JPH07158640A - 磁気軸受 - Google Patents

磁気軸受

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JPH07158640A
JPH07158640A JP30827693A JP30827693A JPH07158640A JP H07158640 A JPH07158640 A JP H07158640A JP 30827693 A JP30827693 A JP 30827693A JP 30827693 A JP30827693 A JP 30827693A JP H07158640 A JPH07158640 A JP H07158640A
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vibration
damping
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紘一 須田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転体を幾何学的中心軸回りに回転させなが
ら、回転体の不釣合による振動を抑制することができる
ようにする。 【構成】 制振データテーブル用記憶装置43に、回転
体の角度に応じて回転体の不釣合によって生じる遠心力
を打ち消すための力を電磁石より発生させる制振用励磁
電流に対応した制振データを記憶し、この制振データを
回転体の角度毎に読み出して、DAコンバータ48a〜
48dによって回転バランス信号Va〜Vdに変換し、
各軸毎の制御回路20a〜20dにおける電磁石の制御
電圧に重畳する。回転バランス信号Va〜Vd に応じ
た制振用励磁電流によって、電磁石より、回転体の不釣
合によって生じる遠心力を打ち消す力が発生され、回転
体の振動が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の不釣合による
振動を抑制できるようにした磁気軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気軸受において、電磁石で軸支された
回転体に不釣合があると回転したときに好ましくない振
動を生じる。この回転体の不釣合をなくすため、従来か
ら機械的なバランス調整が行われている。この方法は、
実際に回転体を回転させ、不釣合箇所を調べ、次に一旦
回転を止めて、回転体に取り付けるバランスウエイトの
取り付け位置および重さを調整することを、繰り返して
行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな機械的なバランス調整を十分に行った場合でも、回
転体の不釣合をほぼ完全になくすことは難しく、通常、
残留不釣合が存在する。しかし、磁気軸受は通常数万r
pmという高速回転で使用することが多く、わずかな残
留不釣合があっても危険な振動を生じる。
【0004】一方、特公昭60−14929号公報に示
されるように、残留不釣合による振動を防止するため、
回転軸を慣性中心軸回りに回転するように磁気軸受を制
御する方法もあるが、回転軸が幾何学的中心軸から慣性
中心軸にずれてしまうため、幾何学的中心軸で回転させ
なければならない加工装置等の用途には使用できないと
いう問題点がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、回転体を幾何学
的中心軸回りに回転させながら、回転体の不釣合による
振動を抑制できるようにした磁気軸受を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、回転体を磁
気浮上させるための電磁石と、回転体の変位を検出する
センサと、回転体を所定の位置に保持するために、セン
サの出力に基づいて電磁石の励磁電流を制御する電磁石
制御回路と、回転体の回転位置に応じて回転体の不釣合
によって生じる遠心力を打ち消すための力を電磁石より
発生させる制振用励磁電流に対応した制振データを記憶
する記憶手段と、この記憶手段に記憶された制振データ
に基づいて、回転体の回転位置に応じた制振用励磁電流
を、電磁石制御回路による励磁電流に重畳する回転バラ
ンス制御手段とを、磁気軸受に具備させて、前記目的を
達成する。
【0007】
【作用】この磁気軸受では、電磁石制御回路によって、
センサの出力に基づいて電磁石の励磁電流が制御され
て、回転体が所定の位置に保持される。また、記憶手段
によって、回転体の回転位置に応じて回転体の不釣合に
よって生じる遠心力を打ち消すための力を電磁石より発
生させる制振用励磁電流に対応した制振データが記憶さ
れ、この制振データに基づいて、回転バランス制御手段
によって、回転体の回転位置に応じた制振用励磁電流
が、電磁石制御回路による励磁電流に重畳される。
【0008】そして、制振用励磁電流に応じて電磁石よ
り発生される力によって、回転体の不釣合によって生じ
