JPH07165568A - イデベノン粒剤およびその製造法 - Google Patents

イデベノン粒剤およびその製造法

Info

Publication number
JPH07165568A
JPH07165568A JP22666994A JP22666994A JPH07165568A JP H07165568 A JPH07165568 A JP H07165568A JP 22666994 A JP22666994 A JP 22666994A JP 22666994 A JP22666994 A JP 22666994A JP H07165568 A JPH07165568 A JP H07165568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
idebenone
granulation
granule
granules
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22666994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2842244B2 (ja
Inventor
Toshio Yoshioka
敏夫 吉岡
Naoki Hirashima
直樹 平嶋
Toshio Kashiwabara
俊夫 柏原
Shuji Morimoto
修司 盛本
Koji Fukada
公司 深田
Junichi Kikuta
潤一 菊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP6226669A priority Critical patent/JP2842244B2/ja
Publication of JPH07165568A publication Critical patent/JPH07165568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2842244B2 publication Critical patent/JP2842244B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】服用がしやすく、イデベノンの含量均一性の点
で非常に優れている粒剤、およびその製造法を提供す
る。 【構成】イデベノンを含有してなる粒剤、イデベノンが
溶融するように粉体を加熱しこれを造粒に付すことを特
徴とする粒剤の製造法、およびシリコーン油を0.1〜
10w/w%含有してなるイデベノン含有粉体を押し出し
造粒する粒剤の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主剤としてイデベノン
を含有する粒剤およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】イデベノン(化学名:6−(10−ヒド
ロキシデシル)−2,3−ジメトキシ−5−メチル−
1,4−ベンゾキノン)は、脳エネルギー代謝改善作用
を有する化合物であり、イデベノンを含有する製剤が脳
梗塞後遺症、脳出血後遺症、脳動脈硬化症にともなう諸
症状の改善薬として、アバン(商品名)の商品名で市販
されている。イデベノンはその疾患の性質上、服用のし
やすい顆粒剤あるいは細粒剤が好ましいが、従来、この
アバン(商品名)は糖衣錠としてのみ市販されているに
すぎず、イデベノンを含有する粒剤はこれまでは製造さ
れていない。一方、通常、粒剤、たとえば顆粒剤、細粒
剤は、転動造粒、流動造粒、転動流動造粒、押し出し造
粒などの方法によって製造される。転動造粒,流動造
粒,転動流動造粒は予熱,造粒,乾燥,整粒,篩過等の
工程からなり、押し出し造粒は練合、押し出し造粒、整
粒、乾燥、篩過等の工程からなり、特に造粒工程は粒剤
の製造性を大きく支配し、製品の品質にも大きな影響を
及ぼすことが知られている。そして押し出し造粒工程に
おいては、造粒をしやすくするために、処方内に潤滑剤
としてマクロゴールやプロピレングリコール、ポロクサ
マーなどを配合することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】イデベノンを含有する
粒剤を製造する場合、イデベノンを粒剤中に均一に配合
するためには、粉砕篩過によりできる限りイデベノンの
粒径を細かくする必要があるが、粉砕篩過工程時の条件
によっては発熱によってイデベノンが溶融しイデベノン
のスクリーンへの付着などにより収率低下、スクリーン
の閉塞現象が生じやすい。またイデベノンの再凝集が起
こることもあり、またこの場合得られる粒剤のイデベノ
ンの均一性も十分満足されるものではない。押し出し造
