JPH07162260A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH07162260A
JPH07162260A JP31190693A JP31190693A JPH07162260A JP H07162260 A JPH07162260 A JP H07162260A JP 31190693 A JP31190693 A JP 31190693A JP 31190693 A JP31190693 A JP 31190693A JP H07162260 A JPH07162260 A JP H07162260A
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JP
Japan
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idt
electrode
idts
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output
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JP31190693A
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Hideo Sato
秀雄 佐藤
Masatoshi Ikebe
正俊 池部
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IDT線幅が狭いSAWフィルタにおいても
電極の溶断を起こさない。 【構成】 圧電基板上に形成された櫛歯形入力側IDT
と、出力側IDTとを有し、IDTの櫛歯のいずれもが
電位的に独立である場合にはこれらIDTと少なくとも
200μm 以上離れて配置され、またIDTの櫛歯の少な
くとも一方が接地電位となる場合にはこれらIDTと少
なくとも 70 μm 以下となるように離して配置される接
地電位を有する電極を前記圧電基板上に形成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波フィルタに関
し、とくに挿入損失の劣化等の特性変動が起きない弾性
表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波フィルタは、VHF帯からU
HF帯にかけて狭帯域のフィルタが得られることから、
フィルタの振幅特性および群遅延特性に非常に厳しい仕
様が要求されるTV−IF用や衛星放送チューナに多用され
ている。それとともに、フィルタの挿入損失の劣化等を
抑えることが求められている。
【0003】従来の弾性表面波フィルタ(以下、SAW
フィルタと略称する)の構造を図4を用いて説明する。
図4は、従来のSAWフィルタの平面図を示す。SAW
フィルタは 128°Y軸カットX軸伝搬リチウム・ナイオ
ベートやX軸カット 112°Y軸伝搬リチウム・タンタレ
ート等からなる圧電基板6上に表面波を励振する入出力
のくし歯型インターディジタル・トランスデューサ電極
(以下、IDTと略称する)1〜4、入出力IDTの電
磁的結合(誘導)を除去するシールド電極5によって構
成されている。
【0004】SAWフィルタの圧電基板としては、X軸
カット 112°Y軸伝搬リチウム・タンタレートを衛星放
送チューナの第2 IF回路用等に使用することが多かっ
た。しかし近年挿入損失が良いことや、実装上の技術的
な困難さを解消するために、128°Y軸カットX軸伝搬
リチウム・ナイオベート基板を使用する例が多くなって
きた。すなわち、リチウム・ナイオベート基板はリチウ
ム・タンタレート基板に比して電気機械結合係数が 10
倍程度取れるために低損失のSAWフィルタを実現する
ことができる。このため外囲器が背負っている電磁誘導
の影響が小さく、帯域内の振幅や群遅延特性に影響を及
ぼしにくく、DG/DPの良い第2 コンバータを設計で
きる。また損失が小さいためにSAWフィルタ前後の増
幅器が割愛できる。このためTV−IF用や衛星放送チュー
ナに多用されるようになってきた。
【0005】ところが、この 128°Y軸カットX軸伝搬
リチウム・ナイオベート基板は、焦電性が高いという特
徴があるため、以下のような問題がある。たとえば、フ
ォトリソグラフィー工程中で電極の形成が完了したウェ
ハーを乾燥や安定化等の目的のために 150℃程度でベー
キングすることがある。この際、前述のIDT1〜4を
電位的に独立な状態に保つと、各IDT間に生じた電位
差のために放電が生じる。この放電によりIDTが欠落
し、所望の周波数特性が得られなくなる。これは 128°
Y軸カットX軸伝搬リチウム・ナイオベート基板の主面
と交差する形で基板の強誘電体としてのモーメントが存
在するためである。圧電単結晶のモーメントはZ軸方向
