JPH07155240A - 車両用シート加熱装置 - Google Patents

車両用シート加熱装置

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JPH07155240A
JPH07155240A JP31054093A JP31054093A JPH07155240A JP H07155240 A JPH07155240 A JP H07155240A JP 31054093 A JP31054093 A JP 31054093A JP 31054093 A JP31054093 A JP 31054093A JP H07155240 A JPH07155240 A JP H07155240A
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JP
Japan
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seat
temperature
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heat
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Application number
JP31054093A
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English (en)
Inventor
Shigenori Doi
重紀 土井
Takahiro Sato
敬博 佐藤
Fumio Hitase
文雄 日當瀬
Takayuki Kuwabara
孝之 桑原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH07155240A publication Critical patent/JPH07155240A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】使用開始直後から十分な暖房感が得られ、且つ
その暖房感を持続することができる車両用シート加熱装
置を提供する。 【構成】車両のシート10の内部に配設される車両用シ
ート加熱装置であって、シート10内部の、乗員の体が
接触する表層近傍に、蓄熱材16,22と発熱体14,
20とを設け、運転初期においては蓄熱材16,22に
よりシート10を暖め、その後は発熱体14,20によ
りシート10を暖める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のシート内部に配
設される車両用シート加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両においては、
エンジンを冷却する冷却水の熱を利用して車室内の暖房
が行われているが、この様な車両用の暖房装置において
は、エンジンの始動直後においては、冷却水が十分に暖
まっていないため、暖房があまりきかないという問題点
がある。この問題点を解決する一つの方法としては、例
えば、特開昭61−206408号に開示されている様
に、車室内の空調温度の不足を補うために、シートの内
部に電熱ヒータを配置し、シート側から乗員を暖める方
法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例においては、シート内に電熱ヒータを配置したと
しても、乗員が温かさを感じるには、シート全体が暖ま
る必要があり、このシート全体が暖まるまでにある程度
の時間がかかるため、エンジン始動直後から乗員が十分
な暖かさを感じることはできないという問題点があっ
た。
【0004】一方、上記の車両用のシート加熱装置とは
別に、一般用の椅子に暖房装置を内蔵したものとして、
例えば特開昭62−176407号に開示されている様
に、椅子の座面内部に蓄熱材を設けたものが知られてい
る。このように蓄熱材を設けた椅子においては、蓄熱材
の熱容量の大きさにより椅子の座面が比較的早く暖めら
れるため、利用する人は速やかに暖かさを感じることが
できる。
【0005】従って、この様な蓄熱材を車両のシートに
適用すれば、乗員は比較的早く暖かさを感じることがで
きる。しかしながら、車両用のシートは、車室内に配置
されるものであるため、その配置スペースが限られてお
り、十分な熱容量を持つ大型の蓄熱材を内部に設けるこ
とができない。そのため、蓄熱材の放熱が始まった直後
には、乗員は比較的早く温かさを感じられるものの、エ
