JPH07164494A - 射出成形機の可塑化・射出装置 - Google Patents

射出成形機の可塑化・射出装置

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JPH07164494A
JPH07164494A JP34214493A JP34214493A JPH07164494A JP H07164494 A JPH07164494 A JP H07164494A JP 34214493 A JP34214493 A JP 34214493A JP 34214493 A JP34214493 A JP 34214493A JP H07164494 A JPH07164494 A JP H07164494A
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JP
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screw
injection
cylinder
plasticizing
plunger
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Toru Shibata
徹 柴田
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TSUOISU KK
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/53Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston
    • B29C45/54Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston and plasticising screw
    • B29C45/541Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston and plasticising screw using a hollow plasticising screw co-operating with a coaxial injection ram
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C2045/1784Component parts, details or accessories not otherwise provided for; Auxiliary operations not otherwise provided for
    • B29C2045/1792Machine parts driven by an electric motor, e.g. electric servomotor

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリュプリプラ機、インラインスクリュ機
双方の利点を取り込んだ新しいタイプの射出成形機の可
塑化・射出装置。 【構成】 可塑化シリンダ12、スクリュ14をともにテ−
パ形状とし、ねじ溝20付のスクリュ14が可塑化シリンダ
12に回転可能に配設されるとともに、プランジャ16がス
クリュ14に摺動可能に組込まれている。射出シリンダ24
が可塑化シリンダ前部に設けられ、スクリュのねじ溝2
0、射出シリンダ24に連通する流路22が、スクリュ先端
に形成されている。プランジャ先端の環状溝17に、流通
溝付のピストンリング25が配設され、ピストンリング25
を介して、プランジャ16は射出シリンダ24に摺動可能と
される。射出工程では、ピストンリング25が環状溝17の
右端でプランジャ16に接触、密着して、可塑化シリンダ
12(流路22)、射出シリンダ24の連通が自動的に遮断さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、可塑材料の可塑化・
混練と射出とを別個のプロセスで行う射出成形機の可塑
化・射出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機は、一対の金型(ダイ)を備
えた金型ユニットと、ホッパ−から供給される樹脂のよ
うな可塑材料を加熱し、せん断応力を与え、溶融して可
塑化・混練し、金型のキャビティ内に加圧下で射出する
可塑化・射出装置と、金型に所定の型締力を与える型締
装置とを具備し、これら3部材を一体的に組合せて射出
成形機が構成されている。
【0003】最近ではセラミックのような新素材も水、
樹脂等を介在物として可塑化され、成形加工されてい
る。成形加工においては、バラツキのない一定品質の
(均質な)成形品の成形が必要とされ、特に、技術的に
高度化、精密化された現在の産業界においては、均質な
成形品の量産が要求されている。そして、成形品の品
質、生産性は、主として、可塑化・射出装置および制御
方式の優劣に依存する。
【0004】成形加工については、以下が望まれている
が、従来の可塑化・射出装置では、十分に解決されてい
ない。 可塑化・混練について: (1) 一回の射出ごとに計量される樹脂(可塑材料)の混
練度が可能最大限で高くかつ均質で、また、計量ごとの
混練度がばらつかないこと。なお、で述べる現象は射
出時のみならず、可塑化・混練にも関連し、スクリュ設
計の際、考慮しなければならない。ツインスクリュ押出
機では十分な混練度が得られる。しかし、従来の可塑化
・射出装置は、ツインスクリュ押出機ほどの混練度を確
保できない。
【0005】可塑化・射出装置について: (1) 可塑化装置、射出装置は、渾然一体化されて可塑化
