JPH07155728A - 焼却灰溶融処理方法及び装置 - Google Patents

焼却灰溶融処理方法及び装置

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JPH07155728A
JPH07155728A JP5308175A JP30817593A JPH07155728A JP H07155728 A JPH07155728 A JP H07155728A JP 5308175 A JP5308175 A JP 5308175A JP 30817593 A JP30817593 A JP 30817593A JP H07155728 A JPH07155728 A JP H07155728A
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ash
melting
incineration ash
incineration
cao
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JP5308175A
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English (en)
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Toshiaki Arato
利昭 荒戸
Isao Okochi
功 大河内
Shigeo Hashida
榮夫 橋田
Kiyoyuki Nishikawa
清幸 西川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物の焼却により発生した焼却灰を溶融し
てガラス固化することにより体積を低減し無害化するた
めの改良された方法及び装置を得る。 【構成】 廃棄物を焼却して得た灰22を溶融炉1にお
いて溶融し、排出した後ガラス化する処理方法におい
て、焼却灰22を溶融炉1への投入前に、成分分析器1
5により焼却灰の成分組成分析を行い、溶融温度が14
00℃以下であり粘度が40ポアズ以下となるように、
少なくとも、CaO、SiO2 、Al233成分の調整
を行う。CaO、SiO2 、Al23 の成分はホッパ
18、19、20から必要量焼却灰に供給する。 【効果】 処理すべき焼却灰の成分組成にかかわらず、
炉本体内での融体の溶融温度をほぼ1400℃以下かつ
粘度を40ポアズ以下に維持することが可能となり、焼
却灰溶融処理装置の灰溶融部付近の耐火材の損傷を少な
くし、かつ長時間連続的に溶融し減容した溶融物を容易
に炉外に滞りなく排出しガラス化することを可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼却灰溶融処理方法及び
装置に関し、特に、一般都市廃棄物、下水汚泥等を含む
廃棄物一般を処理して環境負荷性を低減するととも最終
廃棄量を低減するために、廃棄物の焼却により発生した
焼却灰を連続的にもしくは断続的に溶融し、ガラス固化
することによって廃棄物の体積を低減、無害化するため
の改良された方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来都市ゴミ等の廃棄物は埋立てにより
処分されていたが、埋め立て地確保の困難性の増大か
ら、一端焼却して後廃棄処分することが多くなってき
た。しかし、ゴミの焼却によって約10%の焼却灰が発
生し、灰の埋め立て処分用の用地すら逼迫した情勢にな
りつつある。加えて灰の埋め立て処分において灰の飛
散、未分解重金属類の進出による環境汚染、未燃焼物に
よる悪臭等環境に及ぼす悪影響が重要な懸案事項になっ
てきている。
【0003】そこでゴミ焼却灰を溶融処理し、埋め立て
に際して減容を図るともに灰からの溶融重金属滲出の防
止及び未燃物分解を行って環境上の保全を達成する手法
が取られるようになってきている。ゴミ焼却灰の溶融方
法としては、プラズマ加熱方式(特開平1−27390
8号公報)、アーク放電加熱方式(特開平2−9918
4号公報)、電磁誘導加熱方式(特開昭61−2109
98号公報、特開平3−267186号公報、特開平3
−267187号公報)、バーナ燃焼加熱(表面溶融)
方式(特開平3−263513号公報)等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来知ら