粒する場合は、従来使用されてきた潤滑剤を用いると、
わずかな練合液量、練合状態の違いでイデベノンの融点
以上に発熱するため、イデベノンがスクリーンに付着・
固着してスクリーンを閉塞し、造粒能力の低下を引き起
こす。そのため運転を停止して回復作業をしなければな
らず、また、この場合イデベノン粒剤の収率低下も避け
られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑み種々検討した結果、これらの問題点を解決するこ
とに成功し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)イデベノンを含有してなる粒剤および(2)イデ
ベノンを含有する粉体を造粒に付すことを特徴とする粒
剤の製造法に関する。本発明における「イデベノンを含
有する粉体」は、造粒の適用対象であってイデベノンを
含む粉体処方をいい、粉体状のイデベノンそのものであ
ってもよいが、一般には主剤と補助剤とからなるものを
いう。イデベノンを含有する粉体が、イデベノンと該補
助剤からなる場合は、イデベノンと該補助剤とを混合す
ることによって得られる。補助剤としては、希釈剤、溶
剤(練合液)、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、静電気防止剤
など、一般に造粒に際し主剤と共に用いられるものが挙
げられる。該希釈剤には、たとえば糖類(例、乳糖,グ
ラニュー糖,コーンスターチなど)、糖アルコール
(例、マンニトールなど)、セルロース(例、天然セル
ロース、結晶セルロースなど)およびその誘導体(例、
ヒドロキシセルロースなど)などが用いられる。本発明
において、希釈剤としては結晶セルロースが好ましく用
いられ、また押し出し造粒する場合はさらに潤滑剤とし
てシリコーン油を用いて結晶セルロースとシリコーン油
を併用するのがよい。結晶セルロースは、従来公知のも
の、すなわち、天然セルロースをたとえば酸処理するこ
とによって網状の分子構造をある程度細分化した白色粉
末状の水不溶性セルロースを用いることができる。ま
た、結晶セルロースにカルボキシメチルセルロースを混
合した結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナ
トリウム(アビセル(商品名)RCあるいはアビセル
(商品名)RC−591NF)を用いることもできる。
【0005】該溶剤としては、水または有機溶媒(例、
アセトン,エタノール,イソプロピルアルコールなど)
が用いられる。該結合剤には、ヒドロキシプロピルセル
ロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,メチル
セルロース,デキストリン,α化デンプンなどが用いら
れる。潤滑剤は押し出し造粒するときに好ましく用いら
れるが、その例としてはたとえばシリコーン油、マクロ
ゴールやプロピレングリコール、ポロクサマーなどが挙
げられる。なかでもシリコーン油が好ましい。シリコー
ン油は、常法によりジメチルジクロルシランとトリメチ
ルモノクロルシランの共加水分解、重縮合により得られ
る直鎖状ジメチルポリシロキサンをいい、その油状およ
び樹脂状、ならびにその加工品を含む。具体例として
は、食品衛生法において食品添加物として許可されてい
るシリコーン樹脂が挙げられる。樹脂状のものは、ポリ
シロキサンに微細な二酸化ケイ素(シリカ)を添加した
ものをいい、また加工品として、たとえば脂肪酸エステ
ルを該樹脂状のものに添加し、乳化したものが挙げられ
る。これら各種のシリコーン油は、押し出し造粒におい
て、練合時の練合液として有機溶媒を用いる場合は油状
または樹脂状のものを、練合液として水を用いる場合は
シリコーン樹脂・乳化型を用いるのが望ましい。該崩壊
剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム,
カルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロ
ースナトリウムのクロスリンク品(アクジゾル),ポリ
ビニルピロリドンのクロスリンク品(プラスドン),コ
ーンスターチなどが用いられる。該静電気防止剤として
は、たとえばサイロイド,タルク,エアロジルなどが用
いられる。イデベノン含有粉体中のイデベノン含量は、
通常1〜30w/w%、好ましくは3〜10w/w%であ
る。イデベノン含有粉体中の補助剤含量は通常の粒剤と
同ようである。結晶セルロースを用いる場合、その使用
量は出来上り粒剤(乾燥中)における比率が5〜80w
/w%程度、好ましくは10〜40w/w%である。ま
た、シリコーン油を用いる場合、その使用量は出来上り
