JPH0715246U

JPH0715246U - 複数ｚ軸台を有する自動多面加工機

Info

Publication number: JPH0715246U
Application number: JP4374593U
Authority: JP
Inventors: 和夫小松
Original assignee: 株式会社江黒鉄工所
Priority date: 1993-08-10
Filing date: 1993-08-10
Publication date: 1995-03-14
Anticipated expiration: 2008-08-10
Also published as: JP2604616Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】多面加工を要するワークおよびその類似ワー
クを単一の機械で効率的に、かつ自動，無人に行うと共
に、コンパクトな構造にまとめられ、省スペース化が図
れる複数Ｚ軸台を有する自動多面加工機を提供する。【構成】ワークの着脱ステーションと複数の加工ステ
ーションを割出し回転位置決めするインデックステーブ
ル２と、夫々の加工ステーションにＺ軸方向に沿って接
離自在に係合する複数のＺ軸台と、該Ｚ軸台に駆動自在
に支持される複数個のスピンドルと、前記Ｚ軸台をＸ軸
方向に沿って往復するＸ軸駆動機構部と、前記インデッ
クステーブル、Ｚ軸台及びＸ軸駆動機構部を自動制御す
る制御装置とにより構成する。また、前記インデックス
テーブルのワーク着脱位置に係合してワークの供給、排
出を行う自動ワーク供給排出機構部を付設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワークの多面加工を行う単一の自動加工機に係り、特に複数の加工ステーションごとにＺ軸台を係合させて、かつＺ軸台の複数個のスピンドルに装着した切削工具により所定の工程ごとの加工を順次自動的に行うようにした複数Ｚ軸台を有する自動多面加工機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、図１１に示すワーク３をワークブランクから加工する場合には、まずＡ面において内径Ｄ₁及びＤ₂の穴加工と内ねじ径Ｄ₃のねじ加工をする３台の加工機又は前記３工程を単一の機械で行う自動機が必要になる。次に、Ｂ面において内径Ｄ₄の穴加工と座ぐり部２８の座ぐり加工と溝２９の座面加工用の３台の加工機又は単一の自動機が必要になり、更にＣ面において内径Ｄ₅及び内径Ｄ₆の穴加工とテーパねじ部３０のねじ加工を行う３台の加工機又は単一の自動機が必要になる。

【０００３】一方、工程毎の多台加工を行う場合にはワークの着脱、搬送、搬入の機構部が機械間に必要になる。更に、マシニングセンタにより前記ワーク３の加工を行う場合、ワーク３をインデックスしながら主軸台に所望の切削工具を自動交換することによって加工可能でありタレット式の自動機でワーク３を加工する場合、Ａ面、Ｂ面、Ｃ面毎の自動加工は可能であるが、各面ごとにワークの姿勢換えが必要になる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記したように、工程毎に単一の加工機を配列する従来の多台加工方式によりワーク３を加工する場合には、多台の機と搬出入装置等が必要になり、大掛かりなものになる。一方、マシニングセンタやタレット式の自動機の場合には、工具交換やワークの姿勢換えに時間を要し、加工時間が大となる問題点がある。更に、ワーク３に近似する類似ワークを加工する場合には、前記したいずれの加工方式も段取り換えに多くの時間を必要とし、機械稼働率が低下する問題点がある。

【０００５】本考案は、以上の問題点を解決するために、図１１に示したような多面多工程の加工を必要とするワーク及び類似ワークを効率的に加工でき、段取り換えも比較的容易にでき、作業効率及び機械稼働率を向上し得ると共にコンパクト構造にまとめられ省スペース化が図れる複数Ｚ軸台を有する自動多面加工機を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、如上従来技術の問題点に鑑み、複数Ｚ軸台を有する自動多面加工機において、ワークの着脱ステーションと複数の加工ステーションを割出し回転位置決めするインデックステーブルと、夫々の加工ステーションにＺ軸方向に沿って接離自在に係合する複数のＺ軸台と、該Ｚ軸台に駆動自在に支持される複数個のスピンドルと、前記Ｚ軸台をＸ軸方向に沿って往復するＸ軸駆動機構部と、前記インデックステーブル、Ｚ軸台及びＸ軸駆動機構部を自動制御する制御装置を設けるようにした。また、前記インデックステーブルのワーク着脱位置に係合してワークの供給、排出を行う自動ワーク供給排出機構部を付設した。

