JPH07159767A - エマルジョン組成物および液晶素子 - Google Patents

エマルジョン組成物および液晶素子

Info

Publication number
JPH07159767A
JPH07159767A JP20586894A JP20586894A JPH07159767A JP H07159767 A JPH07159767 A JP H07159767A JP 20586894 A JP20586894 A JP 20586894A JP 20586894 A JP20586894 A JP 20586894A JP H07159767 A JPH07159767 A JP H07159767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
low
molecular weight
alcohol
polyvinyl alcohol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20586894A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ono
浩司 小野
Yoshihiro Kawatsuki
喜弘 川月
Toshiaki Itaya
利昭 板谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP20586894A priority Critical patent/JPH07159767A/ja
Publication of JPH07159767A publication Critical patent/JPH07159767A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電場を印加していない状態で高い散乱効率を
有する液晶素子の作成が可能なエマルジョン組成物およ
び当該液晶素子を提供すること。 【構成】 メチルアルコールなどの炭素数1〜10のア
ルコール、水(炭素数1〜10のアルコールと水との比
は重量比で1:9〜9:1の範囲にあることが好まし
い。)、ポリビニルアルコールおよび液晶を含むエマル
ジョン組成物。上記のエマルジョン組成物を乾燥させた
液晶層3(ポリビニルアルコールおよび液晶4からな
る)を挟むように電極2を有する基板が対向配置された
液晶素子。該液晶層における液晶のドロプレットが、球
形とは異なる歪んだ構造を有し、任意の1つの液晶ドロ
プレットにおける最大直径Rと最小直径rとの比R/r
が2以上であることを特徴とする液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調光硝子、液晶ディス
プレイなどに用いられる液晶表示材料の作製に利用され
るエマルジョン組成物および液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、高分子分散型液晶(以下、これを「PDLC」とい
う。)といわれる、高分子材料と低分子の液晶との混合
物を用いた液晶表示材料が開発されている。PDLCは
高分子マトリックス中に液晶が分散保持された膜構造を
有しており、表示素子に使用する場合でも偏光フィルム
が不要であること、フィルム上への成膜およびそのフィ
ルムを用いたラミネート技術によって素子を作成するた
め、大面積化が容易であることという利点を有する。P
DLCにおいては、電場の印加されていない状態では、
液晶のダイレクタがランダムな状態であり、高分子マト
リックスの屈折率と液晶の屈折率とが異なるために、光
が散乱され不透明となるが、電場が印加されると、液晶
のダイレクタが電場の方向に向き、高分子マトリックス
の屈折率と液晶の屈折率とが一致し透明となる。この現
象を応用して、電場によってスイッチング可能な調光硝
子、液晶ディスプレイなどへの応用が検討されている。
PDLCの作成方法としては、(1)液晶と高分子材料
とをこれらが可溶な溶媒に溶解させ、得られた溶液をバ
ーコータ、スピンコータなどで透明基板上にコートし、
溶媒が離脱する過程で液晶相と高分子相とを相分離させ
る方法、(2)光硬化性のモノマーまたは熱硬化性のモ
ノマーに液晶を溶解させ紫外線または熱で硬化させる時
点で相分離させる方法が挙げられる。これらの方法のう
ち(1)の方法では、相分離状態の進行を止めることが
困難であり、室温状態であっても相分離が進行するため
