JPH0331798B2 - - Google Patents
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- JPH0331798B2 JPH0331798B2 JP58012645A JP1264583A JPH0331798B2 JP H0331798 B2 JPH0331798 B2 JP H0331798B2 JP 58012645 A JP58012645 A JP 58012645A JP 1264583 A JP1264583 A JP 1264583A JP H0331798 B2 JPH0331798 B2 JP H0331798B2
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法
に関し、特に、表面処理と熱処理の結合によつ
て、耐食性、耐錆性に優れたCr系ステンレス鋼
薄板を低コストで量産できる製造方法に関するも
のである。 [従来の技術] 従来、ステンレス鋼薄板は、FeにCr、Ni或は
さらに少量のMo、Al、Ti等の合金元素を添加し
て溶製して鋼片とし、これを熱間圧延→熱延板焼
鈍・酸洗→冷間圧延→光輝焼鈍→調質圧延といつ
たプロセスで、或は熱間圧延→熱延板焼鈍・酸洗
→冷間圧延→酸化焼鈍→酸洗・調質圧延或は研摩
といつたプロセスでさらには、これらを組合せた
プロセスによつて製造されている。 処で、ステンレス鋼の主成分であるCrは、Fe
に比し酸素に対する親和力がはるかに強いために
酸化し易く、熱間圧延、酸化焼鈍といつた処理工
程でスケールとなる。 このことに起因して、Cr系ステンレス鋼薄板
は、製造プロセスにおいて酸化−デスケーリング
が繰返される過程で、鋼板の厚さ方向中心部より
も表層部においてCr含有量が少ない所謂脱Cr層
を形成する。発明者等が、代表的なCr系ステン
レス鋼であるSUS430鋼の薄板を調べた処、第1
図に示すように、鋼板厚さ方向中心部のCr量は
17.1%であつたのに対し、最表面のCr量は8.6%
しかなかつた。 ステンレス鋼薄板の重要な特性は、耐食性、耐
錆性である。これらの特性は、鋼中のCr量に大
きく影響されるが、肝心の鋼板最表面でCr量が
欠乏していると、鋼板がこれら特性を発揮するこ
とができない。しかも、ステンレス鋼薄板の耐食
性、耐錆性は、実に鋼板最表面から数十Åから数
μm厚さの部分における成分やCr2O3皮膜の緻密
さによつて決まる。 ステンレス鋼薄板の製造プロセスにおいて、材
料に何回かのスケール形成があることは避けられ
ず、従つて、鋼板表層に脱Cr層が形成されるこ
とも避けられない。そこで、最終製品にCrめつ
きを施すことによつて鋼板最表面の耐食性を向上
させることが考えられるけれども、Crめつき層
を微視的(ミクロ)に見ると、亀裂や点欠陥があ
り、鋼板に十分な耐食性を付与することができな
い。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は、上に述べた従来技術における問題を
解決し、耐食性、耐錆性に優れたCr系ステンレ
ス鋼薄板を、低いコストで量産することができる
製造プロセスを提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明の特徴とする処は、 1 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiめつきを施し、
次いで、Ni、Feに対して還元性でありCrに対
して酸化性である、H2とN2からなり−50℃〜
−10℃の露点をもつ雰囲気中、再結晶温度以
上、1000℃以下の温度域で均熱時間200秒間以
下の連続焼鈍を施して鋼板表層部にCrを濃化
せしめるとともにNiめつき層を合金化するよ
うにしたことを特徴とするCr系ステンレス鋼
薄板の製造方法。 2 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiを主成分として
これにCr、Mo、Ti、W、P、Bの1種または
2種以上を含有する合金めつきを施し、次い
で、Ni、Feに対して還元性でありCrに対して
酸化性である、H2とN2からなり−50℃〜−10
℃の露点をもつ雰囲気中、再結晶温度以上、
1000℃以下の温度域で均熱時間200秒間以下の
連続焼鈍を施して鋼板表層部にCrを濃化せし
めるとともにNiめつき層を合金化するように
したことを特徴とするCr系ステンレス鋼薄板
の製造方法。 にある。 以下、本発明を詳細に説明する。 発明者等は、本発明における技術的課題を解決
すべく、多くの実験を伴う研究を重ねた結果、最
