JPH07157474A - (メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物の製造法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物の製造法

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JPH07157474A
JPH07157474A JP33903593A JP33903593A JPH07157474A JP H07157474 A JPH07157474 A JP H07157474A JP 33903593 A JP33903593 A JP 33903593A JP 33903593 A JP33903593 A JP 33903593A JP H07157474 A JPH07157474 A JP H07157474A
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acrylic acid
acid ester
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meth
cyanuric chloride
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JP33903593A
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Motohiro Fukuda
始弘 福田
Hiroyuki Imai
博之 今井
Minoru Sonobe
実 園部
Yoshifumi Murata
好史 村田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 紫外線硬化型樹脂として有用な(メタ)アク
リル酸エステル残基含有トリアジン化合物を大量に製造
する方法の提供。 【構成】 塩化シアヌルとヒドロキシル基含有(メタ)
アクリル酸エステル(特に,構造式(1)で示される化
合物)とを不活性溶媒中で脱塩酸剤の存在下に連続的に
反応させる際に、まずモノエステル体に50%以上の転
化率で反応させ、次いでジエステル体に80%以上の転
化率で反応させた後、最終的にトリエステル体へと反応
を完結させることにより成る,(メタ)アクリル酸エス
テル残基含有トリアジン化合物の製造法。 (式中、Rは水素原子またはメチル基であり,R
炭素原子数2以上のアルキレン基、もしくはモノアルキ
レンエーテル、ポリアルキレンエーテルである。) 【効果】段階的に反応を進めることにより初期発熱を防
止し,且つ重合物の混入や副生物の生成が少い(メタ)
アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(メタ)アクリル酸エス
テル残基含有トリアジン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステル残基含有ト
リアジン化合物は紫外線硬化型樹脂として有用であるこ
とが知られている。例えば、熱可塑性樹脂表面に(メ
タ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物の硬
化物をコーティングすることで表面特性、特に耐摩耗性
を著しく改善し、かつ可撓性を有するという従来の耐摩
耗性コーティング材では得られなかった優れた性能を有
する。ところが(メタ)アクリル酸エステル残基含有ト
リアジン化合物は非常に有用な化合物でありながら一般
的には製造されていない。
【0003】従来より(メタ)アクリル酸エステル残基
含有トリアジン化合物は、原理的には塩化シアヌルとヒ
ドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを脱塩
酸剤の存在下に反応せしめることにより得られることが
知られている。例えば特公昭58−4027号が挙げら
れる。しかしながらこの方法において得られる(メタ)
アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物は純度が
低く好ましくない。また、純度を改良した特許として特
公平1−32828号は反応を一挙に塩化シアヌルのヒ
ドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル三置換体
(以下トリエステル体という)まで進行させた後、残存
する塩化シアヌルのヒドロキシル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル二置換体(以下ジエステル体という)を脂
肪族3級アミンにて反応せしめる方法であるため、反応
初期段階における発熱が著しく、目的の反応温度を維持