に耐久性に問題がある。また、(2)の方法では、製造
工程での硬化条件が非常に厳しく、安定して作成するこ
とができないといった欠点が指摘されている。
【0003】これに対し、ポリビニルアルコール(PV
A)水溶液に液晶を分散させることにより、比較的簡単
な方法で大面積の液晶素子を作成する技術が開発されて
いる(特開昭61−83595号公報参照)。同公報に
は、濃度20%程度のポリビニルアルコール水溶液に、
ネマチック液晶と適当な界面活性剤とを混合したものを
滴下し、コロイドミル、高速ミキサ等の適当な手段を用
いてエマルジョン状態にした溶液を、バーコータ、ドク
ターブレード等の適当な手段で、透明電極(ITO等)
のついたPETフィルムなどの上に塗布し乾燥させ、さ
らに透明電極付きPETフィルムでラミネートして作成
された液晶素子が示されている。ところが、上記の方法
でポリビニルアルコール/液晶エマルジョンから作成さ
れたPDLCは、(1)または(2)の方法で作成され
たPDLCに比べて電場を印加していない状態での散乱
効率が低いという指摘がされている。このためにPVA
系では、散乱特性を向上させるために、フィルムを厚く
する必要があり、駆動電圧の上昇を招いていた。また、
PVAと液晶は相互作用力が強いために、液晶の電場応
答が妨げられ、駆動電圧が高くなったり、ヒステリシス
が大きくなるという問題もある。
【0004】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、電場を印加していない状態で高い散乱効率を有
し、また、低電圧駆動が可能な液晶素子の作成に用いら
れるエマルジョン組成物および当該液晶素子を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本願の請
求項1に係る、低分子液晶、ポリビニルアルコール、水
および炭素数が1〜10のアルコールを含むエマルジョ
ン組成物により達成される。また、上記の目的は、本願
の請求項2に係る、低分子液晶、ポリビニルアルコー
ル、重合可能な低分子材料、水および炭素数が1〜10
のアルコールを含むエマルジョン組成物により達成され
る。本発明におけるアルコールとしては、液晶および水
との溶解性の点で、メタノール、エタノール、ブタノー
ル等の炭素数が1〜5のものが好ましい。また、本発明
のエマルジョン組成物において、炭素数が1〜10のア
ルコールと水との比は、溶解性および効果の点から、重
量比で1:9〜9:1の範囲にあることが好ましい。本
発明で用いられるポリビニルアルコールの重合度は特に
限定されるものではなく、溶液粘度との関係で、塗布す
るのに必要な粘度になるように調製され、例えば300
〜4000の範囲のものが用いられる。液晶としては、
例えばメルク製のE−7、E−8、E−44、E−6
3、ZLI−2061、ZLI−1780、ZLI−2
183などを用いることができる。また、本発明のエマ
ルジョン組成物に、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナ
トリウム、ソルビタンモノオレイン酸エステル+20
(C24O)、ソルビタンモノオレイン酸エステル+1
0(C24O)、ソルビタンモノオレイン酸エステル+
5(C24O)、ソルビタンモノラウリン酸エステル、
n−プロパノール、n−ブタノール、ソルビタンモノバ
ルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エス
テル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、プロピレン
グリコールモノラウリン酸エステル、ソルビタントリス
テアリン酸エステル、セチルアルコール、ソルビタンテ
トラステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノ
ステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノラウ
リン酸エステル、オレイン酸トリエタノールアミンなど
の界面活性剤を加えても良い。
【0006】上記の重合可能な低分子材料は少なくとも
2種の化合物からなり、その少なくとも一方は低分子液
晶の表面エネルギーより小さい表面エネルギーを有する
ことが好ましい。この場合の表面エネルギーの小さい低
分子材料の混合割合は、低分子材料全体に対して、0.
