JPH07164335A - 建築用パネル接合部の位置決め治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 住宅を構成する建築用パネル同士の接合部に
おいて、厚さ方向で容易に面一に合わせる位置決め治具
を提供する。 【構成】 矩形状の芯材１２ａ、１２ｂの片面に面材１
４ａ、１４ｂを貼設した床パネル１０ａ、１０ｂを連結
して床を構築する際に、このうち厚さ方向出張り側の床
パネル１０ａの芯材１２ａに形成した取付け孔３２にフ
ックピン３０を介して取り付けられるスライドバー２０
と、隣接する芯材１２ａ、１２ｂ下面側に配設され、ス
ライドバー２０を一端側で固定可能に支持するセンタブ
ロック２２と、その他端側にその軸回りで回転可能に取
り付けられ、厚さ方向引込み側の床パネル１０ｂの芯材
１２ｂ下面に当接してその下面を押圧するカムブロック
２４と、カムブロック２４に取り付けられてカムブロッ
ク２４を回転させるレバー２６とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築用パネル接合部の
位置決め治具に関し、特に床パネル、壁パネル、屋根パ
ネル等の建築用パネルを用いて構築される建物におい
て、隣接する建築用パネル同士の厚さ方向での位置決め
を行なう建築用パネル接合部の位置決め治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に住宅の建築工法の一つとしてパネ
ル工法が知られている。

【０００３】このパネル工法は、予め工場等において、
プレハブ住宅の屋根、壁、床等となる建築用パネル（屋
根パネル、壁パネル、床パネル等）を製造し、これら建
築用パネルを建築現場に搬入する。そして、建築現場に
おいて、建築用パネルを組立て、住宅を構築するもので
ある。

【０００４】従来上述のような、パネル工法による住宅
において、例えば床を構築する際には、住宅の床となる
部分、例えば、基礎上もしくは基礎上に配置された土台
や根太上に、複数の床パネルを水平に配設していた。

【０００５】また、床パネルは、二階以上のフロアにお
いて、壁パネル等の躯体の上に配設されていた。

【０００６】ところで、上記床パネルは、縦横の芯材を
矩形状に枠組みしたもので、この枠体の上面すなわち床
面側に矩形状の面材を貼設した木製のものとなってい
る。

【０００７】そして、複数の床パネルを基礎や壁パネル
等の上に順次配置していくとともに、隣接する床パネル
同士をコーチスクリュー等の打ち込み及び接着剤による
接着などにより接合していくようにしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、床パネル
は、木製であるがゆえに、反りがでてしまう場合があ
る。そして、床パネルに僅かでも反りが起きた場合に
は、床パネルを並列に配置していく際に、各床パネルの
表面に不陸が生じてしまうこととなり、このような場合
に各床パネルの表面を互いの接合部で面一にして不陸を
調整することが困難であった。

【０００９】さらに、僅かな床パネルの反りでも、反り
を修復するには、大きな力を必要とし、床パネル同士の
接合の際に、この反りを修復することが困難であった。

【００１０】また、床パネルの接合部に僅かでも段差が
できてしまった際には、床パネル上に貼設される床材に
も影響し、床材の施工が困難なものとなってしまう。

【００１１】このような問題は、上記床パネルに限ら
ず、壁パネル同士の接合部や屋根パネル同士の接合部に
おいても、同様に生じ得るものである。

【００１２】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であり、住宅を構成する建築用パネルの同士の接合部に
おいて、建築用パネルの厚さ方向で相互の建築用パネル
を容易に面一に合わせることができる建築用パネル接合
部の位置決め治具を提供することを目的とするものであ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第１の発明は、矩形状の枠体の少なくとも片面に面
材を貼設した建築用パネルを連結して建物を構築する際
に、厚さ方向で相互の建築用パネルの面位置を合わせる
建築用パネル接合部の位置決め治具であって、連結する
建築用パネルのうち厚さ方向出張り側の建築用パネルの
枠体に形成した取り付け孔にフックピンを介して取り付
けられるスライドバーと、連結する建築用パネル同士の
隣接する枠体下面側に配設され、前記スライドバーを一
端側で固定可能に支持するセンタブロックと、前記セン
タブロックの他端側にその軸回りで回転可能に取り付け
られ、厚さ方向引込み側の建築用パネルの枠体下面に当
接して該枠体下面を押圧するカムブロックと、前記カム
ブロックに取り付けられてカムブロックを回転させるレ
バーとを備えることを特徴としている。

