JP3608856B2 - 長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法及び射出成形装置 - Google Patents

長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法及び射出成形装置 Download PDF

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    • B29C45/0005Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor using fibre reinforcements

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的長さの長い( 3mm〜25.4mm程度)ガラス等の繊維により強化されたペレット状熱可塑性樹脂材料を用いる射出成形方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂の強度を向上するためガラス等の繊維を混入して強化した繊維強化樹脂が用いられており、更に、ペレット化して運送を容易にし、また溶融、押出し成形を容易にするため熱可塑性樹脂を用い、これに繊維を混入し、強化してなる繊維強化熱可塑性樹脂が用いられるようになっており、主として自動車、家電、OA用部品、土木・建築資材用部品を射出成形する際に用いられている。
【0003】
このような繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形する装置としては各種のものが提案されている。図7は、例えば特公昭46−2909号公報に開示されたスクリュ型射出成形機の一部破断側面図であって、これを同図に基づいて説明すると、マシンべース 101上にはタイロッド 102で4隅を連結された固定プラテン 103とシリンダプラテン 104とが立設されており、タイロッド 102には、可動プラテン 105が固定プラテン 103に対する遠近方向へ進退自在に支持されている。固定プラテン 103の外側には、図示しない固定金型が装着されており、内側には、加熱シリンダ 106が先端のノズル 107をノズル孔に嵌合させて装着されている。 108は、加熱シリンダ 106を加熱するヒータである。可動プラテン 105の中心部には、外筒 109が先端部を加熱シリンダ 106と進退自在に嵌合させて固定されており、その周面にはヒータ 110が装着されている。一方、シリンダプラテン 104には、射出シリンダ 111のシリンダ 112が一体形成されており、このシリンダ 112の内孔には、可動プラテン 105に固定された有底円筒状の射出ラム 113が進退自在に嵌合されている。 114は、射出シリンダ 111の端面に固定された低速可変の油圧モータであって、その回転軸 115は、射出ラム 113の軸孔に回転自在に嵌合されており、この回転軸 115の先端連結部には、射出ラム 113に摺動自在に指示された円筒状の開閉ラム 116が回転方向へのみ一体となって摺動自在に嵌合されている。開閉ラム 116には、回転軸 115と同一軸心のスクリュ 117が回転方向へのみ一体となって摺動自在に嵌合されており、このスクリュ 117は、外筒 109に進退自在に嵌合されている。そして、スクリュ 117の先端頭部117aと外筒 109の端面とには、互いに対向する漏斗状の傾斜面が形成されている。 118は、開閉ラム 116と可動プラテン 105との間に介装されたスラストベアリングであって、 119は、外筒 109に固定されてこの外筒 109とスクリュー 117との間へ樹脂を供給するホッパである。また、 120は、射出ラム 113と開閉ラム 116との間の空間部へ圧油を送入するポートであり、 121は、射出シリンダ 111へ圧油を送入するポートである。
【0004】
以上のように構成された射出成形機の動作を説明する。油圧モータ 114を回転させ、射出ラム 113内にポート 120から圧油を供給して開閉ラム 116を前進限まで移動させてスクリュー 117の先端頭部117aを外筒 109の先端面から離した状態にし、ホッパ 119からスクリュー 117の周囲へ樹脂を供給すると、この樹脂は、スクリュー 117の回転によりその溝内を前進しながら混練され、外筒 109の先端面とスクリュー頭部117aとの間に形成された傾斜状のすき間tから加熱シリンダ 106内に送り込まれて所定量だけ蓄積される。この蓄積樹脂の圧力によって外筒 109及びこれと一体の可動プラテン 105を介して射出ラム 113が後退する。そして、ポート 120から射出ラム 113内の油圧を抜くとともに、ポート 121へ圧油を送入すると、射出ラム 113が前進し、可動プラテン 105と外筒 109とを介しスクリュー 117が前進して、加熱シリンダ 106内の樹脂がノズル 107から金型内へ射出される。この場合、ポート 120から油圧を抜いているので、開閉ラム 116はフリーの状態になり、スクリュー 117の先端頭部117aは外筒 109に対して相対的に後退することになる。従って、先ず最初に外筒 109が前進してその先端のすき間tが閉じてから射出が開始されるので、樹脂が逆流しない。
【0005】
以上、スクリュ型射出成形機の一例を示してその構成と動作とを説明したが、このようなスクリュ型の射出成形機においては、成形材料の種類によって次のような問題点があった。すなわち、比較的長さの長い( 3mm〜25.4mm程度)ガラス繊維を含む成形材料の機械的性質は、成形品中のガラス繊維の状態との相関性が大きく、繊維長が長くて、均一に分布した方が機械的強度が向上するが、これに対して上記スクリュー型射出成形機においては、樹脂がスクリュ 117で送られるときにその作用により混練されるため、材料中のガラス繊維が折損し長い繊維の割合が少なくなり、強度が大幅に低下する。