1〜99重量%、好ましくは1〜90重量%の範囲で調
製される。2種類以上の化合物からなる低分子材料を用
い、その組成を調製することにより、ポリビニルアルコ
ールの屈折率と低分子材料の屈折率とを一致させること
が可能であり、特性の向上が図られる。また、該低分子
材料の表面エネルギーが、低分子液晶の表面エネルギー
よりも小さいものを用いることによって液晶と高分子材
料との界面の相互作用を減少させ、応答速度、ヒステリ
シス等の電気光学特性の向上が図られる。この場合、低
分子液晶の表面エネルギーと低分子材料の表面エネルギ
ーとの差は5dyne/cm以上あることが好ましい。
また、上記の重合可能な低分子材料としては、フッ素を
1つ以上含むアルキルアルコール残基を有する(メタ)
アクリル酸エステルが表面エネルギーが小さい点で好ま
しく、そのモノマー成分としては、トリフルオロメチル
メタクリレート、トリフルオロメチルアクリレート、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、トリ
フルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピルアクリレート、パーフルオロヘキ
シルエチルメタクリレート、パークロロオクチルメタク
リレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレー
ト、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2,
2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレ
ート、β−(パークロロオクチル)エチルアクリレー
ト、β−(パークロロオクチル)エチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルが
挙げられる。上記のフッ素を1つ以上含むアルキルアル
コール残基を有する(メタ)アクリル酸エステルのモノ
マーは屈折率が小さいので、低分子液晶との屈折率差を
調整するため、屈折率の高い他の(メタ)アクリル系の
モノマーとの共重合体を用いても良い。この場合に、共
重合体を構成する他の(メタ)アクリル系のモノマーと
しては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸フェノキシエチル等のメタクリル酸アルキル化合物、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニ
ル等の環状化合物エステル基を有するメタクリル酸エス
テル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェノキシ
エチル等のアクリル酸アルキル化合物、アクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸イソボルニル等の環状化合物エ
ステル基を有するアクリル酸エステル、グリシジルメタ
クリレート、2−ブテニルメタクリレート、シンナミル
メタクリレートなどの光または熱架橋性のあるエステル
残基をもつ化合物が挙げられる。ここで、重合可能な低
分子材料の含有量が、液晶および高分子材料の量に対し
て小さい場合には屈折率差の特性への影響は小さいの
で、共重合体にする必要性が小さい。
【0007】その他の重合可能な低分子材料の例とし
て、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、イソボルニルアクリレート、メトキシトリエ
チレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレン
グリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリ
コールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレング
リコールアクリレート、EO変性フタノール酸アクリレ
ート、EO変性コハク酸アクリレート、アクリル化イソ
シアヌレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、
ネオペンチルグリコールアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ジメチロー
ルトリシクロデカンジアクリレート、アリル化シクロヘ
キシルジアクリレート、アクリル化イソシアヌレート、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリグ
リセロールジアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、カプロラクトン変性トリスイソシア
ヌレート、ノナオキシエチレンジアクリレート、ノナオ
キシエチレンジメタクリレートなどが挙げられる。な
お、本発明のエマルジョン組成物における重合可能な低
分子材料のポリビニルアルコールに対する混合割合は5
〜95重量%の範囲が好ましく、5〜50重量%、さら
に10〜40重量%の範囲がより好ましい。
【0008】上記の他の目的は、本願の請求項5に係る
低分子液晶、ポリビニルアルコール、水および炭素数が
1〜10のアルコールを含むエマルジョン組成物、また
は、本願の請求項6に係る低分子液晶、ポリビニルアル
コール、重合可能な低分子材料、水および炭素数が1〜
10のアルコールを含むエマルジョン組成物より作成さ
れた液晶層を挟むように電極基板が対向配置されてなる
ことを特徴とする液晶素子により達成される。
【0009】上記の液晶素子は例えば以下の方法で作成
される。まず適当な重合度のポリビニルアルコールを水
と炭素数が1〜10のアルコールとの混合溶媒に溶か
す。この場合、必要に応じて加熱を行うと作成しやす
い。ここで、必要に応じて、得られたポリビニルアルコ
ール水溶液に界面活性剤を滴下する。つぎに、液晶をポ
リビニルアルコール水溶液中に滴下し、1000rpm
〜5000rpm程度でミキサーを用いて懸濁しエマル
ジョンを作成する。この場合に、泡を発生させない目的
で、消泡剤を添加することもできる。消泡剤としては、
センカアンチホームP(日本染化製)、ニッサンディス
ホーム(日本油脂製)、パイオニンK−17、パイオニ
ンK−16(竹本油脂製)などを使用できる。消泡剤の
添加量は、ポリビニルアルコールに対して0.2〜0.