【００１４】第２の発明は、前記センタブロックはスラ
イドバーとの接触部に弾性体により付勢されたロック部
材を備え、前記スライドバーは前記ロック部材と係合し
てフックピンまでの距離を可変にする複数の位置決め孔
を備えることを特徴としている。

【００１５】第３の発明は、前記スライドバーは前記複
数の位置決め孔を長手方向対称位置に備え、かつ前記フ
ックピンを両端部に脱着可能にしたことを特徴としてい
る。

【００１６】

【作用】前記構成の第１の発明にあっては、まず、厚さ
方向に位置がずれた状態で隣接配置された２つの建築用
パネルのうち厚さ方向出張り側の建築パネルの枠体に形
成した取り付け孔にスライドバーのフックピンを差込
み、このスライドバーに相対的にスライド可能にされた
センタブロックをスライドさせて、建築用パネル同士の
隣接する枠体下面側に当接させ、その位置でスライドバ
ーとセンタブロックを固定する。

【００１７】この状態で、センタブロックに回転可能に
取り付けられたカムブロックを、このカムブロックに取
り付けられたレバーの操作により回転させる。

【００１８】すると、レバーの操作によりカムブロック
が回転して、連結した建築用パネルのうち厚さ方向引込
み側の枠体下面に当接してこの枠体下面を押圧し、連結
した建築用パネル同士の表面の面位置を一致させること
となる。

【００１９】このように、スライドバーとセンタブロッ
クの固定位置を建築用パネルの枠体の厚さに相応させる
ことにより、各種の厚さの枠体を有する建築用パネルに
対応して厚さ方向における相互の建築用パネルの面位置
を容易に一致させることが可能となる。

【００２０】第２の発明にあっては、センタブロックの
スライドバーとの接触部に設けたロック部材と、スライ
ドバーに設けた複数の位置決め孔との係合位置を可変に
することにより、各種の枠体の厚さに対応した長さにス
ライドバーを容易かつ確実に設定することが可能とな
る。

【００２１】第３の発明にあっては、スライドバーの長
手方向対称位置に設けた複数の位置決め孔の存在及びフ
ックピンの両端部の脱着により、スライドバーを方向性
を問わずに使用することが可能となる。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。

【００２３】図１〜図５は、本発明の一実施例に係る建
築用パネル接合部の位置決め治具を示す図である。

【００２４】本実施例では、パネル工法により建物を構
築する場合において、例えば、図２に示すように、床パ
ネル１０ａ、１０ｂ同士を接合する際に、床パネル１０
ａ、１０ｂの接合する芯材１２ａ、１２ｂに反り等が生
じて、床パネル１０ａ、１０ｂ同士の接合部に、床パネ
ル１０ａ、１０ｂの厚さ方向に位置ずれが生じ、床パネ
ル１０ａ、１０ｂの表面（面材１４ａ、１４ｂ）に不陸
が生じた場合、本実施例の位置決め治具１６により、面
材１４ａ、１４ｂの表面を面一にして不陸を調整する例
を示している。

【００２５】この位置決め治具１６は、図１の分解斜視
図に示すように、スライドバー２０と、センタブロック
２２と、カムブロック２４と、レバー２６とから主に構
成されている。

【００２６】スライドバー２０は、角パイプにて形成さ
れたもので、その両端部にはフックピン取付け孔２８が
形成され、このフックピン取付け孔２８にフックピン３
０が取付けられるようになっている。そして、このフッ
クピン３０を連結する床パネル１０ａ、１０ｂのうち厚
さ方向出張り側の床パネル１０ａの芯材１２ａに形成し
た取付け孔３２に差込むことにより、スライドバー２０
が出張り側の床パネル１０ａの芯材１２ａに取付けられ
るようになっている。また、このスライドバー２０に
は、スライドバー２０の突出長さを床パネルの芯材の厚
さに合せて調整するための複数の位置決め孔３４が形成
されている。なお、この複数の位置決め孔３４は、スラ
イドバー２０の上下位置に対称に設けられており、前記
フックピン３０を上下逆位置に取付けた場合に、スライ
ドバー２０を上下逆でも芯材の厚さに対応させて位置決
めできるようになっている。

【００２７】センタブロック２２は、連結する床パネル
１０ａ、１０ｂ同士の隣接する芯材１２ａ、１２ｂの下
面側に配設され、スライドバー２０を一端側で固定可能
に支持するようになっている。具体的には、センタブロ
ック２２は、円柱状のブロック体の端部にスライドバー
２０を上下方向に挿通させ、スライドさせるためのスラ
イド溝３６が形成され、このスライド溝３６の形成され
た端部に円盤状のストッパ３８が一対の蝶ネジ４０によ
り締付け固定され、このストッパ３８の締付けにより、
スライドバー２０が固定されるようになっている。

