JPH066749B2 - 形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造方法 - Google Patents
形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造方法Info
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- JPH066749B2 JPH066749B2 JP14060285A JP14060285A JPH066749B2 JP H066749 B2 JPH066749 B2 JP H066749B2 JP 14060285 A JP14060285 A JP 14060285A JP 14060285 A JP14060285 A JP 14060285A JP H066749 B2 JPH066749 B2 JP H066749B2
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- thin steel
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- martensitic stainless
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/0205—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、安全かみそり替刃、カッタナイフ、ドクタナ
イフ、ばね、ワッシャ、バルブシート等々の素材として
使用される、形状の良好なマルテンサイト系ステンレス
鋼薄鋼帯の製造方法に関するものである。
イフ、ばね、ワッシャ、バルブシート等々の素材として
使用される、形状の良好なマルテンサイト系ステンレス
鋼薄鋼帯の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 今日、安全かみそり替刃、カッタナイフ、ドクタナイ
フ、ばね、ワッシャ、バルブシート等には、素材として
C量が0.2〜1%で、Crを11〜14%含有する、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の薄鋼帯もしくはこれを剪断して得
られる薄鋼板が使用されている。また、これらの素材と
しては、その硬度としておよそHv200以上350以下の範囲
のもので且つ平坦度即ち形状の優れたものが望まれ、寸
法的に0.5mm以下の比較的薄い板厚のものが要求され
ている。
フ、ばね、ワッシャ、バルブシート等には、素材として
C量が0.2〜1%で、Crを11〜14%含有する、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の薄鋼帯もしくはこれを剪断して得
られる薄鋼板が使用されている。また、これらの素材と
しては、その硬度としておよそHv200以上350以下の範囲
のもので且つ平坦度即ち形状の優れたものが望まれ、寸
法的に0.5mm以下の比較的薄い板厚のものが要求され
ている。
つまり、これらは上記の如き諸条件を満たしたマルテン
サイト系ステンレス鋼薄鋼帯もしくは薄鋼板を素材と
し、これを切断、打ち抜き、プレス、熱処理等の加工を
行なって製品化しているのである。
サイト系ステンレス鋼薄鋼帯もしくは薄鋼板を素材と
し、これを切断、打ち抜き、プレス、熱処理等の加工を
行なって製品化しているのである。
従来、前記の各用途の根本素材として用いられるマルテ
ンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造においては、切断
やプレス加工時の形状くずれまたは打ち抜きや切断時の
かえりの発生等を防止するために、その硬度として通常
Hv200以上350以下の範囲のものが望まれるので、所望硬
度を満足させ得る圧延率で圧延したままのもの、いわゆ
るHT仕上の製造方法が採用されていた。
ンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造においては、切断
やプレス加工時の形状くずれまたは打ち抜きや切断時の
かえりの発生等を防止するために、その硬度として通常
Hv200以上350以下の範囲のものが望まれるので、所望硬
度を満足させ得る圧延率で圧延したままのもの、いわゆ
るHT仕上の製造方法が採用されていた。
<発明が解決しようとする問題点> ところがこのような製造方法により製造されたHT仕上の
マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯は、前記の如き各
用途の素材として、寸法、化学組成、硬度に関して満足
し得ても平坦度即ち形状についての要求を満たすことが
できなかった。
マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯は、前記の如き各
用途の素材として、寸法、化学組成、硬度に関して満足
し得ても平坦度即ち形状についての要求を満たすことが
できなかった。
すなわち、このような従来の、マルテンサイト系ステン
レス鋼薄鋼帯の製造上の問題点は、形状不良にあり、平
坦度の優れた、形状の安定した製品に圧延することが非
常に困難であった。
レス鋼薄鋼帯の製造上の問題点は、形状不良にあり、平