5重量%程度が一般的である。このようにして作成され
たエマルジョン溶液をITOコートフィルム上にバーコ
ータ等を用いて塗布し、乾燥させ、さらに他の電極基板
で挟んでラミネートする。本発明の液晶素子の概略断面
図を図1に示す。本発明の液晶素子はポリビニルアルコ
ール中に液晶4が分散された液晶層3が電極2を有する
基板1で挟まれている。なお、上記の基板としては、ガ
ラス、プラスチックガラス等の堅い材料であっても、プ
ラスチックフィルムのような柔軟性のある材料であって
も良い。また、2枚の基板のうち少なくとも一方は透明
性を有している。本発明による液晶素子を光散乱型の投
射型の液晶表示装置に利用すると、電界を印加していな
い部分は、液晶材料がPVAとの相分離状態にあり、液
晶材料がランダムな方向で分散しているので、光が散乱
するため黒色になる。一方、電界を印加した部分は液晶
のみがホメオトロピックに配向し、PVAと屈折率が近
くなり、透明になる。
【0010】また、上記の他の目的は、ポリビニルアル
コール等の高分子材料中に分散した低分子液晶のドロプ
レットが、球形とは異なる歪んだ構造を有し、任意の1
つの液晶ドロプレットにおける最大直径Rと最小直径r
との比R/rが2以上であることを特徴とする低分子液
晶と高分子材料との混合物からなる液晶層と、該液晶層
を挟むように対向配置された電極基板とを備える液晶素
子により達成される。上記の液晶層は、低分子液晶、ポ
リビニルアルコール、水および炭素数が1〜10のアル
コールを含むエマルジョン組成物、または、低分子液
晶、ポリビニルアルコール、重合可能な低分子材料、水
および炭素数が1〜10のアルコールを含むエマルジョ
ン組成物を用いることにより効率良く作成することがで
きる。
【0011】上記発明による液晶ドロプレットの1例を
透過電子顕微鏡を用いて観察した結果を図2に示す。図
2に示すようにポリビニルアルコール5中の液晶ドロプ
レット6は球形ではなく、歪んだ構造を有し、その最大
直径(図中、Rで示す。)と最小直径(図中、rで示
す。)との比が2以上である。
【0012】上記の液晶素子においては、少なくとも2
種類の高分子材料と低分子液晶とが相分離し、高分子材
料と低分子液晶との界面には少なくとも2種類の高分子
材料のうちの1つの高分子材料が存在し、該低分子液晶
を中心として高分子材料の組成比が徐々に変化、すなわ
ち界面に存在する当該1つの高分子材料の組成比が徐々
に低下している液晶層を有することが好ましい。かかる
液晶素子は、低分子液晶、高分子材料、重合可能な高分
子材料および重合開始剤を含む液晶表示材料を、表面を
導電処理した基板にコートして液晶層を形成する工程、
上記の重合可能な低分子材料を重合させる工程および他
の導電処理した基板で該液晶層を挟み込む工程で行う
か、該液晶表示材料を、表面を導電処理した基板にコー
トして液晶層を形成する工程、他の導電処理した基板で
該液晶層を挟み込む工程および重合可能な低分子材料を
重合させる工程により作成することができる。この際、
通常のラジカル重合開始剤であるアセトフェノン系、ベ
ンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系のも
のを用いることができ、たとえば、4−フェノキシジク
ロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセト
フェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノ
ン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安
息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベン
ゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベ
ンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニ
ルサルファイド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベ
ンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサン
ソン、2−メチルチオキサンソンを挙げることができ
る。
【0013】
【作用】ポリビニルアルコール/液晶エマルジョンにお
いて、炭素数が1〜10のアルコールを構成成分に加え
ることにより、液晶がポリビニルアルコール中でかなり
変形したドロプレット状態で分散されることが見出され
た。一方、溶媒離脱法または紫外線・熱硬化法によるP
DLCが高い散乱特性を有するのは、液晶が高分子中で
連続相を形成して分散しているためであると言われてお
り、本発明のエマルジョン組成物で高い散乱特性が得ら
れるのは、液晶の分散状態の差異によるものであると考
えられる。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 実施例1 けん化度88%のポリビニルアルコール10重量部を4