粒剤(乾燥中)イデベノンを含有する粉体の0.1〜1
0w/w%が好ましく、0.2〜2.0w/w%が好ましい。
本発明でいう粒剤は、顆粒剤、散剤および細粒剤を含
む。
【0006】本発明に係るイデベノンを含有してなる粒
剤はイデベノンを含有する粉体を造粒に付すことによっ
て製造することができ、目的に応じて自体公知の操作法
を選択することにより製造することができる。造粒法と
してはたとえば転動造粒,流動造粒,転動流動造粒,押
し出し造粒などが挙げられる。これらの中で、イデベノ
ンを含有する粉体を転動造粒,流動造粒,転動流動造粒
するに際しては、造粒と同時あるいは造粒に先立ってイ
デベノンが溶融するように粉体を加熱する。イデベノン
の融点は54℃付近であるので、実際にはこのような温
度付近より高い温度に加熱される。このような温度に加
熱するとともに適度な混合処理、たとえば熱風流動化あ
るいは撹拌混合等を行うことにより、イデベノンの粒子
が溶融し、粉体中に均一に分散する。造粒に先立って加
熱された粉体は、そのままの温度でまたは一旦常温に戻
してつぎの造粒工程に付すことができる。転動造粒は、
転動造粒機を用いて行われる。転動造粒機としては、た
とえばCF装置(フロイント社製)などが挙げられる
が、従来、転動造粒に用いられてきた装置であればいず
れも使用可能である。加熱均一化混合処理済みの粉体を
用いる場合は従来法と同様に造粒することができる。粉
体が加熱均一化処理されていないものであるときは、こ
の転動造粒の造粒工程において加熱することができる。
加熱はイデベノンが溶融するように装置内の雰囲気をイ
デベノンが溶融する温度に加熱すればよく、たとえば装
置内に加熱空気を送ればよい。流動造粒は、流動造粒機
を用いて行われる。流動造粒機としては、たとえばフロ
ーコーター(フロイント産業製)などが挙げられるが、
分散及び加熱できる装置であればいずれでもよく、従
来、湿式造粒に用いられてきた装置の殆どは使用可能で
ある。加熱均一化混合処理済みの粉体を用いる場合は従
来法と同様に造粒することができる。粉体が加熱均一化
処理されていないものであるときは、この流動造粒の造
粒工程において加熱することができる。加熱はイデベノ
ンが溶融するように流動化加熱供給空気の温度を適度に
設定すればよい。転動流動造粒は、転動流動造粒機を用
いて行われる。転動流動造粒機としては、たとえばパウ
レックス社製MP−01などが挙げられるが、従来、転
動流動造粒に用いられてきた装置であればいずれも使用
可能である。加熱均一化混合処理済みの粉体を用いる場
合は従来法と同様に造粒することができる。粉体が加熱
均一化処理されていないものであるときは、この流動造
粒の造粒工程において加熱することができる。加熱はイ
デベノンが溶融するように流動化加熱供給空気の温度を
適度に設定すればよい。
【0007】該供給空気の温度については結合液を噴霧
することにより温度が低下するので、この温度低下を見
込んでイデベノンが溶融するように加熱空気の温度を適
度に高くするのがよい。押し出し造粒は押し出し造粒機
を用いて行われる。押し出し造粒機やその運転操作など
は自体公知の技術を適用すればよい。押し出し造粒にお
いては潤滑剤としてシリコーン油および結晶セルロース
を併せて用いるのがよく、これにより製造工程中、押し
出し造粒性(排出性)に優れ、スクリーン付着・能力低
下が少なく、また粒同士の付着性も少ないという効果が
奏せられる。押し出し造粒によって得られる粒剤はたと
えばマルメライザー(不二パウダル社製)などの整球機
により整球するのがよい。このようにして得られる粒剤
は粒度分布が小さく、目的とする粒径範囲の粒剤が効率
よく得られるという点でも有利である。本発明で得られ
る粒剤は必要により、篩過して特定の粒度のものを選択
することができる。また本発明の粒剤は、ついで必要に
より適当なコーティング基剤を用いて持効性あるいは腸
溶性の機能を付与することもできる。コーティング基剤
としては持効性のエチルセルロース,アクアコート(商
品名),オイドラギット(商品名)E30D,オイドラ
ギット(商品名)RL,オイドラギット(商品名)RS
などが、また腸溶性のオイドラギット(商品名)L30
D,オイドラギット(商品名)L,オイドラギット(商
品名)S,HPMCP,HPMC−AS,CAP,PV
AP,シェラックなどが用いられる。可塑剤としてはマ
クロゴール6000,ツイーン(Tween)80,マイバ
ーセット(Myvacet)(商品名),トリアセチン,クエ
ン酸トリエチル等が用いられる。本発明のイデベノン粒
剤は、イデベノン含量を考慮して経口的に投与される。
イデベノンの投与量は、症状などにより異なるが、一般
的成人においては一日30mg以上、好ましくは70mg〜
