JPS588481Y2 - ツイン帯鋸盤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はツイン帯鋸盤、特に基台上に互いに対向した状
態にて左右動可能に組付けられそれぞれ帯鋸を有する左
右一対の切断機と、これら各切断機の移動方向と平行に
配設された歩出し用ネジ杆に螺合して基台上を左右動可
能に組付けられた左右一対の移動台と、これら各移動台
と各切断機とをそれぞれ連結する左右一対のオフセット
用シリンダと、原木が固定されて両帯鋼の互いに対向す
る部分間を前後動する送材車台とを有してなるツイン帯
鋸盤の改良に関する。

従来のこの種ツイン帯鋸盤は、切断幅を調整した両帯鋼
に向けて原木を送材車台とともにその長手方向に沿って
前進させることによりその両側を同時に切断し、各切断
機を各オフセット用シリンダの作動により同時に退行さ
せた状態（オフセット状態）にて切断後の原木を送材車
台とともに後退させるようにし、さらに以上のように原
木の前進・後進作動を繰り返えすことにより原木の左右
両側および中央部から板用材および社用材を順次木取り
し得るようになっていた。

また、この種ツイン帯鋸盤においては、特にその歩出し
用ネジ杆を正又は逆転させて両切断機を同時に同寸法ず
つ互いに接近又は退行させることにより両帯鋼の切断幅
を短時間内に調整し得るようにし、また各オフセット用
シリンダの作動範囲を必要最小量（１０ｍｍ程度）にし
てオフセット作動を短時間内に行なうようにしてあり、
これによりこの種ツイン帯鋸盤の作業能率を向上させて
いた。

このため、この様なツイン帯鋸盤においては、第１図の
Ａに示したように原木ＷＡから２つの小径柱用材ＷＩ
Ｗよと１つの大径柱用材Ｗ２を木取りしたり、あるいは
第１図のＢに示したように原木Ｗ８から多数の板用材Ｗ
３〜Ｗ３と１つの大径柱用材Ｗ２を木取りすることは可
能であったが、第１図のＣに示すような１本の原木Ｗか
ら小径柱用材Ｗ１・大径柱用材Ｗ２および複数の板用材
Ｗ３〜Ｗ３を切り出すという汎用性の高い木取りを行な
うということは不可能であった。

本考案は以上のような実状に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、原木をその長手方向に沿って能
率よく切断するというツイン帯鋸盤本来の機能を損なう
ことなくより汎用性の高い切断（木取り）をも行なえる
ようにしたツイン帯鋸盤を提供するにある。

以下に本考案の一実施例を図面について説明すると、第
２図にては本考案によるツイン帯鋸盤１０の正面が示さ
れている。

このツイン帯鋸盤１０は、その基台１１上に互いに対向
した状態にて左右動可能に組付けられてそれぞれ帯鋸Ｓ
、、 Ｓｂを有する左右一対の切断機１２ Ａ、１２
Ｂと、基台１１上に組付けられた左右一対の移動台１３
Ａ、１３Ｂと、両帯鋸ｓ、、 Ｓｂの互いに対向する部
分間を前後動する送材車台１６とを備えている。

各帯鋸Ｓａ、Ｓｂは各切断機１２Ａ、１２Ｂに軸支した
上下一対の鉱車１２ ａ 、１２ ａおよび１２ ｂ
、１２ ｂ間にそれぞれ張架されており、各切断機１２
Ａ、１２Ｂの背面に固設したモータＭａ９Ｍｂが各下方
の鉱車１２ ａ 、１２ ｂを回転させたとき、図示矢
印方向へ回転駆動されるようになっている。

また、左方の移動台１３Ａおよび右方の移動台２３Ｂは
、基台１１上の各切断機１２Ａ、１２ Ｂの外側に位置
する部分にそれぞれ左右動可能に組付けられている。

これら各移動台１３Ａ。１３Ｂは、第２図および第３図
に示すごとく、その各下方に突出するメネジ部１３ ａ
、１３ ｂにて、基台１１内に各切断機１２Ａ、１２
Ｂの移動方向と平行に配設した歩出し用ネジ杆１４にそ
れぞれ逆ネジ状態で螺合している。

これにより、各移動台１３Ａ、１３Ｂは、図示しない駆
動装置により歩出し用ネジ杆１４を正又は逆転させたと
き、基台１１上を同時に同寸法ずつ互いに接近又は退行
するようになっている。

さらに、送材車台１６は、両切断機１２Ａ、１２Ｂの前
後にその移動方向と直角にそれぞれ敷設したレール１５
〜１５上に、当該送材車台１６の前後両端部に固着した
車輪１６ ａ 、１６ ａを介して載置されている。