る遠心力が打ち消され、回転体は、幾何学的中心軸回り
に回転しながら、振動が抑制される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の磁気軸受における一実施例を
図1ないし図7を参照して詳細に説明する。まず、本実
施例の磁気軸受における振動抑制の原理について説明す
る。
【0010】図6および図7に示すように、磁気軸受は
通常ラジアル方向が4軸、スラスト方向が1軸の合計5
軸で構成されているが、回転バランスに関係するのはラ
ジアル4軸である。ラジアル4軸のうち2軸は回転軸の
一端を支持しており、これをV1V3軸およびW1W3
軸と呼ぶことにする。V1V3軸とW1W3軸は直交し
ている。残りの2軸は回転軸の他端を支持しており、こ
れをV2V4軸およびW2W4軸と呼ぶことにする。
【0011】V2V4軸とW2W4も直交している。ス
ラスト方向はZ軸で支持している。V1V3軸において
は、電磁石V1と電磁石V3が回転軸Oのそれぞれ反対
側にあり、電磁石の吸引力が回転体10に作用するよう
になっている。ラジアル方向の他の軸についても同様で
ある。
【0012】図7に示すように、回転体10に分布して
いるアンバランス分は、図中符号11、12で示すよう
に、上と下の2箇所に集中しているとみなせる。従来
は、この上および下のアンバランス分11、12を打ち
消すようなバランスウエイト13、14を回転体10に
取り付けて、機械的なバランス調整によって振動を抑制
するようにしていた。本実施例は、機械的なバランス調
整で取りきれなかった残留不釣合をほぼ完全に除去する
ため、機械的なバランス調整と同じ考え方で、ある質量
のバランスウエイトを取り付けたのと同じ効果を電気的
に実現しようとするものである。
【0013】図1は、本実施例の磁気軸受における振動
抑制の原理を説明するための説明図である。なお、この
図では、上側の軸についてのみ示しているが、下側の軸
についても同様である。この図に示すように、本実施例
では、バランスウエイト13(14)と等価な遠心力F
を発生させるように、上下それぞれの直交するする2軸
の電磁石に、本来の励磁電流に重畳して、sinθ、c
osθに比例した制振用励磁電流Ia、Ia*、Ib、
Ib*を流すようにする。なお、このIa、Ia*は、
大きさが等しく極性が反対の電流で、電磁石V1および
V3のうち一方の電磁石の力を強め他方の電磁石の力を
弱めるように作用する。Ib、Ib*についても同様で
ある。
【0014】θは、バランスウエイト13(14)の角
度(回転位置)である。これより、回転する力を発生さ
せ、不釣合による遠心力を打ち消して、ほぼ完全にバラ
ンスがとれた状態にすることができる。なお、当然であ
るが、上側の軸と下側の軸とでは、制振用励磁電流の位
相および振幅が同じとは限らない。
【0015】制振用励磁電流の位相と振幅は、実際に回
転体10を回転させて、オシロスコープ等によって変位
センサの回転振動検出波形を見ながら、制振用励磁電流
の位相と振幅および遠心力の回転方向を調整し、回転振
動が最小になるように調整する。なお、位相は、図7に
示すように、回転体10と同じ軸に連結されたロータリ
エンコーダ15からの信号により決められる。
【0016】次に、本実施例の磁気軸受の構成について
具体的に説明する。図2は磁気軸受の制御回路の構成を
示すブロック図である。なお、この図は、V1V3軸の
1軸分についてのみ示しているが、他の軸についても同
様である。この図に示すように、回転体10の周囲には
ステータ22が設けられている。V1V3軸用制御回路
20aは、このステータ22上で、回転体10を挟んで
対向する位置に配設された電磁石V1、V3と、同じく
ステータ22上で、電磁石V1、V3と同様の位置に配
設され、回転体10の変位を検出するための変位センサ
23a、23bとを備えている。
【0017】V1V3軸用制御回路20aは、さらに、
変位センサ23a、23bの出力から、回転体10の位
置に応じたセンサ信号25を生成する位置検出器24
と、センサ信号25と基準信号26とに基づいて制御電
圧を生成するアンプ27と、このアンプ27からの制御
電圧に対してPID補償を行うPID補償器28と、こ
のPID補償器28からの制御電圧を入力し、位相を反
転させた制御電圧と位相を反転させない制御電圧とを出
力する位相反転器29と、この位相反転器29からの位
相を反転させない制御電圧を制御電流に変換して電磁石
V1に供給する電力増幅器30aと、位相反転器29か
らの位相を反転させた制御電圧を制御電流に変換して電
磁石V3に供給する電力増幅器30bとを備えている。
【0018】また、本実施例におけるV1V3軸用制御
回路20aでは、PID補償器28と位相反転器29の
間に、例えば加算器で構成されたVI加算点31が設け
られている。このVI加算点31では、PID補償器2
8からの制御電圧に対して、後述する回転バランス制御
回路40からの回転バランス信号Va が重畳されるよ