に配列するように、圧電単結晶の製造工程でポーリング
が行われる。前記の方位ではZ軸に対して52°の方向で
モーメントが配列している。従って、温度の変化によっ
てモーメントが誘発する電位が基板表面に表れ易いこと
になる。
【0006】しかしながら、ほぼ常温(25℃)であるウ
ェハーを急激に 150℃までの温度上昇がかかるベーキン
グ工程に投入すると、基板面内に温度ばらつきが生じ基
板表面内での電位差が生じる。このため交差するIDT
同士、たとえばIDT1、IDT2間に電位差が生じ、
電極間での放電が起きる。衛星放送チューナ用SAWフ
ィルタなどの電極線幅が 1.2μmと微細であるSAWフ
ィルタに放電が生じると、過電流によってIDT電極そ
のものが溶解する溶断現象が起こる。この溶断が生じる
と、正規形IDTでは帯域内の振幅が凹んだり挿入損失
が増大したり、またアポダイズ側IDTでは帯域内が傾
いたり丸まったりする。
【0007】溶断現象は完成製品試験の際にも生じる。
たとえば、製品を熱衝撃試験にかけた場合、入力側ID
Tでは一方のIDT3は電位的に独立であるが、他方の
IDT4は外囲器と同電位になっているため、IDT3
側は基板の焦電性にしたがって電位が生じるが、IDT
4側では基板の電位と外囲器の電位が常に等しく、たと
えば外囲器が接地電位である場合にはIDT4も接地電
位になり、IDT3、4間に電位差が生じる。このため
熱衝撃試験にかけた場合には入力側IDTで溶断が生じ
易い。さらに出力側IDTでは別の現象も起こる。出力
側IDT1、2は温度変化に対しても同電位で推移する
ことになるが、隣接するシールド電極5の電位は外囲器
に等しい。このため、IDTとシールド電極の最も近接
する距離d1が小さい場合には前と同じ理由でIDT2
とシールド電極5との間で放電が生じる。放電後にはI
DT2がシールド電極5と同じ電位になり、結果的には
IDT1、2間に電位差が生じ放電につながる。特に実
装状態ではシールド電極5が接地電位にあたるためこの
現象が顕著となる。
【0008】このようなSAWフィルタの溶断現象を熱
衝撃試験により以下詳細に説明する。リチウム・ナイオ
ベートを基板とする衛星放送チューナ用SAWフィルタ
を−40℃(30分)→+85℃(30分)を 1サイクルとし
て、50サイクル程度の熱衝撃試験にかける。なお、試験
時には全てのリードピンを電位的に浮かせておき、かつ
パッケージは接地電位にしておく。熱衝撃試験結果を図
5(a)に示す。図5(a)はサイクル毎のSAWフィ
ルタの挿入損失の変動の変化を示している。サイクル数
が増加するに従い挿入損失の変動が増大している。挿入
損失の変動が増大したSAWフィルタを開缶調査した結
果、入出力ともにIDTに溶断が発生しているのが認め
られた。さらにこの溶断には以下の特徴があった。入力
側のIDTでは一様に溶断が生じていたが、出力側のI
DT1、2では必ずしも溶断が生じてはいなかった。し
かし、シールド電極5に近いIDT2側ではIDT2と
シールド電極5との間にスパークした痕跡が見受けられ
た。これはIDT2とシールド電極5との間に生じた電
位差でスパークが生じたが、IDT1とIDT2間で溶
断が生じるまでの電位差にはならず、IDT溶断に至ら
なかったことを示している。すなわちIDT1とIDT
2間の溶断に到達する電位差よりも、IDT2とシール
ド電極5との間にスパークが生じる電位差が低かったこ
とを示している。
【0009】また、全てのリードピンを接地電位にして
熱衝撃試験を行ったときの熱衝撃試験結果を図5(b)
に示す。挿入損失の変動には変化が見られず、試験後に
開缶調査を実施してもIDTの溶断は発見されなかっ
た。以上の試験結果はIDT間の電位差が引き金となっ
て溶断が生じていることを示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように焦電性が高
いリチウム・ナイオベートなどの基板を用いたSAWフ
ィルタ、特に衛星放送チューナ用などの比較的IDT線
幅が狭いものでは、実装状態に於いて熱衝撃に弱いとい
う問題があった。とくにIDT等の独立した電極が近接
配置される場所に於いて顕著に熱衝撃に弱いという問題
があった。
【0011】また、一方が電位的に浮いていて、他方が
ある電位に固定されている場合に問題があった。
【0012】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、比較的IDT線幅が狭いSAWフィル
タにおいてもIDT間に電位差を生じさせない構造およ
び意図的に電位差を生じさせる構造とすることによっ
て、最終的にはIDTに於いて電極の溶断を起こさない
構造を有するSAWフィルタを提供することを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のSAWフィルタ
は、圧電基板上に形成された櫛歯形入力側IDTと、出
