JPH07153781A - Ii−vi族化合物半導体の成長方法 - Google Patents

Ii−vi族化合物半導体の成長方法

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JPH07153781A
JPH07153781A JP32318193A JP32318193A JPH07153781A JP H07153781 A JPH07153781 A JP H07153781A JP 32318193 A JP32318193 A JP 32318193A JP 32318193 A JP32318193 A JP 32318193A JP H07153781 A JPH07153781 A JP H07153781A
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compound semiconductor
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znse
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Akira Ishibashi
晃 石橋
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べてキャリア濃度が高いp型のII
−VI族化合物半導体を成長させる。 【構成】 MBE装置において、基板表面にZnの分子
線およびSeの分子線を照射してi型ZnSe層9aを
所定の厚さに成長させた後、Znの分子線およびSeの
分子線の照射を中断する。これと同時に、i型ZnSe
層9aの表面にNプラズマを照射してこの表面にp型不
純物であるNのδドープ層9bを形成する。これらの工
程を必要な回数繰り返すことにより、i型ZnSe層9
aとNのδドープ層9bとが交互に積層された、全体と
してp型のZnSe層を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、II−VI族化合物
半導体の成長方法に関し、例えば、II−VI族化合物
半導体を用いた短波長で発光可能な半導体レーザーの製
造に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの記録密度の向上やレ
ーザープリンタの解像度の向上を図るために、短波長で
の発光が可能な半導体レーザーに対する要求が高まって
きており、その実現を目指して研究が活発に行われてい
る。
【0003】このような短波長での発光が可能な半導体
レーザーの作製に用いる材料としては、II−VI族化
合物半導体が有望である。特に、四元系のII−VI族
化合物半導体であるZnMgSSe系化合物半導体は、
波長400〜550nm帯の青色ないし緑色発光の半導
体レーザーをGaAs基板上に作製するときのクラッド
層や光導波層の材料に適していることが知られている
(例えば、Electron. Lett. 28(1992)1798)。
【0004】従来、II−VI族化合物半導体の成長
は、もっぱら分子線エピタキシー(MBE)法により行
われている。そして、p型のII−VI族化合物半導体
(例えば、p型ZnSe)の成長を行う際のp型不純物
のドーピング法としては、高周波プラズマ放電により反
応性の高い活性窒素を生成し、この活性窒素を、成長を
行いながらp型不純物としてドーピングする方法(以下
「Nプラズマドーピング法」という)が主流である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のNプラズマドーピング法を用いて得られるキャリ
ア濃度は〜1017cm-3が限界であった。この程度のキ
ャリア濃度では実用上十分とは言えず、キャリア濃度の
より一層の増大が望まれていた。
【0006】従って、この発明の目的は、従来に比べて
キャリア濃度が高いp型のII−VI族化合物半導体を
成長させることができるII−VI族化合物半導体の成
長方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、気相成長法によりp型のII−VI族
化合物半導体を成長させるようにしたII−VI族化合
物半導体の成長方法において、II−VI族化合物半導
体を所定の厚さに成長させた後、II−VI族化合物半
導体の成長に用いられるII族元素およびVI族元素の
原料の供給を中断する第1の工程と、成長されたII−
VI族化合物半導体の表面にp型ドーパントを供給して
表面にp型不純物のデルタドープ層を形成する第2の工
程とを有し、第1の工程および第2の工程を所定回数繰
り返すようにしたことを特徴とする。