・射出装置を構成し、可塑化・混練、射出が連続的に行
われるが、射出側から可塑化側への逆流がないこと。 (2) 長期間の使用においても、逆止弁等の逆流防止機構
の損傷や樹脂漏れがないこと。 (3) 逆流防止機構の構成部材で、溶融樹脂の滞留、劣化
のないこと。
【0006】(4) 射出ピストン(プランジャ)の摺動運
動の妨げとなるタ−ルの付着、炭化物の生成、漏出した
溶融樹脂の固化・付着、溶融樹脂の粘性抵抗があっては
ならず、また、それらがばらつきの要因となってはなら
ないこと。
【0007】射出圧力・速度制御について: (1) 溶融樹脂は固化を伴う非ニュ−トン流体でかつ粘弾
性体であり、せん断応力を受けると粘性が変化し、ま
た、相反する粘塑性、弾性の性質の表れ方は、与えられ
る条件(圧縮速度)によって変化するし、圧力緩和によ
る圧力伝達、流動挙動の遅れ時間や粘性変化の戻り現象
もある。そのため、プランジャ、スクリュに与えられた
移動量、射出速度、射出圧力と、金型内での溶融樹脂の
流動挙動、圧力値は比例せず、また、時間的に一致する
こともない。従って、射出シリンダ内の貯蔵量(計量
値)の正確さを論じても意味がない。
【0008】(2) 射出工程は注入、圧縮充填、保圧に分
けられ、特に、保圧工程はプランジャの移動を避けて保
圧を一定値に保持するとともに、溶融樹脂が固化を開始
した時期であるため、キャビティへの溶融樹脂の再充填
を避けることが、均質な成形品を得るために必要とされ
る。従って、0.01秒単位での制御の応答性を求めるより
も、可能最大限に混練し、最小値の粘性を保持して機械
的作動特性を良好にした上で、変化に追従できる安価な
駆動装置、制御装置が必要とされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】射出成形機の可塑化・
射出装置として、スクリュプリプラタイプ、インライン
スクリュタイプの可塑化・射出装置が広く使用されてい
るが、それぞれ以下のような利点、欠点を持ち、欠点の
改善が望まれている。
【0010】ここで、スクリュプリプラタイプの可塑化
・射出装置(スクリュプリプラ機)では、可塑化シリン
ダ内でねじ溝付のスクリュを回転させて可塑材料を溶
融、可塑化・混練している。そして、可塑材料を射出シ
リンダに送り、射出シリンダ内でプランジャ(射出ピス
トン)を前進させて、射出シリンダ先端のノズルから可
塑材料を射出している。
【0011】この構成では、以下のような利点、欠点が
指摘できる。利点として、可塑化・混練、射出を別個
のプロセスで行い、加熱ゾ−ンに対してスクリュを後退
させず一定位置において可塑材料を溶融、可塑化・混練
するため、可塑材料の混練状態が安定化する。可塑化
・混練能力、射出能力が個別に設計でき、最適な設計が
可能となる。
【0012】インラインスクリュタイプの可塑化・射
出装置(インラインスクリュ機)では、射出部に固化
部、半溶融部、溶融部が介在する。しかし、スクリュプ
リプラ機では、固化部、半溶融部、溶融部が介在しない
ため、シリンダとの摺動接触長さも短く、溶融樹脂の流
動状態変化の応答がよい。
【0013】インラインスクリュ機の先端に取付けら
れた逆止弁には、設計製作の都合上、小径のねじ部が形
成され、曲げ、捩じりの外力をうけて、このねじ部が早
期に疲労、損傷しやすく、頻繁なメンテナンスが必要と
なる。しかし、スクリュプリプラ機では、このような部
分がなく、頻繁なメンテナンスが不要になる。
【0014】欠点として、2本のシリンダ(可塑化シ
リンダ、射出シリンダ)の連結部で、いわゆる、樹脂漏
れが生じ易く、連結部の設計が難しい。射出シリンダ
から可塑化シリンダへの可塑材料の逆流防止のために、
可塑化シリンダに逆止弁等の逆流防止機構を設ける必要
があり、連結部の構成が複雑化するとともに、連結部の
シ−ルが不完全になりやすく。また、溶融樹脂が逆流防
止機構に滞留して、溶融樹脂の劣化を招きやすい。
【0015】また、射出シリンダの内部は、圧縮充填工
程、保圧工程で1000Kgf /平方cmもの高圧となるため、
射出シリンダ、プランジャの隙間に、可塑材料が、微量
とはいえ侵入し滞留する。そして、滞留した可塑材料
は、長時間高温にさらされることによって、タ−ル化し
やがて炭化する。すると、射出シリンダ、プランジャ間
にかじりを生じ、プランジャの円滑な動きが確保できな
くなる。
【0016】そのため、従来においては、プランジャの
後退限位置の僅かにプランジャ寄りで、射出シリンダに
側孔を設け、隙間に滞留する可塑材料をこの側孔から流
出、排除している。しかし、排出した樹脂が固化し、隣
接する他の部品を痛めるなどの不都合を生じやすい。
【0017】これに対して、インラインスクリュ機で
は、可塑材料の可塑化、射出がスクリュによって同軸上
で行われている。つまり、シリンダ(可塑化シリンダ)
内でのねじ溝付のスクリュの回転によって可塑材料を溶
融、可塑化・混練して、可塑材料をシリンダの前部に貯
え、スクリュを前進させて、可塑材料をシリンダ先端の
ノズルから射出させている。
【0018】この構成においては、以下のような利点、
欠点が指摘されている。利点として、1本のシリンダ
(可塑化シリンダ)で可塑化・混練、射出を行うため、
構成的に複雑化せず、滞留部分がない。1本のシリン
ダのみを使用し連結部に該当する部分がないため、連結
部での樹脂漏れが発生せず連結部の設計が易しい。
【0019】他方、欠点として、射出側から可塑化側
への逆流を防止する逆止弁等の逆流防止機構がシ−ル不
良、破損しやすく、メンテナンスが難しい。スクリュ
が回転だけでなく前進するため、回転、往復動のための
動力伝達機構が、構成的に複雑化しやすい。