れた焼却灰の溶融処理方法において、炉内温度は通常処
理が予定される灰の平均的溶融温度より数100℃程度
高めに設定される。その理由は、灰を構成する成分の種
類や含有量が不安定であり溶融温度に変動が伴うこと、
及び、灰の成分組成によっては溶融温度での溶融物が満
足すべき粘性を持たず炉外に速やかに排出されないこ
と、等による。そのために、現在実際に稼働しているこ
の種の焼却灰溶融処理装置においては、灰溶融部付近の
温度は1400℃〜1600℃程度に達しており、それ
により溶融物の必要な粘度(40ポアズ以下であること
が多い)が得られるようにしている。
【0005】焼却灰溶融処理装置の炉内壁はアルミナ質
あるいは耐火セメントのような耐火物によりライニング
されているが、灰溶融時に1400℃〜1600℃とい
う高温下で反応が進行する結果、灰溶融部付近の耐火物
損傷が著しく、劣化した耐火物の交換、炉体等の補修が
頻繁に必要となり潤滑な灰溶融工程が得られにくい。ま
た、電磁誘導加熱方式以外の方式では、灰を溶融するた
めの熱源として溶融鉄のプールの存在が必要であり、溶
融装置は構造的に複雑となっている。一方、電磁誘導加
熱方式では必ずしも溶融鉄プールの存在は必要ではない
が、磁場発生コイルの中に黒鉛塊もしくは炭素塊を設置
してこれを発熱源として、灰と接触させることによって
灰を溶融する方式であることから、灰溶融体が直接耐火
物と接触、反応しやすく、耐火物の損耗が特に顕著とな
る欠点があった。
【0006】本発明は従来の焼却灰溶融処理方法及び装
置の持つ上記のような不都合を解消することを目的とし
ており、より具体的には、焼却灰を溶融して減容しガラ
ス化する焼却灰溶融処理方法及び装置において、焼却灰
溶融処理装置の灰溶融部付近の耐火材損傷を軽減し、焼
却灰を長時間連続的に溶融し、炉外に滞りなく排出する
ことを可能とする方法及び装置を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは都市ゴミ等の廃棄物の焼却灰に溶融
について多くの実験と理論的考察を行った。その過程に
おいて、焼却灰をそのままの成分で焼却灰溶融処理装置
により溶融するのではなく、溶融装置への投入前に、あ
らかじめ決めておいた一定の組成比率の範囲に調整する
ことにより、灰の溶融温度を安定させることができかつ
溶融物の粘性も低下させることができることを知覚し
た。本発明は上記知覚に基づきさらに実験と研究を継続
してなされたものであり、基本的に、廃棄物を焼却して
得た灰を連続的に溶融し、排出した後ガラス化する焼却
灰溶融処理方法において、溶融処理装置への投入前に、
焼却灰成分の組成分析を行い、成分組成の調整を行うこ
とからなる焼却灰溶融処理方法を開示する。
【0008】さらに、本発明は、具体的な態様として、
廃棄物を焼却して得た灰を電磁誘導加熱方式により連続
的に溶融し、排出した後ガラス化する焼却灰溶融処理方
法において、溶融処理装置への投入前に焼却灰成分組成
に対してあらかじめ溶融時の融点がCaO−SiO2
Al23 3元系液相線図において1400℃以下の範
囲となりかつ溶融物の粘度がCaO−SiO2−Al2
3 3元系1400℃等粘度曲線図において40ポアズ以
下の範囲となるように成分及び組成を調整することから
なる焼却灰溶融処理方法をも開示する。
【0009】さらに、本発明は、上記の方法を実施する
システムとして、灰の成分を分析する成分分析手段と、
該成分分析手段からの灰の組成に関する信号に基づき灰
のCaO、SiO2 、Al23 の3成分を調整すべく
CaO、SiO2 、Al23を必要量供給するための成
分調整手段と、該焼成後の灰を電磁誘導加熱方式により
連続的に溶融するための焼却灰溶融装置とを有すること
を特徴とする焼却灰溶融処理システムをも開示する。
【0010】上記システムに用いる焼却灰溶融装置とし
ては、電磁誘導加熱用水冷銅コイルと、該銅コイルを保
持する断熱材と、該断熱材の内側に配置した黒鉛円筒と
を有し、更に該黒鉛円筒の内側に高反応抵抗性耐火材料
を設置し、溶融焼却灰の加熱を該黒鉛円筒によって維持
して投入焼却灰を溶融するとともに、高反応抵抗性耐火
材料によって溶融焼却灰を速やかに炉外に排出するよう
に構成された焼却灰溶融処理装置が特に好ましく、そこ
において、該高反応抵抗性耐火材料はマグネシア−クロ
ム質、マグネシア−コークス質、高純度アルミナ質、炭
化ケイ素、アルミナ−カーボン質の少なくとも1種類以
上から構成されているが好ましい。
