JPH067951B2 - 打抜加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄板の製造方法 - Google Patents
打抜加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄板の製造方法Info
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- JPH067951B2 JPH067951B2 JP60290881A JP29088185A JPH067951B2 JP H067951 B2 JPH067951 B2 JP H067951B2 JP 60290881 A JP60290881 A JP 60290881A JP 29088185 A JP29088185 A JP 29088185A JP H067951 B2 JPH067951 B2 JP H067951B2
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- stainless steel
- ferritic stainless
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、打抜加工性のすぐれたフェライト系ステンレ
ス薄板を安価に製造する方法を提供するものである。
ス薄板を安価に製造する方法を提供するものである。
[従来の技術] 近年安価なステンレス薄板に対する要求が高まり、フェ
ライト系ステンレス薄板を大量生産に適した普通鋼薄板
の製造設備で作られるようになってきた。従来のフェラ
イト系ステンレス薄板の最終焼鈍は、表面にスケールが
出来ないよう露点が−60℃前後でH2がほぼ100%
の雰囲気中で連続焼鈍するか、酸化性の雰囲気で連続焼
鈍後酸洗してスケールを除去する等の方法で作られてい
た。しかしながら前出のごとく普通鋼薄板の連続焼鈍設
備でフェライト系ステンレス薄板を焼鈍する場合、普通
鋼薄板では表面に酸化物が出来ないが、フェライト系ス
テンレス薄板の場合には、表面に酸化物が形成される。
これらの酸化物が表面に形成されている場合、耐蝕性が
若干劣化し、打抜加工性が著しく劣化するので良好な打
抜加工性が必要とされる用途に対して打抜加工性を改善
するため、酸洗によりスケールを除去して製品としてい
るのが現状である。
ライト系ステンレス薄板を大量生産に適した普通鋼薄板
の製造設備で作られるようになってきた。従来のフェラ
イト系ステンレス薄板の最終焼鈍は、表面にスケールが
出来ないよう露点が−60℃前後でH2がほぼ100%
の雰囲気中で連続焼鈍するか、酸化性の雰囲気で連続焼
鈍後酸洗してスケールを除去する等の方法で作られてい
た。しかしながら前出のごとく普通鋼薄板の連続焼鈍設
備でフェライト系ステンレス薄板を焼鈍する場合、普通
鋼薄板では表面に酸化物が出来ないが、フェライト系ス
テンレス薄板の場合には、表面に酸化物が形成される。
これらの酸化物が表面に形成されている場合、耐蝕性が
若干劣化し、打抜加工性が著しく劣化するので良好な打
抜加工性が必要とされる用途に対して打抜加工性を改善
するため、酸洗によりスケールを除去して製品としてい
るのが現状である。
[発明が解決しようとする問題点] 製品コストの安い普通鋼薄板製造設備を利用してフェラ
イト系ステンレス薄板を製造する場合、最終焼鈍時に鋼
板表面に(Cr,Fe)2O3を主体とする酸化層が形
成され、この酸化層が工具を磨耗させて刃先が丸くな
り、打抜加工性が著しく劣化する。打抜加工性を改善す
るために、これらの酸化層を除去する酸洗工程が必要で
あり、この酸洗作業コストが高かった。本発明は、酸洗
しないでも打抜加工性を改善する方策を提供するもので