【0008】ここで、デルタドープ層とは、ディラック
のデルタ関数(δ関数)状のドーピングプロファイルを
有する面状の不純物ドープ層のことを意味する。以下に
おいては、このデルタドープ層のことを単にδドープ層
と言うことがある。
【0009】この発明においては、第1の工程において
II族元素およびVI族元素の原料の供給を中断したと
きに、成長されたII−VI族化合物半導体の表面から
VI族元素が脱離する。
【0010】この発明において、第1の工程および第2
の工程を所定回数繰り返したときには、II−VI族化
合物半導体とp型不純物のデルタドープ層とが交互に積
層された構造が形成されるが、そのときの互いに隣接す
る一対のp型不純物のデルタドープ層の間のII−VI
族化合物半導体の厚さは、好適には、2〜20原子層分
の厚さに選ばれる。キャリア濃度がより高いp型のII
−VI族化合物半導体を得る見地からは、この厚さは可
能な限り小さく選ばれる。
【0011】上記のp型不純物としては、Nのほか、A
sやPなどのV族元素を用いることができる。
【0012】この発明において、気相成長法としては、
具体的には、MBE法のほか、有機金属化学気相成長
(MOCVD)法を用いることができる。
【0013】この発明において、II−VI族化合物半
導体は、具体的には、例えば、ZnSe、ZnTe、Z
nSSe、ZnCdSe、ZnMgSSeなどである。
【0014】
【作用】この発明によるII−VI族化合物半導体の成
長方法によれば、第1の工程においてII族元素および
VI族元素の原料の供給を中断したときには、成長され
たII−VI族化合物半導体の表面からもっぱらVI族
元素が脱離し、第2の工程において成長されたII−V
I族化合物半導体の表面にp型ドーパントを供給したと
きに上記のVI族元素の脱離により生成された空孔にp
型不純物が効率良く取り込まれる。これによって、II
−VI族化合物半導体の表面にp型不純物のデルタドー
プ層が効率良く形成される。そして、第1の工程および
第2の工程を所定回数繰り返すことにより、II−VI
族化合物半導体とp型不純物のデルタドープ層とが交互
に積層された、全体としてp型のII−VI族化合物半
導体を成長させることができる。この場合、互いに隣接
する一対のp型不純物のデルタドープ層の間のII−V
I族化合物半導体の厚さを十分に小さくすることによ
り、デルタドープ層の不純物原子の面濃度は〜1013
-2と高くすることができることとあいまって、キャリ
ア濃度が例えば〜1018cm-3と従来に比べて高いp型
のII−VI族化合物半導体を成長させることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、この発明を半導体レーザーの製造に適
用した一実施例について図面を参照しながら説明する。
説明の便宜上、この発明の一実施例による方法により製
造された半導体レーザーの構造について最初に説明す
る。
【0016】図1および図2はこの半導体レーザーを示
し、図1はその共振器長方向に垂直な断面図、図2はそ
の共振器長方向に平行な断面図を示す。ここで、この半
導体レーザーは、いわゆるSCH(Separated Confinem
ent Heterostructure)構造を有するものである。
【0017】図1および図2に示すように、この半導体
レーザーにおいては、例えばn型不純物としてSiがド
ープされた(100)面方位のn型GaAs基板1上
に、n型ZnSeバッファ層2、n型Zn1-p Mgp
q Se1-q クラッド層3、n型ZnSe光導波層4、活
性層5、p型ZnSe光導波層6、p型Zn1-p Mgp
q Se1-q クラッド層7、p型ZnSv Se1-v 層8
およびp型ZnSeコンタクト層9が順次積層されてい
る。
【0018】ここで、n型ZnSeバッファ層2、n型
Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層3およびn型Z
nSe光導波層4には、それぞれn型不純物として例え
ばClがドープされている。
【0019】一方、p型ZnSe光導波層6およびp型
ZnSeコンタクト層9はそれぞれi型ZnSe層とp
型不純物としてのNのδドープ層とを交互に積層した構
造を有し、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層
7はi型Zn1-p Mgp qSe1-q 層とp型不純物と
してのNのδドープ層とを交互に積層した構造を有し、
p型ZnSv Se1-v 層8はi型ZnSv Se1-v 層と
p型不純物としてのNのδドープ層とを交互に積層した
構造を有する。例えば、p型ZnSeコンタクト層9の
