JPH07166652A - アンカーボルト取付用ケーシングおよびアンカーボルトの取付方法 - Google Patents

アンカーボルト取付用ケーシングおよびアンカーボルトの取付方法

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JPH07166652A
JPH07166652A JP31709493A JP31709493A JPH07166652A JP H07166652 A JPH07166652 A JP H07166652A JP 31709493 A JP31709493 A JP 31709493A JP 31709493 A JP31709493 A JP 31709493A JP H07166652 A JPH07166652 A JP H07166652A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンカーボルトを作業効率よく強固にコンクリ
ート面に取り付ける。 【構成】アンカーボルト取付用ケーシング40は、底面
部41aに対向する開口部を有する中空体の内部に、連
結体42が水平状態で架設されている。また、その中空
体の外側面部から外方に突出する突起部が設けられてい
る。アンカーボルト取付用ケーシング40は、型枠内の
所定位置に固定されて、その型枠内にコンクリート23
が打設される。その後、アンカーボルト50の一方の端
部に設けられたアンカー部51を連結体42に係止し
て、ケース本体41内にグラウト25が注入され、アン
カーボルト50は、ネジ部52がグラウト25から延出
した状態に埋め込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンク等の機器をアン
カーボルトによってコンクリート面上に固定する際に使
用されるアンカーボルト取付用ケーシングおよびアンカ
ーボルトの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンク等の重量物の機器は、通常、地盤
を掘削して構築された鉄筋コンクリートの基礎上に据え
付けられており、基礎内に埋め込まれたアンカーボルト
によって固定されている。アンカーボルトは、一方の端
部にL型、J型等のアンカー部を有しており、他方の端
部にネジ部が設けられている。
【0003】基礎は、地盤を掘削して得られた凹部内に
構築される。凹部の底面上に、先ず、割栗石が敷きつめ
られて、その上に捨てコンクリートが設けられ、捨てコ
ンクリート上に鉄筋及び型枠が構築される。そして、ア
ンカーボルトを埋め込む予定位置に、閉塞された底面部
に対向して開口部を設けた箱状中空体が、開口部を上に
して予め仮固定され、その後に、コンクリートが型枠内
に注入される。箱状中空体は、材木、金属、厚紙等によ
って、開口部を有する直方体、円筒等に形成されてい
る。
【0004】コンクリートが固化した時、仮固定された
箱状中空体が除去される。このようにして基礎となるコ
ンクリート上部に、機器が据え付けられる支持脚等に対
応する凹部が形成される。次いで、コンクリート上の定
位置に仮置きされた機器の基礎ボルト孔から、アンカー
ボルトが上記凹部内に垂下される。このとき、コンクリ
ートに設けられた凹部が十分に大きく、深く形成されて
いると、アンカーボルトを垂下させる作業が容易にな
る。
【0005】この後、上記凹部内にグラウトが注入され
る。注入されたグラウトが硬化した後に、機器の基礎ボ
ルト孔から突出しているアンカーボルト上部のネジに螺
合したナットを締めつけることによって、機器は、コン
クリート上に固定される。つまり、機器は、アンカーボ
ルト、グラウトを介してコンクリートに固定されること
になる。
【0006】ところが、グラウトをコンクリート上部に
形成された凹部内に注入するに当たって、グラウトがそ
の凹部の隅々にまで十分に行き渡っているかどうかを知
ることは困難である。すなわち、凹部は、開口部が小さ
いわりに深く形成されていることが多いので、ややもす
れば、グラウト注入が不十分となり、凹部の底や側面
部、アンカーボルトの周囲部、あるいは機器の支持脚の
下面等に空隙が生じ易いが、その空隙の有無をコンクリ
ートの上方から目視によって知ることは難しいからであ
る。
【0007】しかも、グラウトは、硬化する際に収縮し
て、凹部内に垂れ下がったアンカーボルトを中心に塊と
なって凝固し易い。従って、コンクリートの凹部側面部
と塊となったグラウトの間が十分に密着していない状態
になり易い。
【0008】このために、横風、地震等によって、据え
付けられた機器のアンカーボルトに垂直方向の引き抜き
力が作用した時、グラウトがアンカーボルトとともにコ
ンクリートの凹部から抜け出し、据え付けられた機器が
横転するおそれがある。
【0009】そこで、コンクリートとグラウトとの結合
力を向上させるために、開口部及び底部を有する円筒中
空体の周面を螺旋状に外方に突出させ、開口部を上にし
て、この中空体の底部および周面部をコンクリート中に
埋め込む方法も実施されている。
【0010】コンクリート上の定位置に仮置きされた機
器の基礎ボルト孔から、アンカーボルトが上記円筒中空
体の内部に垂下され、この円筒中空体内部にグラウトが
注入される。この場合には、円筒中空体の外周面に設け
られた突出部が周囲のコンクリートと係合しているため
に、円筒中空体がコンクリートから引き抜かれることは
抑止される。
【0011】しかし、円筒中空体内部も螺旋状に窪んだ
状態になっているために、注入されたグラウトが十分に
隅々に行き渡らず、グラウトと円筒中空体内周面との間
に空隙が生じて、グラウトの強度が不十分になり易い。
従って、据え付けられた機器のアンカーボルトに垂直方
向の引き抜き力が作用した時、グラウトが引き抜き力に
抗しきれず壊れて、アンカーボルトが円筒中空体内部か
ら抜け出し、据え付けられた機器が横転するおそれがあ
る。
【0012】こうしたグラウトの不安定な要素を解消す
るため、アンカーボルトを埋め込む予定位置に、予め鉄