【0011】本発明の好ましい態様において、灰成分を
上記のような成分組成範囲に調整する理由は以下の通り
である。すなわち、廃棄物を焼却して得られる灰の成分
及び組成比率は一定でなく、廃棄物の種類によって当然
に異なってくるが、本発明者らの経験では、CaO、S
iO2 、Al23 、MgO、K2O、Na2Oが主要な
成分であり、なかでもCaO、SiO2 、Al23
3成分の全体に対する組成比率が高く、灰溶融物の融点
及び粘性は該3成分同志の組成比率に大きく依存してお
り、CaO、SiO2 、Al23 の3成分のみからな
る灰の溶融温度よりも他の成分、例えばK2O、Na2
が混入している灰の溶融温度は低いものであった。
【0012】すなわち、灰の代表的な成分は石灰石Ca
O、硅石SiO2 及びアルミナAl 23 の3成分であ
り、従って、灰の融点及び粘性の変化はこの3成分の濃
度比によって調整することが有効でありかつ現実的であ
るといえる。そこで、本発明においては、CaO−Si
2−Al23 3元系液相線図及びCaO−SiO2
Al23 3元系等粘度曲線図を灰の成分及び組成を調
整する際のベースとして用いることとした。
【0013】これを整理して示したものが図4、図5で
ある。図4はCaO−SiO2−Al23 3元系の液相
線(例えば、「日本鉄鋼協会編:溶鉄、溶滓の物性値便
覧(1972)に示される)の概略を示した図である。
すなわち、加熱した際にどの成分組成が何度で溶融する
かを示す図である。例えば、図中Aの点の組成はCaO
=約43%、SiO2 =約40%、Al23 =約17
%であり、この組成のものの融点は1300℃から14
00℃の間であることを示している。次に、図5はCa
O−SiO2−Al23 3元系融体の1400℃での等
粘度曲線(例えば、「日本鉄鋼協会編:溶鉄、溶滓の物
性値便覧(1972)に示される)の概略を示した図で
あり、図5において点Aで示されるように上記成分組成
のものの粘性は40ポアズ以下である。
【0014】前記したように、CaO、SiO2 、Al
23 の3成分のみからなる灰の溶融温度よりも、他の
成分、例えばK2O、Na2Oが混入している灰の溶融温
度は低い。従って、灰の成分のうちCaO、SiO2
Al23 の成分組成がCaO−SiO2−Al23
元系の液相線図において1400℃以下の溶融温度を示
す成分組成を持つものであれば、焼却灰溶融処理装置の
灰溶融部付近での雰囲気温度が1400℃程度で十分溶
融することができ、また、溶融物の粘度は該3成分同志
の組成比率に依存していることから、そのような成分組
成の溶融物の粘度は40ポアズ以下になっていることは
明らかである。
【0015】すなわち、灰のCaO、SiO2 、Al2
3 の成分組成が、融点がCaO−SiO2−Al23
3元系液相線図において1400℃以下の範囲となりか
つ溶融物の粘度がCaO−SiO2−Al23 3元系1
400℃等粘度曲線図において40ポアズ以下の範囲と
なるもの(その条件は図3に斜線領域として示される)
であれば、焼却灰溶融処理装置の灰溶融部付近の耐火材
損傷は軽減され、焼却灰を長時間連続的に溶融しかつ炉
外に滞りなく排出することが可能となることが分かる。
【0016】
【作用】前記のように廃棄物を焼却して得られる灰の成
分及び組成比率は一定でなく、廃棄物の種類によって当
然に異なっていることから、本発明においては、焼却灰
を溶融処理装置へ投入する前に成分分析手段により灰の
成分を分析し、所要の条件を満足するように少なくとも
CaO、SiO2 、Al23 の3成分を必要量供給し
て灰の成分組成が所望のものとなるように調整し、その
ように調整された灰を溶融処理装置へ投入するようにし
ている。
【0017】それにより、焼却灰処理時に焼却灰溶融処
理装置の灰溶融部付近の温度を高くても1400℃程度
に維持することが可能となり、灰溶融体と耐火物とが直
接接触することによる耐火物の損傷を抑制できることか
ら、溶融鉄プールを必要としない構成が比較的簡単な電
磁誘導加熱方式による焼却灰溶融処理装置を有効に利用
することが可能となる。また、焼却溶融物として粘度が
40ポアズ以下の範囲のものが得られることから、焼却
灰溶融処理装置から装置外への焼却溶融物の取り出しも
円滑に行うことができ、処理時間の短縮にもつながる。
【0018】また、本発明による焼却灰溶融処理装置
は、上部に焼却灰投入孔及びガス排出孔、下部には溶融