300mgである。これを複数回たとえば2または3回に
分けて投与することもできる。
【0008】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。 実施例1 イデベノン,乳糖,結晶セルロース,結晶セルロース・
カルボキシメチルセルロースナトリウム,コーンスター
チ,カルボキシメチルセルロースカルシウムを練合機
(回分式ニーダー:KDH−20)に仕込み、シリコー
ン樹脂・乳化型(信越化学工業(株)、KM72A,シリ
コーン樹脂30%),マクロゴール6000あるいはポ
ロクサマー188のいずれかを含有する水溶液を〔表
1〕に示すように配合して5分間練合し、0.4mmφの
スクリーンを有する押し出し造粒機(ツインドームグラ
ン:TDG−110、不二パウダル)で造粒(60rp
m)した。この方法により得られた造粒物の重量を測定
し1時間当りの排出量を算出した。発熱性の評価は、造
粒時の定常状態におけるスクリーンの温度を測定した。
押し出された造粒物同士の付着性は目視により観察を行
なった。得られた造粒物についてマルメライザー(QJ
−230、不二パウダル)で整球(100rpm)後、流
動層乾燥機(回分式流動層乾燥機:1F、不二パウダ
ル)を用いて乾燥(給気温度 60℃)し、得られた粒
を、30メッシュ及び60メッシュの篩を用いて篩過
し、粒度分布を測定した。結果を〔表1〕に示す。
【表1】 上記結果から明らかなように、シリコーン樹脂・乳化型
を用いて造粒した場合、マクロゴール6000またはポ
ロクサマーを使用したときに比較して早い排出性を示し
た。また、粒同士の付着も比較例BおよびCと比べて少
なかった。造粒中の発熱も少なく、細粒(30メッシュ
〜60メッシュ)の収率も著しく高くなった。
【0009】実施例2 イデベノン,乳糖,結晶セルロースを練合機に仕込み、
シリコーン油、シリコーン樹脂、マクロゴール6000
あるいはポロクサマー188のいずれかを含有するエタ
ノール溶液を〔表2〕に示すように配合して5分間練合
し、0.4mmφのスクリーンを有する押し出し造粒機
(ツインドームグラン:TDG−110、不二パウダル
K.K.)で造粒(60rpm)した。この方法により得られ
た造粒物の重量を測定し1時間当りの排出量を算出し
た。発熱性の評価は、造粒時の定常状態におけるスクリ
ーンの温度を測定した。押し出された造粒物同士の付着
性は目視により観察を行なった。得られた造粒物につい
てマルメライザー(QJ−230、不二パウダル)で整
球(100rpm)後、流動層乾燥機(回分式流動層乾燥
機:1F、不二パウダル)を用いて乾燥(給気温度 6
0℃)し、得られた粒を、30メッシュ及び60メッシ
ュの篩を用いて篩過し、粒度分布を測定した。結果を
〔表2〕に示す。
【表2】 上記結果から明らかなように、シリコーン油、シリコー
ン樹脂を用いて造粒した場合、マクロゴール6000ま
たはポロクサマーを使用したときに比較して早い排出性
を示した。また、粒同士の付着も比較例CおよびDと比
べて少なかった。造粒中の発熱も少なく、細粒(30メ
ッシュ〜60メッシュ)の収率も著しく高くなった。
【0010】実施例3 イデベノン,乳糖,結晶セルロース,結晶セルロース・
カルボキシメチルセルロースナトリウム,コーンスター
チ,カルボキシメチルセルロースカルシウムを練合機
(バーチカルグラニュレーター:FM−VG−10、パ
ウレック)に仕込み、シリコーン樹脂・乳化型(信越化
学工業(株)、KM72A,シリコーン樹脂30%),マ
クロゴール6000あるいはポロクサマー188のいず
れかを含有する水溶液を〔表3〕に示すように配合して
5分間練合し、0.35mmφのスクリーンを有する押し
出し造粒機(ディスクペレッター:PV−5、不二パウ
ダル)で造粒(40rpm)した。この方法により得られ
た造粒物の重量を測定し1時間当りの排出量を算出し
た。発熱性の評価は、造粒時の定常状態におけるスクリ
ーンの温度を測定した。押し出された造粒物同士の付着
性は目視により観察を行なった。得られた造粒物につい
てマルメライザー(QJ−230、不二パウダル)で整
球(100rpm)後、流動層乾燥機(FD−3SN、冨
士産業)を用いて乾燥(給気温度 60℃)し、得られ
た粒を、30メッシュ及び60メッシュの篩を用いて篩
過し、粒度分布を測定した。結果を〔表3〕に示す。
【表3】 上記結果から明らかなように、シリコーン樹脂・乳化型
を用いて造粒した場合、マクロゴール6000またはポ
ロクサマーを使用したときに比較して早い排出性を示し
た。また、粒同士の付着も比較例BおよびCと比べて少
なかった。造粒中の発熱も少なく、細粒(30メッシュ
〜60メッシュ)の収率も著しく高くなった。
【0011】実施例4 イデベノン、乳糖、コーンスターチ、アビセルPH−1