ンジンの冷却水が暖まって空調温度が十分に上がる前
に、蓄熱材が放熱し切ってしまうと乗員はやはり寒さを
感じ、十分な暖房感を得ることができないという問題点
がある。
【0006】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、使用開始
直後から十分な暖房感が得られ、且つその暖房感を持続
することができる車両用シート加熱装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の車両用シート加熱装置
は、車両のシートの内部に配設される車両用シート加熱
装置であって、前記シート内部の、乗員の体が接触する
表層近傍に、蓄熱材と発熱体とを設け、運転初期におい
ては前記蓄熱材により前記シートを暖め、その後は前記
発熱体により前記シートを暖めることを特徴としてい
る。
【0008】また、この発明に係わる車両用シート加熱
装置において、前記蓄熱材は、前記シート内部の乗員の
体に近い浅い位置に配置され、前記発熱体は、前記蓄熱
材よりもシート内部の深い位置に配置されていることを
特徴としている。
【0009】また、この発明に係わる車両用シート加熱
装置において、前記蓄熱材と前記発熱体が一体化されて
いることを特徴としている。
【0010】また、この発明に係わる車両用シート加熱
装置において、前記蓄熱材は、過冷却現象を利用した蓄
熱材であり、該蓄熱材の凝固点温度を維持する様に前記
発熱体から熱を発生させることを特徴としている。
【0011】
【作用】以上の様に、この発明に係わる車両用シート加
熱装置は構成されているので、車両の運転開始直後に
は、蓄熱材に蓄えられている熱を放出して即座にシート
を暖め、蓄熱材が放熱して温度が低下してきた頃には、
シート内部に配設された発熱体でシートを暖める様にす
ることにより、使用直後から十分な暖房感が得られ、且
つその暖房感を持続させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、添付
図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、第1の実施例のシート加熱装
置を内蔵したシート10の正面図である。
【0013】図1に示す様に、シート10の着座部12
の内部には、電熱線から成る面状ヒータ14と蓄熱材1
6が配設されており、また、背もたれ18の内部にも電
熱線から成る面状ヒータ20と蓄熱材22が配設されて
いる。これらの面状ヒータ14,20と蓄熱材16,2
2は、図1を右側から見た側断面図に示す様に、蓄熱材
16,22の方が、シート10の表層部分、すなわち乗
員の体に近い位置に配置されており、面状ヒータ14,
20の方が乗員の体から離れたシート10の深い部分に
配置されている。面状ヒータ14,20の夫々の端部
は、後述するシートヒータスイッチ24、感圧スイッチ
26、サーモスイッチ28及びイグニッションスイッチ
等を介して車両の電源、すなわちバッテリーに接続され
ている。
【0014】また、蓄熱材16,22は、例えば燐酸水
素2ナトリウム水和物(Na2 HPO4 )、酢酸ナトリ
ウム水和物(CH3 COONa・3H2 O)等の過冷却
現象を示す材料、あるいはそれらにピロリン酸ナトリウ
ム等の添加物を加えて融点温度を調整したもの等を金属
製あるいは樹脂製の容器等に収容したものである。ここ
で、過冷却現象を示す材料とは、熱を吸収し融点以上に
なると溶融するが、一旦完全に溶融すると温度が融点以
下に低下しても結晶化することなく溶融状態を保ち、機
械的あるいは電気的刺激を与えたり、種結晶を与えるこ
とによって直ちに溶融潜熱を放出して結晶化する材料で
ある。従って、蓄熱材16,22を、一旦融点以上に加
熱して放置しておき、車両の運転開始時に、電気的なト
リガー等により刺激を与えると、即座に結晶化が始ま
り、シート10には蓄熱材16,22からの熱が放出さ
れ、シート10の加熱が開始される。
【0015】次に、図3は、面状ヒータ14,20及び
蓄熱材16,22の電気的な接続状態を示す模式図であ
る。
【0016】図3に示す様に、面状ヒータ14,20
は、不図示のイグニッションスイッチに接続されたシー
トヒータスイッチ24と、感圧スイッチ26を介して電
源に接続されており、また、その回路上には、面状ヒー
タ14,20を一定温度に保つためのサーモスイッチ2
8が介設されている。また、感圧スイッチ26には、面
状ヒータ14,20と並列に過冷却解除装置30が接続
されている。この過冷却解除装置30は、面状ヒータ1