筋を配設し、その予定位置からずらせて箱状中空体を仮
固定し、コンクリート打設後に上記箱状中空体を除いて
コンクリート上部に凹部を設け、この凹部の近傍をはつ
って鉄筋を露出させ、コンクリート上の定位置に仮置き
した機器の基礎ボルト孔からアンカーボルトを上記凹部
内に垂下し、露出した鉄筋にアンカーボルトのアンカー
部を係止させ、この後、グラウトを凹部内に注入する方
法も実施されている。
【0013】この場合には、機器がアンカーボルトを介
して直接鉄筋に係止されるので、予測した強度を確保で
きる。しかし、コンクリートを打設して硬化させた後に
コンクリートをはつらなければならず、手間を要する。
また、コンクリートが硬化した後には、コンクリート中
に存在する鉄筋の位置が正確には分からないために、コ
ンクリートを大きくはつらなければならない場合もあ
る。さらには、機器の基礎ボルト孔位置から鉄筋までの
ずれが大きすぎてアンカーボルトを鉄筋に係止できない
おそれもある。
【0014】そこで、コンクリートのはつり作業をなく
し、且つ、埋め込まれたアンカーボルトが容易に引き抜
かれないようにする為に、アンカーボルト下部を鉄筋に
直接、溶接等によって接続し、また、アンカーボルト下
部に鋼板を水平状態に取り付けて抜け止めとし、あるい
は、複数のアンカーボルトの下部同士を鋼材等で連結し
ておき、コンクリートの打設時にアンカーボルトの下部
を埋め込んで、アンカーボルト上部をコンクリート上面
から突出させる、という方法も行われている。打設され
るコンクリートの上面は、据え付けられる機器が傾かな
いように、水平に仕上げられる。
【0015】このようなアンカーボルトの取付構造とす
ることによって、アンカーボルトの下部はコンクリート
内に強固に固定される。つまり、所定位置に据え付けら
れた機器は、アンカーボルトを介してコンクリート基礎
に強固に固定されることになる。
【0016】従って、横風、地震等によってアンカーボ
ルトに大きな引き抜き力が作用し、アンカーボルトがグ
ラウト毎引き抜かれて機器が横転する、といった事故を
防止することができ安全に使用される。
【0017】しかし、この場合には、アンカーボルト上
部のネジ部を残してコンクリート注入を終了することに
なるので、高く突出した複数本のアンカーボルトのネジ
部間等の狭隘なコンクリート上面を平滑に、且つ水平に
仕上げることは容易ではない。また、機器の複数の基礎
ボルト孔位置と、複数のアンカーボルトネジ部の位置が
正確に一致するようにアンカーボルトを付設することも
容易でない。更に、硬化したコンクリートの上面に複数
のアンカーボルトのネジ部が突出することになるので、
各アンカーボルトのネジ部を機器に一体的に設けた支持
脚の基礎ボルト孔に貫通させようとする時には、機器を
コンクリート上で引きずって位置合わせすることができ
ず、機器を吊り上げて定位置上まで持ってきて、水平を
保った状態で降ろさなければならない。吊り上げた機器
を傾いた状態で降ろすと、機器の複数の基礎ボルト孔に
複数のアンカーボルトネジが貫通できず、また、水平を
保った状態であっても、全ての基礎ボルト孔位置と全て
のアンカーボルトネジ位置とが合致しないと貫通しない
ので、機器の据え付け作業は極めて困難であり、特に機
器が重量物である場合は危険でもある。
【0018】そこで、コンクリート上面を平滑且つ水平
に仕上げ、機器の複数の基礎ボルト孔位置と、複数のア
ンカーボルトネジ部の位置を正確に一致させるために、
次のような方法を採用することもあった。すなわち、機
器の複数の基礎ボルト孔位置と全く同一の配置でアンカ
ーボルト挿通用の複数の孔を設けた鋼板、材木等の板状
体を作成しておき、次いで、アンカーボルト下部を鉄筋
に直接、溶接等によって接続し、またはアンカーボルト
下部に鋼板を水平状態に取り付けて抜け止めとし、ある
いは、複数のアンカーボルトの下部同士を鋼材等で連結
し、アンカーボルトのネジ部を上方に向けて固定し、こ
の後、これら複数のアンカーボルトのネジ部を上記板状
体の複数のアンカーボルト挿通用の孔に挿通する。更
に、機器を据え付けた際の機器の下面と同じ位置に上記
板状体の下面があることを確認して、該板状体を固定す
る。この際、近くの鉄筋に適当な支持材を溶接し、この
支持材によって板状体を仮固定する。こうした処置を行
った後に、上記板状体の下面に達するまでコンクリート
を打設する。この時、板状体の下方に空気溜まりができ
ないように、十分に注意する必要がある。こうして、コ
ンクリートが硬化した後に該板状体を取り除く。
【0019】しかし、この場合も、硬化したコンクリー
トの上面にアンカーボルトのネジ部が突出した状態にな
り、該アンカーボルトのネジ部を、機器に一体的に設け
た支持脚の基礎ボルト孔に挿通させるためには、機器を
吊り上げて定位置上まで持ってきて、水平を保った状態
で降ろさなければならないので、機器の据え付け作業は
極めて困難であり、危険でもある。
【0020】また、実際の作業現場においては、予定し
た位置から多少ずらした所に機器を据え付けることがよ
く行われるが、コンクリート中にアンカーボルトが埋め
込まれている状態であれば、機器を動かすことが非常に
困難なことになり、隣接した機器や連結部材等の寸法誤
差等に対応できない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な欠点を解消しようとするものである。すなわち、この
発明は、 (1)グラウト注入作業を行うことが容易でない状況に
ある場合や、不慣れな作業者がグラウト注入を行った場
合、コンクリートの凹部内に空隙が出来易いが、たとえ
空隙が存在していても予定された強度を確保できるよう
にし、機器に作用する外力によってアンカーボルトがコ
ンクリートの凹部内から抜け出さないようにする。 (2)鉄筋を露出させるためのはつり作業をなくす。 (3)予めアンカーボルト下部を固定しておいて、その
後、コンクリート打設を行う手順であれば、コンクリー
ト中から上方に突出したアンカーボルトのネジ部が邪魔
になって、コンクリート上面を平滑に、且つ水平に仕上