【0020】可塑材料をシリンダの前部に送って貯蔵
させると、可塑材料の圧力でスクリュが後退し、シリン
ダの加熱ゾ−ンに対するスクリュの相対的位置が変動す
るため、混練状態が安定化し難い。スクリュ後退長さ
を考慮してシリンダが長くなり、機長が長くなるため、
可塑化・射出装置の小型化が難しい。
【0021】可塑化・混練、射出を1つのスクリュで
行わせるため、市場でもっとも広く使用されている機種
である10トン以下の小型機でさえ、射出量を適正にしよ
うとすると、スクリュ径が細くなり(特に供給ゾ−ンが
細くなる)、供給力が不足し、スクリュのスリップを生
じて可塑化・混練が安定しない。
【0022】供給ゾ−ンの外径が細くなると、仮にスリ
ップしないとしても、可塑化・混練性を高めるために、
スクリュ背圧を上げたり、圧縮比を大きくしたりする
と、スリップし、結果として十分な可塑化・混練が得ら
れない。また、可塑化時間も長くなる。従って、L(長
さ)/D(外径)を大きく取り、長尺スクリュの途中に
特殊形状加工を施しても、十分な可塑化・混練が得られ
ない。
【0023】動力伝達機構(駆動制御装置)として、油
圧シリンダでなく、モ−タからの動力でスクリュの回
転、金型の開閉、可塑材料の射出、スクリュ、プランジ
ャの動き(往復動)を制御する構成が知られている。こ
こで、スクリュの回転等はモ−タの得意とするいわば、
速度、位置の分野に属し、モ−タによって正確な制御が
行える。
【0024】射出成形の射出工程では、プランジャ(ス
クリュプリプラ機の場合)、スクリュ(インラインスク
リュ機の場合)を所定の速度で前進させて可塑材料が金
型のキャビティに射出される。しかし、上記のように、
詳細にいえば、射出工程は注入工程、圧縮充填工程、保
圧工程に分けられ、注入工程に加えて、停止に近い低速
で加圧する圧縮充填工程の後、プランジャ、スクリュを
所定時間、所定圧力で保持する保圧工程が連続的に行わ
る。
【0025】保圧工程は射出成形に特有な工程である
が、所定圧力をプランジャ、スクリュに加える保圧工程
は、モ−タの最も苦手とする分野といえる。
【0026】さらに、射出工程(注入工程、圧縮充填工
程、保圧工程)での制御対象(被駆動体)は、金型内で
加圧下で流動する可塑材料であり、可塑材料は固化を伴
う非ニュ−トン流体でかつ粘弾性体でもある。そして、
可塑材料においては、圧縮速度の影響を受けて粘性、塑
性、弾性の性質が変化するため、プランジャ、スクリュ
の移動量、圧力と、可塑材料の流動量、可塑材料の受け
る圧縮量とは比例せず、時間的に一致もしないという特
異な追従性を有している。
【0027】このように、モ−タ自体の特性、および、
可塑材料の性質から、モ−タを利用した射出工程での力
の制御は容易でない。
【0028】射出工程(注入工程、圧縮充填工程、保圧
工程)で可塑材料の圧力(特に保圧工程での圧力、つま
り、保圧)と速度と正確に制御するために、プランジ
ャ、スクリュの速度、圧力にばらつきを生じさせないこ
とはいうまでもない。そして、従来から、サ−ボモ−タ
を利用するとともに、プランジャの位置、速度、樹脂圧
の変化を検出しフィ−ドバックさせて、力を制御する方
式が広く採用されている。しかしながら、可塑材料の特
性から、フィ−ドバックの効果は外乱によるばらつきを
抑える点にあり、フィ−ドバックによって、サ−ボモ−
タの制御そのものを制御することは期待できない。
【0029】最近では、圧力センサで樹脂圧を直接検出
し、その信号をフィ−ドバックさせてサ−ボモ−タの回
転を制御する方式が採用されている。この方式では、樹
脂圧を直接検出しているため、圧力センサが堅牢なもの
となり、圧力センサが高価にならざるを得ない。また、
いかに堅牢な圧力センサであっても、破損を免れること
はできず、圧力センサのメンテナンスが難しい。
【0030】保圧工程で溶融樹脂の固化進行中に再充填
されると、成形品の内部応力を発生させることにつなが
り、均質充填でなくなる。そのため、モ−タ駆動方式の
可塑化・射出装置においても、充填完了後は、油圧駆動
方式のリリ−フ弁動作のように、金型側と射出側との圧
力平衡を保ち続けるだけで、プランジャが前進しないで
後退もしくはその位置を保つ保圧、つまり、圧力に相当
する体積変化分だけの樹脂が引き起こす移動にとどめ、
粘弾性の影響を最小にする保圧が好ましい。
【0031】注入工程、圧縮充填工程でも同じことがい
え、急速なプランジャ移動は見掛けだけのプランジャ移
動を引き起こし、圧力相当分の充填が金型のキャビティ
になされない。特に、保圧工程直前の圧縮充填工程で
も、停止に近い低速でのプランジャ移動が要求されてお
り、サ−ボモ−タをはじめいずれのモ−タにおいても、
このような制御はモ−タの特性上難しい。
【0032】モ−タの電流、トルクの変化を検出する方
式、樹脂圧を間接的または直接的にに検出する方式のい
ずれにおいても、モ−タとして高価なサ−ボモ−タを使
用するとともに、多数の駆動制御装置、センサ等を使用
せざるを得ず、可塑化・射出装置が複雑化、高価になり
やすい。
【0033】この発明は、スクリュプリプラタイプ、イ
ンラインスクリュタイプの双方の利点を取り込んだ新し
いタイプの可塑化・射出装置の提供を目的としている。
また、この発明は、サ−ボモ−タを利用することなく射
出工程における圧力を制御する可塑化・射出装置の提供
を別の目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】この第1の目的を達成す
るために、この発明の一実施例によれば、テ−パ形状の
可塑化シリンダにねじ溝付のテ−パ形状のスクリュを回
転可能に配設し、スクリュにプランジャを摺動可能に組
込んでいる。
【0035】さらに、スクリュ先端で、スクリュ、可塑
