JPH07167423A - 燃焼加熱装置の燃焼制御方法 - Google Patents

燃焼加熱装置の燃焼制御方法

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JPH07167423A
JPH07167423A JP6281246A JP28124694A JPH07167423A JP H07167423 A JPH07167423 A JP H07167423A JP 6281246 A JP6281246 A JP 6281246A JP 28124694 A JP28124694 A JP 28124694A JP H07167423 A JPH07167423 A JP H07167423A
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furnace
fuel
temperature
air
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良一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼損などの不具合の問題を招くことなく温度
場の高温化を可能とし、かつNOxなどの発生を抑制し
て熱回収を高効率で行うことができるようにする。 【構成】 高いエンタルピを有する酸化剤例えば高温予
熱空気と燃料とを熱装置の炉内35へ別々に噴射し炉内
空間を利用して混合し燃焼させる一方、酸化剤若しくは
燃料の炉内への噴射位置あるいは噴射量を連続的あるい
は間欠的に変動させて非定在火炎を形成したり、あるい
は別々に噴射された高いエンタルピを有する酸化剤と燃
料とを炉内空間で混合して非量論比燃焼させ、若しくは
酸化剤と燃料のいずれか一方あるいは双方の炉内への噴
射位置あるいは噴射量を連続的あるいは間欠的に変動さ
せて非定在火炎を形成すると共に非量論比燃焼させるよ
うにしている。これによって、温度場の平坦化を図ると
共に高温化を達成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼熱で加熱を行う熱
装置に関する。更に詳述すると、本発明は、熱装置内の
温度場の高温化と共に平坦化を実現する燃焼制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼を利用する加熱装置を高性能化する
ための主要課題の一つである省エネルギー化は、これま
で主として熱回収技術を使った排熱損失の低減化により
進められてきた。例えばボイラシステムの場合、現在そ
のほとんどは空気予熱器およびエコノマイザ等を用いた
排熱回収により、すでに90〜95%という高い熱効率
が達成され、熱回収技術もほぼ限界まで進められてき
た。従ってこれ以上の効率向上は僅かである上に、必然
的に装置の大型化や複雑化によるイニシャルコストの急
増を避けられず、投資対効果の面からもその意義は薄れ
つつある様に見える。
【0003】しかし、省エネルギー化を実現し得るより
基本的な方法として、加熱装置内部の伝熱効率の改善が
ある。即ち、伝熱を従来よりも高効率に行わせるため、
燃焼室内に形成される温度場を積極的に改善制御する技
術の革新である。これが実現されれば、高い熱効率を維
持しつつ、装置の小型化あるいは生産量の増加が期待で
き、結果として省エネルギーと省資源とに貢献する加熱
装置が実現することとなる。
【0004】一般論として、加熱装置において、高効率
伝熱を実現するためには、温度場の高温化の必要があ
る。
【0005】そして、燃焼室内に形成される温度場を高
温化するためには高いエンタルピを持つ酸化剤の利用、
純酸素燃焼あるいは燃焼室断熱化向上などにより火炎温
度を上昇させることが考えられる。実用的な手法として
は図18に示すように、空気を予熱高温化する熱再循環
による超過エンタルピー燃焼がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超過エ
ンタルピー燃焼は1971年にWeinbergが指摘したよう
に、これまで超希薄混合気や低品位燃料の燃焼において
火炎温度を通常燃焼のレベルまで上昇させるための手法
とされてきており、高品位燃料の燃焼や適正空気比での
燃焼には使われていなかった。しかも、火炎の上限温度
には実用上多くの制約があり、過度の火炎高温化は高効
率伝熱を実現するにはあまり現実的な意味を持たなかっ
た。例えばボイラへの適用を考えると、過大な熱流束が
伝熱管に定常的に与えられた場合、焼損などの危険性を
常に伴うからである。
【0007】しかし、高品位燃料と高いエンタルピを持
つ酸化剤を用いた超過エンタルピー燃焼によって断熱火
炎温度を通常よりさらに高温化した場合であっても、高
い熱流束を定常的に被加熱物に与えるのではなく、熱流
束を時間的空間的に変化させるような火炎制御が行われ
るのであれば被加熱物の過熱や焼損を抑制し得る可能性
があると考えられる。つまり、もし炉内温度場を時間平
均的に上限温度以下に制御することができれば伝熱の高
効率化に有効な手段となる。
【0008】このことは、高温の空気を用いた試験炉で
の燃焼試験で得られた熱流束分布測定結果(図11)か
らも明らかである。即ち、燃焼用空気温度が200℃の
場合、熱流束分布は比較的平坦ではあるが、局部的な最
大熱流束qmax は平均熱流束qave の約1.2倍で、炉
の後部に存在する最小熱流束qmin は平均熱流束qave
の約0.6倍となっている。一方、空気温度が1000
℃の場合、熱流束の極大値は200℃のときの平均熱流
束qave の約2.2倍に増加するが、熱流束分布の不均
一度はさらに増大する。よって、温度場の高温化に加え
て平坦化を実現させ炉内全体に均一な熱流束が与えられ
れば、単位伝熱面積当たりの収熱量を増加させるような
伝熱改善が可能なことが明らかである。
【0009】そこで、本発明は、焼損などの不具合の問
題を招くことなく温度場の高温化を可能とし、かつNO
xなどの発生を抑制して熱回収を高効率で行うことがで
きる加熱装置の燃焼制御方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明者らが鋭意研究の結果、高いエンタルピを持
つ酸化剤を用いた燃焼により火炎発熱分布を炉内の特定
の位置に定常的かつ定在的に存在することのないように
する新しい制御方法を見いだした。これによって、不均
一分布を持つ高い熱流束を時間的および空間的に変化さ
せれば、温度場の平坦化が実現された。即ち、本発明
は、高いエンタルピを有する酸化剤と燃料とを熱装置の
炉内へ別々に噴射し炉内空間を利用して混合し燃焼させ
る一方、酸化剤若しくは燃料の炉内への噴射位置あるい
は噴射量を連続的あるいは間欠的に変動させて非定在火
炎を形成したり、あるいは別々に噴射された高いエンタ
ルピを有する酸化剤と燃料とを炉内空間で混合して非量
論比燃焼させ、若しくは酸化剤と燃料のいずれか一方あ
るいは双方の炉内への噴射位置あるいは噴射量を連続的
あるいは間欠的に変動させて非定在火炎を形成すると共
に非量論比燃焼させることによって、温度場を平坦化さ
せるようにしている。
【0011】温度場の平坦化を実現するための燃焼制御
方法としては、例えばバーナの移動、複数バーナの交互
燃焼、あるいは混合比制御や混合位置の移動若しくは火