【0006】
その対策として、例えば図8に示すような、2軸混練機とアキュムレータを装備し、プランジャ式射出機で射出成形することが提案されている。すなわち、スクリュを2本並設してなる2軸混練機 122に対し、バレル 123から熱可塑性樹脂を供給し、バレル 124からはガラス繊維を供給して、スクリュを互い同方向に同速度で回転させる。各原料はニーディングディスク部で混練し、ベント 125から脱気した後アキュムレータ 126に供給し、ロータリバルブ 127を開放した後ピストン 128を油圧で押下し、プランジャ 129により射出シリンダ 130に供給する。そして、ロータリバルブ 131の開放とシリンダ 132の作動によってプランジャ 133を前進させ、射出シリンダ 130内の繊維混入樹脂をノズル 134から金型内に射出するものである。
【0007】
この射出成形装置においては、可塑化装置として2軸混練機 122を用い、複合材をペレット化せずに直接可塑化するものであるため、ペレット化と可塑化とによる二重の、繊維の折損を防ぐことができる。
【0008】
また他の対策として、特開平 6−198688号公報に提案されているものがある。この公報に提案の発明は、射出成形法において繊維強化材の折損を抑制する対策としては、成形機のスクリュのL/D(長さと直径の比)を小さくする、ノズル径を大きくする、圧縮比を小さくするなどが挙げられるが、これらを工夫しても繊維強化材の折損抑制には限界がある(同公報2コラム第8〜13行参照)ことから、原料樹脂を溶融してスクリュ前方に蓄積する際にその蓄積中の溶融樹脂圧を実質的にゼロとするようにスクリュ又はプランジャの後退動作を制御するものである。そして、この場合において、使用するD/Lは12〜18の範囲にあることが好ましく、スクリュの溝深さはフィード部が 8〜20mm、メータリング部が 5〜15mmの範囲にあることが好ましい。さらに圧縮比は 1.2〜 1.8であることが好ましい(同公報5コラム第35〜39行参照)。とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記図8に示す従来の射出成形装置においては、複合材をペレット化しないため二重の繊維の折損等は防止できるものの、2軸混練機 122に供給されるガラス繊維は、2本のスクリュー間で可塑化された樹脂と混合されるため大きな剪断力を受け、このため、図7に示した従来の射出成形装置と同様に、2軸混練機 122を出た後の樹脂中の繊維長は 1mm以下になってしまい、市販の短繊維ペレットを用いた場合と何ら変わるところがなくなってしまう。したがって、原材料をペレット化して搬送を簡単にするということができないにもかかわらず、繊維の折損等の面であまり効果がない。しかもペレットの繊維長が、 3〜25.4mm程度の長繊維ペレットの成形には対応することができない。
【0010】
一方、上記特開平 6−198688号公報に提案されている発明にあっては、原料樹脂ペレットの長繊維の折損を少なくすることが期待されるが、溶融樹脂圧が実質的にゼロとなるようにスクリュの圧縮比を小さくしたのでは、原料樹脂ペレットはスクリュによって溶融樹脂溜めへ溶融して搬送されるだけとなり、しかも溶融樹脂溜めでは溶融樹脂圧を実質的にゼロとするため、スクリュによって搬送されてきた溶融樹脂を溜めるだけであることから、溶融樹脂中に長繊維束が固まり状態で残ることになり、その後、製品化した際に製品の厚みが不均一になったり、表面性状が悪くなったり、強度分布が不均一になったりする問題がある。また、溜めるだけであることから、溶融樹脂の密度にバラツキが生じ、その後、製品化のため型内に排出する際に正確な計量がし難くなるとともに、製品重量にバラツキが生じ歩留りにも影響を来すことになる。
【0011】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであって、その目的は、ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を可塑化しても繊維の損傷を最小とすることができ、またペレット中の繊維束を、繊維長を保持したまま解繊しつつ樹脂を溶融することができ、強度の高い長繊維強化熱可塑性樹脂を成形し得る射出成形方法及びその装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法は、ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を、ヒータを備えたシリンダ内に互いに平行に配設されるとともに異方向に回転する深溝かつ低圧縮比形状の2本のスクリュを有する2軸スクリュ式可塑化装置により加熱溶融した後、その溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を加圧して解繊し、更にその後に射出成形するものである。
【0013】