化シリンダに隙間を残して、スクリュのねじ溝とプラン
ジャの摺接される射出シリンダとに連通する流路を形成
している。
【0036】プランジャ先端の挿入される射出シリンダ
を可塑化シリンダ前部に形成し、射出シリンダから流路
方向への逆流を防止する逆流防止機構をプランジャ先端
に設けられている。
【0037】また、第2の目的を達成するために、スリ
ップ可能な電磁クラッチを経由させて、モ−タの回転を
停止させることなく、プランジャに力を伝達している。
【0038】
【作用】前者の構成によれば、混練・可塑化能力が向上
するとともに、射出工程時、流路、射出シリンダ間、つ
まりは、可塑化シリンダ、射出シリンダ間の連通が確実
に遮断できる。
【0039】また、後者の構成によれば、1cm/sec 以下
の低速または停止状態での圧力の維持が可能となる。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0041】図1に示すように、この発明の一実施例に
係る射出成形機の可塑化・射出装置10は、可塑化シリン
ダ12に回転可能に配設されたスクリュ(可塑化スクリ
ュ)14を具備し、スクリュにプランジャ(射出プランジ
ャ)16が摺動可能に組込まれている。
【0042】スクリュ14は、ホッパ18のほぼ直下から、
直ちにテ−パ形状とされ、可塑化シリンダ12も対応する
テ−パ形状をしている。また、スクリュ14は、従来に比
較して太く、たとえば、大径側で従来の直径の10倍程度
の直径とされ、逆に、その長さは従来の1/7 程度に短く
なる。
【0043】そして、ホッパ18から供給される可塑材料
の流路となるねじ溝20が、ホッパ−の直下部分、テ−パ
部分でスクリュ14に形成されている。
【0044】スクリュ14の先端で、スクリュ、可塑化シ
リンダ12に隙間を設けて、スクリュのねじ溝20、射出シ
リンダ24に連通する流路22を形成している。
【0045】プランジャ先端の摺動する射出シリンダ24
が可塑化シリンダ12の前部に設けられ、実施例では、射
出シリンダは、可塑化シリンダ12と別体に成形されて可
塑化シリンダに螺着されている。
【0046】プランジャ16の前部に環状溝17が形成さ
れ、ピストンリング25が環状溝内に配設されて、射出シ
リンダ24に摺接し、それによって、プランジャ16は射出
シリンダ24内を摺動することとなる(図2(A) 参照)。
図2(B) に示すように、流路22から射出シリンダ24への
溶融樹脂の流入を許容する流通溝25a が、ピストンリン
グ25の先端に形成されている。
【0047】図示しないが、加熱ヒ−タが可塑化シリン
ダ12の回りに巻装されていることはいうまでもない。
【0048】この構成では、ホッパ18から落下して、可
塑化シリンダ12に供給された可塑材料は、可塑化シリン
ダ内でのスクリュ14の回転によって、ねじ溝20内で圧
縮、加熱され、溶融、可塑化・混練される。可塑化・混
練されながら、可塑材料はねじ溝20内を図の左方に送ら
れ、ねじ溝から可塑化シリンダ12、スクリュ14間の流路
22を経て、射出シリンダ24に送られ計量される(貯蔵さ
れる)。
【0049】このとき、ピストンリング25は、環状溝17
内を左方に移動し、環状溝の左端でプランジャ16に接
触、密着するが、可塑材料はピストンリングの流通溝25
a を経て射出シリンダ24に流れ込む。
【0050】射出シリンダ24の貯蔵量はロ−タリ−エン
コ−ダ(後述する)によって予め設定されており、所定
量の貯蔵を確認すると、スクリュ14の回転が停止され
る。
【0051】可塑材料が射出シリンダ24に所定量貯えら
れると、プランジャ16が前進し、オリフィス26を経て可
塑材料を金型28のキャビティに射出する。
【0052】プランジャ16が前進すると、ピストンリン
グ25は、右方に移動し、環状溝17の右端でプランジャ16
に接触、密着して、流路22、射出シリンダ24間、つまり
は、可塑化シリンダ12、射出シリンダ24間の連通を遮断
する。
【0053】このように、この発明の可塑化・射出装置
10では、プランジャ16をスクリュ14に組込むことによっ
て、スクリュ14を前進させることなく、ただ1本のシリ
ンダのもとで可塑化、射出を可能としている。
【0054】この構成では、スクリュプリプラタイプお
よびインラインスクリュタイプの双方の利点を全て併せ
持つことが可能となる。
【0055】つまり、スクリュ14が一定位置に留まって
可塑材料を溶融、可塑化・混練するため、可塑材料の混
練状態が安定化する。また、可塑化、射出を別個のプロ
セスで行っているため、可塑化・混練能力、射出容積が
個別に設計でき、最適な設計が確保できる。さらに、ス
クリュの後退長さを考慮する必要がなく、機長が短くな
り、可塑化・射出装置10が小型化できる。
【0056】1本のシリンダで可塑化・混練、射出を行
うため、構成的に小型化できる。2本のシリンダの連結
部に該当する部分がなく、連結部でのいわゆる樹脂漏れ
が生じない。
【0057】さらに、実施例のように、プランジャ16の
摺動する射出シリンダ24を可塑化シリンダ12の前部に設
け、ピストンリング25によって、可塑化シリンダ12(流
路22)、射出シリンダの連通を自動的に遮断する構成と
すれば、可塑材料の逆流が確実に防止できる。特に、ピ
ストンリング25は環状溝25a の左端でプランジャ16に高
圧化で接触、密着するため、強固なシ−ルが得られる。
【0058】ピストンリング25、プランジャ16の接触面
にチタンコ−ティングまたはセラミックコ−ティングの
ような耐蝕加工を施せば、良好なシ−ル性が長期間確保
できる。
【0059】このように、射出工程(注入工程、圧縮充
填工程、保圧工程)では、可塑化シリンダ12、射出シリ
