JPH07153065A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH07153065A
JPH07153065A JP5299683A JP29968393A JPH07153065A JP H07153065 A JPH07153065 A JP H07153065A JP 5299683 A JP5299683 A JP 5299683A JP 29968393 A JP29968393 A JP 29968393A JP H07153065 A JPH07153065 A JP H07153065A
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recording medium
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film
plasma
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JP5299683A
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Inventor
Kunihiro Ueda
国博 上田
Masatoshi Nakayama
正俊 中山
Kiyoshi Yato
潔 矢頭
Koji Kobayashi
康二 小林
Hiromichi Kanazawa
弘道 金沢
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐食性、耐久性等の優れた強磁性金属層を有す
る磁気記録媒体を提供する。 【構成】非磁性基体上に下地層、強磁性金属層、保護層
及び潤滑層を順に成膜した磁気記録媒体において、前記
保護層が電極側にAF(オーディオ周波数)50kHz
〜450kHzを印加し、基盤側に負のバイアスを印加
してプラズマ重合された、屈折率1.90以上、膜厚3
0〜150Å、及び接触角80度未満プラズマ重合水素
含有炭素膜であり、また前記下地層はSiOx(x=
1.8〜1.95)で表されるけい素酸化物膜であり、
潤滑層は極性パーフロロポリエーテル、非極性パーフロ
ロポリエーテル、パーフロロカルボン酸、フォスファゼ
ン、パーフロロアルキレート及びパーフロロアクリレー
ト系化合物より選択されたものからなることを特徴とす
る磁気記録媒体及びその製造方法。 【効果】電磁変換特性が優れていると共に耐久性、耐食
性、耐摩耗性、潤滑性の優れた磁気記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体及びその製
造方法に関し、特に耐食性、耐久性、耐摩耗性、潤滑性
を有する強磁性金属層を磁性層とする磁気記録媒体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性金属層を磁性層とする磁気記録媒
体は飽和磁束密度が大きく、保磁力が高い等すぐれた特
性を有する。従来から、強磁性金属層を磁性層とする磁
気記録媒体の耐食性、耐久性、耐摩耗性、潤滑性等を改
善するにあたり種々の磁気記録媒体及びその製造方法が
提案されている。例えば強磁性金属薄膜を磁性層とする
磁気記録媒体において、非磁性の樹脂基体上に、下地膜
と強磁性金属薄膜とトップコート層を有する磁気記録媒
体であって、下地膜とトップコート膜がそれぞれCとH
とを含み、かつ屈折率が1.8以上のプラズマ重合膜で
ある磁気記録媒体(特開平4−341918号公報)、
下地膜がSi又はSiおよびOを含むプラズマ重合膜で
あり、トップコート層がCとHとを含むプラズマ重合膜
である磁気記録媒体(特開平5−20663号公報)、
基体と、基体上に設けられた磁性層と、磁性層上に設け
られた保護層とからなる磁気記録媒体において、保護層
が硬質カーボン層と含フッ素潤滑油層からなる磁気記録
媒体(特公平5−33456号公報)、基体表面に磁性
体蒸気流を斜方入射して磁性薄膜を蒸着した後、直ちに
磁性蒸着薄膜上に有機物をプラズマ重合せしめてオーバ
ーコート薄膜層を設けたことからなる磁気記録媒体(特
開昭57−135443号公報)、斜方蒸着型金属磁性
層上に有機高分子層、該層上に高級脂肪酸或いはそのエ
ステル層を設けることからなり、該有機高分子層および
