JPH0715082A - 半導体パルセーションレーザ - Google Patents

半導体パルセーションレーザ

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JPH0715082A
JPH0715082A JP5153110A JP15311093A JPH0715082A JP H0715082 A JPH0715082 A JP H0715082A JP 5153110 A JP5153110 A JP 5153110A JP 15311093 A JP15311093 A JP 15311093A JP H0715082 A JPH0715082 A JP H0715082A
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JP
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quantum well
semiconductor
layer
active layer
laser
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JP5153110A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kokubo
吉裕 小久保
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y20/00Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
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    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/34Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers
    • HELECTRICITY
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    • H01S5/0658Self-pulsating
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に作製でき、所望の周波数で間欠的にレ
ーザ発振を行なう半導体パルセーションレーザを得る。 【構成】 これを構成する量子井戸8a,8bが、それ
らが充分離れて独立しているときに井戸内に形成される
離散化したエネルギ凖位間のエネルギ差が波長換算して
10nm以上離れており、かつ、2つの井戸が結合した
状態において、上記離散化したエネルギ準位が分離して
形成された2つのエネルギ準位11,12(21,2
2)間のエネルギ差が、この2つのエネルギ準位の各々
における波動関数に基づいて得られる、上記2つの井戸
の何れか一方に電子及び正孔の両方が同時に存在するタ
イミングの発生周波数が100MHzから10GHzの
間の値となるエネルギ差である2重量子井戸構造の活性
層3を備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はレーザ発振を間欠的に
行なう半導体パルセーションレーザに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のパルセーションレーザの
構造を示す斜視図であり、図11はその動作を説明する
ための主要部の模式断面図である。図において、101
は第1導電型の半導体レーザ基板、102は第1導電型
の下クラッド層、103は活性層、104は上記第1導
電型と反対の導電型である第2導電型の上クラッド層、
5は第1導電型の電流ブロック層、106a,106b
は電極である。
【0003】次に従来の半導体パルセーションレーザの
動作について説明する。図11に示すように、電極6a
から注入された電流は、電流ブロック層105で狭窄さ
れた後、電流ブロック層105と活性層103との間の
上クラッド層104中で若干広がり、活性層103に注
入される。これにより活性層103のうち、電流が流れ
ており真上に電流ブロック層105の存在しない領域が
発光し、レーザ発振する。
【0004】ここで、活性層103内における、光が存
在する領域と電流が流れる領域の広がりは、電流ブロッ
ク層105と活性層103との間の上クラッド層104
の厚さdに依存して変化する。この厚さdを適当な厚み
とすると、光が存在する領域の広がりは電流が流れる領
域の広がりよりも広くなり、活性層103中に電流は流
