JPH07155935A - アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法

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JPH07155935A
JPH07155935A JP30278893A JP30278893A JPH07155935A JP H07155935 A JPH07155935 A JP H07155935A JP 30278893 A JP30278893 A JP 30278893A JP 30278893 A JP30278893 A JP 30278893A JP H07155935 A JPH07155935 A JP H07155935A
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tube
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光正 佐々木
Yasuhiro Wakashima
康弘 若島
Masahiro Nakagawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストが低減され、チューブ材とフィン
の接合強度と耐食性に優れたアルミニウム合金製熱交換
器を提供する。 【構成】 表面にZnを溶射した後、ろう材を溶射した
皮膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金から
なるチューブ材に、アルミニウム合金からなるベアフィ
ンを、フラックスろう付または雰囲気ろう付により接合
したアルミニウム合金製熱交換器であって、ろう材の合
金組成が、Si:6〜13wt%、Bi:0.1〜0.
5wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からなるア
ルミニウム合金であり、ベアフィンのアルミニウム合金
組成が、Mn:0.5〜5wt%、残部がAlおよび不
可避的不純分からなるアルミニウム合金またはMn:
0.5〜5wt%、Zn:0.5〜8wt%、残部がA
lおよび不可避的不純分からなるアルミニウム合金であ
ることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラックスろう付法ま
たは雰囲気ろう付により製造されるアルミニウム合金製
熱交換器に関する物であり、本発明のアルミニウム合金
製熱交換器は、カークーラー用熱交換器、産業用熱交換
器などに広く適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアルミニウム合金製熱交換器は、
押出成形されたアルミニウム(JISA1050,JI
S A1100)またはアルミニウム合金(Al−M
n)のベア材からなるチューブ材に、Al−Mn合金を
芯材とし、ろう材にAl−6〜15%Si−0.5〜3
%Mg合金またはAl−7〜15%Si合金を用い、両
者を合せ板から熱間、冷間圧延して、ブレージングシー
トとし、Zn溶射したチューブとブレージングシートか
らなるフィン材を切組し治具にて組付後、フラックスろ
う付法または雰囲気ろう付によりアルミニウム合金のチ
ューブとフィン間、チューブとヘッダ間を接合してい
た。
【0003】しかし、この従来法ではフィンは硬度の高
いAl−Si−Mg合金またはAl−Si−Mg−Zn
合金が表面にクラッドされたブレージングシートである
ため、ブレージングシートのインゴット合せ板からの圧
延過程、特に冷間圧延過程において圧延ロールの摩耗が
激しいと共に、ブレージングシートを熱交換器のフィン
に加工する際、フィンに形成されるルーバを剪断加工す
るルーバカッタの摩耗寿命が非常に短く、アルミニウム
合金製熱交換器の製造コストが高くなる。
【0004】また、アルミニウムまたはアルミニウム合
金のチューブの表面に特定範囲のAl−Zn−Si合金
の皮膜を形成し、ろう材を有しないフィンを組付けて、
フラックスろう付するアルミニウム製熱交換器の製造方
法が知られている(特開平1−107961号)。
【0005】しかしながら、この従来技術では、ろう材
のぬれ性、流動性が充分でないため、接合の強度がやや
不足するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消すべくなされたものであり、本発明の
目的は、ブレージングシートのインゴット合せ板からの