できないばかりか、原料の塩化シアヌルの分解がおきた
り、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、
もしくは重合性反応副生物であるアルキレンジ(メタ)
アクリレートの重合反応が発生する。特に反応のスケー
ルが大きくなると通常の方法では冷却が不可能であり、
反応の暴走が発生する危険性が高い。
【0004】このように(メタ)アクリル酸エステル残
基含有トリアジン化合物は反応の原理は以前から知られ
てはいるものの、大量のスケールにおいては製造が困難
であることから、製造コストが著しく高いのが現状であ
り、ゆえに一般的に製造され難いのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
現状に鑑み、反応の初期発熱をなくし、(メタ)アクリ
ル酸エステル残基含有トリアジン化合物を効率よく大量
に得るために鋭意研究をかさねた結果、塩化シアヌルと
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反
応において、まず最初に塩化シアヌルのヒドロキシル基
含有(メタ)アクリル酸エステル一置換体(以下モノエ
ステル体という)まで一旦反応を進行させた後に、ジエ
ステル体に反応せしめることで初期発熱を防止し、さら
にトリエステル体へ反応を完結させることで重合物の混
入や副生物の生成の少ない、目的の(メタ)アクリル酸
エステル残基含有トリアジン化合物が得られることを見
い出し、本発明を完成するに到った。
【0006】本発明の目的は、何等特別な反応装置等を
用いることなく紫外線硬化型樹脂として有用な(メタ)
アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物を大量に
製造することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明すな
わち、塩化シアヌルとヒドロキシル基含有(メタ)アク
リル酸エステルを、脱塩酸剤の存在下にて連続的に反応
せしめるに際し、まずモノエステル体に50%以上の転
化率で反応せしめ、次いでジエステル体に80%以上の
転化率で反応せしめた後、最終的にトリエステル体を得
ることにより達成することができる。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】本発明に用いられるヒドロキシネ基含有
(メタ)アクリル酸エステルは下記構造式(1)
【0010】
【化2】 で示されるものを用いるのが好ましい。式中、R1 は水
素原子またはメチル基である。また、R2 は炭素原子数
2以上のアルキレン基、もしくはモノアルキレンエーテ
ル、ポリアルキレンエーテルである。具体的なR2 とし
ては−CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )−、−
CH2 CH2 CH2 CH2 −、−CH2 C(CH3 2
−、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −、−CH2 CH2
OCH2 CH2 OCH2 CH2 −等が挙げられる。
【0011】また、上記ヒドロキシル基含有(メタ)ア
クリル酸エステルは塩化シアヌルの塩素原子に対して
1.0倍当量、すなわち塩化シアヌル1モルに対して
3.0モル消費されるが、反応の進行を速やかにするた
め、また経済的観点から1.0〜1.5倍当量、すなわ
ち3.0〜4.5モル使用するのがよい。
【0012】本発明は重合防止および反応系の撹拌効率
を高めるため、不活性溶媒中で行われることが好まし
い。該不活性溶媒の具体例は、トルエン、ベンゼン、キ
シレン、酢酸エチル、エチルエーテル、アセトン、アセ
トニトリル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等を挙げることがで
きるが、反応後の後処理の容易さや、経済的観点、毒性
等からトルエンが好ましい。
【0013】また、該不活性溶媒の使用量は反応系の撹
拌状態によるが、通常、塩化シアヌル1.0重量部に対
し、2.5〜5.0重量部、好ましくは3.2〜4.0
重量部である。
【0014】(第1段階反応)本発明の反応において、
まず第1段階の反応では下記反応式
【0015】
【化3】 に示すようにモノエステル体に反応せしめる。この際の
反応熱は僅かであり、反応系の温度を維持することは容
易である。また、この時の塩化シアヌルのモノエステル
体への転化率は50〜100%であり、50%未満であ
ると第2段階のジエステル体への反応時に発熱が起こり
反応系が暴走する危険があり、好ましくない。
【0016】このモノエステル体への反応の際に使用さ
れる脱塩酸剤は、副反応防止の点から無機強塩基化合物