れないがレーザ光が存在する領域110が形成される。
この領域110はいわゆる可飽和吸収帯となり、最初は
光を吸収するが、光から発生した電子と正孔がある程度
溜まるとそれ以上は光を吸収できずに、逆に今まで溜め
た電子と正孔を、光としていっぺんに吐き出し、初期値
に戻る。すなわち可飽和吸収帯があると、レーザ発振が
間欠的に起こり、いわゆるパルセーションレーザができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可飽和
吸収帯を利用した半導体パルセーションレーザでは、上
述のように、活性層と電流ブロック層間のクラッド層の
厚さdのみで光の存在する領域と電流の存在する領域の
両方を制御して可飽和吸収帯を形成するため、各領域を
それぞれ最適値に設定するというよりは、妥協点に設定
するという意味合いが強く、また、その許容範囲は通常
かなり狭い。このため、その設計,製造が困難であると
いう問題点があった。
【0006】さらに、従来の半導体パルセーションレー
ザでは、間欠的なレーザ発振の周波数は、各層のドーピ
ング状態等、様々な要因に基づいて変化するため、これ
を設計することは極めて困難であり、試作を繰り返し
て、目的の値に合わせなければならないという問題点が
あった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、容易に作製でき、所望の周波
数で間欠的にレーザ発振を行なう半導体パルセーション
レーザを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体パ
ルセーションレーザは、近接して配置された2つの量子
井戸を含む2重量子井戸構造を有する活性層であって、
上記2つの量子井戸の各々が、これらが充分離れて独立
しているときに井戸内に形成される離散化したエネルギ
凖位間のエネルギ差が波長換算して10nm以上離れて
いるものであり、かつ、これらが上記近接して配置され
た状態において、上記離散化したエネルギ準位が分離し
て形成された2つのエネルギ準位間のエネルギ差が、上
記2重量子井戸構造におけるキャリアの波動関数に基づ
いて得られる、上記2つの量子井戸の何れか一方に電子
及び正孔の両方が同時に存在するタイミングの発生周波
数が100MHzから10GHzの間の値となるエネル
ギ差である活性層を備えたものである。
【0009】
【作用】この発明においては、2重量子井戸構造の活性
層であって、これを構成する量子井戸が、それらが充分
離れて独立しているときに井戸内に形成される離散化し
たエネルギ凖位間のエネルギ差が波長換算して10nm
以上離れており、かつ、2つの井戸が結合した状態にお
いて、上記離散化したエネルギ準位が分離して形成され
た2つのエネルギ準位間のエネルギ差が、この2つのエ
ネルギ準位の各々における波動関数に基づいて得られ
る、上記2つの井戸の何れか一方に電子及び正孔の両方
が同時に存在するタイミングの発生周波数が100MH
zから10GHzの間の値となるエネルギ差である活性
層を備えた構成としたから、電子及び正孔が2つの井戸
の何れか一方に同時に存在するタイミングにおいてのみ
これら電子と正孔の再結合によりレーザ発振が生じ得る
利得が生じ、その結果、レーザ発振は、上述の電子及び
正孔が2つの量子井戸の何れか一方に同時に存在するタ
イミングが発生する周期で間欠的に生ずることとなり、
これによりパルセーションレーザを実現することができ
る。
【0010】
【実施例】実施例1.図1は本発明の一実施例による半
導体パルセーションレーザを示す図であり、図1(a) は
その全体を示す斜視図、図1(b) は図1(a) 中の一点鎖
線で囲んだ領域を拡大して示した図である。図1(a) に
おいて、1は第1導電型の半導体レーザ基板、2は第1
導電型の下クラッド層、3は活性層、4は上記第1導電
型と反対の導電型である第2導電型の上クラッド層、5
は第1導電型電流ブロック層、6a,及び6bは電極で
ある。また、図1(b) において、7a,7bは光閉じ込
め層、8aは第1の井戸層、8bは第2の井戸層、9は
障壁層である。
【0011】図2は図1(b) のII−II線におけるバンド
ダイアグラム図であり、図において、図1と同一符号は
同一又は相当部分である。また、11は電子の第1の凖
位、12は電子の第2の凖位、21は正孔の第1の凖
位、22は正孔の第2の凖位である。
【0012】量子井戸構造中では例えば電子は、井戸層
とその両側の障壁層とのエネルギギャップの差のため
に、井戸層内に閉じ込められ、離散的な準位を形成す
る。また、2つの井戸層を近接させると、各量子井戸内
に形成された量子準位間に結合が生じ、その結果、縮退
していた量子準位が分離する。図に示す第1の準位,及
