JPH071649A - 美観と耐食性に優れたニッケルクラッド板とその製法 - Google Patents
美観と耐食性に優れたニッケルクラッド板とその製法Info
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- JPH071649A JPH071649A JP15262493A JP15262493A JPH071649A JP H071649 A JPH071649 A JP H071649A JP 15262493 A JP15262493 A JP 15262493A JP 15262493 A JP15262493 A JP 15262493A JP H071649 A JPH071649 A JP H071649A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 美観と耐食性に優れたニッケルクラッド板を
製造すること。 【構成】 普通鋼、ステンレス鋼、その他の金属等から
なる母材板の片面または両面にニッケルをクラッドした
ニッケルクラッド板を、６００〜１２００℃に高温加熱
して、ニッケル表面にＮｉＯ皮膜を形成させる。
製造すること。 【構成】 普通鋼、ステンレス鋼、その他の金属等から
なる母材板の片面または両面にニッケルをクラッドした
ニッケルクラッド板を、６００〜１２００℃に高温加熱
して、ニッケル表面にＮｉＯ皮膜を形成させる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、好ましい色調をもちし
かも耐食性または耐候性にも優れ、屋根材、建材等の広
い用途に好適な、ニッケルと普通鋼、ステンレス鋼等の
母材板とからなるニッケルクラッド板とその製造方法に
関する。
かも耐食性または耐候性にも優れ、屋根材、建材等の広
い用途に好適な、ニッケルと普通鋼、ステンレス鋼等の
母材板とからなるニッケルクラッド板とその製造方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】金属板は強度、耐火性、加工性等に優れ
るため、多くの建造物に使用されている。その際耐食
性、美観上などの点から、表面処理を施すことが多い。
しかし、屋外の厳しい環境に対して恒久的な表面処理法
は少ない。ところで、ニッケルは単体で耐食性が高い
が、高価である。しかし、クラッド化により低価格化を
図ることにより用途を拡大することができる。また、ニ
ッケルの強度はステンレス鋼板あるいは普通鋼板などに
比べ低いので、強度が要求される用途に適さないという
欠点があるが、この欠点も鋼板とのクラッド化により解
決できる。このようなニッケルクラッド鋼板はニッケル
の特徴を生かした用途に種々用いられているが、大気中
に晒した場合、汚れやすく、ターニッシュと言われる変
色を起こし見栄えが悪くなるという欠点がある。
るため、多くの建造物に使用されている。その際耐食
性、美観上などの点から、表面処理を施すことが多い。
しかし、屋外の厳しい環境に対して恒久的な表面処理法
は少ない。ところで、ニッケルは単体で耐食性が高い
が、高価である。しかし、クラッド化により低価格化を
図ることにより用途を拡大することができる。また、ニ
ッケルの強度はステンレス鋼板あるいは普通鋼板などに
比べ低いので、強度が要求される用途に適さないという
欠点があるが、この欠点も鋼板とのクラッド化により解
決できる。このようなニッケルクラッド鋼板はニッケル
の特徴を生かした用途に種々用いられているが、大気中
に晒した場合、汚れやすく、ターニッシュと言われる変
色を起こし見栄えが悪くなるという欠点がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記欠点の改善方法を
検討した結果、発明者等はニッケルクラッド板を高温加
熱することによりニッケル表面に酸化皮膜を形成させる
と、この酸化皮膜がニッケルの耐食性を更に高め、ま
た、表面の色が、酸化ニッケル特有の暗緑色の重厚な感
じになり、時間経過による表面汚れも少なく、目立たな
くなることを見出した。即ち、本発明は美観と耐食性に
優れたニッケルクラッド板を提供することを目的とす
る。
検討した結果、発明者等はニッケルクラッド板を高温加