この送材車台１６は、両帯鋸ｓａ、 Ｓｂの互いに対向
する部分間を貫通して図示しない駆動装置により前進又
は後退されるもので、その上面には原木Ｗの前後両端を
挾持する固定装置１７が設けである。

これら送材車台１６および固定装置１７は、その幅を両
帯鋸Ｓ８．Ｓｂにより設定される最小切断幅以下に設置
することにより各帯鋸Ｓ、、 Ｓ。

と干渉しないようになっており、また送材車台１６は切
断すべき原木Ｗの長さよりも十分長く形成してあって各
車輪１６ ａが各帯鋸Ｓ−，Ｓ、ｂに接近する以前に原
木Ｗの切断または原位置への復帰をし得るものである。

また、左方切断機１２Ａの背面および左方移動台１３Ａ
の上面には、第２図に示したごとく、左方のオフセット
用シリンダ１８のピストンロッド１８ ａおよび端部１
８ ｂがそれぞれ接続してあり、これによりこのオフセ
ット用シリンダ１８は左方の切断機１２Ａと移動台１３
Ａとを連結している。

一方、右方切断機１２Ｂの背面と右方移動台１３Ｂの上
面には、第２図および第３図に示したごとく、第２シリ
ンダ２０および゛オフケラト用シリンダ１９の各ピスト
ンロッド２１，１９ａがそれぞれ接続されている。

第２シリンダ２０とオフセット用シリンダ１９は、その
各端部２２，１９ ｂにて互いに固着されており、これ
により右方の切断機１２Ｂと移動台１３Ｂとを連結して
いる。

両オフセット用シリンダ１８．１９は、送材車台１６が
前進するとき各ピストンロッド１８ａ、１９ａを１０ｍ
ｍ程度同時に突出させ、また送材車台１６が後退すると
き各ピストンロッド１８ａ。

１９ ａを同時に収納させるよう図示しない制御装置に
より制御される。

また、第２シリンダ２０は各オフセット用シリンダ１８
．１９とは独立して制御されるもので、そのピストンロ
ッドの伸長量は２００ｍｍ程度になっている。

以上のように構成したツイン帯鋸盤１０において、各オ
フセット用シリンダ１８．１９および第２シリンダ２０
の各ピストンロッド１８ａ、１９ｂおよび２１を突出さ
せた状態にて歩出し用ネジ杆１４を所定量正又は逆転さ
せる。

すると、左方の移動台１３Ａとこれにオフセット用シリ
ンダ１８を介して連結した左方の切断機１２Ａ、および
右方の移動台１３Ｂとこれにオフセット用シリンダ１９
・第２シリンダ２０を介して連結した右方の切断機１２
Ｂとがそれぞれ一体的かつ同時に所定量ずつ互いに接近
又は退行して、各切断機１２Ａ、１２Ｂの各帯鋸Ｓａ。

Ｓｂ間の切断幅が調整される。

この状態で、各切断機１２Ａ、１２Ｂの後方にある送材
車台１６上に原木Ｗを固定装置１７により固定して、こ
の原木Ｗを送材車台１６とともに前進させれば、この原
木Ｗはその両側を両帯鋸Ｓ、、Ｓ、により長手方向に沿
って同時に切断される。

次いで、各オフセット用シリンダ１８．１９の各ピスト
ンロッド１８ ａ 、１９ ａを同時に収納させると、
左方の切断機１２Ａが基台１１上を左方へ移動し、同時
に右方の切断機１２Ｂが第２シリンダ２０とともに基台
１１上を右方へ移動して、両帯鋸Ｓａ、Ｓｂはその原位
置から僅かに外方へ短時間内に離れる。

この状態にて送材車台１６を後退させれば、切断後の原
木Ｗは両帯鋸Ｓａ、 Ｓｂに接触することなく原位置（
各切断機１２ Ａ、１２ Ｂの後方）に復帰する。

このように、原木Ｗを固定した送材車台１６を往復動さ
せる毎に、歩出し用ネジ杆１４を一定量ずつ正転させて
両帯鋸Ｓａ、Ｓｂ間を順次狭くしていけば、第１図のＢ
に示したように原木Ｗから複数の抜用材Ｗ３〜Ｗ３と大
径柱用材Ｗ２とを能率よく木取りし得る。

なお、第１図のＡのように原木Ｗから２つの小径柱用材
Ｗ１．Ｗ１と１つの大径柱用材Ｗ２とを木取りする場合
には、両帯鋸Ｓ、、 Ｓ、間を予しめ大径柱用材Ｗ２の
幅に調整して、原木Ｗを固定した送材車台１６を１回往
復動させればよい。