5重量部の蒸留水および45重量部のメチルアルコール
の混合溶媒に100℃で溶解し、ポリビニルアルコール
溶液を作成した。このポリビニルアルコール溶液にネマ
チック液晶(メルク製E−7)を滴下し、高速ミキサー
を用いて5000rpmで撹拌しエマルジョンを作成し
た。得られたエマルジョンをITOがコートされたPE
Tフィルム(王子トービ社製)上に滴下し、バーコータ
で塗布し乾燥させて液晶層を設けた(液晶層の膜厚:1
2μm)。得られた液晶層の表面状態は良好で、均一な
フィルムを得ることができた。次にこれを他のITOコ
ート付きPETフィルムで貼り合わせてラミネートし液
晶素子を作成した。この液晶素子に交流電場(1kHz
の矩形波)を印加し、He−Neレーザ光の透過光を測
定することによって印加電場依存性を測定した。測定結
果を図3(図中(a))に示す。図3より、本実施例の
液晶素子が電圧0の状態で透過率が極めて小さいことが
明らかである。
【0015】上記により得られた液晶素子の液晶層を透
過電子顕微鏡を用いて観察したところ各液晶ドロプレッ
トの最大直径と最小直径との比は2.5〜3.8の範囲
内であった。
【0016】実施例2 けん化度88%のポリビニルアルコール10重量部を4
5重量部の蒸留水および45重量部のメチルアルコール
の混合溶媒に100℃で溶解し、ポリビニルアルコール
溶液を作成した。このポリビニルアルコール溶液にネマ
チック液晶(メルク社製ZLI−2061)およびノナ
オキシエチレンジアクリレートとパーフルオロオクチル
エチルアクリレートとの混合物を滴下し、高速ミキサー
を用いて5000rpmで撹拌しエマルジョンを作成し
た。得られたエマルジョンをITOがコートされたPE
Tフィルム(王子トービ社製)上に滴下し、バーコータ
で塗布し乾燥させて液晶層を設けた(液晶層の膜厚:5
μm)。得られた液晶層の表面状態は良好で、均一なフ
ィルムを得ることができ、光散乱特性も良好であった。
次に、得られた液晶層を12mW/cm2の強度の高圧
水銀ランプで30分間露光して低分子材料を光重合し
た。次いで、該液晶層を他のITOがコートされたPE
Tフィルムで挟み込んで液晶素子を作成した。この液晶
素子に交流電場を印加し、He−Neレーザ光の透過光
を測定することによって印加電場依存性を測定した。測
定結果を図4(図中(a))に示す。図4より、本実施
例の液晶素子が低電圧で駆動し、高いコントラストを有
しているのが明らかである。なお、接触角の測定より表
面エネルギーを求めると、パーフルオロオクチルエチル
アクリレートの表面エネルギーは25dyne/cm
で、液晶(上記ZLI−2061)の表面エネルギーは
31dyne/cmであった。
【0017】上記により得られた液晶素子の液晶層を透
過電子顕微鏡を用いて観察したところ、各液晶ドロプレ
ットの最大直径と最小直径との比は2.3〜3.5の範
囲内であった。また、液晶層の構造を透過電子顕微鏡で
観察すると、図5に模式図を示すように、パーフルオロ
オクチルエチルアクリレートとベンジルアクリレートと
が光重合してなる重合体の層8が低分子液晶9の界面に
存在し、徐々にポリビニルアルコールに対する当該重合
体の割合が減少するように低分子液晶8を中心として当
該重合体の組成比が変化していることが確認された。
【0018】比較例1 けん化度88%のポリビニルアルコール10重量部を9
0重量部の蒸留水に100℃で溶解し、ポリビニルアル
コールの水溶液を作成した。このポリビニルアルコール
水溶液にネマチック液晶(メルク社製E−7)を滴下
し、高速ミキサーを用いて5000rpmで撹拌しエマ
ルジョンを作成した。得られたエマルジョンをITOが
コートされたPETフィルム(王子トービ社製)上に滴
下し、バーコータで塗布し乾燥させて液晶層(液晶層の
膜厚:12μm)を設けた。次にこれを他のITOコー
ト付きPETフィルムで貼り合わせラミネートし液晶素
子を作成した。この液晶素子を用いて実施例1における
と同様にして印加電場依存性を測定した。その測定結果
を図3(図中(b))に示す。図3より、本比較例の液
晶素子は実施例1のものに比べて電圧0の状態で透過率
が高いことが明らかである。
【0019】比較例2 けん化度88%のポリビニルアルコール10重量部を9
0重量部の蒸留水に100℃で溶解し、ポリビニルアル
コールの水溶液を作製した。このポリビニルアルコール
溶液にネマチック液晶(メルク社製ZLI−2061)
およびノナオキシエチレンジアミンとパーフルオロオク
チルエチルアクリレートとの混合物を滴下し、高速ミキ
サーを用いて5000rpmで撹拌しエマルジョンを作
成した。得られたエマルジョンをITOがコートされた
PETフィルム(王子トービ社製)上に滴下し、バーコ
ータで塗布し乾燥させて液晶層(液晶層の膜厚:12μ
m)を設けた。得られた液晶層の表面状態は良好で、均
一なフィルムを得ることができたが、光散乱特性は充分
ではなかった。次に実施例2と同様にして低分子材料を