熱することによりニッケル表面に酸化皮膜を形成させる
と、この酸化皮膜がニッケルの耐食性を更に高め、ま
た、表面の色が、酸化ニッケル特有の暗緑色の重厚な感
じになり、時間経過による表面汚れも少なく、目立たな
くなることを見出した。即ち、本発明は美観と耐食性に
優れたニッケルクラッド板を提供することを目的とす
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、普通鋼、ステ
ンレス鋼、その他の金属等からなる母材板の片面または
両面にニッケルをクラッドしたニッケルクラッド板を、
６００〜１２００℃の高温加熱してニッケル表面にＮｉ
Ｏ皮膜を形成させることによって、上記課題を解決した
ものである。
ンレス鋼、その他の金属等からなる母材板の片面または
両面にニッケルをクラッドしたニッケルクラッド板を、
６００〜１２００℃の高温加熱してニッケル表面にＮｉ
Ｏ皮膜を形成させることによって、上記課題を解決した
ものである。
【０００５】本発明の要旨は、下記の通りのものであ
る。 １．母材板（普通鋼、ステンレス鋼、その他の金属）の
片面または両面にニッケルをクラッドしたニッケルクラ
ッド板であって、上記ニッケル表面には、６００〜１２
００℃の高温加熱により形成されたニッケル酸化物（Ｎ
ｉＯ）皮膜を有することを特徴とする美観と耐食性に優
れたニッケルクラッド板。
る。 １．母材板（普通鋼、ステンレス鋼、その他の金属）の
片面または両面にニッケルをクラッドしたニッケルクラ
ッド板であって、上記ニッケル表面には、６００〜１２
００℃の高温加熱により形成されたニッケル酸化物（Ｎ
ｉＯ）皮膜を有することを特徴とする美観と耐食性に優
れたニッケルクラッド板。
【０００６】２．母材板（普通鋼、ステンレス鋼、その
他の金属）の片面または両面にニッケルをクラッドする
第１工程と、第１工程で得られたニッケルクラッド板を
６００〜１２００℃の高温で加熱し、上記ニッケル表面
にニッケル酸化物（ＮｉＯ）皮膜を形成させる第２工程
からなることを特徴とする美観と耐食性に優れたニッケ
ルクラッド板の製法。
他の金属）の片面または両面にニッケルをクラッドする
第１工程と、第１工程で得られたニッケルクラッド板を
６００〜１２００℃の高温で加熱し、上記ニッケル表面
にニッケル酸化物（ＮｉＯ）皮膜を形成させる第２工程
からなることを特徴とする美観と耐食性に優れたニッケ
ルクラッド板の製法。
【０００７】金属板を高温加熱すると、ステンレス鋼等
の合金の場合は形成された酸化皮膜に種々の元素が混じ
るため、皮膜厚さにより、成分が変化することは避けら
れない。このため、色の再現が難しく、またＣｒ等の耐
食性に有効な元素が優先的に酸化して、酸化皮膜下にＣ
ｒ欠乏層を形成して耐食性が劣化する等のトラブルを起
こしやすい。これに対し、ニッケルまたはニッケルクラ
ッド板では酸化皮膜組成が皮膜厚さにかかわらずほぼＮ
ｉＯ単体組成で成分的な変化がないため、色の再現性が
良い。また、酸化皮膜下の組成も変化しないので、酸化
による耐食性劣化を起こさず、酸化皮膜が極めて緻密な
ため、逆に耐食性が大幅に向上する。
の合金の場合は形成された酸化皮膜に種々の元素が混じ
るため、皮膜厚さにより、成分が変化することは避けら
れない。このため、色の再現が難しく、またＣｒ等の耐
食性に有効な元素が優先的に酸化して、酸化皮膜下にＣ
ｒ欠乏層を形成して耐食性が劣化する等のトラブルを起
こしやすい。これに対し、ニッケルまたはニッケルクラ
ッド板では酸化皮膜組成が皮膜厚さにかかわらずほぼＮ
ｉＯ単体組成で成分的な変化がないため、色の再現性が
良い。また、酸化皮膜下の組成も変化しないので、酸化
による耐食性劣化を起こさず、酸化皮膜が極めて緻密な
ため、逆に耐食性が大幅に向上する。
【０００８】酸化皮膜の厚さは加熱温度と時間により異
なる。８００℃程度以下の場合は通常テンパーカラーと
言われる干渉色による色が着く。時間にもよるがそれ以
上の温度では酸化物の厚みが増えるため、光の干渉が起
りにくくなり、ニッケル酸化物固有の暗緑色に変化す
る。ニッケル酸化物が厚くなるほど耐食性は高くなる
が、干渉色程度の薄い酸化皮膜でもかなりの耐食性の向
上が見られる。
なる。８００℃程度以下の場合は通常テンパーカラーと