うになっている。この回転バランス信号Va は、回転
体10の不釣合によって生じる遠心力を打ち消すための
力を発生させるため、電磁石V1、V3に重畳する制振
用励磁電流Ia およびIa*に対応した電圧である。
【0019】図3は回転バランス制御回路40の構成を
示すブロック図である。この回転バランス制御回路40
は、マイクロコンピュータ41と、このマイクロコンピ
ュータ41に接続された操作パネル42と、マイクロコ
ンピュータ41からのデータD1を記憶する制振データ
テーブル用記憶装置43と、制振データテーブル用記憶
装置43のアドレスを発生させる角度カウンタ44と、
マイクロコンピュータ41からのアドレスAD1と角度
カウンタ44からのアドレスAD2の一方を選択してア
ドレスAD3として制振データテーブル用記憶装置43
に与えるセレクタ45とを備えている。
【0020】角度カウンタ44は、回転体10に取り付
けられたロータリエンコーダ15から1回転毎に出力さ
れるインデックスパルスP1によってクリアされるよう
になっている。回転バランス制御回路40は、さらに、
回転体10に取り付けられたロータリエンコーダ15か
ら出力される角度パルスP2をてい倍し、わずかずつタ
イミングが異なる4つのパルスを出力するてい倍器46
と、このてい倍器46の出力の論理和をとり、角度カウ
ンタ44のカウントアップ入力端UPに入力させるオア
ゲート47と、それぞれ制振データテーブル用記憶装置
43からのデータD2がデータ入力端に印加される4つ
の入力ラッチ付き乗算型DAコンバータ48a〜48d
と、角度パルスP2を周波数−電圧変換して回転速度信
号ωを出力するF/V変換器49と、このF/V変換器
49からの回転速度信号ωを2乗してDAコンバータ4
8a〜48dの各リファランス入力端REFに印加する
アナログ乗算器50とを備えている。
【0021】DAコンバータ48a〜48dの各ラッチ
入力端Lには、それぞれ、てい倍器46の各出力パルス
が印加されるようになっている。また、DAコンバータ
48a〜48dの各出力は、それぞれ回転バランス信号
Va、Vb、Vc、Vdとして、V1V3軸用制御回路
20a、W1W3軸用制御回路20b、V2V4軸用制
御回路20c、W2W4軸用制御回路20dの各VI加
算点31に印加されるようになっている。
【0022】オペレータは、回転バランスを調整したい
ときに、操作パネル42によって、各軸毎の制振データ
の位相や振幅のパラメータを入力できるようになってい
る。そして、マイクロコンピュータ41は、このパラメ
ータに基づいて、ラジアル4軸の角度毎の制振データを
計算し、その結果を制振データテーブル用記憶装置43
内の制振データテーブルに書き込むようになってい
る。。
【0023】制振データテーブル用記憶装置43は、こ
のようなラジアル4軸の角度毎の制振データを保持して
いる。この制振データテーブル用記憶装置43は、通常
は、角度カウンタ44によりアドレス指定され、データ
が読み出されるが、バランス調整時には、マイクロコン
ピュータ41によりアドレス指定され、データが書き換
えられるようになっている。
【0024】図4は制振データテーブル用記憶装置43
内の制振データテーブルの内容を示す説明図である。こ
の図に示すように、制振データテーブルには、アドレス
の小さい方から順に、0度から1度毎の制振データが保
持され、各角度毎の制振データは、それぞれ、アドレス
の小さい順に配列されたV1V3軸用、W1W3軸用、
V2V4軸用、W2W4軸用の4つのデータで構成され
ている。
【0025】次に本実施例の磁気軸受の動作について説
明する。まずマイクロコンピュータ41により各軸ごと
に下記の式により、制振データテーブルに記憶する制振
データの値が計算される。 V1V3軸…Asin(θ+α) W1W3軸…A′cos(θ+α′) V2V4軸…Bsin(θ+β) W2W4軸…B′cos(θ+β′) ここで、θは回転体10の角度(回転位置)であり、ロ
ータリエンコーダ15のインデックスパルスP1の位置
が0度となる。また、α、α′、β、β′はインデック
スパルスP1の位置からの各軸の位相のずれ量であり、
バランス調整時にオペレータにより与えられる。通常
は、αとα′、βとβ′は大体同じ値であるが、直交す
る軸の角度誤差により多少異なる。
【0026】なお、この位相値は機械的バランス調整に
おける、バランスウエイトの取り付け位置に相当する。
また、A、A′、B、B′は振幅であり、バランス調整
時にオペレータにより与えられる。通常は、AとA′、
BとB′は大体同じ値であるが、直交する軸の電磁石の
力のばらつきにより多少異なる。なお、この振幅値は機
械的バランス調整における、バランスウエイトの重さに
相当する。
【0027】なお、回転体10の回転方向と電磁力によ
る回転方向が逆になった場合は、V1V3軸のAsin
(θ+α)およびV2V4軸のBsin(θ+β)の符
号を反転させれば良い。これにより、電磁力による回転
方向が反転し、回転体10の回転方向と電磁力による回