力側IDTとを有し、IDTの櫛歯のいずれもが電位的
に独立である場合にはこれらIDTと少なくとも 200μ
m 以上離れて配置され、またIDTの櫛歯の少なくとも
一方が接地電位となる場合にはこれらIDTと少なくと
も 70 μm 以下となるように離して配置される接地電位
を有する電極を前記圧電基板上に形成してなることを特
徴とする。
【0014】入力側または出力側のIDTと所定の間隔
を離して配置される、本発明に係わる接地電位を有する
電極は、入出力IDTの電磁的結合(誘導)を除去する
シールド電極であってもよい。たとえば、入力側IDT
と出力側IDT間に配置される 1個のシールド電極にあ
っては、シールド電極の一端が入力側IDTと他端が出
力側IDTと所定の間隔を離して配置されるようにす
る。また、シールド電極を有しない構造にあっては入力
側または出力側のIDTの近傍に配置される電極であっ
てもよい。さらに、本発明に係わる接地電位を有する電
極は、 1個の電極であってもよく、複数個の電極でもよ
い。
【0015】本発明に係わる接地電位を有する電極と入
力側または出力側のIDTとの間隔を図1を基に説明す
る。図1は入力側または出力側のIDTとの間にシール
ド電極を有するSAWフィルタの平面図を示す。図1に
おいて、SAWフィルタの中心周波数は 402.78MHz、3d
B 帯域幅は 27MHzである。圧電基板6として 128°Y軸
カットX軸伝搬リチウム・ナイオベート単結晶素材を用
いた。また、入出力のIDTには電極での内部反射をキ
ャンセルするためにスプリット電極を用いている。した
がって、電極の線幅は 1.2μm になった。また、出力側
IDT1、2、または入力側IDT3、4の櫛歯形電極
が相い向かい合う距離も 1.2μm となる。入力側のID
T3、4の内、IDT3は電位的に独立、IDT4はパ
ッケージのステムにボンディング・ワイヤーを介して結
線され接地電位となる。また、出力側のIDT1、2は
互いに独立であり、かつステムとも電位的に独立とす
る。入力側IDTおよび出力側IDTとの間にシールド
電極5を配置する。
【0016】このようなSAWフィルタの出力側IDT
とシールド電極5との距離d1 を 200μm と設定し、入
力側IDTとシールド電極5との距離d2 を変化させて
熱衝撃試験における挿入損失の変動の変化を試料数 20
個で測定した。熱衝撃試験は−40℃(30分)→+85℃
(30分)を 1サイクルとして、数100 サイクル実施し
た。その結果を図3(a)に示す。d2 が 70 μm 以下
では熱衝撃試験が 200サイクルに到達しても、挿入損失
の変動に変化は見られない。しかし、d2 が 100μm を
超えると次第に挿入損失の変動の増大するデバイスが表
れる。また、d2 が500μm を超えた場合には全てのデ
バイスで熱衝撃試験が 100サイクルの時点で挿入損失の
変動変動量が 3dBを超え、開缶調査の結果は電極の溶断
であることが確認された。以上から、熱衝撃試験に十分
に耐え得るd2 は 70 μm 以下である。また、同様の試
験を中心周波数は 479.5MHz のSAWフィルタにおいて
試験したが、やはり 70 μm 程度が限度となり、中心周
波数は 402.78MHzの場合と同等の結果になった。これは
表面波の波長は異なるものの、実際のデバイスの電極線
幅はリソグラフィー技術の精度の中に埋もれて大きな差
異がないためと考えられる。また、d2 の下限値として
は、デバイス設計上 10 μm 以上が好ましい。
【0017】つぎに入力側IDTとシールド電極5との
距離d2 を 70 μm と設定し、出力側IDTとシールド
電極5との距離d1 を変化させて上述と同一の条件で熱
衝撃試験を行った。その結果を図3(b)に示す。入力
側とは逆にd1 が小さくなると挿入損失の変動量が大き
くなっていく。d1 が 250μm 未満では挿入損失の変動
の変化が見られ、d1 が 100μm の場合にはサンプル 2
0 個の平均変動量は 13dB となった。またd1 が 200μ
m でも挿入損失の変動は見られず、d1 の設定限度であ
ることがわかる。中心周波数が 479.5MHz のSAWフィ
ルタでもほぼ同等の結果が得られたが、d2 の場合とは
異なり、d1 が 200μm ではサンプル 20 個の挿入損失
変動量の平均値は 0.3dBであり、電極ピッチが狭い分の
影響が出ていると考察される。しかしながら、挿入損失
の変動量としては実用上は問題がない範囲であると言え
る。また、d1 の上限値としては、デバイス設計上 500
μm 以下が好ましい。
【0018】以上の実験の結果、本発明に係わる接地電
位を有する電極と入力側または出力側IDTとの間隔
は、IDTの櫛歯のいずれもが電位的に独立である場合
にはこれらIDTと少なくとも 200μm 以上、またID
Tの櫛歯の少なくとも一方が接地電位となる場合にはこ
れらIDTと少なくとも 70 μm 以下と設定される。