光重合させた後、液晶層を他のITOコートがコートさ
れたPETフィルムで挟み込んで液晶素子を作成した。
この液晶素子の印加電場依存性を測定した結果を図4
(図中(b))に示す。図4より、本比較例の液晶素子
は、電場を印加していない状態での光散乱特性が充分で
はなく、コントラストが低いことが明らかである。な
お、上記の各比較例により得られた液晶素子の液晶層を
透過電子顕微鏡を用いて観察したところ、各液晶ドロプ
レットは概ね球形で最大直径と最小直径との比は2より
小さかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、電場を印加していない
状態で高い散乱効率を有する液晶素子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の概略断面図である。
【図2】液晶ドロプレットの観察結果を示す図である。
【図3】実施例1および比較例1の液晶素子の印加電場
依存性を示す図である。
【図4】実施例2および比較例2の液晶素子の印加電場
依存性を示す図である。
【図5】本発明による液晶層の構造を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 … 基板 2 … 電極 3 … 液晶層 4 … 液晶

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子液晶、ポリビニルアルコール、水
    および炭素数が1〜10のアルコールを含むエマルジョ
    ン組成物。
  2. 【請求項2】 低分子液晶、ポリビニルアルコール、重
    合可能な低分子材料、水および炭素数が1〜10のアル
    コールを含むエマルジョン組成物。
  3. 【請求項3】 重合可能な低分子材料がフッ素原子を1
    つ以上含むアルキルアルコール残基を有するアクリル酸
    エステルまたはメタクリル酸エステルであることを特徴
    とする請求項2記載のエマルジョン組成物。
  4. 【請求項4】 重合可能な低分子材料が少なくとも2種
    の化合物からなり、その少なくとも一方は低分子液晶の
    表面エネルギーより小さい表面エネルギーを有すること
    を特徴とする請求項2または3に記載のエマルジョン組
    成物。
  5. 【請求項5】 低分子液晶、ポリビニルアルコール、水
    および炭素数が1〜10のアルコールを含むエマルジョ
    ン組成物からなる液晶層を挟むように電極基板が対向配
    置されてなることを特徴とする液晶素子。
  6. 【請求項6】 低分子液晶、ポリビニルアルコール、重
    合可能な低分子材料、水および炭素数が1〜10のアル
    コールを含むエマルジョン組成物からなる液晶層を挟む
    ように電極基板が対向配置されてなることを特徴とする
    液晶素子。
  7. 【請求項7】 液晶層における液晶のドロプレットが、
    球形とは異なる歪んだ構造を有し、任意の1つの液晶ド
    ロプレットにおける最大直径Rと最小直径rとの比R/
    rが2以上であることを特徴とする請求項5または6に
    記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 高分子材料中に分散した低分子液晶のド
    ロプレットが球形とは異なる歪んだ構造を有し、任意の
    1つの液晶ドロプレットにおける最大直径Rと最小直径
    rとの比R/rが2以上であることを特徴とする低分子
    液晶と高分子材料との混合物からなる液晶層と、該液晶
    層を挟むように対向配置された電極基板とを備える液晶
    素子。
  9. 【請求項9】 少なくとも2種類の高分子材料と低分子
    液晶とが相分離し、高分子材料と低分子液晶との界面に
    は少なくとも2種類の高分子材料のうちの1つの高分子
    材料が存在し、該低分子液晶を中心として高分子材料の
    組成比が徐々に変化している液晶層を有することを特徴
    とする請求項8記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 高分子材料と低分子液晶との界面に存
    在する高分子材料が重合可能な低分子材料が重合されて
    なるものであることを特徴とする請求項9記載の液晶素
    子。
JP20586894A 1993-10-14 1994-08-31 エマルジョン組成物および液晶素子 Pending JPH07159767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20586894A JPH07159767A (ja) 1993-10-14 1994-08-31 エマルジョン組成物および液晶素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25706993 1993-10-14
JP5-257069 1993-10-14
