JPH071556A - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品の製造方法および製造装置

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JPH071556A
JPH071556A JP5147495A JP14749593A JPH071556A JP H071556 A JPH071556 A JP H071556A JP 5147495 A JP5147495 A JP 5147495A JP 14749593 A JP14749593 A JP 14749593A JP H071556 A JPH071556 A JP H071556A
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Koujirou Suga
広次郎 菅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】真空泡等の内部欠陥を発生させずに、高い成形
速度で高品質の熱可塑性樹脂成形品を製造することがで
きる方法、ならびにその方法を実施するための装置の提
供。 【構成】熱可塑性樹脂を溶融してダイスから連続的に押
出し、得られる押出成形物を冷却区域を通過させて冷却
固化させながら引き取る工程を有する熱可塑性樹脂成形
品の製造方法であって、前記冷却区域が押出成形物の流
れ方向に沿って直列に少なくとも2つ以上に区分けされ
てなる複数の冷却室を有し、かつ該複数の冷却室がそれ
ぞれ2種以上の冷却手段を備え、冷却固化する押出成形
物中に真空泡が生成しないように各冷却室における冷却
手段を熱可塑性樹脂の固化時の挙動に対応させて選択す
る熱可塑性樹脂成形品の製造方法および製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂成形品の
製造方法およびその製造装置に関し、特に、真空泡等の
内部欠陥を発生させずに、高い成形速度で高品質の熱可
塑性樹脂成形品を製造することができる方法、ならびに
その方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる成形品、例えば、
シート、ロッド、パイプ、異型押出品等を製造する場
合、通常、熱可塑性樹脂を溶融し、ダイで賦形しながら
押出した後、連続的に固化して成形品を製造する方法が
採用されている。かかる方法では、得られる成形品の肉
厚が厚く、また使用する熱可塑性樹脂が結晶性の高い樹
脂の場合は、色々と面倒な問題があった。例えば、結晶
性の高い熱可塑性樹脂は溶融状態から冷却されて固化す
る場合、結晶化温度において、結晶化により体積が数%
程度収縮する。また、冷却は樹脂成形品の表面から行わ
れ、固化は樹脂表面から内部に向かって進行するため、
成形品内部の溶融状態の樹脂が固化収縮する際の収縮代
が足りなくなり、成形品内部にしばしば真空泡と呼ばれ
る欠陥を生じていた。
【0003】このような真空泡の発生を回避するには、
成形品を除冷することが有効であることが一般に知られ
ている。そこで、冷却水として温水を使用する方法や、
熱伝達係数の小さい冷却媒体、例えば空気で除冷する等
の方法が採用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、温水を使用す
る方法では、所定の温度まで冷却、固化させるためには
長い冷却槽または冷却工程を必要とし、しかも、成形品
の肉厚、サイズ等を変更した場合には、成形速度を低く
しないと冷却不足となり十分な固化が達成されないなど
の問題があった。一方、空気で除冷する方法でも、同様
に所定の温度まで冷却、固化させるためには長い冷却槽
または冷却工程を必要とし、しかも、樹脂成形品が固化
しないうちに引き取られるため、製品が延伸されて変形
したり、樹脂がサイジングダイに粘着して変形する等の
問題があった。従って、より適切な冷却方法の案出が望
まれていた。
【0005】そこで本発明の目的は、熱可塑性樹脂を押
出成形して、高速で熱可塑性樹脂成形品を製造しても、
成形するための熱可塑性樹脂の固化特性に合わせて冷却
パターンを適宜変更することにより、真空泡等の内部欠
陥を発生せずに、高品質の熱可塑性樹脂成形品を製造す
ることができる方法、およびその方法を実施するのに好