圧延過程における圧延ロールの寿命を伸ばし、フィンに
形成されるルーバを剪断加工するルーバカッタの摩耗寿
命を伸ばすことによりアルミニウム合金製熱交換器の製
造コストを低減し、チューブ材とフィンの接合強度と耐
食性に優れたアルミニウム合金製熱交換器を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ろう
材としてチューブ材表面にBiを含む特定の合金を溶射
し、特定のアルミニウム合金のベア材からなるフィンを
組付後、フラックスろう付または雰囲気ろう付すればよ
いことを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、 (1)表面にZnを溶射した後、ろう材を溶射した皮膜
を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
チューブ材に、アルミニウム合金からなるベアフィン
を、フラックスろう付または雰囲気ろう付により接合し
たアルミニウム合金製熱交換器であって、ろう材の合金
組成が、Si:6〜13wt%、Bi:0.1〜0.5
wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からなるアル
ミニウム合金であり、ベアフィンのアルミニウム合金組
成が、Mn:0.5〜5wt%、残部がAlおよび不可
避的不純分からなるアルミニウム合金、またはMn:
0.5〜5wt%、Zn:0.5〜8wt%、残部がA
lおよび不可避的不純分からなるアルミニウム合金であ
ることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。
【0009】(2)表面にろう材を溶射した皮膜を有す
るアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるチュー
ブ材に、アルミニウム合金からなるベアフィンを、フラ
ックスろう付または雰囲気ろう付により接合したアルミ
ニウム合金製熱交換器であって、ろう材の合金組成が、
Si:6〜13wt%、Zn:0.5〜8wt%、B
i:0.1〜0.5wt%、残部がAlおよび不可避的
不純分からなるアルミニウム合金であり、ベアフィンの
アルミニウム合金組成が、Mn:0.5〜5wt%、残
部がAlおよび不可避的不純分からなるアルミニウム合
金、またはMn:0.5〜5wt%、Zn:0.5〜8
wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からなるアル
ミニウム合金であることを特徴とするアルミニウム合金
製熱交換器。
【0010】(3)アルミニウムまたはアルミニウム合
金からなるチューブの表面にZnを溶射した後、合金組
成がSi:6〜13wt%、Bi:0.1〜0.5wt
%、残部がAlおよび不可避的不純分からなるアルミニ
ウム合金からなるろう材を溶射し、合金組成が、Mn:
0.5〜5wt%、残部がAlおよび不可避的不純分で
あるアルミニウム合金、またはMn:0.5〜5wt
%、Zn:0.5〜8wt%、残部がAlおよび不可避
的不純分であるアルミニウム合金からなるベアフィン
を、組付た後、フラックスろう付または雰囲気ろう付し
て接合したことを特徴とするアルミニウム合金製熱交換
器の製造方法。
【0011】(4)アルミニウムまたはアルミニウム合
金からなるチューブの表面に、合金組成がSi:6〜1
3wt%、Zn:0.5〜8wt%、Bi:0.1〜
0.5wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からな
るアルミニウム合金からなるろう材を溶射し、合金組成
が、Mn:0.5〜5wt%、残部がAlおよび不可避
的不純分であるアルミニウム合金、またはMn:0.5
〜5wt%、Zn:0.5〜8wt%、残部がAlおよ
び不可避的不純分であるアルミニウム合金からなるベア
フィンを、組付た後、フラックスろう付または雰囲気ろ
う付して接合したことを特徴とするアルミニウム合金製
熱交換器の製造方法。を要旨とするものである。
【0012】本発明において、チューブ材として用いら
れるものは、JIS A1050,JIS A1100
等のアルミニウムまたはMn等を添加したアルミニウム
合金が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。チューブは、アルミニウムまたはアルミニウム合金
を、押出し成形法により成形される。
【0013】本発明は、チューブ材の製造方法により、
