JPH0716802A - サイザー機の支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークの切断面をシャープに仕上げることが
できるサイザー機の支持構造を提供する。 【構成】 搬送テーブル上を移送されるワークの切断端
面に沿うように設けられた第１の案内部（１１）と、第
１の案内部に沿って移動されるサイザー基台（１２）
と、該イザー基台に第１の案内部に直交するように設け
られた第２の案内部（１３）と、第２の案内部に沿って
移動されかつ第１の案内部と平行な面に沿うサイザー刃
（１６）を有するサイザー機（５）と、サイザー基台と
サイザー機との間に設けられサイザー基台に対してサイ
ザー機を第２の案内部に沿って移動させる移動手段（１
８）とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、木製パネルを製造する
に際し、制作された木製パネルをワークとして、これを
サイザー加工する工程において用いられるサイザー機の
支持構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、プレハブ住宅等において用いら
れる木製パネルは、矩形輪郭に組まれた枠体の両面に面
材を貼設することで作成される。作成された木製パネル
は、サイザー装置に送られ、そこで４つの端面をそれぞ
れサイザー加工され、所定寸法に仕上げられる。

【０００３】従来のサイザー装置として、例えば、木製
パネルを搬送する第１の搬送テーブルの両側にそれぞれ
横サイザー機が設けられ、この第１の搬送テーブルに続
く第２の搬送テーブルの前後部にそれぞれ縦サイザー機
が設けられた構成のものがある。なお、サイザー機は、
概略、円板状の刃とこの刃を回転させるためのモータと
を有してなるもので、刃の回転により木製パネルの両端
面をサイザー加工するように構成されたものである。

【０００４】そして、このようなサイザー装置によれ
ば、通常、次のようにしてサイザー加工が施される。す
なわち、作製された木製パネルが搬送テーブルに送ら
れ、この送られた木製パネルが、第１の搬送テーブル上
を搬送されながらその両側に配置されている横サイザー
機によってその両側端面をサイザー加工される。その
後、第２の搬送テーブルに送られて、ここでは木製パネ
ルの前後端面が縦サイザー機によってサイザー加工され
る。

【０００５】ところが、この種サイザー装置にあって
は、回転刃の間に木製パネルを通過させてサイザー加工
する構成であって木製パネルを固定することなく切断す
る構成であるから、切断面が波打ったり荒れた状態にな
ったりするおそれがあり、高精度の仕上げ面が得にくい
欠点があった。

【０００６】そこで、このような欠点を除くために、本
出願人は、ワークを搬送テーブル上の端部所定位置に位
置決め固定し、搬送テーブルの端面に沿って走行するサ
イザー機によりワークの端面を切断することによって、
高精度の仕上げ面が期待できるサイザー装置を提案し、
特願平４ー２４１６９号として出願した。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ここで提案
したサイザー装置には次のような欠点があった。すなわ
ち、ワークを搬送テーブル上の端部所定位置に位置決め
固定し、搬送テーブルの端面に沿って走行するサイザー
機によって、ワークの端面を切断するのであるが、切断
後、サイザー機が元の位置に戻る際に、一度切断した箇
所を再び回転刃がなぞりながら戻るので、切断箇所が荒
れてしまい、シャープな切断面が得られないという問題
である。

【０００８】このようにワークの切断面が荒れると、そ
の後の組立工程において、例えばワーク（木製パネル）
の切断面同士を接着剤等で接合させる場合に、強い接合
強度が得られない、あるいは接合させたときに厚みが生
じ組立誤差が大きくなる等の問題を惹起する。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ワークの切断面をシャープに仕上げることができる
サイザー機の支持構造を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明では、係る目的を
達成するために、搬送テーブル上を移送されるワークの
切断端面に沿うように設けられた第１の案内部と、該第
１の案内部に沿って移動されるサイザー基台と、該サイ
ザー基台に前記第１の案内部に直交するように設けられ
た第２の案内部と、該第２の案内部に沿って移動されか
つ前記第１の案内部と平行な面に沿うサイザー刃を有す
るサイザー機と、前記サイザー基台と前記サイザー機と
の間に設けられ前記サイザー基台に対してサイザー機を
第２の案内部に沿って移動させる移動手段とを備える構
成とした。

【００１１】また、前記移動手段は、前記サイザー基台
にリンクアームがその中央部を中心に揺動自在に設けら
れ、該リンクアームの一端が前記サイザー機に形成され
た長穴に係合されるともに、リンクアームの他端が前記
サイザー基台に設けられたシリンダに係合される構成と
した。

【００１２】

【作用】本発明のサイザー機の支持構造によれば、サイ
ザー基台が第１の案内部に沿って移動するのに伴いサイ
ザー機上のサイザー機はワークの端面に沿って移動し、
該ワークの端面を切断する。その後、サイザー機が元の
位置に戻るときには移動手段を作動させる。すると、サ
イザー機がサイザー基台に対しワークから遠ざかるよう
に第２の案内部に沿って移動する。このようにサイザー
機はワークから遠ざった状態で、第１の案内部に沿って
移動し元の位置に戻るので、該サイザー機はワークの切
断面をなぞることはない。