また、このツイン帯鋸盤１０により原木Ｗから第１図の
Ｃに示したように小径柱用材Ｗ１・大径柱用材Ｗ２およ
び複数の抜用材Ｗ３〜Ｗ３を木取りするときは以下のよ
うに行なう。

すなわち、この場合には第２シリンダ２０のピストンロ
ッド２１のみを収納した状態に保持させて、前述したよ
うに歩出し用ネジ杆１４を一定量ずつ正転させる毎に送
材車台１６を繰り返し前後動させる。

このとき、各切断機１２ Ａ、１２ Ｂは基台１１上を
互いに接近するが、右方の切断機１２Ｂは第２シリンダ
２０の作動により第２図の図示右方へ太き（（２００ｍ
ｍ）退避しているのでその帯鋸Ｓｂが原木Ｗの外側に常
に位置している。

これにより、右方の切断機１２Ｂの作動が無効となり、
原木Ｗの左側のみが第１図のＣに示したように切断面Ｃ
１，Ｃ２にて切断されて抜用材Ｗ３．Ｗ３が木取りされ
る。

最後に、第２シリンダ２０を作動させてそのピストンロ
ッド２１が突出した状態にもどすとともに、歩出し用ネ
ジ杆１４を更に一定量正転させて両帯鋸Ｓａ、 Ｓｂの
切断幅を狭くする。

この状態で、送材車台１６を切断後の原木Ｗとともに前
進させれば、この原木Ｗは第１図のＣに示した両切断面
Ｃ３，Ｃ３にて同時に切断される。

従って、このツイン帯鋸盤１０によれば、１本の原木Ｗ
から小径柱用材Ｗ１・大径柱用材Ｗ２および複数の抜用
材Ｗ３〜Ｗ３をも木取りすることができる。

なお、上記実施例においては、右方の切断機１２Ｂに第
２シリンダ２０・オフセット用シリンダ１９および右方
の移動台１３Ｂを順次接続した例について説明したが、
切断機１２Ｂにオフセット用シリンダ１９・第２シリン
ダ２０および移動台１３Ｂを順次接続して実施してもよ
い。

また、第２シリンダ２０は、左方の切断機１２Ａとオフ
セット用シリンダ１８間、又はオフセット用シリンダ１
８と左方の移動台１３Ａに接続して実施してもよい。

、以上要するに本考案においては、上記実施例にて例示
したごとく、ツイン帯鋸盤１０の基台１１上を左右動す
る切断機１２ Ｂ （１２Ａ）とこれに対応するオフセ
ット用シリンダ１９（１８）、又は移動台１３Ｂ（１３
Ａ）とこれに対応するオフセット用シリンダ１９（１８
）とを第２・シリンダ２０により連結して、この第２シ
リンダの作動により切断機１２ Ｂ （１２Ａ）の作動
を無効にし得るようにしたことにその特徴があり、これ
により原木をその長手方向に沿って能率よく切断すると
いう機能を損なうことなくより汎用性の高い切断をも行
ない得るツイン帯鋸盤を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は原木を木取りする場合の説明図、第２図は本考
案によるツイン帯鋸盤の正面図、第３図は第２図の要部
拡大縦断面図である。 符号の説明 １０・・・・・・ツイン帯鋸盤、１１・・
・・・・基台、１２ Ａ、１２ Ｂ・・・・・・切断機
、１３Ａ、１３Ｂ・・・・・・移動台、１４・・・・・
・歩出し用ネジ杆、１６・・・・・・送材車台、１７・
・・・・・固定装置、１８．１９・・・・・・オフセッ
ト用シリンダ、２０・・・・・・第２シリンダ、Ｓａ、
Ｓｂ・・・・・・帯鋸、Ｗ・・・・・・原木。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ツイン帯鋸盤の基台上に互いに対向した状態にて左右動
   可能に組付けられそれぞれ帯鋸を有する左右一対の切断
   機と、これら各切断機の移動方向と平行に配設された歩
   出し用ネジ杆に螺合して前記基台上を左右動可能に組付
   けられた左右一対の移動台と、これら各移動台と前記各
   切断機とをそれぞれ連結する左右一対のオフセット用シ
   リンダと、原木が固定されて前記両帯鋼の互いに対向す
   る部分間を前後動する送材車台とを有してなるツイン帯
   鋸盤において、前記両切断機のいずれか一方とこれに対
   応する前記オフセット用シリンダ、又は前記面移動台の
   いずれか一方とこれに対応する前記オフセット用シリン
   ダとを第２のシリンダにより連結して、この第２シリン
   ダの作動により前記両切断機のいずれか一方の作動を無
   効にし得るようにしたことを特徴とするツイン帯鋸盤。