適な装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、熱可塑性樹脂を溶融してダイスから連続
的に押出し、得られる押出成形物を冷却区域を通過させ
て冷却固化させながら引き取る工程を有する熱可塑性樹
脂成形品の製造方法であって、前記冷却区域が押出成形
物の流れ方向に沿って直列に少なくとも2つ以上に区分
けされてなる複数の冷却室を有し、かつ該複数の冷却室
がそれぞれ2種以上の冷却手段を備え、冷却固化する押
出成形物中に真空泡が生成しないように各冷却室におけ
る冷却手段を熱可塑性樹脂の固化時の挙動に対応させて
選択する熱可塑性樹脂成形品の製造方法を提供するもの
である。
【0007】本発明の方法は、前記熱可塑性樹脂が、結
晶性熱可塑性樹脂である場合に好適である。
【0008】前記結晶性熱可塑性樹脂が、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンおよびポリ4−
メチル−1−ペンテンから選ばれる少なくとも一種の重
合体であると、さらに好適である。
【0009】前記冷却区域が、少なくとも5つの冷却室
からなるものであると、好ましい。
【0010】前記冷却手段が、水および/または空気を
冷却媒体とするものであると、好ましい。
【0011】また、本発明は前記の方法を実施するため
の装置として、溶融熱可塑性樹脂をダイから押出成形す
る押出機、押出機から押出成形された押出成形物を導入
して冷却固化させる冷却装置、および冷却固化された押
出成形物を引取る引取機を有する熱可塑性樹脂成形品の
製造装置であって、前記冷却装置が押出成形物の流れ方
向に沿って直列に少なくとも2つに区分けされてなる複
数の冷却室を備え、かつ各冷却室が2種以上の冷却手段
を具備し、各冷却室における冷却手段を選択できるよう
にしてなる熱可塑性樹脂成形品の製造装置をも提供する
ものである。
【0012】前記冷却装置が、少なくとも5つの冷却室
からなると、好ましい。
【0013】前記冷却手段が、水および/または空気を
冷却媒体とするものであると、好ましい。
【0014】以下、本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造
方法(以下、「本発明の方法」という)およびその製造
装置について詳細に説明する。
【0015】本発明の方法を適用して熱可塑性樹脂成形
品を得ることができる熱可塑性樹脂は、加熱溶融して押
出成形することができるいずれの熱可塑性樹脂でもよ
く、特に制限されない。例えば、ポリオレフィン、ポリ
アミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等を挙げることができる。
【0016】ポリオレフィンとしては、α−オレフィン
の単独重合体、または2種以上のα−オレフィンの共重
合体である。このα−オレフィンとしては、例えば、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
このポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合
体、4−メチル−1−ペンテン・1−ブテン共重合体等
を挙げることができる。
【0017】また、ポリアミドとしては、例えば、ポリ
カプロラクタム(ナイロン−6)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン−6,6)、ナイロン−6,1
0、ナイロン−11、ナイロン−12などを挙げること
ができる。
【0018】ポリエステルとしては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート・イソフタレート等を挙げる
ことができる。
【0019】これらの熱可塑性樹脂のうちでも、本発明
の方法が特に有効な樹脂としては、シート、パイプ、ロ
ッド等に押出成形しやすく、かつ結晶化度が高い樹脂、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン共重合体を挙げるこ
とができる。
【0020】以下、本発明の方法にしたがって、熱可塑
性樹脂成形品を成形する実施態様を図1〜2に示し、こ
の図1〜2に基づいて、本発明の方法および装置につい
て説明する。
【0021】図1に示す実施態様において、熱可塑性樹
脂は、ホッパー1から押出成形機2に供給され、押田成
形機2内で溶融、混練され、ダイ3によって所定の形状