焼却灰排出孔を有する溶融処理装置において、装置本体
のセラミックス製の断熱材の漏斗状内周壁側に設けられ
た電磁誘導加熱用水冷銅コイルと、前記電磁誘導加熱用
水冷銅コイルの内周に配置した発熱用黒鉛製円筒を有
し、さらに前記発熱用黒鉛製円筒の内周に高反応抵抗性
耐火材を有している。すなわち、本発明では、加熱源は
焼却灰溶融処理装置本体の最も外側に設置された水冷銅
コイルによる電磁誘導であり、発熱部はその内側に設置
された黒鉛円筒である。処理すべき焼却灰は成分及び組
成を前記のような溶融状態となりうるように予備調整さ
れた後に溶融処理装置本体に投入され、装置内を落下し
ながら加熱、溶融され、融体状態で滴下する。溶融焼却
灰は滴下する際に装置本体の最も内側層を形成する耐火
材料と接触を繰り返すが、前記耐火材料がマグネシア−
クロム質、マグネシア−コークス質、高純度アルミナ
質、炭化ケイ素、アルミナ−カーボン質のうち少なくと
も1種類以上から構成されることによって、前記溶融焼
却灰は、前来耐火材料と反応することなく溶融処理装置
下部にまで滴下しうる。また、溶融処理装置下部には、
溶融焼却灰を固化するための容器を設けて置くことによ
り、溶融焼却灰は冷却しガラス化する。
【0019】
【実施例】以下、本発明による焼却灰溶融処理方法及び
装置の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1
は本発明による焼却灰溶融処理方法を実施するのに好適
な焼却灰溶融処理装置の一実施例を示す断面図である。
炉本体1は全体として半密閉状の容器であり、その上部
に、処理すべき焼却灰の投入孔8及び焼却灰が溶融する
際に発生する排ガスを送出するためのガス排出孔9を有
しており、下部には溶融焼却灰排出孔6を有している。
炉本体1の外壁は例えばアルミナ質製セメントを水ガラ
ス等で練り固めたセラミックス製断熱材3より構成さ
れ、漏斗状内周壁を有している。該セラミックス製断熱
材3の漏斗状内周壁側の内部には内部中空部を持つ誘導
加熱用水冷銅コイル2が埋設固定されており、該内部中
空部に水10を流すことによって冷却が行われる。
【0020】さらに、該セラミックス製断熱材3の漏斗
状内周壁の内側には発熱体としての作用を果たす黒鉛製
円筒4、さらにその内側には耐火材5が順次積層され
る。セラミックス製断熱材3は黒鉛製円筒4と誘導加熱
用水冷銅コイル2とを絶縁する効果をも有する。前記の
ように黒鉛製円筒4は、誘導加熱用水冷銅コイル2に通
電することによって発熱し、耐火材5を加熱する。
【0021】本実施例では、誘導加熱用水冷銅コイル2
の直径は炉本体1上部から中央部までは一定であり、炉
本体1下部の溶融焼却灰の排出孔6に向けて次第に縮径
した形状とされる。それにより、溶融焼却灰溶融物の滴
下および炉本体外への排出が容易となる。また、炉本体
1の前記焼却灰投入孔1a上部には、後記するように成
分及び組成を予備調整した焼却灰7を連続的或は非連続
的に炉本体1内部に投入可能にするコンベア7aが位置
しており、前記溶融焼却灰排出孔6の下方である炉本体
1外には後記するように灰溶融体12を固化するための
冷却用容器11が位置している。冷却用容器11には処
理時において冷却用の水13が入れられる。
【0022】図2は、上記した炉本体1を用いて本発明
による焼却灰溶融処理方法を好適に実施するための焼却
灰溶融処理システムの一実施例を表している。図2にお
いて14は焼却灰ホッパであり、図示しない焼却炉にお
いて焼却処理された廃棄物の焼却灰22が投入される。
焼却灰ホッパ14は供給路24を介して成分調整器17
に接続し、該成分調整器17は供給路28を介して上記
した焼却灰溶融処理装置の炉本体1の前記焼却灰の投入
孔8に接続している。さらに、成分調整器17には炉本
体1への焼却灰供給量を測定するための測定器17aが
付設されている。なお、前記したコンベア7a(図1参
照)は該供給路28の再下流側位置に位置している。
【0023】供給路24は分岐供給路24aを有し、該
分岐供給路24aを介して焼却灰22の一部が分流され
て分析器15に供給される。供給された焼却灰22は分
析器15において組成分析が行われる。なお、この分析
器15は従来知られたものでありまた分析手法も従来知
られた手法で行えばよく詳細な説明は省略する。分析器
15からの分析結果を示す信号と前記成分調整器17に
付設した焼却灰供給量測定器17aからの供給量を示す
信号とは、コンピュータ15aに入力される。コンピュ