ある。本発明の方法に従えば、従来のステンレス薄板の
打抜加工性も著しく向上させるものである。
イト系ステンレス薄板を製造する場合、最終焼鈍時に鋼
板表面に(Cr,Fe)2O3を主体とする酸化層が形
成され、この酸化層が工具を磨耗させて刃先が丸くな
り、打抜加工性が著しく劣化する。打抜加工性を改善す
るために、これらの酸化層を除去する酸洗工程が必要で
あり、この酸洗作業コストが高かった。本発明は、酸洗
しないでも打抜加工性を改善する方策を提供するもので
ある。本発明の方法に従えば、従来のステンレス薄板の
打抜加工性も著しく向上させるものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は(1)焼鈍したフェライト系ステンレス薄板表
面に有機質又は有機質と無機質の混合した塗膜を形成す
ることを特徴とした打抜加工性のすぐれたフェライト系
ステンレス薄板の製造方法であり、(2)又上記(1)
の焼鈍が露点−30〜0℃,H21〜80%,残りN2
からなる雰囲気で800〜1000℃の温度域の焼鈍で
ある打抜加工性のすぐれたフェライト系ステンレス薄板
の製造方法であり、(3)又は上記(1)の焼鈍が露点
−30℃未満、H280%超、残りN2からなる雰囲気
の焼鈍である打抜加工性のすぐれたフェライト系ステン
レス薄板の製造方法であり、(4)又表面の酸化層の厚
みが300〜5000Åである上記(2)の打抜加工性
のすぐれたフェライト系ステンレス薄板の製造方法であ
り、(5)又塗膜の付着量が0.05〜5g/m2である
上記(1)の打抜加工性のすぐれたフェライト系ステン
レス薄板の製造方法である。
面に有機質又は有機質と無機質の混合した塗膜を形成す
ることを特徴とした打抜加工性のすぐれたフェライト系
ステンレス薄板の製造方法であり、(2)又上記(1)
の焼鈍が露点−30〜0℃,H21〜80%,残りN2
からなる雰囲気で800〜1000℃の温度域の焼鈍で
ある打抜加工性のすぐれたフェライト系ステンレス薄板
の製造方法であり、(3)又は上記(1)の焼鈍が露点
−30℃未満、H280%超、残りN2からなる雰囲気
の焼鈍である打抜加工性のすぐれたフェライト系ステン
レス薄板の製造方法であり、(4)又表面の酸化層の厚
みが300〜5000Åである上記(2)の打抜加工性
のすぐれたフェライト系ステンレス薄板の製造方法であ
り、(5)又塗膜の付着量が0.05〜5g/m2である
上記(1)の打抜加工性のすぐれたフェライト系ステン
レス薄板の製造方法である。
[作用] 普通鋼薄板の連続焼鈍は、通常露点は−30℃〜−10
℃,H21〜2%残りN2からなる雰囲気で行われてお
り、このような雰囲気の場合も、普通鋼薄板の場合は表
面に酸化物が出来ないが、フェライト系ステンレス薄板
の場合は、約500Å〜5000Åの酸化層が形成され
表面がきつね色から灰色まで酸化層の厚みによって変化
する。この鋼板をスチールダイで打抜加工を行う場合、
表面酸化層の厚みが100Å前後と少ないいわゆるBA
表面仕上げのフェライト系ステンレス薄板と比較して著
しく打抜加工性が劣化するという欠点がある。ここでい
う打抜加工性の劣化というのは、工具磨耗が大きいとい
うことで、少ない打抜加工回数で工具を再研磨する必要
が生じるので、工具の寿命及び生産性の低下のいずれの
面でも好ましいものではない。このような材料の打抜加
工性向上のため、打抜条件(打抜油、ポンチとダイのク
リアランス、工具の材質)について種々検討を行った
が、タングステンカーバイド(WC)を主体とした超硬
ダイを使用すれば、打抜性はBA表面仕上材と遜色がな
く著しく良好なことが判ったが、スチールダイの場合
は、打抜油やポンチとダイのクリアランスの調整のごと
き打抜条件の変更のみでは、改善代は僅かであった。そ
こでこのような鋼板表面に有機質又は有機質と無機質と