【０００７】

【作用】

インデックステーブルのワークの着脱ステーションにおいてセットされたワークは、第１の加工ステーションに自動割出し位置決めされ、第１の加工ステーションに係合する第１のＺ軸台により、例えばＡ面のすべての加工が行われる。すなわち、第１のＺ軸台には複数個のスピンドルが配設されているため各スピンドルに所定の切削工具を装着し、第１のＺ軸台をＺ軸方向に移動すると共にＸ軸駆動機構部によりＺ軸台をＸ軸方向に移動することによりＡ面のすべての加工が行われる。

【０００８】Ａ面の加工が完了したらワークは、そのまま次の第２の加工ステーションに割出し回転位置決めされ、次のＢ面に係合して配設される第２のＺ軸台の複数個のスピンドルに装着された切削工具のＺ軸及びＸ軸方向の移動によりすべての加工が行われる。以下、同様の加工工程を順次行うことにより、インデックステーブルの１回転毎にワークの全加工を完了することが可能になる。ワークを一度着脱ステーションにセットすることにより自動加工が効率的に行われる。また、類似ワークについては各スピンドルに装着する切削工具の入れ替えのみでよく、比較的簡単に且つ迅速に自動加工が行われる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。本実施例は図１１に示したワーク３を加工するもので、３台のＺ軸台と夫々のＺ軸台に３個のスピンドルを配設した自動加工機について説明するが、勿論それに限定するものではない。図１は本実施例の全体構造を示す平面図、図２は図１のＥ矢視の側面図、図３はインデックステーブルと各Ｚ軸台との係合状態をわかり易く説明するための説明用一部平面図、図４乃至図１０は本実施例の加工機による各工程毎の加工内容を説明するための断面図である。

【００１０】まず、図１及び図２により本考案の一実施例の自動多面加工機１の全体構造を説明する。インデックステーブル２は本実施例では機械の本体側に水平面に沿って割出し回転自在に枢支され９０度毎に割出し位置決めされる４箇所のステーションを有するものからなる。割出し回転方向としては、図１において矢印Ｆで示されるように、一番手前がワークの着脱ステーション（Ｄで示す）で、反時計廻りに第１の加工ステーション（Ａで示す）、第２の加工ステーション（Ｂで示す）及び第３の加工ステーション（Ｃで示す）から構成される。各ステーションＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄにはワーク３を所定の姿勢で着脱可能に自動把持するための把持具４（詳細構造省略）が夫々装着される。

【００１１】本実施例で第１乃至第３の加工ステーションＡ、Ｂ、Ｃに対応して３個のＺ軸台が設けられる。第１の加工ステーションＡに対応する位置には、第１のＺ軸台５が設けられ、第２の加工ステーションＢ及び第３の加工ステーションＣに対応する位置には第２のＺ軸台６及び第３のＺ軸台７が夫々配置される。本実施例では第１乃至第３のＺ軸台５、６、７は互いに隣接して並設され、夫々はスライドベース８、９、１０上にインデックステーブル２に接離すべくＺ軸方向に沿って摺動自在に支持される。尚、第１乃至第３のＺ軸台５、６、７のＺ軸方向の移動は夫々に設けられるサーボモータ１１、１２、１３により行われる。