終焼鈍の前段階即ち、冷間圧延後のCr系ステン
レス鋼薄板にNiめつきを施し、次いで、Ni、Fe
にとつて非酸化性となる雰囲気下に鋼板の焼鈍し
熱拡散せしめることによつて、鋼中のCrが鋼板
表面近傍に濃縮してきて鋼板厚さ方向中心部にお
けるCr濃度以上のCr濃度となり、鋼板の耐食性、
耐錆性を飛躍的に向上させ得ることを見出した。 叙上のように、Cr系ステンレス鋼薄板にNi域
はNiを主成分とするめつきを施し、Ni、Feにと
つて非酸化性となる雰囲気下に鋼板を焼鈍し熱拡
散せしめることによつて、鋼中のCrが鋼板表面
に濃縮してくる。このように、鋼板の厚さ方向中
心部よりも表層部の方がCr濃度が高くなるのは、
表面にめつきされたNiは鋼中へ拡散し、鋼中の
CrがNi層へ拡散して濃度が均一化しようとする
だけではなく、焼鈍雰囲気が、Ni、Feにとつて
は還元性雰囲気であり、Crにとつては酸化性雰
囲気であるような場合、たとえば、H2:1〜20
%、残部:N2からなり、露点が−40℃〜−10℃
であるような雰囲気である場合、CrはO2に対す
る親和力が格段に強いことに起因して、Crが
H2Oに引かれて鋼板表面に濃縮するためである
と、発明者等は推察している。 本発明において重要な点は、焼鈍雰囲気と鋼板
(ストリツプ)加熱温度・時間とNi域はNiを主成
分とする合金めつきの厚さの関係である。鋼板の
加熱温度が高くなればCrの拡散速度は速くなり、
加熱時間が長くなればCrは鋼板表面で酸化し、
所謂ブルーイングを生じる。肉眼でテンパーカラ
ーと看板し得ない、100Å以下のCr酸化膜厚さと
なるよう鋼板の酸化を抑えなければならない。 通常、フエライト系ステンレス鋼薄板の光輝焼
鈍は、H2:75%+N2:25%、露点:−50℃以下
のAXガス雰囲気中、800〜900℃の温度域で連続
焼鈍の形態でなされる。この場合の鋼板の加熱時
間は数十秒間〜数分間であるから、Crの拡散距
離は1μmに満たない。フエライト系ステンレス
鋼薄板を、普通鋼の冷延薄板のように箱焼鈍する
と、焼鈍時間が長いため光輝焼鈍とはなり難い。 従つて、本発明にあつて、Cr系ステンレス鋼
薄板にNiあるいはNiを主成分とする合金をめつ
きして焼鈍−熱拡散させるには、Cr系ステンレ
ス鋼薄板の再結晶温度以上、1000℃以下の温度域
で鋼板(ストリツプ)を連続焼鈍するプロセスで
なければならない。而して、本発明においては、
冷間圧延後鋼板(ストリツプ)に施すNiあるい
はNiを主成分とする合金めつきを、あまり厚く
すると、発明における技術的課題を解決すること
ができない。本発明においては、冷間圧延後鋼板
(ストリツプ)に施すNiあるいはNiを主成分とす
る合金めつきの厚さは、0.1μm以上、5μm未満に
限定されなければならない。めつき厚さが5μm
以上に厚くなると、Crの対酸素親和力を利用す
るCrの鋼板表面およびその近傍への濃縮を、短
時間の連続焼鈍工程で成し遂げることができな
い。一方、めつき厚さが0.1μm未満と薄過ぎる
と、耐食性皮膜として不十分となり、連続焼鈍工
程でCrが鋼板表面で酸化してしまうことを防止
するバリアーとしての機能をもたなくなるおそれ
がでてくる。 NiめつきあるいはNiを主成分とする合金めつ
きを施されたCr系ステンレス鋼薄板を連続焼鈍
するときの雰囲気は、従来、光輝焼鈍用雰囲気と
して用いられている、H2:75%+N225%、露
点:−50℃以下のAXガスを用いてもよいが、本
発明における材料はNiめつきあるいはNiを主成
分とする合金めつきを施されているから、通常の
材料に比し酸化し難く、従つてH2:1.5%、残
部:N2からなり、露点:−10℃程度の雰囲気を
用いる普通鋼板用の連続焼鈍炉によつても光輝焼
鈍することができる。 加えて、本発明においては、焼鈍雰囲気にH2
濃度の低いガスを用いることができるから、製造
コスト面で有利であるのみならず、爆発の危険も
なく安全面でも極めて好ましい。また、焼鈍雰囲
気の露点が、−50℃より少々高くなつても光輝焼
鈍することができるということは、連続焼鈍炉の
構造やシール機構に対するシビアさが緩和される
とともに、操業上の利点も大きい。このように、
本発明は、低Crのステンレス鋼薄板に高Crステ
ンレス鋼薄板並に優れた耐食性、耐錆性を付与す
ることができるほか、焼鈍工程上も大きな利点を
もたらす。 従来、普通鋼薄板にNiめつきすることが知ら
れているけれども、これは、鋼板へのNi被覆に
よつて耐食性を向上せしめようとするものであ
る。しかしながら、Niめつきのみでは欠陥を完
全になくすことはできず、長時間に亙つて鋼板の