に賦形されて連続的に押出される。ダイ3から押出され
る未固化の熱可塑性樹脂は、冷却装置4の入口に配設さ
れたサイザー5により外形を規制されながら、冷却装置
4に導入されて冷却、固化されるとともに、引取装置6
により連続的に引き取られる。
【0022】本発明において用いられる押出成形機は、
外部から熱可塑性樹脂を供給するためのホッパー1と、
供給された熱可塑性樹脂を溶融、混練するためのスクリ
ュー、バレル、ヒーターおよび必要に応じて冷却機を有
するものであり、特に制限されず、溶融、混練される熱
可塑性樹脂の種類、成形品の形状等に応じて適宜選択さ
れる。
【0023】また、ダイ3としては、ストレートダイ、
クロスヘッドダイ、スパイラルダイ等の公知の各種ダイ
を、所望の形状に対応して採用することができる。
【0024】ダイ3から賦形されるととともに押出され
た未固化の熱可塑性樹脂からなる押出成形物7は、必要
に応じてサイザー5により外形を規制されながら、冷却
装置4に導入される。冷却装置4は、図2に示すとお
り、矢印Aで示す押出成形物7の流れ方向に沿って直列
に少なくとも2つに区分けされてなる複数の冷却室
1,42 ,43 ,44 ………を有するものである。こ
の複数の冷却室が、冷却装置4に少なくとも2つ以上形
設され、好ましくは、4つ以上、特に6つ以上が、形設
されていると、高速成形時に熱可塑性樹脂の固化時の挙
動に柔軟に対応できるため、好ましい。また、この複数
の冷却室41 ,42 ,43 ,44 ………はそれぞれ、熱
可塑性樹脂の成形物が連続的に通過する入口81
2 ,83 ,84 ………と、出口91 ,92 ,93 ,9
4 ………とを有するものである。この複数の冷却室は、
上部が閉じられていてもよいし、上部が開口されていて
もよい。
【0025】また、この複数の冷却室41 ,42
3 ,45 ,46 ………のそれぞれは、2種以上の冷却
手段を備えるものである。用いられる冷却手段は、冷却
媒体と熱可塑性樹脂の押出成形物と冷却媒体とを接触さ
せて、それぞれ異なる冷却効果を発揮するように構成さ
れるものである。
【0026】用いられる冷却媒体としては、特に制限さ
れず、例えば、通常の水道水、60℃程度の温水、10
℃程度の冷水、氷水、各種塩類等の溶解可能な添加剤を
溶解した水、油、その他の冷媒等の液体、または、空
気、加熱空気、冷却空気、窒素ガスなどを熱可塑性樹脂
の固化時の挙動に対応させて適宜採用することができ
る。添加剤として用いられる塩類として、例えば、Na
Cl等が挙げられる。
【0027】さらに、冷却媒体と押出成形物との接触
は、冷却媒体中に押出成形物を浸漬する方法、押出成形
物に冷却媒体を吹き付ける方法、冷却媒体を押出成形物
に噴霧または散布する方法等を、所期の冷却効果が得ら
れるように適宜採用することができる。
【0028】本発明において、冷却装置4に導入された
未固化の熱可塑性樹脂からなる押出成形物は、複数の冷
却室において、得られる押出成形物中に真空泡が生成し
ないように各冷却室において冷却、固化される。このと
き、各冷却室における冷却手段は、押出成形物の固化時
の挙動に対応させて選択される。ここで、各冷却室にお
ける冷却手段を熱可塑性樹脂の固化時の挙動に対応させ
るとは、まず、最初に、各冷却室における冷却手段を最
も冷却効率の高い冷却手段とする。この状態では、未固
化の熱可塑性樹脂の押出成形物は、複数の冷却室41
2 ,43 ,4 4 ………4n ………を順次通過するとと
もに、内部の熱可塑性樹脂が溶融しているままで、表面
から急速に冷却される。しかし、外側の熱可塑性樹脂が
固化され外形が固定され、内側の熱可塑性樹脂が固化す
る際の収縮の逃げ場がなくなり、ある冷却室、例えば、
n において、成形物内部に真空泡Bを生じる。次に、
この真空泡を発生する冷却室4n より上流の冷却室
1 ,42 ,43 ………4n-1の冷却手段のうち、一部
の区域をより低い冷却効率の冷却手段に替え、再び、成
形を開始して、得られる成形物における真空泡の発生を
観察する。この場合でも、真空泡の発生を防ぐことがで
きない場合、より多い数の冷却室の冷却手段をより冷却
効率の低い冷却手段に替えるか、あるいは、冷却手段を
さらに冷却効率の低い手段に替える。このようにして各
冷却室における冷却条件を適宜選択することにより、真
空泡の発生しない冷却室の配置、各冷却室における冷却
手段を見出し、真空泡の発生しない熱可塑性樹脂成形品