が好ましい。具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸カルシウム等のアルカリ(土類)金属の炭酸
塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム等のアルカリ(土類)金属の水酸化物、酸化カルシ
ウム等のアルカリ土類金属の酸化物が用いられ、なかで
も反応性に優れ、副反応の少ない炭酸ナトリウムが好ま
しい。なお、該無機強塩基化合物は反応性の点から粉末
状もしくは細粒状が好ましい。
【0017】該無機強塩基化合物は、塩化シアヌル1モ
ルに対して5〜10モル、好ましくは7〜9モル使用さ
れる。
【0018】また、モノエステル体への反応の際の反応
温度は5〜40℃、好ましくは15〜30℃で行われ
る。5℃未満では反応の進行が著しく遅くなり好ましく
ない。40℃を越えるとジエステル体が生成して反応系
が発熱し暴走を起こすことがある。
【0019】反応時間は、用いる脱塩酸剤の種類や反応
温度により異なるが、通常、1〜6時間である。
【0020】(第2段階反応)本発明の反応における第
2段階の反応では下記反応式
【0021】
【化4】 に示すように第1段反応で得られたモノエステル体より
ジエステル体に反応せしめる。この際、反応熱はほぼな
く、反応系の温度を維持することは容易である。また、
この時のジエステル体への転化率は80〜100%であ
り、80%未満になるとトリエステル体への反応時に発
熱が起こったり、副生物が増加したりするので好ましく
ない。
【0022】このジエステル体への反応の際に使用され
る脱塩酸剤は、モノエステル体の反応時のものでよいが
反応の進行を早めるために他の脱塩酸剤を添加してもか
まわない。
【0023】この場合に添加する脱塩酸剤は無機強塩基
化合物、もしくは3級アミンであり、副生物の生成を抑
える点から無機強塩基化合物が好ましい。具体的には炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアル
カリ(土類)金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ(土類)金属
の水酸化物、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の酸
化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチ
ルアミン等の脂肪族3級アミン、アニリン、ジメチルア
ニリン、ジメチルベンジルアミン等の芳香族アミン、ピ
リジン、ピコリン、キノリン、1,8−ジアザビシクロ
[5・4・0]ウンデセン−7等の複素環アミンが挙げ
られるが、反応性に優れ、副反応の少ない炭酸ナトリウ
ムが好ましい。なお、該無機強塩基化合物は反応性の点
から粉末状もしくは細粒状が好ましい。
【0024】脱塩酸剤の添加量は、塩化シアヌル1モル
に対して0〜5モル、好ましくは0〜3モルである。
【0025】また、ジエステル体への反応の際の反応温
度は60〜120℃、好ましくは70〜100℃で行わ
れる。この温度範囲からはずれると反応の進行が著しく
遅くなったり、重合が起きて反応系が発熱し暴走を起こ
すことがある。
【0026】反応時間は添加する脱塩酸剤の種類や量、
および反応温度により異なるが、通常、1〜6時間であ
る。
【0027】(第3段階反応)本発明の反応における第
3段階の反応では下記反応式
【0028】
【化5】 に示すように第2段反応で得られたジエステル体よりト
リエステル体に反応せしめる。この際の反応熱は僅かで
あり、反応系の温度を維持することは容易である。この
時のトリエステル体への転化率は90〜100%であ
り、90%未満になるとジエステル体が残存し、硬化物
にしたときに水分と反応して塩酸が生成し、硬化物が腐
食したり、耐摩耗性等の性能が著しく低下するため好ま
しくない。
【0029】トリエステル体への反応の際に使用される
脱塩酸剤は、ジエステル体の反応時のものでは不十分で
あり、すなわち脱塩酸剤を添加する必要がある。
【0030】添加する脱塩酸剤は反応性の点から3級ア
ミンが好ましい。具体的にはトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族3級アミン、
アニリン、ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン
等の芳香族アミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、
1,8−ジアザビシクロ[5・4・0]ウンデセン−7
等の複素環アミンが挙げられるが、反応性に優れ、副反
応の少ない脂肪族3級アミンが好ましい。
【0031】脱塩酸剤の添加量は、塩化シアヌル1モル
に対して0.2〜1.0モル、好ましくは0.4〜0.