耐食性、耐錆性を維持することはできない。 本発明の、冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄
板に規定厚さのNiめつきあるいはNiを主成分と
する合金めつきを施し、次いで、焼鈍−熱拡散さ
せることによつて、Ni−Crの合金皮膜を形成す
るとともに、Crの対酸素親和力を利用して鋼板
表面乃至その近傍にCrを濃度せしめるようにし
たCr系ステンレス鋼薄板の製造方法は、全く新
しい方法である。本発明によつて得られるCr系
ステンレス鋼薄板の合金皮膜は、耐食性、耐錆性
にすぐれているのみならず、最表面のNiあるい
はNiを主成分とする合金皮膜によつて、めつき
性、塗装性も飛躍的に向上し、本発明によつて得
られるCr系ステンレス鋼薄板は、塗装ステンレ
ス鋼薄板、缶用材料、ICリードフレーム材とし
ても最適である。 本発明において、Niを主成分とする合金めつ
きとしては、NiにCr、Mo、Ti、W、P、B等
耐食性を向上させる元素の1種または2種以上を
合計量で1〜20%の範囲内で含有せしめた合金め
つきを適用することができる。この合金めつきを
適用するときは、製品の耐食性を向上せしめる点
で有効である。 次に、本発明における鋼中のCr含有量につい
て述べる。 鋼中のCr量の0〜9%の範囲内で変化させた
試験材にNiめつきしたものおよびNi−Crめつき
したものを、H2:5%+Ni:95%、露点:−40
℃の雰囲気中、800℃×1分間焼鈍し、得られた
試験片の耐食性試験を行なつた。 その結果を、表1に示す。
に関し、特に、表面処理と熱処理の結合によつ
て、耐食性、耐錆性に優れたCr系ステンレス鋼
薄板を低コストで量産できる製造方法に関するも
のである。 [従来の技術] 従来、ステンレス鋼薄板は、FeにCr、Ni或は
さらに少量のMo、Al、Ti等の合金元素を添加し
て溶製して鋼片とし、これを熱間圧延→熱延板焼
鈍・酸洗→冷間圧延→光輝焼鈍→調質圧延といつ
たプロセスで、或は熱間圧延→熱延板焼鈍・酸洗
→冷間圧延→酸化焼鈍→酸洗・調質圧延或は研摩
といつたプロセスでさらには、これらを組合せた
プロセスによつて製造されている。 処で、ステンレス鋼の主成分であるCrは、Fe
に比し酸素に対する親和力がはるかに強いために
酸化し易く、熱間圧延、酸化焼鈍といつた処理工
程でスケールとなる。 このことに起因して、Cr系ステンレス鋼薄板
は、製造プロセスにおいて酸化−デスケーリング
が繰返される過程で、鋼板の厚さ方向中心部より
も表層部においてCr含有量が少ない所謂脱Cr層
を形成する。発明者等が、代表的なCr系ステン
レス鋼であるSUS430鋼の薄板を調べた処、第1
図に示すように、鋼板厚さ方向中心部のCr量は
17.1%であつたのに対し、最表面のCr量は8.6%
しかなかつた。 ステンレス鋼薄板の重要な特性は、耐食性、耐
錆性である。これらの特性は、鋼中のCr量に大
きく影響されるが、肝心の鋼板最表面でCr量が
欠乏していると、鋼板がこれら特性を発揮するこ
とができない。しかも、ステンレス鋼薄板の耐食
性、耐錆性は、実に鋼板最表面から数十Åから数
μm厚さの部分における成分やCr2O3皮膜の緻密
さによつて決まる。 ステンレス鋼薄板の製造プロセスにおいて、材
料に何回かのスケール形成があることは避けられ
ず、従つて、鋼板表層に脱Cr層が形成されるこ
とも避けられない。そこで、最終製品にCrめつ
きを施すことによつて鋼板最表面の耐食性を向上
させることが考えられるけれども、Crめつき層
を微視的(ミクロ)に見ると、亀裂や点欠陥があ
り、鋼板に十分な耐食性を付与することができな
い。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は、上に述べた従来技術における問題を
解決し、耐食性、耐錆性に優れたCr系ステンレ
ス鋼薄板を、低いコストで量産することができる
製造プロセスを提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明の特徴とする処は、 1 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiめつきを施し、
次いで、Ni、Feに対して還元性でありCrに対
して酸化性である、H2とN2からなり−50℃〜
−10℃の露点をもつ雰囲気中、再結晶温度以
上、1000℃以下の温度域で均熱時間200秒間以
下の連続焼鈍を施して鋼板表層部にCrを濃化
せしめるとともにNiめつき層を合金化するよ
うにしたことを特徴とするCr系ステンレス鋼