を得ることができる条件が決定される。このとき、冷却
効率を低くした冷却室が2つ以上ある場合、その冷却室
は、冷却効率の高い冷却室の列の中で等間隔に配置され
ていることが好ましい。
【0029】より具体的には、まず、押出成形品の引取
速度に応じて冷却装置を押出成形品の流れ方向に沿って
等間隔に区分けして複数の冷却室を構成し、各冷却室に
おける押出成形品の滞留時間、すなわち冷却時間が1〜
4秒となるように調整する。但し、冷却装置の1番目の
冷却室は、後段の冷却室よりも短い区分けとし、該1番
目の冷却室における冷却時間が0.5〜2秒となるよう
に構成する。
【0030】以上の構成の冷却装置において、押出成形
品として熱可塑性樹脂からなるロッドを製造する場合を
例にとり、具体的に冷却装置における押出成形品の冷却
パターンの調整条件を選択する手順について説明する。
まず、冷却装置を構成する全冷却室に水を満たし、熱可
塑性樹脂のロッドを一定の引取速度、例えば、5m/分
で成形する。このとき、6番目以降の冷却室でロッドの
中心部に真空泡が発生することが認められる場合、6番
目の冷却室までを水冷にして押出成形品を急冷したこと
が、真空泡を発生させた原因であることがわかる。そこ
で、まず、1〜6番目までの冷却室における冷却パター
ンの調整条件を選択する。この冷却パターンの選択にお
いて、7番目以降の冷却室における水冷による影響を避
けるため、7番目以降の冷却室は全て空冷とする。次
に、1〜6番目の冷却室の内、1つの冷却室のみを空冷
とし、しかも空冷とする冷却室を2番目の冷却室から順
次替えて、ロッドの成形を行い、真空泡のほとんど無い
ロッドが得られるときの、空冷の冷却室を探す。なお、
ロッドの伸びを防止し、また、引取力を発生させるた
め、1番目の冷却室は常に水冷とする。この1〜6番目
の冷却室において、1つの冷却室のみを空冷とする冷却
パターンは、5通りである。この5通りの冷却パターン
を全て試みても真空泡が消失しない場合は、さらに、2
つの冷却室を空冷とし、残りの冷却室を水冷とする冷却
パターンについて、前記の手順を繰り返し、真空泡の発
生しない冷却パターンを探す。さらに、1〜6番目の冷
却室を前記の手順によって決定した冷却パターンに設定
し、7番目以降の冷却室を全て水冷としてロッドの成形
を行い、真空泡の発生位置を調べる。例えば、8番目の
冷却室以降でロッドに真空泡が発生したとすれば、7〜
8番目の冷却室における冷却パターンを、前記手順と同
様にして決定する。以上の手順を繰り返して、真空泡の
発生しない冷却パターンを見出すことができる。
【0031】次に、ポリ4−メチル−1−ペンテン系重
合体を用いて真空泡のほとんど無いロッドを成形するた
めに、前記の方法にしたがって異なる成形速度に応じて
それぞれ選択された冷却パターンを示す。 冷却装置の各冷却室の長さ:30cm 成形速度:5m/分 1〜9番目の冷却室を水冷−空冷−空冷−水冷−空冷−
空冷−水冷−空冷−水冷とし、9番目以降の冷却室を全
て水冷とする。 成形速度:7m/分 1〜12番目の冷却室を水冷−空冷−空冷−水冷−空冷
−空冷−水冷−空冷−空冷−水冷−空冷−水冷とし、1
2番目以降の冷却室を全て水冷とする。 成形速度:9m/分 1〜15番目の冷却室を水冷−空冷−空冷−水冷−空冷
−空冷−水冷−空冷−空冷−水冷−空冷−空冷−水冷−
空冷−水冷とし、15番目以降の冷却室を全て水冷とす
る。
【0032】以上の冷却パターンの調整条件において、
真空泡の生成を抑制するための冷却パターンの一般的な
例として、(水冷−空冷−空冷)×n+(水冷−空冷)
+(水冷)の順に繰り返して配置するのが好ましい。こ
こで、nは、用いられる熱可塑性樹脂の結晶化音と、樹
脂温度、成形速度、成形品の寸法、材質等にしたがって
適宜決定される数である。
【0033】一般に、1番目の冷却室(L1 )を水冷と
し、かつその冷却室の長さを引取速度に応じて調整し、
その1番目における押出成形品の滞留時間、すなわち冷
却時間T1 を、引取速度に関係なく、0.5〜2秒
(0.5秒≦T1 ≦2秒)の範囲に調整すると、好まし
い。
【0034】また、1番目の冷却室以外の冷却室におい
て、隣合う空冷の冷却室で挟まれた水冷の冷却室
(LHW)の長さ(DHW)を、押出成形品の引取速度に応
じて変え、該冷却室(LHW)における押出成形品の滞留
時間、すなわち冷却時間THWが、引取速度に関係なく、
1〜4秒(1秒≦THW≦4秒)とする。さらに、空冷の