び第2の準位は、2つの量子井戸を近接させて配置する
ことにより、単一量子井戸に形成される離散的な準位の
一つが分離して形成された準位(サブバンド)である。
【0013】電極6a,6b間にレーザのpn接合に対
して順方向に電圧を印加すると、キャリアは活性層3内
に注入され、活性層3内の第1の井戸層8a,及び第2
の井戸層8bにおいて再結合することにより光を発生
し、レーザ発振が生じる。各井戸層内では、電子の第1
の凖位11にある電子と、正孔の第1の凖位21にある
正孔とが再結合し、また、電子の第2の凖位12にある
電子と、正孔の第2の凖位22にある正孔とが再結合す
る。
【0014】次に、本実施例の半導体パルセーションレ
ーザにおいてレーザ発振が間欠的に生ずる原理について
説明する。図3,及び図4はそれぞれ、電子の第1の凖
位11の波動関数,及び電子の第2の凖位12の波動関
数を示す図である。第1の凖位11の波動関数ψ1 は、
【0015】
【数1】
【0016】第2の凖位12の波動関数ψ2 は、
【0017】
【数2】
【0018】で表される。ここでφ1 ,φ2 は波動関数
の空間要素である。また、eの( jω1t)乗,eの( j
ω2t)乗は波動関数の時間要素であり、jは虚数単位、
ω1 は第1の凖位11のエネルギに対応した固有の角振
動数、ω2 は第2の凖位12のエネルギに対応した固有
の角振動数、tは時間である。図3,及び図4に示すよ
うに、第1の凖位11の波動関数は偶関数であり、第2
の凖位12の波動関数は奇関数である。また、正孔の波
動関数においても形状は同じである。
【0019】また、電子は第1の凖位11と第2の凖位
12の間を、ある程度、行ったり来たりするので、この
2重量子井戸における電子の波動関数ψは、第1の凖位
11の波動関数ψ1 と第2の凖位12の波動関数ψ2 と
の和、即ち、
【0020】
【数3】
【0021】で表される。電子の位相は不確定要素であ
り、どのようにとっても良いので、2重量子井戸におけ
る電子の波動関数(3) は、
【0022】
【数4】
【0023】と書き換えることにより、その時間要素を
まとめることができる。この波動関数(4) において、時
間tが0のとき、ψ=φ1 +φ2 となり、この関数の形
状は、図5に示すように2重量子井戸の一方の井戸(第
1の井戸層8a)に電子の空間分布が偏ったものとな
る。また時間tがπ/(ω2 −ω1 )のとき、ψ=−φ
1 +φ2 となり、この関数の形状は、図6に示すように
2重量子井戸の他方の井戸(第2の井戸層8b)に電子
の空間分布が偏ったものとなる。このように、2重量子
井戸の電子の波動関数はπ/(ω2 −ω1 )の2倍を1
周期としてその空間分布の偏りが2つの量子井戸間を往
復する。また、波動関数の絶対値の二乗が電子(又は正
孔)の存在確率を表すので、結合量子井戸内の電子(又
は正孔)の存在確率は、
【0024】
【数5】
【0025】で表される。即ち、電子(又は正孔)は、
(ω2 −ω1 )で決まる周波数でその空間分布の偏りが
2つの量子井戸間を往復する。ここで、電子の第1の凖
位11にある電子と、電子の第2の凖位12にある電子
のエネルギ差をΔE1 とし、また正孔の第1の凖位21
にある正孔と正孔の第2の凖位22にある正孔とのエネ
ルギ差をΔE2 とすれば、電子は、
【0026】
【数6】
【0027】の振動数で、第1の井戸層と第2の井戸層
の間を行ったり来たりし、また、正孔は、
【0028】
【数7】
【0029】の振動数で第1の井戸層と第2の井戸層の
間を行ったり来たりする。通常、ΔE1 とΔE2 の大き
さは異なるので、電子と正孔はそれぞれ異なる振動数で
第1の井戸層と第2の井戸層の間を行ったり来たりす
る。そして、一定の周期で電子と正孔の両方が何れか一
方の井戸に同時に存在するタイミングが発生する。電子
と正孔が同じ井戸層に入る周波数νは、
【0030】
【数8】
【0031】(但し、m,nは整数)であり、この電子
と正孔の両方が何れか一方の井戸に同時に存在するタイ
ミングにおいてのみこれら電子と正孔の再結合によりレ
ーザ発振が生じ得る利得が生じ、その結果、レーザ発振
は、上述の電子及び正孔が2つの量子井戸の何れか一方
に同時に存在するタイミングが発生する周期で間欠的に
生ずることとなる。即ち、これによりパルセーションレ
ーザを実現することができる。但し、電子の振動数νc
が正孔の振動数νv に比して十分に高い場合は、電子と
正孔が同じ井戸層に入る周波数νは、電子の振動数νc
とほぼ等しい値となる。
【0032】このように、本実施例による半導体パルセ
ーションレーザでは、パルセーションの周期は2重量子
井戸内に形成されるサブバンド間のエネルギ差ΔE1 ,