薄板の製造方法。 2 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiを主成分として
これにCr、Mo、Ti、W、P、Bの1種または
2種以上を含有する合金めつきを施し、次い
で、Ni、Feに対して還元性でありCrに対して
酸化性である、H2とN2からなり−50℃〜−10
℃の露点をもつ雰囲気中、再結晶温度以上、
1000℃以下の温度域で均熱時間200秒間以下の
連続焼鈍を施して鋼板表層部にCrを濃化せし
めるとともにNiめつき層を合金化するように
したことを特徴とするCr系ステンレス鋼薄板
の製造方法。 にある。 以下、本発明を詳細に説明する。 発明者等は、本発明における技術的課題を解決
すべく、多くの実験を伴う研究を重ねた結果、最
終焼鈍の前段階即ち、冷間圧延後のCr系ステン
レス鋼薄板にNiめつきを施し、次いで、Ni、Fe
にとつて非酸化性となる雰囲気下に鋼板の焼鈍し
熱拡散せしめることによつて、鋼中のCrが鋼板
表面近傍に濃縮してきて鋼板厚さ方向中心部にお
けるCr濃度以上のCr濃度となり、鋼板の耐食性、
耐錆性を飛躍的に向上させ得ることを見出した。 叙上のように、Cr系ステンレス鋼薄板にNi域
はNiを主成分とするめつきを施し、Ni、Feにと
つて非酸化性となる雰囲気下に鋼板を焼鈍し熱拡
散せしめることによつて、鋼中のCrが鋼板表面
に濃縮してくる。このように、鋼板の厚さ方向中
心部よりも表層部の方がCr濃度が高くなるのは、
表面にめつきされたNiは鋼中へ拡散し、鋼中の
CrがNi層へ拡散して濃度が均一化しようとする
だけではなく、焼鈍雰囲気が、Ni、Feにとつて
は還元性雰囲気であり、Crにとつては酸化性雰
囲気であるような場合、たとえば、H2:1〜20
%、残部:N2からなり、露点が−40℃〜−10℃
であるような雰囲気である場合、CrはO2に対す
る親和力が格段に強いことに起因して、Crが
H2Oに引かれて鋼板表面に濃縮するためである
と、発明者等は推察している。 本発明において重要な点は、焼鈍雰囲気と鋼板
(ストリツプ)加熱温度・時間とNi域はNiを主成
分とする合金めつきの厚さの関係である。鋼板の
加熱温度が高くなればCrの拡散速度は速くなり、
加熱時間が長くなればCrは鋼板表面で酸化し、
所謂ブルーイングを生じる。肉眼でテンパーカラ
ーと看板し得ない、100Å以下のCr酸化膜厚さと
なるよう鋼板の酸化を抑えなければならない。 通常、フエライト系ステンレス鋼薄板の光輝焼
鈍は、H2:75%+N2:25%、露点:−50℃以下
のAXガス雰囲気中、800〜900℃の温度域で連続
焼鈍の形態でなされる。この場合の鋼板の加熱時
間は数十秒間〜数分間であるから、Crの拡散距
離は1μmに満たない。フエライト系ステンレス
鋼薄板を、普通鋼の冷延薄板のように箱焼鈍する
と、焼鈍時間が長いため光輝焼鈍とはなり難い。 従つて、本発明にあつて、Cr系ステンレス鋼
薄板にNiあるいはNiを主成分とする合金をめつ
きして焼鈍−熱拡散させるには、Cr系ステンレ
ス鋼薄板の再結晶温度以上、1000℃以下の温度域
で鋼板(ストリツプ)を連続焼鈍するプロセスで
なければならない。而して、本発明においては、
冷間圧延後鋼板(ストリツプ)に施すNiあるい
はNiを主成分とする合金めつきを、あまり厚く
すると、発明における技術的課題を解決すること
ができない。本発明においては、冷間圧延後鋼板
(ストリツプ)に施すNiあるいはNiを主成分とす
る合金めつきの厚さは、0.1μm以上、5μm未満に
限定されなければならない。めつき厚さが5μm
以上に厚くなると、Crの対酸素親和力を利用す
るCrの鋼板表面およびその近傍への濃縮を、短
時間の連続焼鈍工程で成し遂げることができな
い。一方、めつき厚さが0.1μm未満と薄過ぎる
と、耐食性皮膜として不十分となり、連続焼鈍工
程でCrが鋼板表面で酸化してしまうことを防止
するバリアーとしての機能をもたなくなるおそれ
がでてくる。 NiめつきあるいはNiを主成分とする合金めつ
きを施されたCr系ステンレス鋼薄板を連続焼鈍
するときの雰囲気は、従来、光輝焼鈍用雰囲気と
して用いられている、H2:75%+N225%、露
点:−50℃以下のAXガスを用いてもよいが、本
発明における材料はNiめつきあるいはNiを主成
分とする合金めつきを施されているから、通常の
材料に比し酸化し難く、従つてH2:1.5%、残
部:N2からなり、露点:−10℃程度の雰囲気を
用いる普通鋼板用の連続焼鈍炉によつても光輝焼
鈍することができる。 加えて、本発明においては、焼鈍雰囲気にH2
濃度の低いガスを用いることができるから、製造