6モル使用される。
【0032】また、トリエステル体への反応の際の反応
温度は40〜90℃、好ましくは50〜70℃で行われ
る。40℃以下になる反応の進行が著しく遅くなり、ジ
エステル体が残存し、硬化物にしたときに水分と反応し
塩酸が生成して硬化物が腐食したり、耐摩耗性等の性能
が著しく低下するため好ましくない。また90℃以上に
なるとジエステル体とアミンの反応副生物の生成量が増
大し、純度が著しく低下し、硬化物の耐摩耗性や可撓性
が低下する。
【0033】反応時間は添加する脱塩酸剤の種類や量、
および反応温度により異なるが、通常、1〜6時間であ
る。
【0034】なお、アミンを脱塩酸剤に用いた場合、ア
ミンとジエステル体が反応し、アミノ残基含有ジエステ
ル体が副生する。アミンの構造により該副生物の構造も
変化するが、例えば脂肪族3級モノアミンを用いた場
合、下記構造式(2)に示すアルキルアミノ残基含有ジ
エステル体が生成する。
【0035】
【化6】 該アミノ残基含有ジエステル体の生成量はトリエステル
体100重量部に対して10重量部未満である。
【0036】また、本発明の反応においてヒドロキシル
基含有(メタ)アクリレートの脱水縮合物であるアルキ
レンジ(メタ)アクリレートが副生する。該副生物は得
られる(メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン
化合物中に20重量%含有される。
【0037】このように得られた反応混合物はスラリー
状であるが、溶媒が加えられているため、そのまま濾
過、もしくは水で無機成分を溶解することにより、有機
層として分離することは容易である。また分解された有
機層にはヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル、脱塩酸剤等が残存しているため、水洗浄することが
好ましい。さらに、不活性溶媒を留去することで、目的
とする(メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン
化合物が得られる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中、「部」は重量部を
表している。
【0039】実施例1 50リットル反応器にトルエン16.9部、塩化シアヌ
ル5.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10.
8部、炭酸ナトリウム(粉末)21.9部、重合禁止剤
としてN−ニトロソジフェニルアミン0.0012部を
投入し、25℃にて4時間撹拌した。投入時、および反
応時の発熱はほとんどなかった。
【0040】この混合物を0.005部サンプリング
し、遠心分離器にて有機層を分離し、高速液体クロマト
グラフ((株)島津製作所製 LC−9A、SPD−1
0A)を用いて組成分析を行ったところ、塩化シアヌル
からモノエステル体への転化率は90%であった。な
お、分析条件はカラム:Zorbax RX−C8(D
uPont社製 ID4.6mm×15cm)、溶離
液:THF/メタノール/水、UV検出波長:254n
mであった。
【0041】続いて反応温度を90℃に昇温し、2時間
撹拌した。昇温時、および反応時の発熱はなかった。こ
の混合物を上記と同様に組成分析を行ったところ、ジエ
ステル体への転化率は90%であった。
【0042】続いて反応温度を60℃に冷却し、トリエ
チルアミン1.4部を添加し2時間撹拌した。添加時、
および反応時の発熱はほとんどなかった。この混合物を
上記と同様に組成分析を行ったところ、トリエステル体
への転化率は95%、副生物への転化率5%であった。
なお、副生物は2−プロペン酸,[6−(ジエチルアミ
ノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]ビス
(オキシ−2,1−エチレンジイル)エステルであっ
た。
【0043】得られたスラリー状の反応混合物56部を
水125部に投入、撹拌して無機物を溶解した。これを
静置し、有機層26部を分液した。この有機層を水30
部に投入し、5規定の塩酸にて水層のpHが4になるま
で中和した。有機層を分液し、水30部に投入、洗浄し
た。さらにもう一度洗浄を繰り返した後に分液して、無
水硫酸マグネシウム0.5部を加えて脱水、乾燥した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、淡黄色透明の
粘性液体7.5部を単離した。
【0044】得られた組成物を 1H−NMR(JEOL
製 JNM−GX270)にて組成分析したところ、目
的のトリエステル体(2−プロペン酸,1,3,5−ト
リアジン−2,4,6−トリイルトリス(オキシ−2,
1−エタンジイル)エステル)が81重量%、副生物の
2−プロペン酸,[6−(ジエチルアミノ)−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジイル]ビス(オキシ−2,
1−エチレンジイル)エステルが11重量%、エチレン
ジアクリレートが8重量%であった。
【0045】得られた組成物に1重量%の1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトンを加え、ポリエチレン
テレフタレートフィルムに5μmの厚みでコーティング
し、窒素雰囲気中で高圧水銀灯にて10秒間照射して積
層硬化物を得た。該積層硬化物は表面硬度が高く、かつ
可撓性を有するフィルムであった。