げる作業が困難となるので、コンクリート打設時にアン
カーボルト下部を埋め込むという方法を避ける。 (4)アンカーボルトのネジ部をコンクリート上面から
高く突出させ、吊り上げた機器を定位置上まで持ってき
て、水平を保った状態で降ろすという作業は困難であ
り、危険でもあるから、機器をコンクリート上で引きず
って位置合わせできるようにし、機器の据え付け作業を
容易、且つ安全なものとする。 (5)機器を予定した位置から多少ずらした所に据え付
けることはよく行われることであり、こうした臨機応変
の対処ができるようにする。 (6)機器がアンカーボルトを介して、コンクリートに
直接、強固に係止されている構造とする。 ものであり、横風、地震等によってアンカーボルトに大
きな引き抜き力が働き、アンカーボルトがコンクリート
の凹部から引き抜かれて機器が転倒する、といった事故
を防止しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のアンカーボルト
取付用ケーシングは、タンク等の機器をコンクリート面
上にアンカーボルトによって固定する際に使用されるア
ンカーボルト取付用ケーシングであって、閉塞された底
面部に対向して開口部が設けられて、その開口部から内
部にグラウトが注入される中空体であって、コンクリー
ト内に埋め込まれた際に、コンクリートからの引き抜き
力に対する抵抗となる抵抗部を有するケース本体と、ケ
ース本体の内部に架設されて、アンカーボルトの一方の
端部に設けられたアンカー部が係止される連結体と、を
有することを特徴とするものであり、そのことにより上
記目的が達成される。
【0023】本発明のアンカーボルトの取付方法は、前
記アンカーボルト取付用ケーシングを型枠内の所定位置
に固定して、その型枠内にコンクリートを打設する工程
と、打設されたコンクリートが硬化した後に、アンカー
ボルトの一方の端部に設けられたアンカー部をアンカー
ボルト取付用ケーシング本体の内部に架設された連結体
に係止する工程と、ケース本体内にグラウトを注入し
て、アンカーボルトのネジ部がグラウトから延出した状
態にする工程と、を包含することを特徴とするものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0024】
【作用】アンカーボルト取付用ケーシングは、型枠内の
所定位置に固定されて、その型枠内にコンクリートが打
設される。打設されたコンクリートが硬化すると、ケー
ス本体の抵抗部がコンクリートからの引き抜き力に対す
る抵抗になって、ケース本体はコンクリートからは容易
には引き抜かれない。
【0025】その後、アンカーボルトの一方の端部に設
けられたアンカー部がアンカーボルト取付用ケーシング
における連結体に係止され、ケース本体内にグラウトが
注入されて、アンカーボルトはネジ部がグラウトから延
出した状態に埋め込まれる。アンカーボルトは、コンク
リート内に埋め込まれているケース本体の内部に架設さ
れた連結体に係止した状態になっているために、コンク
リート内から容易に引き抜かれない。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】図1は、本発明のアンカーボルトの取付方
法によって据え付けられたタンクの一例を示す断面図で
ある。このタンク10は、地表を掘削して形成された凹
部31内に設けられている基礎20上に据え付けられて
いる。基礎20は、凹部31の底面上に敷き詰められた
割栗石21と、この割栗石21上に打設された捨てコン
クリート22と、捨てコンクリート22上に設けられ内
部に鉄筋24が設けられたコンクリート23とを有して
いる。基礎20の周囲の凹部31内には、埋め戻し土3
2が充填されている。
【0028】コンクリート23は、例えば、直方体状に
形成されており、その上面は平坦になっている。そし
て、据え付けられるタンク10の各脚部11に対応した
コンクリート23の各隅部には、本発明のアンカーボル
ト取付用ケーシング40がそれぞれ埋め込まれている。
各アンカーボルト取付用ケーシング40内にはグラウト
25が充填されており、グラウト25内にアンカーボル
ト50がそれぞれ埋め込まれている。
【0029】各アンカーボルト50の下端部にはL型、
J型等のアンカー部51が設けられており、このアンカ
ー部の上端がアンカーボルト取付用ケーシング本体の内
部に架設された連結体42の下端に接している。各アン
カーボルト50の上端部のネジ部52は、コンクリート
23の上面から上方に突出しており、タンク10の各支
持脚11の下端部に設けられたボルト孔を挿通してお
り、ナット53がそのネジ部に螺合されて締めつけられ
ることによって各支持脚11がコンクリート面上に固定
されている。
【0030】アンカーボルト取付用ケーシング40は、
図2に示すように、鋼板によって直方体状に構成された
中空のケース本体41と、ケース本体41を水平状態で
貫通する4本の連結体42とを有している。ケース本体
41は、底面部41a、長手方向に沿って延びる相互に
対向した各側面部41b、および幅方向に沿って延びる
相互に対向した各端面部41cを有しており、底面部4
1aに対向した上面が開放されて開口部になっている。
【0031】4本の連結体42は、それぞれが例えば丸
棒によって構成されており、1本の連結体42がケース
本体41の各端面部41cにおけるほぼ中心部間に架け
渡されて、その連結体42の両端部が各端面部41cか
らケース本体41の側方に延出した状態になっている。
また、他の3本の連結体42は、ケース本体41におけ
る各側面部41b間に架け渡されて、それぞれの端部が
各側面部41bからケース本体41の側方に延出した状
態になっている。各端面部41cおよび各側面部41b
から延出した連結体42の各端部は、コンクリート23
からの引き抜き力に対する抵抗部となる。
【0032】ケース本体41の各側面部41b間に架け
渡された3本の連結体42は、図1に示すように、各側
面部41bから延出し、各端部が、コンクリート23内