コスト面で有利であるのみならず、爆発の危険も
なく安全面でも極めて好ましい。また、焼鈍雰囲
気の露点が、−50℃より少々高くなつても光輝焼
鈍することができるということは、連続焼鈍炉の
構造やシール機構に対するシビアさが緩和される
とともに、操業上の利点も大きい。このように、
本発明は、低Crのステンレス鋼薄板に高Crステ
ンレス鋼薄板並に優れた耐食性、耐錆性を付与す
ることができるほか、焼鈍工程上も大きな利点を
もたらす。 従来、普通鋼薄板にNiめつきすることが知ら
れているけれども、これは、鋼板へのNi被覆に
よつて耐食性を向上せしめようとするものであ
る。しかしながら、Niめつきのみでは欠陥を完
全になくすことはできず、長時間に亙つて鋼板の
耐食性、耐錆性を維持することはできない。 本発明の、冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄
板に規定厚さのNiめつきあるいはNiを主成分と
する合金めつきを施し、次いで、焼鈍−熱拡散さ
せることによつて、Ni−Crの合金皮膜を形成す
るとともに、Crの対酸素親和力を利用して鋼板
表面乃至その近傍にCrを濃度せしめるようにし
たCr系ステンレス鋼薄板の製造方法は、全く新
しい方法である。本発明によつて得られるCr系
ステンレス鋼薄板の合金皮膜は、耐食性、耐錆性
にすぐれているのみならず、最表面のNiあるい
はNiを主成分とする合金皮膜によつて、めつき
性、塗装性も飛躍的に向上し、本発明によつて得
られるCr系ステンレス鋼薄板は、塗装ステンレ
ス鋼薄板、缶用材料、ICリードフレーム材とし
ても最適である。 本発明において、Niを主成分とする合金めつ
きとしては、NiにCr、Mo、Ti、W、P、B等
耐食性を向上させる元素の1種または2種以上を
合計量で1〜20%の範囲内で含有せしめた合金め
つきを適用することができる。この合金めつきを
適用するときは、製品の耐食性を向上せしめる点
で有効である。 次に、本発明における鋼中のCr含有量につい
て述べる。 鋼中のCr量の0〜9%の範囲内で変化させた
試験材にNiめつきしたものおよびNi−Crめつき
したものを、H2:5%+Ni:95%、露点:−40
℃の雰囲気中、800℃×1分間焼鈍し、得られた
試験片の耐食性試験を行なつた。 その結果を、表1に示す。
【表】
表1から明らかなように、鋼中のCr量が7%
以上の場合はSUS430鋼並の耐食性を示すが、鋼
中のCr量が4.3%以下になると、耐食性が急激に
劣化する。 鋼中のCr量が4.3%以下と少なくなると、鋼板
にめつきしたNi、Crは、鋼中に拡散して表層部
に残らなくなり、鋼板の耐食性を向上せしめ得な
いが、鋼中のCr量が7%以上になると、鋼中の
Crが鋼板の焼鈍中に表面およびその近傍に濃縮
して緻密なNi−Crの合金皮膜を形成して、製品
の耐食性を飛躍的に高めるものと思われる。 また、冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に
NiあるいはNiを主成分とする合金をめつきする
方法は、電解めつきあるいは無電解の化学めつき
の何れであつてもよく、めつきの方法にはとらわ
れないが、連続焼鈍プロセスに電解清浄−活性化
処理−めつき−水洗が前処理工程としてビルト・
インされるときは、電解めつきの方が短時間で所
定のめつき厚を確保でき、好ましい。 一般に、ステンレス鋼とは、Cr量が12%以上
である鋼と定義づけられているが、17%Crの
SUS430鋼薄板でも、鋼板表面はCr量が12%に満
たない。 本発明は、むしろ7%Cr鋼の鋼板でも、めつ
きおよびCrの対酸素親和力を利用する熱拡散に
よつて、鋼板表面をCr12%以上の合金皮膜を形
成し得る、新しいCr系ステンレス鋼薄板をの製
造方法を提供するものである。従つて、本発明が
対象とするCr系ステンレス鋼とは、Cr含有量が
7%以上の鋼をいう。 [実施例] 実施例 1 SUS430鋼(17%Cr鋼)を冷間圧延して得られ
た、厚さ0.8mmの薄板に、厚さ約0.5μmのNiめつ
きを施した。この材料を、普通鋼焼鈍用の連続焼
鈍炉を用いて、H2:1.5%+Ni:98.5%、露点:
−10℃の雰囲気中、鋼板(ストリツプ)温度が
850℃であり均熱時間が20秒間となるように焼鈍
した。 この雰囲気と温度の下では、Niめつきしない
SUS430鋼薄板は酸化して青紫色のテンパーカラ
ーを生じるが、本発明によるNiめつきを施した
Cr系ステンレス鋼薄板は、酸化せず光輝焼鈍が
可能であつた。Niめつきを施したCr系ステンレ
ス鋼薄板を焼鈍する前の材料から採取した試片
と、焼鈍した後の材料から採取した試片を表面か