そして、上記長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法においては、加熱溶融した後の溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を、開閉度が調節可能とされたゲートを通して解繊してもよいし、あるいは互いに平行に配置された異方向に回転する2つのロール間の隙間を通して解繊してもよい。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置は、深溝かつ低圧縮比形状の2本のスクリュをヒータを備えたシリンダ内に互いに平行に配設するとともに異方向に回転させることによって、ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練する2軸スクリュ式可塑化装置と、このスクリュ式可塑化装置の出口に接続されその出口からの溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂に圧力を付与して解繊する圧力付与手段と、この圧力付与手段の出口に接続されその出口からの溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を導入して射出する射出機とからなるものである。
【0015】
そして、上記長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置においては、圧力付与手段が、開閉度が調節可能とされたゲート、又は、互いに平行に且つロール間に隙間を有するように配置された異方向に回転する一対のロールであってもよい。また、前記一対のロールは、ロール回転速度を調節可能とされたものであってもよい。
【0016】
また、上記長繊維強化熱可塑性樹脂射出成形装置においては、スクリュ式可塑化装置のスクリュに、長繊維強化熱可塑性樹脂を加熱する加熱手段が設けられてあってもよいし、その加熱手段の具体的なものとしては、前記スクリュの軸心に沿って該スクリュの内部に設けられた熱媒通路と、該熱媒通路にロータリージョイントを介して接続された加熱媒体供給手段とからなるものであってもよい。
【0017】
また、上記長繊維強化熱可塑性樹脂射出成形装置においては、スクリュ式可塑化装置のシリンダ内に加熱ガスを供給する加熱ガス供給手段が、前記シリンダに接続されてあってもよい。
【0018】
また、上記長繊維強化熱可塑性樹脂射出成形装置においては、圧力付与手段の出口と射出機との間に、シリンダとプランジャとからなるアキュームレータが介設されてあってもよい。
【0019】
上記本発明方法では、 3mm〜25.4mm程度の長繊維により強化された熱可塑性樹脂ペレットを加熱溶融し、その溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を加圧して解繊するので、従来のように溶融しただけと違い、又は溶融した後にあるいは同時にスクリュ等で混練するのと違い、繊維の折損の少ない且つ繊維の固まりの少ない溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を得ることができる。したがって、この後に射出成形することにより、製品としたときに繊維が比較的均一に分散され製品の厚み、表面性状、強度及び製品重量などのバラツキを少なくできる。さらに製品歩留りの向上が期待される。
【0020】
また、本発明装置は上記のように構成したので、スクリュ式可塑化装置のシリンダ内に 3mm〜25.4mm程度の長繊維により強化された熱可塑性樹脂ペレットを供給すると、ペレットは、シリンダに備えたヒータにより樹脂が加熱溶融されるとともに、深溝かつ低圧縮比形状の互いに平行な2本のスクリュの異方向への回転によって溶融樹脂と長繊維が混練される。この混練は、スクリュの溝形状が例えば 1〜 1.5程度の低圧縮比形状となっているため、また2本のスクリュ(所謂2軸スクリュ)であるため、1本のスクリュによる場合に比較して溶融樹脂の輸送と混合が主体となり剪断力がほとんど発生しないことから長繊維の折損が低減される。このようにシリンダ内ではペレットは溶融混練(混合を主体とした混練)されながら、互いに平行な2本のスクリュの異方向への回転によって長繊維の折損を少なくして搬送されてスクリュ式可塑化装置の出口から圧力付与手段へと送られる。圧力付与手段においては、溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂に圧力を付与し加圧するので、長繊維の固まりを繊維の折損を少なくして効果的に解繊できる。このような解繊状態を得る手段の具体的な方法としては、開閉度が調節可能とされたゲートを通すことで、又は、互いに平行に且つロール間に隙間を有するように配置された異方向に回転する一対のロールの前記隙間を通すことで行える。このように解繊した溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂は、次に射出機へと送られ、この射出機において射出され成形品に成形されるので、長繊維の損傷を最小とした強度の高い長繊維強化熱可塑性樹脂製品に成形することができる。そして、このような作用を得るためにも、前記溝形状の圧縮比は 1〜 1.5程度が好ましく、より好ましくは 1〜 1.2程度がよい。その理由は、溶融樹脂を確実にスクリュで輸送し、またスクリュ回転による溶融樹脂への剪断を小さくし、繊維の損傷を防ぐためである。
【0021】
また、スクリュ式可塑化装置のシリンダに備えたヒータによる加熱に加えて、スクリュ式可塑化装置のスクリュに加熱手段を設けることで、および/または、スクリュ式可塑化装置のシリンダ内に加熱ガスを供給する加熱ガス供給手段を前記シリンダに接続することで、シリンダ内に供給されたペレットの加熱力が増大でき、これにより、例えばナイロン樹脂等、高温で可塑化する樹脂も本装置で成形することができる他、通常の熱可塑性樹脂においても短時間で溶融可塑化ができ、繊維の折損を最小限に留めることができると共に成形速度を向上させることができる。
【0022】