ータ15aはCaO−SiO2−Al23 3元系液相線
図およびCaO−SiO2−Al23 3元系粘度曲線図
についてのテーブルを格納しており、後記するように入
力信号を該テーブルとを比較して必要な補正信号16を
CaOホッパ18、SiO2 ホッパ19、Al23
ッパ20側に出力する。
【0024】ホッパ18、19、20は図示しない排出
量自動秤量器が付設されており、前記コンピュータ15
aからの補正信号16に応じてそれぞれ制御された量の
CaO、SiO2 、Al23 を供給路21に排出す
る。該供給路21は供給路24に接続しており、各ホッ
パ18、19、20から排出されたCaO、SiO2
Al23 は前記した供給路24を移送される焼却灰2
2に合流する。
【0025】また、炉本体1のガス排出孔9は配管25
を介して粉塵回収用フィルタ27に接続しており、該フ
ィルタ27により排ガス中の粉塵(未処理焼却灰)は分
離される。分離された粉塵は配管26を介して一部は前
記供給路21に、一部は分岐配管26aを介して前記焼
却灰ホッパ14に送られる。この焼却灰溶融処理システ
ムは次のように操作される。すなわち、焼却灰ホッパ1
4から供給路24を介して成分調整器17に送られる焼
却灰22の一部は分岐供給路24aを介して分析器15
に送られて、公知の方法によりその成分分析が行われ
る。まず、焼却灰22の成分のCaO、SiO2 及びA
23 の3つの成分についての結果がコンピュータ1
5aに信号として入力される。コンピュータ15aに
は、炉本体1に最終的に投入すべき灰成分組成目標値が
予め入力されている。その値は図3に斜線で示す領域内
に含まれる値であれば、炉本体の稼働状況に応じて任意
に選択、設定可能である。また、コンピュータ15aに
は焼却灰供給量測定器17aからの単位時間当たりの焼
却灰投入量(単位例:kg/h)も信号として入力す
る。
【0026】今、一例として焼却灰ホッパ14から成分
調整器17に送られる焼却灰22のCaO、SiO2
びAl23 の3つの成分についての結果が図3中のP
a点の組成(CaO、SiO2 、Al23 =C1 、S
1 、A1 )であったとする。炉本体に最終的に投入され
るべき最適成分組成はP点(CaO、SiO2 、Al 2
3 =Cf 、Sf 、Af )であるとする。すなわち、炉
本体に投入可能な灰組成に調整するには、Pa点をP点
になるまで、補正信号16をホッパ18、19及び20
に与えて上記3成分の組成を変化させる必要がある。
【0027】 CaO については(Cf −C1 )×m/100 SiO2 については(Sf −S1 )×m/100 Al23 については(Af −A1 )×m/100 である。この値分だけ第1次の調整投入をするようにホ
ッパ18、19、20に補正信号16が送られる。但
し、条件によってはCf −C1 、Sf −S1 、Af−A
1 のいずれもかもしくはすべてが0以下になることがあ
る。0以下の値となる成分については投入しないような
信号とする。第1次の調整投入が終了した後、ただちに
成分調整器17及び焼却灰供給量測定器17aで第1次
調整投入後の焼却灰が分岐供給路24aを介して分析器
15に送られる。
【0028】コンピュータ15aからここで、仮に0以
下の値となる成分がある場合には上記3成分の合計が1
00%からずれているので、第2次の調整投入の補正信
号を再度ホッパ18、19、20に送り、上記3成分の
組成比率の合計が投入全体量に対して100±2%程度
に収まるまで補正信号を送る。
【0029】上記のような手順により、信号16の数値
によって必要量のCaO、SiO2、Al23 の各成分
が自動秤量されて供給路21上に排出され供給路24に
おいて焼却灰22と合流した後、成分調整器17に送ら
れる。従って、成分調整器17に貯留される溶融処理装
置への投入前の焼却灰成分組成は溶融時の融点がCaO
−SiO2−Al23 3元系液相線図において1400
℃以下の範囲でありかつ溶融物の粘度がCaO−SiO
2−Al23 3元系1400℃等粘度曲線において40
ポアズ以下の範囲となるようにCaO、SiO2 、Al
23 の成分組成が調整されたものとなる。該調整済の
焼却灰22は、焼却灰溶融処理装置の炉本体1中に所定
速度で装入溶融された後、炉本体1中で融体12とな
り、次第に炉本体1内部下部に移動し、炉本体1下部か
ら冷却用容器11に滴下され、ガラス固化される。
【0030】〔実際例1〕次に、実際に廃棄物を焼却し