【００１２】第１乃至第３のＺ軸台５、６、７の夫々には、複数個（本実施例では夫々３個）のスピンドルがＺ軸方向に沿って並設される。説明の都合上、第１のＺ軸台５のスピンドルは図１の左からスピンドル５ａ、スピンドル５ｂ、スピンドル５ｃとし、第２のＺ軸台６のスピンドルを左からスピンドル６ａ、スピンドル６ｂ、スピンドル６ｃとし、第３のＺ軸台７のスピンドルを右からスピンドル７ａ、スピンドル７ｂ、スピンドル７ｃとする。スピンドル５ａ乃至５ｃ、スピンドル６ａ乃至６ｃ及びスピンドル７ａ乃至７ｃは夫々第１のＺ軸台５、第２のＺ軸台６及び第３のＺ軸台７に枢支され、図示していない駆動手段により回転駆動される。また、所望の切削工具が着脱可能に装着される。

【００１３】次に、Ｘ軸駆動機構部を説明する。本実施例では、スライドベース８、９、１０は共通のＸ軸テーブル１４上に載置され、Ｘ軸テーブル１４は図略のベッド上に載置されるＸ軸スライドベース（図略）上にＸ軸方向に沿って往復動自在に支持される。尚、Ｘ軸は水平面上においてＺ軸と直交する図示の矢視方向である。尚、Ｘ軸テーブル１４の移動はＸ軸サーボモータ１５により行われる。

【００１４】制御装置１６は制御回路を収納する電装箱１７と、操作箱アーム１８を介して電装箱１７側に連結される操作盤１９等からなる。前記制御回路はインデックステーブル２、第１乃至第３のＺ軸台５、６、７のサーボモータ１１、１２、１３及びＸ軸サーボモータ１５を自動制御すると共に後記する自動ワーク供給排出機構部等の附属機器の自動制御を行う。また、操作盤１９は実際のワーク加工時における各種の操作指令を手動操作により入出力するためのものである。

【００１５】自動ワーク供給排出機構部は、ロボット２０、ワーク投入用のホッパ２１、コンベア２２、パーツフィーダ２３、ワーク洗浄器２４、ワーク回収箱２５等からなる。ホッパ２１内に投入されたワークブランクはコンベア２２によりパーツフィーダ２３に搬送されてロボット２０に送られる。

【００１６】ロボット２０はワークを１個ずつ把持しインデックステーブル２のワークの着脱ステーションＤにワークを供給すると共に、加工済のワーク３をワークの着脱ステーションＤから引き取りワーク洗浄器２４内に搬送する。洗浄済のワーク３はワーク回収箱２５を介して次工程側に送られる。また、図１に示すように、機械の図示していないベッドまわりには、チップコンベア２６及びチップボックス２７が設けられ、ワーク３の加工によって生じる切粉の排出を行う。

【００１７】次に、図１１に示したワーク３を本実施例の自動多面加工機１により加工する方法を、主として図３を用い各工程順に図４乃至図１０により説明する。説明を解り易くするため、第１のＺ軸台５のスピンドル５ａ、５ｂ、５ｃに装着される切削工具を５０ａ、５０ｂ、５０ｃとし、第２のＺ軸台６のスピンドル６ａ、６ｂ、６ｃの切削工具を６０ａ、６０ｂ、６０ｃとし、第３のＺ軸台７に装着される切削工具を７０ａ、７０ｂ、７０ｃとする。

【００１８】また、ワーク３は、図１１に示すようにＡ面を第１のステーションＡで加工され、Ｂ面を第２のステーションＢで、Ｃ面を第３のステーションＣで加工されるものとする。図３に示すようにワーク３は第１の加工ステーションＡに割出し位置決めされた場合に、ワーク３のＡ面が第１のＺ軸台５側を向き、第２の加工ステーションＢに回転した時にＢ面が第２のＺ軸台６側を向き、更に９０度回転して第３の加工ステーションＣに回転した時にワーク３のＣ面が第３のＺ軸台７側を向くようにワークの着脱ステーションＤにおいて把持される。

【００１９】未加工のワークブランク３１がロボット２０によりインデックステーブル２のワークの着脱ステーションＤに引き渡され把持具４により把持される。インデックステーブル２を９０度回動し、ワークブランク３１を第１の加工ステーションＡに割出し位置決めする。図３及び図４乃至図６に示すように、第１のＺ軸台５のスピンドル５ａ、５ｂ、５ｃにはドリル５０ａ、段付きドリル５０ｂ及びタップ５０ｃが夫々装着される。