また、圧力付与手段の出口と射出機との間に、シリンダとプランジャとからなるアキュームレータを介設することで、スクリュ式可塑化装置及び圧力付与手段により繊維の折損を少なくして比較的均一に解繊された溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂をアキュームレータに蓄積できるとともに、出口に設けた開閉弁を開くことで射出機内へ供給することができるので、開閉弁の操作タイミングを図ることにより、スクリュ式可塑化装置及び圧力付与手段を連続稼働しながらアキュームレータを経て射出機内へ長繊維強化熱可塑性樹脂を効率的に供給することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂用射出成形装置の説明図であって、aは正断面図、bはaのA−A断面図であって、この図において、1は2軸スクリュ可塑化装置、2は射出機を示す。
【0024】
まず、2軸スクリュ可塑化装置1について説明する。シリンダ3内には異方向に回転するスクリュ4,5が平行に配置されている。各スクリュ4,5は1条ねじとし、各スクリュの歯6,7は図1bに示すような断面形状で軸線方向に一定で、またこの歯6,7により形成される溝は同図から明らかなように深溝で且つ低圧縮比(圧縮比 1〜 1.5)の形状をなしている。
【0025】
各スクリュ4,5は、シリンダ3の両端を貫通し、外部のフレームに軸受け8,9でその軸部10を支持されており、軸部10の一端部はプーリ11が固定されて、外部の駆動装置によって互いに異方向に回転駆動される。また、軸部10の中心には熱媒体流路12, 13を有し、軸部10の他端に設けたロータリジョイント14を介して高温流体が流通可能となっている。
【0026】
シリンダ3の一端部近傍にはホッパ15を備え、ホッパ15の下部開口は、シリンダ3内部のシリンダ室16の一端上部の開口17と連通し、ホッパ15から投入される長繊維が混入された熱可塑性樹脂のペレットを受け入れ可能となっている。シリンダ3の他端の下部には出口18を備え、その上方には通気孔19を形成し、シリンダ室16内と外部とを連通している。シリンダ3の外周には電熱ヒータ20を設けており、前記各スクリュ4,5の軸部10の熱媒体流路12, 13内を通る高温流体と共にシリンダ室16内を 200〜 350℃程度に加熱し、ホッパ15から投入される前記ペレットを、両スクリュ4,5の互いに異方向への回転によりシリンダ室16内の一端から他端側に搬送する時、上記加熱手段によって加熱し溶融する。また、その際、発生するガスは通気孔19から外部に放出される。なお、本実施例では、加熱手段として各スクリュ4,5の軸部10に熱媒体流路12, 13を形成し加熱する例を説明したが、これに代えて軸部10の中心にカートリッジヒータを挿入して加熱するようにしてもよい。またスクリュ4,5に加熱手段を設けずシリンダ3の外周に設けた電熱ヒータ20のみで加熱してもよい。
【0027】
シリンダ3の出口18と、射出機2の供給口21との間の供給路22には圧力付与手段としてのゲート23を有する。ゲート23は一端が揺動自在に支持され、他端近傍には作動ロッド24を有すると共に、他端部には閉止蓋25を備えている。この作動ロッド24は、図示しない油圧アクチュエータにより任意の位置に停止自在となっており、外部の制御装置により供給路22の開度を自由に設定し、また閉鎖可能となっている。
【0028】
射出機2は周知の構造をなし、油圧シリンダ26の作動によりシリンダ27内にプランジャ28を押し出すことによって、シリンダ室29内に供給された樹脂をノズル30から図示省略する金型内に射出可能となっている。シリンダ27の外周にはヒータ31を備えており、シリンダ室29内を所定温度に保持している。
【0029】
上記の装置の作動に際しては、最初、ホッパ15に 3〜25.4mmのガラス繊維、すなわち長繊維が予め混入されている熱可塑性樹脂からなるペレットを投入する。シリンダ3の外周をヒータ20で加熱し、2本のスクリュ4,5の熱媒体流路12, 13に、ロータリジョイント14を介して高温流体を通すことにより、シリンダ室16内を 200〜 350℃程度に加熱する。外部の動力源によって、プーリ11を駆動して2本のスクリュ4,5を互いに異方向に同速度で回転させ、ホッパ15から開口17を介してシリンダ室16内に供給されたペレットをシリンダ室16の一端部から他端部側に搬送する。その際、ペレットは、スクリュ4,5が深溝でかつ低圧縮比であるため大きな混練はなされず輸送と混合が主体となり、したがって、混練時の剪断力によって内部の長繊維が細かく折損されるのが防止される。
【0030】
このようにして、シリンダ3内のペレットは、スクリュ4,5の作動による剪断発熱の不足分を前記加熱手段により補われ、溶融し、シリンダ3の出口18側に送られる。この時発生するガスは、通気孔19から外部に放出される。また、シリンダ3内で出口18側に送られる溶融樹脂の圧力はゲート23の開閉度で制御可能であり、その圧力制御によって、樹脂中の繊維の束の解繊度合の制御及び通気孔19からのガス抜きが可能である。更に、スクリュの回転速度の制御による搬送力及び混合速度の調節、及び樹脂のシリンダ内での滞留時間等も任意に制御可能であり、それにより種々の溶融温度に調節することも可能となり、特性の異なる各種の樹脂に対応可能となっている。
【0031】