ンダ24間の連通が自動的に遮断され、逆流が生じない。
そのため、プランジャ16、スクリュ14間からの溶融樹脂
の漏出は射出工程においてありえない。
【0060】また、可塑化(計量)工程の圧力は150Kgf
/平方cm以下であり、プランジャ16、スクリュ14間は摺
動を許すだけの最小限の隙間しか存在しないため、スク
リュ、プランジャ間からの溶融樹脂の漏出はない。この
ように、可塑化(計量)工程、射出工程のいずれにおい
ても、スクリュ、プランジャ間からの溶融樹脂の漏出が
生じない。
【0061】従って、この可塑化・射出装置10では、漏
出した溶融樹脂の固化・付着、溶融樹脂の粘性抵抗、タ
−ルの付着、炭化物の生成が問題とならず、プランジャ
16の摺動運動が妨げられない。無論、漏出した溶融樹脂
によって、隣接する他の部品を痛めることもない。
【0062】逆流防止機構を構成するピストンリング25
は、割リング形状をしているため、プランジャ16に容易
に装着でき、組立て上何ら問題がない。また、従来の逆
止弁のように疲労、破損しやすい部分(ねじ部)は、ピ
ストンリング25に存在しない。さらに、ピストンリング
25は溶融樹脂の流通溝25a を持つ簡単な構造にすぎず、
構成上、溶融樹脂の滞留、劣化を招く部分もない。無
論、逆流防止機構の故障も少なく、メンテナンス上も問
題がない。
【0063】ピストンリング25をプランジャ16に設けた
構成では、射出スクリュ14の中央孔、可塑化シリンダ1
6、射出シリンダ24の芯だしがラフに行え、許容公差が
大きく取れる。
【0064】また、プランジャ16の先端を射出シリンダ
24内に位置させたまま組立てられるため、プランジャが
射出シリンダ内に位置しない場合に比較して、可塑化・
射出装置10が容易に組立てられる。
【0065】プランジャ16はスクリュ14内を摺動するだ
けでなく、射出シリンダ24内も摺動する。もし、プラン
ジャ16の先端が、スクリュ14、射出シリンダ24の双方で
摺動すれば、スクリュから射出シリンダに入るとき、射
出シリンダの端面に当たって、円滑な摺動運動が妨げら
れる虞れがあり、スクリュ、射出シリンダに段差がない
ようスクリュ、射出シリンダを成形しなければならな
い。
【0066】しかし、実施例では、プランジャ16の初期
位置が射出シリンダ内に設定され、プランジャの先端は
射出シリンダ24のみで摺動している。つまり、プランジ
ャ16の先端の摺動運動が、単一のシリンダ(射出シリン
ダ24)内でのみ行われるため、円滑な摺動動作が確保で
きる。
【0067】可塑化シリンダ12、スクリュ14をテ−パ形
状としたため、可塑化シリンダ、スクリュ間に可塑材料
のための大きな容積(空間)が得られ、スクリュのテ−
パ形状による推力増強も加わり、大きな供給力が発生す
る。そのため、圧縮、せん断され、溶融、可塑化・混練
されながら送られる可塑材料の抵抗によるスリップ現象
が阻止され、可塑化・混練が安定化し、一定品質の成形
が可能となる。そして、断続的な計量や繰り返しばらつ
きがなく、十分なせん断力が、全ゾ−ンで得られ、安定
した可塑化・混練が十分に行われて均質な成形が可能と
なる。
【0068】また、スクリュ14をテ−パ形状としたた
め、太く短く成形でき、機長が短くなって、可塑化・射
出装置10が小型化できる。なお、小型化を重視しなけれ
ば、可塑化シリンダ12、スクリュ14をストレ−トにして
もよい。
【0069】ねじ溝20の深さを図示のように一定深さと
すれば、ねじ溝の成形加工が容易に行える。しかし、ね
じ溝20を一定深さにしなくともよい。
【0070】この発明の射出成形機の可塑化・射出装置
10では、モ−タ30の動力が電磁クラッチを経てプランジ
ャ16に伝達されている。そして、センサからのフィ−ド
バックを介することなく、電磁クラッチのスリップを利
用して注入工程から圧縮充填工程を経て保圧工程に自動
的に切り替えている。
【0071】つまり、射出成形機の可塑化・射出装置10
の動力伝達機構(動力伝達系)は以下のようになってい
る。まず、スクリュ14の動力伝達系について述べる。フ
レ−ム29上にインバ−タ付モ−タ30が配置され、モ−タ
シャフトに固定された歯車32に歯車34が噛合し、可変ト
ルク式電磁クラッチ36を介して、シャフト38にモ−タの
動力が伝達される。
【0072】そして、シャフト38の左端に固定された歯
車42と、スクリュ14に固定された歯車44との噛合によっ
て、スクリュに動力が伝達され、スクリュ14の回転は電
磁クラッチ36で制御される。
【0073】他方、プランジャ16の動力伝達系では、ボ
−ルネジを利用してプランジャに動力を伝達している。
つまり、モ−タシャフトから可変トルク式電磁クラッチ
46を介して、ボ−ルネジ48にモ−タの動力を伝達し、射
出ラム49をフレ−ムのシリンダ部30a 内で往復動可能と
している。
【0074】プランジャ16の一部にスプライン50を設け
て、プランジャ、スクリュ14を一体的に回転可能とする
とともに、プランジャは、スクリュ14内を往復動自在と
なっている。そして、プランジャ16は、その右端で、射
出ラム49に回転自在に連結されている。そのため、射出
ラム49を回転させることなく、プランジャ16、射出ラム
が一体的に移動できる。
【0075】プランジャ16、射出ラム49の動きはボ−ル
ネジ48の回転に同期し、ボ−ルネジの回転は、ボ−ルネ
ジ上の歯車52およびこの歯車に噛合する歯車54を経てロ
−タリ−エンコ−ダ56で検出されている。なお、歯車3
2、34、42、44、52、54 の代わりに、プ−リ、ベルトの組合
せを利用してもよい。
【0076】なお、プランジャ16の速度、つまりは、ボ
−ルネジ48の回転数は、インバ−タ付モ−タ30のインバ
−タの周波数で設定される。また、インバ−タによっ