構造を詳細に示すと、図3のようになる。すなわち、図
3に示すように、このp型ZnSeコンタクト層9は、
i型ZnSe層9aとNのδドープ層9bとを交互に積
層した構造を有する。この場合、互いに隣接する一対の
Nのδドープ層9bの間のi型ZnSe層9aの厚さ
は、2〜20原子層分の厚さに選ばれる。このNのδド
ープ層9bのN原子の面濃度は、〜1013cm-2とする
ことができる。従って、Nの活性化率が例えば〜10%
であるとしても、p型ZnSeコンタクト層9の平均キ
ャリア濃度(体積濃度)として、〜2.7×1018cm
-3を得ることができる。
【0020】この場合、p型ZnSeコンタクト層9お
よびp型ZnSv Se1-v 層8の上層部はストライプ形
状にパターニングされている。このストライプ部の幅は
例えば5μmである。
【0021】さらに、上述のストライプ部以外の部分の
p型ZnSv Se1-v 層8上には、例えば厚さが300
nmのアルミナ(Al2 3 )膜から成る絶縁層10が
形成されている。そして、ストライプ形状のp型ZnS
eコンタクト層9および絶縁層10上にp側電極11が
形成されている。このp側電極11がp型ZnSeコン
タクト層9とコンタクトした部分が電流の通路となる。
ここで、このp側電極11としては、例えば、厚さが1
0nmのPd膜と厚さが100nmのPt膜と厚さが3
00nmのAu膜とを順次積層した構造のAu/Pt/
Pd電極が用いられる。一方、n型GaAs基板1の裏
面には、例えばIn電極のようなn側電極12がコンタ
クトしている。
【0022】この半導体レーザーにおいては、いわゆる
端面コーティングが施されている。すなわち、図2に示
すように、共振器長方向に垂直な一対の共振器端面のう
ちレーザー光が取り出されるフロント側の端面には厚さ
74nmのAl2 3 膜13と厚さ31nmのSi膜1
4とから成る多層膜がコーティングされ、共振器長方向
に垂直な一対の共振器端面のうちレーザー光が取り出さ
れないリア側の端面には厚さ74nmのAl2 3 膜1
3と厚さ31nmのSi膜14とを2周期積層した多層
膜がコーティングされている。ここで、Al2 3 膜1
3とSi膜14とから成る多層膜の厚さは、それに屈折
率をかけた光学的距離が、レーザー光の発振波長の1/
4に等しくなるように選ばれている(ここでは、発振波
長が523.5nmである場合を考えている)。この場
合、フロント側の端面の反射率は70%であり、リア側
の端面の反射率は95%である。
【0023】活性層5は好適には厚さが2〜20nm、
例えば厚さが9nmのi型Zn1-zCdz Se量子井戸
層から成る単一量子井戸構造を有する。この場合、n型
ZnSe光導波層4およびp型ZnSe光導波層6が障
壁層を構成する。
【0024】n型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド
層3およびp型Zn1-p Mgp qSe1-q クラッド層
7のMg組成比pは例えば0.09、またS組成比qは
例えば0.18であり、そのときのバンドギャップEg
は77Kで約2.94eVである。これらのMg組成比
p=0.09およびS組成比q=0.18を有するn型
Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層3およびp型Z
1-p Mgp q Se1-q クラッド層7はGaAsと格
子整合する。また、活性層5を構成するi型Zn1-z
z Se量子井戸層のCd組成比zは例えば0.19で
あり、そのときのバンドギャップEg は77Kで約2.
54eVである。この場合、n型Zn1-p Mgp q
1-q クラッド層3およびp型Zn1-p Mgp q Se
1-q クラッド層7と活性層5を構成するi型Zn1-z
z Se量子井戸層との間のバンドギャップEg の差Δ
g は0.40eVである。なお、室温でのバンドギャ
ップEg の値は、77KでのバンドギャップEg の値か
ら0.1eVを引くことにより求めることができる。
【0025】この場合、n型Zn1-p Mgp q Se
1-q クラッド層3の厚さは例えば1.5μm、n型Zn
Se光導波層4の厚さは例えば80nm、p型ZnSe
光導波層6の厚さは例えば80nm、p型Zn1-p Mg
p q Se1-q クラッド層7の厚さは例えば0.8μ
m、p型ZnSv Se1-v 層8の厚さは例えば0.8μ
m、p型ZnSeコンタクト層9の厚さは例えば45n
mである。
【0026】また、n型ZnSeバッファ層2の厚さ
は、ZnSeとGaAsとの間にはわずかではあるが格
子不整合が存在することから、この格子不整合に起因し
てこのn型ZnSeバッファ層2およびその上の各層の