押出されたベア材のチューブの表面にZnを溶射した
後、Al−Si−Bi合金のろう材を溶射する場合と
(請求項1、3)、押出されたベア材のチューブの表面
にAl−Si−Zn−Bi合金のろう材を1回で溶射す
る場合(請求項2、4)とに分けられる。
【0014】チューブへ、Znを溶射するには、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の押出し扁平管の押出し
直後に溶射すればよく、溶射前処理としての予熱は不要
である。溶射方法は、フレーム溶射、高速ガス炎溶射、
アーク溶射のいずれでもよい。Znの溶射は、目付量が
5〜20g/m2となるように溶射量を調整する。
【0015】本発明において、フィン材は、ろう材(硬
いAl−Si合金)がクラッドされていないベア材を用
いるため、ろう材はチューブ上に溶射法によって被覆さ
せる。アルミニウムまたはアルミニウム合金のチューブ
の表面に溶射されるろう材は、上記のように特定の範囲
の、Al−Si−Bi合金またはAl−Si−Bi−Z
n合金であり、各成分の作用と配合割合の限定理由は、
以下のとおりである。
【0016】・Si Alの融点を下げ、溶融後の流動性を良好にし、ろう付
性を向上させる。6wt%〜13wt%の範囲を外れる
と、Al−Si合金の融点が高くなると共に、溶融後の
流動性が低下し、ろう付性が低下する。
【0017】・Bi 溶融後のAl−Si合金のぬれ性が向上し、Al−Si
合金ろう材の流動性が向上するため、ろう付性がよくな
る。0.1wt%未満では、Al−Si合金溶射材から
なるろう材のぬれ性、流動性が低下するため好ましくな
い。また、0.5wt%を超えて添加しても、Al−S
i合金溶射材からなるろう材の流動性およびぬれ性は向
上しない。
【0018】・Zn ろう付加熱サイクル中に、熱交換器チューブの表層に拡
散し、アルミニウム合金の孔食防止に極めて有効な亜鉛
拡散層を形成する。0.5wt%未満では、防食に有効
な亜鉛拡散層が充分形成されず、8wt%を超えて添加
すると、過大な亜鉛拡散層が形成されるため、かえって
熱交換器の耐食寿命が低下するため好ましくない。
【0019】チューブ(押出偏平管)へのろう材の溶射
方法としては、押出機から押出されたチューブへ純Zn
を溶射後、さらにAl−8〜13%Si−0.1〜0.
5%Bi合金を溶射する方法と、押出されたチューブに
Al−8〜13%Si−0.5〜8%Zn−0.1〜
0.5%Bi合金を1回のみ溶射する二方法があるが、
いずれも有効である。
【0020】ベアフィンにろう材を溶射する方法として
は、上記合金粉末を溶射する方法、上記合金のワイヤを
溶射する方法があり、いずれでもよい。また、フレーム
溶射、高速ガス炎溶射、アーク溶射のいずれでもよい。
【0021】本発明に用いられるフィンは、Al−Mn
合金又はAl−Mn−Zn合金のベア材(ろう材がクラ
ッドされていない裸材)である。ベアフィンのアルミニ
ウム合金の成分の作用と配合割合の限定理由は、以下の
とおりである。
【0022】・Mn 硬さおよび強度が向上すると共に、ろう付加熱時のフィ
ンの変形を防止できる。0.5wt%未満では、ろう付
加熱時のフィンの変形が防止できず、5wt%を超えて
添加すると強度が上りすぎてフィンの成形加工が困難に
なるため好ましくない。
【0023】・Zn フィンの腐食電位を下げ、チューブを陰極防食する作用
がある。0.5wt%未満では、チューブを陰極防食す
るために充分な卑の電位とすることができず、8wt%
を超えて添加しても、卑の電位が向上せず、フィンの自
己腐食が激しくなり好ましくない。
【0024】本発明の、フィンはろう材がクラッドされ
ていないベア材であるため軟らかく、フィン材となるブ
レージングシートの製造工程の冷間圧延ロールの寿命が
大幅に伸びると共に、フィン材となったブレージングシ
ートのルーバ剪断加工に用いるルーバカッタの寿命が大
幅に伸びるため、製造コストを大幅に下げることができ
る。
【0025】冷間圧延等により製造された厚さ0.1〜
0.3mmのベアフィンは、ルーバカッタによりルーバ
を持つフィン形状に成形され、上記の溶射法によりろう
材が被覆されたチューブ材とベアフィンとを治具を用い
て組付後、フラックスろう付法または雰囲気ろう付法に
て、フィンとチューブ間、チューブとヘッダ間が接合さ
れアルミニウム合金製熱交換器として完成される。
【0026】フラックスろう付で使用されるフラックス
は、通常用いられるものであれば特に限定されないが、