【0019】実際のSAWフィルタの設計では、SAW
フィルタの絶対遅延時間の設定のために入力側IDTと
出力側IDTの励振中心距離は一義的に決定される。ま
た、必要な帯域幅から正規形IDT(図1では出力側に
なるが)の対数が決定され、アポダイズドIDTではS
AWフィルタの減衰特性の急峻さから、その長さが決定
されてしまう。従って、シールド電極5に与えられる面
積の限度は、IDTの設計が完了した時点では限定され
たものとなっている。この範囲で前述のd1 、d2 を割
り振り、シールド電極は適当な面積を持たせて設計する
ことで入出力間の誘導特性を良好に保つことができる。
【0020】なお、本発明は焦電係数が 2×10-5 (C/ m
2 K)以上を有する焦電性の高い圧電基板に対してとくに
好適に適用できる。そのような圧電基板としては、 128
°Y軸カットX軸伝搬リチウム・ナイオベート基板、36
°Y軸カットX軸伝搬リチウム・タンタレート基板、64
°Y軸カットX軸伝搬リチウム・タンタレート基板等を
挙げることができる。
【0021】また、圧電基板が上述の焦電係数を有する
と共にIDTの櫛歯形電極線幅およびピッチ幅は 2μm
以下であることが好ましい。 2μm 以下であると、放電
が生じる電圧の限界が低くなり、SAWフィルタが実用
される温度範囲での熱衝撃で溶断を起こしやすくなるた
めである。
【0022】
【作用】図1のSAWフィルタにおいて、接地電位にあ
るIDT4と独立な電位にあるIDT3との間には電極
指間の溶断を起こさせる電位差が本来生じているはずで
ある。しかし、IDT3とシールド電極5の距離を 70
μm 以下と設定することにより、溶断の原因となる放電
が生じる電圧よりも、IDT3とシールド電極5間の放
電電圧の方が低くなる。その結果、IDT3とIDT4
との間の溶断を防ぐことができる。なお、IDT3とシ
ールド電極5間の放電電圧の方が低くなるため、IDT
3とシールド電極5間で放電の痕跡と思われるスパーク
が見られたが溶断などは生じなかった。
【0023】一方、IDT2とIDT1とはいずれも独
立な電位にあるので、電極指間の溶断を起こさせる電位
差が生じにくい。しかし、接地電位にあるシールド電極
5が近くなるとその間で溶断の原因となる放電が生じ易
くなるが、その距離を 200μm 以上と設定することによ
り、その放電を防ぐことができる。
【0024】
【実施例】実施例1 実施例1を前述の図1を用いて説明する。128°Y軸カ
ットX軸伝搬リチウム・ナイオベート圧電単結晶基板
(焦電係数18.1×10-5 (C/ m2 K)の上に電極の線幅 1.2
μm のスプリット電極を用いて櫛歯形電極が相い向かい
合う距離 1.2μm で入出力のIDTを形成した。入力側
のIDT3、4の内、IDT3は電位的に独立、IDT
4はパッケージのステムにボンディング・ワイヤーを介
して結線し接地電位とした。また、出力側のIDT1、
2は互いに独立であり、かつステムとも電位的に独立と
した。入力側IDTおよび出力側IDTとの間にシール
ド電極5を配置した。シールド電極5とIDT3との間
は 70 μm 、シールド電極5とIDT2との間は 200μ
m に設定した。このSAWフィルタは中心周波数が 40
2.78MHz、3dB 帯域幅が 27MHzである。
【0025】得られたSAWフィルタの評価を熱衝撃試
験における挿入損失の変動の変化で行った。熱衝撃試験
は−40℃(30分)→+85℃(30分)を 1サイクルとし
て、試料数 20 個で 200サイクル実施した。その結果を
図2に示す。 200サイクルに到達しても挿入損失の変動
に変化は見られなかった。また、このSAWフィルタの
挿入損失は 18dB 程度であった。
【0026】実施例2 36°Y軸カットX軸伝搬リチウム・タンタレート基板
(焦電係数 2.4×10-5 (C/ m2 K)を使用する以外は実施
例1と同一のSAWフィルタを作製した。得られたSA
Wフィルタを実施例1と同一の条件で評価試験を行った
ところ、200サイクルに到達しても挿入損失の変動に変
化は見られず、挿入損失は 18 dB程度であった。
【0027】実施例3 64°Y軸カットX軸伝搬リチウム・タンタレート基板
(焦電係数20.6×10-5 (C/ m2 K)を使用する以外は実施
例1と同一のSAWフィルタを作製した。得られたSA
Wフィルタを実施例1と同一の条件で評価試験を行った
ところ、200サイクルに到達しても挿入損失の変動に変
化は見られず、挿入損失は 15 dB程度であった。
【0028】比較例1 128°Y軸カットX軸伝搬リチウム・ナイオベート圧電
単結晶基板(焦電係数18.1×10-5 (C/ m2 K)の上に電極
の線幅およびピッチを 10.9 μm と、櫛歯形電極が相互
に向かい合う距離を10.9μm とし、シールド電極5とI
DT3との間は50 μm 、シールド電極5とIDT2と