該層上の高級脂肪酸或いはそのエステル層が真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スバッター法、又はプラ
ズマ重合法により形成されたものからなる磁気記録媒体
(特開昭57−164432号公報)及び磁性層の表面
をシロキサン結合を有する5〜1000Åのプラズマ重
合薄膜で被覆し防錆した磁気記録媒体(特公平3−53
691号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の磁気記録媒体、例えば特開平4−341918号公
報記載の磁気記録媒体、特開平5−20663号公報記
載の磁気記録媒体では保護層の接着性および耐食性が不
充分であり、又、特公平5−33456号公報記載の磁
気記録媒体では下地層がないため錆びてしまうという欠
点があった。そして、特開昭57−135443号公報
記載および特開昭57−164432号公報記載の磁性
層上に有機物および高級脂肪酸或いはそのエステル類を
プラズ重合させるものでは耐食性、潤滑性、耐摩耗性等
の点でまだ十分でなく、又磁性層上にシロキサン結合を
有するプラズマ重合膜を被覆するもの(特許第1687
307号、特公平3−53691号公報)では磁性層の
下に下地層がなく、錆が発生し、又摩擦に対しても弱い
等の問題のあるものであった。したがって、耐食性、耐
摩耗性、耐摩擦性、耐久性、潤滑性を併せ有する磁気記
録媒体が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく、鋭意研究の結果、磁気記録媒体におい
て、構造的に、基体上にSiOx膜+磁性層+保護層
(DLC膜)更に潤滑層を設けたものからなり、保護層
であるDLC膜が基盤に負のバイアスを印加して、電極
側の周波数AFを特定の値として形成された、特定の屈
折率及び接触角を有するプラズマ重合水素含有炭素膜で
あり、潤滑層が特定のふっ素化合物からなるものである
とき、該課題が解決できるのとを見出し、本発明に到達
した。即ち、本発明は(1)非磁性基体上に下地層、強
磁性金属層、保護層及び潤滑層を順に成膜した磁気記録
媒体において、前記保護層が屈折率1.90以上、膜厚
30〜150Å、及び接触角80度未満のプラズマ重合
水素含有炭素膜(DLC膜)であり、また前記下地層は
SiOx(x=1.8〜1.95)で表されるけい素酸
化物膜であり、潤滑層は極性パーフロロポリエーテル、
非極性パーフロロポリエーテル、パーフロロカルボン
酸、フォスファゼン、パーフロロアルキレート及びパー
フロロアクリレート系化合物より選択されたものからな
ることを特徴とする磁気記録媒体、(2)強磁性金属層
は蒸着法にて形成されたものである上記(1)記載の磁
気記録媒体、(3)非磁性基体上にSiOx(x=1.
8〜1.95)で表されるけい素酸化物膜よりなる下地
層を形成し、その上に強磁性金属層を気相成膜し、次い
で基盤側に負のバイアスを印加しながら周波数50〜4
50kHzで炭化水素ガスと水素をプラズマ重合させて
屈折率1.90以上、接触角80度未満及び膜厚30〜
150Åの水素含有炭素膜よりなる保護層を形成し、最
後に極性パーフロロポリエーテル、非極性パーフロロポ
リエーテル、パーフロロカルボン酸、フォスファゼン、
パーフロロアルキレート及びパーフロロアクリレート系
化合物より選択された潤滑層を形成することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法、(4)負のバイアスがパル
スバイアスであり、デューティ比(ON/OFF 比)が0.3
〜3であり、周波数が10〜500Hzである上記
(3)記載の磁気記録媒体の製造方法、及び(5)強磁
性金属層の気相成膜が蒸着法である上記(3)記載の磁
気記録媒体の製造方法に関する。
【0005】本発明においては、保護層として、電極側
にAF(オーディオ周波数)50kHz〜450kHz
を印加し、基盤側に負のバイアスを印加して、プラズマ
重合された、屈折率1.90以上、膜厚30〜150
Å、及び接触角80度未満のプラズマ重合水素含有炭素
膜を用いる。プラズマ重合法については、従来公知の方
法、例えば特公平3−53691合公報記載の方法で行
なうことができ、電極を配した真空チャンバーを10−
