JPH07155856A

JPH07155856A - 金属板の成形装置

Info

Publication number: JPH07155856A
Application number: JP5301865A
Authority: JP
Inventors: Kenzo Takeda; 謙三武田; Hiroshi Kiyama; 啓木山; Hiroya Miyaoka; 博也宮岡; Tetsuya Wakabayashi; 徹也若林; Toshio Nakazato; 敏雄中里
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1993-12-01
Filing date: 1993-12-01
Publication date: 1995-06-20

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、金属板をプレス成形する際、形状
不良の原因となるスプリングバック等を低減させる成形
装置に関する。【構成】パンチ１に対して上下動自在なダイス２が設
けられたプレス金型において、プレス成形時にスプリン
グバックを生じる成形品Ｗｋの陵線部ｃ、ｃに対応する
金型側のパンチ肩部１ａとダイス２の凹条溝コーナ部
に、スプリング７で支持される複数の加熱用電極５、６
を埋設し、ダイス２が下死点に達する直前に成形品Ｗｋ
の陵線部ｃ、ｃに沿って加熱用電極５、…（又は６、
…）に通電し加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属板をプレス成形す
る際、形状不良の原因となるスプリングバック等を低減
させる成形装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属板をプレス成形する際スプリ
ングバック等に起因して形状不良が発生するのを抑制す
るため、例えば特開平１−２３３０１９号のようなプレ
ス成形方法が提案されている。そしてこの成形方法で
は、成形不良の原因となる残留応力の発生箇所等に対応
する金型面に予めビーム照射孔を穿設しており、成形が
完了した時点でこのビーム照射孔から金属板の成形面に
向けて高エネルギービームを照射することで、残留応力
等を取り除くようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記技術の場
合は装置が複雑となり、しかもレーザービーム等の機器
を使用するため高価になるという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は下型に対して上型が降下して金属板をプレ
ス成形する成形装置において、プレス成形時に形状不良
の原因となる残留応力の発生箇所とか、肉あまり発生箇
所に対応する金型部分に、付勢部材で支持される少なく
とも一対の加熱用電極を埋設し、前記上型の下死点直前
に金属板に対して前記加熱用電極を通電し加熱するよう
にした。

【０００５】

【作用】上型の下死点直前に、過大な残留応力等が発生
し易い箇所に通電加熱することで同部を軟化させ、残留
応力を取り除いてスプリングバック等を低減させる。こ
の際、加熱用電極はプラス側とマイナス側を一対とす
る。

【０００６】

【実施例】本発明の金属板の成形装置の実施例について
説明する。図１は本成形装置の縦断面図、図２は作用
図、図３は加熱用電極に対する電源供給の回路図であ
る。

【０００７】本発明の金属板の成形装置は、金属板のプ
レス成形が完了した時点で、成形品にスプリングバック
が生じるのを抑制するようにした装置であり、図１に示
すように、下型としてのパンチ１に対して上下動自在な
上型としてのダイス２を備えている。

【０００８】そして、パンチ１の周囲には、ビード３ａ
を備えたブランクホルダ３が設けられ、昇降自在なクッ
ションピン４で支えられている。

【０００９】ところで、かかるパンチ１は、図１の紙面
垂直方向に長く構成されており、図３に示すような逆Ｕ
字の樋状の成形品Ｗｋを成形出来るようにしている。

【００１０】従って、かかる形態の成形品Ｗｋを成形す
ると、左右のパンチ肩部１ａ、１ａに対応する成形品Ｗ
ｋの陵線部ｃ、ｃには残留応力が発生してスプリングバ
ックが生じ易くなり、形状精度が低下しがちである。

【００１１】そこで、本案では、成形品Ｗｋの陵線部
ｃ、ｃを所定のタイミングで加熱することが出来るよう
にし、実施例ではパンチ１側とダイス２側にそれぞれ別
個のシステムで作動する加熱用電極５、６を設けた例を
示している。

【００１２】すなわち、パンチ１側の加熱用電極５は、
付勢部材としてのスプリング７を介してパンチ肩部１ａ
に埋設しており、その先端をパンチ肩部１ａの表面から
僅かに突出させるとともに、図２（イ）に示すように、
ブランクホルダ３上に載置したブランク材Ｗｏには接触
させないようにしている。