エピタキシャル成長時に転位が発生するのを防止するた
めに、ZnSeの臨界膜厚(〜100nm)よりも十分
に小さく選ばれるが、ここでは例えば33nmに選ばれ
る。
【0027】この半導体レーザーの共振器長Lは例えば
640μmに選ばれ、この共振器長方向に垂直な方向の
幅は例えば400μmに選ばれる。
【0028】なお、p型Zn1-p Mgp q Se1-q
ラッド層7上に積層されたp型ZnSv Se1-v 層8
は、場合に応じて、p型Zn1-p Mgp q Se1-q
ラッド層7に加えた第2のp型クラッド層としての機
能、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層7との
格子整合をとる機能、ヒートシンク上へのレーザーチッ
プのマウントの際のチップ端面におけるはんだの這い上
がりによる短絡を防止するためのスペーサ層としての機
能などのうちの一または二以上の機能を有する。p型Z
1-p Mgp q Se1-q クラッド層7のMg組成比p
およびS組成比qとの兼ね合いもあるが、このp型Zn
v Se1-v 層8のS組成比vは、0<v≦0.1、好
ましくは0.06≦v≦0.08の範囲内に選ばれ、特
に、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層7との
格子整合をとるために最適なS組成比vは0.06であ
る。
【0029】次に、上述のように構成された図1および
図2に示す半導体レーザーの製造方法について説明す
る。
【0030】図4はこの一実施例による半導体レーザー
の製造方法において、レーザー構造を形成する各層をエ
ピタキシャル成長させるのに使用されるMBE装置を示
す。図4に示すように、このMBE装置は、ゲートバル
ブ51を介して取り付けられた超高真空排気装置52に
より超高真空に排気可能な成長室53内に、複数の分子
線源(Kセル)54と、エピタキシャル成長を行うべき
基板を保持する基板ホルダー55と、電子サイクロトロ
ン共鳴(ECR)プラズマセル56とを備えている。複
数の分子線源54のうちには、レーザー構造を形成する
各層の成長に必要なII族元素およびVI族元素を供給
する分子線源が含まれている。
【0031】この一実施例において、図1および図2に
示す半導体レーザーを製造するためには、まず、図4に
示すMBE装置の成長室53内の基板ホルダー55にn
型GaAs基板1を装着し、このn型GaAs基板1を
成長温度に比べて十分に高い温度、例えば580℃に加
熱して表面の清浄化を行った後、このn型GaAs基板
1を所定のエピタキシャル成長温度、好ましくは250
〜300℃の範囲内の温度、より好ましくは280〜3
00℃の範囲内の温度、具体的には例えば295℃に下
げてエピタキシャル成長を開始する。すなわち、図1お
よび図2に示すように、n型GaAs基板1上に、後述
のような成長原料を用いたMBE法により、n型ZnS
eバッファ層2、n型Zn1-p Mgp q Se1-q クラ
ッド層3、n型ZnSe光導波層4、i型Zn1-z Cd
z Se量子井戸層から成る活性層5、p型ZnSe光導
波層6、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層
7、p型ZnSv Se1-v 層8およびp型ZnSeコン
タクト層9を順次エピタキシャル成長させる。
【0032】この場合、p型ZnSe光導波層6および
p型ZnSeコンタクト層9のエピタキシャル成長の際
にはi型ZnSe層とNのδドープ層とを交互に積層
し、p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層7のエ
ピタキシャル成長の際にはi型Zn1-p Mgp q Se
1-q 層とNのδドープ層とを交互に積層し、p型ZnS
v Se1-v 層8のエピタキシャル成長の際にはi型Zn
v Se1-v 層とNのδドープ層とを交互に積層する。
例えば、p型ZnSeコンタクト層9の成長方法を詳細
に説明すると、以下の通りである。
【0033】すなわち、図5Aに示すように、p型Zn
v Se1-v 層8をエピタキシャル成長させた後、この
p型ZnSv Se1-v 層8の表面にZnの分子線および
Seの分子線を照射してi型ZnSe層9aを所定の厚
さに成長させる。
【0034】このようにして所定の厚さのi型ZnSe
層9aが成長された時点でZnの分子線およびSeの分
子線をシャッターで遮断し、これらのZnの分子線およ
びSeの分子線がi型ZnSe層9aの表面に照射され
ないようにする。これによって、i型ZnSe層9aの
成長は停止する。これと同時に、ECRプラズマセル5
6(図4)のシャッターを開けてi型ZnSe層9aの