言われる干渉色による色が着く。時間にもよるがそれ以
上の温度では酸化物の厚みが増えるため、光の干渉が起
りにくくなり、ニッケル酸化物固有の暗緑色に変化す
る。ニッケル酸化物が厚くなるほど耐食性は高くなる
が、干渉色程度の薄い酸化皮膜でもかなりの耐食性の向
上が見られる。
【０００９】Ｎｉ層の厚さを３μｍ以上でかつ全板厚の
２０％と限定した理由を以下に記す。Ｎｉクラッド板は
圧延後の熱処理により、母材成分のＦｅ，Ｃｒ等がＮｉ
中に拡散し、クラッド界面に近い部分のＮｉ層の組成が
変化し、耐食性も変化する。Ｎｉ層が薄いと表面まで母
材成分が拡散し、純粋なＮｉ層がなくなってしまう。Ｎ
ｉ中の拡散はＦｅがＣｒに比べ速いため、表面にはま
ず、Ｆｅが拡散している。このようにＮｉの純度が悪く
なると耐食性が劣化するため、引っ掻き傷などにより酸
化被膜が破れた時に腐食しやすくなる上、腐食生成物中
にＦｅが含まれるため、茶色のきたならしい外観となっ
てしまう。また、酸化被膜中にもＮｉＯの他にＦｅＯ等
が含まれるようになり、被膜の保護性が劣化するように
なる。この様な耐食性の劣化を起こさない限界のＮｉ厚
さは熱処理時間と温度により変わるわけであるが、工業
的な板コイルの熱処理はライン焼鈍炉で数分間だけ加熱
されることが多い。この様な短時間でもＳＵＳ３０４鋼
の焼鈍の場合界面から２〜３μｍ離れたＮｉ層中まで鉄
が拡散する。したがって、３μｍよりも薄いとＮｉ層の
耐食性が劣化することになる。又、普通鋼とＮｉとのク
ラッドの場合、Ｎｉの厚さが薄すぎると、すり傷などに
より下地がでやすいので、Ｎｉ厚さは３μｍ以上と限定
する。次に、Ｎｉ層の厚さ上限であるが、ニッケルは高
価な金属であるので、Ｎｉ層の厚さは薄い方が経済的に
有利であるが、厚ければ厚いほど耐食性の上からは有利
である。Ｎｉ層を厚くしていった時の短所は価格の他に
は、強度の弱いＮｉ比が高くむく材に比べ板厚強度比が
低くなる。また、加熱冷却時に熱膨張の差により反りが
発生しやすいため、使用上問題がでてくることがある
他、製造上も圧延時に反り易く、加熱処理時にも反り易
く、ライン加熱炉の通板が困難となってくる。したがっ
て、Ｎｉ厚さは全板厚の２０％を上限とするのが適切で
ある。
２０％と限定した理由を以下に記す。Ｎｉクラッド板は
圧延後の熱処理により、母材成分のＦｅ，Ｃｒ等がＮｉ
中に拡散し、クラッド界面に近い部分のＮｉ層の組成が
変化し、耐食性も変化する。Ｎｉ層が薄いと表面まで母
材成分が拡散し、純粋なＮｉ層がなくなってしまう。Ｎ
ｉ中の拡散はＦｅがＣｒに比べ速いため、表面にはま
ず、Ｆｅが拡散している。このようにＮｉの純度が悪く
なると耐食性が劣化するため、引っ掻き傷などにより酸
化被膜が破れた時に腐食しやすくなる上、腐食生成物中
にＦｅが含まれるため、茶色のきたならしい外観となっ
てしまう。また、酸化被膜中にもＮｉＯの他にＦｅＯ等
が含まれるようになり、被膜の保護性が劣化するように
なる。この様な耐食性の劣化を起こさない限界のＮｉ厚
さは熱処理時間と温度により変わるわけであるが、工業
的な板コイルの熱処理はライン焼鈍炉で数分間だけ加熱
されることが多い。この様な短時間でもＳＵＳ３０４鋼
の焼鈍の場合界面から２〜３μｍ離れたＮｉ層中まで鉄
が拡散する。したがって、３μｍよりも薄いとＮｉ層の
耐食性が劣化することになる。又、普通鋼とＮｉとのク
ラッドの場合、Ｎｉの厚さが薄すぎると、すり傷などに
より下地がでやすいので、Ｎｉ厚さは３μｍ以上と限定
する。次に、Ｎｉ層の厚さ上限であるが、ニッケルは高
価な金属であるので、Ｎｉ層の厚さは薄い方が経済的に
有利であるが、厚ければ厚いほど耐食性の上からは有利
である。Ｎｉ層を厚くしていった時の短所は価格の他に
は、強度の弱いＮｉ比が高くむく材に比べ板厚強度比が
低くなる。また、加熱冷却時に熱膨張の差により反りが
発生しやすいため、使用上問題がでてくることがある
他、製造上も圧延時に反り易く、加熱処理時にも反り易
く、ライン加熱炉の通板が困難となってくる。したがっ
て、Ｎｉ厚さは全板厚の２０％を上限とするのが適切で
ある。
【００１０】酸化皮膜形成のための熱処理温度を６００
〜１２００℃とした理由は、６００℃以上であれば耐食
性に寄与する酸化皮膜を形成するからであり、１２００