ゲート23によって、所定の圧力に保持されつつ供給路22を通る長繊維が混合された溶融樹脂は、射出機2のシリンダ室29内に入り、プランジャ28を後退させる。この時、油圧シリンダ26に適度の油圧を作用させ、プランジャ28が後退する力を調節し、シリンダ室29内を適度の圧力に調節することによって、シリンダ室29内に供給される樹脂の量を一定状態に保持し、計量精度を向上することもできる。シリンダ室29内に供給される樹脂の圧力によって、プランジャ28が所定位置まで後退すると、この位置に設けたリミットスイッチ32が作動し、ゲート23を閉じるとともにスクリュ4,5の駆動を停止する。
【0032】
次いでノズル30の先端の図示しないバルブを開放し、油圧シリンダ26を作動してプランジャ28を前進させることにより、ゲート23の閉鎖によって、供給口21が閉止蓋25によって閉じられているので、内部の樹脂は金型内に射出される。射出終了後は、再びゲート23を所定位置まで開放し、スクリュ4,5を駆動して前記と同様の動作を繰り返す。上記装置において、樹脂の溶融・混練をなすスクリュ4,5の形状は各種のものが使用されるが、溝深さと軸直径の比H/Dは 0.2〜 0.3程度が適切であり、その圧縮比は 1〜 1.5程度が望ましく、この範囲であれば長繊維の折損の少ない輸送と混合とを主体とした混練が行える。またスクリュ長さと直径の比L/Dは 5〜15程度が適切である。また、スクリュ4,5の歯6,7のピッチは、ホッパ15の近傍のみ歯6,7の一方又は両方のピッチをペレット長(繊維長にほぼ同じ)より長く形成してもよく、この場合、ホッパ15からの供給直後のペレットが、長く形成された溝内に入り易くなりシリンダ3の内壁と歯6,7との間に挟まれる割合が大幅に減り長繊維の折損を防ぐことができる。
【0033】
なお、上記実施例において、通気孔19からシリンダ室16内のガスを外部に排出した例を示したが、この通気孔19を用いて、窒素等の加熱された不活性ガスをシリンダ室16内に導入し、ナイロン樹脂等溶融温度の高い樹脂を用いる際に、その樹脂のペレットを加熱して溶融の補助作用をさせることもできる。このペレットを加熱した後の低温ガスは、ホッパ15等によりシリンダ室16の外部に排出する。
【0034】
〔実施例2〕
上記実施例1において、ゲート23として一端が揺動自在に支持された平板状のものを用いた例を示したが、図2に示すように、ゲート23の下方に互いに異方向に回転する一対のロール33, 33を互いに平行に配置しその下にスクリュ押出機34を配置した構成としてもよい。この場合、ロール33, 33からの溶融樹脂は、ロール33, 33のすき間を引き出される過程で押し広げられることにより長繊維がより解繊(繊維の束をほぐし繊維への樹脂の含浸をよくする)され、スクリュ押出機34によりシリンダ室29に押し込まれる。また、ロール33, 33のすき間および回転速度を任意に変更自在として、溶融樹脂の供給量を調節可能とし、それにより背圧の調整を行い、解繊度合の調整を行うことができる。したがって、本実施例2の構成においては、上記実施例1における作用効果に加えて、長繊維がより解繊される分、より強度の高い長繊維強化熱可塑性樹脂の成形が行える。
【0035】
〔実施例3〕
図3は、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂用射出成形装置の別の実施例の説明図であって、aは正断面図、bはaのB−B断面図である。この図において、41は2軸スクリュ可塑化装置、42はアキュームレータ装置、43は射出機を示す。
【0036】
2軸スクリュ可塑化装置41は、その基本構成は上記実施例1における図1に示す2軸スクリュ可塑化装置1と同じものである。すなわち、シリンダ44内には異方向に回転するスクリュ45,46が平行に配置されている。各スクリュ45,46は1条ねじとし、各スクリュの歯47,48は上記実施例1の図1bに示すような断面形状で軸線方向に一定で、またこの歯47,48により形成される溝は同図から明らかなように深溝で且つ相互に噛み合っている低圧縮比(圧縮比 1〜 1.5)の形状をなしている。
【0037】
各スクリュ45,46は、一端がシリンダ44を貫通し、外部の歯車ボックス49内においてその軸部50に取付けた歯車51を介在させて支持されており、軸部50の一端部に取付けられた油圧モータ52によって互いに異方向に回転駆動される。一方、他端は、シリンダ44内にあって頭部53が円錐体あるいは半球に形成されている。なお、軸部50の中心には熱媒体流路を形成してもよく、この場合、熱媒体流路は後部から頭部53の手前までの穴とし、内部に管を装入してその管の内外を流路とする。またはこの加熱手段に代えて軸部50の中心にカートリッジヒータを挿入してもよい。
【0038】
シリンダ44の一端部近傍にはホッパ54を備え、ホッパ54の下部開口は、シリンダ44内部のシリンダ室55の一端部の開口56と連通し、ホッパ54から投入される長繊維が混入された熱可塑性樹脂のペレットを受け入れ可能となっている。シリンダ44の他端は、スクリュ45,46の頭部53の円錐体あるいは半球に沿う、先細りの漏斗状の傾斜部57に形成され、その先端はスリット状の出口58に形成されている。シリンダ44の外周には電熱ヒータ59が設けられており、シリンダ室55内を 200〜 300℃程度に加熱し、ホッパ54から投入される前記ペレットを、両スクリュ45,46の互いに異方向への回転によりシリンダ室55内の一端から他端側に搬送する時、加熱し溶融する。そして本実施例では、前記傾斜部57の先に圧力付与手段としての圧力付与ロール装置60が、さらにその先にアキュームレータ装置42が接続されている。
【0039】