ΔE2 によって決まる。このサブバンド間のエネルギ差
ΔE1 ,ΔE2 は、2重量子井戸構造を構成する量子井
戸層8a,8b,障壁層9,及び光閉じ込め層7a,7
bの材料組成、寸法を適当に設定することにより容易に
精度よく所望の値とすることができる。通常、パルセー
ションレーザとして所望されるパルセーションの周波数
は100MHz〜10GHzであるので、式(7) で求め
られる周波数νがこの範囲の値となるように2重量子井
戸構造を構成する各層の材料組成、及び寸法を設定すれ
ばよい。
【0033】ところで、サブバンドは上述のように、2
つの量子井戸を近接して配置することにより、量子井戸
内に形成される離散的なエネルギ準位が分離して形成さ
れるが、独立した単一量子井戸の状態で形成される複数
の離散的なエネルギ準位の間のエネルギ差が小さい量子
井戸を近接配置して2重量子井戸構造とした場合には、
1の離散的なエネルギ準位が分離して形成されるサブバ
ンドと他の離散的なエネルギ準位が分離して形成される
サブバンドが近接したエネルギ位置に形成されることと
なる。通常、量子井戸内でのキャリアの分布は、各エネ
ルギ準位に対して、波長換算して2nm程度の広がりを
有しているので、この範囲内に他の離散的なエネルギ準
位が分離して形成されるサブバンドが形成された場合に
は、このサブバンドとの間でキャリアの行き来が生じ、
パルセーションの周波数を決定する要素となる上述した
サブバンド間のエネルギ差が決まらず、所望の周波数で
の動作が得られないことが考えられる。このような不都
合を防止するため、2重量子井戸を構成する各量子井戸
は、独立した単一量子井戸の状態で形成される複数の離
散的なエネルギ準位の間のエネルギ差が、波長換算して
10nm以上あることが望ましい。
【0034】次に、AlGaAs系材料を用いて構成し
た場合の具体的な数値例を示す。まず、Alx Ga1-x
Asで本実施例の半導体パルセーションレーザを構成し
た場合、電子の振動数νc は正孔の振動数νv に比して
十分に高いので、電子と正孔が同じ井戸層に入る周波数
νは、電子の振動数νc とほぼ等しい値となる。第1の
井戸層8a,及び第2の井戸層8bのアルミ組成比xを
0.1、厚さを8nmとし、光閉じ込め層7a,7b,
及び障壁層9のアルミ組成比xを0.35、厚さを14
nmとすれば、 ΔE1 =6.8×10-6〔eV〕 であるから、ν=1.6〔GHz〕の周波数で発振する
半導体パルセーションレーザを実現できる。なお、この
ときの各量子井戸に形成される離散的なエネルギ準位間
のエネルギ差は波長に換算して約15nm程度である。
【0035】なお、上記の実施例では、2重量子井戸構
造を構成する量子井戸が薄膜状であるもの、即ち1次元
の量子井戸レーザ(量子井戸層レーザ)であるものにつ
いて説明したが、2重量子井戸構造を構成する量子井戸
が細線状であるもの、即ち2次元の量子井戸レーザ(量
子井戸細線レーザ)、あるいは、2重量子井戸構造を構
成する量子井戸が箱状であるもの、即ち3次元の量子井
戸レーザ(量子井戸箱レーザ)であってもよい。
【0036】図7,図8,及び図9は、それぞれ量子井
戸が薄膜状の2重量子井戸構造と該構造における電子の
状態密度,量子井戸が細線状の2重量子井戸構造と該構
造における電子の状態密度,及び量子井戸が箱状の2重
量子井戸構造と該構造における電子の状態密度を示す図
である。図において、81a,81bは量子井戸層、8
2a,82bは量子井戸細線、83a,83bは量子井
戸箱であり、90は障壁層である。
【0037】これらの図からわかるように、2重量子井
戸構造における電子の状態密度は、電子の自由度の減少
に伴って尖鋭化する。従って、上記実施例において、量
子井戸層を量子井戸細線,又は量子井戸箱とすることに
より、さらに顕著な効果が期待できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、2重
量子井戸構造の活性層であって、これを構成する量子井
戸が、それらが充分離れて独立しているときに井戸内に
形成される離散化したエネルギ凖位間のエネルギ差が波
長換算して10nm以上離れており、かつ、2つの井戸
が結合した状態において、上記離散化したエネルギ準位
が分離して形成された2つのエネルギ準位間のエネルギ
差が、この2つのエネルギ準位の各々における波動関数
に基づいて得られる、上記2つの井戸の何れか一方に電
子及び正孔の両方が同時に存在するタイミングの発生周
波数が100MHzから10GHzの間の値となるエネ
ルギ差である活性層を備えた構成としたから、電子及び
正孔が2つの井戸の何れか一方に同時に存在するタイミ
ングにおいてのみこれら電子と正孔の再結合によりレー
