JPH0715424U - 表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重表示を抑制して見やすい表示を得られ、
表示品位を向上させる表示装置を提供する。 【構成】 使用者の視認方向と交差してハーフミラー５
を設け、このハーフミラー５の後方に第１の表示器８を
設け、前記ハーフミラー５の前方に第２の表示器１６を
設ける。第１の表示器８の表示をハーフミラー５を通し
実像として視認させる。第２の表示器１６の表示をハー
フミラー５上にて虚像として視認させる。ハーフミラー
５の後面に第１の表示器８からの透過光３１をＰ波偏光
とする偏光部材５０を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、透光性と反射性とを有するハーフミラーを用いて虚像と実像とを組 み合わせて表示する表示装置に関し、特に、二重表示を抑制する等の表示品位を 向上させる表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

透光性と反射性とを有するハーフミラーを用いて虚像と実像とを組み合わせて 表示する表示装置は、例えば実開昭49-126143 号公報で開示されているように、 ２種類の表示板をハーフミラーを中心としてその両側に対称に配置し、ハーフミ ラーの前方の表示板を照明するとこの表示板が照明光の反射により虚像として表 示され、ハーフミラーの後方の表示板を照明するとこの表示板が照明光の透過に より実像として表示されるようになっていた。

【０００３】 このような表示装置は、車両用としても開発され、例えば特開平 3-273946 号 公報で開示されているように、車両の室内の視認方向と交差してハーフミラーを 設け、このハーフミラーの後方にアナログ表示器を設け、ハーフミラーの前方に ディジタル表示器を設け、アナログ表示器及びディジタル表示器の表示を切換え る切換手段を設け、アナログ表示器の表示をハーフミラーを通し実像として視認 させ、ディジタル表示器の表示をハーフミラー上にて虚像として視認できるよう になっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ハーフミラーを透過するアナログ表示器の表示に応じた透過光は、 Ｐ波（縦波）とＳ波（横波）との偏光成分に分けられるが、前者はハーフミラー の内部に入ると屈折して透過するものの、後者はその内部で反射を繰り返し透過 し、前者と後者とのズレにより二重表示となり、表示品位を低下させるという問 題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案は、使用者の視認方向と交差してハーフミラ ーを設け、このハーフミラーの後方に第１の表示器を設け、前記ハーフミラーの 前方に第２の表示器を設け、前記第１の表示器の表示を前記ハーフミラーを通し 実像として視認でき、前記第２の表示器の表示を前記ハーフミラー上にて虚像と して視認できる表示装置において、前記ハーフミラーの後面に前記第１の表示器 からの透過光をＰ波偏光とする偏光部材を設けたものである。

【０００６】

【作用】

第１の表示器からの透過光でハーフミラーにおいて反射しやすいＳ波偏光をハ ーフミラーへ入れないようにすることにより、二重表示を抑制して見やすい表示 を得られる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を添付図面に記載した実施例に基づき説明する。

【０００８】 図１〜図８において、インスツルメントパネル１に表示装置２が装備されてい る。この表示装置２は、黒色等の比較的光吸収率の良い色の不透光性材料からな る筒状のケース３を備え、このケース３には覗窓となる前面開口部４が設けられ ていると共に前後に分割形成されている。ケース３には、前室と後室とに区画す るようにしてハーフミラー５が設けられており、このハーフミラー５は使用者（ 運転者）の視認方向と例えば４５度で交差するように後傾状態になっている。ハ ーフミラー５の後方には、前記視認方向に向けて目隠板６が設けられ、この目隠 板６は全体に黒色等の光吸収率の良い色を有してケース３の後面開口部を塞ぐよ うに配設されている。

【０００９】 目隠板６の後面には、計器ケース７が設けられ、この計器ケース７内には速度 計とエンジン回転計とに使用モードを切換えることのできるアナログ式の計器本 体（第１の表示器）８が収納固定され、この計器本体８の回転軸９には目隠板６ の前面にて発光指針１０が設けられている。この発光指針１０は合成樹脂等の透 光性材料により形成されかつ着色されており、計器ケース７内に設けられた照明 ランプ１１の照明光が導光体１２を介して導光されることにより発光するもので る。また、ハーフミラー５の前方に位置してケース３の上壁には１個の大きな開 口部１３と３個の小さな開口部１４とが設けられており、各開口部１３，１４に は周壁１５が形成されている。そして、開口部１３，１４の外方にはハーフミラ ー５に対向する表示面を備えた表示部材（第２の表示器）１６が設けられており 、この表示部材１６は、開口部１３に対応して設けられた電子式発光表示部材１ ７と、開口部１４に対応して設けられた方向指示器や前照灯用等のウォーニング 表示部材１８とからなっている。

【００１０】 電子式発光表示部材１７は、表示部全体が図示しない光源によって発光するＬ ＣＤあるいはそれ自体が発光するＬＥＤやＥＬ等によって構成され、指針対応表 示部となるアナログ表示部とディジタル表示部とを有している。アナログ表示部 は速度表示とエンジン回転数表示とが切換え可能であり、ディジタル表示部は速 度表示とエンジン回転数表示と走行距離表示と時刻表示等が切換え可能である。 また、ウォーニング表示部材１８は、開口部１４に対応して設けられたウォーニ ングレンズ１９と、このウォーニングレンズ１９をウォーニングランプ２０によ って照明表示するためのウォーニングケース２１とを有している。また、前記ア ナログ表示部とディジタル表示部にはどちらかで常に速度表示を行うように制御 される。