て、モ−タ30のトクルも制御される。
【0077】電磁クラッチ46を介してモ−タ30の動力を
ボ−ルネジ48に伝達しているため、金型28のキャビティ
に可塑材料が充満すると、ボ−ルネジは回転停止状態と
なり、電磁クラッチ46がスリップする。そのため、モ−
タ30を駆動したまま電磁クラッチ46をスリップさせ、回
転トルクを圧力としてプランジャに加えれば、注入工
程、圧縮充填工程から保圧工程に自動的に切り替えら
れ、保圧工程が自動的に設定、維持される。
【0078】保圧工程において、樹脂圧は時間の経過と
ともに段階的に変えられ、そのための時間対応プログラ
ムは、電磁クラッチ46の電流を基準として設定されてい
る。そして、ロ−タリ−エンコ−ダ56によるボ−ルネジ
48の回転停止の検出によって、時間対応プログラムがス
タ−トするようになっている。
【0079】従来技術では、プランジャの位置、圧力を
直接検出する圧力センサの信号をフィ−ドバックして、
注入工程、圧縮充填工程から保圧工程に切り替えてい
る。
【0080】これに対してこの発明では、電磁クラッチ
46のスリップを利用して圧力を制御し、圧縮充填工程を
保圧工程に自動的に切り替えている。そのため、モ−タ
の特性の影響が排除されるとともに、非ニュ−トン粘弾
性の影響が最小となり、樹脂の自然流動が生じて均質な
成形品が得られる。
【0081】また、フィ−ドバック制御の部材が省略さ
れるとともに、高価なサ−ボモ−タの代わりに安価なイ
ンバ−タ付モ−タが使用できるため、可塑化・射出装置
10は構成的に簡素化され、小型軽量化できるとともに安
価に生産できる。
【0082】なお、実施例では、スクリュ14をホッパ18
のほぼ直下から直ちにテ−パ形状とし、ねじ溝20はスト
レ−ト部分にさほど形成されていない。しかし、スクリ
ュ14の形状はこれに限定されず、たとえば、図3(A) に
示すように、テ−パ部の始まりの前にストレ−ト部があ
ってもよい。
【0083】また、ホッパ18の直下をテ−パ形状とし、
ねじ溝20をテ−パ部分にのみ形成した形状としてもよい
(図3(B) 参照) 。
【0084】なお、スクリュ14のねじ溝20の断面形状
は、図1に示すような略円弧形に限定されず、他の種々
な形状、たとえば、図3(A)、(B) に示すような矩形形状
としてもよい。
【0085】可塑化シリンダ12、射出シリンダ24間の連
通を制御して逆流を防止する機構(逆流防止機構)とし
て、上記実施例では、プランジャ16に設けたピストンリ
ング25を利用している。
【0086】図4(A)、(B) に示すように、流通路60をプ
ランジャ16の先端周面に形成して、逆流防止機構を構成
してもよい。この構成では、流通路60の右端が流路22に
開口されて、流路、射出シリンダ24を連通させる図4
(a) の位置が、プランジャ16の初期位置となる。そし
て、スクリュ14の回転に伴って、可塑材料は、ねじ溝2
0、流路22から流通路60を経て射出シリンダ24に送られ
て貯蔵される。
【0087】図1に示す実施例では、プランジャ16の先
端は射出シリンダ24に直接摺動せず、ピストンリングを
介して間接的に摺動している。しかし、図4の実施例で
は、プランジャ16はスクリュ14だけでなく射出シリンダ
24に対しても直接摺動されている。そのため、スクリュ
14の回転停止後、プランジャ16が前進して、流通路60の
ない周面が射出シリンダ24に入り、摺動されると、可塑
化シリンダ12(流路22)、射出シリンダ24間の連通が直
ちに遮断される。
【0088】このように、この実施例においても、プラ
ンジャ16の前進(摺動)によって、可塑化シリンダ12
(流路22)、射出シリンダ24間の連通が制御でき、逆流
が防止できる。特に、この実施例では、流通路60をプラ
ンジャ16の先端周面に形成するだけで、逆流が防止で
き、逆流防止機構が簡単な構成で得られ、逆流防止機構
での溶融樹脂の滞留、固化等が十分に防止できる。ピス
トンリング25を利用した逆流防止機構よりも、故障が少
なく、メンテナンス上何らの問題もない。
【0089】逆流防止機構となる独立部材をプランジャ
16を取付ける必要がないため、射出シリンダ24、可塑化
シリンダ12が一体成形できる。
【0090】無論、プランジャ16の先端を射出シリンダ
24内に位置させたまま組立てられるため、可塑化・射出
装置10が容易に組立てられる。
【0091】この実施例では、プランジャ16が前進(摺
動)した直後においては、流通路60の右端が流路22にま
だ開口して、射出シリンダ24の溶融樹脂が流通路を経て
右方に流れる。しかし、射出開始時(注入工程)におい
ては、圧力がさほど高くなく、溶融樹脂が流路22に流れ
込んでも、プランジャ16、スクリュ14間から漏出するこ
とはない。なお、流通路60は、実施例では、軸線方向の
長溝として具体化されているが、らせん溝、S字溝等他
の形状としてもよい。
【0092】ノズルを可塑化シリンダ12の先端に移動可
能に設け、このノズルを後退させてスクリュ14に押し付
ける構成としてもよい。たとえば、図5に示すように、
可塑化シリンダ12の先端内壁をストレ−トとし、フラン
ジ64a 付のノズル64がこのストレ−ト部で可塑化シリン
ダ12に移動可能に内蔵され、スクリュ14の先端14a はノ
ズルのフランジ64a に接触可能な形状に成形されてい
る。
【0093】この実施例では、スクリュ14の先端が射出
シリンダ124 として機能し、プランジャ16は射出シリン
ダ124 に空所を残した後方位置に待機する。
【0094】射出工程においては、ノズル64が金型に押
し付けられて後退し、スクリュの先端14a に接触、密着
されて、流路22、射出シリンダ24間が遮断される。その