【００２８】また、スライド溝３６のスライドバー２０
との接触部である奥壁４４には、コイルスプリング４６
により付勢された位置決め用ロック部材であるボール４
８がスライド溝３６内に臨んだ状態で取付けられてお
り、このボール４８が前記スライドバー２０の位置決め
孔３４と係合することにより、芯材の厚さに対応した長
さにスライドバー２０を容易に設定することが可能とな
っている。

【００２９】更に、センタブロック２２の上面には、円
柱状のブロック体を切削した平坦部４２が形成され、こ
の平坦部４２が芯材１２ａ、１２ｂの下面に接触し得る
ようになっている。

【００３０】そして更に、センタブロック２２の他端に
は、カムブロック２４取付け用のシャフト５０が軸方向
に突出形成されている。また、このシャフト５０の軸
は、カムブロック２４の軸位置よりも若干下方に偏心し
た状態で形成されている。

【００３１】カムブロック２４は、センタブロック２２
のシャフト５０を挿通させる貫通孔５２を有し、この貫
通孔５２内にカムブロック２２のシャフト５０を挿通さ
せた状態で、シャフト５０の端部にストップリング５４
を装着することにより、センタブロック２２に対して回
転可能に取付けられている。

【００３２】また、カムブロック２４には、カムブロッ
ク２４の回転により、連結する床パネル１０ａ、１０ｂ
のうち厚さ方向引込み側の床パネル１０ｂの芯材１２ｂ
の下面に当接して、芯材１２ｂの下面を上方に押圧して
不陸を調整するカム部５６が形成されている。なお、こ
のカム部５６は芯材１２ｂの下面を円滑に押圧し得るよ
うに曲面状に形成されている。

【００３３】レバー２６は、カムブロック２４に対し、
その回転軸と交差する方向で螺合一体化され、このレバ
ー２６を上下方向に回転操作することによって、カムブ
ロック２４が回転し、カム部５６が床パネル１０ｂの芯
材１２ｂ下面に当接し得るようになっている。また、こ
のレバー２６には、端部に回転操作用のグリップ５８が
取付けられている。

【００３４】次に、本実施例の位置決め治具１６を用い
て、床パネル１０ａ、１０ｂの不陸を調整する状態につ
いて説明する。

【００３５】まず、床パネル１０ａ、１０ｂの接合する
芯材１２ａ、１２ｂに反りが生じて、床パネル１０ａ、
１０ｂ同士の接合部に、床パネル１０ａ、１０ｂの厚さ
方向に位置ずれが生じ、床パネル１０ａ、１０ｂの面材
１４ａ、１４ｂ間に不陸が生じた状態において、位置決
め治具１６のスライドバー２０の端部に取付けたフック
ピン３０を、厚さ方向出張り側の床パネル１０ａの芯材
１２ａに形成した取付け孔３２に差込む。

【００３６】この場合、位置決め治具１６の取付けに先
立って、位置決め治具１６の蝶ネジ４０を弛めてセンタ
ブロック２２に取付けたストッパ３８を弛め、スライド
バー２０をスライド可能にし、床パネルの芯材の厚さに
合せて、スライドバー２０をスライドさせ、ボール４８
と対応位置の位置決め孔３４とを係合させて、スライド
バー２０の長さを芯材の厚さに設定しておく。これによ
り、フックピン３０を、厚さ方向出張り側の床パネル１
０ａの芯材１２ａに形成した取付け孔３２に差込むと、
センタブロック２２の上面に形成した平坦部４２が芯材
１２ａ、１２ｂの下面と当接する状態となる。また、カ
ムブロック２４のカム部５６は、引込み側の床パネル１
０ｂの芯材の下面にまだ接触していない状態となってい
る。

【００３７】次いで、前述の状態から、レバー２６のグ
リップ５８を把持して、下方に回転させると、カムブロ
ック２４の回転と共に、カム部５６が回転して、引込み
側の床パネル１０ｂの芯材１２ｂの下面に当接し、この
芯材１２ｂを上方に押上げることとなる。

【００３８】この場合、カム部５６による芯材１２ｂの
押上げ反力は、出張り側の床パネル１０ａの芯材１２ａ
により受けているため、床パネル１０ａ、１０ｂの芯材
１２ａ、１２ｂが相互に引寄せられて、面材１４ａ、１
４ｂの表面が一致させられ、容易に不陸の調整がなされ
ることとなる。