圧力付与ロール装置60は、互いに平行に配置された一対のロール61を内部に有するロールボックス62と、ロール61の軸とカップリング63を介して連結された歯車を有する歯車ボックス64と、歯車ボックス64内のいずれか一方の歯車軸とカップリング65を介して連結した油圧モータ66とで構成され、前記一対のロール61は、油圧モータ66の駆動により歯車ボックス64内の歯車を介してシリンダ44の先端出口58に搬送されてくる溶融樹脂を引き出す方向に回転し、溶融樹脂を加圧し混合されている長繊維をさらに解繊(繊維をほぐし繊維への樹脂の含浸をよくする)してロールボックス62の出口67からアキュームレータ装置42へ送り出す。
【0040】
アキュームレータ装置42は、シリンダ68とプランジャ69とからなり、プランジャ69の先端側にアキュームレータ室70を形成している。アキュームレータ室70の周囲は図示省略するヒータによって加熱されるようになっている。プランジャ69の後端にはロッド71を介して押込み用油圧シリンダ72が連結されている。また、アキュームレータ室70の先端出口73は、開閉バルブ74を介在させて射出機43に連結されている。開閉バルブ74は、図4に示すようにストッパプレート75を駆動シリンダ76によって出口73へ出入り自在に構成したものである。なお、この開閉バルブ74は、前記構成の他、回転バルブ式または他の方式の開閉バルブであってもよい。
【0041】
射出機43は、上記実施例1に示す射出機2と基本構成は同じものであって、油圧シリンダ77の作動によりシリンダ78内でプランジャ79を押し出すことによって、シリンダ室80内に供給された樹脂をノズル81から図示省略する金型内に射出可能となっている。また、シリンダ78の外周には図示省略するヒータを備えており、シリンダ室80内を所定温度に保持することができる。
【0042】
上記の装置の作動に際しては、最初、ホッパ54に 3〜25.4mmのガラス繊維、即ち長繊維が予め混入されている熱可塑性樹脂からなるペレットを投入する。シリンダ44の外周をヒータ59で加熱することにより、シリンダ室55内を 200〜 350℃程度に加熱する。油圧モータ52によって、歯車ボックス49の歯車51を介して2本のスクリュ45,46を互いに異方向に同速度で回転させ、ホッパ54の下部開口56を介してシリンダ室55内に供給されたペレットをシリンダ室55の一端部から他端部側に搬送する。その際、ペレットは、スクリュ45,46が深溝でかつ低圧縮比であるため大きな混練はなされず輸送と混合が主体となり、したがって、混練時の剪断力によって内部の長繊維が細かく折損されるのが防止される。
【0043】
このようにして、シリンダ44内のペレットは、スクリュ45,46の作動による剪断発熱の不足分を前記加熱手段により補われ、溶融し、シリンダ44の出口58側に送られる。この時発生するガスは、図示省略するベント口またはホッパ54から外部に放出される。シリンダ44の出口58側に送られてきた溶融樹脂は、圧力付与ロール装置60の互いに異方向に回転するロール61間を引き出される。この時、溶融樹脂は、ロール61間で加圧され溶融樹脂中に混合されている長繊維をさらに解繊(繊維の束をほぐし繊維への樹脂の含浸をよくする)される。ロール61間を引き出された溶融樹脂は、ロールボックス62の出口67からさらにアキュームレータ装置42へ送り出される。アキュームレータ装置42の先端出口73は、開閉バルブ74のストッパプレート75が前進して閉鎖されており、圧力付与ロール装置60から送り出された溶融樹脂はアキュームレータ室70内を充満する。その後、開閉バルブ74のストッパプレート75を後退させ出口73を開放するとともに、押込み用油圧シリンダ72を作動させプランジャ69を押込むことにより、アキュームレータ室70内の溶融樹脂を射出機43のシリンダ室80内に供給する。この時のシリンダ室80内への溶融樹脂の供給と計量は、開閉バルブ74を開いて、押込み用油圧シリンダ72を作動させプランジャ69を下降させ、このプランジャ69の下降による溶融樹脂への圧力により、樹脂圧を一定に保持し射出機43のプランジャ79を後退させながら、溶融樹脂の供給と計量が行われる。プランジャ79は、図示省略するリミットスイッチ、エンコーダ等の位置センサーで予め設定されたストロークだけ後退し、これにより溶融樹脂の供給と計量が行われる。
【0044】
なお、上記実施例においては、2軸スクリュ可塑化装置41とアキュームレータ装置42との間に圧力付与ロール装置60を設けた例を説明したが、本発明では、圧力付与ロール装置60を設けず、シリンダ44のスリット状の出口58のままでそのスリット状の出口58間を押し出すようにしてもよいし、あるいは圧力付与ロール装置60に代えてスタティックミキサー等で、溶融樹脂を加圧し混合されている長繊維をさらに解繊(繊維をほぐし繊維への樹脂の含浸をよくする)し得るものであれば適宜使用できる。
【0045】
因みに、上記実施例3の構成の射出成形装置と、径 3mm×長さ11mmの樹脂ペレットを用いて、2軸スクリュ可塑化装置41(スクリュ直径 150mm、L/D=10、圧縮比 1.0、溝深さ20mm、スクリュ回転数 7.5rpm )の通過後と更に圧力付与ロール装置60(ロール径 200mm、ロール間の隙間 0.5mm、ロール回転数 20.0rpm)の通過後のそれぞれについて繊維長の分布状態を調査した。その結果を図5(図5aは2軸スクリュ可塑化装置通過後の分布状態、図5bは更に圧力付与ロール装置を通過させた後の分布状態)に示す。また、図6は、従来の射出成形装置により可塑化させた場合のノズル通過後の繊維長の分布状態を示す。
【0046】