6Torrまで真空排気し、マスフローコントローラに
て定められた量の原料ガスと水素ガスを導入し、所定の
圧力に保持した後、AF電源にて放電を発生させ、必要
膜厚になるようにテープの走行系を制御する。DLC膜
成膜時にはDCバイアスを印加する。次いで、真空を破
壊して得られた重合膜形成サンプルを取り出すことによ
って行なわれる。保護層として形成されるプラズマ重合
水素含有炭素膜の原料としては、炭素および水素を含有
する種々のものを用いることができるが、通常操作性の
よいことから、常温で気体のメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、エチレン、プロビレン、ブテ
ン、ブタジエン、アセチレン、メチルアセチレン、その
他の飽和ないし不飽和の炭化水素の1種以上を、Cおよ
びH源として用いる。炭化水素ガスをプラズマ重合する
際に、AF50kHz〜450kHzを印加するが、A
Fがこの範囲外になると、即ち50kHz未満の周波数
では性質がDC(直流)に近づくので、長時間の稼働に
より膜が周囲に積層してくると、放電が不安定になるた
めに膜質に異常をきたす。又、イオンによるダメージが
大きくテープの性質を損なってくる。また、450kH
zを越える周波数とすると、イオンの動きはが緩慢にな
り、膜質がソフトとなり、耐久性に耐えられない膜とな
る。負のバイアスはDCにて負電位を印加する。パルス
バイアスが好ましい。バイアスとしては、RFバイアス
もあるが、RFの場合、セルフバイアスにて負の電位を
生成するが、正負の反転があるために、必ずしも全く負
とはいかない。実験的に行ったが、バイアスを印加しな
いものと性質的には、ほとんど変化がなかった。更にD
Cバイアスをパルス化すると、絶縁物を介しても充分な
バイアス効果があり、単にDCを印加しても効果が発現
するが、さらに良くなる。又デューティ比(ON/OF
F)は0.3〜3である。デューティー比が0.3未満
となると、放電が不安定となり、3を超えるとするとD
Cで連続波〔Continuous Wave(CW)〕で印加した場合と
変化が無くなる。望ましくは、0.8〜1.5程度とす
る方が更に望ましい。
【0006】また、周波数が10Hz未満となると、バ
イアス印加効果がなくなり、500Hzを超えるもので
は、高周波的挙動となるために、膜が硬くならない。そ
して、本発明のプラズマ重合水素含有炭素膜は屈折率が
1.90以上である。屈折率が1.90未満のときは耐
久性が著しく低下し、保存特性も劣化する。これは、膜
硬度か低くなるためと、併せて膜密度が低下するために
水が膜を透過しやすくなるためである。原因としては、
膜中の水素含有量が多くなり、架橋構造をとることがで
きなくなるためである。又、本発明のプラズマ重合水素
含有炭素膜は膜厚30〜150Åである。膜厚が30Å
未満では効果が発現しないし、150Åを超えると、ス
ページングロスが大きいために、蒸着テープ本来が持つ
電磁変換特性に影響をおよぼす。又、その接触角は80
度未満である。接触角が80度以上の値を示すと、膜の
表面にC=Cの生成が不足しているために、スチル特性
が向上しない。このような屈折率1.90以上、接触角
80度未満の膜では、FT−IRの2,900cm~1
表れるメチル・メチレンの吸収はほとんど観察されな
い。
【0007】本発明の下地層はSiOx(x=1.8〜
1.95)で表される珪素酸化物膜である。酸化珪素に
おいてx=1.8未満では膜中に炭素が残り、きちんと
した膜にならず、密度が向上しないために水分遮断性が
発現しない。x=1.95を越えるものも水分遮断性が
不足し、水分遮断膜としての機能を果たさない。x=
1.8未満の膜では、ESCA(Electron spectroscop
y for chemical analysis)にて測定した結果では、全
原子の15at%(原子%)前後の未反応の炭素原子を
含むのに対し、1.8以上では十分反応が進行するため
に1at%未満の値となっている。炭素含有量が非常に
水分遮断性にたいして影響をおよぼすことが判明してい
る。SiOx(x=1.8〜1.95)の珪素酸化物膜
は、真空チャンバーを10−6Torrまで排気した
後、原料ガスと酸素を定められた量をマスフローコント
ローラにて、導入し、AF電源にてプラズマを発生させ
