JPH0715555Y2 - 立体駐車塔のハロン排気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数基建て並べられた立体駐車塔で、消火用
のハロンガス排気装置に関するものである。

従来のハロンガス排気装置は、第８図で示す様に各立体
駐車塔１へ排気管４を各立体駐車塔１のピットＰに設け
た吸気口２へそれぞれ配管して、火災によりハロンガス
が放出された時、ハロンガス放出圧でピストンレリーザ
付ダンバー３の作動により全排気管４を閉鎖させてい
た。

火災消火後、ハロンガス排出作業をするためにハロンガ
ス放出した駐車塔区画のみのピストンレリーザ付ダンバ
ー３を手動で開口し、排気用ファン装置６を運転しハロ
ンガスを排気口７より排出していた。

しかしながら、従来の排気装置にあっては、排気管４を
駐車塔の基数分必要となり、その排気管４の配管する土
木費も加算していた。又ハロンガス排出においては、ハ
ロンガス放出区画のピストンレリーザ付ダンバー３を探
し手動で開口しなけれがならなかった。

本考案は、このような課題を鑑み創案されたものであ
り、より安価により便利な立体駐車塔のハロン排気装置
を提供するものである。

そこで各立体駐車塔１に配管されている排気管４を一本
の排気管で各立体駐車塔１の吸気口２へピストンレリー
ザ付ダンバー３を具備するとともに、手動で開閉操作す
る手動式ダンバー５を排気ファン装置６の手前に設け
る。

又は、ピストンレリーザ付ダンバー３を使用しないで排
気ファン装置６の電源RSからの始動スイッチＳに直列に
配線したハロンガス放出圧で作動する圧力スイッチ12を
配線途中に設け、各立体駐車塔１の吸気口２へ電磁式ダ
ンバー16を具備する。

以上の様に、本考案は２種類の構成がありその作用につ
いて説明すると、複数基の立体駐車塔を建立する場合に
は、左右又は前後方向へ近接もしくは共通壁をもち接触
させて設置されハロンの排気用ファン装置６につながる
排気管を一本にすることでコストダウンが計れ、各立体
駐車塔の吸気口２のピストンレリーザ付ダンバー３がハ
ロンガス放出区画のみ開口するため、ハロン排出時にハ
ロンガス放出区画のダンバーを探さなくてもよい。

更に、空気口２へ電磁式ダンバー16を設けたものについ
ては、ハロンガス放出区画のみ圧力スイッチ12が閉路さ
れるので、ハロン排気用ファン装置６の始動スイッチＳ
を閉じるだけでハロンの排気用ファン装置６を始動させ
ることが出来るとともに、ハロンガス放出区画のみのダ
ンバーを開口させハロインガスを排出することができ
る。

〔実施例〕

本考案を図面で示し説明すると、第１図においては１は
立体駐車で外壁により各立体駐車塔区画ごと仕切ってあ
る。

２は立体駐車１のピット内に設けられたハロンガスを吸
収する為の吸気口,3はハロンガス放出圧で作動するピス
トンレリーザ付ダンバー,4は放出されたハロンガスを排
気用ファン装置で吸収されるために配管した排気管,5は
排気用ファン装置の近傍に設けられた手動式ダンバーで
常時閉じた状態にしてある。６はハロンガスを吸入し排
出するための排気用ファン装置,7はハロンガスの排出口
である。次に実際に４基中の１基が火災になった場合の
実施例を示すと、まず火災立体駐車区画の感知器（煙・
熱感知器等）Ｋにより制御盤11へ電線管19を介して信号
が送られる。そして制御盤11より火災区画の起動ガス14
を放出させる為の起動弁13へ信号が送られ起動管20を通
じて火災区画の選択弁９を開口させるとともに、開放器
15を開口させ貯蔵容器８内のハロンガスをガス圧力によ
りガス管18を通り開口している選択弁９を通過し、駐車
塔内に設置されている噴射ヘッド10よりハロンガスを放
出し、火災を消化するのであるが、自動車の乗入口，人
の入口等の開口部は、シャッター及び自動ドアー等（図
示略）により制御盤11の指示で閉鎖される。

尚、各立体駐車塔は、耐熱性の壁にて処理され隣の立体
駐車塔区画まで燃えひろがらない様に対応されている。

立体駐車塔１のピットＰに設けられている吸気口２は、
火災発生により放出されるハロンガス圧により吸気口２
の近傍に具備されているピストンレリーザ付ダンバー３
で開口される。