【００１１】 かかる構成において、照明ランプ１１が点灯して発光指針１０が発光するとと もに電子式発光表示部材１７が発光表示する。そして、電子式発光表示部材１７ のアナログ表示部がエンジン回転数表示状態で、ディジタル表示部が速度表示状 態である場合、発光指針１０の表示光（透過光）３１が図１に示すようにハーフ ミラー５を透過して運転者側へ導かれると、運転者は図３に示すような実像とし て発光指針１０を視認することができるとともに、電子式発光表示部材１７の表 示光（反射光）３２が図１で示すようにハーフミラー５に反射して運転者側へ導 かれることにより、運転者は図４に示すような虚像として電子式発光表示部材１ ７の表示を視認することができる。この結果、運転者は、図２に示すようなアナ ログ表示部に表示されたエンジン回転数用の目盛３３，数字３４及び単位３５か らなるエンジン回転数表示と、ディジタル表示部に表示された３桁の７セグメン ト表示部３６，文字３７及び単位３８からなる速度表示と、発光指針１０とを同 時に視認することができる。また、計器本体８は、エンジン回転数表示に対応す るべく発光指針１０を駆動し、７セグメント表示部３６には走行速度がディジタ ル表示される。

【００１２】 図５は、運転者が表示を切換えた他の表示状態の場合を示しており、アナログ 表示部に表示された走行速度用の目盛３３Ａ，数字３４Ａ及び単位３８Ａからな る走行速度表示と、ディジタル表示部に表示された３桁の７セグメント表示部３ ６，文字３９及び単位４０からなるエンジン回転数表示と、発光指針１０とを同 時に視認することができる。また、計器本体８は、走行速度表示に対応するべく 発光指針１０を駆動し、７セグメント表示部３６にはエンジン回転数がディジタ ル表示される。

【００１３】 図６は、運転者が表示を切換えた更に他の表示状態の場合を示しており、ディ ジタル表示部に表示された３桁の７セグメント表示部３６に走行距離を表示する とともに、文字４１を表示する。

【００１４】 ところで、前述して図７で示すように、ハーフミラー５を透過するアナログ式 計器本体８からの透過光３１は、Ｐ波（縦波）とＳ波（横波）の偏光成分に分け られるが、前者はハーフミラー５の内部に入ると屈折して透過するものの、後者 はその内部で反射を繰り返し透過し、前者と後者とのズレにより二重表示となり 、表示品位を低下させるという問題があった。そこで、図８で示すように、ハー フミラー５の後面に透過光３１をＰ波偏光とする偏光部材５０を設けた。この偏 光部材５０は、ＴＮ型ＬＣＤに用いられるような良く知られている偏光部材であ って、その偏光軸に沿う偏光成分のみを透過させて偏光軸と直交する吸収軸に沿 う偏光成分をカットする働きを有し、これにより、二重表示の原因となっていた Ｓ波偏光をハーフミラー５へ入射させにくくすることができ、よって二重表示を 抑制して表示品位を向上させることができる。

【００１５】 なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内に おいて種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、第１，第２の表 示器８，１６は、夫々種々の表示器を選択使用することができる。また、ハーフ ミラー５の後面に偏光部材５０の他に、使用する前記第１の表示器８に応じて所 定の意匠を施した意匠部材や透過光３１を拡散させる拡散部材（何れも図示しな い）を適宜配置することにより、所望する表示装置２を得ることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、使用者の視認方向と交差してハーフミラーを設け、このハーフミラ ーの後方に第１の表示器を設け、前記ハーフミラーの前方に第２の表示器を設け 、前記第１の表示器の表示を前記ハーフミラーを通し実像として視認でき、前記 第２の表示器の表示を前記ハーフミラー上にて虚像として視認できる表示装置に おいて、前記ハーフミラーの後面に前記第１の表示器からの透過光をＰ波偏光と する偏光部材を設けたことにより、第１の表示器からの透過光でハーフミラーに おいて反射しやすいＳ波偏光をハーフミラーへ入れないようにすることにより、 二重表示を抑制して見やすい表示を得られ、表示品位を向上させる表示装置とな るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の概略説明図。

【図２】同上実施例の表示状態を示す正面図。

【図３】同上実施例の実像として視認される表示状態を
示す正面図。

【図４】同上実施例の虚像として視認される表示状態を
示す正面図。

【図５】同上実施例の他の表示状態を示す正面図。

【図６】同上実施例の更に他の表示状態を示す正面図。

【図７】同上実施例の透過光を説明する概略斜視図。

【図８】同上実施例のハーフミラーの要部断面図。

【符号の説明】

２ 表示装置 ５ ハーフミラー ８ 計器本体（第１の表示器） １６ 表示部材（第２の表示器） ３１ 表示光（透過光） ３２ 表示光（反射光） ５０ 偏光部材

フロントページの続き (72)考案者 早川 直亮 新潟県長岡市藤橋１丁目190番地１ 日本 精機株式会社アール・アンド・デイ・セン ター内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用者の視認方向と交差してハーフミラ
   ーを設け、このハーフミラーの後方に第１の表示器を設
   け、前記ハーフミラーの前方に第２の表示器を設け、前
   記第１の表示器の表示を前記ハーフミラーを通し実像と
   して視認でき、前記第２の表示器の表示を前記ハーフミ
   ラー上にて虚像として視認できる表示装置において、前
   記ハーフミラーの後面に前記第１の表示器からの透過光
   をＰ波偏光とする偏光部材を設けたことを特徴とする表
   示装置。