【００１３】また、この加熱用電極５は、図３に示すよ
うに、パンチ１の長手方向に沿って複数配設しており、
これら加熱用電極５、…に対する電源８の接続は、プラ
ス側とマイナス側が交互になるようにして、隣接する２
個の加熱用電極５、５を一対にしている。

【００１４】また、これら加熱用電極５への電源の供給
は、例えば加熱用電極５がブランク材Ｗｏに接触した
後、ブランク材Ｗｏの押圧によって没入し、スプリング
７が所定ストローク押し縮められた時点から開始される
ようにする。

【００１５】そして、これら加熱用電極５、…に電源が
供給されると、プラス側からマイナス側に電流が流れて
陵線部ｃに沿ってジュール熱が発生する。

【００１６】一方、ダイス２に設けた加熱用電極６は、
凹条溝のコーナ部にスプリング７を介して埋設され、そ
の先端を成形品Ｗｋの陵線部ｃに臨ませるとともに、凹
条溝の表面から内部に突出させている。

【００１７】そして、前例と同様に、図１の紙面垂直方
向に複数配設され、不図示の別個のシステムの電源に接
続されてプラス側とマイナス側が交互に配列されてい
る。

【００１８】また、この加熱用電極６も、ブランク材Ｗ
ｏに接触した後、ブランク材Ｗｏの押圧によって没入
し、スプリング７が所定ストローク押し縮められた時点
から電源の供給が開始されるようにする。

【００１９】以上のような成形装置の作用について図２
に基づき説明する。

【００２０】図２（イ）に示すように、ブランクホルダ
３上にブランク材Ｗｏを載置して成形を開始する。この
際、パンチ肩部１ａの加熱用電極５とダイス２の加熱用
電極６は、いずれも電源が供給されない。

【００２１】次に（ロ）に示すように、ダイス２が下降
してブランクホルダ３との間でブランク材Ｗｏを挟持し
た後、更にダイス２が下降すると、ダイス２が下死点に
達する直前に加熱用電極５、６の電源が供給され、夫々
の加熱用電極５、…（または６、…）間に通電される。

【００２２】従って成形品Ｗｋの陵線部ｃに沿って例え
ば数百度程度のジュール熱が発生し、局部的に軟化され
る。因みに、電極間の電流は最短距離を流れるため、陵
線部ｃに沿った方向の一対の加熱用電極５、５（プラス
側の加熱用電極５からマイナス側の加熱用電極５）間の
隣接距離を、対向する加熱用電極５、６（プラス側の加
熱用電極５からマイナス側の加熱用電極６）間の距離よ
り短くしておくことで、陵線部ｃ方向のみを加熱出来
る。

【００２３】そして、（ハ）に示すように、ダイス２が
下死点に達したら、成形品Ｗｋが成形され、実施例で
は、この時点で加熱用電極５、６への電源をオフにする
ようにしている。

【００２４】そして、こうして加熱した成形品Ｗｋの陵
線部ｃには、残留応力が少なくなり、スプリングバック
が抑制される。

【００２５】尚、実施例の加熱用電極５、６の配置は１
例であり、かかる形態に限定されるものではない。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明の成形装置はプレ
ス成形時に形状不良の原因となる残留応力の発生箇所等
に対応する金型部分に、付勢部材で支持される少なくと
も一対の加熱用電極を埋設し、上型の下死点直前に通電
加熱するようにしたため、成形完了時にスプリングバッ
クを低減させた状態で成形することが出来る。また、加
熱用電極を付勢部材で支持することで、通電のタイミン
グ調整が容易に行われ、且つ安価に構成出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本成形装置の縦断面図

【図２】作用図

【図３】加熱用電極に対する電源供給の回路図

【符号の説明】

１パンチ２ダイス５、６加熱用電極７スプリングＷｏブランク材Ｗｋ成形品ｃ陵線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者若林徹也埼玉県狭山市新狭山１丁目10番地１ホンダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者中里敏雄埼玉県狭山市新狭山１丁目10番地１ホンダエンジニアリング株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下型に対して上型が降下して金属板をプ
レス成形する成形装置において、プレス成形時に形状不
良の原因となる残留応力の発生箇所等に対応する金型部
分に、付勢部材で支持される少なくとも一対の加熱用電
極を埋設し、前記上型の下死点直前に金属板に対して前
記加熱用電極を通電し加熱することを特徴とする金属板
の成形装置。