上記図5及び図6から明らかなように、本発明に係る2軸スクリュ可塑化装置を通過させた後のもの(図5a)では、繊維長さの分布が 9mm〜12mmの間に約60%の高い度数割合で集中しており繊維の折損が少ないことが分かる。またその後に、本発明に係る圧力付与ロール装置を通過させた後のもの(図5b)でも、繊維長さの分布が 9mm〜12mmの間に約50%の高い度数割合で集中しており繊維の折損が少ないことが分かる。これに対して図6に示す従来の装置のものでは、繊維長さの分布が 1mm〜 4mmの間に約90%の高い度数割合で集中しており、混練による剪断力によって繊維の殆どが折損してしまうことが分かる。
【0047】
また、この調査に併せて繊維の分散状態を目視観察した結果、2軸スクリュ可塑化装置41を通過させただけのものでは、繊維の束が多数認められたのに対して、その後に圧力付与ロール装置60を通過させたものでは、繊維の束が押しつぶされるようにして平たく広がり繊維が解繊され分散されていた。
【0048】
また、上記実施例3では、アキュームレータ装置42のアキュームレータ室70内の溶融樹脂を射出機43のシリンダ室80内へ供給する際の、溶融樹脂の供給と計量は、開閉バルブ74を開いて、押込み用油圧シリンダ72を作動させプランジャ69を下降させ、このプランジャ69の下降による溶融樹脂への圧力により、射出機43のプランジャ79を後退させながら行う例を説明したが、この例の場合、プランジャ79の後退時の抵抗が大きすぎると、特にアキュームレータ室70からシリンダ室80へ流入する過程で圧力が高く(例えば通常50kg/cm以下が望ましいところ70〜 100kg/cm)なり、長繊維の折損が起こり易くなる。また、逆にこの抵抗を小さくするため単にプランジャ79を強制的に後退させると、溶融樹脂の計量精度が低下する懸念がある。
【0049】
そこで、上記懸念を解消するためには、例えば、図3に合わせて示すように、射出機43のシリンダ78にシリンダ室80内の圧力を検出する圧力センサ82を設け、さらにはアキュームレータ装置42のシリンダ68にアキュームレータ室70内の圧力を検出する圧力センサ83, 84を設け、少なくとも前記圧力センサ82でシリンダ室80内の圧力を検出し、この圧力が50kg/cm以下となるように、油圧シリンダ77の後退側の圧力油を制御してプランジャ79を後退させる。この時、プランジャ79の後退速度は、圧力センサ82の値とプランジャ69の下降速度に応じて制御することができる。またこの時、前記圧力センサ83, 84でアキュームレータ室70内の圧力を合わせて検出し、これら圧力センサ82, 83, 84の圧力値を基にプランジャ79の後退速度を制御することで、圧縮性のある可塑化された長繊維樹脂の圧力変動が吸収されより精度の高い制御が行えると同時に、より長繊維の折損を抑え且つ溶融樹脂の計量精度を維持した制御ができる。
【0050】
上記のプランジャ69の下降速度、プランジャ79の後退速度及び圧力センサ82, 83, 84の圧力値の制御は、図示省略するプログラムコントローラ等の制御部、アキュームレータ装置42、射出機43の油圧回路に設けられた流量制御弁や電磁開閉弁などの制御システムに、上記圧力センサ82, 83, 84を接続して行え、例えば、制御部に入力される圧力センサ82, 83, 84より検出された圧力値と予め設定した圧力値(例えば50kg/cm)とを所定間隔で比較演算し、検出圧力値が設定圧力値を越えている場合には前記油圧回路の流量制御弁等を動作させて所定の圧力値に入るように制御して行える。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、上述のように構成され作用するので、ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練しても、内部の長繊維の折曲げや折損が最小限に低減でき、強度の高い長繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形することが可能となる。
【0052】
また、スクリュ可塑化装置の出口と射出シリンダとの間に圧力付与手段を設けているので、この圧力付与によって溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂の解繊を調節することができるほか、ガス抜きも可能となる。
【0053】
また、スクリュに加熱手段を設けたものにおいては、スクリュ可塑化装置で溶融される樹脂に対して熱を内部から付与することができ、確実な溶融、混練を行うことができる。
【0054】
また、スクリュ可塑化装置のシリンダ内に加熱ガスを供給するものにおいては、スクリュ可塑化装置で溶融される樹脂が、ナイロン等の溶融温度が高い樹脂であっても確実に溶融、混練することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂用射出成形装置の説明図であって、aは正断面図、bはaのA−A断面図である。
【図2】本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂用射出成形装置の別の実施例の正断面図である。
【図3】本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂用射出成形装置の別の実施例の説明図であって、aは正断面図、bはaのB−B断面図である。
【図4】図3aのC−C断面図である。
【図5】本発明に係る射出成形装置による繊維長の分布状態の説明図であって、aは2軸スクリュ可塑化装置通過後の分布状態、bは更に圧力付与ロール装置を通過させた後の分布状態のグラフ図である。
【図6】従来の2軸スクリュ可塑化装置による繊維長の分布状態のグラフ図である。
【図7】従来例の断面図である。
【図8】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1:2軸スクリュ可塑化装置 2:射出機