転方向が一致する。
【0028】ロータリエンコーダ15が1周で360パ
ルスを発生する場合、θが0度から359度まで1度き
ざみで増加する。従って、制振データテーブルは、図4
に示すように、4×360=1440項目となる。な
お、このテーブルのデータは、その後、DAコンバータ
48a〜48dに与えられるので、使用するDAコンバ
ータに適合した型式にして制振データテーブルに書き込
んでおく必要がある。
【0029】マイクロコンピュータ41により制振デー
タテーブルにデータが書き込まれた後、マイクロコンピ
ュータ41からのアドレス切り換え信号ASによってセ
レクタ45が切り換えられ、制振データテーブルをアク
セスするアドレスAD3が、マイクロコンピュータ41
からのアドレスAD1から角度カウンタ44からのアド
レスAD2側に切り換わる。
【0030】角度カウンタ44は、回転体10の回転軸
に取り付けられたロータリーエンコーダ15からの信号
により回転体10の角度を知るためのもので、1周1発
出るロータリエンコーダ15のインデックスパルスP1
によりクリアされて0になる。従って、インデックスパ
ルスP1の位置が基準の0度になる。
【0031】また、ロータリエンコーダ15からは、角
度パルスP2が出力される。例えば、1周360発の場
合は角度1度に1発ずつ角度パルスP2が出力される。
この角度パルスP2は、てい倍器46により4倍され、
各軸に対応する4つのパルスが生成される。このてい倍
器46からのパルスは、オアゲート47を経て角度カウ
ンタ44に与えられ、角度カウンタ44はこのパルスに
よってカウントアップする。
【0032】また、てい倍器46からの4つのパルス
は、それぞれ、DAコンバータ48a〜48dのラッチ
入力端Lに与えられる。従って、角度パルスP2が1発
来る毎に、制振データテーブルから4軸分の制振データ
が順に読み出され、各軸に対応したDAコンバータ48
a〜48dに与えられ、各DAコンバータ48a〜48
d内のレジスタに順にラッチされる。
【0033】また、DAコンバータ48a〜48dは、
アナログ値のリファランス入力とデジタル値のデータ入
力との積のアナログ値を出力するようになっている。回
転による遠心力は回転速度の2乗に比例する。そこで、
リファランス入力に、回転速度ωの2乗に比例するアナ
ログ値を与えるようにしている。従って、各DAコンバ
ータ48a〜48dの出力である回転バランス信号Va
〜Vd は、それぞれ下記のような式になる。
【0034】 V1V3軸…Va =ω2 Asin(θ+α) W1W3軸…Vb =ω2 A′cos(θ+α′) V2V4軸…Vc =ω2 Bsin(θ+β) W2W4軸…Vd =ω2 B′cos(θ+β′) このように、制振データにω2 を掛けることにより、回
転速度が0から目的の回転速度まで連続的に回転バラン
スをとることができる。なお、ω2 は、角度パルスP2
をF/V変換器49により回転速度に比例した電圧ωに
し、このωをアナログ乗算器50により2乗して得る。
【0035】図5は、インデックスパルスP1(図5
(a))と、角度パルスP2(図5(b))と、V1V
3軸用回転バランス信号Va (図5(c))との関係
を示したものである。図5(d)に示すように、V1V
3軸用回転バランス信号Va は、実際には、角度1度毎
にステップ状に変化している。なお、他の軸用の回転バ
ランス信号とインデックスパルス、角度パルスとの関係
も同様である。
【0036】このようにして、回転バランス制御回路4
0から、各軸毎の回転バランス信号Va〜Vd が、各
軸毎の制御回路20a〜20dのVI加算点31に加え
られる。これにより、PID補償器28からの制御電圧
に対して回転バランス信号が重畳され、本来の励磁電流
に対して制振用励磁電流が重畳されることになる。そし
て、制振用励磁電流によって、回転体10の不釣合によ
って生じる遠心力を打ち消すための力が電磁石より発生
され、回転体10の振動が抑制される。
【0037】次に、回転バランス調整の手順について説
明する。 まず通常の機械的方法で、回転体10にわずかな残留
不釣合が存在する状態までバランス調整を行う。 次に、回転体10を目的の速度で回転させる。
【0038】次に、V1V3軸の変位センサ23a、
23bの出力をオシロスコープで見ながら、V1V3軸
に与える回転バランス信号Va の振幅Aおよび位相α
の値を変えていき、変位センサ23a、23bにより検
出される振動波形が最小になるところを求める。振幅A
および位相αの値の変更は、オペレータが操作パネル4
2からマイクロコンピュータ41に数値を与えることに
より行う。
【0039】マイクロコンピュータ41は、この数値が
与えられるとAsin(θ+α)を計算する。計算が終
了したらセレクタ45をAD1側に切り換えて、記憶装
置43の必要な部分を書換える。書換え後、セレクタ4
5をAD2側に切り換えて最初の状態に戻す。書き換え
中は非制御状態になるが書き換えに要する時間は通常