に配置された鉄筋24に針金等によって締結されてい
る。また、ケース本体41の各端面部41c間に架け渡
された1本の連結体42のケース本体41内を挿通する
部分には、ケース本体41内に挿入されたアンカーボル
ト50の一方の端部においてL型あるいはJ型に屈曲さ
れたアンカー部51が係止されている。アンカーボルト
50は、他方の端部に設けられたネジ部52を除いて、
ケース本体41内に充填されたグラウト25内に埋め込
まれている。
【0033】このような構成の基礎20は、次のように
構築される。まず、地盤が掘削されて凹部31が形成さ
れ、形成された凹部31の底面に割栗石21が敷きつめ
られる。割栗石21上には捨てコンクリート22が打設
されて、捨てコンクリート22の上面が平坦に均され
る。
【0034】次に、捨てコンクリート22上に鉄筋24
が所定の形状に組み立てられ、その後に、図3および図
4に示すように、捨てコンクリート22上に型枠33が
組み立てられる。型枠33の内面には、コンクリートの
打設レベルを示す線が墨打ちされるとともに、据え付け
られるタンク10の各支持脚11に設けられたボルト孔
に対応した型枠33内の各隅部近傍に、アンカーボルト
取付用ケーシング40がそれぞれ配置される。各アンカ
ーボルト取付用ケーシング40は、ケース本体41の各
側面部41bから延出した連結体42の各端部を、鉄筋
24に針金等によって締結することにより固定される。
この場合、ケース本体41は、上端面がコンクリートの
打設レベルよりも上方に位置するように配置されてい
る。
【0035】このような状態になった後、型枠33内に
コンクリート23が、墨打ちされた所定のレベルにまで
打設される。このとき、アンカーボルト取付用ケーシン
グ40のケース本体41の上端面は、コンクリート23
の打設レベルよりも上方に位置しているために、ケース
本体41内にコンクリート23が入り込むおそれがな
い。コンクリート23が所定のレベルにまで打設される
と、コンクリート23の上面が水平状態になるように均
される。その後、打設されたコンクリート23が硬化す
ると、打設されたコンクリート23の上面から突出した
アンカーボルト取付用ケーシング40のケース本体41
上端部が、ガス切断、サンダー、グラインダー等で切断
されて取り除かれる。
【0036】このような状態になると、タンク10の各
支持脚11が、アンカーボルト取付用ケーシング40の
ケース本体41の開口部上方とコンクリート23の上面
との間にわたって据え付けられる。各支持脚11の下端
部に設けられたボルト孔は、ケース本体41の上端面の
開口部上方に位置される。このとき、アンカーボルト取
付用ケーシング40のケース本体41の開口部がコンク
リート23の上面のレベルに等しくなっているために、
タンク10は、各支持脚11下端面がコンクリート23
の上面に載置されるだけでよく、コンクリート23の上
面よりも高く引き上げられる必要性はない。
【0037】タンク10の各支持脚11がアンカーボル
ト取付用ケーシング40とコンクリート23との間にわ
たって据え付けられると、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内にアンカーボルト50がア
ンカー部51側から挿入されて、そのアンカー部51と
は反対側のネジ部52が、タンク10の各支持脚11に
設けられたボルト孔に挿入されるとともに、アンカー部
51がケース本体41の各端面部41c間に架設された
連結体42に係止される。このような状態になると、タ
ンク10の支持脚11から突出したアンカーボルト50
の先端部にナットがねじ込まれて、緩みがなくなるまで
締め付けられる。
【0038】その後、アンカーボルト取付用ケーシング
40のケース本体41内にグラウト25が注入されて充
填される。そして、グラウト25が硬化することによ
り、アンカーボルト50が水平方向に動かないようにグ
ラウト25内に固定され、こうしてこのアンカーボルト
50が上下方向にも水平方向にも動かないようにされ
て、タンク10の各脚部11は強固に固定される。ま
た、アンカーボルト50の引き抜き力によって上方に引
き上げられようとする時、アンカーボルト50がアンカ
ー部51によって係止された連結体42は「へ」の字状
に変形しようとするがケース本体41内に充填されたグ
ラウトによって、この変形が防止される。
【0039】タンク10の各支持脚11に取り付けられ
たアンカーボルト50は、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内を挿通する連結体42に係
止されており、また、ケース本体41の側方に延出した
各連結体42の各端部は、基礎20のコンクリート23
に埋め込まれて、ケース本体41に作用するコンクリー
ト23からの引き抜き力に対する抵抗部になっているた
めに、タンク10に吹き付けられる横風や地震によっ
て、タンク10を横転させようとする力Pが加わり、ア
ンカーボルト50に引き抜き力F1 が作用しても、アン
カーボルト50だけが、あるいはアンカーボルト50と
ともにグラウト25がコンクリート23から抜け出すお
それがない。たとえ、グラウト25が硬化する際に収縮
し、グラウトとケース本体41の内面との間に隙間が出
来たとしても、グラウト25内に埋め込まれたアンカー
ボルト50のアンカー部51が連結体42に強く係止さ
れた状態になって一体化しているので、横風や地震時の
外力Pによってタンク10が横転するのを防止できる。
また、水平方向の力F2 が加わってもアンカーボルト5
0がグラウト25内に固定されているので動かない。
【0040】図5(a)〜(f)および図6(a)〜
(h)は、アンカーボルト取付用ケーシング40の他の
実施例を示している。図5(a)は、直方体状のケース
本体41の側面部41b間および端面部41c間を水平
状態で貫通する、丸棒によって構成された複数の連結体
42を有している。各連結体42の各端部は、ケース本
体41の各端面から突出して、ケース本体41に作用す
るコンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗部に
なっている。
【0041】図5(b)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に一
対の鋼板製の連結体42が水平状態で架設されている。
ケース本体41における各側面部41bの上下方向のほ
ぼ中央部には、ケース本体41に作用するコンクリート
23からの引き抜き力に対する抵抗部として、一対の丸
棒43がケース本体41の側方に延出するようにそれぞ
れ設けられている。同様に、各端面部41cの外側面に
も外方へと水平状態で延出した1本の丸棒43が、それ
ぞれ設けられている。各丸棒43の先端部は円弧状に湾
曲している。
【0042】図5(c)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に山
形鋼により構成された一対の連結体42が、水平状態で
架設されている。ケース本体41の底面部41aは、各
側面部41bおよび各端面部41cよりも外方に張り出
した状態になっており、その張り出した部分は、コンク
リート23からの引き抜き力に対する抵抗部になってい
る。底面部41aの外方に張り出した部分には、複数の
透孔41dが設けられており、コンクリート23を打設
する際の空気抜き孔になっている。
【0043】図5(d)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に、
一対の丸棒製の連結体42が、直交状態で設けられてい
る。ケース本体41の各側面部41bには、上下各一対
の円筒体44が、それぞれ水平状態で外方に延出してい
る。また、各端面部41cのほぼ中央部にも、直径が大
きな1本の円筒体44がそれぞれ外方に延出するように
設けられている。これらの円筒体44は、コンクリート
23に対する引き抜き力に対する抵抗部になっている。
なお、各円筒体44に替えて角筒体、丸棒、角棒等を設
けるようにしてもよい。
【0044】図5(e)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41における各
側面部41bの内面に一対の取付台41eが溶接によっ
て取り付けられており、対向する取付台41e間に鋼板
製の連結体42がボルトおよびナットによって固定され
ている。ケース本体41の各側面部41bの外面には、
2本の丸棒43が、上下方向に沿うように、それぞれ取
り付けられており、各端部が外側にそれぞれ湾曲されて
いる。また、各端面部41cの外面にも1本の鉄筋が上
下方向に沿うように取り付けられており、各端部が外側
にそれぞれ屈曲されている。底面部41aには、幅方向
に沿って延びる3本の丸棒43が底面部41aよりも各
側方にそれぞれ延出した状態で取り付けられており、各
丸棒43の各端部がそれぞれ下方に湾曲されている。
【0045】図5(f)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、下側になるにつれて断面積が順次小さ
くなった直方体状のケース本体41と、このケース本体
41における各側面部41b間に垂直状態で配置された
一対の鋼板製の連結体42とを有している。各連結体4
2は、アンカーボルトのアンカー部が係止されるよう
に、中央部に透孔42aが設けられている。ケース本体
41の底面部41aには、幅方向に沿って延びる2本の
山形鋼45が底面部41aから側方に延出した状態で取
り付けられている。底面部41aから延出した山形鋼4
5の各端部は、コンクリート23からの引き抜き力に対
する抵抗部になっている。
【0046】図6(a)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、底面部が閉塞された円筒状のケース本
体41と、このケース本体41の周面部41fを直交状
態で貫通する一対の連結体42とを有している。
【0047】図6(b)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが周面部41fとは別体に構成されてビスにて取り付
けられている。ケース本体41の内面には鋼板製の一対
の連結体42が水平状態で架設されている。ケース本体
41の周面部41f外周面には、上下一対の係止リング
46が嵌合され固定されており、各係止リング46は、
コンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗部にな
っている。
【0048】図6(c)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の外側面部4
1hが内外方向に波うって上下方向に連続した形状にな
っており、この外側面部41hが、コンクリート23か
らの引き抜き力に対する抵抗部になっている。ケース本
体41の内部には、ボルトおよびナットによって構成さ
れた上下一対の連結体42が水平状態で架設されて、ナ
ットによって固定されている。
【0049】図6(d)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の外側面部4
1hに、外方に突出する突出部が螺旋状に設けられてい
る。この突出部が、コンクリート23からの引き抜き力
に対する抵抗部になっている。ケース本体41の内部に
は、ボルトによって構成された1本の連結体42が水平
状態で架設されており、ピンによって固定されている。
【0050】図6(e)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが中心側になるにつれて順次下側になるように傾斜し
た円錐形状になっている。従って、ケース本体41の外
側に投入されるコンクリートは底面部41aに沿って上
昇し、ケース本体41の底面部41a下方に空気溜まり
が形成されることを抑制できる。ケース本体41には上
下一対の連結体42が水平状態で架設されている。上側
の連結体42は、両端部にネジが設けられてケース本体
41の周面部41fを貫通する丸棒と、その丸棒の各端