【００２０】まず、第１のＺ軸台５をサーボモータ１１によりＺ軸方向に前進させ、ドリル５０ａによりワークブランク３１に下穴３２を穿孔する。尚、加工されたワークブランク３１を以下ワーク３と称する。下穴３２は図１１における内径Ｄ₁より小径のものである。次に、第１のＺ軸台５をＺ軸方向に移動すると共にＸ軸テーブル１４をＸ軸方向に移動しスピンドル５ｂに装着されている段付きドリル５０ｂをワーク３と相対向する位置に位置決めする。段付きドリル５０ｂは図１１の内径Ｄ₁及びＤ₂ に相当する段付き部を有するものからなる。第１のＺ軸台５をＺ軸方向に前進させることにより内径Ｄ₁、Ｄ₂の段付き穴３３が穿穴される。

【００２１】同様にスピンドル５ｃのタップ５０ｃをワーク３と相対向する位置に位置決めし、図１１のねじ径Ｄ₃のねじ穴３４が加工される。ワーク３のＡ面の加工完了後、インデックステーブル２を９０度回動し、ワーク３を第２の加工ステーションＢに割出し位置決めする。ワーク３のＢ面の加工は、図３に示すように第２のＺ軸台６のスピンドル６ａ、６ｂに装着されたバニッシングドリル６０ａと溝入れバイト６０ｂによる。

【００２２】尚、本実施例ではスピンドル６ｃには切削工具が装着されない。バニッシングドリル６０ａは図１１の内径Ｄ₄の穴ドリル穴３５と座ぐり部２８を同時加工するものであり、溝入れバイト６０ｂは図１１の溝２９を加工するものである。第２のＺ軸台６をＺ軸方向に移動すると共にＸ軸テーブルのＸ軸方向の移動により図７及び図８に示すようにＢ面の加工が行われる。次に、インデックステーブル２を更に９０度回動し、ワーク３を第３の加工ステーションＣに移動させる。

【００２３】ワーク３のＣ面の加工は、図３に示すように、第３のＺ軸台７のスピンドル７ａ、７ｂに装着された段付きドリル７０ａとダイス７０ｂにより行われる。段付きドリル７０ａは図９に示す内径Ｄ₅、Ｄ₆の段付き穴３６を加工するものであり、ダイス７０ｂは図１１に示すテーパねじ部３０をねじ加工するものである。図９、図１０に示すように、第３のＺ軸台７のＺ軸方向の移動とＸ軸テーブル１４のＸ軸方向の移動とにより段付き穴３６とテーパねじ部３０の加工が順次行われる。

【００２４】Ａ面、Ｂ面、Ｃ面の全加工が完了すると、インデックステーブル２は更に９０度回動し、加工済のワーク３をワークの着脱ステーションＤ側に移動する。この位置で加工済のワーク３は、ロボット２０により把持され、ワーク洗浄器２４側に送られる。同時に、新しいワーク３のワークブランク３１が空になったワークの着脱ステーションＤに装着され、順次前記と同様な加工が行われる。以上のように本実施例によれば、ワークの着脱ステーションＤにワークブランク３１を装着することにより、それ以後はインデックステーブル２の割出し回動と第１乃至第３のＺ軸台５、６、７に装着された各種工具５０ａ、５０ｂ・・・７０ａ、７０ｂ等の移動により自動的に行われる。

【００２５】また、他の類似ワークに対しては、第１乃至第３のＺ軸台５、６、７のスピンドル５ａ乃至７ｃに装着する切削工具を段取り換えすることにより、比較的容易に対応することができる。以上で示した実施例において、インデックステーブル２を４ステーション用のものとしたが、本考案はそれに限定するものではない。また、Ｚ軸台の数及び配列も実施例のものに限定するものではない。