炎の移動による火炎の温度パターンの変化等、様々な方
法が考えられる。これらの方法はバーナの頻繁なON−
OFF制御や急激な流量変化等によって実現されるが、
これらの操作は通常燃焼であれば一般的に燃焼不安定化
をもたらすものである。しかし、高いエンタルピを持つ
酸化剤として予熱温度が800℃以上の高温空気が用い
られるがゆえに、反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡
大が燃焼の安定化に大きく寄与すると期待される。よっ
て、これまで広く用いられてきた通常燃焼であれば種々
の困難が生じる可能性の高い極端なレベルでの非量論比
燃焼制御を実現するための混合制御の操作が極めて容易
となる。
【0012】また、本発明者らは、高いエンタルピを有
する酸化剤を用いて生じせしめた燃料濃度の高いリッチ
燃焼ガスを高温還元剤として用いれば著しく窒素酸化物
抑制に効果的であるとの実験的知見を得た。すなわち低
公害燃焼を行うために、高いエンタルピを有する酸化剤
を用いて生じせしめた燃料濃度の高いリッチ燃焼ガスを
高温還元剤として利用することを特徴とする、熱装置の
窒素酸化物を抑制する燃焼方法を見いだした。
【0013】また、高いエンタルピを有する酸化剤を用
いて生じせしめた高温燃焼ガスを一酸化炭素発生領域に
供給混合することによりその発生を抑制する手法につい
ても同時に発生抑制効果が大なる事実を見いだした。
【0014】
【作用】したがって、高いエンタルピを持つ酸化剤と燃
料とが炉内空間を利用して混合され燃焼するため、従来
よりも高い温度場が形成される。しかも、火炎は一定位
置に定まらない非定在火炎となり、ヒートフラックスパ
ターンを移動させたり変化させる。このため、時間平均
的に炉内温度場を上限温度以下に抑制する。
【0015】また、高いエンタルピを持つ酸化剤として
予熱温度が800℃以上の高温空気が用いられる場合、
反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡大が燃焼の安定化
に大きく寄与すると期待される。それゆえこれまで広く
用いられてきた通常燃焼であれば種々の困難が生じる可
能性の高い極端なレベルでの非量論比燃焼(従来の非量
論比燃焼制御法において用いられていた空気比0.7〜
2をはるかに逸脱する例えば0.2〜10程度の空気比
での燃焼)を実現するための混合制御が極めて容易とな
る。例えば、メタンの可燃領域を図17に示すが、混合
気温度が20℃の場合、希薄限界は燃料濃度が約5.2
%(当量比0.52)、1000℃の場合1.5%(当
量比0.145)となる希薄限界の拡大は安定燃焼範囲
の拡張を意味すると考えられ、よって熱流束分布を制御
する方法に自由度の増大をもたらす。
【0016】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0017】温度場の高温化と平坦化を実現する燃焼装
置の実施例の一つを図1に示す。この実施例は、加熱装
置36の炉内35に直接燃料を噴射する燃料ノズル31
と高いエンタルピを持つ酸化剤を炉内35に直接噴射す
る手段38とを別々に設置し、炉内35の空間を利用し
て別々に供給された燃料と高いエンタルピを持つ酸化剤
とを混合させ燃焼させるようにしたものである。ここ
で、高いエンタルピを持つ酸化剤として、予熱温度が8
00℃以上好ましくは1000℃以上の高温空気が燃焼
に用いられれば、通常燃焼なら一般的に燃焼不安定化を
もたらすような燃焼制御に対しても、反応速度の増大や
可燃限界の大幅な拡大が燃焼の安定化に大きく寄与する
ために燃焼安定性が維持される。よって、これまでの通
常燃焼であれば種々の困難が生じる極端な超希薄や超過
濃な燃料濃度レベルでの非量論比燃焼制御を実現するた
めの混合制御の操作が極めて容易となる。そこで、高い
エンタルピを有する酸化剤と燃料とを別々に噴射し炉内
で混合するようにしている。この時、噴射口38,38
から高速で噴出される800℃以上、好ましくは100
0℃以上の高温の燃焼用空気に誘引されてその周囲に比
較的低速で噴射された燃料と炉内35の排ガスとが巻き
込まれ、低酸素濃度下で緩慢燃焼を起こす。更に、燃焼
反応中にも燃焼ガス及び未反応の燃焼用空気の速い流れ
に燃焼排ガスが大量に巻き込まれて燃焼反応が継続さ
れ、より緩慢燃焼を促進する。このとき、燃焼反応は、
通常燃焼における可燃限界を越えた極端な超希薄あるい
は超過濃な非量論比となるが、前述したように安定燃焼
を起こす。高いエンタルピを持つ酸化剤としては、主に
高温の例えば800℃以上に予熱された空気を指すが、
これに特に限定されず、空気に酸素富化したものや所定
量の酸素を含む空気以外のガスで約800℃以上に加熱
されたものなどを含む。高いエンタルピを持つ酸化剤
(以下、総称して燃焼用空気と呼ぶ)の供給と燃焼ガス
の排出とを交互に行う手段38,38には流路切替手段
37が設けられ、一方から燃焼用空気Aを供給する間に
他方から燃焼ガスEを排出するように設けられている。
この装置の特徴は、蓄熱体1を有する流路切替手段37
の切り換え周期を非常に短くして熱再循環を行い、これ
により熱回収の高効率化を図り、高いエンタルピを持つ
酸化剤として予熱温度800℃あるいはそれ以上の高温
空気が得られる点である。また、熱交換および熱流束分
布平坦化のために拡散火炎を切替手段・ディスク3の回
転にあわせて順次移動回転させる際、それを短い周期で
しかも高いエンタルピを持つ酸化剤の噴出流速をステッ
プ状に大幅に変化させながら、燃焼室円周方向ばかりで
なく軸方向に対して高温領域の非定在制御の操作を実施
することにより温度場の平坦化を実現している。即ち、
この実施例の燃焼は、排熱回収熱交換器の温度効率を向
上させるので、空気高温化と排熱損失低減化が同時に達
成される。また、切り換え周期をより短くした場合、蓄
熱体の必要蓄熱容量は少なくなるので、蓄熱体はコンパ
クトなセラミックハニカムで構成されている。
【0018】図6に図1の燃焼制御方法を実現するバー
ナの一実施例を原理図で示す。このバーナは、高いエン
タルピを持つ酸化剤として蓄熱体1による直接熱交換に
よって高温例えば約800℃以上に予熱された燃焼用空
気Aと燃料Fとを別々に炉内35に噴射させてバーナ内
ではなく炉内空間35を利用して混合し燃焼させるよう
にしたものである。より具体的には、燃料Fを炉内35
に噴射する燃料ノズル31を蓄熱体1の中心に貫通さ
せ、燃料噴流の周りから800℃以上の高温に予熱され
た燃焼用空気Aを酸化剤供給手段38から交互に噴射さ
せるようにしている。ここで、燃焼用空気Aは蓄熱体1
の燃焼ガスを排気した箇所に通して高温とされる。ま
た、蓄熱体1を通して炉内35に噴射される燃焼用空気
Aの量はほぼ全量であって、燃焼用空気Aの一部(通常
数%程度)が常温のまま燃料ノズル31の冷却用空気と
して、燃料用ノズル31とその周りの蓄熱体1との隙間
24から炉内35に噴射される場合もある。しかし、実
質的にはほぼ全量となる燃焼用空気Aが蓄熱体1を経て
高温にされてから炉内35に噴射されていると言える。
【0019】ここで、蓄熱体1を介して燃焼用空気Aの
供給と燃焼排ガスEの排気とを図る流路切替手段37
は、基本的には、周方向にN(N=n+1、ここで、n
は2以上の正の偶数で常時流体が流れる室数である。)