部のネジ部に螺合する複数のナットとを有しており、ナ
ットによって周面部41fに固定されている。下側の連
結体42は、全体にネジが設けられてケース本体41の
周面部41fを貫通する丸棒と、その丸棒のネジ部に螺
合する複数のナットとを有しており、ナットによって周
面部41fに固定されている。
【0051】図6(f)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが半球状に下方へと突出しており、周面部41fの上
端部に、この周面部41fを外方に折り返して形成され
たフランジを有している。周面部41fには対向する一
対の貫通孔が上下2箇所に設けられており、対向する貫
通孔内に棒状の連結体42の各端部が挿入されて水平状
態で架設されている。底面部41aの外周面には、3本
の山形鋼45が周方向に等しい間隔をあけて水平状態に
外方に延出するように取り付けられている。各山形鋼4
5は、コンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗
部になっている。
【0052】図6(g)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、ケース本体41が、下側になるにつれ
て直径が順次大きくなった円錐台状の外側面部41hを
有している。この外側面部41hは、コンクリート23
からの引き抜き力に対する抵抗部になっている。ケース
本体41の内面における対向部分には、内方に突出した
上下方向に延びる一対の突条41gがそれぞれ設けられ
ており、各突条41g間に1本の鋼板製の連結体42が
水平状態で架設されている。
【0053】図6(h)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aに、下方に延出した丸棒43の基端部がボルト止めさ
れている。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲してお
り、コンクリート23内に配置された鉄筋24に係止さ
れるようになっている。ケース本体41の周面部41f
の内部における対向部間には、鋼板製の連結体42が水
平状態で架設されている。この連結体42は、各端部が
屈曲されて、周面部41fの内面にボルトナットによっ
て取り付けられている。
【0054】なお、上述の図1の実施例では、コンクリ
ート23を打設する際に、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内にコンクリートが入り込ま
ないように、ケース本体41の上端部をコンクリート2
3の打設レベルよりも上方に突出させる構成にしたが、
このような構成に限らず、例えば、図7(a)に示すよ
うに、ケース本体41の上端をコンクリート23の打設
レベルよりも下方に配置して、ケース本体41の上端部
に外筒72の下端部を嵌合させるようにしてもよい。外
筒72の上端部はコンクリート23の打設レベルよりも
上方に延出している。外筒72は、ケース本体41にテ
ープ73によって取り付けられている。コンクリート2
3が打設された後には、外筒72は取り除かれる。
【0055】また、図7(b)に示すように、ケース本
体41に、上端部がコンクリート23の打設レベルより
も上方に延出した内筒74を取り付けるようにしてもよ
い。この場合、内筒74がケース本体41内に配置され
た連結体42上に載置されている。内筒74もコンクリ
ート23打設後に取り除かれる。
【0056】図7(c)には、コンクリート23の打設
レベルよりも下方に配置されたケース本体41に、蓋体
71を嵌合させるようにした例が開示されている。蓋体
71の上端部は、コンクリート23の打設レベルよりも
上方に延出している。
【0057】蓋体71は、図7(d)に示すように、下
側になるにつれて順次直径が小さくなるように外周面を
テーパー状に構成して、タンクを固定するアンカーボル
ト50およびナット53によって固定して、ケース本体
41の開口部を覆うようにしてもよい。
【0058】図7の各実施例では、ケース本体41の上
端部を、切断する必要がなく、作業性が向上する。さら
に、グラウトがケース本体41の上端部を覆うので雨水
等が浸入して連結体42等が腐食するのを防止すること
ができる。
【0059】また、このような構成に限らず、例えば、
図8(a)に示すように、ケース本体41の上端レベル
をコンクリート23の打設レベルに等しくなるように配
置し、ケース本体41の開口部を蓋体71によって覆う
ようにしてもよい。蓋体71は、タンクを固定するアン
カーボルト50およびナット53によって固定される。
コンクリート23が打設された後には、ナット53を取
り外して蓋体71は取り除かれる。
【0060】さらに、図8(b)に示すように、コンク
リート23の打設レベルに上端が等しくなるように配置
されたケース本体41の上端部に、下側になるにつれて
直径が順次小さくなったテーパー状の外周面を有する蓋
体71を嵌合させて、その蓋体71上に重り75を乗せ
るようにしてもよい。
【0061】図9は、本発明のアンカーボルト取付方法
を使用して据え付けられた大型のタンク15を示してい
る。本実施例では、このタンク15は、側壁15a、底
面15b、隔壁15c等を、複数の単位板によって構成
して、各単位板同士を液密状態に連結したものである。
タンク15は、基礎20におけるコンクリート23の並
列に配置された支持部23a上に支持されている。
【0062】本実施例では、コンクリート23の支持部
23aの上部に埋設されたアンカーボルト取付用ケーシ
ング40の、円筒状のケース本体41の底面部41aか
ら下方に延出した一対の丸棒43の各基端部がボルト止
めされている。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲し
ており、コンクリート23の支持部23a内に配置され
た鉄筋24に係止されている。また、ケース本体41に
おける周面部41fの下部には、水平状態で外方に延出