の混合物からなる被膜をコーティングした後打抜加工を
行ったところ、打抜性が飛躍的に向上することを見い出
し本発明を完成させたものである。本発明は表面酸化層
が100Å前後の従来の方法で製造されたステンレス薄
板に適用しても、打抜性が著しく向上するのはいうまで
もない。有機質又は有機質と無機質との混合物からなる
被膜を塗布することにより打抜性が著しく向上するの
は、次の理由に基づく。(1)表面層に形成された(C
r、Fe)2O3系の酸化物は著しく硬く、打抜に際し
てポンチ、ダイを摩耗させる働きをするが、この上に有
機質等の被膜を塗布することで、これら酸化物が直接工
具と接触して工具を摩耗させるのを防止する。
℃,H21〜2%残りN2からなる雰囲気で行われてお
り、このような雰囲気の場合も、普通鋼薄板の場合は表
面に酸化物が出来ないが、フェライト系ステンレス薄板
の場合は、約500Å〜5000Åの酸化層が形成され
表面がきつね色から灰色まで酸化層の厚みによって変化
する。この鋼板をスチールダイで打抜加工を行う場合、
表面酸化層の厚みが100Å前後と少ないいわゆるBA
表面仕上げのフェライト系ステンレス薄板と比較して著
しく打抜加工性が劣化するという欠点がある。ここでい
う打抜加工性の劣化というのは、工具磨耗が大きいとい
うことで、少ない打抜加工回数で工具を再研磨する必要
が生じるので、工具の寿命及び生産性の低下のいずれの
面でも好ましいものではない。このような材料の打抜加
工性向上のため、打抜条件(打抜油、ポンチとダイのク
リアランス、工具の材質)について種々検討を行った
が、タングステンカーバイド(WC)を主体とした超硬
ダイを使用すれば、打抜性はBA表面仕上材と遜色がな
く著しく良好なことが判ったが、スチールダイの場合
は、打抜油やポンチとダイのクリアランスの調整のごと
き打抜条件の変更のみでは、改善代は僅かであった。そ
こでこのような鋼板表面に有機質又は有機質と無機質と
の混合物からなる被膜をコーティングした後打抜加工を
行ったところ、打抜性が飛躍的に向上することを見い出
し本発明を完成させたものである。本発明は表面酸化層
が100Å前後の従来の方法で製造されたステンレス薄
板に適用しても、打抜性が著しく向上するのはいうまで
もない。有機質又は有機質と無機質との混合物からなる
被膜を塗布することにより打抜性が著しく向上するの
は、次の理由に基づく。(1)表面層に形成された(C
r、Fe)2O3系の酸化物は著しく硬く、打抜に際し
てポンチ、ダイを摩耗させる働きをするが、この上に有
機質等の被膜を塗布することで、これら酸化物が直接工
具と接触して工具を摩耗させるのを防止する。
(2)ポンチやダイの側面とフェライト系ステンレスの
剪断面が直接接触することによりポンチやダイの側面が
焼き付いたり摩耗したりするのをこの表面に形成した塗
膜が防止する。
剪断面が直接接触することによりポンチやダイの側面が
焼き付いたり摩耗したりするのをこの表面に形成した塗
膜が防止する。
本発明の目的としてステンレス鋼板の表面に塗布すべき
有機質又は有機質と無機質との混合物からなる物質と
は、具体的には、ポリビニールアルコール(PVA)や
アクリルエマルジョン、又このアクリルエマルジョンに
CrO3やH3BO3等を添加したもの、水溶性メラミ
ンアルキド樹脂等いずれでも良いが、塗布作業の安全性
及び容易性から水溶性の有機質が好ましいのは云うまで
もない。次に本発明の限定理由について説明する。本発
明に供するフェライト系ステンレス薄板の焼鈍雰囲気を
限定したのは生成する酸化層の厚みをコントロールする
ことが目的であり、露点が0℃以上で、H2が1%以下
では、生成される酸化層の厚みが厚くなり、ステンレス
鋼板の美感が損われて好ましくないばかりでなく、本発
明の方法により表面に有機質被膜を塗布しても被膜の厚