【００２６】更に、１つのＺ軸台における複数個のスピンドルは本実施例ではＺ軸方向に沿って同時に移動するが、個々に移動可能の構造にしてもよい。また、本実施例ではインデックステーブル２及び第１乃至第３のＺ軸台５、６、７がＹ軸方向に移動しないコンパクトな構造としたが、いずれか一方をＹ軸方向に沿って移動可能にしてもよく、これらは何れも本考案に包含される。

【００２７】

【考案の効果】

本考案によれば、次のような顕著な効果を奏する。１）インデックステーブルとこれに係合する複数台のＺ軸台及びＺ軸台に配置される複数個のスピンドルの組み合わせによりワークの多面加工が自動的に、かつ効率的に行われる。２）ワークをインデックステーブルの着脱ステーションに装着することにより自動的に全加工が行われ、生産性の向上と無人加工が可能になる。

【００２８】３）ワークに対応して切削工具を１度段取りすればよく、工程毎に工具交換を必要としない。そのため、機械稼動率の向上が図れる。４）類似ワークに対しても容易に対応し得る。５）インデックステーブルとその周辺に配置される複数台のＺ軸台から構成されるためコンパクトにまとめられ省スペース化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体構造を示す平面図。

【図２】図１の矢印Ｅ方向の矢視側面図。

【図３】本実施例のインデックステーブルと各Ｚ軸台と
の係合状態を示す説明用の部分平面図。

【図４】第１の加工ステーションＡにおける第１工程の
下穴加工状態を示す説明用の断面図。

【図５】第１の加工ステーションＡにおける第２工程の
段付き穴加工状態を示す説明用の断面図。

【図６】第１の加工ステーションＡにおける第３工程の
ねじ穴加工状態を示す説明用の断面図。

【図７】第２の加工ステーションＢにおける第１工程の
ドリル穴及び座ぐり部加工の状態を示す説明用の断面
図。

【図８】第２の加工ステーションＢにおける第２工程の
溝加工状態を示す説明用の断面図。

【図９】第３の加工ステーションＣにおける第１工程の
段付き穴加工の状態を示す説明用の断面図。

【図１０】第３の加工ステーションＣにおける第２工程
のテーパねじ部加工状態を示す説明用の断面図。

【図１１】本実施例のワークの加工箇所を説明するため
の断面図。

【符号の説明】

１自動多面加工機２インデックステーブル３ワーク４把持具５第１のＺ軸台５ａスピンドル５ｂスピンドル５ｃスピンドル６第２のＺ軸台６ａスピンドル６ｂスピンドル６ｃスピンドル７第３のＺ軸台７ａスピンドル７ｂスピンドル７ｃスピンドル８スライドベース９スライドベース１０スライドベース１１サーボモータ１２サーボモータ１３サーボモータ１４Ｘ軸テーブル１５Ｘ軸サーボモータ１６制御装置１７電装箱１８操作箱アーム１９操作盤２０ロボット２１ワーク投入用のホッパ２２コンベア２３パーツフィーダ２４ワーク洗浄器２５ワーク回収箱２６チップコンベア２７チップボックス２８座ぐり部２９溝３０テーパねじ部３１ワークブランク３２下穴３３段付き穴３４ねじ穴３５ドリル穴３６段付き穴

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ワークの着脱ステーションと複数の加工
ステーションを割出し回転位置決めするインデックステ
ーブルと、夫々の加工ステーションにＺ軸方向に沿って接離自在に
係合する複数のＺ軸台と、該Ｚ軸台に駆動自在に支持される複数個のスピンドル
と、前記Ｚ軸台をＸ軸方向に沿って往復するＸ軸駆動機構部
と、前記インデックステーブル、Ｚ軸台及びＸ軸駆動機構部
を自動制御する制御装置を設けることを特徴とする複数
Ｚ軸台を有する自動多面加工機。
【請求項２】前記インデックステーブルのワーク着脱
位置に係合してワークの供給、排出を行う自動ワーク供
給排出機構部を付設してなる請求項１の複数Ｚ軸台を有
する自動多面加工機。