表面にNプラズマを照射する。この場合、上述のように
してZnの供給およびSeの供給が中断されたときに
は、図5Bに示すように、i型ZnSe層9aの表面か
らVI族元素であるSeの脱離が促進される。そして、
このSeの脱離により生成された空孔にNが効率良く取
り込まれる。これによって、図5Cに示すように、i型
ZnSe層9aの表面にNのδドープ層9bが効率良く
形成される。
【0035】次に、ECRプラズマセル56のシャッタ
ーを閉じてNプラズマの照射を中断した後、上述と同様
にしてi型ZnSe層9aおよびNのδドープ層9bの
形成を必要な回数だけ繰り返し行って、p型ZnSeコ
ンタクト層9を得る。
【0036】p型ZnSe光導波層6、p型Zn1-p
p q Se1-q クラッド層7およびp型ZnSv Se
1-v 層8も、上述と同様にして成長させることができ
る。
【0037】なお、上述のMBE法によるエピタキシャ
ル成長においては、Zn原料としては純度99.999
9%のZnを用い、Mg原料としては純度99.9%の
Mgを用い、S原料としては99.9999%のZnS
を用い、Se原料としては純度99.9999%のSe
を用いる。また、n型ZnSeバッファ層2、n型Zn
1-p Mgp q Se1-q クラッド層3およびn型ZnS
e光導波層4のn型不純物としてのClのドーピング
は、例えば純度99.9999%のZnCl2 をドーパ
ントとして用いて行う。
【0038】次に、上述のようにして成長されたp型Z
nSeコンタクト層9上に所定幅のストライプ形状のレ
ジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジス
トパターンをマスクとして、p型ZnSv Se1-v 層8
の厚さ方向の途中までウエットエッチング法によりエッ
チングする。これによって、p型ZnSeコンタクト層
9およびp型ZnSv Se1-v 層8の上層部がストライ
プ形状にパターニングされる。
【0039】次に、上述のエッチングに用いたレジスト
パターンを残したまま全面にAl23 膜を真空蒸着し
た後、このレジストパターンを、その上に形成されたA
23 膜とともに除去する(リフトオフ)。これによ
って、ストライプ部以外の部分のp型ZnSv Se1-v
層8上にのみAl2 3 膜から成る絶縁層10が形成さ
れる。
【0040】次に、ストライプ形状のp型ZnSeコン
タクト層9および絶縁層10の全面にPd膜、Pt膜お
よびAu膜を順次真空蒸着してAu/Pt/Pd電極か
ら成るp側電極11を形成し、その後必要に応じて熱処
理を行って、このp側電極11をp型ZnSeコンタク
ト層9にオーミックコンタクトさせる。一方、n型Ga
As基板1の裏面にはIn電極のようなn側電極12を
形成する。
【0041】この後、以上のようにしてレーザー構造が
形成されたn型GaAs基板1を例えば幅640μmの
バー状に劈開して両共振器端面を形成した後、真空蒸着
法により、フロント側の端面にAl2 3 膜13とSi
膜14とから成る多層膜を形成するとともに、リア側の
端面にAl2 3 膜13とSi膜14とを2周期繰り返
した多層膜を形成する。このように端面コーティングを
施した後、このバーを例えば幅400μmに劈開してチ
ップ化し、パッケージングを行う。
【0042】以上のように、この一実施例によれば、p
型ZnSe光導波層6およびp型ZnSeコンタクト層
9はi型ZnSe層とNのδドープ層とを交互に積層す
ることにより形成し、p型Zn1-p Mgp q Se1-q
クラッド層7はi型Zn1-pMgp q Se1-q 層とN
のδドープ層とを交互に積層することにより形成し、p
型ZnSv Se1-v 層8はi型ZnSv Se1-v 層とN
のδドープ層とを交互に積層することにより形成してい
るので、これらのp型ZnSe光導波層6、p型Zn
1-p Mgp q Se1-q クラッド層7、p型ZnSv
1-v 層8およびp型ZnSeコンタクト層9のキャリ
ア濃度を、例えば〜1018cm-3と、従来のNプラズマ
ドーピング法で得られるキャリア濃度に比べて極めて高
くすることができる。そして、特に、p型ZnSeコン
タクト層9のキャリア濃度の増大により、このp型Zn
Seコンタクト層9にp側電極11をオーミックコンタ
クトさせやすくなる。
【0043】この一実施例によれば、短波長で発光可能
な半導体レーザーを実現することが可能である。より具
体的には、例えば、室温において波長523.5nmで
連続発振可能な緑色発光の半導体レーザーを実現するこ
とが可能である。また、レーザー発振に必要な印加電圧
の低減を図ることも可能である。