る。DLC膜の場合はDCバイアスを印加したが、Si
Ox膜ではバイアスはあってもよいが特に必要ない。た
だし、原料となるシラン系ガスと酸素との導入流量比が
Si/O2=1/3以上の酸素が必要であり、この比以
下の酸素料とすると、1.8以上の膜とはならない。原
料として用いるシラン系ガスは、シラン、トリメチルシ
ラン、テトラメチルシラン、トリメトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられ
る。取り扱い上は、0℃、1気圧の標準状態で液体のも
のが扱いやすい。又、沸点としては、100℃前後のも
のが扱いやすい。液体の原料は、市販の液体供給機を用
いて、マスフローコントローラにて供給すれば良い。
【0008】潤滑層は極性パーフロロポリエーテル、非
極性プーフロロカルボン酸、フォスファゼン、パーフロ
ロアルキレート及びパーフロロアクリレート系化合物か
ら選択される化合物を溶剤に溶解させて塗布して形成さ
れる。通常は、グラビア塗布法、リバース塗布法、ダイ
ノズル塗布法等磁気記録媒体にて使用されている方法で
あれば、特に限定されるものではない。溶剤に対する潤
滑剤の濃度は、1〜0.1wt%の範囲で調製される。
極性パーフロロポリエーテルは例えば、クライトックス
(デェポン社製)、Z−DOL,AM2001(モンテ
ジソン社製)、SA1,SY3(ダイキン工業社製)等
が挙げられる。非極性パーフロロポリエーテルは、例え
ばS20(ダイキン工業社製)等が挙げられ、パーフロ
ロカルボン酸は例えばn−CmFlCOOH(m=7〜
10,l=14〜21)が挙げられ、パーフロロアルキ
レートは例えばFA108(共栄社油脂化学社製)等で
あり、パーフロロアクリレート系化合物は例えばn−C
mFlCOOCpFq(p=7〜10,q=14〜2
1,m,lは前記と同じ)等である。溶剤としてはたと
えばフロン系で例えばL−90,トリブチルアミンでE
FL−150(ダイキン工業社製)が用いられる。これ
らの潤滑剤以外のものでは、例えばステアリン酸、ミリ
スチン酸等の飽和カルボン酸やシリコンオイルなどでは
効果がない。金属磁性層には、フッ素系で表面エネルギ
ーの低いものが好ましい。
【0009】非磁性基体としては、通常のものが用いら
れ、強磁性金属薄膜蒸着時の熱に耐える各種フィルムが
用いることができる。例えばポリエステル、ポリイミ
ド、アラミド、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)等のフィルムであり、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)のフィルム等が用いられる。強磁性金属層に
はFe,Co,Niなどの金属やこれらの各種合金が用
いられるが、CoまたはCoを主成分とする合金が望ま
しい。Coを主成分とする合金としては、Co−Ni,
Co−Fe,Co−Cr,Co−Ni−Cr,Co−P
t−Cr,Co−Cu,Co−Sm,Co−Pなどが用
いられ、Co−Ni合金が好ましく、特にモル比でCo
を約80%以上、Niが20%以下含有するものが好ま
しい。これらの強磁性金属薄膜としては、この種の金属
薄膜形成方法が用いられ、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、スパッター法等によって形成される。好まし
くは蒸着法であり、斜め蒸着法によるものが好ましい。
なお成膜中に酸素などの酸化性ガスを導入してもよい。
磁性層の厚さは500〜3000Åであり、好ましくは
1500〜2000Åである。
【0010】
【作用】強磁性金属層を磁性層とする磁気記録媒体にお
いて、強磁性金属層の下地層をSiOx(x=1.8〜
1.95)のけい素酸化物膜とし、保護層を電極側にA
F50kHz〜450kHzを印加し、基盤側に負のバ
イアスを印加して、プラズマ重合により得られた屈折率
1.90以上、膜圧30〜150Å、接触角80度未満
のプラズマ重合水素含有炭素膜とし、潤滑層として極性
パーフロロポリエーテル、非極性パーフロロポリエーテ
ル、パーフロロカルボン酸、フォスファゼン、パーフロ
ロアルキレート、又はパーフロロアクリレート系化合物
を用いることにより、強磁性金属層を磁性層とする優れ
た特性を有する磁気記録媒体において、その特性を保持