℃を超えると、母材の酸化が激しく、また、熱処理の費
用も高くなり、実際的でないからである。テンパーカラ
ー色は加熱温度により多少変化するが、１０００℃以上
で酸化物を厚く形成させると黒緑色になり、落ち着いた
重厚な感じになり、美観に優れる。また、６００℃程度
の加熱では酸化皮膜が薄く、テンパーカラー状態であ
り、加熱条件を選べば鮮やかな緑色を発色させることが
できる。
〜１２００℃とした理由は、６００℃以上であれば耐食
性に寄与する酸化皮膜を形成するからであり、１２００
℃を超えると、母材の酸化が激しく、また、熱処理の費
用も高くなり、実際的でないからである。テンパーカラ
ー色は加熱温度により多少変化するが、１０００℃以上
で酸化物を厚く形成させると黒緑色になり、落ち着いた
重厚な感じになり、美観に優れる。また、６００℃程度
の加熱では酸化皮膜が薄く、テンパーカラー状態であ
り、加熱条件を選べば鮮やかな緑色を発色させることが
できる。
【００１１】
【実施例】屋外環境での耐食性を調べるため、海岸地帯
における大気暴露試験を１年間実施した。大気暴露サン
プルとして下記の、のものを使用した。 全厚０．５ｍｍで、母材をＳＵＳ３０４、ニッケル厚
さ比率が４％（２０μｍ）のニッケル／ＳＵＳ３０４の
クラッドの１０３０ｍｍ幅×約４００ｍを通常のステン
レス鋼の製造ラインとしての焼鈍酸洗ライン（加熱温度
約１，０５０℃）を通したところ、ＳＵＳ３０４面は表
面の酸化スケールがなく綺麗に仕上がった。一方、ニッ
ケル面には黒緑色の均一な酸化スケールが重厚な感じに
残った。これを約１００ｍｍ×１５０ｍｍに切出し大気
暴露用のサンプルとした。
における大気暴露試験を１年間実施した。大気暴露サン
プルとして下記の、のものを使用した。 全厚０．５ｍｍで、母材をＳＵＳ３０４、ニッケル厚
さ比率が４％（２０μｍ）のニッケル／ＳＵＳ３０４の
クラッドの１０３０ｍｍ幅×約４００ｍを通常のステン
レス鋼の製造ラインとしての焼鈍酸洗ライン（加熱温度
約１，０５０℃）を通したところ、ＳＵＳ３０４面は表
面の酸化スケールがなく綺麗に仕上がった。一方、ニッ
ケル面には黒緑色の均一な酸化スケールが重厚な感じに
残った。これを約１００ｍｍ×１５０ｍｍに切出し大気
暴露用のサンプルとした。
【００１２】全厚０．５ｍｍで、母材をＳＵＳ３０
４、ニッケル厚さ比率が４％（２０μｍ）のニッケル／
ＳＵＳ３０４のクラッドの６５０ｍｍ幅×約２００ｍを
通常のステンレス鋼の製造ラインとしてのＢＡ（光輝焼
鈍）ライン（加熱温度約１，０５０℃）を通し、ニッケ
ル、ＳＵＳ３０４面の両面とも綺麗に仕上げた。これを
１００ｍｍ×１５０ｍｍに切出し６００℃にセットした
実験炉中で３分間加熱したところ、ニッケル表面には青
色のテンパーカラーが生成した。反対側のＳＵＳ３０４
面もＮｉ程ではないがテンパーカラーが生成したので、
こちら側は＃３２０エメリー紙により研磨除去し、大気
暴露用のサンプルとした。
４、ニッケル厚さ比率が４％（２０μｍ）のニッケル／
ＳＵＳ３０４のクラッドの６５０ｍｍ幅×約２００ｍを
通常のステンレス鋼の製造ラインとしてのＢＡ（光輝焼
鈍）ライン（加熱温度約１，０５０℃）を通し、ニッケ
ル、ＳＵＳ３０４面の両面とも綺麗に仕上げた。これを
１００ｍｍ×１５０ｍｍに切出し６００℃にセットした
実験炉中で３分間加熱したところ、ニッケル表面には青
色のテンパーカラーが生成した。反対側のＳＵＳ３０４
面もＮｉ程ではないがテンパーカラーが生成したので、
こちら側は＃３２０エメリー紙により研磨除去し、大気
暴露用のサンプルとした。
【００１３】以上の２種類のサンプルを沖縄の海岸近く
で１年間大気中に暴露した。１年後に回収したところ、
、いずれのサンプルも酸化皮膜を有するＮｉ側には
まったく腐食はなくほこりが付着していたが、布切れに
より容易に拭き取ることができた。一方、反対側のＳＵ
Ｓ３０４面はかなり発銹していた。また、比較材として
同時に暴露した比較材のＳＵＳ３１６もＳＵＳ３０４程
ではないが、やはりかなりの発銹が見られた。
で１年間大気中に暴露した。１年後に回収したところ、
、いずれのサンプルも酸化皮膜を有するＮｉ側には
まったく腐食はなくほこりが付着していたが、布切れに
より容易に拭き取ることができた。一方、反対側のＳＵ