ザ発振が生じ得る利得が生じ、その結果、レーザ発振
は、上述の電子及び正孔が2つの量子井戸の何れか一方
に同時に存在するタイミングが発生する周期で間欠的に
生ずることとなり、これによりパルセーションレーザを
実現することができる効果があり、しかも、上記離散化
したエネルギ準位間のエネルギ差,及び上記離散化した
エネルギ準位が分離して形成された2つのエネルギ準位
間のエネルギ差は、2重量子井戸構造を構成する各層の
材料組成、及び寸法により精度良く設定できるので、所
望の周波数のパルセーションレーザが容易に設計,作製
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体パルセーション
レーザを示す図である。
【図2】図1に示す半導体パルセーションレーザの活性
層近傍のバンドダイアグラム図である。
【図3】第1の凖位における電子の波動関数を示す図で
ある。
【図4】第2の凖位における電子の波動関数を示す図で
ある。
【図5】t=0のときの2重量子井戸構造中の電子の波
動関数の空間分布を示す図である。
【図6】t=π/(ω2 −ω1 )のときの2重量子井戸
構造中の電子の波動関数の空間分布を示す図である。
【図7】量子井戸が薄膜状の2重量子井戸(量子井戸
層)構造と該構造における電子の状態密度を示す図であ
る。
【図8】量子井戸が細線状の2重量子井戸(量子井戸細
線)構造と該構造における電子の状態密度を示す図であ
る。
【図9】量子井戸が箱状の2重量子井戸(量子井戸箱)
構造と該構造における電子の状態密度を示す図である。
【図10】従来の半導体パルセーションレーザを示す斜
視図である。
【図11】従来の半導体パルセーションレーザの動作を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ基板 2 下クラッド層 3 活性層 4 上クラッド層 5 電流ブロック層 6a,6b 電極 7a,7b 光閉じ込め層 8a 第1の井戸層 8b 第2の井戸層 9 障壁層 11 電子の第1の準位 12 電子の第2の準位 21 正孔の第1の準位 22 正孔の第2の準位
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】次に従来の半導体パルセーションレーザの
動作について説明する。図11に示すように、電極10
6aから注入された電流は、電流ブロック層105で狭
窄された後、電流ブロック層105と活性層103との
間の上クラッド層104中で若干広がり、活性層103
に注入される。これにより活性層103のうち、電流が
流れており真上に電流ブロック層105の存在しない領
域が発光し、レーザ発振する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に配置された活性層を備え
    た半導体パルセーションレーザにおいて、 上記活性層は、近接して配置された2つの量子井戸を含
    む2重量子井戸構造を有するものであって、 上記2つの量子井戸の各々が、これらが充分離れて独立
    しているときに井戸内に形成される離散化したエネルギ
    凖位間のエネルギ差が波長換算して10nm以上離れて
    いるものであり、 かつ、これらが上記近接して配置された状態において、
    上記離散化したエネルギ準位が分離して形成された2つ
    のエネルギ準位間のエネルギ差が、上記2重量子井戸構
    造におけるキャリアの波動関数に基づいて得られる、上
    記2つの量子井戸の何れか一方に電子及び正孔の両方が
    同時に存在するタイミングの発生周波数が100MHz
    から10GHzの間の値となるエネルギ差であることを
    特徴とする半導体パルセーションレーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体パルセーションレ
    ーザにおいて、上記活性層は、2重量子井戸層構造であ
    ることを特徴とする半導体パルセーションレーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体パルセーションレ
    ーザにおいて、上記活性層は、2重量子井戸細線構造で
    あることを特徴とする半導体パルセーションレーザ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体パルセーションレ
    ーザにおいて、上記活性層は、2重量子井戸箱構造であ
    ることを特徴とする半導体パルセーションレーザ。
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