らオージエ分析してみると、第2図A,Bに示す
結果が得られた。第2図A,BはNiめつきした
Cr系ステンレス鋼薄板の焼鈍による熱拡散の状
態を示している。第2図Aに、焼鈍前の材料から
採取した試片の最表面からの深さに応じたFe、
Ni、Cr、Oの量を示す。第2図Bに、850℃×20
秒間の焼鈍を施した材料から採取した試片の最表
面からの深さに応じたFe、Ni、Cr、Oの量を示
す。第2図Aに示すように、焼鈍前の材料は、最
表面から0.5〜0.6μm深さまで100%Ni層となつて
いる。これが、焼鈍後には第2図Bに示すように
Niが鋼板の厚さ方向内部へ拡散し、Crが鋼板表
面およびその近傍へ濃縮している。 このように、焼鈍によつて鋼板表面のNi層に
鋼中のFe、Crが拡散してきて、Fe−Ni−Crの合
金皮膜を形成し、Crは鋼板の厚さ方向中心部よ
りも表層部に濃化している。このようにして得ら
れたSUS430鋼薄板製品に対し、従来の製造プロ
セスによつて得らてたSUS430鋼薄板の光輝焼鈍
(BA)材およびSUS304鋼薄板(18%Cr〜8%Ni
鋼)の光輝焼鈍(BA)材とともに暴露試験なら
びに塩水噴霧試験(H2O2添加)をした。その結
果を、表2に示す。
以上の場合はSUS430鋼並の耐食性を示すが、鋼
中のCr量が4.3%以下になると、耐食性が急激に
劣化する。 鋼中のCr量が4.3%以下と少なくなると、鋼板
にめつきしたNi、Crは、鋼中に拡散して表層部
に残らなくなり、鋼板の耐食性を向上せしめ得な
いが、鋼中のCr量が7%以上になると、鋼中の
Crが鋼板の焼鈍中に表面およびその近傍に濃縮
して緻密なNi−Crの合金皮膜を形成して、製品
の耐食性を飛躍的に高めるものと思われる。 また、冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に
NiあるいはNiを主成分とする合金をめつきする
方法は、電解めつきあるいは無電解の化学めつき
の何れであつてもよく、めつきの方法にはとらわ
れないが、連続焼鈍プロセスに電解清浄−活性化
処理−めつき−水洗が前処理工程としてビルト・
インされるときは、電解めつきの方が短時間で所
定のめつき厚を確保でき、好ましい。 一般に、ステンレス鋼とは、Cr量が12%以上
である鋼と定義づけられているが、17%Crの
SUS430鋼薄板でも、鋼板表面はCr量が12%に満
たない。 本発明は、むしろ7%Cr鋼の鋼板でも、めつ
きおよびCrの対酸素親和力を利用する熱拡散に
よつて、鋼板表面をCr12%以上の合金皮膜を形
成し得る、新しいCr系ステンレス鋼薄板をの製
造方法を提供するものである。従つて、本発明が
対象とするCr系ステンレス鋼とは、Cr含有量が
7%以上の鋼をいう。 [実施例] 実施例 1 SUS430鋼(17%Cr鋼)を冷間圧延して得られ
た、厚さ0.8mmの薄板に、厚さ約0.5μmのNiめつ
きを施した。この材料を、普通鋼焼鈍用の連続焼
鈍炉を用いて、H2:1.5%+Ni:98.5%、露点:
−10℃の雰囲気中、鋼板(ストリツプ)温度が
850℃であり均熱時間が20秒間となるように焼鈍
した。 この雰囲気と温度の下では、Niめつきしない
SUS430鋼薄板は酸化して青紫色のテンパーカラ
ーを生じるが、本発明によるNiめつきを施した
Cr系ステンレス鋼薄板は、酸化せず光輝焼鈍が
可能であつた。Niめつきを施したCr系ステンレ
ス鋼薄板を焼鈍する前の材料から採取した試片
と、焼鈍した後の材料から採取した試片を表面か
らオージエ分析してみると、第2図A,Bに示す
結果が得られた。第2図A,BはNiめつきした
Cr系ステンレス鋼薄板の焼鈍による熱拡散の状
態を示している。第2図Aに、焼鈍前の材料から
採取した試片の最表面からの深さに応じたFe、
Ni、Cr、Oの量を示す。第2図Bに、850℃×20
秒間の焼鈍を施した材料から採取した試片の最表
面からの深さに応じたFe、Ni、Cr、Oの量を示
す。第2図Aに示すように、焼鈍前の材料は、最
表面から0.5〜0.6μm深さまで100%Ni層となつて
いる。これが、焼鈍後には第2図Bに示すように
Niが鋼板の厚さ方向内部へ拡散し、Crが鋼板表
面およびその近傍へ濃縮している。 このように、焼鈍によつて鋼板表面のNi層に
鋼中のFe、Crが拡散してきて、Fe−Ni−Crの合
金皮膜を形成し、Crは鋼板の厚さ方向中心部よ
りも表層部に濃化している。このようにして得ら
れたSUS430鋼薄板製品に対し、従来の製造プロ
セスによつて得らてたSUS430鋼薄板の光輝焼鈍
(BA)材およびSUS304鋼薄板(18%Cr〜8%Ni