Ｓ３０４面はかなり発銹していた。また、比較材として
同時に暴露した比較材のＳＵＳ３１６もＳＵＳ３０４程
ではないが、やはりかなりの発銹が見られた。
【００１４】以上のように、ニッケル面を高温で酸化さ
せることにより、大気中の耐食性が極めて高くなること
を確認した。それに加えて、のサンプルはステンレス
鋼をも溶かす硝弗酸にもニッケルの酸化物側は侵され
ず、Ｎｉの高温酸化処理は極めて耐食性能を高める表面
処理法であることを確認した。また、のサンプルをや
はり、ステンレス鋼の酸洗液に５分間浸漬したところ、
大部分は腐食せず、わずかに付いた疵の部分が腐食溶解
した。酸化皮膜のないニッケルは全面がかなりの深さに
腐食溶解したので、耐食性は向上していたことになる。
しかし、、両方の場合とも、皮膜が薄いために、目
に見えない程度のひっかき傷でも下地のニッケルが顔を
出すため硝弗酸のような強力な酸に対しては下地のニッ
ケルが溶ける。一方、屋外の環境ではニッケルの耐食性
が高く、若干の傷を生じても、１年間の大気暴露試験で
ほとんど表面が変化せず、屋外用としては恒久的な表面
と考えられる。
せることにより、大気中の耐食性が極めて高くなること
を確認した。それに加えて、のサンプルはステンレス
鋼をも溶かす硝弗酸にもニッケルの酸化物側は侵され
ず、Ｎｉの高温酸化処理は極めて耐食性能を高める表面
処理法であることを確認した。また、のサンプルをや
はり、ステンレス鋼の酸洗液に５分間浸漬したところ、
大部分は腐食せず、わずかに付いた疵の部分が腐食溶解
した。酸化皮膜のないニッケルは全面がかなりの深さに
腐食溶解したので、耐食性は向上していたことになる。
しかし、、両方の場合とも、皮膜が薄いために、目
に見えない程度のひっかき傷でも下地のニッケルが顔を
出すため硝弗酸のような強力な酸に対しては下地のニッ
ケルが溶ける。一方、屋外の環境ではニッケルの耐食性
が高く、若干の傷を生じても、１年間の大気暴露試験で
ほとんど表面が変化せず、屋外用としては恒久的な表面
と考えられる。
【００１５】
【発明の効果】本発明によれば、比較的簡単な製法で美
観と耐食性に優れたニッケルクラッド板が得られるの
で、コストダウンと共に用途の拡大が期待できる。
観と耐食性に優れたニッケルクラッド板が得られるの
で、コストダウンと共に用途の拡大が期待できる。
フロントページの続き (72)発明者 古見 一夫 神奈川県相模原市大山町１番30号 日本金 属工業株式会社相模原製造所内
Claims (2)
- 【請求項１】 母材板（普通鋼、ステンレス鋼、その他
の金属）の片面または両面に３μｍ以上かつ全板厚の２
０％以下のニッケルをクラッドしたニッケルクラッド板
であって、上記ニッケル表面には、６００〜１２００℃
の高温加熱により形成されたニッケル酸化物（ＮｉＯ）
皮膜を有することを特徴とする美観と耐食性に優れたニ
ッケルクラッド板。 - 【請求項２】 母材板（普通鋼、ステンレス鋼、その他
の金属）の片面または両面にニッケルをクラッドする第
１工程と、第１工程で得られたニッケルクラッド板を６
００〜１２００℃の高温で加熱し、上記ニッケル表面に
ニッケル酸化物（ＮｉＯ）皮膜を形成させる第２工程か
らなることを特徴とする美観と耐食性に優れたニッケル
クラッド板の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5152624A JP2592037B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 美観と耐食性に優れた屋根および建材用ニッケルクラッド板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5152624A JP2592037B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 美観と耐食性に優れた屋根および建材用ニッケルクラッド板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH071649A true JPH071649A (ja) | 1995-01-06 |
| JP2592037B2 JP2592037B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=15544454
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5152624A Expired - Fee Related JP2592037B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 美観と耐食性に優れた屋根および建材用ニッケルクラッド板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2592037B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012201949A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 絶縁性の良好なステンレス鋼材およびその製造法 |
| JP2012246901A (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-13 | Maruyasu Industries Co Ltd | 自動車用排気系部品 |
| JP2017179441A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 新日鐵住金株式会社 | 表面にニッケルが配された金属板 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH042716A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-07 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | ニッケル・ステンレス鋼クラッド材の製造方法 |
| JPH044986A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-09 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | ニッケル・ステンレス鋼クラッド材の製造方法 |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP5152624A patent/JP2592037B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH042716A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-07 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | ニッケル・ステンレス鋼クラッド材の製造方法 |
| JPH044986A (ja) * | 1990-04-20 | 1992-01-09 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | ニッケル・ステンレス鋼クラッド材の製造方法 |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012201949A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 絶縁性の良好なステンレス鋼材およびその製造法 |
| JP2012246901A (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-13 | Maruyasu Industries Co Ltd | 自動車用排気系部品 |
| JP2017179441A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 新日鐵住金株式会社 | 表面にニッケルが配された金属板 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2592037B2 (ja) | 1997-03-19 |
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