室に均等に区画され各室内を軸方向に流体が通過可能と
した蓄熱体1と、燃焼用空気供給系に接続される給気室
6aと燃焼ガス排気系に接続される排気室6bとを有す
る出入口手段6と、この出入口手段6と蓄熱体1との間
に介在されて蓄熱体1と出入口手段6との間を遮断する
一方、連続的あるいは間欠的に回転して出入口手段6の
排気室6bと給気室6aとをN室に区画された蓄熱体1
の室のいずれかに順次に連通させる切替手段3とから構
成されている。
【0020】蓄熱体1としては、特定の形状や材質に限
定されるものではないが、1000℃前後の燃焼排ガス
のような高温流体と20℃前後の燃焼用空気のような低
温流体との熱交換には、例えばコージライトやムライト
等のセラミックスを材料として押し出し成形によって製
造されるハニカム形状のものの使用が好ましい。また、
ハニカム形状の蓄熱体1は、セラミックス以外の素材例
えば耐熱鋼等の金属で製作しても良い。尚、ハニカム形
状とは、本来六角形のセル(穴)を意味しているが、本
明細書では本来の六角形のみならず四角形や三角形のセ
ルを無数にあけたものを含む。また、上述の如く一体成
形せずに管などを束ねることによってハニカム形状の蓄
熱体1を得るようにしても良い。本実施例の場合、蓄熱
体1はその手前に配置された分配室2によって周方向に
総数Z(a・N)の室に区画されている。例えば、図6
に示す実施例の場合、仕切り8によって3室9a,9
b,9cに区画された分配室2によって、蓄熱体1内が
図3に示すように流体が流れない空室10と燃焼排ガス
を流す室11と燃焼用空気を流す室12との3室に区画
される。即ち、蓄熱体1そのものは、1つ1つが独立し
た流路を構成するセルの集合から成るハニカム形状を成
していることから、分配室2によって仕切られた範囲が
1つの区画された室を形成することとなる。分配室2を
設ける場合、連通孔4,5を経て流入する流体を分散さ
せて蓄熱体1の全域に均一に分流させることができる。
また、蓄熱体1の形状も特に図示のハニカム形状に限定
されず、図9の(A)及び(B)に示すように、平板形
状や波板形状の蓄熱材料27を筒状のケーシング28内
に放射状に配置したり、図9の(C)に示すように、パ
イプ形状の蓄熱材料27を軸方向に流体が通過するよう
に筒状のケーシング28内に充填したものであっても良
い。更には、本実施例では分配室2によって単一の蓄熱
体1が実質的にZ室に区画されているが、これに特に限
定されるものではなく、蓄熱体1そのものをa・N室に
区画形成しても良い。例えば、図9の(D)に示すよう
に隔壁29によって周方向にa・N室に区画形成され、
軸方向に流体が通過可能とした筒状のケーシング28を
用意し、これの各室に球状、短管、短棒、細片、ナゲッ
ト状、網状などの蓄熱材料27の塊りを充填することに
よって構成されたものでも良い。コージライトやムライ
トなどよりもはるかに高温で使用可能なSiN等の蓄熱
材料27を使用する場合には、複雑なハニカム形状に成
形することは容易ではないが、単純なパイプ形状や棒、
ボールなどに成形することは容易である。そこで、図9
の(C)や(D)に示すような蓄熱体構造の採用が好ま
しい。
【0021】ここで、蓄熱体1に区画される室の数は燃
焼用空気を流す室(以下給気用の室という)12と燃焼
排ガスを流す室(以下排気用の室という)11とを1組
として最低1組に1つの空室(流体が流れない室)10
を組み合わせたものであり、n=2のとき即ちN=n+
1より3を最低室数とする。この場合、燃焼用空気は、
蓄熱体1の一つの区画12に連通される場合と切替途中
の空室10を含めた2つの区画に同時に連通される場合
とがあり、一定の押し込み圧力で燃焼用空気を供給して
いるときに2段階の噴射速度が与えられることとなる。
即ち、流路断面積が切替途中に2倍となるため流速が半
減することとなる。このため、燃焼用空気が燃料と炉内
35で混合され燃焼を起こす位置あるいは火炎の高温領
域の位置が噴射方向において移動する、所謂非定在火炎
を形成することとなる。勿論、一度に連通する室数を増
やすことによって燃焼用空気の噴射速度をステップ状に
何段階にも変化させるようにすることもできる。そし
て、排気用の室11と給気用の室12とを組にして、何
組でも組み合わせ可能である。この場合、例えば2組の
給気用の室を採用する場合、炉内35に形成される火炎
が円周方向に2組となり、更にこれが円周方向に回転移
動しながら火炎長さひいては火炎の高温領域を噴射軸方
向に繰り返し移動させるため、より平坦化が可能とな
る。また、図示していないが、N個の室を1ユニットと
して複数ユニットを形成することも可能である。即ち、
室の総数Zは、Z=a・Nで表される(ここで、aはユ
ニット数を示す0を除く正の整数)。この場合、各ユニ
ットとユニットとの間に空室が位置するように各連通孔
4,5の位置が設定されている。このようにして、N室
を1ユニットとして総室数Zの複数ユニットの室を蓄熱
体1に形成することも可能である。
【0022】出入口手段6は、例えば円筒状の仕切壁7
によって、燃焼用空気供給系33と接続される給気室6
aと排気系統34と接続される排気室6bとに区画され
ている。本実施例の場合、仕切壁7の内側に供給室6
a、外側に排気室6bが形成されている。本実施例の場
合、切替手段3は出入口手段6と分配室2の間で単独に
切替手段3と共に回転するように設けられている。例え
ば、図7に示すように、出入口手段6は外筒部13aと
切替手段3の支持環23の間に軸受部材15を介在させ
て切替手段3を回転自在に保持している。そして、出入
口手段6と切替手段3の間には流体が漏洩しないように
シール部材16,17が設けられている。
【0023】出入口手段6の供給室6aと排気室6bと
をそれぞれ対応する蓄熱体1の室・区画12,11にの
み連通させる切替手段3は、流路と直交する円板から成
り、蓄熱体1のある1つの区画と供給室6aとを連通さ
せる給気用連通孔5と、1つの区画と排気室6bとを連
通させる排気用連通孔4とをa・n/2個ずつ有してい
る。例えば、図1の場合にはnは2、aは1であるか
ら、1個ずつの給気用連通孔5と排気用連通孔4とを有
している。そして、この排気用連通孔4と給気用連通孔
5とは、同じ室・区画に給気用連通孔5と排気用連通
孔4とが同時に存在し得ないこと、空室10の次の室
・区画に位置する最前列の連通孔から順次1つずつ前方
の室・区画に移り変わること、給気用連通孔及び排気
用連通孔4の大きさは、半径方向に互いに重ならないよ
うにn個を配置したときに1室に全てが同時に収まる大
きさであること、の3条件を満たすことが必要である。
即ち、排気室6bと蓄熱体1の排気用の室11とを連通
させる排気用連通孔4と給気室6aと蓄熱体1の給気用
の室12とを連通させる給気用連通孔5とを交互にn/
2個ずつ配置し、かつ数式1で表される角度αの間隔を
あけて排気用連通孔4と給気用連通孔5とが配置され、
【数1】 更に給気用連通孔5及び排気用連通孔4の大きさが数式
2の関係を
【数2】 満足することが必要である。ここで、角度αは、α=3
60°/nに設定することが好ましい。このとき、各排
気用連通孔4と給気用連通孔5とが等間隔に配置される
ため、各連通孔の位置設計と穿孔作業が容易となる。
【0024】また、複数ユニットを設ける場合には、総
数Zの室のうち常時流体が流れることのないa個の空室