て得た焼却灰について本発明を実施した例について説明
する。焼却灰溶融処理装置の炉本体1で溶融される前の
焼却灰22の1例は表1に示す成分及び組成を有してい
た。この組成は図4においてXaの位置である。 表1 焼却灰成分組成の分析例 (単位:wt%) CaO SiO2 Al23 Fe23 MgO K2O Na2O 灼熱減量 8.5 27.9 13.1 3.6 3.4 1.9 1.1 40.5 Total 100.0
【0031】表1に示す成分組成の焼却灰100kgに
対し、溶融時の融点がCaO−SiO2−Al23 3元
系液相線図において1400℃以下の範囲となりかつ溶
融物の粘度がCaO−SiO2−Al23 3元系140
0℃等粘度曲線図において40ポアズ以下の範囲となる
ようにCaO、SiO2 、Al23 の成分組成を調整
すべく、上記の方法により、組成調製用の石灰石粉末
(CaO)のみを23kg投入した。その結果、成分組
成は図4においてXで示される成分組成を持つものとな
った。
【0032】炉本体1で溶融処理を行った。表2は、焼
却灰溶融炉本体中の融体を採取、急冷した物を分析した
結果の例である。 表2 ガラス固化物の成分組成の分析例 (単位:wt%) CaO SiO2 Al23 Fe23 MgO K2O Na2O 39.6 39.0 14.8 2.7 2.5 0.8 0.6 Total 100.0
【0033】なお、調整後の焼却灰22の炉本体1への
装入速度は炉本体1中における溶融、排出速度に依存し
て変動したが、上記の例によると約700〜900kg
/hrであった。炉本体1中で融解した時の融点を測定
したところ約1340℃であった。また、融体は容易に
本発明の焼却灰溶融処理装置の炉本体1から融体の形態
で排出可能であった(経験的に、その粘度は40ポアズ
以下であると観察された)。
【0034】表2の組成のガラス固化物の熱分析による
融点測定の結果、1350℃であった。Fe23 、M
gO、K2OあるいはNa2O等が表2の量程度含有する
と、数10℃の融点降下があるものと考えられるが、図
4から推測した融点は実測値と良く一致した。表2の融
体組成をCaO、SiO2 及びAl23 の3成分に限
定して図5に当てはめると、ほぼに図5の点Xに相当す
る。従って1400℃における粘度は約20ポアズ(4
0ポアズ以下)であることがわかる。
【0035】〔実際例2〕焼却灰溶融処理装置で溶融さ
れる前の焼却灰22の1例は表3に示す成分及び組成を
有していた。この組成は図4においてYaの位置であ
る。 表3 焼却灰成分組成の分析例 (単位:wt%) CaO SiO2 Al23 Fe23 MgO K2O Na2O 灼熱減量 18.6 34.9 25.0 5.15 7.0 0.7 1.17 7.48 Total 100.0
【0036】表3に示す成分組成の焼却灰に対し、焼却
灰溶融処理装置の炉本体1に焼却灰を投入する前に石灰
石、硅石及びアルミナを混合することによって、CaO
/SiO2 =0.80になるように成分、組成の調製を
行った。この時、表3の成分組成の焼却灰100kg当
り、石灰石粉末を約12kg添加するのみで調整が可能
であった。その結果、成分組成は図4においてYで示さ
れる成分組成を持つものとなった。炉本体1中で融解し
た時の融点を測定したところ約1220℃であった。ま
た、融体は容易に本発明の焼却灰溶融処理装置の炉本体
1から融体の形態で排出可能であった(経験的に、その
粘度は40ポアズ以下であると観察された)。
【0037】表4は、焼却灰溶融炉本体中の融体を採
取、急冷した物を分析した結果の例である。 表4 焼却灰溶融処理装置炉本体中で溶融した融体の成分組成 (単位:wt%) CaO SiO2 Al23 Fe23 MgO K2O Na2O 32.5 33.2 21.9 4.6 6.1 0.6 1.1 Total 100.0
【0038】表4の組成のガラス固化物の熱分析による
融点測定の結果、1290℃であった。Fe23 、M
gO、K2OあるいはNa2O等が表4の量程度含有する
と、100℃〜120℃の融点降下があるものと考えら
れるが、図4から推測した融点は実測値と良く一致し
た。同様に、表5の融体組成をCaO、SiO2 及びA
23 の3成分に限定して図5に当てはめると、図5
においてY相当する。従って1400℃における粘度は
40ポアズ以下であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明による焼却灰溶融処理方法及び装