【００１３】

【実施例】以下、図１ないし図４を参照して、本発明の
一実施例について説明する。

【００１４】図２はサイザー装置の全体構成を示す概略
平面図であり、この図において符号１はサイザー装置２
の前段階にあるプレス機（図示せぬ）によって芯材の両
面に面材が接着材を介して接合されたパネル状のワーク
Ｗを搬送する搬送テーブルである。３はワークＷの右側
側面を切断する第１の横サイザー機であり、搬送テーブ
ル１の側面に沿って配された案内部４に沿って移動自在
に設けられている。５はワークＷの前端面を切断する第
１の縦サイザー機、６はワークＷ後端面を切断する第２
の縦サイザー機であり、これらの縦サイザー機５、６は
搬送テーブル１の略中央に該搬送テーブル１を横断する
ように設けられた支持枠７、８に沿って搬送テーブル１
の幅方向へ移動自在に設けられている（なお、この明細
書では、搬送方向を基準にして前後方向を決定してい
る）。９はワークＷの左側側面を切断する第２の横サイ
ザー機であり、前記第１の横サイザー機３とは逆側の搬
送テーブル１の側面に沿って設けられた案内部１０に沿
って移動自在に設けられている。

【００１５】搬送テーブル１上を移送されるワークＷ
は、まず搬送テーブル１の前側部分で図示しない移動手
段により搬送テーブル１の幅方向に移送され、図中
（イ）で示す位置に固定される。そして、第１の横サイ
ザー機３及び第１の縦サイザー機５によってその右側側
面Ｗｂ及び前端面Ｗａを切断される。切断された後ワー
クＷは再び搬送テーブル１の中央部分に戻されて前方へ
移送される。そして、搬送テーブル１の後側部分所定位
置に来た時点で図示しない他の移動手段によって搬送テ
ーブル１の前記とは逆側の幅方向に移送され、図中
（ロ）に示す位置に固定される。その後、第２縦サイザ
ー機６及び第２の横サイザー機９によってその後端面Ｗ
ｃ及び左側側面Ｗｄを切断される。切断された後ワーク
Ｗは再び搬送テーブルの中央部分に戻されて前方へ移送
される。以上のようにしてワークＷは前後左右の４つの
端面を切断される。

【００１６】上記支持枠７、８に支持される縦サイザー
機５、６の支持構造に本発明が適用されている。以下、
第１のサイザー機５の支持構造について説明する。な
お、縦サイザー機５、６は、それぞれ前後の取付方向は
異なるものの他は同じ構造であり、ここでは説明の適宜
上第１のサイザー機５の支持構造のみについて説明す
る。

【００１７】図１に示す如く搬送テーブル１を横断する
ように設けられた前記支持枠７は断面コ字状に形成され
ており、この支持枠７の突出部内側には第１の案内部１
１、１１が支持枠７の長手方向に平行に取り付けられて
いる。第１の案内部１１、１１にはサイザー基台１２
が、該第１の案内部１１上を走行する移動板１１ａ及び
この移動板１１ａから下方に延びる連結部材１１ｂを介
して移動自在に配設されている。

【００１８】サイザー基台１２の下面にはアリ溝１３ａ
を有する第２の案内部１３が前記第１の案内部１１に直
交するように設けられ、第２の案内部１３には第１の縦
サイザー機５がその上面に取り付けられた案内部１４の
先端を前記アリ溝１３ａに嵌合されて移動自在に配され
ている。第１の縦サイザー機５は、回転刃１６、該回転
刃１６を回転させるモータ１７とを備えるもので、回転
刃１６を前記第１の案内部１１と平行となるように配設
されている。

【００１９】前記サイザー基台１２と第１の縦サイザー
機５との間には、サイザー基台１２に対して第１の縦サ
イザー機５を第２の案内部材１３に沿って移動させる移
動手段１８が設けられている。

【００２０】この移動手段１８は、前記サイザー基台１
２の下面にＬ字状のリンクアーム２０がその中央部をピ
ン支持されて水平方向に揺動自在に設けられ、該リンク
アーム２０の一端から延びるピン２０ａが前記第１の縦
サイザー機５のモータケーシングの上面に取り付けられ
た連結部材２１の長穴２１ａに移動可能に挿入されると
もに、リンクアーム２０の他端が前記サイザー基台１２
の側板１２ａに設けられたシリンダ２３のピストンロッ
ド２３ａに係合されて構成されている。

【００２１】なお、前記リンクアーム２０のシリンダ２
３に係合される側のアーム長は、他側である第１の縦サ
イザー機５に係合されるアーム長よりも長くなるように
設定されている。これにより、シリンダ２３に加える力
がわずかでも、比較的大重量である、縦サイザー機５移
動させることができるためである。