鋼)の光輝焼鈍(BA)材とともに暴露試験なら
びに塩水噴霧試験(H2O2添加)をした。その結
果を、表2に示す。
【表】
表2から明らかなように、本発明による、所定
厚さNiめつきされた後連続焼鈍されたCr系ステ
ンレス鋼(SUS430鋼)薄板は、SUS304鋼薄板
以上の耐食性を示している。なお、製品の耐食性
評価は、表1におけると同様である。 実施例 2 SUS409鋼(11%Cr鋼)を冷間圧延して得られ
た、厚さ0.8mmの薄板に、表3に示す種々のNi合
金めつきを種々の厚さで施した。次いで、H2:
20%+Ni:80%、露点:−40℃の雰囲気中、鋼
板(ストリツプ)温度が850℃であり均熱時間が
20秒間の連続焼鈍を施した。こうして得られた製
品に対し、従来の製造プロセスによつて得られた
SUS409鋼薄板の光輝焼鈍(BA)材および
SUS304鋼薄板(18%Cr−8%Ni鋼)の光輝焼鈍
(BA)材とともに暴露試験ならびに塩水噴霧試
験(H2O2添加)をした。その結果を、表3に示
す。
厚さNiめつきされた後連続焼鈍されたCr系ステ
ンレス鋼(SUS430鋼)薄板は、SUS304鋼薄板
以上の耐食性を示している。なお、製品の耐食性
評価は、表1におけると同様である。 実施例 2 SUS409鋼(11%Cr鋼)を冷間圧延して得られ
た、厚さ0.8mmの薄板に、表3に示す種々のNi合
金めつきを種々の厚さで施した。次いで、H2:
20%+Ni:80%、露点:−40℃の雰囲気中、鋼
板(ストリツプ)温度が850℃であり均熱時間が
20秒間の連続焼鈍を施した。こうして得られた製
品に対し、従来の製造プロセスによつて得られた
SUS409鋼薄板の光輝焼鈍(BA)材および
SUS304鋼薄板(18%Cr−8%Ni鋼)の光輝焼鈍
(BA)材とともに暴露試験ならびに塩水噴霧試
験(H2O2添加)をした。その結果を、表3に示
す。
【表】
従来の製造プロセスによつて得られたSUS409
鋼薄板は、11%Crとはいうものの最表面は脱Cr
層となつており、Crは5%程度であつた。また、
SUS409鋼薄板はステンレス鋼板の分類には入ら
ず、耐熱鋼に分類されている。 本発明によれば、かかるSUS409鋼薄板であつ
ても、規定厚さのNiあるいはNiを主成分とする
合金をめつきし、連続焼鈍によつて熱拡散せしめ
ることにより、SUS304鋼(17%Cr)以上の耐食
性を付与することができる。 [発明の効果] 本発明、簡潔なプロセスで、耐食性、耐錆性に
優れたCr系ステンレス鋼薄板を低コストで量産
できる効果を奏する。
鋼薄板は、11%Crとはいうものの最表面は脱Cr
層となつており、Crは5%程度であつた。また、
SUS409鋼薄板はステンレス鋼板の分類には入ら
ず、耐熱鋼に分類されている。 本発明によれば、かかるSUS409鋼薄板であつ
ても、規定厚さのNiあるいはNiを主成分とする
合金をめつきし、連続焼鈍によつて熱拡散せしめ
ることにより、SUS304鋼(17%Cr)以上の耐食
性を付与することができる。 [発明の効果] 本発明、簡潔なプロセスで、耐食性、耐錆性に
優れたCr系ステンレス鋼薄板を低コストで量産
できる効果を奏する。
第1図は、SUS430鋼の冷延板の表面からの厚
さ方向中心部へ向けてのCr量の変化を示すブラ
フ、第2図Aは、本発明になるCr系ステンレス
鋼薄板の製造方法によるときの、焼鈍前の材料の
厚さ方向におけるNi、Fe、Crの濃度を示す図、
第2図Bは、本発明になるCr系ステンレス鋼薄
板の製造方法によるときの、焼鈍後の材料を厚さ
方向におけるNi、Fe、Crの濃度を示す図である。
さ方向中心部へ向けてのCr量の変化を示すブラ
フ、第2図Aは、本発明になるCr系ステンレス
鋼薄板の製造方法によるときの、焼鈍前の材料の
厚さ方向におけるNi、Fe、Crの濃度を示す図、
第2図Bは、本発明になるCr系ステンレス鋼薄
板の製造方法によるときの、焼鈍後の材料を厚さ
方向におけるNi、Fe、Crの濃度を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiめつきを施し、次
いで、Ni、Feに対して還元性でありCrに対して
酸化性である、H2とN2からなり−50℃〜−10℃
の露点をもつ雰囲気中、再結晶温度以上、1000℃
以下の温度域で均熱時間200秒間以下の連続焼鈍
を施して鋼板表層部にCrを濃化せしめるととも
にNiめつき層を合金化するようにしたことを特
徴とするCr系ステンレス鋼薄板の製造方法。 2 冷間圧延後のCr系ステンレス鋼薄板に、厚
さ0.1μm以上、5μm未満のNiを主成分としてこ