【0044】以上、この発明の一実施例について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施例に限定される
ものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変
形が可能である。
【0045】例えば、上述の一実施例においては、SC
H構造を有する半導体レーザーの製造にこの発明を適用
した場合について説明したが、この発明は、DH構造
(Double Heterostructure)を有する半導体レーザーの
製造に適用することも可能である。また、この発明は、
半導体レーザーばかりでなく、発光ダイオードの製造に
適用することも可能である。より一般的には、この発明
は、II−VI族化合物半導体を用いた各種の半導体装
置の製造に適用することが可能である。
【0046】なお、上述の一実施例においては、化合物
半導体基板としてGaAs基板を用いているが、この化
合物半導体基板としては、例えばGaP基板などを用い
てもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、II−VI族化合物半導体とp型不純物のデルタド
ープ層とを交互に積層することができることにより、従
来に比べてキャリア濃度が高いp型のII−VI族化合
物半導体を成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例により製造された半導体レ
ーザーの共振器長方向に垂直な断面図である。
【図2】この発明の一実施例により製造された半導体レ
ーザーの共振器長方向に平行な断面図である。
【図3】この発明の一実施例により製造された半導体レ
ーザーのp型ZnSeコンタクト層の構造の詳細を示す
部分拡大断面図である。
【図4】この発明の一実施例において半導体レーザーの
製造に用いられるMBE装置の一例を示す略線図であ
る。
【図5】この発明の一実施例による半導体レーザーの製
造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型ZnSeバッファ層 3 n型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層 4 n型ZnSe光導波層 5 活性層 6 p型ZnSe光導波層 7 p型Zn1-p Mgp q Se1-q クラッド層 8 p型ZnSv Se1-v 層 9 p型ZnSeコンタクト層 9a i型ZnSe層 9b Nのδドープ層 10 絶縁層 11 p側電極 12 n側電極 53 成長室 54 分子線源 56 ECRプラズマセル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相成長法によりp型のII−VI族化
    合物半導体を成長させるようにしたII−VI族化合物
    半導体の成長方法において、 上記II−VI族化合物半導体を所定の厚さに成長させ
    た後、上記II−VI族化合物半導体の成長に用いられ
    るII族元素およびVI族元素の原料の供給を中断する
    第1の工程と、 上記成長された上記II−VI族化合物半導体の表面に
    p型ドーパントを供給して上記表面にp型不純物のデル
    タドープ層を形成する第2の工程とを有し、 上記第1の工程および上記第2の工程を所定回数繰り返
    すようにしたことを特徴とするII−VI族化合物半導
    体の成長方法。
  2. 【請求項2】 上記第1の工程において上記II族元素
    およびVI族元素の原料の供給を中断したときに、上記
    成長された上記II−VI族化合物半導体の表面から上
    記VI族元素が脱離することを特徴とする請求項1記載
    のII−VI族化合物半導体の成長方法。
  3. 【請求項3】 互いに隣接する一対の上記p型不純物の
    デルタドープ層の間の上記II−VI族化合物半導体の
    厚さは2〜20原子層分の厚さであることを特徴とする
    請求項1または2記載のII−VI族化合物半導体の成
    長方法。
  4. 【請求項4】 上記気相成長法は分子線エピタキシー法
    または有機金属化学気相成長法であることを特徴とする
    請求項1、2または3記載のII−VI族化合物半導体
    の成長方法。
  5. 【請求項5】 上記II−VI族化合物半導体はZnS
    e、ZnTe、ZnSSe、ZnCdSeまたはZnM
    gSSeであることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載のII−VI族化合物半導体の成長方法。
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