JP20586894A JPH07159767A (ja) 1993-10-14 1994-08-31 エマルジョン組成物および液晶素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07159767A true JPH07159767A (ja) 1995-06-23

Family

ID=26515299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20586894A Pending JPH07159767A (ja) 1993-10-14 1994-08-31 エマルジョン組成物および液晶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07159767A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275471A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Toshiba Corp 液晶マイクロカプセルおよび液晶表示素子
JP2013518167A (ja) * 2010-01-29 2013-05-20 ブラスター エス. エイ. 水中油型液晶エマルションおよび液晶エマルションの調製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275471A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Toshiba Corp 液晶マイクロカプセルおよび液晶表示素子
JP2013518167A (ja) * 2010-01-29 2013-05-20 ブラスター エス. エイ. 水中油型液晶エマルションおよび液晶エマルションの調製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960007252B1 (ko) 복합재료, 그를 포함하는 액정 디스플레이 장치 및 그의 제조방법
US4891152A (en) Dispersion of liquid crystal droplets in a photopolymerized matrix and devices made therefrom
KR100459940B1 (ko) 균일한크기의복수의구형소적과이를포함하는복수의중합체입자,이로부터형성된피막,액정장치및소적형성방법
US4818070A (en) Liquid crystal optical device using U.V.-cured polymer dispersions and process for its production
CN106200085A (zh) 光波导显示基板及其制备方法和显示装置
CN110092875B (zh) 一种基于液晶/高分子复合材料体系的pdlc膜的制备方法
CN110095896A (zh) 一种基于液晶/高分子复合材料的调光膜的制备方法
WO2002006859A1 (fr) Couches de diffusion de lumiere
JPH075437A (ja) ポリマーと二色性染料含有液晶とをベースとする複合材料の製造方法
KR100321397B1 (ko) 고분자매트릭스를개질한전기광학적특성고분자분산액정복합필름및그의제조방법
US5378391A (en) Liquid crystal film
JPH07159767A (ja) エマルジョン組成物および液晶素子
JP4099955B2 (ja) (高分子/液晶)複合膜表示装置及びその製造方法
CN108164652A (zh) 一种聚合物分散液晶薄膜材料及制备方法
JPH07181457A (ja) 液晶表示材料
JPH07230080A (ja) 液晶表示材料および液晶表示素子とその作製方法
US5525381A (en) Electro-optical material based on polymer-dispersed liquid crystal, method for the preparation thereof by chemical modification of the interface and device based on this material
JPH07191305A (ja) 液晶素子
JPH05119304A (ja) 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法
JP3232114B2 (ja) 液晶/高分子複合膜及びその製造方法
JPH0862561A (ja) 液晶プレポリマー組成物および該組成物を用いた液晶表示素子
JPH01252689A (ja) 液晶デバイス
JPH08179290A (ja) 光変調素子
JP2685042B2 (ja) 面状調光素子の製造方法
JP2001221999A (ja) 液晶表示素子及びそれを用いた表示装置