みを5g/m2超と厚くしないと良好な打抜加工性を示さ
ないためである。従来方法すなわち光輝焼鈍(露点−3
0℃以下、H280%以上)したり、露点−30℃以
上、H280%以下の雰囲気または大気中で焼鈍後酸洗
して表面スケールを除去してステンレス薄板を製造する
場合にも、本願発明のごとき表面に被膜を形成すること
により従来のステンレス薄板と比べて打抜性が飛躍的に
向上する。本発明におけるステンレス薄板の焼鈍温度を
800℃以上としたのは、これ以下の低い温度では本願
発明の雰囲気でも表面層の酸化物の形成量が少なく打抜
性の劣化を生じないためであり1000℃以下と限定し
たのは、これ以上の高温では、酸化層の厚みが厚くな
り、本発明の方法で打抜性を改善するためには、塗布す
べき有機質の量が多くなり、経済的でないので、加熱温
度の上限を1000℃としたものである。塗布すべき塗
膜の量を0.05g/m2以上としたのは、これ以下の塗
膜量では、打抜性の向上代が少ないので0.05g/m2
以上としたものであり、5g/m2以下としたのは、これ
以上塗膜量を増すほど打抜性向上効果は増加するが、塗
膜を形成するためのコストが高くなり、経済的でないの
で、上限を5g/m2としたものである。又このような有
機質被膜の厚みが厚くなるに従って溶接性が劣化する傾
向がみられるので、塗膜厚みは、この点を考慮して決定
する必要がある。
有機質又は有機質と無機質との混合物からなる物質と
は、具体的には、ポリビニールアルコール(PVA)や
アクリルエマルジョン、又このアクリルエマルジョンに
CrO3やH3BO3等を添加したもの、水溶性メラミ
ンアルキド樹脂等いずれでも良いが、塗布作業の安全性
及び容易性から水溶性の有機質が好ましいのは云うまで
もない。次に本発明の限定理由について説明する。本発
明に供するフェライト系ステンレス薄板の焼鈍雰囲気を
限定したのは生成する酸化層の厚みをコントロールする
ことが目的であり、露点が0℃以上で、H2が1%以下
では、生成される酸化層の厚みが厚くなり、ステンレス
鋼板の美感が損われて好ましくないばかりでなく、本発
明の方法により表面に有機質被膜を塗布しても被膜の厚
みを5g/m2超と厚くしないと良好な打抜加工性を示さ
ないためである。従来方法すなわち光輝焼鈍(露点−3
0℃以下、H280%以上)したり、露点−30℃以
上、H280%以下の雰囲気または大気中で焼鈍後酸洗
して表面スケールを除去してステンレス薄板を製造する
場合にも、本願発明のごとき表面に被膜を形成すること
により従来のステンレス薄板と比べて打抜性が飛躍的に
向上する。本発明におけるステンレス薄板の焼鈍温度を
800℃以上としたのは、これ以下の低い温度では本願
発明の雰囲気でも表面層の酸化物の形成量が少なく打抜
性の劣化を生じないためであり1000℃以下と限定し
たのは、これ以上の高温では、酸化層の厚みが厚くな
り、本発明の方法で打抜性を改善するためには、塗布す
べき有機質の量が多くなり、経済的でないので、加熱温
度の上限を1000℃としたものである。塗布すべき塗
膜の量を0.05g/m2以上としたのは、これ以下の塗
膜量では、打抜性の向上代が少ないので0.05g/m2
以上としたものであり、5g/m2以下としたのは、これ
以上塗膜量を増すほど打抜性向上効果は増加するが、塗
膜を形成するためのコストが高くなり、経済的でないの
で、上限を5g/m2としたものである。又このような有
機質被膜の厚みが厚くなるに従って溶接性が劣化する傾
向がみられるので、塗膜厚みは、この点を考慮して決定
する必要がある。
本発明に供されるフェライト系ステンレス薄板の表面酸
化層の厚みを300Å以上としたのは、これ以下の厚み
の酸化層では、従来の方法で製造したステンレス薄板と
比較して打抜性は遜色がないからであり、5000Å以
下としたものは、これ以上の厚みの酸化層は剥離しやす