置によれば、処理すべき焼却灰の成分組成にかかわら
ず、炉本体内での融体の溶融温度をほぼ1400℃以下
かつ粘度を40ポアズ以下に維持することが可能とな
り、構成の比較的容易な電磁誘導加熱方式による焼却灰
溶融処理装置を用いて、焼却灰溶融処理装置の灰溶融部
付近の耐火材を損傷することなく、長時間連続的に溶融
し、減容した溶融物を容易に炉外に滞りなく排出しガラ
ス化することを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却灰溶融処理装置を示す図。
【図2】焼却灰溶融処理全体システムを示す図。
【図3】焼却灰成分組成調整最適領域を示す図。
【図4】CaO−SiO2−Al23 系の液相線図。
【図5】CaO−SiO2−Al23 系の1400℃に
おける等粘度曲線。
【符号の説明】
1…炉本体、2…誘導加熱用水冷銅コイル,3…セラミ
ックス製断熱材、4…黒鉛製円筒、5…耐火材、6…溶
融焼却灰排出孔、7(22)…焼却灰、8…焼却灰投入
孔、9…排気孔、10…水、11…冷却用容器、12…
排出溶融焼却灰、13…冷却用の水、14…焼却灰ホッ
パ、15…分析器、15a…コンピュータ、16…組成
に関する信号、17…成分調製器、18…CaOホッ
パ、19…SiO2 ホッパ、20…Al23 ホッパ、
27…粉塵回収用フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/00 103 Z 9430−3K F23J 1/00 B 7704−3K (72)発明者 西川 清幸 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を焼却して得た灰を連続的に溶融
    し、排出した後ガラス化する焼却灰溶融処理方法におい
    て、溶融処理装置への投入前に、焼却灰成分の組成分析
    を行い、成分組成の調整を行うことを特徴とする焼却灰
    溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物を焼却して得た灰を電磁誘導加熱
    方式により連続的に溶融し、排出した後ガラス化する焼
    却灰溶融処理方法において、溶融処理装置への投入前に
    焼却灰成分組成に対してあらかじめ溶融時の融点がCa
    O−SiO2−Al23 3元系液相線図において140
    0℃以下の範囲となりかつ溶融物の粘度がCaO−Si
    2−Al23 3元系1400℃等粘度曲線図において
    40ポアズ以下の範囲となるようにCaO、SiO2
    Al23 の成分組成を調整することを特徴とする焼却
    灰溶融処理方法。
  3. 【請求項3】 廃棄物を焼却して得た灰を電磁誘導加熱
    方式により連続的に溶融し、排出した後ガラス化する焼
    却灰溶融処理システムであって、灰の成分を分析する成
    分分析手段と、該成分分析手段からの灰の組成に関する
    信号に基づき灰のCaO、SiO2 、Al23 の3成
    分の組成を調整すべくCaO、SiO2 、Al23 を必
    要量供給するための成分調整手段と、該焼成後の灰を電
    磁誘導加熱方式により連続的に溶融するための焼却灰溶
    融装置とを有することを特徴とする焼却灰溶融処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 電磁誘導加熱用水冷銅コイルと、該銅コ
    イルを保持する断熱材と、該断熱材の内側に配置した黒
    鉛円筒とを有し、更に該黒鉛円筒の内側に高反応抵抗性
    耐火材料を設置し、溶融焼却灰の加熱を該黒鉛円筒によ
    って維持して投入焼却灰を溶融するとともに、高反応抵
    抗性耐火材料によって溶融焼却灰を速やかに炉外に排出
    することを特徴とする、請求項2記載の焼却灰溶融処理
    システムに用いる焼却灰溶融処理装置。
  5. 【請求項5】 該高反応抵抗性耐火材料がマグネシア−
    クロム質、マグネシア−コークス質、高純度アルミナ
    質、炭化ケイ素、アルミナ−カーボン質の少なくとも1
    種類以上から構成されていることを特徴とする請求項4
    記載の焼却灰溶融処理装置。
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