他の立体駐車塔１のピストンレリーザ付ダンバー３は閉
鎖された状態であり、排気用ファン装置６の手前に設け
られている手動式ダンバー５は閉鎖されている。

ハロンガス放出区画塔の消化作用が済み、区画塔内に充
満しているハロンガスを排出する作業にかかる、まず手
動式ダンバー５を手動で開口し、排気用ファン装置６を
作動させ区画塔内のハロンガスを排気口７へ排出させ
る。

以上の様に構成されているが、各部品について図で示し
説明する。第２図は吸気口２に備えられているピストン
レリーザ付ダンバー３で噴射ヘッド10からの放出と同時
に起動管20を介してシリンダ24内へハロンガス圧が伝わ
り復帰スプリング26を押し縮めシリンダ軸25を移動させ
る。

アーム28はシリンダ軸25で回転可能に軸着させ、ダンバ
ー39を変位させ吸気口２を開口させたり閉鎖させたりす
る。尚、ハロンガス放出後圧力が下がり復帰スプリング
26の弾力によりダンバー39が変位しない様に逆止弁17を
起動管20の途中に設けて圧力を下げないようになってい
る。

ダンバー39を前の状態に戻すには、シリンダ24の圧力を
下げるための、ガス抜き27を緩めガスを抜き圧力を下げ
復帰スプリング26の弾力によりダンバー39を変位させ
る。

第３図は選択弁９を示し、起動ガスの放出により起動管
20を介して起動管接続口21よりガス圧で圧力弁31を押し
上げハロン流入口29からハロン流出口30へ流通して噴射
ヘッド10で放出される。

又、第２実施態様項について説明すると、第４図に示す
圧力スイッチ12には、火災区画塔へハロンガスを放出す
るとガス管18に接続してある起動管接続口21へ圧力がか
かりシャフト22を上にあげマイクロスイッチ23を閉じ、
圧力スイッチ12を閉路状態にする。

第７図に示す電磁式ダンバー16は、ソレノイド38に電流
が流れソレノイドの鉄芯が上昇しシャフト40が作動スプ
リング37の弾力で移動するために、アーム28が作動し閉
鎖されていたダンバー39が開口される。

尚、圧力スイッチ12は始動スイッチＳと直列に配線して
あり、電磁式ダンバー16と排気用ファン装置６を連動さ
せる。

ハロンガス放出の為に、電源RSから排気用ファン装置６
へ第６図のように配線し始動スイッチＳを閉じると、圧
力スイッチ12はハロンガス放出圧で、既に閉じた状態な
ので、電流は電磁式ダンバー16のソレノイド38を作動さ
せ、ダンバー39を変位させ排気管４を開口させるととも
に、排気用ファン装置６を作動させ放出区画塔に充満し
ているハロンガスを吸気口２より排気管４を通り排気口
７へ排出する。

〔考案の効果〕

本考案は上述したように構成されていて、従来のように
各立体駐車塔ごとに排気管を配管する必要がなく、一本
の排気管で各立体駐車塔の吸気口に接続するだけで、排
出作用をすることができ、排気管を閉鎖しているダンバ
ーも１個所の手動ダンバーを操作するだけですみ非常に
便利で部材も建設費も安価にできる。又、第２実施態様
の圧力スイッチと電磁式ダンバーを用いた排気装置にす
れば排気用ファン装置の始動スイッチを閉路するだけ
で、放出された区画塔のハロンガスを排出することがで
き、優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の説明のための系統図。 第２図はピストルレリーザ付ダンバーの主要部断面図。 第３図は選択弁の主要断面図。 第４図は圧力スイッチの断面図。 第５図は起動弁の主要部断面図。 第６図は第２実施態様の系統図。 第７図は電磁式ダンバーの断面図。 第８図は従来の系統図。 〔主な部分の符合の説明〕 １……立体駐車塔、２……吸気口 ３……ピストンレリーザ付ダンバー ４……排気管、６……排気用ファン装置 12……圧力スイッチ 16……電磁式ダンバー、Ｐ……ピット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各立体駐車塔のピットに設けたハロンガス
   吸気口にハロンガス放出圧で作動する開閉器を備え、各
   立体駐車塔のハロンガス吸気口を一本の排気管で連結し
   たことを特徴とする立体駐車塔のハロン排気装置。
2. 【請求項２】第１請求項において、開閉器を圧力スイッ
   チと電磁式ダンバーとでなることを特徴とする立体駐車
   塔のハロン排気装置。