冷却室(LHA)の長さ(DHA)も、引取速度に応じて変
え、該冷却室(LHA)における押出成形品の滞留時間、
すなわち冷却時間THAが、上記の水冷の冷却室における
冷却時間の2倍である2〜8秒とし、また、最後の空冷
の冷却室における冷却時間のみを1〜4秒とすると、好
ましい。
【0035】本発明の方法を適用して製造される熱可塑
性樹脂成形品は、特に制限されず、例えば、シート、ロ
ッド、パイプ、異型押出品等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。
【0037】(実施例1)密度0.835g/cm
3 (ASTM D1505)、MFR:28g/10分
(ASTM D1238、荷重:5kg、温度:260
℃)、1−ヘキサデセン含有量6.0重量%の4−メチ
ル−1−ペンテン重合体を、45mmφの押出機に供給
して250℃で溶融混練した。溶融物をクロスヘッドダ
イより押出し、冷却装置(長さ:5.85m)の先端に
取り付けたサイザーで9.0mmφのロッドに形状を規
制した。次に、このロッド状の溶融物を、図1に示す長
さ30cmで、それぞれ水の給排水口を有する20個の
冷却室を有し、水を充満させた冷却装置を通過させて冷
却固化させた。ただし、冷却装置の1番目の冷却室のみ
は、長さを15cmとした。また、引取速度は5m/分
で行なった。得られたロッドには、中心部に直径2m
m、長さ10mm程度の真空泡が不連続に多数発生して
いた。また、真空泡は6番目以降の冷却室から発生して
いた。
【0038】そこで、ロッドの成形を継続させながら、
まず、7番目以降の冷却室から全て排水して冷却媒体を
空冷とした。次に、1番目の冷却室を水冷とし、2〜6
番目の冷却室の内、1つの冷却室のみから排水して空冷
とし、かつ空冷とする冷却室を順次替えて、真空泡の発
生を観察した。しかし、1つの冷却室のみを空冷として
も、真空泡は依然として多数発生した。そこで、2つの
冷却室を空冷とし、かつ空冷とする冷却室の位置を順次
替えて、真空泡の発生を観察した。以後、この手順を繰
り返し、真空泡が発生しない冷却パターンを決定した。
その結果、1〜6番目の冷却室における冷却パターン
を、下記のとおりとすると、真空泡が発生しないことが
わかった。 水冷−空冷−空冷−水冷−空冷−空冷
【0039】次に、1〜6番目までの冷却パターンを上
記のように設定し、7番目以降の冷却室に全て水を充満
して、ロッドの成形を行なった。得られたロッドには、
中心部に直径1〜2mm程度、長さ2〜4mmの真空泡
が少数ながら発生していた。また、真空泡の発生位置
は、8番目の冷却室であった。そこで、9番目以降の冷
却室の全てから排水し、7番目と8番目の2つの冷却室
の内、1つの冷却室のみから排水して、ロッドの成形を
続け、真空泡の発生を観察した。その結果、8番目の冷
却室を空冷にすると、真空泡が発生しなくなった。そこ
で、1〜8番目の冷却室の冷却パターンを下記のとおり
とすると、真空泡が発生しないことがわかった。 水冷−空冷−空冷−水冷−空冷−空冷−水冷−空冷
【0040】さらに、1〜8番目の冷却室の冷却パター
ンを上記のとおりに設定し、9番目以降の冷却室に全て
水を充満させてロッドを成形したところ、真空泡のない
ロッドが得られた。その結果を、得られたロッドの性状
とともに表1に示す。
【0041】(実施例2)押出機のスクリュー回転数を
1.4倍とし、同じくロッドの引き取り速度を1.4倍
の7m/分とし、真空泡の発生しない冷却装置の冷却パ
ターンを調べた。その結果を、得られたロッドの性状と
ともに表1に示す。
【0042】(実施例3)ダイスとサイザーを交換し
て、12.0mmφのロッドを成形するように変更し、
かつ引き取り速度を5m/minに変更し、冷却パター
ンを表1のように変更する以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0043】(実施例4)4−メチル−1−ペンテン重
合体の代わりにポリ−1−ブテン単独重合体(MFR
0.5g/10分、ASTM D1238,190℃)
を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1
に示す。
【0044】(比較例1)長さ5.85mの水を充満し
た1つの冷却槽を用いて冷却する以外は、実施例1と同
様に行ったが、成形ロッドに真空泡が発生した。