坦度の優れた、形状の安定した製品に圧延することが非
常に困難であった。
圧延された薄鋼帯は中延びや耳延びを生じ、要求される
平坦度即ち形状を確保するために製造上大幅な歩留低下
を余儀無くされることが多かった。従って、このような
マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造における形
状改善については、圧延上では限界があり、安定して平
坦度の優れた形状を得ることが困難であった。
平坦度即ち形状を確保するために製造上大幅な歩留低下
を余儀無くされることが多かった。従って、このような
マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造における形
状改善については、圧延上では限界があり、安定して平
坦度の優れた形状を得ることが困難であった。
<問題点を解決するための手段> 本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の形状
改善を目的とした製造方法に関し、通常圧延中に発生し
た中延びや耳延び等の形状不良を張力下で焼鈍して矯正
するものである。
改善を目的とした製造方法に関し、通常圧延中に発生し
た中延びや耳延び等の形状不良を張力下で焼鈍して矯正
するものである。
<発明の構成> 本発明によれば、C量0.2〜1%でCrを11〜14%含有し、
焼鈍酸洗もしくは光輝焼鈍が施こされたマルテンサイト
系ステンレス鋼薄鋼帯を圧延率10〜50%で冷間圧延した
後、該鋼帯を550〜650℃の材料温度範囲で0.3〜3.0Kg/
mm2の範囲の張力を加えた状態で連続焼鈍することを特
徴とする形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄
鋼帯の製造方法が提供される。
焼鈍酸洗もしくは光輝焼鈍が施こされたマルテンサイト
系ステンレス鋼薄鋼帯を圧延率10〜50%で冷間圧延した
後、該鋼帯を550〜650℃の材料温度範囲で0.3〜3.0Kg/
mm2の範囲の張力を加えた状態で連続焼鈍することを特
徴とする形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄
鋼帯の製造方法が提供される。
本発明の製造方法における対象鋼は、Crを11〜14%含有
するマルテンサイト系ステンレス鋼である。Cは0.2〜1
%含まれ、通常Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.04%以
下、S:0.03%以下、残部Feおよび不純物からなるもの
である。
するマルテンサイト系ステンレス鋼である。Cは0.2〜1
%含まれ、通常Si:1%以下、Mn:1%以下、P:0.04%以
下、S:0.03%以下、残部Feおよび不純物からなるもの
である。
その他少量の添加成分があっても支障ない。
これらの鋼がこの組成範囲乃において略々同じ挙動を取
ることは当業者間によく知られている。
ることは当業者間によく知られている。
本発明にあっては、上記の如き組成範囲を有する対象鋼
を常法によって、溶製、熱延し、冷間圧延・焼鈍酸洗も
しくは光輝焼鈍を1回あるいは何回か繰り返した薄鋼帯
を出発材料とする。
を常法によって、溶製、熱延し、冷間圧延・焼鈍酸洗も
しくは光輝焼鈍を1回あるいは何回か繰り返した薄鋼帯
を出発材料とする。
このような出発材料即ち薄鋼帯を、前述のとおりHv200
以上350以下の範囲の所望硬度に仕上げるために、まず1
0〜50%の範囲で冷間圧延する。この冷間圧延の圧延率
が10%未満では,後述の第2図に示すように,本発明で
規定するC量の下限付近において,意図する硬度Hv200
が達成できないことがある。他方,冷間圧延の圧延率が
50%を越えると,本発明で規定するC量の上限付近にお
いて硬度Hvが350を越えるようになり,この場合には本
発明に従う張力下での連続焼鈍の処理条件において形状
矯正が良好に行ない得ないことがある。このため,10〜
50%の圧下率で冷間圧延した後、第1図にその概略を示
す加熱炉(焼鈍炉)(1)において薄鋼帯(2)に例えば加熱
炉(1)の前後に配置されたブライドルロール(3)(3)によ
り0.3〜3.0Kg/mm2の範囲の張力を付与しながら薄鋼帯
(2)そのものが550〜650℃範囲内の温度になるように連
続焼鈍し、所望の硬度を維持しながら形状不良を矯正し
て形状改善を行なうのである。
以上350以下の範囲の所望硬度に仕上げるために、まず1
0〜50%の範囲で冷間圧延する。この冷間圧延の圧延率
が10%未満では,後述の第2図に示すように,本発明で
規定するC量の下限付近において,意図する硬度Hv200
が達成できないことがある。他方,冷間圧延の圧延率が
50%を越えると,本発明で規定するC量の上限付近にお
いて硬度Hvが350を越えるようになり,この場合には本
発明に従う張力下での連続焼鈍の処理条件において形状
矯正が良好に行ない得ないことがある。このため,10〜
50%の圧下率で冷間圧延した後、第1図にその概略を示
す加熱炉(焼鈍炉)(1)において薄鋼帯(2)に例えば加熱
炉(1)の前後に配置されたブライドルロール(3)(3)によ
り0.3〜3.0Kg/mm2の範囲の張力を付与しながら薄鋼帯
(2)そのものが550〜650℃範囲内の温度になるように連
続焼鈍し、所望の硬度を維持しながら形状不良を矯正し
て形状改善を行なうのである。