する一対の丸棒43が取り付けられている。各丸棒43
の先端部は下方に屈曲されて、各先端部が、コンクリー
ト23の支持部23a内に配置された鉄筋24に係止さ
れている。
【0063】ケース本体41の内部には、丸棒によって
構成された連結体42が架設されており、この連結体4
2に、アンカーボルト50の下端部に設けられたアンカ
ー部51が係止されている。
【0064】ケース本体41内にはグラウト25が充填
されており、アンカーボルト50は、上端部のネジ部5
2を残して、グラウト25内に埋め込まれている。そし
て、このネジ部52が、タンク15の底面15bの下方
に連接された溝型鋼15dのボルト孔を挿通して、ナッ
ト53によって締めつけられている。タンク15の底面
15bの鍔部15fと溝型鋼15dとは、形鋼15gお
よびボルトナット15hを介して連接されている。
【0065】タンク15の隔壁部15cの下方を支持す
るアンカーボルト取付用ケーシング40は、図6(d)
に示すように、円筒状のケース本体41の外側面部41
hに、外方に突出する突出部が螺旋状に設けられてい
る。ケース本体41の内部には、ボルトおよびナットに
よって構成された1本の連結体42が水平状態で架設さ
れてナットによって固定されており、この連結体42
に、アンカーボルト50のアンカー部51が係止され
て、ケース本体41内にグラウト25が充填されてい
る。
【0066】図10は、地下に埋設されたタンク16
を、本発明方法を使用して基礎20上に据え付けた実施
例である。本実施例では、タンク16は軸心が水平状態
になった筒状になっており、上部に地表に達するマンホ
ール16aが設けられている。基礎20のコンクリート
23には、タンク16の各脚部に取り付けられたアンカ
ーボルト50を支持する複数のアンカーボルト取付用ケ
ーシング40が設けられている。
【0067】左方のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、筒状ケース本体41の底面部41aに、下方に延
出した一対の丸棒43の各基端部がボルト止めされてい
る。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲しており、コ
ンクリート23内に配置された鉄筋24に係止されてい
る。また、周面部41fの外周面には、水平状態で外方
に延出する一対の丸棒43が取り付けられている。各丸
棒43の先端部は上方に屈曲されて、各先端部が、コン
クリート23内に配置された鉄筋24に係止されてい
る。
【0068】他方のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、図6(c)に示す実施例とほぼ同様の構成になっ
ている。
【0069】本実施例では、タンク16内に貯蔵される
液体のレベルが低下して、タンク16に加わる地下水や
雨水等による浮力が増大しても、アンカーボルト取付用
ケーシング40が基礎20のコンクリート23に強固に
係止されており、また、アンカーボルト50も、ケース
本体41に強固に係止された連結体42に確実に係止さ
れているために、タンク16が基礎20から浮き上がる
おそれがない。
【0070】図11には、構造物の鉛直状態になった壁
面上に、本発明のアンカーボルト取付方法を使用して据
え付けられた機器17を示している。本実施例では、壁
面を構成するコンクリート23に、アンカーボルト取付
用ケーシング40が埋め込まれている。上側のアンカー
ボルト取付用ケーシング40は、箱状のケース本体41
の開口部が壁面から露出するように、底面が鉛直状態に
配置されている。
【0071】ケース本体41の上下にそれぞれ配置され
た各側面には、上方および下方に鉛直状態で延出する丸
棒43が設けられており、各丸棒43の先端部が円弧状
に湾曲されて、コンクリート23内の鉄筋24に係止さ
れている。ケース本体41の上側の側面は、ケース本体
41内へのグラウトの注入が容易になるように、開口部
が上方に広がるように傾斜している。また、ケース本体
41の開口部周辺部におけるコンクリート23には、ケ
ース本体41内へのグラウトの注入が容易になるよう
に、窪み部27が形成されている。
【0072】ケース本体41内には、丸棒を使用した連
結体42が水平状態で架設されており、この連結体42
にアンカーボルト50のアンカー部51が係止されてい
る。ケース本体41の開口部は、グラウト25の注入が
できるように上部を除いて、プレート61によって覆わ
れており、アンカーボルト50のネジ部52は、タンク
17の支持脚17aに設けられたプレート61のボルト
孔内に挿入されている。そして、ナット53が螺合さ
れ、締めつけられて、支持脚17aがアンカーボルト5
0に固定されている。
【0073】下側のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、底面部41aが半球状になった円筒状のケース本
体41が軸心を水平状態としてコンクリート23内に埋
め込まれている。ケース本体41の周面部41fには、
上方および下方に延出する鉛直状態になった山形鋼45
がそれぞれ設けられている。ケース本体41内には丸棒
が水平状態に架設されて構成された連結体42が配置さ
れており、この連結体42に、アンカーボルト50のア
ンカー部51が係止されている。アンカーボルト50
は、ネジ部52を残して、グラウト25内に埋め込まれ
ており、ネジ部52がタンク17の支持脚17aに設け
られたプレート61のボルト孔を挿通している。そし
て、ナット53が螺合され、締めつけられて、支持脚1
7aがアンカーボルト50に固定されている。
【0074】本実施例では、タンク17の自重によって
アンカーボルト50に引き抜き力が作用するが、アンカ
ーボルト50およびケース本体41が引き抜かれるおそ
れがない。この発明に係るアンカーボルト取付用ケーシ
ングは、図11に示すように付設されてもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明のアンカーボルト取付用ケーシン