01(旭化成製)、アビセルRC−591−NF、カルボ
キシメチルセルロースカルシウムECG−505(五徳
薬品製)を転動流動造粒機(パウレックス社製MP−0
1)に仕込み、ローターの回転を250rpmとし、6
0℃の加熱空気を約0.7m3/min.で送風して流
動化加熱混合を行った。その際、外観上黄橙色〜赤色状
のイデベノンが、他の原料とまざりあい斑状態になって
いるのが確認された。イデベノンの融点は54.2℃で
あるが、供給空気はそれより少し高めの60℃で行っ
た。原料の温度は次第に上昇していき、それにともなっ
て、イデベノンが溶融し、全体に淡橙色を呈し、イデベ
ノンが賦形剤とまざりあいほぼ均一状態になっているこ
とが確認された。その後、通常の方法で結合液をスプレ
ーし、造粒、乾燥した。造粒機から取り出し、30メッ
シュ通過150メッシュ篩上の粒を得た。得られた粒剤
について、10カ所のランダムサンプリングを行い、外
観観察とイデベノン定量により含量均一性を評価した。 仕込み処方 イデベノン 72g 乳糖 580g コーンスターチ 240g アビセルPH−101 120g アビセルRC−591−NF 120g カルボキシメチルセルロースカルシウム 60g 評価結果 含量の均一性1):<1% 外観 :均一 注) 1):CV値:標準偏差/平均値×100
【0012】実施例5 蒸留水にコーンスターチを溶解し、コーンスターチ溶解
液を作り、撹拌しながら糊化温度まで加熱し、適度に糊
化を行った。つぎに、イデベノンの溶融(溶解)温度付
近まで冷却しイデベノンを仕込み、撹拌溶解させてイデ
ベノン含有結合液を製造した。その後、本結合液は、イ
デベノンが固化しない程度に保温しておいた。一方、乳
糖、コーンスターチ、アビセルPH−101、アビセル
RC−591−NF、カルボキシメチルセルロースカル
シウムECG−505を転動流動造粒機(パウレック社
製MP−01)に仕込んだ。該イデベノン含有結合液を
イデベノンが固化しないように、通常の方法でスプレー
し、造粒を行った。ついで乾燥し、これを取り出し、3
0メッシュ通過150メッシュ篩上の粒を得た。得られ
た粒剤について、10カ所のランダムサンプリングを行
い、外観観察とイデベノン定量により含量均一性を評価
した。 仕込処方 乳糖 580g コーンスターチ 220g アビセルPH−101 120g アビセルRC−591−NF 120g カルボキシメチルセルロースカルシウム 60g 結合液の処方 イデベノン 72g コーンスターチ 20g 評価結果 含量の均一性1):<1% 外観 :均一 注) 1):CV値:標準偏差/平均値×100
【0013】比較例1 実施例4と同じ処方でイデベノン、乳糖、コーンスター
チ、アビセルPH−101、アビセルRC−591−N
F、カルボキシメチルセルロースカルシウムECG−5
05を転動流動造粒機(パウレックス社製MP−01)
に仕込み、ローターの回転を250rpmとし、40℃
の加熱空気を約0.7m3/min.で送風し、流動化
加熱混合を行った。その後、通常の方法で結合液をスプ
レーし、造粒、乾燥した。造粒機から取り出し、30メ
ッシュ通過150メッシュ篩上の粒を得た。得られた粒
剤について、10カ所のランダムサンプリングを行い、
外観観察とイデベノン定量により含量均一性を評価し
た。 評価結果 含量の均一性1) 2−5% 外観 斑点,塊残る 注) 1):CV値:標準偏差/平均値×100
【0014】
【発明の効果】本発明のイデベノン粒剤は、服用がしや
すく、粒剤の押し出し造粒法においては潤滑油としてシ
リコーン油を用いることにより、製造工程中、押し出し
造粒性(排出性)に優れており、また粒同士の付着性も
少ないという効果が奏せられる。さらに、得られた粒剤
は粒度分布が小さく、目的とする粒径範囲の粒剤が効率
よく得られるという点でも有利である。さらに本法によ
る転動造粒,転動流動造粒,流動造粒によって得られる
粒剤は、イデベノンが粒剤中に均一に分散しているた
め、含量均一性の点で非常に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盛本 修司 大阪府吹田市千里山松が丘1番25号 (72)発明者 深田 公司 大阪府大阪市淀川区三国本町1丁目15番4 −711号 (72)発明者 菊田 潤一 大阪府吹田市山田西1丁目23番A11−202 号

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イデベノンを含有してなる粒剤。
  2. 【請求項2】結晶セルロースを含有してなる請求項1記
    載の粒剤。
  3. 【請求項3】シリコーン油を0.1w/w%〜10w/