10を各ユニットの間に形成される。尚、場合によって
は一部の燃焼ガスは蓄熱体1を通さずに炉外へ排出し、
他の熱処理設備や対流熱交換器、エコノマイザー、加熱
設備などに供給して熱源として利用するようにすること
もある。また、円形以外の形状の連通孔であっても、前
述の数式1,2の関係は成立する。β1 は切替手段3の
回転中心Oから高温流体用連通孔4に外接する中心角で
あり、β2 は切替手段3の回転中心Oから低温流体用連
通孔5に外接する中心角である。
【0025】この切替手段3は、本実施例の場合、出入
口手段6と軸受手段15によって回転自在に支持されて
いる。そして、駆動機構によって連続的あるいは間欠的
に回転可能に設けられている。駆動機構は特に限定され
るものではないが、例えば本実施例の場合、ディスク状
の切替手段3の周縁にギア22を形成し、これと噛合す
るドライブギア20を有するモータ21を切替手段3の
周りに配置しモータ駆動するように設けられている。勿
論、これに限定されるものではなく、切替手段3の周縁
に圧接される摩擦車によって回転駆動させるようにして
も良い。尚、蓄熱体1と分配室2とを収容するケーシン
グ13bと切替手段3との間、並びに切替手段3と分配
室2との間にはシール材18および19が介在され、シ
ールされている。
【0026】尚、排気系34と給気系33とは図示して
いないが押し込みファンと誘引ファンに接続されてい
る。また、立ち上げ用の点火バーナ37が必要に応じて
設置されている。
【0027】燃料ノズル31は、蓄熱体1を貫通して炉
内35に直接露出ないし突出するように配置されてい
る。燃料ノズル31と蓄熱体1との間には僅かな隙間2
4が設けられ、燃焼用空気の一部が冷却用流体として流
されている。勿論、この冷却用の空気は場合によっては
流さない。更に具体的には、この燃料ノズル31は、出
入口手段6の中心、切替手段3の中心、分配室2の中心
及び蓄熱体1の中心を貫通して噴射口(図示省略)が炉
内35に突出するように設置され、ケーシング13aな
どで支持されている。ここで、噴射口は図示していない
が先端の中心に軸方向に開口している。
【0028】以上のように構成されたバーナは次のよう
に燃焼する。
【0029】燃料中の空気と排気の切替動作を図6及び
図8に基づいて詳しく説明すると次のようなものであ
る。まず、出入口手段6の給気室6aに燃焼用空気Aが
導入されると、この燃焼用空気Aは給気用連通孔5を経
て分配室2の第2の室9bに流入し、更に該当する蓄熱
体1の室・区画12に流入する。このとき、蓄熱体1の
該当する区画・室は切替前に通過していた高温ガス・燃
焼排ガスEの熱によって加熱されているため、通過する
燃焼用空気Aは蓄熱体1の熱を奪って高温即ち当該蓄熱
体1を加熱した燃焼ガスの温度近くの高温とされる。そ
して蓄熱体1の中央に配置された燃料ノズル31の周り
から、炉内35へ直接1000℃程度の高温となった燃
焼用空気Aを燃料Fの周りに噴射する。他方、出入口手
段6の排気室6bに排気用連通孔4を介して連通された
蓄熱体1の該当する区画11には、排気系34の誘引フ
ァンの働きによって炉内35の燃焼排ガスFが導入され
る。そして、この蓄熱体1の区画11部分を加熱するこ
とによって温度が下がった燃焼排ガスは分配室2の第1
の室9aに流入してから排気用連通孔4を経て排気室6
bに排出される。
【0030】次いで、切替手段3を図6の状態から反時
計回転方向へ連続的にあるいは間欠的に回転させると、
まず排気用連通孔4が左隣りの分配室の第3の室9cに
かかり、第1の室9aと第3の室9cとが同時に排気室
6bと連通する。したがって、炉内の燃焼排ガスEは蓄
熱体1の第1の区画と第3の区画(図8に符号10で示
された部分)とを通過してから分配室2の第1の室9a
と第3の室9cとに流入してこれら両室9a,9cに排
気用連通孔4を介して接続されている排気室6bに流出
する。そして排気される。その後、排気用連通孔4が完
全に第3の室9c(図8において符号10で示される空
室であった部分)に切り替えられてから、第2の室9b
に占位していた給気用連通孔5が第1の室9a(図8に
おいて符号11で示される室部分)に切り替えられ、第
2の室9b(図8において符号12で示される室)で区
画される領域が空室となる。換言すれば、今まで流体が
流されていなかった空室10に燃焼排ガスEが流され、
今まで燃焼排ガスEが流されていた室11に燃焼用空気
Aが流され、更に燃焼用空気Aが流されていた室12に
は流体が流されない。依って、燃焼排ガスEの熱によっ
て蓄熱体1が加熱され、加熱された蓄熱体1を通過する
燃焼用空気Aが蓄熱体1の熱によって温められる。この
とき、流体の流れの切替は、空室10を利用して2室に
跨ったときにもそれぞれの室と連通させながら行うの
で、流体の流れが途絶えることがない。そして、燃焼排
ガスEの次に燃焼用空気Aと順次流れを途切らすことな
く切り替えられる。したがって燃焼用空気Aは、加熱さ
れた蓄熱体1を通って排ガス温度に近い高温例えば10
00℃程度の熱風となって炉内35へ供給される。この
とき、燃焼用空気は単一の室に連通されているときは流
速を増し、切替時に空室と跨るときには流速を低減させ
る。したがって、燃料と混合される位置が噴射方向に変
動し火炎の高温領域を炉内35で炉長方向に移動させる
こととなる。
【0031】ほぼ全量の燃焼用空気に相当する高温燃焼
用空気Aと燃料ノズル31から噴射される燃料Fとは別
々に炉内35に噴射され、噴射直後に混じることなく炉
内35に広がり、燃料ノズル31から離れた炉内35で
混合される。また、高速で流れる燃焼用空気Aに炉内排
ガスが大量に巻き込まれ、燃焼用空気流中の酸素濃度は
低下する。このとき、燃焼用空気Aと燃料Fはその流速
を急速に低下させかつ混合領域を広範囲に拡大している
ことから、本来は燃焼し難い条件である。しかし、燃焼
用空気Aそのものが800℃以上例えば1000℃程度
の高温であるため、このような条件でも容易に燃焼す
る。しかも、非量論比の条件で燃焼が生じかつ大量の炉
内排ガスが巻き込まれているため、火炎温度の急激な上
昇が抑制されたいわゆる緩慢燃焼を起こし、NOxの発
生を抑える。この緩慢燃焼によって発生する燃焼ガスは
前述した如く炉内35での熱利用の後、蓄熱体1の一部
の領域を通過して炉外に排出される。ここで、蓄熱体1
の切替は、例えば20秒〜90秒、好ましくは10秒程
度の間隔で行うか、あるいは蓄熱体1を経由して排出さ
れる燃焼ガスが所定の温度例えば200℃程度となった
ときに行う。
【0032】また、他の切替手段3としては、図10に
示すように排気用連通孔4と給気用連通孔5とをN室に
区画された蓄熱体1の各室のほぼ全域を占める大きさの
孔とし、燃焼排ガスEを流す室と燃焼用空気Aを流す室
との間に少なくとも1室以上の空室を区画できるような
配置関係がとられたものである。即ち、蓄熱体1は、前
述の実施例と同様に分配室2による区画あるいは蓄熱体
そのものの区画によって、周方向にN(N=n+2、こ
こで、nは2以上の正の整数で常時流体が流れる室数で
ある。)室に均等に区画され、各室内を軸方向に流体が
通過可能とされている。ここで、蓄熱体1に区画される
室の数は燃焼用空気を流す給気用の室12と燃焼排ガス
を流す排気用の室11とを1組として最低1組に2つの
空室(流体が流れない室)10,10を組み合わせたも