の間は 300μm に設定する以外は実施例1と同一のSA
Wフィルタを作製した。得られたSAWフィルタを実施
例1と同一の条件で評価試験を行ったところ、200サイ
クルに到達しても挿入損失の変動に変化は見られなかっ
た。これは、実施例1と比較して比較例3のSAWフィ
ルタでは電極線幅およびピッチが 9倍になる。このため
放電が起きる電圧の限界が高く、SAWフィルタが実用
される温度範囲での熱衝撃では溶断を起こす放電に至ら
ないためと考えられる。
【0029】
【発明の効果】本発明のSAWフィルタは、圧電基板上
に形成された櫛歯形入力側IDTと、出力側IDTとを
有し、IDTの櫛歯のいずれもが電位的に独立である場
合にはこれらIDTと少なくとも 200μm 以上離れて配
置され、またIDTの櫛歯の少なくとも一方が接地電位
となる場合にはこれらIDTと少なくとも 70 μm 以下
となるように離して配置される接地電位を有する電極を
前記圧電基板上に形成してなるので、焦電性が高く、か
つ櫛歯形電極の線幅およびピッチが小さい場合において
も熱衝撃試験においてIDTの溶断を原因とした挿入損
失の変動等の特性変化を示さない。これはSAWフィル
タ単品が倉庫などに保管されている場合はもちろん、チ
ューナのユニットに実装されている場合でも同様の結果
が得られる。さらに、焦電性の強い結晶を用いた圧電基
板を材料としたSAWフィルタでは、当然ながら不利で
あると予想される厳しい半田条件に於いても安定したS
AWフィルタ特性が得られるので、製造条件による不良
率が大幅に低下する。このことは、パッケージが面実装
化されている場合が多いSAWフィルタの半田リフロー
工程でとくに有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるシールド電極を有するSAWフ
ィルタの平面図である。
【図2】実施例1における熱衝撃試験の結果を示す図で
ある。
【図3】IDTとシールド電極5との距離を変化させた
ときの挿入損失の変動の変化を示す図である。図3
(a)は入力側IDTとシールド電極5との距離d
2 を、図3(b)は出力側IDTとシールド電極5との
距離d1 を変化させた場合である。
【図4】従来のSAWフィルタの平面図である。
【図5】従来のSAWフィルタの熱衝撃試験の結果を示
す図である。図5(a)は全てのリードピンを電位的に
浮かせておいた場合、図5(b)は全てのリードピンを
接地電位にした場合である。
【符号の説明】
1、2………出力IDT、3、4………入力IDT、5
………シールド電極、6………圧電基板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、この圧電基板上に形成され
    た櫛歯形入力側インターディジタル・トランスデューサ
    電極と、出力側インターディジタル・トランスデューサ
    電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、 前記インターディジタル・トランスデューサ電極の櫛歯
    のいずれもが電位的に独立である場合には前記インター
    ディジタル・トランスデューサ電極と少なくとも 200μ
    m 以上離れて配置され、また前記インターディジタル・
    トランスデューサ電極の櫛歯の少なくとも一方が接地電
    位となる場合には前記インターディジタル・トランスデ
    ューサ電極と少なくとも 70 μm 以下となるように離し
    て配置される接地電位を有する電極を前記圧電基板上に
    形成してなることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
JP31190693A 1993-12-13 1993-12-13 弾性表面波フィルタ Withdrawn JPH07162260A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006008922A1 (ja) * 2004-07-15 2006-01-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性表面波フィルタ
KR100679195B1 (ko) * 2001-12-21 2007-02-07 후지쓰 메디아 데바이스 가부시키가이샤 탄성 표면파 공진자 및 탄성 표면파 필터

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KR100773700B1 (ko) * 2004-07-15 2007-11-05 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 탄성 표면파 필터

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