    w%含有してなる請求項1記載の粒剤。
  4. 【請求項4】イデベノンを含有する粉体を造粒に付すこ
    とを特徴とする粒剤の製造法。
  5. 【請求項5】粉体がシリコーン油を混和したものである
    請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】粉体が結晶セルロースを含有するものであ
    る請求項4または5記載の製造法。
  7. 【請求項7】イデベノンが溶融するように粉体を加熱す
    る請求項4,5または6記載の製造法。
  8. 【請求項8】押し出し造粒する請求項4,5または6記
    載の製造法。
  9. 【請求項9】押し出し造粒後、整球に付す請求項8記載
    の製造法。
  10. 【請求項10】流動造粒する請求項4,5,6または7
    記載の製造法。
  11. 【請求項11】転動造粒する請求項4,5,6,7また
    は10記載の製造法。
JP6226669A 1993-09-21 1994-09-21 イデベノン粒剤およびその製造法 Expired - Lifetime JP2842244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6226669A JP2842244B2 (ja) 1993-09-21 1994-09-21 イデベノン粒剤およびその製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-235090 1993-09-21
JP23509093 1993-09-21
JP6226669A JP2842244B2 (ja) 1993-09-21 1994-09-21 イデベノン粒剤およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07165568A true JPH07165568A (ja) 1995-06-27
JP2842244B2 JP2842244B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=26527295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6226669A Expired - Lifetime JP2842244B2 (ja) 1993-09-21 1994-09-21 イデベノン粒剤およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2842244B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10218761A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Taisho Pharmaceut Co Ltd マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤
JPH11130673A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Eisai Co Ltd 押し出し造粒組成物
WO2006132440A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Takeda Pharmaceutical Company Limited 固形製剤
WO2010001574A1 (ja) 2008-07-01 2010-01-07 沢井製薬株式会社 タムスロシン塩酸塩を含有する球形微粒子の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221316A (ja) * 1988-02-26 1989-09-04 Takeda Chem Ind Ltd 脳循環代謝改善剤
JPH01279818A (ja) * 1988-04-29 1989-11-10 Takeda Chem Ind Ltd 白髪黒化剤
JPH059113A (ja) * 1990-08-24 1993-01-19 Takeda Chem Ind Ltd 粒剤の製造法および粒剤

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221316A (ja) * 1988-02-26 1989-09-04 Takeda Chem Ind Ltd 脳循環代謝改善剤
JPH01279818A (ja) * 1988-04-29 1989-11-10 Takeda Chem Ind Ltd 白髪黒化剤