のであり、4室・区画を最低室数・区画数とする。排気
用の室11と給気用の室12とは同数である必要はな
く、場合によっては、排気用の室11の数よりも給気用
の室12の数を多くしたり、あるいはその逆とすること
も可能である。この場合、排気量と空気量との比率が異
なる場合に、それぞれの比率ごとに利用する蓄熱体の伝
熱面面積を変えることができ、適正な熱収支を保つこと
ができるといった利点がある。また、複数の室・区画が
1つの連通孔によって同時に流体が流れるようにしても
良い。例えば、2つないし3つ、あるいはそれ以上の数
の室・区画が同時に1つの連通孔に繋がるようにしても
良い。この場合、切り替えに必要な空室の大きさが小さ
くなり、切替時間を短くすることができる。更に、N個
の室を1ユニットとして複数ユニットを形成することも
可能である。即ち、室の総数Zは、Z=a・Nで表され
る(ここで、aはユニット数を示す0を除く正の整
数)。この場合、1つの空室10を介在させて1群の排
気用の室11と給気用の室12とが交互に配置されるよ
うに各連通孔4,5の位置が設定される。
【0033】そして、切替手段3は、蓄熱体1の1つあ
るいは2つ以上の室・区画12,12-1,12-2,…,
12-nと供給室6aとを連通させる給気用連通孔5と、
1つあるいは2つ以上の室・区画11,11-1,11-
2,…,11-nと排気室6bとを連通させる排気用連通
孔4とをユニット数aだけ有している。例えば、図10
の場合にはユニット数aは1であるから、1個ずつの給
気用連通孔5と排気用連通孔4とを有している。そし
て、この排気用連通孔4と給気用連通孔5とは、その間
に相互に少なくとも1室以上の空室10を区画できるよ
うな配置関係を満たすことが必要である。即ち、1ユニ
ットの場合、給気用連通孔5と排気用連通孔4とが数式
【数3】 で表わされる角度Cの間隔をあけて配置されている。こ
こで、角度Cは、空室分の角度、即ち[360°/(n
+2)]よりも僅かに大きく設定することが好ましい。
この場合には、給気と排気の混合を完全に防いで尚かつ
圧損を最小限に抑えることができる。また、複数ユニッ
トを設ける場合には、排気用連通孔4と給気用連通孔5
との間に数式4
【数4】 で表される角度Cの間隔が設定されて、ユニット数分の
排気用連通孔4と給気用連通孔5とが交互に配置され
る。
【0034】以上のように構成された切替手段における
流体の流れの切り替えは、排気用連通孔4と給気用連通
孔5の双方が同時にそれぞれの前方の空室10,10に
移り変わることによって行われる。そして、排気用連通
孔4および給気用連通孔5が空室であった前方の室・区
画内を完全に占位したとき、いままで排気用連通孔4お
よび給気用連通孔5と連通していた室・区画はそれぞれ
空室となる。例えば図10に示す1ユニット8室のケー
スを例に挙げて説明すると、回転方向の最後尾の室・区
画11-3,12-3が空室となる。このとき、排気用連通
孔4および給気用連通孔5は、今までの室・区画11-
1,11-2,11-3および12-1,12-2,12-3と新
たな室・区画10,10との4つの区画に同時に跨る
が、複数の区画に同時に流体を供給しながら切り替えら
れると共に空室10を利用しているので、流体の流れが
遮断されることがないことは勿論のこと、前方の排気用
連通孔4は給気用連通孔5がさしかかった区画よりも1
つ前の区画に占位するため、排出される燃焼排ガスと供
給される燃焼用空気とが同じ区画内において混じり合う
ことがない。
【0035】次に、温度場高温化と平坦化を実現する燃
焼装置の別の実施例を図2に示す。この実施例は、燃焼
用空気を供給する手段48の蓄熱体41,42の上流側
に複数、例えば一次と二次の二つに分岐した流路43,
44を配置すると共に蓄熱体内も各流路に対応させて複
数、例えば一次と二次の二つの区画41,42に独立さ
せ、いずれか一方の流路43,44あるいは場合によっ
ては双方の流路から燃焼用空気を供給するように設けら
れている。外側の流路の蓄熱体41の場合は、開口面積
が大きくなるためその長さを短くし、内側の蓄熱体42
の場合は、開口面積が小さくなるためその長さを長くし
ている。これによって、蓄熱体41,42に蓄えられる
熱容量がいずれの蓄熱体を通過しても同等なるように設
けられている。しかし、流路面積は蓄熱体41,42に
よって異なるため、同じ押し込み圧力で燃焼用空気が供
給される場合、外側の蓄熱体41を通過して噴射される
される場合と内側の蓄熱体42を通過して炉内35へ噴
射される場合とでは噴射速度が異なる。この場合にも高
いエンタルピを持つ酸化剤(燃焼用空気)の噴出流速を
ステップ状に大幅に変化させて、炉内・燃焼室35の半
径方向ばかりでなく軸方向に対して高温領域の非定在制
御の操作を実施することを可能として温度場を平坦化し
ている。即ち、燃焼用空気が通過する蓄熱体の断面積を
変化させることによって噴射速度を変化させ、炉長方向
(軸方向)において燃焼用空気と燃料との混合位置並び
に火炎の高温領域の位置を変化させるようにすると共に
径方向において交互に燃焼用空気を噴射させることによ
って火炎位置を炉内の半径方向においても変化させるよ
うにしている。また、炉内35に別々に噴射される高温
の燃焼用空気と燃料との混合が、噴射量や噴射の時間的
なずれ等及び大量の炉内排ガスの巻き込みによって非量
論比に制御されることは、図1の実施例の場合と同様で
ある。そして、この非量論比燃焼によっても温度場の平
坦化が達成される。尚、図中符号45,46は2つの流
路43,44を合流させる集合ダクト、47は四方弁、
49は2つの流路43,44を選択的に閉じるダンパで
ある。
【0036】次に、図3に燃焼室軸方向に対してのみ高
温領域の非定在制御の操作を実施することにより温度場
を平坦化した場合の実施例を示す。この実施例は燃焼用
空気の噴射位置を軸方向(燃焼用空気の噴射方向:火炎
方向)にずらして配置し、燃焼用空気の噴射を炉内の手
前側と奥側とに交互に切り替えて燃料と燃焼用空気とが
炉内において混合され燃焼を起こす位置を移動させるこ
とを可能としたものである。即ち、軸方向に対して高温
領域の非定在制御の操作が行われる。具体的には、炉3
6の手前側に燃料ノズル31とその周りに燃焼用空気を
交互に噴射する一対の酸化剤供給手段53,53を配置
し、この酸化剤供給手段53,53を合流ダクト54を
介して四方弁56の一つのポートに連結するようにして
いる。そして、酸化剤供給手段53,53には蓄熱体5
2,52が装入されており、四方弁56から導入される
燃焼用空気を蓄熱体52,52の熱で予熱してから炉内
35へ噴射するように設けられている。また、四方弁5
6の他方のポートには炉36の奥側に連通する一対の酸
化剤供給手段57,57が合流ダクト55を介して連結
されている。また、この酸化剤供給手段57,57にも
蓄熱体51,51が装入されている。尚、四方弁56の
残る2つのポートには燃焼用空気供給系33と排ガス系
34とが接続されている。したがって、四方弁56の切
替によって炉の手間側の酸化剤供給手段53,53か奥
側の酸化剤供給手段57,57のいずれか一方から燃焼
用空気が約800℃あるいはそれ以上に予熱されて燃料
ノズル31から噴射される燃料に向けて噴射される。こ
の実施例の場合、炉の手前側と奥側とで交互に燃焼用空
気が噴射されるため、炉の入口から噴射される燃料に対