例えばNaCl、KCl等の塩化物系、KAlF4、K3
AlF6等のフッ化物系が挙げられる。
【0027】本発明における雰囲気ろう付法は、窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性雰囲気中、加熱温度は5
90〜610℃の範囲で、炉内圧力は0.1〜760T
orrの範囲でろう付を行えばよい。
【0028】フラックスろう付法および雰囲気ろう付法
ともに、ろう付温度は590〜610℃で行えばよく、
ろう付熱サイクルを受けてろう材が溶融して、チューブ
とフィン間、チューブとヘッダ間にフィレットが形成さ
れ接合が完了する。その後必要に応じて化成処理、樹脂
被覆処理が施される。
【0029】押出されたベア材のチューブの表面にZn
を溶射した後、Al−Si−Bi合金のろう材を溶射す
る場合は、ろう付過程の昇温中にZn溶射層は溶融し、
ベアチューブ材中に拡散して、チューブ表面に防食上有
効なZn拡散層を形成する。押出されたベア材のチュー
ブの表面にAl−Si−Zn−Bi合金のろう材を1回
で溶射する場合は、昇温過程でろう材中のZnがベアフ
ィン材中に拡散し、防食上有効なZn層を形成する。
【0030】なお、本発明のアルミニウム合金製熱交換
器は、サーペンタイン型、パラレルフロー型、ドロンカ
ップ(積層)型、その他各種型式の熱交換器に適用する
ことができる。
【0031】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
【実施例】
実施例1 純アルミニウム(Al:99.9wt%)の押出直後の
200〜400℃のチューブ(押出偏平管)に、純Zn
ワイヤ(1.6mmφ)をアーク溶射法により10g/
2 溶射し、その直後Al−11%Si−0.3%Bi
からなるアルミ合金ワイヤをアーク溶射法により目付量
50g/m2 溶射した。
【0033】別途作成されたベアフィン(Al−1%M
n−1%Zn)素材はルーバ加工され、上記のチューブ
と治具にて組付けた。組付けた熱交換器素材にフッ化ア
ルミニウムのカリ塩からなるフラックスをスプレー塗布
後、乾燥し、ノコロックろう付炉に挿入した。
【0034】ろう付温度パターンは、常温から605℃
まで昇温し5分間保持後冷却した。このろう付過程の昇
温中にZn溶射層は溶融し、チューブ材(A1050)
中に拡散し表面亜鉛濃度3%、拡散深さ120μmの亜
鉛拡散層を形成した。この亜鉛拡散層はチューブ芯材
(A1050etcの純アルミ)に比べ腐食電位が卑で
あり、塩水噴霧試験5000hにて0.4mmの肉厚の
チューブ材に貫通孔食は全く発生せず、チューブの孔食
防止に極めて有効であった。
【0035】また、ろう材(溶射材中のAl−Si−B
i)は590℃で溶融を開始し、605℃×5分のろう
付保持時間で、チューブ−フィン間、チューブ−ヘッダ
間に強度上十分な大きさのフィレットが形成され、ろう
付部のろう切れも発生しなかった。
【0036】実施例2 純アルミニウム(Al:99.9wt%)の押出直後の
200〜400℃のチューブに、純Znワイヤ(1.6
mmφ)をアーク溶射し、さらにその後Al−11%S
i−0.3%Bi合金の粉末(粒度70μmアンダー)
を高速ガス炎溶射により溶射した。
【0037】その後の工程は実施例1に準じ、アルミニ
ウム合金製熱交換器を製造した。5000h塩水噴霧試
験を行っても、0.4mmの肉厚のチューブ材に貫通孔
食は全く発生しなかった。
【0038】実施例3 純アルミニウム(Al:99.9wt%)の押出直後の
200〜400℃のチューブに、Al−11%Si−5
%Zn−0.3%BiからなるAl合金ワイヤ(1.6
mmφ)をアーク溶射により溶射した。
【0039】その後の工程は実施例1に準じ、アルミニ
ウム合金製熱交換器を製造した。5000h塩水噴霧試
験を行っても、0.4mmの肉厚のチューブ材に貫通孔
食は全く発生しなかった。
【0040】実施例4 純アルミニウム(Al:99.9wt%)の押出直後の
200〜400℃のチューブに、Al−11%Si−5
%Zn−0.3%Bi合金からなるアルミニウム合金粉
末を(粒度70μmアンダー)を高速ガス炎溶射で溶射
した。
【0041】その後の工程は実施例1に準じ、アルミニ
ウム合金製熱交換器を製造した。5000h塩水噴霧試
験を行っても、0.4mmの肉厚のチューブ材に貫通孔
食は全く発生しなかった。
【0042】実施例5 アルミニウム合金製のチューブ材(押出偏平管)を一旦
水冷後、乾燥し、200〜400℃で、アーク、ガス炎