するとともに、その耐食性、耐久性、耐摩耗性、潤滑性
の改善されたものとすることができる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を説明する。なお磁気記録テー
プの特性測定は以下の方法によった。 (1)スチル 40℃20%RHの環境にて、7MHzの信号を記録し
て、その出力が−5dBになるまでの時間を測定した。 (2)耐食性 60℃90%RHの環境に、1週間保存して飽和磁束密
度の低下率を測定した。 (3)初期摩擦 180度ピン摩擦試験機で1パス目の摩擦係数を測定し
た。 (4)耐久摩擦 180度ピン摩擦試験機で500パス目の摩擦係数を測
定した。 (5)表面観察 200パス後の面状態をを光学顕微鏡にて観察し、すり
傷の入り具合を観察した。キズがないものに○、キズの
数が1〜5のものを△、キズが6本以上を×とした。 (6)電磁変換特性 比較例1の7MHzの出力を0dBとした時、各サンプ
ルの値との差が2dB未満を○とし、2dB以上を×と
した。
【0012】実施例1〜20、比較例1〜29 厚さ7μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基体
に、チャンバー内を10−6Torrに排気した後、原
料としてテトラメトキシシランと酸素を1:3量導入し
て、圧力を10−2Torrに調整した。その後、電極
にAF100kHzを印加しプラズマ放電を発生させ各
種の組成のSiOxをプラズマ重合して下地層とした。
SiOx膜のx値は、シラン系有機化合物と同時導入す
る酸素量比を変更した。ついでCo80重量%−Ni2
0重量%の合金を酸素雰囲気下蒸着して強磁性金属層
(膜厚1500Å)を形成した。その上に図1に示すD
LC膜装置にて、炭化水素源としてメタンを使用してプ
ラズマ重合し保護層とした。即ち、チャンバー内を10
−6Torrに排気した後、原料としてメタンと水素を
1:1量導入して、圧力を10−2Torrに調整し
た。その後、電極に高周波にて電磁波を印加しプラズマ
放電を発生させた。同時にDCバイアスを図1に示すよ
うに結線し印加した。さらに該保護層上に各種潤滑剤を
溶剤EFL−150(ダイキン工業社製)に0.3wt
%溶解し、グラビア塗布法にて塗布した。膜厚は約40
Åであった。基盤側のDCバイアスは、パルス発生機構
を有しているものを使用した。非極性PFPE(パーフ
ロロポリエーテル)はS20(ダイキン工業社製)を、
シリコンオイルは、KF−851(信越化学工業社製)
を用いた。極性PFPEは、SA1(ダイキン工業社
製)、PFA(パーフロロカルボン酸)はn−C1020
COOHをフォスアゼンは出光石油化学社製をパーフロ
ロアクリレートはFA108を、パーフロロアルキレー
トは、n−C1020COOC1020を用い、潤滑層を形
成した。SiOx下地層の組成と膜厚、プラズマ重合水
素含有炭素膜保護層の成膜時のプラズマ周波数とバイア
ス、得られた保護層の膜厚、屈折率、および接触角、潤
滑層の材料を表1−1および表1−2に示す。パルスバ
イアスを使用したときのパルスは50Hzである。また
得られた磁気記録テープのスチル時間、耐食性、初期摩
擦、耐久摩擦、および表面観察結果を表1−3および表
1−4に示す。なお膜厚と屈折率はエリプソメトリーを
使用した。SiOxの組成の測定はESCAにて測定し
た。接触角は液滴を落下する方式(協和界面化学社製接
触角計)を用いた。比較のためにRFおよび1MHzを
使用して保護層を形成した。
【0013】
【表1−1】
【0014】
【表1−2】
【0015】
【表1−3】
【0016】
【表1−4】
【0017】実施例21〜42 厚さ7μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基体
に、テトラメトキシシランと酸素の混合等を使用し、放
電周波数として400kHzを使用してSiOx(x=
1.900)をプラズマ重合して下地層とし、ついでC
o80重量%−Ni20重量%の合金を酸素雰囲気下、
蒸着して強磁性金属層(膜厚1.500Å)を形成し
た。その上に各種炭化水素を使用してプラズマ重合して
保護層とした。さらに、液体潤滑剤として極性PFPE
(パーフロロポリエーテル)を用いて潤滑層を形成し