し燃焼用空気が手前側と奥側とで交互に混合され火炎が
形成される。よって、火炎の高温領域が炉の手前側寄り
と奥側寄りとの間を繰り返し移り変わる。また、炉内3
5に別々に噴射される高温の燃焼用空気と燃料との混合
が、噴射量や噴射の時間的なずれ等及び大量の炉内排ガ
スの巻き込みによって非量論比に制御されることは、図
1の実施例の場合と同様である。そして、この非量論比
燃焼によっても温度場の平坦化が達成される。
【0037】尚、以上の高温温度場の平坦化の実施例を
まとめて図5に示す。この図によると、火炎の発生と炉
長方向並びに炉円周方向における熱流束パターンの変化
が示されている。
【0038】図4は燃焼熱で加熱を行う熱装置の燃焼を
低公害化する燃焼制御方法の一例を示すものである。こ
の燃焼制御方法は、高いエンタルピを有する酸化剤を用
いて生じさせた燃焼を利用してNOxの還元および一酸
化炭素の抑制を図ることを特徴とする。この実施例によ
ると、燃焼用空気を炉内35の手前側と奥側とに分けて
供給し、炉内35の空間を利用して燃焼用空気と燃料と
の混合、特に二段階混合を実施して低NOx化を実現し
たものである。この場合、炉36の手前側に設置された
一対の酸化剤供給手段70,70と炉36の奥側に設置
された一対の酸化剤供給手段71,71とをそれぞれ集
合ダクト67,68で合流させて四方弁69の各ポート
にそれぞれ連結し、一方の酸化剤供給手段70,71を
燃焼用空気供給系33に接続するとき他方を排ガス系3
4へ選択的に接続するようにしている。そして、分岐さ
れる流路63,64にはそれぞれダンパ65,66が設
けられ、燃焼用空気の一部例えば30%程度が燃料ノズ
ル31の周辺から噴き出され、残り例えば70%程度が
炉の奥において噴射される。この場合、全量の燃料と3
0%程度の燃焼用空気とが炉内35の空間を利用して混
合され、燃料過剰状態の混合ガスを形成して燃焼する。
このとき、燃焼用空気は約800℃以上の高いエンタル
ピを有する酸化剤であるため、このような極めて高い燃
料リッチ状態であっても燃焼が可能となる。このとき、
燃焼ガスは極端な空気不足のため完全燃焼はしないが、
炉36の奥側において供給される残りの燃焼用空気によ
って完全燃焼を達成する。この非量論比燃焼によって温
度場が平坦化される。また、低公害燃焼を行うために、
高いエンタルピを有する酸化剤を用いて燃料ノズル31
の近傍の一次燃焼領域に生じさせた燃料濃度の高いリッ
チ燃焼を高温還元剤として利用し、さらに高いエンタル
ピを有する酸化剤を用いて炉36の奥側の二次燃焼領域
に生じさせた高温燃焼で発生する窒素酸化物生成を抑制
すると同時に一酸化炭素発生領域に供給混合することに
よりその発生を抑制し完全燃焼を可能にするようにして
いる。ここで、燃焼ガス中に高いエンタルピを持つ酸化
剤即ち蓄熱体61,61を経て800℃以上の高温とな
った燃焼用空気を噴射することによって高温燃焼ガス中
に発生するNOxの還元あるいはCOの低減が図られる
原理としては、例えば次のようなことが考えられる。高
温の燃焼用空気の噴流は直進する燃焼ガス噴流に対し横
風噴流となって合流する。このとき、燃焼ガス噴流中に
は横風噴流・高温燃焼用空気噴流によって互いに逆向き
の渦領域となる一対の循環流が生じ、燃焼ガスの噴流内
部に燃焼用空気噴流を取り込む。その後、2つの渦領域
それぞれの内部に生じた大小複数の渦塊によって燃焼ガ
ス噴流の高濃度域が複雑に断面内に拡散されると同時に
噴流中央部に取り込まれた燃焼用空気噴流も分散されて
拡散される。即ち、燃焼用空気噴流が燃焼ガス噴流の中
に取り込まれた後、次第に噴流内部全体に広がり、高温
の燃焼用空気と燃料リッチ燃焼ガスとが混合されて燃焼
ガス噴流内で燃焼する。その間、燃焼ガス噴流に含まれ
るNOxが還元され、かつCOが酸化される。
【0039】更に、本発明の燃焼制御方法は、図13に
示すようなラジアントチューブバーナシステムに適応す
る場合にも好ましい結果が得られる。このラジアントチ
ューブバーナシステムは、ラジアントチューブ81の両
端にバーナ82,83をそれぞれ配置し、かつ該バーナ
82,83のエアースロート84に内装ないし連結させ
た蓄熱体85を通して酸化剤(例えば燃焼用空気)の供
給と燃焼排ガスの排気とを交互に行うようにし、約80
0℃以上の高温に予熱された酸化剤たる燃焼用空気を用
いて交互燃焼させるようにしたものである。尚、各バー
ナ82,83のエアースロート84は例えば四方弁等の
流路切替手段86を介して燃焼用空気供給系88と排気
系89とに選択的に接続され、一方のバーナ82(ある
いは83)へ燃焼用空気が供給されると共に、他方のバ
ーナ83(あるいは82)を経て燃焼排ガスが排出され
るように設けられている。このため、蓄熱体85は、燃
焼排ガスが通過するときにはその顕熱を回収して蓄熱
し、燃焼用空気が通過するときには蓄えられた熱を放出
して燃焼用空気を予熱する。尚、両バーナ82,83は
三方弁87を介して選択的に接続される燃料供給系90
から交互に燃料が供給されて交互に燃焼する。例えば、
図13の(B)に示すように、バーナ82,83はバー
ナボディ91内に蓄熱体85を内装し、それよりも下流
側即ち空気噴射方向にエアースロート84を構成するタ
イル92を設けて中央の噴射口84aから燃焼用空気を
噴射し、その周りから燃料を空気とほぼ平行に噴射する
ようにしている。燃料を噴射する燃料噴射ノズルは、大
径の燃料ノズル93と小径の燃料ノズル94とから構成
され、タイル92の中央に形成されるエアースロート8
4から離した位置に開口するようにタイル92内に埋設
されている。燃料ノズル93,94はエアースロート8
4内を通過する800℃以上の高温の燃焼用空気及び燃
焼排ガスから耐火・断熱材から成るタイル92によって
保護され、コーキング及び焼損を起こさないように設け
られている。このバーナ構造の場合、中央の空気噴射口
84aから高速で噴射される高温の燃焼用空気の流れに
よって燃料ノズル93,94から噴射される燃料を誘引
して巻き込み、同時にラジアントチューブ81内の燃焼
ガスを強力に巻き込んで緩慢燃焼を起こす。また、図1
3の(C)に示すように、エアースロート84の噴射口
84aをラジアントチューブ81の内周壁に沿って燃焼
用空気を噴射するように形成する一方、燃料の主流が空
気噴流から離れて噴射するように設けて、燃料の主流と
空気噴流とが混合する前にできるだけ大量の燃焼排ガス
を巻き込むようにしても良い。
【0040】ここで、高いエンタルピを持つ酸化剤とし
て、予熱温度が800℃以上好ましくは1000℃以上
の高温空気が燃焼に用いられれば、通常燃焼なら一般的
に燃焼不安定化をもたらすような燃焼制御に対しても、
反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡大が燃焼の安定化
に大きく寄与するために燃焼安定性が維持される。よっ
て、これまでの通常燃焼であれば種々の困難が生じる極
端な超希薄や超過濃な燃料濃度レベルでの非量論比燃焼
制御を実現するための混合制御の操作が極めて容易とな
る。
【0041】例えば、メタンの可燃領域を例に挙げる
と、混合気温度が20℃の場合、希薄限界は燃料濃度が
約5.2%(当量比0.52)であったものが、100
0℃の場合には1.5%(当量比0.145)にもな