4,20への通電開始と同時に、蓄熱材16,22にト
リガーを送り、放熱を開始させる役目を果たす。なお、
感圧スイッチ26は、シート10の座面の表層近くに配
置されており、乗員がシート10に着座したときの圧力
を検知してONされるスイッチである。また、サーモス
イッチ28は、例えば図4に示す様に、面状ヒータ1
4,20の温度が45°C以上となったときにOFF状
態となり、37°C以下となったときに再びON状態と
なる様にヒステリシスを持つ特性に設定されている。従
って、面状ヒータ14,20が定常状態になった後に
は、面状ヒータ14,20の温度は37°Cと45°C
の間で周期的に変化することとなる。なお、図2に示す
構成で、蓄熱材16,22が面状ヒータ14,20より
も乗員の体に近い位置に配置されているのは、面状ヒー
タ14,20の上記の様な周期的な温度変化を乗員に直
接伝えないようにするためである。すなわち、蓄熱材1
6,22の熱容量がコンデンサー的な役割を果し、面状
ヒータ14,20の温度変化を緩和させる様に作用する
わけである。
【0017】次に上記の様に構成されたシート加熱装置
の動作について説明する。
【0018】まず、乗員が車両のシート10に着座する
と、感圧スイッチ26がON状態となる。この状態で、
イグニッションスイッチをON状態とし、更にシートヒ
ータスイッチ24をON状態とすると、面状ヒータ1
4,20が通電され、シート10の加熱が開始される。
ただし、この段階では、面状ヒータ14,20の加熱力
が弱いため、面状ヒータ14,20の加熱力だけではシ
ート10の温度は図5に破線で示す様にまだ低い状態で
ある。一方、シートヒータスイッチ24がONされる
と、面状ヒータ14,20が通電されると同時に、過冷
却解除装置30から蓄熱材16,22にトリガー信号が
送られる。これにより、蓄熱材16,22は、液体の状
態からこのトリガー信号により急速に結晶化を始め、そ
れに伴って多量の潜熱を放熱し始める。このように蓄熱
材16,22からの放熱が開始されると、シート10
は、急速に暖められ、図5に実線で示す様にシート10
の温度が急激に上昇し、一定温度となる。これにより、
乗員は、シート10から十分な暖かさを感じることがで
きる。
【0019】なお、過冷却現象を示す蓄熱材16,22
は、図6に示す様に、高温の液体状態から温度が低下し
て結晶化する時に、結晶化が進行している間は略一定の
温度(凝固点温度)T1 に保たれる。そして、結晶化が
完全に終了した時点でこの温度T1 から次第に低温へと
変化していく。そのため、図5に実線で示した一定温度
はこの凝固点温度T1 と同一である。なお、この実施例
においては、蓄熱材16,22には、前述した酢酸ナト
リウム水和物(CH3 COONa・3H2 O,凝固点温
度58°C)にピロリン酸ナトリウムを添加したものを
使用し、その凝固温度T1 は、約40°C程度に調整さ
れている。
【0020】そして、蓄熱材16,22の放熱が進み、
蓄えられた熱量が少なくなってくると、しだいに面状ヒ
ータ14,20の温度が上昇し、この面状ヒータ14,
20だけでも十分にシートを暖められる状態となり、や
がて、面状ヒータ14,20の温度が蓄熱材16,22
の温度を上回る様になる(図5における破線と実線の交
点)。そして、この後は、面状ヒータ14,20により
シート10の加熱が行われ、それと同時に今まで放熱し
ていた蓄熱材16,22には面状ヒータ14,20から
の熱が蓄熱され、車両の運転が停止された後に、次の運
転が開始される時点まで、蓄熱状態が保持されることと
なる。なお、シート10が面状ヒータ14,20により
加熱される状態になった後には、前述したサーモスイッ
チ28の働きにより、シート10の温度は、37°Cと
45°Cの間で周期的に変動することとなる。ただし、
前述した様に、面状ヒータ14,20と乗員との間には
蓄熱材16,22が介在しているので、この温度変化は
緩和され、乗員は、37°Cと45°Cの中間の略安定
した温度を体感することとなる。
【0021】以上説明した様に、この第1の実施例のシ
ート加熱装置においては、車両の運転開始初期には畜熱
材によりシートを急速に加熱し、その後は面状ヒータに
より略一定温度に保つ様にしているので、シートを急速
に暖めることができ、且つシートの暖房感を持続するこ
とが可能となる。 (第2の実施例)図7及び図8は、本発明に係わる第2
の実施例のシート加熱装置を示した図である。
【0022】図7及び図8に示す様に、この第2の実施
例では、第1の実施例における蓄熱材と面状ヒータとを
一体化した導電性蓄熱材パック40,42をシート10