JPH059113A (ja) * 1990-08-24 1993-01-19 Takeda Chem Ind Ltd 粒剤の製造法および粒剤

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10218761A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Taisho Pharmaceut Co Ltd マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤
JPH11130673A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Eisai Co Ltd 押し出し造粒組成物
WO2006132440A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Takeda Pharmaceutical Company Limited 固形製剤
WO2010001574A1 (ja) 2008-07-01 2010-01-07 沢井製薬株式会社 タムスロシン塩酸塩を含有する球形微粒子の製造方法
US8529953B2 (en) 2008-07-01 2013-09-10 Sawai Pharmaceutical Co., Ltd. Process for production of spherical microparticles comprising tamsulosin hydrochloride

Also Published As

Publication number Publication date
JP2842244B2 (ja) 1998-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6953593B2 (en) Sustained-release microencapsulated delivery system
US5104648A (en) High ibuprofen content granulations
JP3778948B2 (ja) 水溶性薬物を含有する制御的放出錠剤
US6264989B1 (en) Spherical single-substance particles, medicines and foodstuffs containing the particles, and method of production thereof
CA1338596C (en) Granules having core and their production
KR0168849B1 (ko) 피목 조성물 및 그의 제조방법
US5543099A (en) Process to manufacture micronized nifedipine granules for sustained release medicaments
JP2008534522A (ja) 医薬組成物のための複合ステップ製造方法
JP2556623B2 (ja) 高いイブプロフェン含有量を示す顆粒状物
JPWO2017170858A1 (ja) 溶出性に優れた経口製剤
JPS6191118A (ja) チアミン塩の顆粒,その製造法および錠剤
JPH09194347A (ja) フィルムコーティング粒剤の製造方法
JP3130058B2 (ja) マスクされた粒状物
JP2842244B2 (ja) イデベノン粒剤およびその製造法
JP3910939B2 (ja) 単一物質球形粒、それらを用いた食品、医薬及びそれらの製法
JP2007008872A (ja) 造粒粒子の製造方法およびその造粒粒子、並びに固形製剤
JP2001172430A (ja) 球形顆粒
JPH10218761A (ja) マルチプルユニットタイプ徐放性錠剤
JPH0558880A (ja) マスクされた粒状物
JP2915653B2 (ja) マスクされた粒状物
JP3263732B2 (ja) 粒剤の製造法および粒剤
JPH0153249B2 (ja)
JPH02282323A (ja) 徐放性錠剤の製造方法
JPH02300117A (ja) 固形医薬製剤の製造方法
PRAJAPATI et al. Formulation Development and Optimization of Extended Release Pellets of Dexketoprofen Trometamol.

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19970422

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980922