にて予熱した後、上記実施例1〜4を行っても全く同じ
結果が得られることを確認した。
【0043】各実施例の冷間圧延工程における、ロール
のペーパー研磨による再研磨の間隔が数倍に伸び、ロー
ルの耐久性が向上していることが認められた。
【0044】また、各実施例におけるルーバカッタの耐
久性(廃棄するまでの使用時間)も数倍に伸びたことが
認められた。
【0045】
【発明の効果】本発明のアルミニウム合金製熱交換器
は、以下のような優れた効果を有する。 (1)チューブ材の表面に溶射されるろう材にBiが含
まれているため、ろう材の流動性、ぬれ性が改善される
ため、チューブ−フィン間、チューブ−ヘッダ間に充分
なフィレットが形成され、強度、耐圧上充分な接合がな
される。
【0046】(2)ベアフィンに溶射されたZnまたは
ろう材中のZnは、フラックスろう付または雰囲気ろう
付過程における熱サイクルによりチューブ材中に拡散
し、チューブの耐食性向上に抜群の効果のあるZn拡散
層を形成する。
【0047】(3)フィンがAl−Mn合金またはAl
−Mn−Zn合金の軟らかなベア材であるため、インゴ
ットからの圧延過程特に冷間圧延過程の圧延ロールの摩
耗が大巾に削限され耐久寿命が大巾に向上すると共に、
ブレージングシートからなる熱交換器フィン材(0.1
〜0.3mm厚)のルーバ加工時のルーバカッタの耐久
性が抜群に向上し、製造コストを低減することができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来のアルミニウム合金製熱交換器は、
押出成形されたアルミニウム(JISA1050,JI
S A1100)またはアルミニウム合金(Al−M
n)のベア材からなるチューブ材に、Al−Mn合金を
芯材とし、ろう材にAl−6〜15%Siを用い、両者
を合せ板から熱間、冷間圧延して、ブレージングシート
とし、Zn溶射したチューブとブレージングシートから
なるフィン材を切組し治具にて組付後、フラックスろう
付法または雰囲気ろう付によりアルミニウム合金のチュ
ーブとフィン間、チューブとヘッダ間を接合していた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】しかし、この従来法ではフィンは硬度の高
いAl−Si合金またはAl−Si−Zn合金が表面に
クラッドされたブレージングシートであるため、ブレー
ジングシートのインゴット合せ板からの圧延過程、特に
冷間圧延過程において圧延ロールの摩耗が激しいと共
に、ブレージングシートを熱交換器のフィンに加工する
際、フィンに形成されるルーバを剪断加工するルーバカ
ッタの摩耗寿命が非常に短く、アルミニウム合金製熱交
換器の製造コストが高くなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】ベアチューブにろう材を溶射する方法とし
ては、上記合金粉末を溶射する方法、上記合金のワイヤ
を溶射する方法があり、いずれでもよい。また、フレー
ム溶射、高速ガス炎溶射、アーク溶射のいずれでもよ
い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】冷間圧延等により製造された厚さ0.05
〜0.3mmのベアフィンは、ルーバカッタによりルー
バを持つフィン形状に成形され、上記の溶射法によりろ
う材が被覆されたチューブ材とベアフィンとを治具を用
いて組付後、フラックスろう付法または雰囲気ろう付法
にて、フィンとチューブ間、チューブとヘッダ間が接合
されアルミニウム合金製熱交換器として完成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】押出されたベア材のチューブの表面にZn
を溶射した後、Al−Si−Bi合金のろう材を溶射す
る場合は、ろう付過程の昇温中にZn溶射層は溶融し、
ベアチューブ材中に拡散して、チューブ表面に防食上有
効なZn拡散層を形成する。押出されたベア材のチュー
ブの表面にAl−Si−Zn−Bi合金のろう材を1回
で溶射する場合は、昇温過程でろう材中のZnがベアフ
ィン材中に拡散し、防食上有効なZn拡散層を形成す
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】(3)フィンがAl−Mn合金またはAl
−Mn−Zn合金の軟らかなベア材であるため、インゴ
ットからの圧延過程特に冷間圧延過程の圧延ロールの摩
耗が大巾に削限され耐久寿命が大巾に向上すると共に、
ブレージングシートからなる熱交換器フィン材(0.