る。同様に過濃限界側も希薄限界とともに拡大するの
で、このことは安定燃焼範囲の拡張を意味する。よっ
て、火炎温度分布を混合によって制御する方法におい
て、これまでの制限に比較して大幅な自由度の増大がも
たらされる。このことから、図13の(B)あるいは
(C)に示すような構造のラジアントチューブバーナに
おいても、非量論比燃焼を起こし、それが安定して継続
されるため、温度場が平坦化される。
【0042】即ち、図13の(B)に示す構造のラジア
ントチューブバーナの場合、中央のエアースロート84
の噴射口84aから高速で噴出される800℃以上、好
ましくは1000℃以上の高温の燃焼用空気に誘引され
てその周囲に比較的低速で噴射された燃料とラジアント
チューブ81内の排ガスとが巻き込まれ、低酸素濃度下
で緩慢燃焼を起こす。更に、燃焼反応中にも燃焼ガス及
び未反応の燃焼用空気の速い流れに燃焼排ガスが大量に
巻き込まれて燃焼反応が継続され、より緩慢燃焼を促進
する。このとき、燃焼反応は、通常燃焼における可燃限
界を越えた極端な超希薄あるいは超過濃な非量論比とな
るが、前述したように安定燃焼を起こす。
【0043】また、図13の(C)に示す構造のラジア
ントチューブバーナにおいても、ラジアントチューブ8
1の内周壁に沿って噴射される燃焼用空気に小径の燃料
ノズル94から噴射された燃料と燃焼排ガスとが誘引さ
れて巻き込まれ、超空気過剰状態で燃焼し、更に下流側
で大量の燃焼排ガスと大径の燃料ノズル94から噴射さ
れた燃料とを巻き込んで、低酸素濃度下で緩慢燃焼を起
こす。燃焼反応は燃料と燃焼排ガスとを巻き込みながら
継続され、より緩慢燃焼を促進させる。
【0044】また、高品位燃料と高いエンタルピを持つ
酸化剤を用いた超過エンタルピ−燃焼により断熱火炎温
度を通常よりさらに高温化した場合、高い熱流束を定常
的に被加熱物に与えるのではなく、例えば図5に示され
るように、あるいは図1〜図4、図13、図16に具体
的に示されるように、交互燃焼で非定在火炎を形成する
ことによって熱流束を時間的あるいは空間的に変化させ
るような火炎制御を行えば、被加熱物のオーバーヒート
や焼損を抑制することが可能と考えられる。したがっ
て、炉内温度場を時間平均的に平坦化制御することがで
きれば伝熱の高効率化に加えて伝熱放射管表面の温度偏
差を低減し熱応力是正にも有効な手段となる。
【0045】斯くして、ラジアントチューブ熱装置の伝
熱を高効率化するために、図13に示すように、高いエ
ンタルピを有する酸化剤を用いて生じせしめた非量論比
的燃焼と交互燃焼を単独に、あるいはそれらを組み合わ
せて利用することによって、ラジアントチューブの管壁
温度偏差を30℃〜50℃以下にすることを実現でき
た。
【0046】また、従来の通常燃焼では、ラジアントチ
ューブの表面負荷qとアウトプット効率αが炉内温度T
に対して定まっていたため、必要加熱量Qが決まるとそ
の管径dは管長さ1として数式5から算出されていた。
【数5】q×(π/4)×d2×1=Q/α atT
【0047】ラジアントチューブ表面の温度偏差を低減
する燃焼制御方法、即ち、高いエンタルピを有する酸化
剤を用いて生じせしめた非量論比的燃焼と交互燃焼を単
独にあるいは組み合わせて利用する本発明の燃焼制御方
法によれば、表面負荷qとアウトプット効率αを従来よ
り大幅に増加することができる。
【0048】これまで、ラジアントチューブバーナシス
テムのラジアントチューブ直径としては、最小でも3B
(ラジアントチューブの呼び径)以上が使われていた。
これは、表面負荷qとアウトプット効率αが低かったた
めで、それ以下の直径で加熱を行うには多数のチューブ
を必要とし煩雑化するためであった。
【0049】しかし、高い表面負荷qとアウトプット効
率αであれば、図14に示すように、3Bのラジアント
チューブ即ち外径75mm以下のチューブを使用するこ
とも可能となる。尚、小径の管で燃焼量を増加すれば供
給流体流速が高速になり、至る所が燃焼速度よりも速く
流れるので、通常燃焼では不安定になり失火するが、高
いエンタルピを有する酸化剤つまり800℃以上の高温
に予熱された燃焼用空気を用いた燃焼では極めて安定性
が高い燃焼が保持される。また、燃焼用空気そのもの
も、高温に予熱されることで膨張するため高流速とな
る。
【0050】更に、本発明の燃焼制御方法は、図15に
示すようなラジアントチューブで実施する場合にも好適
な結果を得る。このラジアントチューブ100は、直管
の中央を仕切壁102で仕切って右室103Rと左室1
03Lとに区画し、ダブルエンド型のラジアントチュー
ブとしたものである。このラジアントチューブ100の
隣り合う端部には、例えば図1において示すような流路
切替手段37と各室103R,103Lに臨む燃料ノズ
ルとを設置し、交互に燃料を右室103Rと左室103
Lに噴射して燃焼させるようにしても良い。この場合の
チューブ形状は円形や楕円形に限られずその他の形状を
採用しても良いが、より好ましくは図示の如き楕円形状
とすることである。この形状のラジアントチューブ10
0の場合、中仕切壁102によって分けられているチュ
ーブ100の右半分の室103Rと左半分の室103L
とで交互に火炎が形成され、先端の折り返し通路104
部分で反対側に抜けて排出されるため、ラジアントチュ
ーブ100の表面温度が大きく異ならず均一化され、し
かも表面負荷を上げることができる。従来の一般的なシ
ングルエンド型のラジアントチューブは、先端部分での
み内管と外管とが連通する同軸二重管形式で、内管の内
側で燃焼して発生した燃焼ガスが外管と内管の間のスペ
ースを通って戻ってくる構造とされている。このため、
外管に必要な表面負荷を与えるためには内管は熱的に限
界に近い状況で使用されることになる。実際には、U字
管式等に比してその表面負荷は低い傾向にあった。しか
し、図15のラジアントチューブ構造の場合、燃焼反応
を起こす部分も燃焼ガスが戻る部分も表面に双方とも露
出しているため、ラジアントチューブ表面の温度偏差を
低減することができ、表面負荷とアウトプット効率が改
善される。即ち、高いエンタルピを有する酸化剤(約8
00℃以上に予熱された高温の燃焼用空気)を用いた非
量論比的燃焼と交互燃焼の組み合わせによって仕切壁1
02によって仕切られたラジアントチューブの左右で非
定在火炎が形成されるためヒートフラックス分布がラジ
アントチューブの左右において均一に形成されるため、
熱的環境が緩和される。
【0051】更に、図16にラジアントチューブバーナ
システムの他の実施例を示す。この実施例は、複数本の
直管から成るラジアントチューブ110,…,110を
炉内116に設置し、各チューブ110の両端に例えば
図13の(B)あるいは(C)に示すのと同様の構造の
バーナ111,112をそれぞれ設置している。そし
て、例えば2本のチューブ110,110の両端に設置
されたバーナ111,112のエアースロートを各々連
結してから四方弁113,113の一つのポートにそれ
ぞれ接続する一方、別の2本のチューブ110,110
の両端に設置されたバーナ111,111,112,1
12のエアースロートを各々連結してから四方弁11
3,113の他のポートにそれぞれ接続し、2本のチュ
ーブ110,110を組として、一方の組のバーナ11
1,111,112,112を燃焼用空気供給系11
4,114に接続する一方、他方の組のバーナ111,