【００２２】しかして、上記サイザー機の支持構造によ
れば、前記図２で示したように同図中（イ）で示す位置
に位置決めされたワークＷに対し、第１の横サイザー機
３及び第１の縦サイザー機５によってワークＷの右側側
面Ｗｂおよび前端面Ｗａが切断されるが、この切断後に
おいて縦サイザー機１３が搬送テーブル１の中央の位置
に戻るときには、事前に移動手段１８を作動させて、縦
サイザー機１３がワークＷの切断面にあたらない状態に
する。

【００２３】つまり、予め伸張状態とされたシリンダ２
３を短縮させて（図３から図４の状態）リンクアーム２
０を図中実線矢印で示す方向へ回転させる。この結果、
サイザー基台１２に対して第１の縦サイザー機５が第２
の案内部１３に沿ってワークＷの進行方向に若干移動
し、これに伴い、第１の縦サイザー機５がワークＷから
遠ざかるように移動する。この状態で、図示せぬモータ
を駆動させて第１の縦サイザー機５をサイザー基台１２
ごと支持枠７の第１の案内部１１に沿って移動させる。

【００２４】このように、縦サイザー機１３はワークＷ
から離間された状態で元の位置に戻すので、縦サイザー
機１３が元の位置に戻る際にワークＷの切断面をなぞる
ことはなく、従って、ワークＷの切断面はシャープなま
ま保持される。なお、縦サイザー機５が搬送テーブル１
の側部所定位置に戻った状態では、シリンダ２３が再び
伸張操作されてリンクアーム２０を回転し、これに伴っ
て縦サイザー機５はワークＷの進行方向逆側へ若干戻
り、ワークＷを再び切断できる位置に至る。なお、第１
の横サイザー機３にはこのような切断後サイザー機を切
断面から遠ざけるための構造を備えていないが、横サイ
ザー機３は、ワークＷ切断直後はその位置にとどまり、
ワークＷが中央へ押し戻された後、元の位置に戻る構成
になっているので、第１の横サイザー機３の刃がワーク
Ｗの切断面をなぞるおそれはない。

【００２５】なお、上記実施例では、シリンダ２３によ
りリンクアーム２０を揺動させ、このリンクアーム２０
を介して第１の縦サイザー機５を移動させる構成にして
いるが、これに限られることなく、シリンダ２３により
直接第１の縦サイザー機５を移動させる構成にしてもよ
く、また、モータにより螺子機構を作動させ、この螺子
機構により、サイザー基台１２に対し第１の縦サイザー
機５を移動させる構造にしてもよい。さらに、この切断
後サイザー機をワーク切断面から遠ざける構造はなんら
縦サイザー機５、６に限られることなく、横サイザー機
３、９に設けてもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明のサイザー機
の支持構造によれば、切断後において、サイザー機をワ
ークから遠ざかるように位置させて元の位置に戻すこと
ができるので、サイザー機の刃がワークの切断面をなぞ
ることがなく、したがって、ワークの切断面をシャープ
なまま保持できる。このため、その後の組立工程におい
て、例えばワーク（木製パネル）の切断面同士を接着剤
等で接合させる場合に、強い接合強度が得られ、かつ、
緊密に接合させることができるので組立誤差が少なくな
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるサイザー機の支持構造の一実施
例を示す要部斜視図である。

【図２】サイザー装置全体の概略構成を示す平面図であ
る。

【図３】上記実施例の作用を示す要部平面図である。

【図４】上記実施例の作用を示す要部平面図である。

【符号の説明】

１ 搬送テーブル ２ サイザー装置 ３ 第１の横サイザー機 ５ 第１の縦サイザー機 ６ 第２の縦サイザー機 ７ 支持枠 ９ 第２の横サイザー機 １１ 第１の案内部 １２ サイザー基台 １３ 第２の案内部 １６ 回転刃（サイザー刃） １８ 移動手段 ２０ リンクアーム ２３ シリンダ Ｗ ワーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 金吾 長野県小県郡丸子町長瀬2860 オグラ機工 株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送テーブル上を移送されるワークの切
   断端面に沿うように設けられた第１の案内部と、該第１
   の案内部に沿って移動されるサイザー基台と、該サイザ
   ー基台に前記第１の案内部に直交するように設けられた
   第２の案内部と、該第２の案内部に沿って移動されかつ
   前記第１の案内部と平行な面に沿うサイザー刃を有する
   サイザー機と、前記サイザー基台と前記サイザー機との
   間に設けられ前記サイザー基台に対してサイザー機を第
   ２の案内部に沿って移動させる移動手段とを備えてなる
   サイザー機の支持構造。
2. 【請求項２】前記移動手段は、前記サイザー基台にリン
   クアームがその中央部を中心に揺動自在に設けられ、該
   リンクアームの一端が前記サイザー機に係合されるとも
   に、リンクアームの他端が前記サイザー基台に設けられ
   たシリンダに係合されていることを特徴とする請求項１
   記載のサイザー機の支持構造。