〜0.3mm厚)のルーバ加工時のルーバカッタの耐
久性が抜群に向上し、製造コストを低減することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 101:14 (72)発明者 仲川 政宏 東京都千代田区神田錦町3丁目20番地 第 一メテコ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にZnを溶射した後、ろう材を溶射
    した皮膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金
    からなるチューブ材に、アルミニウム合金からなるベア
    フィンを、フラックスろう付または雰囲気ろう付により
    接合したアルミニウム合金製熱交換器であって、ろう材
    の合金組成が、Si:6〜13wt%、Bi:0.1〜
    0.5wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からな
    るアルミニウム合金であり、ベアフィンのアルミニウム
    合金組成が、Mn:0.5〜5wt%、残部がAlおよ
    び不可避的不純分からなるアルミニウム合金、またはM
    n:0.5〜5wt%、Zn:0.5〜8wt%、残部
    がAlおよび不可避的不純分からなるアルミニウム合金
    であることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。
  2. 【請求項2】 表面にろう材を溶射した皮膜を有するア
    ルミニウムまたはアルミニウム合金からなるチューブ材
    に、アルミニウム合金からなるベアフィンを、フラック
    スろう付または雰囲気ろう付により接合したアルミニウ
    ム合金製熱交換器であって、ろう材の合金組成が、S
    i:6〜13wt%、Zn:0.5〜8wt%、Bi:
    0.1〜0.5wt%、残部がAlおよび不可避的不純
    分からなるアルミニウム合金であり、ベアフィンのアル
    ミニウム合金組成が、Mn:0.5〜5wt%、残部が
    Alおよび不可避的不純分からなるアルミニウム合金、
    またはMn:0.5〜5wt%、Zn:0.5〜8wt
    %、残部がAlおよび不可避的不純分からなるアルミニ
    ウム合金であることを特徴とするアルミニウム合金製熱
    交換器。
  3. 【請求項3】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなるチューブの表面にZnを溶射した後、合金組成が
    Si:6〜13wt%、Bi:0.1〜0.5wt%、
    残部がAlおよび不可避的不純分からなるアルミニウム
    合金からなるろう材を溶射し、合金組成が、Mn:0.
    5〜5wt%、残部がAlおよび不可避的不純分である
    アルミニウム合金、またはMn:0.5〜5wt%、Z
    n:0.5〜8wt%、残部がAlおよび不可避的不純
    分であるアルミニウム合金からなるベアフィンを、組付
    た後、フラックスろう付または雰囲気ろう付して接合し
    たことを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなるチューブの表面に、合金組成がSi:6〜13w
    t%、Zn:0.5〜8wt%、Bi:0.1〜0.5
    wt%、残部がAlおよび不可避的不純分からなるアル
    ミニウム合金からなるろう材を溶射し、合金組成が、M
    n:0.5〜5wt%、残部がAlおよび不可避的不純
    分であるアルミニウム合金、またはMn:0.5〜5w
    t%、Zn:0.5〜8wt%、残部がAlおよび不可
    避的不純分であるアルミニウム合金からなるベアフィン
    を、組付た後、フラックスろう付または雰囲気ろう付し
    て接合したことを特徴とするアルミニウム合金製熱交換
    器の製造方法。
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