く、外観が好ましくないことと、打抜性を向上させるた
めに必要な塗膜量が多くなり好ましくないので、上限を
5000Åと限定したものである。
化層の厚みを300Å以上としたのは、これ以下の厚み
の酸化層では、従来の方法で製造したステンレス薄板と
比較して打抜性は遜色がないからであり、5000Å以
下としたものは、これ以上の厚みの酸化層は剥離しやす
く、外観が好ましくないことと、打抜性を向上させるた
めに必要な塗膜量が多くなり好ましくないので、上限を
5000Åと限定したものである。
本発明を達成するための塗膜の塗布方法は、公知のどの
ような方法でもよいが、最も経済的な方法としては、焼
鈍後の材料の顕熱を利用して塗布後外部から特別の熱を
与えることなく乾燥することである。このためには速乾
性の有機コーテングを選択しなければならないのはいう
までもない。
ような方法でもよいが、最も経済的な方法としては、焼
鈍後の材料の顕熱を利用して塗布後外部から特別の熱を
与えることなく乾燥することである。このためには速乾
性の有機コーテングを選択しなければならないのはいう
までもない。
[実施例] 以下本発明を実施例に従って具体的に説明する 1.0.05%C,0.15%Al,16.5%Crを
主成分とするフェライト系ステンレス薄板を公知の方法
で冷延して製品厚みとした後、露点−20℃、H21.
5%残りN2からなる雰囲気の連続焼鈍炉で875×1
0秒の加熱を行った後、第1表に示したごとくポリビニ
ールアルコール単体又はそれらに無機質を混入したもの
を塗布し、炉温500℃の乾燥炉で30秒間焼付け乾燥
させた。塗膜の付着量は0.05g〜1g/m2まで変化
させた。このように作った薄板をスチールダイにより打
抜を行い、打抜性の判定を行ったが、比較のためにこの
ような塗布をしなかったステンレス薄板の場合は打抜回
数の増加とともにかえり高さが増加し、3000回打抜
いた時点のかえり高さが50μmと高くなったが、本発
明の方法で表面に塗膜を作ったものは10万回打抜いて
もまだかえり高さは40μmと低く、打抜性が著しく向
上することがわかった。又耐銹性も比較材と比べて向上
した。
主成分とするフェライト系ステンレス薄板を公知の方法
で冷延して製品厚みとした後、露点−20℃、H21.
5%残りN2からなる雰囲気の連続焼鈍炉で875×1
0秒の加熱を行った後、第1表に示したごとくポリビニ
ールアルコール単体又はそれらに無機質を混入したもの
を塗布し、炉温500℃の乾燥炉で30秒間焼付け乾燥
させた。塗膜の付着量は0.05g〜1g/m2まで変化
させた。このように作った薄板をスチールダイにより打
抜を行い、打抜性の判定を行ったが、比較のためにこの
ような塗布をしなかったステンレス薄板の場合は打抜回
数の増加とともにかえり高さが増加し、3000回打抜
いた時点のかえり高さが50μmと高くなったが、本発
明の方法で表面に塗膜を作ったものは10万回打抜いて
もまだかえり高さは40μmと低く、打抜性が著しく向
上することがわかった。又耐銹性も比較材と比べて向上
した。
2.0.05%C,0.12%Al,16.7%Crを
主成分としたフェライト系ステンレス薄板を公知の方法
で冷延して製品厚みとした後露点−10℃、H22%、
残りN2からなる雰囲気の連続焼鈍炉で900℃×5秒
の加熱を行った後、第2表に示したごとくメラミンアル
キド樹脂を塗布し、300℃の温度で焼付けた。付着量
は0.1g/m2であった。こうして作った材料の打抜試
験を行ったところ、塗布なしの場合約3000回打抜い
てかえりの高さが50μmとなり、工具摩耗が著しく工
具再研磨の必要が生じたが、本発明の方法で表面に塗膜
を作ったものは10万回打抜いても、まだかえり高さは
35μmと低く、打抜性が著しく向上し、し、耐銹性も
著しく向上した。