【0045】(比較例2)比較例1で用いた冷却槽の水
を全て排出して用いる以外は、比較例1と同様に行っ
た。ロッドは、冷却槽に入った直後で延伸されて切れ
た。
【0046】 冷却装置の長さ:5.85m 冷却室の長さ:1番目の冷却室 15cm 2〜20番目の冷却室 30cm 水:水冷 空:空冷
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形品内部に真
空泡等の内部欠陥が発生せずに、高い成形速度で高品質
の熱可塑性樹脂成形品を製造することができる。また、
冷却装置の長さを短くすることができる。しかも、成形
品の肉厚、サイズ、樹脂の材質、成形速度等の条件を変
更した際でも容易に適切な条件を決定することができ
る。さらに、本発明の装置は、前記方法を好適に実施す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を説明する装置構成図。
【図2】冷却装置の構成を説明する概念図。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 押出成形機 3 ダイ 4 冷却装置 5 サイザー 6 引取装置 7 押出成形物 8 入口 9 出口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を溶融してダイスから連続的
    に押出し、得られる押出成形物を冷却区域を通過させて
    冷却固化させながら引き取る工程を有する熱可塑性樹脂
    成形品の製造方法であって、前記冷却区域が押出成形物
    の流れ方向に沿って直列に少なくとも2つ以上に区分け
    されてなる複数の冷却室を有し、かつ該複数の冷却室が
    それぞれ2種以上の冷却手段を備え、冷却固化する押出
    成形物中に真空泡が生成しないように各冷却室における
    冷却手段を熱可塑性樹脂の固化時の挙動に対応させて選
    択する熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂
    である請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記結晶性熱可塑性樹脂が、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンおよびポリ4−
    メチル−1−ペンテンから選ばれる少なくとも1種の重
    合体である請求項2に記載の熱可塑性樹脂成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記冷却区域が、少なくとも5つ以上の冷
    却室からなる請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記冷却手段が、水および/または空気を
    冷却媒体とするものである請求項1〜4のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記熱可塑性樹脂成形品が、シート、ロッ
    ド、パイプまたは異型押出品である請求項1〜5のいず
    れかに記載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】溶融熱可塑性樹脂をダイから押出成形する
    押出機、押出機から押出成形された押出成形物を導入し
    て冷却固化させる冷却装置、および冷却固化された押出
    成形物を引取る引取機を有する熱可塑性樹脂成形品の製
    造装置であって、前記冷却装置が押出成形物の流れ方向
    に沿って直列に少なくとも2つに区分けされてなる複数
    の冷却室を備え、かつ各冷却室が2種以上の冷却手段を
    具備し、各冷却室における冷却手段を選択できるように
    してなる熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  8. 【請求項8】前記冷却装置が、少なくとも5つの冷却室
    からなるものである請求項7に記載の熱可塑性樹脂成形
    品の製造装置。
  9. 【請求項9】前記冷却手段が、水および/または空気を
    冷却媒体とするものである請求項7または8に記載の熱
    可塑性樹脂成形品の製造装置。
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