0.01秒程度なので回転に与える影響は少ない。W1
W3軸に関しては、制振データがA′cos(θ+
α′)となるが、振幅と位相の値はV1V3軸と大体同
じになるので簡単に最良値が求まる。
【0040】同様にV2V4軸、W2W4軸に関しても
調整を行う。残留不釣合程度の場合、軸相互の干渉は少
なく、各軸はほぼ独立とみなせるので調整は比較的簡単
である。 各軸すべての振幅および位相の最適値が求まったら、
それらの値をマイクロコンピュータ41内の不揮発メモ
リに書き込んでおく。
【0041】上述のようにして一度調整すれば、その
次からはすでに求めてある振幅および位相の値を使用す
れば良い。 以上説明したように、本実施例によれば、回転体10を
幾何学的中心軸回りに回転させながら、回転体10の不
釣合による振動をほぼ完全に抑制することができる。
【0042】また、実際に回転体10を回転させた動作
状態で、変位センサ23a、23bの出力を見ながら、
振動が最低になるように回転バランス調整ができるので
非常に精度良く調整できる。また、操作パネル42から
各軸毎の回転バランス信号の振幅と位相を入力するだけ
で回転バランス調整ができるので、調整作業が非常に容
易である。
【0043】また、振動抑制のための構成を、非常に簡
単な回路構成で実現することができる。また、大部分が
デジタル回路なので再現性、長期安定性が良い。なお、
本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、回転バラ
ンス調整を行う場合、マイクロコンピュータ41によっ
て各軸毎の回転バランス信号の振幅と位相の合計8つの
変数を順に変えて、各変数毎に変位センサの出力が最小
となる値を決定していくようして、回転バランス調整を
自動化しても良い。
【0044】また、実施例では、回転バランス信号を1
度ごとに変えるようにしたが、より細かく、あるいはよ
り粗く変えるようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
憶手段によって、回転体の回転位置に応じて回転体の不
釣合によって生じる遠心力を打ち消すための力を電磁石
より発生させる制振用励磁電流に対応した制振データを
記憶し、この制振データに基づいて、回転バランス制御
手段によって、回転体の回転位置に応じた制振用励磁電
流を、電磁石制御回路による励磁電流に重畳するように
したので、回転体を幾何学的中心軸回りに回転させなが
ら、回転体の不釣合による振動を抑制することができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気軸受における振動抑制
の原理を説明するための説明図である。
【図2】本発明の一実施例の磁気軸受の制御回路の構成
を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の磁気軸受における回転バラ
ンス制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3における制振データテーブル用記憶装置内
の制振データテーブルの内容を示す説明図である。
【図5】図3の回転バランス制御回路におけるインデッ
クスパルスと角度パルスと回転バランス信号との関係を
示す波形図である。
【図6】本発明の一実施例の磁気軸受における軸を示す
説明図である。
【図7】本発明の一実施例の磁気軸受における電磁石等
の配置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 回転体 V1〜V4、W1〜W4 電磁石 20a〜20d 制御回路 23a、23b 変位センサ 40 回転バランス制御回路 41 マイクロコンピュータ 42 操作パネル 43 制振データテーブル用記憶装置 44 角度カウンタ 48a〜48d DAコンバータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を磁気浮上させるための電磁石
    と、 回転体の変位を検出するセンサと、 回転体を所定の位置に保持するために、前記センサの出
    力に基づいて前記電磁石の励磁電流を制御する電磁石制
    御回路と、 回転体の回転位置に応じて回転体の不釣合によって生じ
    る遠心力を打ち消すための力を前記電磁石より発生させ
    る制振用励磁電流に対応した制振データを記憶する記憶
    手段と、 この記憶手段に記憶された制振データに基づいて、回転
    体の回転位置に応じた制振用励磁電流を、前記電磁石制
    御回路による励磁電流に重畳する回転バランス制御手段
    とを具備することを特徴とする磁気軸受。
JP30827693A 1993-12-08 1993-12-08 磁気軸受及び該磁気軸受のバランス調整方法 Expired - Fee Related JP3226686B2 (ja)

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