グは、このように、コンクリート内に埋め込まれたケー
ス本体に、ケース本体がコンクリートからの引き抜き力
に対する抵抗となる抵抗部が設けられており、しかも、
アンカーボルトがケース本体内に架設された連結体に係
止されているために、アンカーボルトだけがグラウトか
ら引き抜かれるおそれがなく、しかも、アンカーボルト
とともにケース本体がコンクリートから引き抜かれるお
それがない。ケース本体内に注入されたグラウトは、ア
ンカーボルトが水平方向に移動しないように定位置に固
定するだけでなく、アンカーボルトのアンカー部に係止
された連結体が引き抜き力によって変形しようとするの
を防止する。
【0076】本発明のアンカーボルトの取付方法は、ア
ンカーボルト取付用ケーシングのケース本体内に配置さ
れた連結体にアンカーボルトのアンカー部が係止されれ
ばよいために、アンカーボルト取付用ケーシングをコン
クリート内に厳密に配置する必要がなく、また、グラウ
ト充填が不十分な場合もほぼ同等の大きな強度を有し、
また、鉄筋を露出させる為のはつり作業が不要であり、
また、機器の据え付け作業が容易であって、施工作業は
著しく容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカーボルトの取付方法を使用して
据え付けられたタンクの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のアンカーボルト取付用ケーシングの一
例を示す斜視図である。
【図3】本発明のアンカーボルト取付方法の一工程にお
ける一部破断斜視図である。
【図4】図3のA−A線における断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、それぞれ、アンカーボルト
取付用ケーシング40の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】(a)〜(h)は、それぞれ、アンカーボルト
取付用ケーシング40の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図7】(a)〜(d)は、それぞれ、本発明のアンカ
ーボルト取付方法の一実施工程における他の例を示す断
面図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ、本発明のア
ンカーボルト取付方法の一実施工程におけるさらに他の
例を示す断面図である。
【図9】本発明のアンカーボルトの取付方法を使用して
据え付けられたタンクの他の例を示す断面図である。
【図10】本発明のアンカーボルトの取付方法を使用し
て据え付けられたタンクのさらに他の例を示す断面図で
ある。
【図11】本発明のアンカーボルトの取付方法を使用し
て壁面上に据え付けられた機器の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 タンク 11 支持脚 20 基礎 21 割栗石 22 捨てコンクリート 23 コンクリート 24 鉄筋 25 グラウト 40 アンカーボルト取付用ケーシング 41 ケース本体 42 連結体 50 アンカーボルト 51 アンカー部 52 ネジ部 53 ナット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク等の機器をコンクリート面上にア
    ンカーボルトによって固定する際に使用されるアンカー
    ボルト取付用ケーシングであって、 閉塞された底面部に対向して開口部が設けられて、その
    開口部から内部にグラウトが注入される中空体であっ
    て、コンクリート内に埋め込まれた際に、コンクリート
    からの引き抜き力に対する抵抗となる抵抗部を有するケ
    ース本体と、 ケース本体の内部に架設されて、アンカーボルトの一方
    の端部に設けられたアンカー部が係止される連結体と、 を有することを特徴とするアンカーボルト取付用ケーシ
    ング。
  2. 【請求項2】 前記ケース本体の抵抗部が、ケース本体
    の上端部を除く外側面部からケース本体の側方に延びて
    いる請求項1に記載のアンカーボルト取付用ケーシン
    グ。
  3. 【請求項3】 前記ケース本体の抵抗部が、ケース本体
    の底面部からケース本体の下方を通って側方に延びてい
    る請求項1に記載のアンカーボルト取付用ケーシング。
  4. 【請求項4】 前記ケース本体の抵抗部が、ケース本体
    の外側面である請求項1に記載のアンカーボルト取付用
    ケーシング。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のアンカーボルト取付用
    ケーシングを型枠内の所定位置に固定して、その型枠内
    にコンクリートを打設する工程と、 打設されたコンクリートが硬化した後に、アンカーボル
    トの一方の端部に設けられたアンカー部をアンカーボル
    ト取付用ケーシング本体の内部に架設された連結体に係
    止する工程と、 ケース本体内にグラウトを注入して、アンカーボルトの
    ネジ部がグラウトから延出した状態にする工程と、 を包含することを特徴とするアンカーボルトの取付方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002004222A (ja) * 2000-06-23 2002-01-09 Hitachi Zosen Corp 合成床版
JP2014001550A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Okumura Corp 連結用スラブ及びその構築方法
JP2019039268A (ja) * 2017-08-29 2019-03-14 前田建設工業株式会社 壁材の支持構造及び支持方法

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