内に配置している。この導電性蓄熱材パック40,42
は、具体的には、図9に示す様に、過冷却現象を示す蓄
熱材にカーボンあるいは金属粉末を混入させて導電性を
持たせる様にしたものである。
【0023】図10は、導電性蓄熱材パック40,42
を使用する場合の電気接続を示す図であり、この第2の
実施例の電気接続は、第1の実施例の面状ヒータ14,
20を、導電性蓄熱材パック40,42で置き換えただ
けでその他は、第1の実施例の場合と同様である。
【0024】また、図11は、導電性蓄熱材パック4
0,42の温度変化の様子を示したものであり、第1の
実施例の場合と同様に、シートヒータスイッチ24と感
圧スイッチ26がONになった直後においては、導電性
蓄熱材パック40,42に蓄えられている熱が放出さ
れ、その後に導電性蓄熱材パック40,42の電気抵抗
による発熱でシートが暖められる様になる。そして、こ
の電気抵抗による発熱でシートが暖められる様になった
後には、導電性蓄熱材パック40,42には、第1の実
施例の場合と同様に蓄熱が行われる。なお、この第2の
実施例においては、蓄熱材にカーボンあるいは金属粉末
を混入させて導電性蓄熱材パック40,42を固体化し
ているため、温度が上昇すると蓄熱材の液化に伴って蓄
熱材パック40,42は軟化し、蓄積した熱の放熱に伴
って蓄熱材パック40,42は硬化する。
【0025】以上の様に、この第2の実施例において
も、第1の実施例の場合と同様の効果が得られる。 (第3の実施例)次に、図12は、第3の実施例のシー
ト加熱装置の電気的接続状態を示す模式図である。な
お、この第3の実施例では、シート10とその内部に配
置された畜熱材16,22及び面状ヒータ14,20の
構成は図1及び図2に示した第1の実施例と同様であ
る。また、図12において、第1の実施例と同一の構成
部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】図12において、第3の実施例が第1の実
施例と異なる点は、感圧スイッチ26と面状ヒータ1
4,20及び過冷却解除装置30との間にこれらの動作
を制御するCPU50が配置されている点である。ま
た、CPU50には、蓄熱材16,22内に配設された
温度センサー52が接続されている。
【0027】次に、上記の様に構成された第3の実施例
のシート加熱装置の動作について図13に示すフローチ
ャートと、経過時間に対する面状ヒータの温度と蓄熱材
の温度の変化を示す図14を参照して説明する。
【0028】まず、乗員が車両のシート10に着座する
と、感圧スイッチ26がON状態となり、更にイグニッ
ションスイッチがONされ、且つシートヒータスイッチ
24がONされるとプログラムがスタートする。
【0029】プログラムがスタートすると、まずパラメ
ータCが0にセットされる(ステツプS2)。
【0030】次に、過冷却解除装置30が動作されて蓄
熱材16,22にトリガー信号が加えられ、これにより
蓄熱材16,22が放熱を開始する(ステツプS4)。
この放熱が開始されると、放熱温度を検出するために、
蓄熱材16,22内の温度センサー52の検出温度t0
がCPU50内に取り込まれる(ステツプS6)。この
とき蓄熱材16,22の放熱温度が37°C以上であっ
た場合(ステツプS8)には、面状ヒータ14,20を
OFF状態とし(ステツプS10)、ステツプS8にお
いて放熱温度が37°C未満になるまで待機する。
【0031】一方、ステツプS8において初めから放熱
温度が37°C未満であった場合には即座に面状ヒータ
14,20をON状態とし(ステツプS12)、シート
の加熱を開始する。この場合には、蓄熱材14,20の
蓄熱が十分でなかったので、シートの初期暖房は不十分
となり、本実施例の効果は十分に得られないこととな
る。
【0032】通常は、前回の運転時に蓄熱材16,22
は十分に蓄熱されているので、ステツプS8では放熱温
度が37°C以上であり、ステツプS8からステツプS
10に進む。このようにステツプS4からステツプS1
0の動作が行われると、蓄熱材16,22の凝固点温度
が40°C程度であるため、畜熱材の温度は図14にa
で示した様(実線で示す)に、放熱開始後早期に40°
C程度まで上昇され、この蓄熱材16,22の固化が終
了するまでこの温度が保たれることとなる。そして、図
14のaの領域の後半で蓄熱材16,22の放熱(固
化)が終了し、温度が37°C未満となると、ステツプ
S12に進み、面状ヒータ14,20がONされる。
【0033】ステツプS12で面状ヒータ14,20が