3:シリンダ 4,5:スクリュ 6,7:スクリュの歯
8,9:軸受け 10:軸部 11:プーリ
12, 13:熱媒体流路 14:ロータリジョイント 15:ホッパ
16:シリンダ室 18:開口 18:出口
19:通気孔 20:電熱ヒータ 21:供給口
22:供給路 23:ゲート 24:作動ロッド
25:閉止蓋 26:油圧シリンダ 27:シリンダ
28:プランジャ 29:シリンダ室 30:ノズル
31:ヒータ 32:リミットスイッチ 33:ロール
34:スクリュ押出機 41:2軸スクリュ可塑化装置
42:アキュームレータ装置 43:射出機
44:シリンダ 45,46:スクリュ 47,48:スクリュの歯
49:歯車ボックス 50:軸部 51:歯車
52:油圧モータ 53:頭部 54:ホッパ
55:シリンダ室 56:開口 57:傾斜部
58:スリット状の出口 59:電熱ヒータ 60:圧力付与ロール装置
61:ロール 62:ロールボックス 63:カップリング
64:歯車ボックス 65:カップリング 66:油圧モータ
67:出口 68:シリンダ 69:プランジャ
70:アキュームレータ室 71:ロッド
72:押込み用油圧シリンダ 73:先端出口
74:開閉バルブ 75:ストッパプレート 76:駆動シリンダ
77:油圧シリンダ 78:シリンダ 79:プランジャ
80:シリンダ室 81:ノズル 82, 83, 84:圧力センサ

Claims (12)

  1. ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を、ヒータを備えたシリンダ内に互いに平行に配設されるとともに異方向に回転する深溝かつ低圧縮比形状の2本のスクリュを有する2軸スクリュ式可塑化装置により加熱溶融した後、その溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を加圧して解繊し、更にその後に射出成形することを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  2. 溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を、開閉度が調節可能とされたゲートを通して解繊する請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  3. 溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を、互いに平行に配置された異方向に回転する2つのロール間の隙間を通して解繊する請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形方法。
  4. 深溝かつ低圧縮比形状の2本のスクリュをヒータを備えたシリンダ内に互いに平行に配設するとともに異方向に回転させることによって、ペレット状の長繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練する2軸スクリュ式可塑化装置と、このスクリュ式可塑化装置の出口に接続されその出口からの溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂に圧力を付与して解繊する圧力付与手段と、この圧力付与手段の出口に接続されその出口からの溶融状態の長繊維強化熱可塑性樹脂を導入して射出する射出機とからなることを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  5. 前記圧力付与手段が、開閉度が調節可能とされたゲートである請求項4記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  6. 前記圧力付与手段が、互いに平行に且つロール間に隙間を有するように配置された異方向に回転する一対のロールである請求項4記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  7. 前記異方向に回転する一対のロールが、ロール回転速度を調節可能とされた請求項6記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  8. スクリュ式可塑化装置のスクリュに、長繊維強化熱可塑性樹脂を加熱する加熱手段が設けられてなる請求項4記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  9. 前記加熱手段が、前記スクリュの軸心に沿って該スクリュの内部に設けられた熱媒通路と、該熱媒通路にロータリージョイントを介して接続された加熱媒体供給手段とからなる請求項8記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  10. スクリュ式可塑化装置のシリンダ内に加熱ガスを供給する加熱ガス供給手段が、前記シリンダに接続されてなる請求項4記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  11. 圧力付与手段の出口と射出機との間に、シリンダとプランジャとからなるアキュームレータが介設されてなる請求項4乃至7記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
  12. 長繊維強化熱可塑性樹脂が、繊維長3〜25.4mmのガラス繊維で強化された長繊維強化熱可塑性樹脂である請求項4乃至11記載の長繊維強化熱可塑性樹脂の射出成形装置。
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