図中の加熱炉(1)は他のライン中に設けてもあるいは単
独に設置してもよい。また加熱炉(1)の加熱方式は、軽
油やLPGなどの燃料燃焼型でも電気加熱型のいずれでも
よく特定されるものではない。
独に設置してもよい。また加熱炉(1)の加熱方式は、軽
油やLPGなどの燃料燃焼型でも電気加熱型のいずれでも
よく特定されるものではない。
加熱炉(1)が大気解放型の場合、炉内で連続焼鈍する薄
鋼帯(2)の表面は軽く酸化され着色するので炉内雰囲気
として無酸化雰囲気が好ましい。
鋼帯(2)の表面は軽く酸化され着色するので炉内雰囲気
として無酸化雰囲気が好ましい。
酸化スケールにより着色した薄鋼帯のままでよい場合も
あるが、不可の場合は軽い酸洗処理を施こすことによっ
て酸化スケールを簡単に除去すればよい。
あるが、不可の場合は軽い酸洗処理を施こすことによっ
て酸化スケールを簡単に除去すればよい。
加熱炉(1)における薄鋼帯(2)の連続焼鈍速度(通板速
度)は、この形状改善に影響を及ぼすが、寸法、化学組
成、圧延率、炉内における薄鋼帯即ち材料の温度、薄鋼
帯に付与される張力などの多数の要因と絡むので決定し
づらく、さらに焼鈍時における表面酸化を抑極力制して
薄鋼帯の形状改善を十分行なうために低温化のみならず
この速度の短縮化を計らねばならないので、特定し難く
経験的に求めなければならない。
度)は、この形状改善に影響を及ぼすが、寸法、化学組
成、圧延率、炉内における薄鋼帯即ち材料の温度、薄鋼
帯に付与される張力などの多数の要因と絡むので決定し
づらく、さらに焼鈍時における表面酸化を抑極力制して
薄鋼帯の形状改善を十分行なうために低温化のみならず
この速度の短縮化を計らねばならないので、特定し難く
経験的に求めなければならない。
本発明は、以上に述べた手段によってマルテンサイト系
ステンレス鋼薄鋼帯の形状改善を行なうのであるが、そ
の状況を図面を参照して説明する。
ステンレス鋼薄鋼帯の形状改善を行なうのであるが、そ
の状況を図面を参照して説明する。
基本成分としてCrを11〜14%含有しC量が0.2%、0.7
%、1.0%の組成を有するマルテンサイト系ステンレス
鋼帯を常法によって溶製、熱延し、冷間圧延・焼鈍酸洗
もしくは光輝焼鈍を繰り返して板厚0.14mmの薄鋼帯とし
た。この薄鋼帯を5%、10%、30%、50%、55%の圧下
率で冷間圧延し、薄鋼帯に付与する張力を一定の0.5Kg
/mm2のもとに種々の材料温度で連続焼鈍して硬度を測
定した結果を第2図に示す。
%、1.0%の組成を有するマルテンサイト系ステンレス
鋼帯を常法によって溶製、熱延し、冷間圧延・焼鈍酸洗
もしくは光輝焼鈍を繰り返して板厚0.14mmの薄鋼帯とし
た。この薄鋼帯を5%、10%、30%、50%、55%の圧下
率で冷間圧延し、薄鋼帯に付与する張力を一定の0.5Kg
/mm2のもとに種々の材料温度で連続焼鈍して硬度を測
定した結果を第2図に示す。
この図によれば、この薄鋼帯即ち材料は650℃以上の温
度であれば軟化することが分る。また、この一連の試験
結果、550℃以下では形状不良がほとんど矯正されない
ことが分った。
度であれば軟化することが分る。また、この一連の試験
結果、550℃以下では形状不良がほとんど矯正されない
ことが分った。
材料の再結晶温度以下、即ち、650℃以下であって550℃
以上なら、圧延後の残留応力が除去されて形状不良の矯
正、平坦化が達成され、硬度の低下はほとんど起らず所
望硬度が維持できることが確認された。
以上なら、圧延後の残留応力が除去されて形状不良の矯
正、平坦化が達成され、硬度の低下はほとんど起らず所
望硬度が維持できることが確認された。
次にこの一連の試験において、前記の如き各材料につい
て、焼鈍時における張力を種々変えて形状改善の程度を
調査した。その結果の一例を第3図に示す。Crが13%、
C量が1.0%の材料を圧延率30%で冷間圧延した結果、
この材料の急峻度[%]は4.0%であった。この急峻度
はこのような材料の形状状態を定量表示するための概念
であり、第4図に示すようにH/L×100[%]で定義
されるものである。
て、焼鈍時における張力を種々変えて形状改善の程度を
調査した。その結果の一例を第3図に示す。Crが13%、
C量が1.0%の材料を圧延率30%で冷間圧延した結果、
この材料の急峻度[%]は4.0%であった。この急峻度
はこのような材料の形状状態を定量表示するための概念
であり、第4図に示すようにH/L×100[%]で定義
されるものである。
つまり、第3図によれば、冷間圧延されたままでは急峻
度4.0%という形状不良の材料が、焼鈍時の材料温度600
℃のもとで、0.3Kg/mm2未満の張力では形状改善が見ら
れず、逆に3.0Kg/mm2を越えると張力が強すぎて湾曲や
しわが発生し、かえって形状が劣化することが分った。
度4.0%という形状不良の材料が、焼鈍時の材料温度600
℃のもとで、0.3Kg/mm2未満の張力では形状改善が見ら
れず、逆に3.0Kg/mm2を越えると張力が強すぎて湾曲や
しわが発生し、かえって形状が劣化することが分った。
このことはこの一例に限らず本発明に係る材料について
はほぼ共通な傾向であり、焼鈍時の材料温度が550〜650
℃の範囲にあり且つ材料に対して0.3〜3.0Kg/mm2の張
力が付与されるならば、急峻度4.0%以上の形状不良で
ある冷間圧延したままの材料を急峻度0.5%以下の形状