後、プランジャ16が前進して、注入・圧縮充填・保圧が
行われる。
【0095】この実施例では、ノズル64が金型に押し付
けられることによって、流路22、射出シリンダ24間が自
動的に遮断されて、逆流が防止できる。
【0096】ノズル64のフランジ64a をテ−パ形状とし
ているが、テ−パ形状でなくともよい。また、ノズル64
の背面、スクリュの先端間に接触面を確保できれば足
り、フランジを省略してもよい。フランジなしのノズル
64においては、ノズルの脱落を防止するように構成する
とよい。
【0097】なお、図4、図5の各実施例においても、
スクリュ14、プランジャ16の動力伝達機構として、図1
の実施例と同じ構成が利用されることはいうまでもな
い。
【0098】上記各実施例では、スクリュ14は回転する
だけで前後に移動しない。しかしながら、スクリュを回
転だけでなく摺動可能とし、スクリュの先端を可塑化シ
リンダ12の前端内壁に押し付ける構成としてもよい。た
とえば、図6、図7に示すように、可塑化シリンダ12を
ストレ−トに成形し、スクリュ14の先端14a を可塑化シ
リンダ内壁のテ−パ部12a に接触可能なテ−パ形状に形
成してもよい。
【0099】射出シリンダ124 はスクリュ14の先端に形
成され、プランジャ16は、射出シリンダに空所を残した
後方位置に待機する。可塑化工程においては、スクリュ
の先端14a は可塑化シリンダ内壁のテ−パ部12a から離
反されて、流路22を射出シリンダ124 に連通させる。
【0100】可塑化工程の最後に、スクリュ14が前進
し、スクリュの先端14a が可塑化シリンダのテ−パ部12
a に接触、密着すると、可塑化シリンダ12(流路22)、
射出シリンダ124 間の連通が遮断される。その後、プラ
ンジャ16が前進して注入・圧縮充填・保圧が行われる。
【0101】この実施例では、スクリュ14の前進によっ
て逆流が防止され、逆止弁のような公知の独立した部材
を用いる必要もない。そのため、溶融部材の滞留、固化
等による障害を招くこともない。また、故障も少なく、
メンテナンス上からも問題ない。
【0102】この実施例では、スクリュ14は回転だけで
なく摺動可能とされ、スクリュを摺動させる構成とし
て、図6に示すように、フレ−ム29にシリンダ66を設
け、スクリュの後端に固定したピストン68をシリンダ内
で往復動させればよい。たとえば、ピストンを往復動さ
せるために、空圧回路70から高圧空気が切換弁を介して
ピストンヘッドの左右サイドに供給される。
【0103】スクリュ14を摺動させる構成は、図示のも
のに限定されず、他の構成によってスクリュを摺動させ
てもよい。
【0104】スクリュを摺動させる構成を除けば、可塑
化・射出装置110 の動力伝達機構として、図1の実施例
と同じ構成が利用されており、重複を避けるため、動力
伝達機構の説明は省略する。
【0105】なお、可塑化シリンダ12、スクリュ14間に
接触面を確保できれば足り、射出シリンダ内壁、スクリ
ュ先端をテ−パ形状以外の形状、たとえば、ストレ−ト
形状、円弧形状等にしてもよい。
【0106】上述した実施例は、この発明を説明するも
のであり、この発明を何ら限定するものでなく、この発
明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこ
の発明に含まれることはいうまでもない。
【0107】
【発明の効果】上記のように、この発明の射出成形機の
可塑化・射出装置では、可塑化シリンダにねじ溝付のス
クリュを回転可能に配設し、プランジャをスクリュに組
込んでいるため、スクリュを前進させることなく、直線
上に配列された1つのシリンダのもとで可塑化、射出で
きる。
【0108】そのため、スクリュプリプラ機、インライ
ンスクリュ機の双方の利点を併せ持つことが可能とな
る。つまり、スクリュを一定位置に止めたままで可塑
化、混練でき、可塑化能力、射出容積が個別に設計さ
れ、スクリュの後退長さを考慮する必要がなく、機長が
短くなり、可塑化・射出装置が小型化できる。
【0109】大きな供給力が得られ、可塑材料の抵抗に
よるスリップ現象が阻止される。また、十分なせん断力
が、全ゾ−ンで得られ、安定した可塑化・混練が十分に
行われ、一定品質の成形が可能となる。
【0110】可塑化シリンダ、スクリュをテ−パ形状と
すれば、上記の効果に加えて、スクリュを太く短くでき
るため、機長が短くなり、可塑化・射出装置が十分に小
型化できる。
【0111】射出工程の一動作によって、つまり、射出
シリンダ内でのプランジャの摺動によって、ノズルまた
は可塑化シリンダとプランジャとの接触によって、流
路、射出シリンダ間、つまり、可塑化シリンダ、射出シ
リンダ間の連通が自動的に遮断される。そのため、溶融
樹脂の逆流が確実に防止される。
【0112】プランジャ先端にピストンリングを設けた
り、溶融樹脂の流通路を形成したり、射出シリンダまた
はノズルとプランジャとの接触によって、逆流防止機構
を構成したため、逆流防止機構が簡単な構成となり、逆
流防止機構での溶融樹脂の滞留、固化等が生じない。ま
た、従来の逆止弁等を使用しない簡単な構成であるた
め、故障し難く、頻繁なメンテナンスが不要となる。
【0113】高圧になる射出時には、可塑化シリンダ、
射出シリンダ間の連通が確実に遮断されているため、ス
クリュ、プランジャ間からの溶融樹脂の漏出が防止さ
れ、プランジャの円滑な摺動運動が確保される。
【0114】プランジャ先端にピストンリングを設けた
り、溶融樹脂の連通路を形成した構成では、プランジャ
の先端は、単一のシリンダ(射出シリンダ)内でのみ摺
動し、プランジャの円滑な摺動動作が可能となる。
【0115】電磁クラッチを介してモ−タの動力をボ−
ルネジに伝達すれば、電磁クラッチのスリップを利用し