【００３９】そして、不陸の調整が終了した後は、レバ
ー２６を下方に回転させて、カム部５６と床パネル１０
ｂの芯材１２ｂ下面との当接を解除して、スライドバー
２０のフックピン３０を取付け孔３２から抜取れば、位
置決め治具１６の取外しが終了することとなる。

【００４０】また、位置決め治具１６を再度使用する場
合には、前述のように、スライドバー２０の長さ調整を
行なえば、各種の厚さの床パネルに容易に対応すること
ができる。しかも、スライドバー２０は、フックピン取
付け孔２８及び位置決め孔３４が上下対称に設けられて
いるため、上下の方向にとらわれることなく使用がで
き、取扱いが容易である。

【００４１】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能
である。

【００４２】例えば、前記実施例においては、床パネル
の不陸調整を行なう場合について説明したが、この例に
限らず、面材を片面のみに有するパネルであれば、屋根
パネルや壁パネルの調整にも使用し得ることは勿論であ
る。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように、第１の発明にあっ
ては、厚さ方向出張り側の建築パネルの枠体に形成した
取り付け孔にスライドバーのフックピンを差込み、セン
タブロックをスライドさせて建築用パネル同士の隣接す
る枠体下面側に当接させ、その位置でスライドバーとセ
ンタブロックを固定することにより、各種の厚さの枠体
を有する建築用パネルに対応させることができ、この状
態でレバー操作によりカムブロックを回転させて引込み
側の建築用パネルの枠体を押圧して厚さ方向における相
互の建築用パネルの面位置を容易に一致させることがで
きるという効果がある。

【００４４】第２の発明にあっては、センタブロックの
スライドバーとの接触部に設けたロック部材と、スライ
ドバーに設けた複数の位置決め孔との係合位置を可変に
することにより、各種の枠体の厚さに対応した長さにス
ライドバーを容易かつ確実に設定することができるとい
う効果がある。

【００４５】第３の発明にあっては、スライドバーの長
手方向対称位置に設けた複数の位置決め孔の存在及びフ
ックピンの両端部の脱着により、スライドバーを方向性
を問わずに使用することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る建築用パネル接合部の
位置決め治具を示す分解斜視図である。

【図２】位置決め治具取付け状態の正面図である。

【図３】位置決め治具取付け状態の側面図である。

【図４】位置決め治具による不陸調整状態の正面図であ
る。

【図５】位置決め治具による不陸調整状態の側面図であ
る。

【符号の説明】

１０ａ、１０ｂ 床パネル １２ａ、１２ｂ 芯材 １４ａ、１４ｂ 面材 １６ 位置決め治具 ２０ スライドバー ２２ センタブロック ２４ カムブロック ２６ レバー ３０ フックピン ３２ 取付け孔 ３４ 位置決め孔 ４６ コイルスプリング ４８ ボール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状の枠体の少なくとも片面に面材を
   貼設した建築用パネルを連結して建物を構築する際に、
   厚さ方向で相互の建築用パネルの面位置を合わせる建築
   用パネル接合部の位置決め治具であって、 連結する建築用パネルのうち厚さ方向出張り側の建築用
   パネルの枠体に形成した取り付け孔にフックピンを介し
   て取り付けられるスライドバーと、 連結する建築用パネル同士の隣接する枠体下面側に配設
   され、前記スライドバーを一端側で固定可能に支持する
   センタブロックと、 前記センタブロックの他端側にその軸回りで回転可能に
   取り付けられ、厚さ方向引込み側の建築用パネルの枠体
   下面に当接して該枠体下面を押圧するカムブロックと、 前記カムブロックに取り付けられてカムブロックを回転
   させるレバーとを備えることを特徴とする建築用パネル
   接合部の位置決め治具。
2. 【請求項２】 請求項１において前記センタブロックは
   スライドバーとの接触部に弾性体により付勢されたロッ
   ク部材を備え、 前記スライドバーは前記ロック部材と係合してフックピ
   ンまでの距離を可変にする複数の位置決め孔を備えるこ
   とを特徴とする建築用パネル接合部の位置決め治具。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、 前記スライドバーは前記複数の位置決め孔を長手方向対
   称位置に備え、かつ前記フックピンを両端部に脱着可能
   にしたことを特徴とする建築用パネル接合部の位置決め
   治具。