良好なものにすることができる。
はほぼ共通な傾向であり、焼鈍時の材料温度が550〜650
℃の範囲にあり且つ材料に対して0.3〜3.0Kg/mm2の張
力が付与されるならば、急峻度4.0%以上の形状不良で
ある冷間圧延したままの材料を急峻度0.5%以下の形状
良好なものにすることができる。
<実施例> 以上のような本発明の製造方法を実施して、前記安全か
みそり替刃用のマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯を
製造した。この製造結果を第5図を参照して以下に説明
する。
みそり替刃用のマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯を
製造した。この製造結果を第5図を参照して以下に説明
する。
この薄鋼帯としては、板圧0.1mm程度で、Cr:13%、C:
0.7%を含有し、硬度範囲Hv280〜340程度のものが要求
されている。
0.7%を含有し、硬度範囲Hv280〜340程度のものが要求
されている。
常法によって、冷間圧延・焼鈍酸洗を繰り返して板厚0.
128mm、0.143mm、0.182mmの薄鋼帯(出発材料)を製造
した。これらを22%、30%、45%の圧延率で各々0.1mm
に冷間圧延した。
128mm、0.143mm、0.182mmの薄鋼帯(出発材料)を製造
した。これらを22%、30%、45%の圧延率で各々0.1mm
に冷間圧延した。
これらの硬度は各々Hv295、Hv309、Hv345で、形状状態
の急峻度は3.0〜4.0%の範囲にあった。これらの冷間圧
延さた薄鋼帯に0.5Kg/mm2の張力を加えながら15m/min
の通板速度で、薄鋼帯そのものの温度(材料温度)600
℃で連続焼鈍した。このように処理された後の各薄鋼帯
の硬度はHv287、Hv303、Hv335であり、要求硬度範囲Hv2
80〜340を十分満足するものであった。
の急峻度は3.0〜4.0%の範囲にあった。これらの冷間圧
延さた薄鋼帯に0.5Kg/mm2の張力を加えながら15m/min
の通板速度で、薄鋼帯そのものの温度(材料温度)600
℃で連続焼鈍した。このように処理された後の各薄鋼帯
の硬度はHv287、Hv303、Hv335であり、要求硬度範囲Hv2
80〜340を十分満足するものであった。
また急峻度はそれぞれ0.5%以下で大幅に形状改善され
たものであり、これらを安全かみそり替刃に切断、打ち
抜き、熱処理等の加工を行なったのであるが、形状のく
ずれやかえりは何ら問題なく、硬度、形状とともに安全
かみそり替刃用素材として十分満足できるものを製造す
ることができた。
たものであり、これらを安全かみそり替刃に切断、打ち
抜き、熱処理等の加工を行なったのであるが、形状のく
ずれやかえりは何ら問題なく、硬度、形状とともに安全
かみそり替刃用素材として十分満足できるものを製造す
ることができた。
<効果> 従来の製造方法では急峻度1.0%〜4.0%程度の形状の悪
い冷間圧延素材しかできなかったものを、本発明の製造
方法によれば要求される諸条件を満たし急峻度0.5%以
下の大幅に形状改善された素材が製造可能となる。従っ
て、製造上大幅な歩留向上の達成されるようになった。
い冷間圧延素材しかできなかったものを、本発明の製造
方法によれば要求される諸条件を満たし急峻度0.5%以
下の大幅に形状改善された素材が製造可能となる。従っ
て、製造上大幅な歩留向上の達成されるようになった。
また、各用途における素材の加工工程において、素材の
形状不良による作業能率の低下あるいは表面疵の発生な
どを解消し、さらに切断、打ち抜き、プレス、熱処理等
の加工時における不良品の発生を大幅に抑制することが
できるのである。
形状不良による作業能率の低下あるいは表面疵の発生な
どを解消し、さらに切断、打ち抜き、プレス、熱処理等
の加工時における不良品の発生を大幅に抑制することが
できるのである。
第1図は冷間圧延された出発材料(薄鋼帯)を連続焼鈍
する加熱炉(焼鈍炉)の概略説明図、 第2図はCrを11〜14%含有しCが0.2〜1.0%の組成の鋼
を種々の圧延率で冷間圧延し0.5Kg/mm2の張力下で種々
の材料温度で焼鈍したときの硬度を示すグラフである。 第3図は焼鈍時の張力と焼鈍後の形状の関係を示す図、
第4図は形状状態を定義する急峻度の概念を説明する図
である。 第5図はCr:13%、C:0.7%を含有する安全かみそり替
刃用マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造実施例
において、種々の圧延率で冷間圧延した材料を種々の材
料温度で焼鈍したときの硬度を示すグラフである。 1:加熱炉(焼鈍炉) 2:薄鋼帯(素材、材料) 3:ブライドルロール
する加熱炉(焼鈍炉)の概略説明図、 第2図はCrを11〜14%含有しCが0.2〜1.0%の組成の鋼
を種々の圧延率で冷間圧延し0.5Kg/mm2の張力下で種々
の材料温度で焼鈍したときの硬度を示すグラフである。 第3図は焼鈍時の張力と焼鈍後の形状の関係を示す図、
第4図は形状状態を定義する急峻度の概念を説明する図
である。 第5図はCr:13%、C:0.7%を含有する安全かみそり替
刃用マルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造実施例
において、種々の圧延率で冷間圧延した材料を種々の材