主成分としたフェライト系ステンレス薄板を公知の方法
で冷延して製品厚みとした後露点−10℃、H22%、
残りN2からなる雰囲気の連続焼鈍炉で900℃×5秒
の加熱を行った後、第2表に示したごとくメラミンアル
キド樹脂を塗布し、300℃の温度で焼付けた。付着量
は0.1g/m2であった。こうして作った材料の打抜試
験を行ったところ、塗布なしの場合約3000回打抜い
てかえりの高さが50μmとなり、工具摩耗が著しく工
具再研磨の必要が生じたが、本発明の方法で表面に塗膜
を作ったものは10万回打抜いても、まだかえり高さは
35μmと低く、打抜性が著しく向上し、し、耐銹性も
著しく向上した。
3.酸化層の厚みが約3000Åあるフェライト系ステ
ンレス薄板の表面にアクリルエマルジョンを塗布し、5
00℃の炉温で20秒間焼付けた。塗料の付着量は0.
3g/m2であった。更にアクリルエマルジョンにH3P
O4及びAl(H3PO4)3,CrO3,H3BO3
を混合したものについても塗布焼付けを行った。これら
の材料を打抜試験したところ50万回打抜いてもかえり
高さは35μmと著しく低く良好であったが、表面にコ
ーテングを施さなかったものは5000回打抜いてかえ
り高さが50μm以上となり、打抜性は著しく悪かっ
た。
ンレス薄板の表面にアクリルエマルジョンを塗布し、5
00℃の炉温で20秒間焼付けた。塗料の付着量は0.
3g/m2であった。更にアクリルエマルジョンにH3P
O4及びAl(H3PO4)3,CrO3,H3BO3
を混合したものについても塗布焼付けを行った。これら
の材料を打抜試験したところ50万回打抜いてもかえり
高さは35μmと著しく低く良好であったが、表面にコ
ーテングを施さなかったものは5000回打抜いてかえ
り高さが50μm以上となり、打抜性は著しく悪かっ
た。
4.公知の方法で冷延した0.04%C,0.12%A
l,16.7%Crを主成分としたフェライト系ステン
レス薄板をH21%露点−10℃残りN2の雰囲気で9
00℃の温度で加熱焼鈍後、表面に防錆剤として使用さ
れている水溶性アクリル樹脂を塗布し乾燥させた。付着
量は0.1g/m2であった。ついで打抜性の評価を行っ
たが、防錆剤を塗布しなかったものは、1万回打抜いて
かえり高さが50μmに達したのに対し、本発明の方法
で塗布したものは10万回打抜いた時点でもかえり高さ
は35μmと良好であり、且つ耐銹性もすぐれていた。
l,16.7%Crを主成分としたフェライト系ステン
レス薄板をH21%露点−10℃残りN2の雰囲気で9
00℃の温度で加熱焼鈍後、表面に防錆剤として使用さ
れている水溶性アクリル樹脂を塗布し乾燥させた。付着
量は0.1g/m2であった。ついで打抜性の評価を行っ
たが、防錆剤を塗布しなかったものは、1万回打抜いて
かえり高さが50μmに達したのに対し、本発明の方法
で塗布したものは10万回打抜いた時点でもかえり高さ
は35μmと良好であり、且つ耐銹性もすぐれていた。
5.表面が鏡のようになったいわゆるBA表面を有した
ステンレス薄板と、焼鈍酸洗により表面酸化物を除去し
たいわゆる2B表面を有したステンレス薄板の表面に
0.2g/m2の透明のアクリルエマルジヨンを塗布焼付
けたものを打抜いたところ、50万回打抜いた時点でも
かえり高さは40μmと工具摩耗が少なく、再研磨の必
要がなかったが、比較のためこのような塗膜を塗布しな
かったものは5万回打抜いてかえり高さが50μmと高
くなり、工具の再研磨が必要となった。即ち本発明の方
法で、鋼板表面にうすい有機質塗膜を形成したものは、
公知の方法で製造したステンレス薄板の打抜性を著しく
向上させた。更にこのような塗膜があるものは、塗膜の
ないものと比べて著しく対銹性が向上した。
ステンレス薄板と、焼鈍酸洗により表面酸化物を除去し
たいわゆる2B表面を有したステンレス薄板の表面に