て圧力を制御し、圧縮充填工程を保圧工程に自動的に切
り替えられる。そのため、モ−タの特性の影響が排除さ
れるとともに、非ニュ−トン粘弾性の影響が最小とな
り、樹脂の自然流動が生じて均質な成形品が得られる。
【0116】また、フィ−ドバック制御の部材が省略さ
れ、高価なサ−ボモ−タの代わりに安価なインバ−タ付
モ−タが使用できるため、可塑化・射出装置が構成的に
簡素化され、小型軽量化できるとともに安価に生産でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る射出成形機の可塑化・射出装置
の概略図である。
【図2】図1の可塑化・射出装置の一部破断の概略図で
ある。
【図3】スクリュの変形例を示す一部破断の縦断面図で
ある。
【図4】第2実施例に係る射出成形機の可塑化・射出装
置の一部破断の概略図である。
【図5】第3実施例に係る射出成形機の可塑化・射出装
置の一部破断の概略図である。
【図6】第4実施例に係る射出成形機の可塑化・射出装
置の概略図である。
【図7】図6の可塑化・射出装置の一部破断の概略図で
ある。
【符号の説明】
10、110 射出成形機の可塑化・射出装置 12 可塑化シリンダ 14 スクリュ 16 プランジャ 17 プランジャの環状溝 18 ホッパ 20 スクリュのねじ溝 22 スクリュ先端の流路 24、124 射出シリンダ 25 ピストンリング 25a ピストンリングの流路溝 28 金型 30 インバ−タ付モ−タ 36、46 電磁クラッチ 48 ボ−ルネジ 50 スプライン 56 ロ−タリ−エンコ−ダ 60 プランジャ先端の流通路 66 ピストン 68 シリンダ 70 空圧回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化シリンダにねじ溝付のスクリュを
    回転可能に配設し、スクリュにプランジャを摺動可能に
    組込むとともに、 プランジャ先端の挿入される射出シリンダを可塑化シリ
    ンダ前部に設け、 スクリュ先端で、スクリュ、可塑化シリンダに隙間を残
    してスクリュのねじ溝、射出シリンダに連通する流路を
    形成し、 射出シリンダから流路方向への逆流を防止する逆流防止
    機構をプランジャ先端に設けた射出成形機の可塑化・射
    出装置。
  2. 【請求項2】 可塑化シリンダにねじ溝付のスクリュを
    回転可能に配設し、スクリュにプランジャを摺動可能に
    組込むとともに、 プランジャ先端の摺動される射出シリンダを可塑化シリ
    ンダ前部に設け、 スクリュ先端で、スクリュ、可塑化シリンダに隙間を残
    してスクリュのねじ溝、射出シリンダに連通する流路を
    形成し、 プランジャの先端周面に、流路から射出シリンダへの溶
    融樹脂の流入を許容する流通路を形成した射出成形機の
    可塑化・射出装置。
  3. 【請求項3】 可塑化シリンダにねじ溝付のスクリュを
    回転可能に配設し、スクリュにプランジャを摺動可能に
    組込むとともに、 可塑化シリンダ先端にノズルを摺動可能に設け、 スクリュ先端で、スクリュ、可塑化シリンダに隙間を残
    してスクリュのねじ溝、ノズルに連通する流路を形成
    し、 ノズルの背面と接触可能に、スクリュの先端を形成した
    射出成形機の可塑化・射出装置。
  4. 【請求項4】 可塑化シリンダ、スクリュがいずれもテ
    −パ形状に形成されている請求項1ないし3のいずれか
    記載の射出成形機の可塑化・射出装置。
  5. 【請求項5】 可塑化シリンダ、スクリュがいずれもテ
    −パ形状に形成され、 逆流防止機構が、プランジャ先端の環状溝内に配設され
    て環状溝の端面でプランジャに接触するピストンリング
    であり、流路から射出シリンダへの溶融樹脂の流入を許
    容する流通溝がピストンリングの一端に形成されている
    請求項1記載の射出成形機の可塑化・射出装置。
  6. 【請求項6】 ピストンリング、プランジャの接触面
    に、耐蝕加工が施されている請求項5記載の射出成形機
    の可塑化・射出装置。
  7. 【請求項7】 可塑化シリンダにねじ溝付のスクリュを
    回転可能に配設し、スクリュにプランジャを摺動可能に
    組込むとともに、 スクリュ先端で、スクリュ、可塑化シリンダに隙間を残
    してスクリュのねじ溝に連通する流路を形成し、 可塑化シリンダの内壁をストレ−ト形状に形成して、ス
    クリュを可塑化シリンダ内で摺動可能とし、可塑化シリ
    ンダ内壁と密着可能にスクリュの先端を形成した射出成
    形機の可塑化・射出装置。
  8. 【請求項8】 モ−タの駆動力を電磁クラッチを経てボ
    −ルネジに伝達してプランジャを駆動させ、電磁クラッ
    チのスリップによるボ−ルネジの回転停止によって圧縮
    充填工程から保圧工程に切り替え可能とした請求項1な
    いし7のいずれか記載の射出成形機の可塑化・射出装
    置。
  9. 【請求項9】 モ−タの駆動力を電磁クラッチを経てボ
    −ルネジに伝達してプランジャを駆動させ、電磁クラッ
    チのスリップによるボ−ルネジの回転停止によって圧縮
    充填工程から保圧工程に切り替え可能とし、 電磁クラッチの電流を基準として、圧力を制御するとと
    もに保圧の時間対応プログラムを設定し、ボ−ルネジの
    回転停止を検出してそのプログラムをスタ−トさせる請
    求項1ないし7のいずれか記載の射出成形機の可塑化・
    射出装置。
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