λ
/(15・n)、55nm=λ/(8・n)、70nm
=λ/(6・n)、90nm=λ/(5・n)、110
nm=λ/(4・n)、130nm=λ/(3・n)で
ある。これらのスタンパーからいわゆる2P法により外
径120mm、内径15mm、板厚1.2mmのガラス
基板表面にピットパターン及び段差を複製し、パターン
複製面にアルミニウム層をスパッタリングし、有機保護
膜をスピンコートして、6枚の光ディスクを得た。
【0035】このようにして作製した6枚の光ディスク
を評価用ドライブにて再生した。評価ドライブのピック
アップ光学系を示したものが図7である。レーザー
(8)からの光路に、コリメーターレンズ(9)、ビー
ム整形プリズム(10)、ビームスプリッター(1
1)、対物レンズ(12)を配置し、レーザー光が情報
記録担体(20)に照光されるようにしている。
【0036】さらにピックアップ光学系には、集光レン
ズ(13)、シリンドリカルレンズ(14)、トラッキ
ング及びフォーカシング用光検出器(15)、2分の1
波長板(16)、偏光ビームスプリッター(17)、2
分割光検出器1(18)、2分割光検出器2(19)を
備えている。レーザーの波長は670nm、対物レンズ
のNAは0.45である。またトラッキングはプッシュ
プル法及び3ビーム法、フォーカシングは非点収差法で
ある。光ディスクに入射するレーザー光はトラック方向
と45°の角度を成す直線偏光である。2分の1波長板
及び偏光ビームスプリッターにより光ディスクよりの反
射光は2つに分けられ、トラック左右方向に2分割され
た光検出器1、光検出器2により受光される。光検出器
1の各チャンネル出力をI1 、I2 とし光検出器2の各
チャンネル出力をI3 、I4 とすると、ピット始端部及
び終端部の検出とピット始端及びピット終端の位置の検
出は[(I1 +I2 )+(I3 +I4 )]×[(I1
2 )+(I3 −I4 )]信号により行い、ピットの深
さの検出は[(I1 +I2 )−(I3 + I4 )]信号
により行った。光ディスク再生の結果問題なく18値デ
ータの判別ができることを確認した。
【0037】さらにクロストークを測定した。ピットは
n番目のトラックに形成されており、n−2、n−1、
n+1、n+2番目のトラックにはピットが無いとき、
クロストークCTはピットの形成されているn番目のト
ラックのキャリアをCn[dBm] とし、ピットの形成され
ていない(n+1)番目のトラックのキャリアをCn+
1[dBm] とすれば、CT[dB]=201og10(Cn/
Cn+1)で表される。表1に6種類の段差に対して、ピ
ットの無い凹トラックを再生した際に隣の凸トラックの
ピットよりのクロストーク(凹トラック部クロストーク
と記す。)及びピットの無い凸トラックを再生した際に
隣の凹トラックのピットよりのクロストーク(凸トラッ
ク部クロストークと記す。)を示す。段差がλ/(6・
n)〜λ/(3・n)の時にクロストーク−30dB以
下が得られた。特にλ/(4・n)では−60dB以下
が得られた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上のようにこの発明により情報記録担
体の低クロストークで多値記録、多重記録が可能になり
高データ密度化及び高データ転送レート化が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の情報記録担体の拡大断面図である。
【図2】この発明の情報記録担体のマークの1例を示す
拡大平面図である
【図3】この発明の情報記録担体のマークの一例を示す
拡大平面図である。
【図4】従来の情報記録担体の拡大断面斜視図である。
【図5】この発明の情報 記録担体の1例の拡大断面図
である。
【図6】この発明の情報記録担体の再生信号及びデータ
の一例を示した時間相関図である。
【図7】再生光学系の一例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 トラック 2 トラック中心 3 マーク 4 マークの始端 5 マークの終端 6 トラック中心に対し右側 7 トラック中心に対し左側 8 レーザー 9 コリメーターレンズ 10 ビーム整形プリズム 11 ビームスプリッター 12 対物レンズ 13 集光レンズ 14 シリンドリカルレンズ 15 トラッキング及びフォーカシング用光検出器 16 2分の1波長板 17 偏光ビームスプリッター 18 2分割光検出器1 19 2分割光検出器2 20 情報記録担体 21 段差 22 凹トラック 23 凸トラック 24 情報記録担体基板 25 ピックアップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックに沿ってマークを形成してなる
    情報記録担体において、任意のトラックとそれに隣接し
    たトラックとが段差を成し、かつ、各トラック上の情報
    はマークの始端とマークの終端との組み合わせにより記
    録されていることを特徴とする情報記録担体。
  2. 【請求項2】 マークの始端及び終端の位置が組み合わ
    されている請求項1の情報記録担体。
  3. 【請求項3】 マークの始端の形状とマークの終端の形
    状とが組み合わされている請求項1の情報記録担体。
  4. 【請求項4】 マーク始端部及び終端部における光学的
    性質が組み合わされている請求項1の情報記録担体。
  5. 【請求項5】 マーク始端部及び終端部における磁気光
    学的性質が組み合わされている請求項1の情報記録担
    体。
  6. 【請求項6】 マーク始端部及び終端部における磁気的
    性質がくみあわされている請求項1の情報記録担体。
  7. 【請求項7】 段差はλ/(6・n)からλ/(3・
    n)の範囲の値であり、ここでλは再生レーザー光の波
    長、nは基板の屈折率である請求項1ないし請求項6の
    いづれかの情報記録担体。
  8. 【請求項8】 マークの始端のトラック中心に対する位
    置とマークの終端のトラック中心に対する位置とが組み
    合わされている請求項1の情報記録担体。
  9. 【請求項9】 段差はλ/(6・n)からλ/(3・
    n)の範囲の値であり、ここでλは再生レーザー光の波
    長、nは基板の屈折率である請求項8の情報記録担体。
  10. 【請求項10】 マークを位相構造とした請求項9の情
    報記録担体。
  11. 【請求項11】 マークが2種類の深さを有する位相構
    造とした請求項10の情報記録担体。
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