ONされるとタイマがスタートし(ステツプS14)、
このタイマがタイムアップするまで(ステツプS16)
面状ヒータ14,20の加熱状態が継続される。なお、
このタイマの作動中にシートヒータスイッチ24がOF
Fされると(ステツプS18)、乗員は、既にシートの
加熱を必要としなくなったと判断してその時点でプログ
ラムを終了し、シートの加熱を中止する。
【0034】通常は、シートヒータスイッチ24はON
されたままであると考えられるので、ステツプS20に
進みパラメータCを1インクリメントし、タイマをリセ
ットする。ステツプS22ではパラメータCが4である
か否かを判断する。ここでは、パラメータCはまだ1で
あるのでステツプS24に進み、パラメータCが3であ
るか否かを判断する。ここでは、パラメータCはやはり
1であるので、ステツプS26で面状ヒータ14,20
をOFFし、ステツプS8に戻る。
【0035】ステツプS8では、蓄熱材16,22の2
回目の温度検出が行われるが、前回のステツプS12〜
ステツプS26で面状ヒータ14,20により蓄熱材1
6,22が暖められているので、蓄熱材16,22の温
度は37°C以上となっている。従って、ステツプS8
〜ステツプS10では、面状ヒータ14,20をOFF
した状態のままで待機する。
【0036】なお、ステツプS14でセットされるタイ
マの時間は、この時間だけ面状ヒータ14,16で蓄熱
材16,22を暖めても、蓄熱材16,22がその融点
温度以上にならない時間にセットされている。これは、
蓄熱材16,22の温度が融点以上まで上昇してしまう
と、その後温度が下がっても液体の状態が保持され、ト
リガーが加えられないかぎり熱の放出が行われなくなる
ためである。このように蓄熱材16,22が融点より僅
かに低い温度で結晶状態と液体状態の中間に保たれるこ
とにより、蓄熱材16,22は面状ヒータ14,20が
ONされている時にはこれから発生される熱を吸収し、
面状ヒータ14,20がOFFされている時には吸収し
た熱量を放出する様に動作するので、面状ヒータ14,
20がON,OFFを繰り返しても、これによる温度変
化を吸収し、シートの温度を融点近傍の略一定の温度に
保つので乗員の快適性が保たれる。
【0037】1回目のループでステツプS12〜ステツ
プS26が実行され、再びステツプS6に戻って2回目
のステツプS6〜ステツプS10が実行されると、一旦
面状ヒータ14,16がONされることにより蓄熱材1
6,22の温度が上昇し、面状ヒータ14,20がタイ
マの設定時間後OFFされることにより蓄熱材16,2
2の温度が低下するので、面状ヒータ14,20及び蓄
熱材16,22の温度は図14にbの範囲で示した様に
変化する。
【0038】そして2回目のループのステツプS8で再
び蓄熱材16,22の温度が37°C未満となると、ス
テツプS12に進んで、面状ヒータ14,20がONさ
れる。そしてステツプS12〜ステツプS26の2回目
のループを実行する。これにより、面状ヒータ14,2
0及び蓄熱材16,22の温度は、図14にcの範囲で
示した様に変化する。
【0039】次に、3回目のステツプS8で蓄熱材1
6,22の温度が37°C未満となると、ステツプS1
2で面状ヒータ14,20がONされステツプS14〜
24が実行される。このとき3回目のループでは、パラ
メータCが3になるのでステツプS24からステツプS
14に戻り、面状ヒータ14,20がONされた状態が
維持される。従って、次のステツプS16でタイマがタ
イムアップした時には、面状ヒータ14,20にはタイ
マの設定時間の2倍の間通電が続けられたこととなる。
そして、ステツプS20でパラメータCが1インクリメ
ントされると、ステツプS22では、パラメータCが4
であると判断されるので、ステツプS28で面状ヒータ
14,20がOFFされ、プログラムを終了する。
【0040】この3回目のループでは、上記の様に、面
状ヒータ14,20がタイマの設定時間の2倍の間通電
されるので、面状ヒータ14,20及び蓄熱材16,2
2の温度は図14にdで示した範囲の様に変化する。す
なわち、通電時間の長かった分だけ面状ヒータ14,2
0の温度が上昇し、蓄熱材16,22は、その融点温度
を越える温度まで熱せられることとなる。これにより蓄
熱材16,22は溶融状態となり、この後温度が下がっ
ても過冷却現象が起こって液体状態を維持し、次にトリ
ガーが加えられるまで熱量を蓄えることとなる。
【0041】ステツプS28で面状ヒータ14,20が
OFFされた後には、面状ヒータ14,20及び蓄熱材