0.2g/m2の透明のアクリルエマルジヨンを塗布焼付
けたものを打抜いたところ、50万回打抜いた時点でも
かえり高さは40μmと工具摩耗が少なく、再研磨の必
要がなかったが、比較のためこのような塗膜を塗布しな
かったものは5万回打抜いてかえり高さが50μmと高
くなり、工具の再研磨が必要となった。即ち本発明の方
法で、鋼板表面にうすい有機質塗膜を形成したものは、
公知の方法で製造したステンレス薄板の打抜性を著しく
向上させた。更にこのような塗膜があるものは、塗膜の
ないものと比べて著しく対銹性が向上した。
[効果] 以上縷々説明したごとく、テンパーカラーのついたフェ
ライト系ステンレス薄板の表面にきわめて僅かの量の有
機質被膜を塗布することにより打抜性が著しく向上する
ので、生産性向上及び、金型の寿命延長の観点から極め
て経済的効果のある技術であり、更にこのような塗膜を
形成させることにより、耐銹性も向上する等、その経済
効果は著しいものがある。
ライト系ステンレス薄板の表面にきわめて僅かの量の有
機質被膜を塗布することにより打抜性が著しく向上する
ので、生産性向上及び、金型の寿命延長の観点から極め
て経済的効果のある技術であり、更にこのような塗膜を
形成させることにより、耐銹性も向上する等、その経済
効果は著しいものがある。
Claims (5)
- 【請求項1】焼鈍したフェライト系ステンレス薄板表面
に有機質又は有機質と無機質の混合した塗膜を形成する
ことを特徴とした打抜加工性のすぐれたフェライト系ス
テンレス薄板の製造方法 - 【請求項2】焼鈍が露点−30〜0℃,H21〜80
%,残りN2からなる雰囲気で800〜1000℃の温
度域の焼鈍である特許請求の範囲第1項記載の打抜加工
性のすぐれたフェライト系ステンレス薄板の製造方法。 - 【請求項3】焼鈍が露点−30℃未満、H280%超、
残りN2からなる雰囲気の焼鈍である特許請求の範囲第
1項記載の打抜加工性のすぐれたフェライト系ステンレ
ス薄板の製造方法。 - 【請求項4】表面の酸化層の厚みが300〜5000Å
である特許請求の範囲第2項記載の打抜加工性のすぐれ
たフェライト系ステンレス薄板の製造方法。 - 【請求項5】塗膜の付着量が0.05g/m2〜5g/m2
である特許請求の範囲第1項記載の打抜加工性のすぐれ
たフェライト系ステンレス薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60290881A JPH067951B2 (ja) | 1985-12-25 | 1985-12-25 | 打抜加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60290881A JPH067951B2 (ja) | 1985-12-25 | 1985-12-25 | 打抜加工性のすぐれたフエライト系ステンレス薄板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62149385A JPS62149385A (ja) | 1987-07-03 |
JPH067951B2 true JPH067951B2 (ja) | 1994-02-02 |
Family
ID=17761715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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- 1985-12-25 JP JP60290881A patent/JPH067951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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