【0046】実施例2 2−ヒドロキシエチルアクリレート10.8部の代わり
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.1部を
用いた以外は実施例1と同様に行った。反応中に著しい
発熱はなく、安定に反応が進行した。単離された淡黄色
透明粘性溶液は4.7部で、これを実施例1と同様に組
成分析を行ったところ、目的のトリエステル体は88重
量%、副生物のジエステル体は9重量%、エチレンジメ
タクリレートは3重量%であった。また、実施例1と同
様に積層硬化物を作成したところ、該積層硬化物は表面
硬度が高く、かつ可撓性を有するフィルムであった。
【0047】比較例1 50リットル反応器にトルエン1.7部、塩化シアヌル
0.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.1
部、炭酸ナトリウム(粉末)2.2部、重合禁止剤とし
てN−ニトロソジフェニルアミン0.00012部を投
入し、80℃に昇温したところ反応混合物の温度は11
0℃となりトルエンが沸騰を起こし、しばらくすると反
応混合物が重合を起こして固化し、さらには一部分解し
た。
【0048】比較例2 50リットル反応器に塩化シアヌル0.5部、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート1.1部、炭酸ナトリウム
(粉末)2.2部、重合禁止剤としてN−ニトロソジフ
ェニルアミン0.00012部を投入し、60℃に昇温
したところ反応混合物の温度は80℃を越えたため、急
いで氷浴にて冷却したが反応は収まらず、しばらくする
と反応混合物が重合を起こして固化し、さらには一部分
解した。
【0049】
【発明の効果】本発明で得られる(メタ)アクリル酸エ
ステル残基含有トリアジン化合物の硬化物は、耐摩耗性
に優れ、かつ可撓性を兼ね備えている。さらには耐久
性、特に耐候性、耐湿性、耐水性等に優れているため、
表面コーティング材料、光学材料として非常に有用であ
る。また、その他にも塗料、インキ、接着剤等にも適用
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 好史 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化シアヌルとヒドロキシル基含有(メ
    タ)アクリル酸エステルを脱塩酸剤の存在下にて連続的
    に反応せしめるに際し、まず塩化シアヌルのヒドロキシ
    ル基含有(メタ)アクリル酸エステル一置換体に50%
    以上の転化率で反応せしめ、次いでそれを塩化シアヌル
    のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル二置
    換体に80%以上の転化率で反応せしめた後、最終的に
    塩化シアヌルのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸
    エステル三置換体を得ることを特徴とする(メタ)アク
    リル酸エステル残基含有トリアジン化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸
    エステルが下記構造式(1)で示す化合物である、請求
    項1記載の(メタ)アクリル酸エステル残基含有トリア
    ジン化合物の製造法。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基である。また、
    2 は炭素原子数2以上のアルキレン基、もしくはモノ
    アルキレンエーテル、ポリアルキレンエーテルであ
    る。)
  3. 【請求項3】 反応を不活性溶媒中で行う、請求項2記
    載の(メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン化
    合物の製造法。
  4. 【請求項4】 前記一置換体、および前記二置換体に反
    応せしめる際の脱塩酸剤が無機強塩基化合物である、請
    求項1〜3記載の(メタ)アクリル酸エステル残基含有
    トリアジン化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 前記三置換体に反応せしめる際の脱塩酸
    剤が3級アミンである請求項1〜4記載の(メタ)アク
    リル酸エステル残基含有トリアジン化合物の製造法。
JP33903593A 1993-12-03 1993-12-03 (メタ)アクリル酸エステル残基含有トリアジン化合物の製造法 Pending JPH07157474A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9012582B2 (en) 2009-08-13 2015-04-21 Nissan Chemical Industries, Ltd. Transparent high-refractive-index resin composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9012582B2 (en) 2009-08-13 2015-04-21 Nissan Chemical Industries, Ltd. Transparent high-refractive-index resin composition

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