16,22は、図14にeで示した様にしだいに温度が
低下していく。ただし、ステツプS28で面状ヒータ1
4,20がOFFされる頃には、エンジンの冷却水によ
る暖房が十分きき始めているので、もはやシートの加熱
による暖房は必要なくなり、シートの加熱がOFFされ
ても、乗員の快適性はその後も損なわれることはない。
【0042】以上説明した様に、この第3の実施例にお
いては、車両の運転開始初期には蓄熱材によりシートを
急速に加熱し、その後は面状ヒータと蓄熱材との相互作
用によりシートの温度を略一定に保つ様にしているの
で、シートを急速に暖めることができ、且つシートの暖
房感を維持することが可能となる。
【0043】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能で
ある。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の車両のシー
ト加熱装置によれば、車両の運転開始直後には、蓄熱材
に蓄えられている熱を放出して即座にシートを暖め、蓄
熱材が放熱して温度が低下してきた頃には、シート内部
に配設された発熱体でシートを暖める様にすることによ
り、使用直後から十分な暖房感が得られ、且つその暖房
感を持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のシート加熱装置を内蔵したシー
トの正面図である。
【図2】図1を右側から見た側断面図である。
【図3】面状ヒータ及び蓄熱材の電気的な接続状態を示
す模式図である。
【図4】サーモスイッチの温度による切り換え状態を示
した図である。
【図5】面状ヒータと蓄熱材の温度変化を示した図であ
る。
【図6】蓄熱材の温度変化と状態変化の様子を示した図
である。
【図7】本発明に係わる第2の実施例のシート加熱装置
を示した図である。
【図8】本発明に係わる第2の実施例のシート加熱装置
を示した図である。
【図9】導電性蓄熱材パックの構成を示す図である。
【図10】導電性蓄熱材パックを使用する場合の電気接
続を示す図である。
【図11】導電性蓄熱材パックの温度変化の様子を示し
た図である。
【図12】第3の実施例のシート加熱装置の電気的接続
状態を示す模式図である。
【図13】第3の実施例のシート加熱装置の動作を示す
フローチャートである。
【図14】経過時間に対する面状ヒータの温度と蓄熱材
の温度の変化を示す図である。
【符号の説明】
10 シート 12 着座部 14,20 面状ヒータ 16,22 蓄熱材 18 背もたれ 24 シートヒータスイッチ 26 感圧スイッチ 28 サーモスイッチ 30 過冷却解除装置 40,42 導電性蓄熱材パック 50 CPU 52 温度センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 孝之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のシートの内部に配設される車両用
    シート加熱装置であって、 前記シート内部の、乗員の体が接触する表層近傍に、蓄
    熱材と発熱体とを設け、運転初期においては前記蓄熱材
    により前記シートを暖め、その後は前記発熱体により前
    記シートを暖めることを特徴とする車両用シート加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 前記蓄熱材は、前記シート内部の乗員の
    体に近い浅い位置に配置され、前記発熱体は、前記蓄熱
    材よりもシート内部の深い位置に配置されていることを
    特徴とする請求項1に記載の車両用シート加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄熱材と前記発熱体が一体化されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート加
    熱装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄熱材は、過冷却現象を利用した蓄
    熱材であり、該蓄熱材の凝固点温度を維持する様に前記
    発熱体から熱を発生させることを特徴とする請求項1に
    記載の車両用シート加熱装置。
JP31054093A 1993-12-10 1993-12-10 車両用シート加熱装置 Pending JPH07155240A (ja)

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