料温度で焼鈍したときの硬度を示すグラフである。 1:加熱炉(焼鈍炉) 2:薄鋼帯(素材、材料) 3:ブライドルロール
Claims (1)
- 【請求項1】C量0.2〜1%でCrを11〜14%含有し、焼鈍
酸洗もしくは光輝焼鈍が施こされたマルテンサイト系ス
テンレス鋼薄鋼帯を圧延率10〜50%で冷間圧延した後、
該鋼帯を550〜650℃の材料温度範囲で0.3〜3.0Kg/mm2
の範囲の張力を加えた状態で連続焼鈍することを特徴と
する形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14060285A JPH066749B2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 | 形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14060285A JPH066749B2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 | 形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS624831A JPS624831A (ja) | 1987-01-10 |
JPH066749B2 true JPH066749B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=15272519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14060285A Expired - Lifetime JPH066749B2 (ja) | 1985-06-28 | 1985-06-28 | 形状の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼薄鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH066749B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11098393B2 (en) | 2016-03-09 | 2021-08-24 | Hitachi Metals, Ltd. | Martensitic stainless steel foil and manufacturing method thereof |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100448517B1 (ko) * | 1999-12-22 | 2004-09-13 | 주식회사 포스코 | 페라이트계 스테인레스강의 열간압연소재 연속소둔방법 |
KR100515041B1 (ko) * | 2000-06-23 | 2005-09-15 | 주식회사 포스코 | 2상 스테인레스 열연코일의 연속소둔방법 |
JP2004065293A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Keisei Ika Kogyo Kk | 手術具及びその製造方法 |
KR101049012B1 (ko) | 2003-12-18 | 2011-07-12 | 주식회사 포스코 | 409l 페라이트계 스테인레스강의 제조방법 |
JP5671871B2 (ja) * | 2010-08-09 | 2015-02-18 | 新日鐵住金株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP5671872B2 (ja) * | 2010-08-09 | 2015-02-18 | 新日鐵住金株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP5671870B2 (ja) * | 2010-08-09 | 2015-02-18 | 新日鐵住金株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
KR101463309B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-11-18 | 주식회사 포스코 | 슈퍼 오스테나이트계 스테인리스강 제조방법 |
-
1985
- 1985-06-28 JP JP14060285A patent/JPH066749B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11098393B2 (en) | 2016-03-09 | 2021-08-24 | Hitachi Metals, Ltd. | Martensitic stainless steel foil and manufacturing method thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS624831A (ja) | 1987-01-10 |
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---|---|---|
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