た。SiOx下地層の膜厚、炭化水素の種類および成膜
時のプラズマ周波数とバイアス、得られた保護層の膜
厚、屈折率および接触角等を表2−1に示す。また得ら
れ磁気記録テープの電磁変換特性、スチル時間、耐食
性、初期摩擦、耐久摩擦、および表面観察結果を表2−
2に示す。なお、膜厚、屈折率、SiOxの組成および
接触角の測定は実施例1〜20と同一である。
【0018】
【表2−1】
【0019】
【表2−2】
【0020】実施例43〜57,比較例30〜36 負のバイアスをCW及びパルスバイアスとし、パルス周
波数Hz、CH4/Hの流量比及びパルス比ON/OF
Fを種々変えた以外は上記実施例と同様にして、磁気記
録媒体を製造した。パルス比は電源付属の設定スイッチ
にて、ON/OFF時間を設定し変更した。結果を表3
−1および表3−2に示す。
【0021】
【表3−1】
【0022】
【表3−2】
【0023】
【発明の効果】本発明では強磁性金属層を磁性層とする
磁気記録媒体において、磁性層の下地層を特定の珪素酸
化物膜とし、保護層を特定の印加条件でプラズマ重合さ
れた特定の特性を有するプラズマ重合水素含有炭素膜と
し、且つ潤滑層を特定のフッ素化合物とすることによ
り、電磁変換特性が優れ、耐食性、耐久性、耐摩耗性、
潤滑性の優れた磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるDLC膜製造装置である。
【符号の説明】
1 電極 2 回転ドラム 3 ガイドロール 4 ガイドロール 5 テープ巻き取りロール 6 テープ巻だしロール 7 DCバイアス用電源
フロントページの続き (72)発明者 小林 康二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 金沢 弘道 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基体上に下地層、強磁性金属層、保
    護層及び潤滑層を順に成膜した磁気記録媒体において、
    前記保護層が屈折率1.90以上、膜厚30〜150
    Å、及び接触角80度未満のプラズマ重合水素含有炭素
    膜であり、また前記下地層はSiOx(x=1.8〜
    1.95)で表されるけい素酸化物膜であり、潤滑層は
    極性パーフロロポリエーテル、非極性パーフロロポリエ
    ーテル、パーフロロカルボン酸、フォスファゼン、パー
    フロロアルキレート及びパーフロロアクリレート系化合
    物より選択されたものからなることを特徴とする磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】強磁性金属層は蒸着法にて形成されたもの
    である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】非磁性基体上にSiOx(x=1.8〜
    1.95)で表されるけい素酸化物膜よりなる下地層を
    形成し、その上に強磁性金属層を気相成膜し、次いで基
    盤側に負のバイアスを印加しながら周波数50〜450
    kHzで炭化水素ガスと水素をプラズマ重合させて屈折
    率1.90以上、接触角80度未満及び膜厚30〜15
    0Åのプラズマ重合水素含有炭素膜よりなる保護層を形
    成し、最後に極性パーフロロポリエーテル、非極性パー
    フロロポリエーテル、パーフロロカルボン酸、フォスフ
    ァゼン、パーフロロアルキレート及びパーフロロアクリ
    レート系化合物より選択された潤滑層を形成することを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】負のバイアスがパルスバイアスであり、デ
    ューティ比(ON/OFF 比)が0.3〜3であり、周波数が
    10〜500Hzである請求項3記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】強磁性金属層の気相成膜が蒸着法である請
    求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
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