れにCr、Mo、Ti、W、P、Bの1種または2種
以上含有する合金めつきを施し、次いで、Ni、
Feに対して還元性でありCrに対して酸化性であ
る、H2とN2からなり−50℃〜−10℃の露点をも
つ雰囲気中、再結晶温度以上、1000℃以下の温度
域で均熱時間200秒間以下の連続焼鈍を施して鋼
板表層部にCrを濃化せしめるとともにNiめつき
層を合金化するようにしたことを特徴とするCr
系ステンレス鋼薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264583A JPS59140389A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | ステンレス薄板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264583A JPS59140389A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | ステンレス薄板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59140389A JPS59140389A (ja) | 1984-08-11 |
JPH0331798B2 true JPH0331798B2 (ja) | 1991-05-08 |
Family
ID=11811098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1264583A Granted JPS59140389A (ja) | 1983-01-31 | 1983-01-31 | ステンレス薄板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59140389A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62136528A (ja) * | 1985-12-09 | 1987-06-19 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス薄鋼板の製造方法 |
JPS62276859A (ja) * | 1986-02-17 | 1987-12-01 | Toshiba Corp | 電子部品装置 |
US5196075A (en) * | 1988-02-17 | 1993-03-23 | Itw-Ateco Gmbh | Method for modifying and thereby improving the corrosion resistance and hardness of workpieces of ferritic steel |
US4908280A (en) * | 1989-07-10 | 1990-03-13 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Scratch and corrosion resistant, formable nickel plated steel sheet, and manufacturing method |
JP3045612B2 (ja) * | 1992-06-22 | 2000-05-29 | 東洋鋼鈑株式会社 | 高耐食性ニッケルめっき鋼帯およびその製造法 |
JP5001489B2 (ja) * | 2001-03-19 | 2012-08-15 | 東京エレクトロン株式会社 | 処理装置 |
JP6091145B2 (ja) * | 2012-10-10 | 2017-03-08 | 日新製鋼株式会社 | 表面改質ステンレス鋼板およびその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4959048A (ja) * | 1972-10-12 | 1974-06-07 |
-
1983
- 1983-01-31 JP JP1264583A patent/JPS59140389A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4959048A (ja) * | 1972-10-12 | 1974-06-07 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59140389A (ja) | 1984-08-11 |
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