111,112,112を排気系115,115に接続
する。このようにして、直管のラジアントチューブ11
0,110の一端から他端に向けて流れる燃焼ガスを他
端側のバーナ112,112あるいは111,111を
通過させて排気し、蓄熱体を加熱するようにしている。
この実施例の場合、各ラジアントチューブ110内でも
交互に燃焼による非定在火炎によってヒートフラックス
パターンが変化して温度場が平坦化されると共に従来よ
り高温度場が形成される。また、炉内全域においても、
空間的に熱流束が変化することによってヒートフラック
スパターンが変化して、温度場が平坦化されかつ従来よ
り高い温度場となる。加えて、非量論比燃焼によって、
局所的な高温場が抑止され、温度場が平坦化される。依
って、ラジアントチューブの温度偏差を小さくして、炉
内温度を上げることができる。
【0052】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では主に燃焼用空気の噴射位置等
を切り替える場合について説明したが、これに特に限定
されるものではなく、燃料の噴射位置を変えるようにし
ても良い。また、高温の燃焼用空気と燃料との混合制御
による非量論比燃焼と交互燃焼による非定在火炎の形成
とを同時に行う実施例について主に説明したが、場合に
よっては非定在火炎形成と非量論比燃焼とを別々に実施
しても良く、この場合にも温度場の平坦化は達成され
る。
【0053】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の燃焼加熱装置の燃焼制御方法は、高いエンタルピを有
する酸化剤と燃料とを熱装置の炉内へ別々に噴射し炉内
空間を利用して混合し燃焼させる一方、酸化剤若しくは
燃料の炉内への噴射位置あるいは噴射量を連続的あるい
は間欠的に変動させて非定在火炎を形成したり、あるい
は別々に噴射された高いエンタルピを有する酸化剤と燃
料とを炉内空間で混合して非量論比燃焼させ、若しくは
酸化剤と燃料のいずれか一方あるいは双方の炉内への噴
射位置あるいは噴射量を連続的あるいは間欠的に変動さ
せて非定在火炎を形成すると共に非量論比燃焼させるよ
うにしているので、温度場の平坦化を図ると共に高温化
が容易に達成できる。
【0054】しかも、火炎の位置の移動あるいは火炎の
高温領域の位置が炉の半径方向あるいは円周方向若しく
は炉長方向のいずれか、あるいは全てにおいて移動する
ことによって、火炎は一定位置に定まらない非定在火炎
となり、ヒートフラックスパターンを移動させたり変化
させる。このため、時間平均的に炉内温度場を上限温度
以下に抑制する。例えば、火炎の周期的な混合変化を想
定した場合、混合パターンが変化する毎に熱流束分布は
図12のように非対称な分布も交互に変化を生じると考
えられる。この際、熱流束の分布は、炉のほぼ中央を横
切る面を中心として炉長方向に面対称となることが望ま
しい。なぜならそれら二つのパターンでつくられる熱流
束分布の平均値(太い実線で示される)は図12に示す
ように、定在火炎(一定の場所に形成される火炎)の場
合に形成される1000℃の空気による熱流束の極大値
よりも低いレベルで平坦化するからである。これを空気
温度200℃の熱流束と比較した場合、実に約1.7倍
の平均熱流束を炉内全体に均一に与えるようになり、伝
熱効率が飛躍的に改善されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する加熱装置の一例を示す概
略図である。
【図2】本発明方法を実施する加熱装置の他の例を示す
概略図である。
【図3】本発明方法を実施する加熱装置の他の例を示す
概略図である。
【図4】本発明方法を実施する加熱装置の他の例を示す
概略図である。
【図5】図1〜図3の加熱装置によって実施する本発明
の燃焼制御方法の例を示す一覧図である。
【図6】図1の加熱装置に適用されたバーナの基本構成
を示す斜視図である。
【図7】図1の加熱装置に適用されたバーナの具体例を
示す断面図である。
【図8】図1の加熱装置に適用されたバーナの空気供給
手段に用いられる切替手段の説明図である。
【図9】蓄熱体の他の実施例を示す説明図で、(A)は
放射状に板を配置したタイプ、(B)は放射状に波板を
配置したタイプ、(C)はパイプを束ねたタイプ、
(D)は蓄熱材料をN室に区画されたケーシング内に充
填したタイプを示す。
【図10】流路切替手段の他の実施例を示す説明図であ
る。
【図11】従来の燃焼法による200℃の燃焼用空気を
用いる場合と1000℃の燃焼用空気を用いる場合との
ヒートフラックスパターンを示すグラフである。
【図12】本発明方法によって形成されるヒートフラッ
クスパターンを示すグラフである。
【図13】本発明の燃焼制御方法をラジアントチューブ
バーナに適用する場合の実施例を示す概略図で、(A)
はバーナシステム全体の概略図、(B)はバーナの一例
を断面して示す概略図、(C)はバーナの他の例を断面
して示す概略図である。
【図14】本発明方法を実施した場合と従来の燃焼制御
方法との入熱量とそれに必要なチューブ管径との関係を
示すグラフである。
【図15】本発明の燃焼制御方法を適用する場合のラジ
アントチューブの実施例を示す図で、(A)は斜視図、
(B)はチューブ先端の断面図である。
【図16】本発明方法を実施する加熱装置の他の例を示
す概略図である。
【図17】メタンガスの可燃範囲と温度との関係を示す
グラフである。
【図18】温度場の高温化を実現する超過エンタルピー
燃焼法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,41,42,51,52,61,62,85 蓄熱
体 31,93,94 燃料ノズル 37 流路切替手段 38,48,53,57,70,71,84 酸化剤供
給手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高いエンタルピを有する酸化剤と燃料と
    を熱装置の炉内へ別々に噴射し炉内空間を利用して混合
    し燃焼させる一方、前記酸化剤若しくは燃料の炉内への
    噴射位置あるいは噴射量を連続的あるいは間欠的に変動
    させて非定在火炎を形成し、ヒートフラックスパターン
    を移動させたり変化させ温度場を平坦化することを特徴
    とする燃焼加熱装置の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 高いエンタルピを有する酸化剤と燃料と
    を熱装置の炉内へ別々に噴射し炉内空間を利用して混合
    し、非量論比燃焼させ温度場を平坦化させることを特徴
    とする燃焼加熱装置の燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 高いエンタルピを有する酸化剤と燃料と
    を熱装置の炉内へ別々に噴射し炉内空間を利用して混合
    し、前記酸化剤若しくは燃料の炉内への噴射位置あるい
    は噴射量を連続的あるいは間欠的に変動させて非定在火
    炎を形成すると共に非量論比燃焼させ、温度場を平坦化
    させることを特徴とする燃焼加熱装置の燃焼制御方法。
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